機能 | サブグループ | サイトカイン | 標的 | 機能 |
炎症性サイトカイン | TNFファミリー | TNF-α | 白血球、上皮細胞 | 活性化 |
インターロイキン | IL-1 | 上皮細胞、リンパ球 | 活性化 | |
IL-6 | 種々の細胞 | 活性化 | ||
IL-8 | 白血球 | 炎症部位遊走 | ||
T細胞の増殖・分化 | インターロイキン | IL-2 | T細胞 | 活性化。増殖 |
IL-4 | T細胞 | 増殖 | ||
Th2細胞 | 分化誘導 | |||
IL-12 | Th1細胞 | 分化誘導 | ||
インターフェロン | IFN-γ | Th2細胞 | 分化抑制 | |
B細胞の増殖・分化 | インターロイキン | IL-2 | B細胞 | 活性化 |
IL-4 | B細胞 | 活性化、増殖、分化 | ||
IL-5 | B細胞 | 活性化、増殖 | ||
IL-6 | B細胞 | 増殖、分化 | ||
TGF-β | B細胞 | 分化(IgA分泌) | ||
アレルギー調節サイトカイン | インターロイキン | IL-3 | 肥満細胞 | 増殖、分化促進 |
IL-4 | B細胞 | IgEクラススイッチ促進 | ||
IL-5 | 好酸球 | 増殖、分化促進 | ||
IL-13 | B細胞 | IgEクラススイッチ促進 | ||
インターフェロン | IFN-γ | B細胞 | IgEクラススイッチ抑制 | |
走化性サイトカイン(ケモカイン) | CCケモカイン | MIP-1 | 好中球 | 遊走 |
MIP-2 | ||||
RANTES | 単球 | |||
CXCケモカイン | IL-8 | 好中球、リンパ球、好塩基球 | ||
SDF-1 | ||||
造血系サイトカイン | SCF | |||
インターロイキン | IL-7 | |||
erythropoietin | ||||
コロニー刺激因子 | GM-CSF | |||
G-CSF | ||||
M-CSF |
agent | clinical uses | |
aldesleukin | interleukin-2 | renal cell carcinoma, metastatic melanoma |
erythropoietin | epoetin | anemias (especially in renal failure) |
filgrastim | granulocyte colony-stimulating factor | recovery of bone marrow |
sargramostim | granulocyte-macrophage colony stimulating factor | recovery of bone marrow |
α-interferon | hepatitis B and C, Kaposi's sarcoma, leukemias, malignant melanoma | |
β-interferon | multiple sclerosis | |
γ-interferon | chronic granulomatous disease | |
oprelvekin | interleukin-11 | thrombocytopenia |
thrombopoietin | thrombocytopenia |
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/12/19 21:13:48」(JST)
サイトカイン (cytokine) とは、免疫システムの細胞から分泌されるタンパク質で、特定の細胞に情報伝達をするものをいう。多くの種類があるが特に免疫、炎症に関係したものが多い。また細胞の増殖、分化、細胞死、あるいは創傷治癒などに関係するものがある。
ホルモンと似ているが、ホルモンは分泌する臓器があり、比較的低分子のペプチドが多い(しかし、サイトカインとホルモンは、はっきりとした区別があるものではなく、エリスロポエチン (erythropoietin) やレプチン (leptin) など両方に分類されることがある)。
