出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/01/29 14:24:26」(JST)
「ネコ」、「ねこ」、「猫」のその他の用法については「ネコ (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
イエネコ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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生息年代: 0.0095–0 Ma
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保全状況評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
愛玩動物 Domesticated |
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地質時代 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
約9,500年前* - 現世 (新生代第四紀完新世) |
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Felis silvestris catus (Linnaeus, 1758) |
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シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Felis silvestris domesticus |
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和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ネコ、イエネコ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Cat, Domestic cat, Housecat |
ネコ(猫)は、狭義にはネコ目(食肉目)- ネコ亜目- ネコ科- ネコ亜科- ネコ属- ヤマネコ種- イエネコ亜種に分類される小型哺乳類であるイエネコ(家猫、学名:Felis silvestris catus)の通称である。人間によく懐くため、イヌ(犬)と並ぶ代表的なペットとして世界中で広く飼われている。
より広義には、ヤマネコやネコ科動物全般を指すこともある(後述)。
イエネコの起源は、ネズミを捕獲させる目的で飼われ始めた(狭義の)ヤマネコ(Felis silvestris)の家畜化であり、分類学上はヤマネコの1亜種とされる[1]。
一方、広義の「ネコ」は、ネコ類(ネコ科動物)の一部、あるいはその全ての包括的分類を指し、家畜種のイエネコに加えて広義のヤマネコ類を含む。特に学術用語としては、英語の「cat」と同様、トラやライオンなどといった大型種を含む全てのネコ科動物を指すことがある。
学名(ラテン語名)「Felis silvestris catus(仮名転写:フェーリス・シルウェストリス・カトゥス)」の語義は「ネコ、野生の、ネコ」である。これは、ヤマネコ「Felis silvestris」(野生のネコの意)の中の「ネコという一群」との命名意図がある。
以下、本項では特記なき限りネコ=イエネコとして解説する。
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イエネコは、形態学的分析を主とする伝統的な生物学的知見によって、以前からリビアヤマネコ(Felis silvestris lybica)が原種とされてきた。 また、20世紀後半から発展した分子系統学等による新たな知見も、従来説を裏付ける形となった。 米英独等の国際チームによる2007年6月29日の『サイエンス』誌(電子版)への発表では、世界のイエネコ計979匹をサンプルとしたミトコンドリアDNAの解析結果により、イエネコの祖先は約13万1000年前(更新世末期〈アレレード期(英語版)〉)に中東の砂漠などに生息していたリビアヤマネコであることが判明した[2]。
愛玩用家畜として同じく一般的なイヌ(Canis lupus familiaris)に比して、ネコは飼育開始の時期が遅いが、これは家畜化の経緯の相違による。イヌは狩猟採集民に猟犬や番犬として必要とされ、早くから人の社会に組み込まれたが、ネコは、農耕の開始に伴い鼠害(ネズミの害)が深刻にならない限り有用性がなく、むしろ狩猟者としては競合相手ですらあった。その競合的捕食動物が人のパートナーとなり得たのは、穀物という「一定期間の保管を要する食害を受けやすい財産」を人類が保有するようになり、財産の番人としてのネコの役割が登場したことによる。また、伝染病を媒介する鼠を駆除することは、結果的に疫病の予防にもなった。さらに、記録媒体として紙など食害されやすい材料が現れると、これを守ることも期待された。日本へは、穀物倉庫の番人として渡来したと考えられている[3]。
農耕が開始され集落が出現した時期の中東周辺で、山野でネズミやノウサギを追っていたネコがネズミが数多く集まる穀物の貯蔵場所に現れ、棲みついたのが始まりと考えられている(リビアヤマネコの生息地と農耕文化圏が重なった地域で、複数回起こっていたと考えられる。)。 穀物には手を出さず、それを食害する害獣、害虫のみを捕食することから、双方の利益が一致。穀物を守るネコは益獣として大切にされるようになり、やがて家畜化に繋がった。
初めて人に飼われたネコから現在のイエネコに直接血統が連続しているかは不明確。最古の飼育例は、キプロス島の約9,500年前の遺跡から見出される。 また、今日のイエネコの直接的・系統的起源は明らかではないが、紀元前3000年ごろの古代エジプトで固定化されたものと言われている。
なお、更に遡るとネコの祖先はミアキスという約6000万年前の中型肉食獣に遡る。ミアキスの特性に近いまま進化した種がネコであり、平原に出て集団狩猟を行うプロアイルルスを経て現在の姿に進化した種がイヌである。
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体の大きさは現生するネコ科の他のほとんどの動物に比べて小さく、体重は2.5 - 7.5kgの範囲に収まるものが多いものの、大型のものでは、体長(頭胴長)75cm(比較資料:「長さの比較」)、尾長40cm、肩高35cmに達する。
