- 英
- erythropoietin EPO EP Ep
- 同
- 赤血球生成促進因子 erythropoiesis-stimulating factor、エリスロポイエチン、ヒトエリスロポエチン human erythropoietin
- 商
- epoetin alfa, Epogen, Procrit
種類
分類
性状
産生組織
- the interstitium of the renal parenchyma, outside the tubular basement membrane , mostly in the inner cortex and outer medulla. (WINTEROBE'S CLINICAL HEMATOLOGY. 209)
標的組織
受容体
作用
分泌の調整
-
-
- 低酸素状態に対するエリスロポエチンによる代償機構の発現には数日かかる。2,3-DPGによる代償機構は2日。(SP.489,654)
分子機構
- 低酸素刺激で発現誘導される転写因子HIF(ヘテロダイマー:HIF-1α、HIF-1β)がエリスロポエチンの発現に関与
生合成
基準範囲
判断
高値
低値
臨床関連
- 腎不全で分泌↓
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/10/23 15:33:55」(JST)
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Erythropoietin |
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PDBに登録されている構造 |
PDB |
Ortholog search: PDBe, RCSB, PDBj |
PDBのIDコード一覧 |
1BUY, 1CN4, 1EER
|
|
|
識別記号 |
記号(英語版) |
EPO; EP; MVCD2 |
その他ID |
OMIM(英語版): 133170 MGI(英語版): 95407 HomoloGene(英語版): 624 ChEMBL: 5837 GeneCards: EPO Gene |
遺伝子オントロジー |
分子機能 |
• erythropoietin receptor binding
• hormone activity
• protein binding
• protein kinase activator activity
• eukaryotic cell surface binding
|
細胞の構成要素 |
• extracellular region
• extracellular space
|
生物学的プロセス |
• apoptotic process
• signal transduction
• embryo implantation
• aging
• blood circulation
• positive regulation of cell proliferation
• response to salt stress
• negative regulation of sodium ion transport
• peptidyl-serine phosphorylation
• negative regulation of ion transmembrane transporter activity
• response to lipopolysaccharide
• negative regulation of myeloid cell apoptotic process
• response to vitamin A
• cellular response to stress
• response to testosterone stimulus
• positive regulation of tyrosine phosphorylation of Stat5 protein
• hemoglobin biosynthetic process
• negative regulation of apoptotic process
• erythrocyte maturation
• response to estrogen stimulus
• positive regulation of neuron differentiation
• positive regulation of DNA replication
• positive regulation of transcription, DNA-dependent
• positive regulation of Ras protein signal transduction
• response to axon injury
• response to electrical stimulus
• response to hyperoxia
• regulation of transcription from RNA polymerase II promoter in response to hypoxia
• response to interleukin-1
• cellular response to hypoxia
• cellular hyperosmotic response
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出典: Amigo / EGO |
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RNA発現パターン |
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その他参照発現データ |
オルソログ |
種 |
ヒト |
マウス |
Entrez(英語版) |
2056 |
13856 |
Ensembl(英語版) |
ENSG00000130427 |
ENSMUSG00000029711 |
UniProt(英語版) |
P01588 |
P07321 |
RefSeq (mRNA) |
NM_000799 |
NM_007942 |
RefSeq (protein) |
NP_000790 |
NP_031968 |
Location (UCSC) |
Chr 7:
100.32 - 100.32 Mb |
Chr 5:
137.48 - 137.53 Mb |
PubMed search |
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[2] |
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エリスロポエチン(erythropoietin; 略称: EPO)とは、赤血球の産生を促進するホルモン。分子量は約34000、165個のアミノ酸から構成されている。血液中のエリスロポエチンは、貧血、赤血球増加症などの鑑別診断に用いられる。また、正当な医療目的以外にドーピングに使用されることが知られている。
目次
- 1 概要
- 2 ドーピング
- 3 調節機構
- 4 分子構造
- 5 脚注
- 6 外部リンク
概要
主に腎臓で生成され、補助的に肝臓でも作られる。9割が腎臓で産生されているともされることから、慢性腎不全になると、エリスロポエチンが必要なだけ得られなくなるため、貧血に陥る。腎臓のどの部位において産生されているのかは近年まで議論があり、傍糸球体装置や近位尿細管、血管内皮細胞など諸説存在していたが、遺伝子組み換えマウスの解析から尿細管間質細胞であることが明らかになった。
医薬品としては、エポエチンアルファ(商品名エスポー)、エポエチンベータ(商品名エポジン)といった遺伝子組換えによるエリスロポエチン製剤があり、腎性貧血に用いられる。日本では保険適応上、腎性貧血にのみ用いられているが、欧米では各種悪性疾患にともなう貧血などにも用いられている。
他のタンパク質同様に全合成は困難だったが、2012年にサミュエル・ダニシェフスキーらがネイティブケミカルライゲーション(英語版)を用い、糖鎖を簡略化した形ではあるが初めて全合成に成功した[1]。
ドーピング
エリスロポエチンは赤血球の増加効果を持つことから、筋肉への酸素供給量を高め持久力を向上させる目的で、長距離系スポーツ(自転車競技、クロスカントリーなど)のドーピングに使用されている[2]。2009年には複数の自転車競技選手から新型EPO(エリスロポエチン)が検出され話題となった[3]。また2013年1月には、ツール・ド・フランスで7回優勝したランス・アームストロングがオプラ・ウィンフリーとのインタビューで、かつてエリスロポエチンを使ったドーピングを行なっていたことを認めた[4]。
