- 英
- cytometry, blood cell counting, blood count
- 同
- 血球数算定、血球計算、血計、血球数
- 関
- 細胞数測定、全血球計算、血球
定義
血算、血球形態
意義
- 血球の形態、数の異常は白血病など血液疾患における重症な疾患を判定する上で重要である。また、感染症や、悪性腫瘍など全身疾患をスクリーニングする上でも重要である。
方法
血算
- EDTAの入ったスピッツによって採血する。検体はフローサイトメトリーによって大きさ、内容物、核酸量から血球を分類する。
血球形態
- EDTAのスピッツによって採血した血液をもちい塗抹標本を作成する。標本はメイギムザ染色をおこない顕微鏡にて検鏡し、形態を観察する。
注意
- 採血後速やかに転倒混和することで凝固反応を停止しなければならない。凝固がおこると血小板数が減少し、血球も凝集してしまうので正確な血算が出せなくなる。形態学的な分類は、人間の目によって分類されているので、人によって多少の誤差が出てくる可能性があることを理解しておく。自分で確かめるとより患者の状態を把握できるのでよいかもしれない。
臨床関連
- 偽性血小板減少症:まずはヘパリンスピッツに変えて再検する。動脈血液ガスを測定しても良い。
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 血小板減少症 (特集 日常診療でみられる血液異常と血液疾患) -- (血算の見方)
- 血小板増加症 (特集 日常診療でみられる血液異常と血液疾患) -- (血算の見方)
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- a. 血算用採血では採血後、直ちに静置する。
- b. 検尿用採尿には初尿を採る。
- c. 女性の検尿では外陰部を清拭してから採尿する。
- d. 採痰ではできるだけ多く唾をいれる。
- e. 採便は便の表面をこすって採る。
[正答]
※国試ナビ4※ [099B023]←[国試_099]→[099B025]
[★]
- ☆case33 頭痛と混乱
- ■glossary
- accompany
- vt.
- (人)と同行する、(人)に随行する。(もの)に付随する。~と同時に起こる。~に加える(添える、同封する)(with)
- slurred n. 不明瞭
- 強直間代痙攣 tonic-clonic convulsion
- 意識消失とともに全身の随意筋に強直痙攣が生じ(強直痙攣期tonic convulsion)、次いで全身の筋の強直と弛緩とが律動的に繰り返される時期(間代痙攣期clonic convulsion)を経て、発作後もうろう状態を呈する一連の発作。
- ■症例
- 28歳、女性 黒人 南アフリカ 手術室看護師 ロンドン住在
- 主訴:頭痛と混乱
- 現病歴:過去3週間で頭痛が続いており、ひどくなってきた。現在も頭痛が持続しており、頭全体が痛い。友人曰く「過去六ヶ月で体重が10kg減っていて、最近、混乱してきたようだ」。発話は不明瞭。救急室にいる間に強直間代痙攣を起こした。
- ・診察 examination
- やせている。55kg。38.5℃。口腔カンジダ症(oral candidiasis)。リンパ節腫脹無し。心血管、呼吸器系、消化器系正常。痙攣前における神経検査では時間、場所、人の見当識無し。神経局所症状無し(no focal neurological sign)。眼底両側に乳頭浮腫有り。
- ・検査 investigation
- 血算:白血球増多
- 血液生化学:ナトリウム低下
- CT:供覧
- ■キーワード&着目するポイント
- ・口腔カンジダ症(oral candidiasis)
- ・頭痛、精神症状、強直間代痙攣
- ・眼底両側に乳頭浮腫
- ・CT所見
- ・低ナトリウム血症は二次的なもの
- ■アプローチ
- ・口腔カンジダ症(oral candidiasis) → 細胞免疫低下状態(DM、免疫抑制、AIDSなど) or 常在細菌叢の攪乱(長期の抗菌薬の使用)
- ・The occurrence of thrush in a young, otherwise healthy-appearing person should prompt an investigation for underlying HIV infection.(HIM.1254)