樹上生の傾向が強く、また、待ち伏せ型捕食者の典型であるネコの特性は、様々な身体的特徴として見ることができる。非常に優れた平衡感覚に、柔軟性と瞬発力のきわめて高い体の構造、武器である鋭い鉤爪(かぎづめ)や牙を持ち、足音が非常に小さく、体臭が少ないことも挙げられる。 また、爪を自由に出し入れできることはその鋭さを常に保持できることを意味し、ほとんどのネコ科動物に共通する特徴である。爪は何時も研いで鋭くする。長く追うことで疲弊させる、あるいは、組織的な罠によって追い詰める追跡型捕食者であるイヌ科動物とは対照的である。
吻部(眼窩下部から口先もしくは鼻先までの部位)が突出していない丸い頭部を持ち、正対視するのに有利な前面に眼窩(がんか)が開いている。このことはネコとヒトに共通の身体的特徴で、眼による感情表現が豊かであることも意味し、これがヒトがネコに対して抱く親近感の理由ではないかとも考えられている。
他のネコ科動物にも見られる「ゴロゴロ(purr)」と喉(のど)を振動させる音のメカニズムには複数の説があり、はっきりとしていない。この音は、親子間のコミュニケーションにも用いられる(後述「#喉鳴らし」)。
ネコは1歳くらいになると生殖可能年齢を迎え、5歳くらいで落ち着いた感じになり、7歳あたりから高齢期に差し掛かり、20歳超えはかなりの長寿とされる[注釈 2]。
屋外で暮らさなければならない野良ネコと人間に室内で飼われているネコの寿命には、歴然とした差がある。室内飼育のネコでは14 - 18歳程度が寿命であるのに対し、野良ネコでは4 - 6歳程度である[注釈 3]。ネコの年齢をヒトに換算すると、室内ネコの場合は例として1歳で人間でいう17 - 20歳、2歳で23 - 25歳、以降は1年ごとに4、5歳ずつ比例していく計算となるが、成熟期が短く中年期が長いため単純な比較はできない[6]。
6ヶ月
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1歳
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3歳
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6歳
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8歳
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9歳
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10歳
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13歳
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16歳
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20歳
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14歳
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16歳
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30歳
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40歳
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50歳
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60歳
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70歳
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80歳
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90歳
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ネコは骨格や筋肉の付きかた、脚の長さなどによっていくつかの種類に分類する事ができる。コビーと呼ばれる種類は短い胴にがっしりとした肩や腰、やや短めの尾を持ち、この代表とされるのがペルシャである。一方、逆三角形の顔に長い四肢、鞭のような尾をもつオリエンタルというタイプを代表する種はシャムである。この二種の間を分割し、セミコビー、セミフォーリン、フォーリン、そしてそれらの種類とまた違うロング&サブスタンシャル(長く、がっしりとした、という意味)という種類を加えた6種がネコの体格に関する基本的区分である[7]。
ネコの体は非常に柔軟性が高い。関節が緩やかで、筋肉や靭帯も柔らかいため、頭の周り以外は体のほぼすべての場所を自分でなめることができる。特に肩の関節は可動性が高く、鎖骨は退化して小さいながらも存在しており(犬や馬など鎖骨がない動物は前腕を内側に曲げ抱きつく所作がとれず木登りができない)、筋肉でつながっている。これらは高い所から着地した場合の衝撃を吸収することに役立っている。
待ち伏せ型の肉食獣であるネコは俊敏な運動能力をもっている。瞬発力が高く、跳躍力にも長けている。跳躍力は、およそ体高の5倍程度(約1.5m程度)の所に飛び上がることができる。走るスピードは最高でおおよそ時速48kmと言われ、瞬間的に最高速に達する代わりに長くは続かない[8]。 その運動能力にもかかわらずネコが自動車に轢かれることは多いが、それは運動能力の問題ではなく、想像を超える大きさの物体(自動車)に突然遭遇してしまったとき、判断力を失ってその場で体の動きを止めてしまうからであるとされるが異説もある(「#眼」を参照)。 平衡感覚をつかさどる三半規管の能力とは別に、ネコには小脳の視覚による優れた水平線検出能力が備わっており、これによって、三半規管が失調した状態でも、正向反射として空中で正しく上下を判断した上で四本の足を使い着地を行う[8]。
被毛は品種により、さまざまな毛色や毛質のパターンを持つ。同品種でも多様な色彩や模様を持つ珍しい動物である。毛色や毛質の決定には遺伝子の働きに因るところが大きいことが分かっているが、遺伝子がどのように活性化、不活性化するかなど、不明な点も多い。毛色は子宮内の状態にも影響を受けるとも言われる。例えば、世界初のクローンネコ「Cc」の毛色は、遺伝子が全く同じにもかかわらず、クローン親のものと異なっていることが知られている。
毛色を司る遺伝子は、すでにいくつか解明されており、色を薄めるダイリュート遺伝子や、被毛に縞模様を描くタビー遺伝子などの存在が知られている。品種によっては、突然変異体の遺伝子や、伴性遺伝子の存在もあることから、生まれてくる仔猫の毛色・毛質等をおおよそ判定することは可能であるが、不明な部分も多い。
以下に、現在解明されている主要な遺伝子を例示する。
優性 遺伝子 |
役割 | 対立(劣性) 遺伝子 |
役割 |
