- 英
- hemoptysis ← ptysis
- 関
- 血痰
概念
- 下気道由来の血液であり、咳とともに喀出される泡沫状、鮮紅色の血液 ⇔ 吐血:嘔吐、暗赤色の血液 喀痰:痰のなかに血液が混在して喀出される
病因
治療
- 気道確保(窒息を回避する)、呼吸・循環管理、出血源の同定、原疾患の診断と止血
WordNet
- coughing up blood from the respiratory tract; usually indicates a severe infection of the bronchi or lungs (同)haemoptysis
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/12/10 10:01:09」(JST)
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喀血
ICD-10 |
R04.2 |
ICD-9 |
786.3 |
DiseasesDB |
5578 |
MedlinePlus |
003073 |
MeSH |
D006469 |
喀血(かっけつ)とは、気管や呼吸器系統から出血し、口から血を出す事。
目次
- 1 概要
- 2 喀血の原因
- 3 マネジメント
- 4 関連項目
- 5 関連施設
- 6 参考文献
概要
喀血とは、気道出血のことである。すなわち、肺または気管支からの出血である。殆どが下行大動脈の分枝である、気管支動脈が形成する気管支動脈-肺動脈シャントに起因する出血である。通常咳を伴い、血は真っ赤で泡を含むことが多い。呼吸困難を伴うこともある。
混同されがちの言葉に吐血、血痰がある。
吐血とは
喀血が気道出血であるのに対して、吐血は消化管出血である。吐血の場合、胃潰瘍などによる胃あるいは十二指腸からの出血で、血液が胃液による酸化を受けて黒色となる。コーヒーの滓に似ており「コーヒー残渣様」と表現される。但し、吐血でも肝硬変などに伴う食道静脈瘤からの出血は、胃液と接触しないため赤い。
|
喀血 |
吐血 |
出血状態 |
咳に伴う |
嘔吐に伴う |
性状 |
泡沫を伴う |
食物残渣混入 |
pH(テステープ) |
中性 |
酸性 |
随伴症状 |
胸痛、呼吸困難など |
腹痛、嘔吐、嘔気、下血など |
喀血を飲み込み、それを後に吐血することもあるため、両者の区別は時に難しいこともある。喀血と吐血の区別がつかない場合は、呼吸器と消化器の両方の精査が必要である。
血痰とは
痰に血液が混じる場合があるが、これは通常、喀血とは呼ばず血痰という。血痰と喀血は、どちらも気道出血を示す徴候であるため、血痰の原因は喀血と同様であるが、そのほかに、鼻血が鼻腔から喉に落ちて排出される場合や、咽頭や喉頭の腫瘍からの出血などの耳鼻科的な問題であることもある。特に重要鑑別疾患は結核、肺がんである。喀血がおこる頻度は2008年現在、極めて少ないが、窒息のリスクがあるため、救急の対応は重要である。
喀血の原因
喀血の原因となる基礎疾患には、気管支拡張症・活動性肺結核・肺結核後遺症・肺アスペルギルス症・肺癌・特発性喀血症などがある。このうち特発性喀血症とは、特に背景となる基礎疾患を持たない喀血であり、胸部レントゲン・胸部CT・気管支鏡などを実施しても出血以外の異常を指摘できない。そのほとんどは喫煙者である。特発性喀血症は医師の間ですら認知度が低いが、喀血専門医にとってはありふれた疾患である。
喀血は気道出血であるため、窒息(気管・気管支閉塞)による死亡につながることがある。気道閉塞を起こすリスクは大量喀血を起こしやすい疾患で顕著に高い。大量喀血とは24時間以内に100~600ml以上の血液を喀出する場合であり致死率は80%にも及ぶ。そのような高リスクな疾患としては気管支動脈の浸潤を認める肺癌や嚢胞線維症、動静脈奇形、遺伝性出血性毛細血管拡張症、骨髄移植後、特発性肺炎症候群(肺炎後の喀血)などが知られている。好中球減少症や血小板減少症でもリスクとなる。
マネジメント
