概念
- 男子後部尿道の精丘の両脇に発生する線維筋性組織からなる膜状構造物が排尿時に弁状に作用することで排尿障害を来す病態。
- 重症度は弁の構造により様々であり、高度の障害では新生児期より尿路感染・腎機能障害を来すが、軽症例では幼児期・学童期に尿路感染・排尿習慣異常・夜尿症を契機に発見される。
- 排尿時膀胱尿道造影で、後部尿道の拡張、膀胱の変形、膀胱尿管逆流と共に上部尿路の拡張が見られる。
- 治療は経尿道的切開を行うが、改善しない場合には膀胱皮膚瘻や尿管皮膚瘻が行われる。
UpToDate Contents
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- 1. 後部尿道弁の臨床症状および診断 clinical presentation and diagnosis of posterior urethral valves
- 2. 後部尿道弁のマネージメント management of posterior urethral valves
- 3. Overview of fetal hydronephrosis
- 4. Postnatal management of fetal hydronephrosis
- 5. Evaluation and diagnosis of bladder dysfunction in children
Japanese Journal
- P-252 後部尿道弁の腎機能予後(泌尿生殖器2,ポスターセッション,第48回日本小児外科学会学術集会)
- 堀田 紗代,土岐 彰,鈴木 淳一,小池 能宣,タナカ 早恵,菅沼 理江,内藤 美智子,田中 彩,中山 智理,真田 裕,大橋 祐介
- 日本小児外科学会雑誌 47(4), 709, 2011-07-05
- NAID 110008735366
- PD2-08 水腎症を認めた後部尿道弁症例における治療の有用性と腎機能推移の検討(水腎症の治療と長期予後,パネルディスカッションII,第48回日本小児外科学会学術集会)
- 小林 堅一郎,多田 実,宮川 亨平,益子 貴行,藤永 周一郎,平野 大志,遠藤 周,渡辺 常樹
- 日本小児外科学会雑誌 47(4), 509, 2011-07-05
- NAID 110008735014
- 腹部膨満,乏尿を呈する生後6日男児 (特集 症例に学ぶ--小児放射線カンファレンス) -- (泌尿生殖器)
- 小熊 栄二
- 小児科診療 74(11), 1769-1776, 2011-11
- NAID 40019029360
Related Links
- 2010年11月2日 ... 概要. 精丘から遠位側に向かって左右両側に分かれ、膜様部尿道に向けて斜走する 粘膜隆起が著しくなって弁となったものである(Young I型)。YoungはI～III型に分類した が、大部分はI型である。
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★リンクテーブル★
| 国試過去問 | 「112A032」「098D042」「092G028」 |
| リンク元 | 「尿閉」「膀胱尿管逆流」「posterior urethral valve」 |
| 関連記事 | 「尿道」「後部尿道」「尿道弁」 |
「112A032」
- 7歳の女児。3歳でオムツが取れたにもかかわらず、下着が常に少し濡れていることを主訴に来院した。本人は｢お漏らしはしていない｣と言う。静脈性尿路造影では両側に完全重複腎盂尿管を認める。膀胱鏡検査で右側に2個、左側に1個の尿管口を認める。
- 尿失禁の原因はどれか。
※国試ナビ4※ ［112A031］←［国試_112］→［112A033］
「098D042」
- 7歳の女児。3歳でオムツがとれたにもかかわらず、下着が常に少し濡れていることを主訴に来院した。本人はお漏らしはしていないという。静脈性尿路造影では両側に完全重複腎盂尿管を認める。膀胱鏡検査で右側に2個、左側に1個の尿管口を認める。尿失禁の原因はどれか。
※国試ナビ4※ ［098D041］←［国試_098］→［098D043］
「092G028」
- 4歳の男児。3日前から発熱、排尿痛および頻尿がみられた。今までにも同様の症状が3回あったが、感冒に伴う膀胱炎として近医で治療を受けていた。今回は尿が赤いことに気づき来院した。体温38.5°。眼瞼と下肢とに浮腫を認めない。尿所見1+、糖(-)、沈渣に赤血球無数/1視野、白血球15-20/1視野。
- 基礎疾患として考えられないものは
「尿閉」
定義
- 膀胱まで移送された尿が尿道より排泄できない状態 ⇔無尿
原因
- 器質性
- 非器質性
- SURO.39
- 前立腺肥大を有する患者が飲酒した場合や抗コリン薬の服用による事が多い
症状
- SURO.39
- 急性尿閉：苦痛有。強い尿意、恥骨上部の疼痛、強度の不安感、冷や汗
- 慢性尿閉：苦痛は少ない。溢流性失禁、両側水腎症
検査
- 下腹部エコー (無尿との鑑別)
- SURO.111
| 頻度 | 疾患 | 好発年齢 |
| ◎ | 前立腺肥大症 | 60～ |
| 膀胱頸部硬化症 | 60～ | |
| 尿道狭窄 | 50～60 | |
| 尿道結石 | 40～ | |
| 後部尿道弁 | 先天性～ | |
| 膀胱腫瘍 | 50～ | |
| 尿道腫瘍 | 50～ | |
| 陰茎癌 | 50～ | |
| 真性包茎 | 小児, 70～ | |
| ○ | 神経因性膀胱 | 60～ |
臨床関連
- 中枢神経(上位ニューロン)障害の急性期には脊髄ショックにより排尿中枢が機能しなくなり尿閉に陥るらしい。
「膀胱尿管逆流」
- 英
- vesicoureteral reflux vesico-ureteral reflux VUR, vesicoureteric reflux, ureterovesical reflux
- 同
- 尿管逆流 ureteral reflux、膀胱尿管逆流症、膀胱尿管逆流現象
- 関
- 膀胱尿管逆流防止手術
概念
- 何らかの原因で膀胱内の尿が尿管や腎盂に逆流することを言う。
- 一次性逆流(原発性逆流)と二次性逆流に大別される。
国試
「posterior urethral valve」
- (尿通過障害を来す小児男子の疾患)後部尿道弁
「尿道」
- 図：N.367
発生
- 尿生殖洞に由来する
部位による分類 (KL.432, M.215)
- 1. 膀胱頚内の尿道(前立腺前部)
- 2. 前立腺部
- 3. 隔膜部
- 4. 海綿体部
前立腺部
「後部尿道」
「尿道弁」
- 英
- urethral valve
- 関
- 後部尿道弁、前部尿道弁