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A | アグーティ(縞模様) | a | ノン・アグーティ(単色) |
B | 黒 | b | 茶色(チョコレート) |
bl | 薄茶(シナモン) | ||
C | 単色(濃淡なし) | cb | セピア(バーミーズ) |
cs | ポインテッド(シャム模様) | ||
D | 濃暗色 | d | 淡明色(ダイリュート) |
I | 抑圧(銀化) | i | 基底に及ぶ色素沈着 |
L | 短毛 | l | 長毛 |
O | オレンジ(または伴性遺伝の赤) | o | 黒味を帯びた非赤色 |
S | 白の斑 | s | ソリッドカラー(体全体) |
T | 縞(マッカレルタビー) | ta | アビシニアン(ティックドタビー) |
tb | ブロッチド(クラシック)タビー | ||
W | 体全体が白 | w | 白以外 |
これらの遺伝子の組み合わせによって、複雑な模様を形作る。これら以外にも毛色を決定する遺伝子もあり、解明されていない遺伝子も多数存在する。
O遺伝子および対立遺伝子o遺伝子はX染色体上にあることが分かっており、このため両方の遺伝子を持つネコは通常メスであり、オスでは染色体異常(X染色体過剰、ヒトでいうクラインフェルター症候群相当)またはモザイク染色体のネコだけである。両方の遺伝子を持つネコはトーティシェル(いわゆる錆び猫〈さびねこ〉)あるいはトーティ・アンド・ホワイト(いわゆる三毛猫)と呼ばれるが、これらのネコにオスネコが珍しいのは、染色体異常のネコが珍しいためである。
ノン・アグーティ遺伝子はタビー遺伝子よりも上位であるため、ノン・アグーティを2つ(aa)持つネコ(黒猫など)には通常、縞模様は見られない。タビー遺伝子を持つネコには、仔猫のときなどにうっすらと縞模様が現れることがあり、ゴースト・マーキングと言われる。
cs遺伝子(サイアミーズ)は独特の遺伝子で、本来は色素の出現を抑える役割を持つが、温度が低いとその働きが抑制される。そのため、これを持つネコは温度の低い体の末端部(鼻、耳、足先など)のみに色素が出現し、シャムネコのようなポイント模様が現れる。温度が低い環境でも色素が出現し、色が濃くなる。
白毛を発現させる遺伝子のうちの『白色遺伝子』は全ての色に対して優性であるため、これを持つネコは他の遺伝子にかかわらず、白猫になる[文献2 1]。
顔の大きさの割に、かなり大きな眼を持っている。他の動物における幼獣の眼の大きさの比率に近く、これがネコを「可愛い」と思わせる一因にもなっている。
視覚については、特に対象の動きを捉えることを得意とする。8m位の距離ならば人間の顔を識別することが可能である。[文献2 2] 20m以内のものであれば、じっと見ることによって距離感をかなり正確に測ることができる。 瞳孔は、人間と違い、縦に細長くなっており、これは瞬時に瞳孔の大きさを変えることに有利という説や、野生状態で草むらのような縦長の視界で視覚を働かせるのに有利と考える説がある。瞳孔は調整の範囲が広く、明るい所では細長く、暗い所では目一杯開いて光の入る量を多くすることが可能なため、暗所での視力は良い。時計が一般的でなかった時代、猫の眼の瞳孔の広さは時間帯によって変わるため、忍者がおおよその時刻を知るのに活用したともいわれている。時間が真昼に近づけば近づくほど瞳孔の広さは狭くなり、逆に真夜中に近づくほど広くなる。
他の多くの夜行性動物と同様、ネコの眼には輝板(タペタム)と呼ばれる層が網膜の下に備わっている。この層が光を反射するため、入射光と反射光の両方の光が網膜を通過することになり、わずかな光でも物を見ることができる。この反射光のため、暗所で観察者側から照明を当てたとき眼が光って見えることがある。この現象はシカなどの野生動物でも同様であり、ライトで照らして光って見えた眼の数で個体数を割り出す「ライトセンサス」にも利用されている。なお、「ネコの眼が光を増幅する原理は暗視鏡(ナイトビジョン)に活用されている」と言われることがあるが、実際の暗視装置ではマイクロチャンネルプレートで電気的に増幅している。
色覚については、光の三原色のうち青と緑と赤の全てを一応は認識できるが、赤の場合薄いピンクにしか認識出来ない。基本的にはモノトーンの視界である[文献2 1]。
ネコが自動車に轢かれる事故が夜間に多いのは、車のライトを見てしまってショックで動きが止まるせいとも言われている(異説→「#運動能力」)。夜でもよく見えるネコの眼は非常に敏感で、ライトなどの強烈な光に弱く、真っ暗闇で突然フラッシュ撮影をしたりすると失明の危険がある。
哺乳類では退化している瞬膜が、わりと大きく、体調の悪い時等に眼球の前に出てくる事がある。
目が開いてから授乳期後半頃までの幼猫は、やや外斜視である。
虹彩が大きな割合を占めており、人間でいう「白目」(球結膜)は通常見られない。ネコの眼の色、といった場合、虹彩の色を指す。眼の色は、色の濃淡などの違いがあるものの、おおむね以下の4種類に分けられる。
青い眼は白猫とシャム系のネコ(ポイントのあるネコ)に多く、白猫の場合は高い割合で聴覚障害を持っている。白猫の場合はオッドアイと言われる、左右の眼の色が違う場合も多い。この場合、青い眼の側の耳に聴覚障害を抱えることがある。一方が黄色で、もう一方が黄味のない淡銀灰色/あるいは淡青色というオッドアイは、日本では『金目銀目(きんめぎんめ)』と呼ばれ、縁起が良いものとして珍重されてきた[文献1 2]。シャム系のネコの場合、立体視力に問題がある場合があるが、品種改良の結果、このようなネコは多くない。
これらの眼の色の違いは、虹彩におけるメラニン色素の量で決まり、色素が多い順にカッパー、ヘーゼル、緑、青となる。人間など他の哺乳類の眼でも同様である。色素の量の違いは、元々生息していた地域の日光量の違いに由来すると言われる(日光量が多い地域では色素が多くなる)が、交雑の結果、現在では地域による違いはほとんどなくなっている。シャムネコの青い眼は北アジア由来と言われ、熱帯のタイ原産のシャムネコであるが、先祖の眼の色に由来するという。
生まれて間もない仔猫の場合、品種に関わらず、虹彩に色素が沈着していない場合が多く、青目に見えることが多い[9]。これを「キトゥン・ブルー」(Kitten Blue、「仔猫の青」の意)という。生後7週間くらいから虹彩に色素がつき始め、徐々に本来の眼の色になっていく。
ネコの五感で最も優れているのは聴覚である。可聴周波数は60Hz - 65kHzとされ[10]、イヌの40Hz - 47kHz、ヒトの20Hz - 20kHz に比べて高音域に強い。これはネズミなどが発する高音に反応するよう適応したためと言われている。耳は片方ずつ別々に動かすことができ、異なる方向の音を聞き分けることができる。そのため、指向性が強く、音源の場所をかなり正確に特定することができる。音の聞き分けの能力も高く、例えば飼い主が帰ってきた足音を判別することは簡単にできる。これらの能力は、夜間に待ち伏せ型の狩りをするのに適応し発達したものと考えられている。耳の動きは感情にも左右され、特にネコがおびえているときは耳はうしろ向きに伏せられる。