元来体内に存在する自然物質でその使用の判別が難しいため、ヘマトクリット(血液中に占める血球の容積率)、ヘモグロビン、網状赤血球数などを用いてドーピングのスクリーニングを行っている場合が多い。スクリーニング検査による疑い例は、尿を検体として電気泳動法によって遺伝子組換えエリスロポエチンを検出している。
調節機構
エリスロポエチンは、腎臓の尿細管間質細胞で産生されている。エリスロポエチンの産生は、血液中の酸素分圧によって調節されている。エリスロポエチンの転写調節機構はいくつか報告されているが、低酸素応答転写因子であるHIF (hypoxia inducible factors) が代表的なものである。HIFは酸素濃度が高いときには分解され、低酸素のときには核内に移行してエリスロポエチンの転写を促進する。つまり、慢性的な低酸素状態となった時にエリスロポエチンの産生が促進されるのである。したがって、貧血などでもエリスロポエチンの産生は促進される。
エリスロポエチンは赤血球上のエリスロポエチン受容体 (EpoR) に結合し、JAK2カスケードを活性化する。このEpoRは多くの骨髄細胞、白血球、末梢・中枢神経に発現しており、Epoに結合することで細胞内のシグナル伝達に関わっている。
分子構造
分子式 |
C809H1301N229O229S5 |
分子量 |
18,235.96 |
配列構造 |
APPRLICDSRVLERYLLEAKEAENITTGCA EHCSLNENITVPDTKVNFYAWKRMEVGQQA VEVWQGLALLSEAVLRGQALLVNSSQPWEP LQLHVDKAVSGKRSKTTLLRALGAQKEAIS PPDAASAAPLRTITADTFRKLFRVYSMFLR GKLKLYTGEACRTGDR
|
実際には、24, 38, 83番目の太字の3つのN(アスパラギン)残基にはN結合型糖鎖が、126番目の斜体字のS(セリン)残基にはO結合型糖鎖が付加しており、分子量は遙かに大きい。また、糖鎖を除去するとエリスロポエチンの活性はなくなる。さらに7と161番目のC(システイン)残基間と29と33番目のシステイン残基間にはジスルフィド結合が形成されている。
脚注
- ^ 【全合成】At Last: Erythropoietin as a Single Glycoform、ChemASAP、2012年12月7日、2015年3月30日閲覧
- ^ “ドーピングとの闘いー事例紹介”. 財団法人 日本分析センター. 2013年7月25日閲覧。
- ^ Lee Rodgers (2009年12月15日). “アンチ・ドーピング専門家「選手たちは新型EPOが検出不可能だと間違って信じている」”. cyclingtime.com. 2013年7月25日閲覧。
- ^ “アームストロング氏、更なる訴訟に直面”. AFP (2013年3月2日). 2013年7月25日閲覧。
外部リンク
- トップアスリートの赤い闇 血液ドーピングなしには勝てない
内分泌器:ホルモン(ペプチドホルモン、ステロイドホルモン) |
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視床下部 - 脳下垂体 |
視床下部
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GnRH - TRH - ドーパミン - CRH - GHRH - ソマトスタチン - ORX - MCH - MRH - MIH
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脳下垂体後葉
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バソプレッシン - OXT
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脳下垂体中葉
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MSH(インテルメジン)
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脳下垂体前葉
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αサブユニット糖タンパク質ホルモン(FSH - LH - TSH) - GH - PRL - POMC(ACTH - エンドルフィン - リポトロピン)
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副腎 |
副腎髄質
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副腎髄質ホルモン(アドレナリン - ノルアドレナリン - ドーパミン)
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副腎皮質
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副腎皮質ホルモン(アルドステロン - コルチゾール - DHEA)
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甲状腺 |
甲状腺
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甲状腺ホルモン(T3 - T4 - カルシトニン)
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副甲状腺
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PTH
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生殖腺 |
精巣
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テストステロン - AMH - インヒビン
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卵巣
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エストラジオール - プロゲステロン - インヒビン/アクチビン - リラキシン(妊娠時)
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その他の内分泌器 |
膵臓
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グルカゴン - インスリン - ソマトスタチン
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松果体
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メラトニン
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内分泌器でない器官 |
胎盤:hCG - HPL - エストロゲン - プロゲステロン - 腎臓:レニン - EPO - カルシトリオール - プロスタグランジン - 心臓:ANP - BNP - ET - 胃:ガストリン - グレリン - 十二指腸:CCK - GIP - セクレチン - モチリン - VIP - 回腸:エンテログルカゴン - 脂肪組織:レプチン - アディポネクチン - レジスチン - 胸腺:サイモシン - サイモポイエチン - サイムリン - STF - THF - 肝臓:IGFs(IGF-1 - IGF-2) - 耳下腺:バロチン - 末梢神経系:CGRP - P物質
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誘導タンパク質 |
NGF - BDNF - NT-3
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Japanese Journal
- 遺伝子組み換えヒトエリスロポエチン(rHuEPO)使用レジメン変更前後におけるヘモグロビン(Hb)変動の比較検討
- 血液透析患者を対象とした持続型ESA製剤とrHuEPO製剤のhemoglobin variabilityに与える影響の違いの検討
Related Links
- エリスロポエチン(erythropoietin; EPO、英語発音: /iˌriθrouˈpɔiətn/ イリスロウポイァ トゥン)とは、赤血球の産生を促進するホルモン。肝臓でも生成されるが、主に腎臓で 生成される。9割が腎臓で産生されているとも言われる。このため慢性腎不全になると、 ...