- ・More commonly, thrush is seen as a nonspecific manifestation of severe debilitating illness.(HIM.1254)
- ・精神症状、強直間代痙攣 → 一次的、あるいは二次的な脳の疾患がありそう
- ・頭痛 → 漠然としていて絞れないが、他の症状からして機能性頭痛ではなく症候性頭痛っぽい。
- ・眼底両側に乳頭浮腫 → 脳圧亢進の徴候 → 原因は・・・脳腫瘍、ことにテント下腫瘍と側頭葉の腫瘍、クモ膜下出血、脳水腫など、そのほか、眼窩内病変、低眼圧などの局所的要因、悪性高血圧、血液疾患、大量出血、肺気腫などの全身的要因 (vindicate本のp342も参考になる)
- ・頭痛と脳圧亢進 → 頭蓋内圧占拠性病変、脳炎(IMD.274)
- ・CT所見 → ringformの病変、脳浮腫、脳圧亢進
- ・低ナトリウム血症 → 脳ヘルニアに続発して起こることがあるらしい。実際には下垂体にトキソプラズマによる病変が形成されることにより起こりうる。
- ・そのほか出身地、体重減少もHIVを疑わせる点
- パターン認識でHIV + 精神症状 + てんかん発作(強直間代痙攣) + 脳圧亢進 + CT所見 = 一番ありそうなのはToxoplasma gondiiによるトキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis (トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis)
- ■Toxoplasma gondii
- 原虫 胞子原虫類
- (感染予防学 080521のプリント、CASES p,92、HIM p.1305-)
- ・疫学:西洋では30-80%の成人がトキソプラズマの感染の既往がある・・・うぇ(CASES)。日本では10%前後(Wikipedia)。
- ・生活環
- ・終宿主:ネコ:ネコの小腸上皮細胞で有性・無性生殖 糞便にオーシストの排泄
- ・中間宿主:ヒト.ブタを含むほ乳類と鳥類:無性生殖で増殖、シストの形成
- 急性期の増殖盛んな急増虫体tachyzoiteとシスト内の緩増虫体bradyzoite
- ・病原、病因 phathogenesis
- ・緩増虫体(bradyzoite)、接合子嚢(oocyst)
- ・感染経路
- 1. オーシストの経口摂取
- 2. 中間宿主の生肉中のシストの経口摂取
- 3. 初感染妊婦からの経胎盤感染。既感染なら胎盤感染しないらしい(HIM.1306)
- (4)移植臓器、輸血。確率は低い(at low rate)(HIM.1306)
- ・病態
- 1. 先天性トキソプラズマ症 congenital toxoplasmosis
- ①網脈絡膜炎、 ②水頭症、 ③脳内石灰化、 ④精神・運動障害
- 2. 後天性トキソプラズマ症 acquired toxoplasmosis
- (1) 健常者
- ・多くは不顕性感染。発熱、リンパ節腫脹、皮疹(rash)
- ・(少数例)筋肉痛、暈疼痛、腹痛、斑状丘疹状皮疹(maculopapular rash)、脳脊髄炎、混乱(HIM.1308)
- ・(まれ)肺炎、心筋炎、脳症、心膜炎、多発筋炎
- ・網膜、脈絡叢に瘢痕や、脳に小さい炎症性の病変を残すことあり(CASES)。
- ・急性感染の症状は数週間で消失 筋肉や中枢神経系に緩増虫体が残存
- (2)HIV感染者、臓器移植例、がん化学療法例
- シスト内緩増虫体→急増虫体→播種性の多臓器感染
- AIDSでは、トキソプラズマ性脳炎が指標疾患 AIDS-defineing illness(CASES)
- ・治療
- (日本)アセチルスピラマイシン、ファンシダール(感染予防学 080521)
- ■トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis、トキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis
- ・症状
- 発熱、頭痛、混乱m、痙攣、認知の障害、局所神経徴候(不全片麻痺、歯垢、脳神経損傷、視野欠損、感覚喪失)(CASES)
- ・画像検査
- (CT,MRI)多発性、両側性、ring-enhancing lesion、特に灰白質-白質境界、大脳基底核、脳幹、小脳が冒されやすい(CASES)
- ・鑑別診断(臨床症状・画像診断の所見で)
- リンパ腫、結核、転移性脳腫瘍(CASES)
- ・病歴と画像所見からの鑑別診断
- リンパ腫、結核、転移性腫瘍
- ?