鼻は、他の動物に比べてそれほど優れているわけでもないが、それでもヒトと比べれば数万から数十万倍と言われる嗅覚を持つ。体のバランスに比べて小さくできているが、鼻腔内部は凹凸に富み、大きな表面積を生み出しているため、小さな鼻の外観だけからは予想できない優れた嗅覚がある。
また、ネコの鼻は個体によって異なる紋様を持っており、これは「鼻紋」と呼ばれ、人でいうところの指紋と同じものであり、個体の識別に用いることが可能である。
嗅覚の優れた動物の代表であるイヌとは狩りの仕方が異なり、嗅覚を狩りに利用することはほとんどなく、ネコの嗅覚は食物の峻別や縄張りの確認に主に使うと考えられている。 ネコは頬腺などから出る分泌物や尿などによって自分の臭いを付け、縄張り、あるいは仲間同士のコミュニケーションのために臭い付けをする行動を、飼い主やほかのネコに対して行う場合がある。例えば、ネコが飼い主の足に顔をすり寄せるのは、頬腺などから出る分泌物を付け、「自分の物」というマーキングをしているわけである。
フェロモンを感じる器官が口内の上顎にあり、ヤコブソン器官(鋤鼻〈じょび〉器官)という。フェロモンを感じると口を半開きにし、目を半分閉じて笑っているような表情を示す場合があり、これをフレーメン反応といい、フェロモンを分析している行動である。これにより、主に相手のネコがどういう状態にあるかを分析する。また毛づくろいで自分の肛門の周囲をなめたときにもこの反応をしめすことがある。
マタタビの果実やイヌハッカの匂いを嗅ぐと、ネコは恍惚として身悶えるような反応を示す。これは匂いに含まれるマタタビラクトンやネペタラクトンなどの物質にヤコブソン器官が反応し、ネコに陶酔感をもたらすためと言われており、これはネコ科全般の動物に起こる反応である。
舌は薄く締まっており、表の面には多数の鉤状突起があってザラザラしているが、これは骨に付いた肉をしゃぶりとるのに適応したものである。この突起は毛づくろいや水を飲む際に役立つ。この特質と形状を模してパソコンのポインティング・スティックには猫の舌状のものが製品化されている[11]。
熱い食べ物が苦手な人を「猫舌」と俗称するが、ネコのみが特に熱いものを嫌うというわけではない。野生動物は山火事などの後に屍肉を漁るくらいしか熱を持った食物を口にする機会がなく、全般的に熱いものに慣れていないためである。
ネコ科の動物に共通する特徴であるが、味蕾が他の哺乳類とは異なっており、甘味を認識することができない。 アメリカのMonell Chemical Senses CenterとイギリスのWaltham Centre for Pet Nutritionの両所の科学者達が行った研究において、 砂糖を含んだ水と普通の水を数十匹のネコに与えたところ、どちらの水も同程度飲んだことが確認された。それ以前の研究で、ネコが砂糖に関心を持たないことは示されていた。彼らはネコのDNAを調べ、甘味を受容する器官を構成する二つのたんぱく質の内の一つであるT1R2に対応する遺伝子の欠陥により、その器官をもはや作ることができないことを見いだした。一匹のライオンと一匹のチーターのDNAでも同じ結果を確認した。また極端な肉食性が砂糖に対する味覚を無関係のものとし、甘味の受容器官に変異を生じさせることを許したということを提唱している[12]。猫のような肉食動物は、糖新生の酵素活性が高く、タンパク質から分解されて得られた糖原性アミノ酸から糖新生を行って体内で必要な糖分を生成している[13]。 アミノ酸に対する反応が強く、特に苦味を認識する味蕾は多くある。これはアミノ酸が腐敗したときの苦味を強く感じることによって、腐肉を食べることを避ける役割を担っていると考えられている。ネコの食物に対する嗜好は、これらの味蕾の構成の違いが要因の一つと考えられている。
猫の牙は生後2ヶ月 - 8ヶ月で乳歯の脇から永久歯が生え始め、やがて乳歯が抜け落ちる。
ネコのひげ(洞毛)は感覚器として重要な役割を果たしており、ネコを象徴する特徴のひとつとしてその印象を大きく左右する。品種や個体によってその数は異なり、少ないもので6-8対、多いもので27対程度と幅広い[15]。スフィンクスのように口ひげがほとんどあるいはまったくない個体がいる品種もある。ネコのひげは毛根部分に感覚神経や血管が密に分布しており、非常に鋭敏で、先端に何かが少し触れても感じ取れる[16]。ひげの状態はネコの感情によって変化する。たとえば目の前にあるものに好奇心を持つとひげは前に向き、おびえているときはぴったりほおにくっつくことが多い。口の周りだけでなく、眼の上、顔の横にもあり、それらの先端を結ぶと顔を一周する大きな円になり、これで狭い通路を通り抜けられるかどうかを判断できるので、獲物の追跡、敵からの逃走に重要な役割を果たす(ただし、一部に否定説あり)。顔以外では、前肢の関節付近の裏側にも生えている。長さは若いほど長く、歳をとったものほど短い。ひげは生え変わるが、むりに抜くとひどい場合はストレスで死んでしまうこともある。
尾はおおむねその胴体ほどの長さであるが、ジャパニーズボブテイルやクリルアイランドボブテイルのように極端に短いものや、マンクスのように尾がない個体もある。尾の役割は、感情を表すほか、走行時や跳躍・着地の際に体のバランスを取る役割がある。イエネコについては尾がなくても行動にほとんど支障はないと考えられている。
従来の日本産のネコは、世界に現存するほとんどのネコに比べ、ジャパニーズボブテイルのように尾は半分以下もないことが普通であったが、戦後(太平洋戦争終了後)以来日本在来のネコに海外のネコの血統が混入し続けた結果、一部地域を除くほとんどの場所で尾の長い個体が大半を占めるようになっている。
長崎県を中心とした九州地方全域において、尾が極端に曲がった個体の存在が報告されている[17] 。尾骨が極端に湾曲した個体は東南アジアの個体に顕著にみられる特徴であり、長崎県を中心とした尾曲がりネコは明治以前の出島交易時に東南アジアの個体が長崎に持ち込まれ混血した結果であると見られている[17]。
尾は脊髄と直結しているため、非常に痛覚が強い。よって、尾を持って引っ張ったりするとおとなしい個体でも抵抗する。また猫の尻尾を強く引っぱると内臓に障害をおこしたり脊髄に損傷をおこし下肢(後ろ足)などに障害が発生することもある。
襟首(えりくび)と呼ばれる頸(首)の後ろの皮膜は痛点が鈍化しており、親猫が仔猫を運ぶときここをくわえる。この特徴は成猫になっても残るため、成猫でもヒトがここをつかんで持ち上げることができる。持ち上げなくとも襟頸を掴むだけでおとなしくなる傾向があるため、気性の荒い猫や野良猫を扱う際に有効である。これは、母猫が危険を感じた時にしか使われない方法のため、猫は緊張して動きを止めていると考えられている。