- 「エリスロポエチン」とは - 腎臓で産生されるホルモンの一つ。erythropoietin。 その機能 は、骨髄に働きかけ赤血球の産生を促進すること。 腎不全者においては、この エリスロポエチン産生が障害されることにより、...
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- 次の文を読み、16~18の問いに答えよ。
- 28歳の男性。全身倦怠態と歯肉出血とのため来院した。
- 現病歴 : 2週前から全身倦怠感を自覚していたが、3日前から起床時に歯肉に血がにじんでいるのに気付いた。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 意識は清明。体温37.2℃。脈拍98/分、整。血圧106/62mmHg。前胸部と下腿とに点状出血を認める。眼瞼結膜は蒼白。リンパ節腫脹はない。第3肋間胸骨左縁に2/6度の収縮期雑音を認める。肺野にラ音を聴取しない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。神経学的に異常を認めない。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血2+。便潜血反応陰性。
- 血液所見 : 赤血球205万、Hb6.6 g/dl、Ht20%、網赤血球10‰、白血球2,500(桿状核好中球1%、分葉核好中球26%、好酸球2%、好塩基球1%、単球9%、リンパ球61%)、血小板2.1万、出血時間12分(基準7以下)、プロトロンビン時間98%(基準80~120)、APTT31秒(基準対照32.2)。
- 血清生化学所見:総蛋白7.0g/dl、アルブミン4.5g/dl、ハプトグロピン45mg/dl基準19~170)、尿素窒素18mg/dl、クレアチニン1。1mg/dl、尿酸4.6 mg/dl、総コレステロール135mg/dl、総ビリルビン0.8mg/dl、AST35単位、ALT30単位、LDH 350 単位(基準176~353)、Na140mEq/l、K4.0mEq/l、Cl 100 mEq/l、CRP0.8mg/dl。
[正答]
※国試ナビ4※ [099I015]←[国試_099]→[099I017]
[★]
- 64歳の男性。浮腫と全身倦怠感とを主訴に来院した。 10年前に健康診療で血糖高値と血圧高値とを指摘されたが受診しなかった。半年前から夜間排尿回数の増加を自覚していた。 1か月前から浮腫と全身倦怠感とが出現し、次第に増悪するために受診した。飲酒は日本酒1台/日を40年間。喫煙は15本/日を40年間。身長168cm、体重74kg。体温36.0℃、呼吸数16/分。脈拍80/分、整。血圧166/100mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。心尖部に2/6度の収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は軽度に膨隆し、圧痛を認めない。肝・脾を触知しない。前脛骨部に浮腫を中等度認める。尿検査:蛋白3+、糖1+、潜血1 +。血液所見:赤血球 280万、 Hb 8.2g/dl、 Ht 22%、白血球 5,000、血小板 20万。血液生化学所見:空腹時血糖146mg/dl、HbA1c 6.8%(基準4.3-5.8)、総蛋白 5.8g/dl、アルブミン 3.0g/dl、尿素窒素 30mg/dl、クレアチニン 2.2mg/dl、尿酸 8.2mg/dl, Na 140mEq/l、K 6.0mEq/l, Cl 114mEq/l。胸部エックス線写真で心胸郭比56%であり、心電図で左室肥大を認める。
- 治療として適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D044]←[国試_105]→[105D046]
[★]
- 次の文を読み、25~27の問いに答えよ。
- 51歳の男性。昨夜から呼吸困難がひどくなり来院した。
- 現病歴 : 32歳時の会社の健康診断で蛋白尿と血尿とを指摘されたが、症状がなく放置していた。42歳ころから高血圧を指摘され、時々降圧薬を服用していた。45歳ころから夜間尿を認めるようになった。5日前から全身倦怠感、食欲不振、悪心および頭痛が出現した。
- 現症 : 意識は清明。身長171cm、体重79kg。体温37.1℃。脈拍98/分、整。血圧166/92mmHg、眼瞼結膜は貧血様である。胸部で心尖拍動を鎖骨中線から4cm外側に触知し、両側下肺野にcoarse crackles(水泡音)を聴取する。肝を右肋骨弓下に1.5cm触知する。腹水を認める。下腿に著明な浮腫を認める。検査所見:尿所見:蛋白3+、糖(-)、潜血2+。血液所見:赤血球230万、Hb6.9g/dl、Ht21%、白血球7,000、血小板20万。血清生化学所見:総蛋白4.6g/dl、アルブミン2.1g/dl、尿素窒素125mg/dl、クレアチニン12.8mg/dl、Na129mEq/l、K6.6mEq/l、Cl100mEq/l、Ca7.3mg/dl、P6.0mg/dl、HCO3 -12mEq/l
[正答]
※国試ナビ4※ [096C024]←[国試_096]→[096C026]
[★]