また、リンパ球に由来するサイトカインを、リンフォカイン (lymphokine) ということが多い。
一部は医薬品として用いられている。
目次
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サイトカインは分子量8-30kDaほどで、ピコモーラー(p mol/l)程度の低濃度で生理活性を示す。
サイトカインは細胞表面の膜上にある受容体(それ自体がチロシンキナーゼまたはチロシンキナーゼと共役するものが多い)に結合して働き、それぞれに特有の細胞内シグナル伝達経路の引き金を引き、結果的には細胞に生化学的あるいは形態的な変化をもたらす。
サイトカインは多機能的、つまり単一のサイトカインが標的細胞の状態によって異なる効果をもたらす。例えば免疫応答に対して促進と抑制の両作用をもつサイトカインがいくつか知られている。
またサイトカインは他のサイトカインの発現を調節する働きをもち、連鎖的反応(サイトカインカスケード)を起こすことが多い。このカスケードに含まれるサイトカインとそれを産生する細胞は相互作用して複雑なサイトカインネットワークを作る。たとえば炎症応答では白血球がサイトカインを放出しそれがリンパ球を誘引して血管壁を透過させ炎症部位に誘導する。またサイトカインの遊離により、創傷治癒カスケードの引き金が引かれる。
サイトカインはまた脳卒中における血液の再還流による組織へのダメージにも関与する。さらに臨床的にはサイトカインの精神症状への影響(抑鬱)も指摘されている。
サイトカインの過剰産生(サイトカイン・ストームと呼ばれる)は致死的であり、スペイン風邪やトリインフルエンザによる死亡原因と考えられていたこともある。この場合サイトカインは免疫系による感染症への防御反応として産生されるのだが、それが過剰なレベルになると気道閉塞や多臓器不全を引き起こす(アレルギー反応と似ている)。これらの疾患では免疫系の活発な反応がサイトカインの過剰産生につながるため、若くて健康な人がかえって罹患しやすいとされる。 しかしスペイン・インフルエンザで死亡したロシア兵士の遺体をシベリアの永久凍土から掘り出し、RNAを用いて当時のままのウイルスを複製して行った動物実験により、スペイン・インフルエンザで若年者が多く死亡した原因はサイトカイン・ストームであるという説は否定されている。またトリインフルエンザによる死亡にサイトカイン・ストームが深く関わっているという明確な証拠もまだ発見されていない。
サイトカインはすでに数百種類が発見され今も発見が続いている。機能的には次のように分けられる(ただし重複するものも多い)。
また構造的な類似から、多くのインターロイキンやCSF、G-CSF、EPOなどをまとめてI型サイトカイン、インターフェロンやIL-10などをII型サイトカインともいう。
後にサイトカインに分類されたタンパク質の中で、最初に見つかったのはインターフェロンで、1954年に長野泰一らがウイルス干渉因子として発見したものが最初の報告とされる。ただし、インターフェロンの名は、Aアイザックらが1957年に同様の因子を独自に発見したときに名付けたものであり、これが最初の発見とする研究者もいる。また1960年代にはEGFが、1960年代半ばにはマクロファージ遊走阻止因子(MIF)が発見される。ただし、この頃はまだサイトカインというカテゴリは存在していなかった。
1969年、ダドリー・デュモンド(Dudley DuMonde)が、これらの分子が、いずれも広義の白血球(リンパ球、単球、マクロファージを含む)によって産生されることに着目し、「リンフォカイン」(lymphokine:白血球を意味する接頭語 lympho- とギリシア語で「動く」を意味する kinein からの造語)と総称することを提案した。その後、白血球の種類によって、産生する分子に違いが見られることから、特にリンパ球系の細胞が産生するものは「リンフォカイン」、単球系(単球とマクロファージ)が産生するものは「モノカイン」(monokine:mono-は単球を意味するmonocytesに由来)と総称されるようになった。