母猫が仔猫の襟首をくわえて持ち運ぶことがあるが、これはくわえても仔猫に悪影響のない場所を母猫は本能的に知っているからできることであり、人間はその場所を知らないため、むやみに襟首を掴んで持ち上げると猫の頸を絞めてしまうことになりかねない。また、筋肉に悪い影響を与えるという説もあるので、襟首だけ掴んで成猫を持ち上げることは避けるほうがよい。
ネコの指の数は、通常前肢が5本、後肢が4本であるが、多指症という奇形が頻繁に見られ、ヘミングウェイの猫のように後肢に5本、あるいは前肢に6本というようなネコも少なくない。前肢、後肢に各7本、合計28本の指を持つネコが「世界一指の多いネコ」としてギネスブックに記載されている。
不意打ちを食らうと、肛門嚢から臭いにおいを発することがある。
日本ではネコの鳴き声は「ニャー」、「ミャー」などの擬音語を用いるのが一般的。アメリカでは「meow」、イギリスでは「miaow」、ドイツでは「miau」、フランスでは「miaou」、中国では「miāo(喵、wikt:en:喵)」、イタリアでは「miao, gnao(ニャオ), gnau(ニャウ)」と表す。
「ニャー」とは異なるものとしては、以下のようなものがある。
カモメの鳴き声はしばしばネコのそれに喩えられ、英語では「mew」というネコの鳴き声を表す単語は「カモメ」という意味も持つ。日本語でもカモメの一種にウミネコ(海猫)と名付けられた鳥がいる。
ネコの鳴き声[ヘルプ/ファイル]
ライオンやトラなども含むネコ科動物全般は喉をゴロゴロと鳴らすことで知られているが、これは声帯からではなく、胸腔の一部から発せられる音である[18]。一般的には飼い主や懐いた人になでられるなどしてリラックスしている時にこの反応が見られるが、体調が悪い時や出産時(陣痛中)、死ぬ直前にも喉を鳴らすという。これらの行動の意味は未だにはっきり解明されていないが、普段から低周波の音を発生させることで骨格を丈夫にする、苦しいときに痛みを緩和し呼吸を楽にしている、などの説が存在する[19]。
知能は哺乳類の中でも高い部類に属し、人間とのコミュニケーションもかなりできることが、イヌと並ぶ愛玩動物の地位を獲得した要因となっている。根気よくくりかえして教えれば「ごはん」「おやつ」「遊ぶ?」のような簡単な言葉を聞き分け、意味を理解できるようになるものもいる。俗に「ネコは頭が良い、イヌは賢い」とよく言われるが、これは知能というよりも人間の都合からみた従順さである。またメインクーンなどに代表される、体長1m前後に達する大型種は、人間に従順で時にイヌのようにふるまう。これはネコと共通の祖先を持つイヌにも見られる傾向だが、大型種自体が少ないうえにイヌの種別間ほどはっきりした体格差はないことから、一般、特に日本では大型種の存在とその性格についての認知度が低い。
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種類および地域により差はあるが、だいたい春ならびに夏のはじめに発情、交尾を行う。 一部には発情期にあっても鳴き声をあげない、あるいは鳴いてもごくわずかである品種もあるが[20]、よく知られているように、オスはその際、求愛行動として「さかり声」と呼ばれるけたたましい鳴き声をあげる。 この習性は、その声を騒音と感じて迷惑に思う人間も多く、飼い主との間で問題に発展することもある。
個体差もあるが、おおむね生後6ヶ月から12ヶ月で性的に成熟し、その後、定期的に発情する。発情の周期についてはいくつかの説がある。
発情期間は3 - 6日程度であるが、その間に交尾が行われない場合、10日ほどになることもある。 発情すると、地面や柱、時には人間の膝等に体をこすり付けるなど行動に変化が現れ、ときには意地でも外に出ようと暴れることもある。
メスよりやや2、3ヶ月程度遅れて成熟するが、これも個体差が大きい。定期的な発情期はなく、メスの発情に誘発されて発情する。 発情すると、スプレー(尿マーキング)と呼ばれる特徴的な行動を行うようになり、オス同士のけんかも多くなる。また、まれにメスでもスプレーをすることがある。
通常、交尾はオスがメスの背中に乗り、オスがメスの首筋を噛んでメスが逃げないようにして行う。ネコの交尾は相手が1匹に限定されるものではなく、機会があればオス・メスともに複数の異性と行う。そのため、同時に生まれた仔猫の父猫が別のネコであることはよくあることである。オスの陰茎には棘(とげ)状の突起が備わっており、この刺激によってメスの排卵を誘発するため、妊娠率は比較的高い。去勢したオスではこの突起が消滅する。
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ネコの出産
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メスネコは、おおむね2 - 6匹程度の子を妊娠する。乳房は5対あるのが一般的。妊娠期間は65日程度である[21]。
出産は一般的に軽く、人や獣医師が手を貸す必要のないケースがほとんどである。仔猫は出産直後は羊水で濡れているが、母猫がなめて乾かし、数時間でふわっとした毛並みになる。母猫は出産当日は授乳に専念し、食事はあまり摂らないようである。代わりに後産で出た胎盤を栄養分として食べることが多い。
メスネコは年3 - 4回の出産が可能であり、年2回の出産は珍しくない。授乳期間中であっても交尾・妊娠する。
キツツキを捕らえる猫
前脚を使いネズミを食べる猫
ネズミをくわえる猫
ウサギを捕らえた猫
ネコの本来の食性は肉食性である。たんぱく質や脂質を必要とし、半野生的な生活を送っているネコは、生きた小獣(ネズミ、ウサギなど)・小鳥・小型爬虫類(ヘビ、トカゲなど)・小型両生類(カエルなど)・魚・小型節足動物(昆虫や蛛形類)といった小動物を捕食し、また飼育下に置かれているネコは与えられた獣肉・魚肉や、動物性の人工飼料(キャットフードなど)からそれらの栄養素を摂取する。
ネズミやスズメなどの獲物を捕まえた際、その場で食べずに安全な場所まで運んでから食べる習性がある。母猫の場合は仔猫に獲物を与えることで何が食べられるのかを教える。特に生きたまま与えることで狩りの訓練をさせるという側面がある。飼い猫や地域猫の場合も、よく懐いた人の元に獲物を持ち帰ったところを発見されることがある。
また、ネコはエンバクなど背の低い草を食べる習性があり、その理由は未だ明らかでないが、毛づくろいのときにどうしても呑み込んでしまって蓄積した体毛を、草の繊維に引っかけて、まとめて排泄するためとする説や、植物性のビタミンや葉酸を草から直接摂取しているなどの説がある[22]。どのネコにも共通しているのが、イネ科植物を好んで食べるということである。そのほかオリヅルランやテーブルヤシなどの単子葉植物の葉を食べることがある。ペットショップでは飼い猫用に「猫草」としてエンバクの芽ばえや種や栽培キットなどが売られている。