- 58歳の男性。倦怠感と歩行時の息切れとを主訴に来院した。 20年前に糖尿病を指摘されたが治療は受けていない。 5年前から蛋白尿、 2年前から高血圧を認めていた。母親が糖尿病である。意識は清明。身長 170 cm、体重 68 kg。脈拍 96/分、整。血圧 168/96 mmHg。眼瞼結膜は貧血様である。 II /VIの収縮期心雑音を認める。両側の下胸部に coarse cracklesを聴取する。下腿に浮腫を認める。尿所見:蛋白 2+、糖 (-)、沈渣に赤血球 1~ 4 / 1視野。血液所見:赤血球 270万、 Hb 8.0 g/dl、Ht 25%、白血球 7,200、血小板 12万。血液生化学所見:総蛋白 6.4 g/dl、アルブミン 3.2 g/dl、フェリチン 85 ng/ml(基準 20~120)、尿素窒素 58 mg/dl、クレアチニン 5.1 mg/dl、尿酸 9.5 mg/dl、空腹時血糖 140 mg/dl、HbA1c(NGSP) 7.2% (基準 4.6~6.2)、総コレステロール 190 mg/dl、Na 140 mEq/l、K 5.5 mEq/l、Cl 111 mEq/l、Ca 8.0 mg/dl、 P 5.5 mg/dl、Fe 80μg/dl、総鉄結合能〈TIBC〉300 μg/dl(基準 290~390)。動脈血ガ-ス分析 ( room air): pH 7.34、PaCO2 35 Torr、PaO2 92 Torr、HCO3 16.5 mEq/l。腹部超音波検査で両腎の大きさは正常である。
- この患者に対する治療薬として適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108I066]←[国試_108]→[108I068]
[★]
- 次の文を読み、25~27の問いに答えよ。
- 64歳の女性。労作時呼吸困難と下腿の浮腫とを主訴に来院した。
- 現病歴 : 20年前から蛋白尿を指摘され、その時の腎生検でIgA腎症と診断された。近医で治療を受けていたが、最近、階段昇降時や買い物に行ったときに息苦しさを感じるようになった。
- 既往歴・家族歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 意識は清明。身長162cm、体重48kg。脈拍92/分、整。血圧180/96mmHg。眼瞼結膜は蒼白。両側下肺にcoarse crackles を認める。下腿に浮腫を認める。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白3+、糖(-)、沈渣に赤血球10~20/1視野。血液所見:赤血球230万、Hb7.8 g/dl、Ht22%、白血球7,500、血小板30万。血清生化学所見:総蛋白6.0g/dl、アルブミン3.8g/dl、尿素窒素80mg/dl、クレアチニン8.2mg/dl、尿酸7.6 mg/dl、総コレステロール190 mg/dl、Na138mEq/l、K6.5mEq/l、Cl100mEq/l、Ca7.9mg/dl、P6.0mg/dl、動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.32、PaO2 98Torr、PaCO2 30Torr、HCO3 -15mEq/l。
[正答]
※国試ナビ4※ [098C025]←[国試_098]→[098C027]
[★]
- 75歳の女性。顔面紅潮を主訴に来院した。半年前から家族に顔が赤くなったと言われるようになった。めまいや頭重感を時々自覚するようになったため受診した。喫煙歴はない。身長 145cm、体重 50kg。体温 36.5℃。脈拍 68/分、整。血圧 158/90mmHg。顔面は紅潮している。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球 773万、Hb 19.3g/dL、Ht 61%、白血球 15,320(桿状核好中球 20%、分葉核好中球 55%、好酸球 2%、単球 6%、リンパ球 17%)、血小板 59万、好中球アルカリフォスファターゼスコア 440(基準 120~320)。血液生化学所見:総蛋白 6.6g/dL、総ビリルビン 0.5mg/dL、AST 20IU/L、ALT 25IU/L、LD 471IU/L(基準 176~353)、尿素窒素 18mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL、尿酸 8.0mg/dL、Fe 29ng/dL、ビタミンB12 1,200pg/mL(基準 250~950)、エリスロポエチン 2mIU/mL(基準 8~36)。CRP 0.1mg/dL。腹部超音波像で軽度の脾腫を認める。骨髄穿刺検査では有核細胞数 72.5万で、赤芽球、顆粒球および巨核球の3血球系統が増加している。
- 今後の治療として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I071]←[国試_109]→[109I073]
[★]
- 41歳の男性。職場の定期健康診断で白血球増多を指摘されたため来院した。1年前の健診でも軽度の白血球増多を指摘されていた。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸部リンパ節と鎖骨上リンパ節とに腫大を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で脾を左季肋下に10cm触知する。下腿に浮腫を認めない。血液所見:赤血球 466万、Hb 14.7g/dL、Ht 44%、網赤血球 1.4%、白血球 51,600(骨髄芽球 1.5%、骨髄球 6%、後骨髄球 9.5%、桿状核好中球 19.5%、分葉核好中球 45.5%、好酸球 3%、好塩基球 7.5%、単球 2%、リンパ球 6%)、血小板 37万。血液生化学所見:総蛋白 6.7g/dL、AST 18IU/L、ALT 15IU/L、LD 601IU/L(基準 176~353)。CRP 0.2mg/dL。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No. 13A)と骨髄血染色体分析(別冊No. 13B)とを別に示す。
- この患者で考えられる所見はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I048]←[国試_110]→[110I050]
[★]