- このCTがcerebral toxoplasmosisに特徴的かは不明
- □最後に残る疑問
- AIDSでWBC(leukocyte)の数はどうなるんだろう???AIDSの初診患者ではWBCが低い人が多いらしいし()、HIVはCD4+ T cellとmacrophageに感染して殺すから、これによってB cellは減るだろうし、CD8+ T cellも若干減少するだろうからWBCは減るんじゃないか?!好中球はAIDSとは関係ない?好中球は他の感染症に反応性に増加している?ちなみに、好酸球は寄生虫(原虫)の感染のために増える傾向にあるらしい(HIMのどこか)。
- スルファジアジン
- sulfadiazine
- ピリメタミン
- pyrimethamine
- 葉酸拮抗剤である。
- サルファ剤と併用され、抗トキソプラズマ薬、抗ニューモシチス・カリニ薬として相乗的に働く。
- ST合剤
- SMX-TMP
- スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤 sulfamethoxazole and trimethoprim mixture
- □AIDSの定義(http://en.wikipedia.org/wiki/CDC_Classification_System_for_HIV_Infection_in_Adults_and_Adolescents)
- A CD4+ T-cell count below 200 cells/μl (or a CD4+ T-cell percentage of total lymphocytes of less than 14%).
- or he/she has one of the following defining illnesses:
-
- 01. Candidiasis of bronchi, trachea, or lungs
- 02. Candidiasis esophageal
- 03. Cervical cancer (invasive)
- 04. Coccidioidomycosis, disseminated or extrapulmonary
- 05. Cryptococcosis, extrapulmonary
- 06. Cryptosporidiosis, chronic intestinal for longer than 1 month
- 07. Cytomegalovirus disease (other than liver, spleen or lymph nodes)
- 08. Encephalopathy (HIV-related)
- 09. Herpes simplex: chronic ulcer(s) (for more than 1 month); or bronchitis, pneumonitis, or esophagitis
- 10. Histoplasmosis, disseminated or extrapulmonary
- 11. Isosporiasis, chronic intestinal (for more than 1 month)
- 12. Kaposi's sarcoma
- 13. Lymphoma Burkitt's, immunoblastic or primary brain
- 14. Mycobacterium avium complex
- 15. Mycobacterium, other species, disseminated or extrapulmonary
- 16. Pneumocystis carinii pneumonia
- 17. Pneumonia (recurrent)
- 18. Progressive multifocal leukoencephalopathy
- 19. Salmonella septicemia (recurrent)
- 20. Toxoplasmosis of the brain
- 21. Tuberculosis
- 22. Wasting syndrome due to HIV
- People who are not infected with HIV may also develop these conditions; this does not mean they have AIDS. However, when an individual presents laboratory evidence against HIV infection, a diagnosis of AIDS is ruled out unless the patient has not:
-
- AND
- □AIDSのステージング
- ■参考文献
- HIM = Harrison's Principles of Internal Medicine 17th Edition
- CASES = 100 Cases in Clinical Medicine Second edition
- IMD = 内科診断学第2版
[★]
- poly(多) + cyt(細胞) + mia(血症) vera(真性?)