与えればドッグフードも食べないことはないが、ネコにとっての必須栄養素であるタウリンはドッグフードにはあまり多く配合されていない。ネコはタウリンの生合成能力が極めて低いため、タウリンを摂取しないとタウリン欠乏をおこし、失明したり心筋症を発症することがある[23]。タウリンの安定な摂取が望めない場合には、獣医と相談し、タウリンを含有する猫用栄養補給剤を処方、猫に服用させる必要がある。 他、ビール酵母サプリメントやノンアルコールビールが好物であり、おやつ代わりに与えている例も多い。当然、アルコールが入っている通常のビールを猫に与えるのは厳禁である。
乾燥した地域を進化上の故郷とすると思われるネコ科は元来、飲水量が少ない動物で、体内で水を有効に使うために尿の濃縮率が高く、濃い尿を出す。そのため、腎臓への負荷が高く、ネコの病気の7- 8割は腎臓の病気である。特に塩分の摂りすぎには注意が必要である。また、水は水道水が最も理想的(日本のほとんどの地域では、水道水はミネラル含有量が少ない軟水)である。一部ミネラルウォーターの硬水に含まれるマグネシウムは猫に対して高濃度にあたるため、腎臓などへの影響からも極力飲ませないようにするべきである。
あくまで必要なのはバランスであり、過剰給餌は健康を害する恐れがある[24]。
蛋白質 | 脂肪 | 炭水化物 | カルシウム | リン | ナトリウム | カリウム | マグネシウム | 鉄 | 銅 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
餌の28%以上。仔猫の場合はその2倍。 | 9%以上 | 40%以下 | 1g | 0.8g | 0.2g | 0.4g | 0.05g | 10mg | 0.5mg |
マンガン | 亜鉛 | ヨード | ビタミンA | ビタミンB1 | ビタミンB2 | ビタミンB6 | パントテン酸 | 葉酸 | ニコチン |
1.0mg | 4.0mg | 0.1mg | 550国際単位 | 0.5mg | 0.5mg | 0.4mg | 1.0mg | 0.1mg | 4.5mg |
ビタミンB12 | コリン | タウリン | ビタミンC | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | 水分 | ||
0.02mg | 200mg | 100mg | 必要量無し | 100国際単位 | 8.0mg | 必要量無し | 1kgあたり50-70ml |
妊娠した場合には5週頃から徐々に食餌の量を増やし、場合によっては専用の食餌を与える[25]。
年齢・状態 | 餌の種類 | カロリー | 回数 |
---|---|---|---|
3週 | 粉ミルク・調理したミンチ肉・缶詰・母乳 | 4-6回 | |
4週 | 粉ミルク・調理した細切れ肉・缶詰・母乳 | 4-6回 | |
5週 | 調理した細切れ肉・缶詰・母乳 | 4-5回 | |
6-8週 | おかゆ状にした上記の餌 | 3-4回 | |
8週以上 | 離乳させる | 3-4回 | |
2-4ヶ月 | 250-425kcal | 3-4回 | |
4-5ヶ月 | 425-500kcal | 3-4回 | |
5-6ヶ月 | 500-600kcal | 2-3回 | |
6-12ヶ月 | 600-700kcal | 1-2回 | |
成猫 | 300-550kcal | 1-2回 | |
妊娠後期 | 通常の3割増し | 2-4回 | |
哺乳期 | 通常の3倍 | 2-4回 | |
老齢猫 | 吸収力の低下のため若干増やす | 1-2回 |
人間が日常において嗜好・摂取する物の中で、ネコに対して有毒性を示す物品や物質や成分。
ネコやイヌにとってネギやタマネギ、ニンニク、ラッキョウなどといったユリ科の植物は極めて有毒とされている。また、ユリ属の植物は特に有害であり、全ての部位に毒性があり、体毛に付着した花粉をなめただけで死亡した例も報告されている。アメリカの愛猫団体であるCFA(英語版)は、これらの植物をネコに近づけないように勧告している。またゆで汁やエキスなどでも有害でありハンバーグなどの練り製品、人間用のビーフジャーキー、すき焼き(の肉)、牛丼や茶碗蒸し、カップ麺などにも含まれることがあり、これらを口にすると中毒を起こすことがある。
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現代においてほぼ世界中に存在するイエネコであるが、これは人為的に広まったのであり、それぞれの地域の生態系にとっては外来種である。
イエネコは優秀なハンターとしての能力と本能を持っており、非常に狩りを好む気性は欲求と言っても差支えないぐらいである。古来、人に飼われてきた理由もネズミ等の駆除能力によるところが大きかった。野生化したネコはもちろん、十分に餌を与えられている飼い猫も野外の鳥類や小型哺乳類、爬虫類、両生類、昆虫などの小動物を捕殺する場合があり、人間に持ち込まれた猫によって地域の固有種を含む生態系に大きな影響を及ぼした事例がある。
日本での例としては、沖縄県において、野生化したイエネコが地域固有種のヤンバルクイナを捕食したり、鹿児島県の奄美大島においてアマミノクロウサギが捕食されるケースがある。また、これまでのモニタリングでは検出されていないが、イリオモテヤマネコとの交雑や猫エイズの感染なども懸念されている。
ニュージーランドのスティーブンズ島における事例では、固有種であるスティーブンイワサザイが、灯台守が飼育していた1匹のイエネコによって絶滅に追い込まれたと考えられている。ただし、スティーブンイワサザイはイエネコが駆逐した15羽しか確認されなかった。
一方でイエネコの極端な減少がネズミの被害を拡大するケースも多い。東京都心部では年々ネズミ被害が増大しているが、これらは大規模な住宅街の歴史を持たずイエネコがほとんど出没しない、新宿や渋谷、原宿と言った、山手線西部の繁華街で顕著である。一方、下町として住宅が混在し、イエネコが出没する上野や、浅草では皆無ではなく増加傾向にはあるものの前者ほど顕著な被害はでていない。
イエネコは国際自然保護連合がリストアップした「世界の侵略的外来種ワースト100」にもランクインしており、固有種の多い地域では戸外に出さない必要がある。ましてや、脱走や飼育放棄など野生化につながるような事態は絶対に避けるべきである。猫は犬などより小型で隠れるのが上手いため、一度野生化すると捕獲したり駆除することが難しい。人間が餌を与えて増やしてしまったり、捕獲に反対したりすることもよくある。
ヒト及びネコが罹患する病気を挙げる。詳細は各項に詳しい。
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ネコの語源が「寝子」であるという説もあるほどにイエネコの睡眠時間は人間に比べて長い。一般的に、ネコは一日の大半を寝て過ごすと言われている。ネコの飼い方の本(獣医師による解説)などでは、一般に「14時間程度」とか「16時間程度」と解説されていることが多い。また「長いネコでは20時間程度眠る」といった解説も多い[34]。なお、睡眠時間が長い傾向にあるのは、ネコ科の動物、肉食動物に共通して見られる傾向である。草食動物に比べて食物を得る機会に乏しい反面、その食物は草食動物の場合と比べて高カロリーであり、一度食物を得るとしばらくは食べる必要が無いため、何もしない時間帯は寝る事でカロリーの消費を抑えていると考えられる。