喀血は窒息死の恐れもあり、必ず医療機関を受診すべきである。 まず行うべきことは気道確保といった全身管理である。気管内挿管を行う場合は後に気管支鏡を挿入するために太めのチューブで挿入することが望ましい。そして、出血源の肺を下とする側臥位の姿勢をとらせる。これは患側から健側へ血液が流入するのを防ぐためである。出血源の精査は胸部X線で行うことが多い。単純X線、CT(単純X線で病変があるのなら造影CTで行った方が後に、気管支鏡が行いやすくなる。)、気管支鏡といった流れで検査を行うことが多いが、前述のように吐血や耳鼻科疾患との鑑別が不十分であった場合はGIFなどをさらに追加する。結核が否定できなければ隔離の必要性も考慮する。
治療としてはまずは血管確保し、止血剤の点滴をする。ただし止血剤の点滴は一時的な対症療法であり、一旦止まっても再喀血の可能性が高い。根治療法としては気管支鏡下の止血術である。およそ5~10%の頻度で止血困難となる。その場合は血管内治療や開胸手術が検討される。近年、注目されているのが、超選択的気管支動脈塞栓術がある。これはカテーテルという血管造影用チューブを用いた局所麻酔下での治療であり、いわゆるカテーテルインターベンションの1種である。血管内治療を行った場合も塞栓後半年から一年で10~20%の頻度で再出血がおこるとされている。肺アスペルギルス症など、超選択的気管支動脈塞栓術の有効性が低い疾患については開胸手術が行われることもある。大量喀血の緊急手術は死亡率が20%とも言われており、非常に危険な状態である。
関連項目
関連施設
- “喀血・肺循環センター”. 岸和田盈進会病院. 2014年8月5日閲覧。
- “東京病院 喀血外来”. 国立病院機構東京病院. 2014年8月5日閲覧。
参考文献
- 問題解決型 救急初期診療 ISBN 426012255X
- Step By Step!初期診療アプローチ<第5巻> ISBN 4904357000
- 喀血を伴う疾患の発生メカニズムとその対処(解説/特集) Author:石川秀雄, 長坂行雄 Source:THE LUNG-perspectives(0919-5742)19巻4号 Page466-471(2011.11)
- 呼吸器救急 大量喀血の治療戦略 Author:石川 秀雄(岸和田盈進会病院 喀血・肺循環センター), 中谷 幸造, 北口 和志, 林 正幸 Source:呼吸(0286-9314)33巻3号 Page252-258(2014.03)
- 肺MAC症と喀血治療 Author : 石川 秀雄(岸和田盈進会病院 喀血・肺循環センター) Source :肺MAC症診療Up to Date 非結核性抗酸菌症のすべて(南江堂)
- 喀血に対するカテーテル治療 -気管支動脈塞栓術- Author:石川秀雄(岸和田盈進会病院), 蛇澤晶 Source:日本気管食道科学会 専門医通信 第43号 Page1-11(2011.12)
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Japanese Journal
- どんとこい救急! 緊急度・重傷度・頻度で学ぶ救急疾患(第11回)吐血・喀血
- 19.喀血により指摘され,喀石により症状が消失した気管支結石症の1例(第134回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
- 田中 希宇人,依田 聡,上石 修史,舩津 洋平,続 敬之,藤原 宏,樹神 元博,里見 良輔,中山 荘平,滝原 崇久,猶木 克彦,田坂 定智,副島 研造,佐山 宏一,長谷川 直樹,浅野 浩一郎
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 32(6), 561, 2010-11-25
- NAID 110007989671
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★リンクテーブル★
[★]
- 58歳の女性。頭重感を主訴に来院した。 10年前から時々洗顔時に鼻出血をきたすことがあったが、そのままにしていた。 3か月前からふらつきを自覚するようになった。 1週前から頭重感を自覚し、次第に増悪してきたため受診した。 32歳時に喀血したことがある。父と弟も、若年のころから鼻出血を繰り返していたという。