- 70歳の男性。息切れを主訴に来院した。5年前に胃癌のため胃全摘術を受けた。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。胸骨左縁で収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部の正中部に手術痕を認める。肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球185万、Hb 8.3g/dl、Ht 25%、網赤血球0.3%、白血球3,900、血小板8.1万。血液生化学所見:尿素窒素12mg/dl、クレアチニン0.6mg/dl、総ビリルビン2.1mg/dl、直接ビリルビン0.2mg/dl、AST 28IU/l、ALT 16IU/l、LD 1,280IU/l(基準176~353)、Fe 65μg/dl(基準59~161)、ビタミンB12 112pg/ml(基準250~950)、葉酸8.3ng/ml(基準2.4~9.8)。末梢血塗抹標本で核に過分葉のある成熟好中球を認め、骨髄血塗抹標本で巨赤芽球を認める。ビタミンB12の筋肉内投与が行われ、貧血は改善しつつあったが、治療中に改善がみられなくなった。
- 現時点で患者に不足していると考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107A037]←[国試_107]→[107A039]
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- 次の文を読み、65~67の問いに答えよ。
- 42歳の女性。口渇、多飲および多尿を主訴に来院した。
- 現病歴 : 1年前から義母の介護が始まり生活が不規則になった。1か月前から症状が出現した。
- 既往歴 : 25歳時、アルコール性肝障害を指摘された。
- 生活歴 : 飲酒は日本酒2合/日を22年間。喫煙歴はない。
- 家族歴 : 姉、母親および母方祖母が糖尿病である。
- 現 症 : 意識は清明。身長152cm、体重42kg。脈拍80/分、整。血圧154/92 mmHg。
- 検査所見: 尿所見:蛋白(-)、糖4+、ケトン体1+。血液所見:赤血球420万、Hb 10.8g/dl、血小板 10万。血液生化学所見:随時血糖 406mg/dl、HbA1C 10.5%。AST 88IU/l、ALT 64IU/l、LD 429IU/l(基準176~353)、クレアチニン 0.6 mg/dl。
[正答]
※国試ナビ4※ [103E064]←[国試_103]→[103E066]
[★]
- 67歳の女性。3か月前からの腹部膨満感を主訴に来院した。脈拍76/分、整。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨隆し、右肋骨弓下に肝を3cm、左肋骨弓下に脾を5cm触知する。血液所見:赤血球 360万, Hb 10.5g/dl、Ht 32%、白血球 18,700(骨髄芽球1%、好中球58%、好酸球5%、好塩基球1%、単球5%、リンパ球30%、赤芽球4個/100白血球)、血小板65万、末梢血塗抹標本で巨大血小板を認め、骨髄穿刺はdry tapであった。骨髄の生検組織のH-E染色標本(別冊No.18A)と鍍銀染色標本(別冊No.18B)とを別に示す。
- 適切な対応はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D043]←[国試_105]→[105D045]
[★]
- 55歳の男性。健康診断で白血球増多を指摘され来院した。自覚症状は特にないという。身長168cm、体重65kg。体温36.6℃。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を2cm、左肋骨弓下に脾を2cm触知する。血液所見:赤血球 475万、Hb 13.4g/dl、Ht 43%、白血球 23,000(前骨髄球2%、骨髄球5%、後骨髄球3%、桿状核好中球12%、分葉核好中球58%、好酸球6%、好塩基球4%、単球3%、リンパ球7%)、血小板54万。
- 次に行う検査として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105B044]←[国試_105]→[105B046]
[★]
- 36歳の女性。全身倦怠感を主訴に来院した。半年前から全身倦怠感が出現し、改善しないため受診した。20歳代後半から過多月経がある。血液所見:赤血球 337万、Hb 5.9g/dL、Ht 18%、白血球 6,400、血小板 43万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dL、アルブミン 4.3g/dL、総ビリルビン 0.5mg/dL、AST 10IU/L、ALT 6IU/L、LD 144IU/L(基準 176~353)、尿素窒素 11mg/dL、クレアチニン 0.4mg/dL、Fe 9ng/dL。
- この患者にみられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109G052]←[国試_109]→[109G054]
[★]
- 全身状態・疾患とそれに伴う貧血の原因の組合せで誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108C013]←[国試_108]→[108C015]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100G042]←[国試_100]→[100G044]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105G037]←[国試_105]→[105G039]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096G040]←[国試_096]→[096G042]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106I035]←[国試_106]→[106I037]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104E026]←[国試_104]→[104E028]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103G024]←[国試_103]→[103G026]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103G022]←[国試_103]→[103G024]