外からの訪問者が少ない住宅で、家族や近隣にかわいがられ、餌が十分に与えられている安心できる環境だと、ネコは長いものでは1日あたり20時間ほどひたすら眠り続ける。ペットとして飼われているネコは餌を探しにいく必要がなく、安全な寝場所も確保されており、特に何をする必要もないため安心して眠り続ける。寝ている時に時折、痙攣したり鳴き声を漏らしたりするが、夢を見ているせいである。主に仔猫の頃の夢(母猫の乳首を吸っている場面)や、狩りをしているときの夢を見ると言われている。
人によって飼われている仔猫はとくに睡眠時間が長く、ネコの飼い方の本などでは「20時間程度眠る」と解説されていることが多い。ほとんど眠っていて、たまに眼を覚ますと母猫のお乳を吸い、その後ちょっと遊んでいたかと思うと、またすぐ眠ってしまう、というような状態である。また、仔猫ではほとんどがレム睡眠であると言われている。そのため、呼びかけたり触れたりすると目を醒ます場合がある。
野良猫に限れば、外敵に対する警戒を怠ることができないため、睡眠時間は家ネコよりかなり短めになり、眠っている間も眠りが浅い傾向がある。
日光東照宮の眠り猫は頭を地面につけず上げているが、その姿の時こそ熟睡している事が、研究により明らかになっている。
腹部を地に付け、四肢をたたみ、尾を身体側に引き付けたうえで、背を丸めてうずくまる、という猫の姿勢を『香箱(こうばこ)を作る』(香箱座り)と表現する。香箱の蓋の丸く盛り上がった甲の形に由来している[文献1 3]。 前足・後ろ足ともに折り畳んだような姿勢なので、一見外敵が襲ってきてもとっさに対処できないように見えるが、実は身体に隠れて見えない後脚の足裏はきちんと地面に接地していて、危険があればすぐに飛び上がって逃げ出すことができる。
一方で家ネコの場合は、外敵に対する警戒の必要性も低いため、仰向けないしそれに近い姿勢で、リラックスして寝る場合も見られる。これは同じネコ科の野生動物においても、生態系の頂点に位置し天敵が存在しないライオンにおいても見られる。
放し飼いの地域猫や野良猫の場合は太い木の幹で、飼い猫の場合は壁や柱を使って爪とぎをする。ネコに限らず、狩りをする動物の多くに見られる行動である。 古い爪をといで鋭くし、いつでも狩りに使えるようにしておく手入れの他、縄張りを他のネコに対して示す意味がある[35]。転位行動として行うこともある。 室内飼いをする場合、調度品や壁紙などの意図せぬ場所での爪とぎを防止するため、あらかじめ爪を切っておくことが一般的であるが、ネコの爪の根元部分は肉・神経・血管が通っており、先端部分だけを丁寧に切らなければならない。ピンクがかった髄の部分を切除すると苦痛を訴えたり、場合によっては出血を伴う恐れがある。また、外科的に爪を除去してしまう手術があるが、本能と深く結びついた道具を失う事になり、ストレスや問題行動の原因となる可能性があるため、この手術を禁止している国は多い[36]。 なお、ネコの爪研ぎの習性は爪がないネコでも同じしぐさをすることがあり、なにかを始める際の合図とも言われている。ちなみに人に爪を立てることがあるが、動くとさらに食いこむため動かず離すのを待つほうがよい。 家庭で飼っているネコの場合、爪磨きの付属したキャットタワー(ネコタワー)があればそれで爪とぎさせるか、代替の爪とぎしてもよい壁を用意しておくとよい。また、ネコに爪とぎする場所も教えておく必要がある。
ネコが攻撃する際には、前足や後ろ足がよく用いられるが、もともと猫は肉食動物が持つ狩りの武器をすべて持っている。前足を前に差し出し、スナップを利かせて攻撃対象を招き寄せるかのように足裏で攻撃する攻撃方法は「猫パンチ」と呼ばれる[37]。また、前足で攻撃対象をしっかり抱き抱えて倒れこみ、後ろ両足で蹴りを繰り返して入れる攻撃方法は「猫キック」と呼ばれる[38]。いずれの場合も、自由に出し入れできる鉤爪を出して攻撃することで、より高い攻撃力が得られ急所にとどめをさす。
噛み付きも、仔猫同士の取っ組み合いなどでよく用いられる攻撃方法である[39]。攻撃対象をしっかり抱き抱えた状態で使われる「猫キック」と同時に用いることもある。
いわゆる毛づくろい。全身をくまなくなめる事により空気層を作り保温、唾液により体温低下、清潔になる。舌の届かない部位(顔・首・頭など)については前足に唾液を含ませて拭くように動かす。また、足をなめる際に爪を噛んで引っ張ったりもする。
鳥類や毛皮を持つ哺乳類においては、皮膚から毛皮や羽根に皮脂を分泌し毛づくろいすることによって口からビタミンDを摂取しているとの説もある[33]。
尾からうかがえる感情としては以下のようなものが挙げられる。
フェロモンを物に着け、自分の縄張りをアピールする。飼い主など、人に対して行われる場合は、親愛の情を示す意味や、餌などをねだる意味があると言われる。
危険を感じると一目散に逃げ出すが、そのまま逃げ切らずに安全な間合いになったら一度立ち止まり、振り向いて様子をじっと観察する習性がある。相手と目が合うと、自分から目線を外そうとせずにらみ合いになる。ネコ同士でにらみ合いになるとけんかの原因になることがあり、外猫を飼っている場合は家で人間と目を合わせる癖がつくと他の外猫と目を合わせるようになりけんかの原因を作ることにもなるので、癖をつけない方がよいともされている[誰?]。
親愛の情を持っている相手と目が合うと、両目を閉じることがある。ときに、そっぽを向く行為を伴う。ネコにとって目を合わせる行為は敵意を意味するので、これは逆に友好をアピールしていると言える。
ネコの習性をよく知らない人間から見ると無視されたように感じる仕草であるが、実際には両目でウインクしているようなものと思えば分かりやすい。猫に慣れた人は見知らぬ猫に近づくとき、この性質を利用して、自らの目を閉じて猫を警戒させないようにする(この場合、視線は猫の目の高さまで落とすこと)。
親猫は仔猫の頸(くび)の付け根をくわえて携行し、ネコはその場所を噛まれるとおとなしくなる(このことを利用して交尾の際にオスがメスを噛んだりする)。
これとは別に飼い主や他のネコを突然噛むことがある。これは手のような接触手段を持たない動物によく見られる習性であり、ふざけているに過ぎない。 しかしネコの歯はイヌより鋭くかなり痛く感じる。 また、驚いて反射的に手を引くと怪我をしてしまう。 しかしネコは、噛んでも相手が反撃しないのを確認して自分に対する愛情を確かめている[要出典]のである。「痛い」と口に出したり、軽く小突いて痛かったことを伝えると、徐々に甘噛みを覚えていく。 躾けようと思って叩いたり、必要以上に大声で叱責すると、自分に対する愛情を疑うようになり、すねてしまったり、その日を境に寄って来なくなったりする。