- 意識は清明。身長156cm、体重55kg。体温36.6℃。脈拍92/分、整。血圧108/80mmHg。呼吸数14/分。 SpO2 92 %(roomair)。眼瞼結膜に貧血を認めない。舌尖に小出血斑の点在を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。
- 神経学的所見に異常を認めない。血液所見:赤血球498万、 Hb14.9g/dl、 Ht42%、白血球5,200(桿状核好中球10%、分葉核好中球42%、好酸球2%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球39%)、血小板22万、 PT115%(基準80-120)。 CRP0.2mg/dl。動脈血ガス分析(自発呼吸、 room air) : pH7.42、 PaCO2 32Torr、 PaO2 62Torr、HCO3" 20mEq/l。心電図に異常を認めない。胸部エックス線写真で両側肺野に異常陰影を認める。胸部単純CT(別冊No. 10)を別に示す。
- この疾患の主な病態として正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A031]←[国試_106]→[106A033]
[★]
- 次の文を読み、37、38の問いに答えよ。
- 7歳の女児。発熱と咽頭痛とを主訴に来院した。
- 現病歴 昨夕から発熱と咽頭痛とが出現した。咳嗽や鼻汁はない。嚥下痛はあるが飲水は可能である。
- 既往歴 ペニシリン系抗菌薬で全身に蕁麻疹を生じたことがある。
- 家族歴 特記すべきことはない。
- 現症 意識は清明。体温39.2℃。脈拍104/分、整。血圧98/62mmHg。眼球結膜に充血を認めない。白苔を伴う両側の扁桃腫大とイチゴ舌とを認める。両側の前頭部に圧痛を伴う腫大したリンパ節を数個触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢と顔面とに皮疹や浮腫を認めない。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 470万、Hb 12.8g/dl、Ht 39%、白血球 14,500(好中球87%、好酸球1%、単球4%、リンパ球8%)、血小板 22万。血液生化学所見:尿素窒素 14mg/dl、クレアチニン 0.5mg/dl、AST 24IU/l、ALT 21IU/l、LD 325IU/l(基準280-588)、ALP 512IU/l(基準338-908)、Na 142mEq/l、K 4.2 mEq/l、Cl 101 mEq/l。CRP 9.2 mg/dl。
[正答]
※国試ナビ4※ [105H037]←[国試_105]→[105I001]
[★]
- 18歳の女子。運動時の息切れと動悸とを主訴に来院した。3か月前から同症状を自覚している。呼吸数14/分。脈拍88/分、整。血圧120/72mmHg。右背部に連続性血管性雑音を聴取し、深吸気で増強する。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.41、PaO2 72.6Torr、PaCO2 33.6Torr。胸部エックス線写真を以下に示す。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097D012]←[国試_097]→[097D014]
[★]
- 58歳の女性。労作時の息切れを主訴に来院した。ぱち指を認める。両下肺野に連続性の血管雑音を聴取し、深吸気で増強する。胸部エックス線写真と右肺動脈造影写真とを以下に示す。この疾患の合併症として特徴的でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A013]←[国試_099]→[099A015]
[★]
- 75歳の女性。突然の背部痛を主訴に来院した。高血圧のため投薬を受けている。胸部造影CT(別冊No、5)を別に示す。
- 合併する病態として考えにくいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A022]←[国試_104]→[104A024]
[★]