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
[★]
- 英
- myelodysplastic syndrome, MDS
まとめ
- 異常な幹細胞(造血幹細胞レベルでの原因不明の質的異常)から単クローン性に血球が産生される疾患であり、慢性・非可逆性に進行する。治療不応性の経過をとり、予後不良であり、高率に白血病に移行する。汎血球減少がみられ、また形態の異常がみられる。NAPスコアは減少する。骨髄では無効造血がみられ、正形成~過形成となる。症状は無症状であることがあり、ある場合は汎血球減少に基づく症状である。治療は造血幹細胞移植が根治量であるが、適応がない場合は免疫抑制薬、ステロイド、造血因子(蛋白同化ステロイド)の投与、また赤血球、血小板の輸血を行う。
概念
- 異常な幹細胞(造血幹細胞レベルでの原因不明の質的異常)から単クローン性に血球が産生される
- 無効造血による血球減少、異形成(血球形態異常)、治療不応性、前白血球病的(白血病への移行)性質
- 本疾患に含まれる不応性貧血は難病に指定されている。
疫学
- 中高年層に好発し、50歳以上が70%以上。男女比は1.6:1。
病因
- 続発性:ファンコニ貧血
- 薬剤性・医原性:化学物質、放射線、抗悪性腫瘍薬(アルキル化剤)
- 放射線や抗悪性腫瘍薬(アルキル化剤)による悪性腫瘍は治療後5-7年後に起こることが多く、MDSを経てAMLとなる。染色体異常は-5/5q or -7/7q-が多い。
分類
- FAB分類とWHO分類がある。芽球の比率におけるMDSの定義が異なり、FAB分類では芽球の比率30%未満。WHO分類では芽球の比率20%未満としている。これ以上は急性白血病としている。
FAB分類
WHO分類
病態
- 造血幹細胞に発生した遺伝子異常に基づく血球減少症。
- 染色体異常は40-60%で認められ、-5、5q-、-7、7q-や第8染色体のトリソミーがある。
検査
末梢血
- 汎血球減少(1-3系統):(頻度)汎血球減少47.9%、貧血+血小板減少17.7%、貧血+白血球減少17.2%、貧血13.2%
-
- 数:正球性~大球性の貧血。ときに小球性。網赤血球数は低下するが、ときに上昇
- 形態:大小不同や奇形
- 数:好中球減少。
- 形態:好中球の過分葉。偽ペルゲル・フェット核異常。顆粒の減少。NAPスコア低下
骨髄
- 正形成~過形成 ← 造血能は失われておらず、補償的に過形成となるのではないか?異常な血球が産生される結果、無効造血をきたす。
- 80-90%の症例:正~過形成骨髄
- 10-20%の症例:低形成 → 再生不良貧血との鑑別必要
- 芽球比率は予後を左右する
鉄代謝
- 無効造血を反映
症状
- 無症状であることがあり、健診の血液検査異常で見つかることがある。
- 汎血球減少に基づく諸症状。
- 赤血球減少:貧血(動悸、息切れ、倦怠感)
- 白血球減少:不明熱、易感染性(発熱、咽頭痛)
- 血小板減少:出血傾向
合併症
- 約1/3の症例で急性骨髄性白血病(AML)に進展 ← 異常造血幹細胞の増殖は前白血病状態であり、進展は遺伝子異常の付加がきっかけとなる。
- Sweet症候群(急性好中球性皮膚症)(発熱、好中球増加、好中球湿潤性紅斑)
- 壊疽性膿皮症
治療
- 同種造血幹細胞移植:根治療法。適応は55歳以下。
- 免疫抑制薬、ステロイド、造血因子(蛋白同化ステロイド)
- 赤血球、血小板の輸血。
- 参考1
- リスクで治療法が変わる。
-
- 貧血:赤血球輸血、(輸血後鉄過剰症に対して)鉄キレート剤、(低EPO例)エリスロポエチン、(del5q例)レナリドミド
- 血小板減少:(<10,000/ulで出血症状を伴う)血小板輸血
- 好中球減少:(感染を併発したときに)G-CSF
- 重篤な造血不全による症状:アザシチジン
ガイドライン
- 1. 造血細胞移植ガイドライン骨髄異形成症候群(成人)
- http://www.jshct.com/guideline/pdf/2009MDS.pdf
参考
- 1. 難病情報センター | 不応性貧血(骨髄異形成症候群)
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/327
- 2. 財団法人国際医学情報センター:がん Info / 骨髄異形成症候群
- http://www.imic.or.jp/cancer/c2033.html
- http://ganjoho.jp/public/cancer/data/MDS.html
- 4. [charged] 骨髄異形成症候群の臨床症状および診断 - uptodate [1]
- 5. IV.MDS の治療 1. 本邦における診療のガイドライン (京都大学 内山 卓/石川隆之)2005.4.4 改訂
- http://plaza.umin.ac.jp/~mhlw-mds/doctor/MDS.pdf
症例
- 78歳男性。微熱と全身倦怠感のため来院した。赤血球220万、Hb6.2g/dL、Ht23%、白血球2700、骨髄球3%、後骨髄球4%、好酸球3%、好塩基球2%、血小板3.6%、LDH 320IU/dL、CRP 3.4mg/dL、骨髄の過形成像、微小巨核球。
国試
[★]
- poly(多) + cyt(細胞) + mia(血症) vera(真性?)