幼いうちに母猫と引き離された場合など、毛布や飼い主の唇、自分の尻尾の先などを母猫の乳房に見立てて吸い付くことがある。両前足を周囲を揉むように動かす。うっとりとした表情をし、放っておくと30分くらい続ける場合もある。その動きから、英語では「ウールサッキング」などとも呼ばれる。
別名ミルキング。乳の出をよくするために、仔猫自ら母猫の乳をもむことがある。授乳期を過ぎても、甘えたい気分になると、その時の名残で柔らかいものを揉むことがある。また、揉むものが無くても、前足を握ったり、握りを開放したりを繰り返したりもする。
用を足す前に砂を掘ってくぼみを作り、用を足した後、砂をかける。この砂かけはネコの行動として象徴的なもののひとつであり、転じて悪事や横領をこっそり隠して素知らぬ顔をするという「ねこばば」の語源にもなっている(ばばは糞の意味)。
初めのうちはどこがトイレか認識できない場合があるが、その際はネコの様子を見て催しているなと思ったら、すばやくトイレに移してやり、用が済んだら大げさに褒めてやることが大事である。躾(しつけ)をすることでネコも人間用のトイレを使用させることができる。しかし、年をとるとトイレにのぼることがつらくなるので、人間用のいわゆる水洗トイレではなく、猫砂を用いた猫用トイレを使用させた方が良い。
用を足す場合でなくても、臭い物を見つけたとき、実際に砂がなくても砂をかける仕草をする。
猫は不安が募ると、性別や避妊手術の有無関係なく、スプレー行為をすることがある。ストレスを感じる際に、スプレー行為により自分の匂いを強く嗅ぎ、安心しようとするため。
長い威嚇行動を経たあとに双方引かない場合には衝突に発展し、威嚇には一方が低音で唸ると他方は高音で返すなどの特徴がうかがえる。通常は1対1のけんかであるため、人間がけんかの声に似せて横槍を入れると、気味悪がってけんかを中止することもある。けんか・格闘は、跳びかかりやすく有利な高所を制した側が優勢で、そのため、戦略的ポジションを探りながらの威嚇が長時間続く。格闘になるとほんの数秒で決着する。多くの場合、相手に痛手を負わすまでの闘いになるまでに勝敗が決する。
けんかをしている猫を抱き上げると、猛り立った猫は見さかいもなく主人にでも噛みつき、人がけがをする可能性がある。けんかをやめさせたければ、水をかけるのが最善の方法である。
見つからないように移動するために身を低くする。警戒している状態が頻繁な野良猫では良く見られる。安心した環境で暮す飼い猫でも、苦手な人間との接触を避けるためにこのような行動をとることがある。
体と尻尾をアーチ状にして、斜めに歩くのは、攻撃態勢と防御態勢の両方に入っている状態。不安もあるが、一戦交えても構わない精神状態。喧嘩ごっこの時に斜め歩きをする場合もある。
猫にはホームテリトリー(もしくはプライベートテリトリー)と呼ばれる半径100mのテリトリーがある。ホームテリトリーは同居している猫以外は侵入を許されない。反対に、半径250mのハンティングテリトリーと呼ばれる狩をするテリトリーは他の猫と共有可能である。
眠る 安全な環境と餌に満たされている家ネコはよく眠る。写真はペット用のベッドで体を寄せ合って眠る3匹のネコたち。
丸くなって身を守るように眠るのがネコの典型的なスタイルの一つ。明るい日中など、この写真のように前足でまぶたに覆いをし、光を遮って眠るネコも多い。
周囲を警戒する必要がないと、体を長く伸ばしてひっくり返ったような姿勢で眠るものもいる。写真は周りを信頼している仔猫たち。
腹を上にして寝る猫。一部の猫愛好家から「へそ天」と呼ばれる寝方。
PCのキーボード周辺を好むネコは多い。PCの排熱で暖かいことが多い上、PCに向かってすごす飼い主に構ってもらいたい心理もはたらくのであろう。
「香箱座り」とも表現される着座姿勢。
排泄 通常は砂地状の所にする習性があるが、よく訓練されたネコは人間用のトイレで用を足すこともできる。
見つめる 一定の距離を取り警戒している。
威嚇 けんかの時は、けんか相手に対し体を横向きにして背中を湾曲させ、体毛を逆立ててふくらませ、体格を大きく見せて威嚇する。
遊ぶ 仲間とじゃれることは狩りの訓練も兼ねる。隠れ場所や寝場所として駐車場を好むものも多い。
群れる 猫は群れを作る習性がないが、餌場など特定の場所に集まることもある。
納まる 箱や袋などに入ったり、家具の後ろや下に隠れたり、狭い場所を好む。
毛づくろい(グルーミング) 耳の裏などの直接なめられない部分は、いったん前足に唾液を含ませ、その湿った前足でなでる。写真は前足をなめている様子。
社会的グルーミング。
研ぐ 樹上生動物としても鋭い鉤爪は欠かせない。
木に登る猫。
人類と猫との歴史の記録は、ネコが家畜化が認められる古代エジプトから始まっており[41]、関係する文化や風習、創作物、あるいは日常生活や社会における関わり合いについては「ネコの文化」で解説する。
日本では、鳴き声の語呂合わせから、ペットフード協会の制定により2月22日が猫の日とされている[42][43]。
イギリスやアメリカではイヌとネコの飼育頭数はほぼ同じであり、アメリカでは30%以上、ヨーロッパでは24%以上の家庭でネコが飼育されており、この数字はなおも増加傾向にある。
600 | 170 | 160 | 110 | 220 | 500 | 840 | 690 | 6000 | 975 | 280 | 60 | [万頭] |
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ベサコリン散5%
(頻度不明)
国試過去問 | 「104I067」 |
リンク元 | 「100Cases 33」「100Cases 96」「アミノエチルスルホン酸」「cat」「ネコ属」 |
C
※国試ナビ4※ [104I066]←[国試_104]→[104I068]
テンプレート:Infobox 有機化合物
タウリンはカルボキシル基を持たないので、アミノ酸ではない。また、タンパク質の構成成分になることもない。したがって、ネコにおいてはタウリンは必須アミノ酸ではなく、ビタミンの一種である。しかし、アミノ基を持つ酸であることもあって、古くからアミノ酸として混同されている。合成経路においてはまず、タンパク質の構成成分にもなる含硫アミノ酸であるシステインからシステイン・ジオキゲナーゼによりシステイン酸が合成される。タウリンはシステインスルフィン酸デカルボキシラーゼ(スルフィノアラニン・デカルボキシラーゼ)によりこのシステイン酸から合成される。ヒトはこの合成経路の両酵素をもつため、タンパク質を摂取していれば、タウリンの形での積極的摂取は不要である。胆汁酸と縮合したタウロコール酸はコリル・コエンザイムAとタウリンから合成される。タウリンは尿中に一日約200mgが排泄される。
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