- 64歳の男性。胸部違和感を主訴に来院した。以前から高血圧を指摘されていたが放置していた。血圧220/llOmmHg。胸部エックス写真(別冊No.8)を別に示す。
- 合併する病態として考えにくいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104D026]←[国試_104]→[104D028]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104E013]←[国試_104]→[104E015]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101C014]←[国試_101]→[101C016]
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[正答]
※国試ナビ4※ [103H002]←[国試_103]→[103H004]
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※国試ナビ4※ [105G011]←[国試_105]→[105G013]
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[正答]
※国試ナビ4※ [096E031]←[国試_096]→[096E033]
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[正答]
※国試ナビ4※ [097E010]←[国試_097]→[097E012]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100E027]←[国試_100]→[100E029]
[★]
- ☆case84 嘔吐
- ■症例
- 32歳 男性
- 主訴:
- 現病歴:2 amにからり酔っぱらって救急部に受診。11.45 pmに気分が悪くなり2度嘔吐。嘔吐物は最初は苦く感じられ、それは食べ物と2Lのビールであった。1時間程度後に、何度か猛烈に吐き気を催した。1 amに鮮赤血を吐いた(bright red blood)。患者が言うには最初は少量だったが、2回目にはかなり多い量であった。服用薬なし。時々マリファナを吸う。タバコ1日10本、アルコール2-3 unit/week
- 既往歴:特記なし
- 家族歴:特記なし
- 生活歴:
- ・身体診断
- 酔っぱらっているように見える。口の周りに乾燥した血液の付着を認める。脈拍:102/分。(臥位(lying))血圧:134/80 mmHg。立位でも血圧の変化は認められない。心血管系、呼吸器系に異常を認めず。腹部:上腹部(心窩部)にわずかに圧痛。
- ・検査
- (血液生化学)
- 異常なし
- ■解説
- (第1パラグラフ)
- もっともな診断は、下部食道もしくは胃上部における吐血を引き起こす粘膜の裂傷である(Mallory-Weiss lesion/Mallory-Weiss tear/Mallory-Weiss laceration)。激しい嘔吐やむかつきによる機械的な外傷で生じる。本症例では、なれない大量飲酒によって生じた。
- (第2パラグラフ)
- 患者の話から出血量を見積もるのは難しい。吐血はびっくりするような出来事であり、吐血の量を多く見積もりがちである。ヘモグロ分派性状であり、急性の出血では吐血量を見積もる手がかりにならない。急性期にヘモグロ分が低ければ慢性の出血をほのめかす。著しい失血の最初のサインは頻脈と起立時の血圧低下であることがある。本症例の彼の脈波速いが、これは不安と関連しているのかもしれない。
- (第3パラグラフ)
- 吐血の他の原因は胃炎か消化性潰瘍である。何度か血液を含まない胃内容物のむかつきと嘔吐の話はマロリーワイス症候群に特徴的である。この疾患は普通介入を必要としない良性の病態である。確定診断は上部消化管内視鏡を必要とするが、典型的な症例ではいつも必要になるわけではない。時に、出血がもりひどかったり、壁の解離が粘膜より深いこともあり、穿孔につながる。
- (第4パラグラフ)