- ラ
- polycythemia vera PCV PV
- 同
- 真性赤血球増加症、真性赤血球増多症
- オスラー病 Osler disease,オスラー・ワーケ病 オスラー-ヴァケー病 Osler-Vaquez disease,ヴァケー病 Vaquez disease
- 関
- 骨髄増殖性疾患(MPD)
概念
- 慢性骨髄増殖性疾患の一つ。
- 多能性血液幹細胞の腫瘍性増殖により、赤血球数の絶対的増加と循環赤血球量の増加を呈する。
- 赤血球の他に、白血球、血小板も増加するが、リンパ球は増加しない。
病因
- 多能性幹細胞の異常により、血球が腫瘍性に増殖することが原因とされる。
疫学
- 新患発生数:100万人対2人/年
- 50-60歳に多い。
症状
- 循環赤血球量の増加 → 循環血液量の増加+血液粘稠度の亢進:循環障害による頭痛、めまい、耳鳴り、倦怠感、知覚異常、呼吸困難など → 高血圧、狭心症・心筋梗塞、間欠性跛行
- 血球の増加:脾腫(70%の症例)、赤ら顔(口唇、頬部、鼻尖、耳) →肝臓や脾臓の腫大は髄外造血による
- 骨髄
- ヒスタミンの放出:皮膚の掻痒感、消化性潰瘍
- 尿酸の放出増加:高尿酸血症 → 痛風
検査
- 赤血球:増加
- 白血球:増加
- 血小板:増加
- リンパ球:正常
血液生化学
遺伝子検査
特殊検査
- 循環赤血球量:増加(男性36 mL/kg以上、女性32 mL/kg以上) ← RIを使うはず
骨髄穿刺
鉄代謝
診断
- インスリン様成長因子Iに対する感受性の亢進、Bcl-2ファミリーに属するBcl-XLの発現亢進、エリスロポエチン受容体の発現パターンの異常、トロンボポエチン受容体の発現低下、チロシンホスファターゼの発現異常、エリスロポエチン受容体遺伝子の異常
診断基準
2008年WHOによる真性多血症診断基準
|
大基準
|
1. Hb>18.5g/dl(男性)、>16.5/dl(女性) もしくは 年齢、性別、住居している緯度から換算したHbかHtが9.9%以上増加している もしくは Hb>17g/dl(男性)、>15g/dl(女性)で鉄欠乏性貧血などの改善以外にHbが本人の基準値よりも2g/dl以上持続上昇している もしくは 赤血球数が予想値の25%を超えて上昇している
|
2. Jak2V617Fかもしくは同様の変異が存在する
|
小基準
|
1. 骨髄の3系統が増生を示す
|
2. 血清エリスロポイエチンがおおよそ正常値を示す
|
3. 内因性の赤芽球コロニー形成を認める
|
鑑別診断
治療
- 治療目標:生命予後は良好であり、10年生存率は50%異常が期待できる。合併症となる血栓症の予防が主眼となる。
- 瀉血:Ht 42-47% ← 血管閉塞症の頻度が低下する
- 血圧や脈拍の経過を見ながら月1-2回、1回200-400ml程度で行う。
- 高齢者や心血管障害を有する例では1回100-200ml頻回の瀉血が望ましい
- 抗血栓療法:血栓症の既往、もしくはリスクが高いときには抗血小板薬を処方。
- 抗癌薬投与:ヒドロキシウレアが第一選択で、不応例や不耐例の場合はルキソリチニブ。以前は40歳以上ではブスルファンとされていた。
- 放射性同位体:32P
- 高尿酸血症を有する場合にはフェブリクやアロプリノールを処方。
血栓症リスク
- Barbui T, et al.(J Clin Oncol. 2011 ; 29 : 761)
リスク分類
|
予後因子
|
低リスク
|
年齢<60歳、かつ血栓症の既往なし
|
高リスク
|
年齢≧60歳、または血栓症の既往がある
|
予後
- 生存は平均6-10年。5年生存率約75%, 10年生存率約55%
- 主な死因は、消化管出血や脳血管障害
長期生存
- 25%の症例で骨髄線維症へ移行
- まれに急性白血病を発症。32Pによる治療を受けた患者に多い
USMLE
- Q book p.245 32
- first aid step1 2006 p.278
国試
参考
- 総論 - 造血器腫瘍診療ガイドライン - 造血器腫瘍診療ガイドライン
http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_4.html#soron
- PV瀉血療法後のHt目標値を45%にすることは勧められるか
http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_4.html#cq7
- 真性多血症の治療ガイド - ノバルティスファーマ株式会社
http://product.novartis.co.jp/jak/tool/JAK00193GG0002.pdf
[★]
- 英
- blood cell count、blood count、blood cell number
- 関
- 血算、全血球計算値
[★]
- 関
- blood cell count、blood cell number
[★]
- 英
- hemocytometer
- 同
- 血球計算盤
- 関
- 血球計、血球計算器、血球計数器、血球計数板