1974年、スタンリー・コーエンらが腎臓培養細胞からMIF様因子を見出し、これまで白血球のみが作ると思われていたリンフォカインが、それ以外のさまざまな種類の細胞によっても産生されていることを発見した。このため、コーエンはリンフォカインに代えて「サイトカイン」(cytokine: cyto-は「細胞」を意味する接頭語)という名称を提案し、1980年頃までにはこの名称が受け入れられ、広く使われるようになった。
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分泌刺激 | 分泌促進 | 分泌抑制 |
神経刺激 | 睡眠(StageIII&IV) | REM睡眠 |
ストレス | 愛情剥脱 | |
α受容体刺激薬 | α受容体拮抗薬 | |
β受容体拮抗薬 | β受容体刺激薬 | |
ドパミン受容体作動薬 | ||
アセチルコリン受容体作動薬 | アセチルコリン受容体拮抗薬 | |
代謝刺激 | 低血糖 | 高血糖 |
絶食、神経性食思不振症 | ||
脂肪酸の低下 | 脂肪酸の増加 | |
アミノ酸 | ||
コントロール不良糖尿病 | 肥満 | |
尿毒症 | ||
肝硬変 | ||
ホルモン | GHRH | |
IGF-I低値 | IGF-I高値 | |
エストロゲン | 甲状腺機能低下症 | |
グルカゴン | グルココルチコイド高値 | |
ADH(AVP) |
産生細胞 | 種類 | 誘発因子 | 作用 | ||
I型インターフェロン | IFN-α | 好中球、マクロファージなど | 14種類以上 | ウイルス、細菌内毒素 | 抗ウイルス効果、抗腫瘍効果 |
IFN-β | 線維芽細胞、上皮細胞など | 1種類 | ウイルス、2本鎖RNA | 抗ウイルス効果、抗腫瘍効果 | |
II型インターフェロン | IFN-γ | T細胞、NK細胞など | 1種類 | 抗原刺激、サイトカイン | 免疫細胞の活性化、免疫系の制御 |
発熱 | ほぼ必発 |
甲状腺機能異常 | 約10% |
間質性肺炎 | 非常に稀 |
精神症状 | 約10% |
白血球減少 | ほぼ必発 |
血小板減少 | ほぼ必発 |
蛋白尿 | 約10% |
糖尿病 | 0.1-5% |
口腔内病変 | 約20% |
脱毛 | 約5% |
眼底出血 | 約20% |
誘起物質 | 標的細胞 | 分泌物質 |
LPS | マクロファージ | TNF |
TNF | マクロファージ | IL-1β |
IL-1β | マクロファージ、血管内皮細胞 | IL-6, IL-8 |
炎症性サイトカイン | 反応 | 症状 |
少量 | 局所炎症反応 | 白血球や内皮細胞による炎症反応 |
中程度の量 | 全身性反応 | 発熱、急性期タンパク質産生 |
多量 | 敗血症ショック | 血圧低下、心拍出量低下、血栓形成、低血糖症 |
薬理 薬物、ウイルス一覧、難病リスト、疾患名一覧、難病、抗不整脈薬、化膿性髄膜炎、原虫、子宮体癌、膠原病、脂質異常症、全身性エリテマトーデス、糖質コルチコイド、消毒薬、非ステロイド性抗炎症薬、蠕虫、細菌、肺癌、心不全、結節性多発動脈炎、常位胎盤早期剥離、血糖降下薬、重症筋無力症、ホルモン、リポ蛋白、人口、脳神経、イソプロテレノール、下垂体腺腫、関節リウマチ、尿沈渣、アドレナリン受容体、アミノ酸、低ナトリウム血症、神経性食思不振症、降圧薬、妊娠、シェーグレン症候群、免疫グロブリン、フォン・ギールケ病、感染症法、クローン病、文献の略号、細菌の鑑別、呼吸器の上皮の移行、原発性胆汁性肝硬変、心音、クッシング症候群、バーター症候群、気管支喘息、食中毒菌、利尿薬、ワクチン、敗血症性ショック、消化器系、アミロイドーシス、下肢の筋、トキソプラズマ症、僧帽弁閉鎖不全症、慢性リンパ性白血病、アレルギー、真菌、サイトカイン、抗てんかん薬、全身性強皮症、アカラシア
肝細胞 | APP産生 |
腎メサンギウム細胞 | 増殖 |
神経細胞 | 分化 |
NK細胞 | 活性化 |
骨髄腫細胞 | 増殖 |
B細胞 | 抗体産生 |
T細胞 | キラーT細胞、IL-2産生 |
巨核球 | 血小板増多 |
造骨系幹細胞 | 分化 |
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