- この症例の管理は注意深い観察、嘔吐で失われた体液を戻すための静脈内輸液である。出血が激しい場合には血液型検査のために採血するが、輸血は必ずしも必要ない。彼は生徒大とH2 blockerで治療された。嘔吐は収まりそれ以上の出血も見られなかった。彼は将来のパーティでは通院しすぎないように決めた。
- ■管理(内科診断学 第2版 医学書院)
- ①本疾患の大多数は安静、絶食、制酸薬・粘膜保護薬の投与で保存的に治療できる。
- ②輸血が必要なほどの貧血は稀である。
- ③内視鏡検査時に出血している症例に対しては内視鏡的止血術を行う。
- ④クリッピング法(図4-89) [図] 、純エタノール局注法、アルゴンプラズマ凝固(APC)法などさまざまあるが、いずれの方法でも良好な止血成績を得られる。
- ■鑑別診断 (内科診断学 第2版 医学書院 p.843)
- ・特発性食道破裂(ブールハーフェ症候群)
- ・逆流性食道炎
- ・食道静脈瘤破裂
- ・出血性胃潰瘍
- ・急性胃粘膜病変(AGML)
- ■KEYPOINT
- ・吐血の前の血液を伴わない激しい嘔吐とむかつきの既往は、上部消化管の裂傷を示唆する。
- ・患者は血液の量を見積もるのが困難と分かるので、吐血で失われた失血の程度は多糸かでないし、消化管の中にとどまっている血液の量は分からない。
- ・アルコールは救急入院の約1/4と直接の連関があるという研究がある。
- □マロリーワイス症候群(内科診断学 第2版 医学書院)
- 嘔吐などにより腹腔内圧が急激に上昇して噴門部近傍に裂創が発生し、これを出血源として顕出血をきたしたもの。30-50歳代の男性に多く、全消化管出血例の約3-15%を占める。 アルコール多飲が原因となることが多いが、ほかに妊娠悪阻、乗り物酔い、脳腫瘍や髄膜炎、医原性のものとしては上部消化管内視鏡検査や心肺蘇生術など、原因となるものは種々である。 ②嘔吐などにより急激に腹圧が上昇すると、急激に胃内圧が上昇し、これにより食道胃接合部近傍に裂創が生じる。
- □吐血 hematemesis (内科診断学 第2版 医学書院)
- コーヒー残渣用の吐血 melanemesis
- 鮮血の吐血 hematoemesis
- □急性胃粘膜病変 acute gastric mucosal lesion AGML
- 急性胃炎の劇症型であり、急速に起こる腹痛(時に、吐血、下血)をきたし、潰瘍・びらん・出血が混在した病態を呈する。
- 病因はアルコール、薬物(アスピリン、ステロイド)、薬品、ストレス、食物(激辛食品など)、アニサキス、中枢神経系障害、熱傷、外科手術
- ■glossary
- inebriate
- vt. (人)を酔わせる(make drunk)。~を有頂天にする
- adj. 酔っぱらいの、大酒飲みの
- n. 酔っぱらい、大酒飲み
- pint n. (液体の単位)1パイント = 1/2クオート=(米)28.8753 inch cube = 0.473 liter = (英) 0.568 liter = 約500cc
- retch
- vi. むかつく、吐き気を催す、無理に吐こうとする
- vt. 吐く
- n. むかつく。ヒック(吐き気を催すときの音)
- lager n. ラガー(ビール)(貯蔵ビール;日本の普通のビール)
- violently adj. 激しく、猛烈に
- drunk adj. (pred)酔って。(fig)酔いしれて
- epigastrium n. 上腹部、心窩部
- blood grouping 血液型判定、血液型検査
- indulge
- vt. ~にふけらせる。気ままにさせる、(子どもを)甘やかす。(欲求などを)思いのままに満たす。喜ばせる、楽しませる。
- vi. (快楽・趣味などに)ふける、身を任す(in)。(略式)たらふく食べる、痛飲する。(~に)従事する。(好ましくないことに)かかわる(in)
- □Hematemesis and Melena(Differential Diagnosis in Primary Care 4th)
- ・吐血か喀血を見分けたい場合はnitrazine paperを使って判定
- ・身体開口部(body orifice)からの出血を鑑別するとき解剖学的なアプローチがよい。
- (食道)
- ・静脈瘤、逆流性食道炎、癌腫、マロリーワイス症候群。
- ・外来異物も忘れるな。