- ラ
- polycythemia vera PCV PV
- 同
- 真性赤血球増加症、真性赤血球増多症
- オスラー病 Osler disease,オスラー・ワーケ病 オスラー-ヴァケー病 Osler-Vaquez disease,ヴァケー病 Vaquez disease
- 関
- 骨髄増殖性疾患(MPD)
概念
- 慢性骨髄増殖性疾患の一つ。
- 多能性血液幹細胞の腫瘍性増殖により、赤血球数の絶対的増加と循環赤血球量の増加を呈する。
- 赤血球の他に、白血球、血小板も増加するが、リンパ球は増加しない。
病因
- 多能性幹細胞の異常により、血球が腫瘍性に増殖することが原因とされる。
疫学
- 新患発生数:100万人対2人/年
- 50-60歳に多い。
症状
- 循環赤血球量の増加 → 循環血液量の増加+血液粘稠度の亢進:循環障害による頭痛、めまい、耳鳴り、倦怠感、知覚異常、呼吸困難など → 高血圧、狭心症・心筋梗塞、間欠性跛行
- 血球の増加:脾腫(70%の症例)、赤ら顔(口唇、頬部、鼻尖、耳) →肝臓や脾臓の腫大は髄外造血による
- 骨髄
- ヒスタミンの放出:皮膚の掻痒感、消化性潰瘍
- 尿酸の放出増加:高尿酸血症 → 痛風
検査
- 赤血球:増加
- 白血球:増加
- 血小板:増加
- リンパ球:正常
血液生化学
遺伝子検査
特殊検査
- 循環赤血球量:増加(男性36 mL/kg以上、女性32 mL/kg以上) ← RIを使うはず
骨髄穿刺
鉄代謝
診断
- インスリン様成長因子Iに対する感受性の亢進、Bcl-2ファミリーに属するBcl-XLの発現亢進、エリスロポエチン受容体の発現パターンの異常、トロンボポエチン受容体の発現低下、チロシンホスファターゼの発現異常、エリスロポエチン受容体遺伝子の異常
診断基準
2008年WHOによる真性多血症診断基準
|
大基準
|
1. Hb>18.5g/dl(男性)、>16.5/dl(女性) もしくは 年齢、性別、住居している緯度から換算したHbかHtが9.9%以上増加している もしくは Hb>17g/dl(男性)、>15g/dl(女性)で鉄欠乏性貧血などの改善以外にHbが本人の基準値よりも2g/dl以上持続上昇している もしくは 赤血球数が予想値の25%を超えて上昇している
|
2. Jak2V617Fかもしくは同様の変異が存在する
|
小基準
|
1. 骨髄の3系統が増生を示す
|
2. 血清エリスロポイエチンがおおよそ正常値を示す
|
3. 内因性の赤芽球コロニー形成を認める
|
鑑別診断
治療
- 治療目標:生命予後は良好であり、10年生存率は50%異常が期待できる。合併症となる血栓症の予防が主眼となる。
- 瀉血:Ht 42-47% ← 血管閉塞症の頻度が低下する
- 血圧や脈拍の経過を見ながら月1-2回、1回200-400ml程度で行う。
- 高齢者や心血管障害を有する例では1回100-200ml頻回の瀉血が望ましい
- 抗血栓療法:血栓症の既往、もしくはリスクが高いときには抗血小板薬を処方。
- 抗癌薬投与:ヒドロキシウレアが第一選択で、不応例や不耐例の場合はルキソリチニブ。以前は40歳以上ではブスルファンとされていた。
- 放射性同位体:32P
- 高尿酸血症を有する場合にはフェブリクやアロプリノールを処方。
血栓症リスク
- Barbui T, et al.(J Clin Oncol. 2011 ; 29 : 761)
リスク分類
|
予後因子
|
低リスク
|
年齢<60歳、かつ血栓症の既往なし
|
高リスク
|
年齢≧60歳、または血栓症の既往がある
|
予後
- 生存は平均6-10年。5年生存率約75%, 10年生存率約55%
- 主な死因は、消化管出血や脳血管障害
長期生存
- 25%の症例で骨髄線維症へ移行
- まれに急性白血病を発症。32Pによる治療を受けた患者に多い
USMLE
- Q book p.245 32
- first aid step1 2006 p.278
国試
参考
- 総論 - 造血器腫瘍診療ガイドライン - 造血器腫瘍診療ガイドライン
http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_4.html#soron
- PV瀉血療法後のHt目標値を45%にすることは勧められるか
http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_4.html#cq7
- 真性多血症の治療ガイド - ノバルティスファーマ株式会社
http://product.novartis.co.jp/jak/tool/JAK00193GG0002.pdf
[★]
- 英
- anemia
- 同
- 貧血症
- 関
- 慢性疾患による貧血 anemia of chronic disease ACD
定義(2007前期生理学プリント、WHOの貧血判定基準)
|
Hb(g/dl)
|
Ht(%)
|
男性
|
13
|
39
|
女性
|
12
|
36
|
高齢者・乳幼児・妊婦
|
11
|
33
|
ヘモグロビンと貧血症状
- 8 g/dl :急性貧血で症状が出る
- 7 g/dl :慢性貧血で症状が出る