- ・先天性まれな病因として異所性胃粘膜によるバレット食道炎と潰瘍もある。
- ・大動脈瘤、縦隔腫瘍、肺癌が食道を潰瘍化させ出血させることもある。
- (胃)
- ・炎症:胃炎と胃潰瘍。アスピリンとアルコールも良くある原因
- ・幽門部静脈瘤で出血するかもしれない
- ・出血がひどく、他の原因が見つからなければ血液疾患を検索する。
- (診断への道)
- ・吐血の確固たる証拠がある時、内視鏡をつかえる状況にあれば問診とか検査で無駄な時間を使わずに内視鏡で診断&治療をやってしまえ。
- ・血液型検査、血液のクロスマッチ?して輸血の準備、凝固能検査など鑑別に必要な検査をやりなさい。内視鏡検査の準備をしている間に、アルコール、アスピリン、そのほかの薬品の服用、潰瘍の既往、食道疾患既往を聴け
- ・ひどい出血や最近の急な吐血の既往がなければ(内視鏡を使わずに?)伝統的なアプローチでも良い
- ・吐血の前に血液を伴わない嘔吐があればマロリーワイス症候群の診断の助けとなる。
[★]
- 英
- hematemesis, vomiting of blood, hematoemesis
- 関
- ヘマチン
喀血と吐血
|
喀血
|
吐血
|
前兆
|
喉頭の違和感・熱感、 生臭い味がする
|
悪心
|
色
|
鮮紅色が多い
|
暗赤色
|
性状
|
泡沫状、凝固せず
|
塊状、凝固する
|
出方
|
咳による
|
嘔吐による
|
量
|
吐血より少ない
|
大量
|
pH
|
アルカリ性
|
酸性
|
植物残渣
|
なし
|
あり
|
発熱
|
あり
|
なし
|
糞便
|
黒色便無し
|
黒色便、タール便
|
既往歴
|
肺・心疾患
|
消化器症状
|
所見
|
胸部所見有り
|
腹部所見有り
|
期間
|
しばらく続く
|
一般に短期間
|
病因
- (頻度順)消化性潰瘍、食道静脈瘤、胃癌、出血性胃炎、マロリーワイス症候群。 消化性潰瘍、AGML、胃・食道静脈瘤破裂、悪性腫瘍、マロリーワイス症候群、全身性疾患・血液疾患・血管疾患 (IMD)
吐血・下血をきたす全身疾患 IMD.383
鑑別診断 Differential Diagnosis in Primary Care 4th
|
V
|
I
|
N
|
D
|
I
|
C
|
A
|
T
|
E
|
|
Vascular
|
Inflammatory
|
Neoplasm
|
Degenerative and Deficiency
|
Intoxication
|
Congenital
|
Autoimmune
|
Trauma
|
Endocrine Allergic
|
|
食道
|
食道静脈瘤 大動脈瘤
|
逆流性食道炎 潰瘍 クルーズ・トリパノソーマ
|
食道と肺の癌
|
アルカリ液や他の刺激物 外来異物
|
食道裂孔ヘルニア 食道炎
|
強皮症
|
外来異物 経鼻胃管 マロリーワイス症候群
|
|
胃
|
噴門部静脈瘤 破裂動脈瘤
|
胃炎 胃潰瘍
|
癌
|
萎縮性胃炎
|
アルコール性胃炎 アスピリンやその他の薬品(ヒ素など)
|
hereditary telangiectasis(遺伝性出血性毛細血管拡張症?)
|
外科手術による穿孔と裂傷
|
ゾリンジャー・エリソン症候群
|
|
十二指腸
|
潰瘍
|
区域的な回腸炎
|
外科手術による穿孔と裂傷
|
ゾリンジャー・エリソン症候群
|
|
膵臓
|
急性膵炎(出血性)
|
血液
|
白血病 多血症
|
再生不良性貧血 ビタミンK欠乏症
|
ワーファリン ヘパリン その他の薬品
|
血友病 その他遺伝性の凝固障害疾患
|
特発性血栓性紫斑コラーゲン病 その他の血小板減少の原因となる疾患
|
|
診断
[★]
- 英
- bronchial artery embolization BAE
- 関
- 気管支動脈
[★]
- ex.
[★]
- 関
- haemoptysis、hemoptysis
[★]
- 英
- vicarious hemoptysis
- 関
- 無月経、代償月経、喀血
[★]
- 英
- exercise-induced hemoptysis
[★]
- 英
- blood, (漢方)blood and body fluid energy
- 関
- 血液、血中