- 5 g/dl :心雑音
- 3 g/dl :生命の危険
病因
臨床検査
- 一つの赤血球の平均の大きさが分かる
臨床検査に基づく分類
- 正球性貧血
- 小球性貧血
- 大球性貧血
- 低色素性貧血
- 正色素性貧血
貧血の鑑別 (文献不明)
スクリーニングによる貧血の鑑別 (OLM.80)
- Fe↓、UIBC↑、フェリチン↓:鉄欠乏性貧血、慢性出血、慢性体内溶血。体内での鉄の絶対量が不足
- Fe↓、UIBC↓、フェリチン↑:慢性感染症、慢性炎症。細網系では鉄が増加しているが(フェリチン↑)、末梢に鉄を放出できず(Fe↓)、トランスフェリンも減少している(UIBC↓)
身体所見
USMLE
貧血と低酸素血症
- 貧血とは血液中のヘモグロビン濃度が低下した状態であり、一方、低酸素血症は単位体積あたりの酸素分圧が低下してる状態である。PaO2低下すなわちSpO2の低下に相当すると考えてみよう。貧血ではヘモグロビン濃度は少なくても、その少ないヘモグロビンの各々は十分に酸素化されるため、SpO2は低下しない。ただし、ヘモグロビンの絶対量が少ないために、末梢組織に届ける酸素の量が少なくなるだけなのである。(cf. 101B071)
臨床
- MCVで検査項目を絞っていくが、病態が複雑な場合はMCVによる絞り込みが意味をなさないことがある。commonな貧血から除外していく。
- 1. 血算、網状赤血球、フェリチン、鉄、UIBC、葉酸、ビタミンB12
- 2. 銅、亜鉛
- 3. 赤沈、血液像
- 4. 抗核抗体、抗dsDNA抗体、ハプトグロビン、免疫電気泳動(血液)、蛋白分画、IgG,IgA,IgM、C3c、C4、CH50、エリスロポエチン
- 5. 抗SS-A抗体、抗Sm抗体、ループスアンチコアグラント、抗カルジオ抗体、抗CLGPI抗体、抗RNA抗体、PR3-ANCA、MPO-ANCA、直接クームス検査
- 6. リンパ球サブセット、PNH(CD55,CD59)
[★]
- 英
- kidney
- ラ
- ren
- 関
- 腎機能
- 図:N.265(水平断,上部) N.320(背面) N.332(水平断)
- 図:Z.92、M.173(体表解剖)、N.321,322
解剖
大きさ
重量
- 115-170g(PT.461), 160g(♂)/140g(♀)(KL.395)
血管尿管との関係
- 腎臓を内側から見るとき、腹側から静脈、動脈、尿管の順に並んでいる
位置
- 腹腔の後壁で、脊椎の両側にある(PT.461)
- 右腎:T11-L2椎体、左腎:T12-L3椎体 (M.173)。T12-L3椎体。右腎は左腎より約1.5cm低位 (KL.395)
- 両方の腎も幽門平面を貫くが、右腎は腎の上方で貫いている (M.173)
- 尋問は中面より5cm離れた場所にある (M.173)
- 腸骨稜の高いところを通る矢状面を貫く。この面は第12肋骨の先端をかすめる (M.173)
- 腎臓の背側側は上方では横隔膜を挟む。さらにその下層では第11胸神経、肋下神経、腸骨下腹神経、腸骨鼡径神経が下外側に走行している (M.173)
血管
-
- 上区動脈
- 上前区動脈
- 下前区動脈
- 前区動脈
- 下区動脈
- それぞれから以下の通りに分岐する
部位名
生理
機能 (SP.776 2007年度後期生理学授業プリント)
-
-
- 尿中酸総排泄量 = 滴定酸(リン酸, 硫酸など) + NH4+ - HCO3-(重炭酸イオンの再吸収)
- 1-2. 尿素・尿酸・クレアチニンの排泄
- 1-3. 異物の排泄
- 肝臓でP450やグルクロン酸抱合された解毒物の排泄
-
- 活性型ビタミンDの産生(腎小体で濾過したビタミンDを近位尿細管で再吸収し、活性型に転換して血中に戻す)
- pO2↓→近位尿細管近傍の線維芽細胞が分泌~
- 赤血球を作る増殖因子
- 輸入細動脈顆粒細胞から分泌される
- レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の最初に位置する
- 副腎皮質を刺激して鉱質コルチコイド(アルドステロン)を放出させる & 血管の平滑筋を刺激して血圧を上昇させる。
- 糖新生
ホルモンによる調節
- バソプレシン[視床下部後葉]により、遠位尿細管で水の再吸収が促進される
- 鉱質コルチコイド(アルドステロン)[副腎皮質]により、遠位尿細管でのNa( H2O)の再吸収が促進される
- 重炭酸イオン(HCO3-)の再吸収[近位尿細管、CO2が細胞内に拡散]
- ナトリウムイオン(Na+)の再吸収[近位尿細管、遠位尿細管]
- アンモニア(NH3)の排出[細胞外に拡散]
- 水素イオンH+の排出[近位尿細管、遠位尿細管のNa+-H+交換輸送体]
神経による調節 (SP.784)
- 交感神経により腎血流が調節されている
- 弱い刺激:輸出細動脈が収縮→RPF↓、濾過圧↑→GFRほぼ不変
- 強い刺激:輸入細動脈も収縮→RPF↓、GFR↓
尿の生成 (生理学実習1 実習テキストp.3)
- 腎を流れる血流量 1L/min = 1440L/day
- 原尿生成 0.1L/min = 160L/day
- 尿生成 0.7-1.0ml/min = 1-1.5L/day
-kidney