- 英
 
- prostatic cancer, prostatic carcinoma, prostatic adenocarcinoma 前立腺から発生する腺癌
 
- 関
 
- 前立腺、前立腺肥大症
 
概念
- 前立腺に発生し、主に外腺(peripheral zone)から発生する腫瘍
 
病因
疫学
- 白人に多い。欧米では成人男性悪性新生物中、罹患率では第1位、死亡率では第2位を占める(死亡率第1位は肺癌)。
 
- 日本では全がんの8.6%であり、前立腺による癌死は全がんの4.8%を占める
 
- 高齢者ほど罹患率が増加していくが、50歳以下ではほとんど見られない。
 
- 潜在癌(ラテント癌)が多い。ラテント癌は加齢に伴い増加し、50歳以上には約20-30%に認められる(ガイドライン1 CQ3  ラテント癌の性質と頻度はどのくらいか? )。ラテント癌の多くが臨床癌にならずに経過し、一部は緩徐な経過で臨床癌に進展すると考えられている(ガイドライン1)。
 
- 前立腺肥大症と前立腺癌は同時発生することがあり、それが前立腺癌発見の契機となる(ガイドライン1)。
 
病理
- 腺癌(95-98%)
 
- グリソン分類に基づいて評価し、グリソンスコアを算出する。
 
リスク分類
- ガイドライン2
 
- T分類、グリソンスコア、PSAに基づく。
 
- 低リスク:T1-T2a and グリソンスコア 2-6 and PSA < 10ng/mL
 
- 中リスク:T2b~T2c or グリソンスコア 7 or PSA 10-20ng/mL
 
- 高リスク:T3a or グリソンスコア 8-10 or PSA > 20ng/mL
 
TNM分類
- 参考2
 
- 前立腺癌取扱い規約第3版 病期分類
 
- T2分類はTNM分類(2003年)より
 
- T1 触知不能、または画像では診断不可能な臨床的に明らかでない腫瘍
 
- T1a 組織学的に、切除組織の6%以下に、偶発的に発見される腫瘍
 
- T1b 組織学的に、切除組織の6%以上を越え、偶発的に発見させる腫瘍
 
- T1c 針生検により確認(たとえばPSAの上昇による)される腫瘍
 
T2a 片葉に浸潤する腫瘍 
T2b 両葉に浸潤する腫瘍 
- T2a 片葉の1/2以内の進展
 
- T2b 片葉の1/2を超えるが、両葉に及ばない
 
- T2c 両葉への進展
 
- T3a  被膜外へ進展する腫瘍(片葉、または両葉)
 
- T3b  精嚢に浸潤する腫瘍
 
- T4 精嚢以外の隣接組織(膀胱頸部、外括約筋、直腸、挙筋、および/または骨盤壁)に固定、または浸潤する腫瘍
 
- N0 所属リンパ節転移なし
 
- N1 所属リンパ節転移あり
 
症状
- 早期 :無症状。多くはBPHを合併しているので、BPHの症状を呈する
 
- 進行期:骨転移症状(腰痛、背部痛)、尿閉
 
診察
検査
- 経直腸超音波検査
 
- CT
 
- MRI
 
- 尿道膀胱造影
 
- X線写真(腰椎、骨盤、大腿骨):骨転移の判定
 
- 膀胱鏡検査
 
- 静脈性尿路造影:腎臓・尿管への影響を形態的に評価
 
- 骨シンチグラフィ:骨転移検索
 
- 前立腺生検:確定診断のために施行。経直腸的超音波ガイドで前立腺針生検。
 
目的別
- スクリーニング検査:PSA
 
- 病期確定:CT、MRI、骨シンチ
 
- 確定診断:前立腺生検
 
診断
治療
概論
- ホルモン療法が奏効する(抗アンドロゲン製剤で小さくなる。ほとんどは死ぬけど小さいのは残って再発する)。ホルモン療法が奏効するのは乳癌と前立腺癌
 
治療のmodality
- 去勢術
 
- エストロゲン療法
 
- LH-RH療法:LH-RHアゴニストの連続投与により、LHRH受容体のdown regulationを図る。酢酸リュープロレリン、酢酸ゴセレリン。
 
- 抗アンドロゲン療法:前立腺のアンドロゲン受容体に対するantagonistにより増殖の抑制を期待する
 
- CAB療法:去勢術/LH-RH療法 + 抗アンドロゲン療法
 
- 
- 線源:6-10mV以上の高エネルギーX線
 
- 照射法:三次元治療計画にもとづく三次元動態放射線治療・強度変調放射線療法、手術後の外照射
 
- 線量:骨盤部を照射する場合は1回1.8-2Gyとし、総線量45-50Gyを骨盤領域に照射
 
- 密封小線源永久挿入療法(高線量率組織内照射(参考3))
 
- 適応:NCCNによる低リスク群では密封小線源永久挿入療法、中リスク群では外照射との併用を行う。
 
 
- 1st lineの治療とはなっていない。
 
- 内分泌療法再燃癌に対する抗癌剤単剤あるいは多剤併用療法が試みられてきたが無作為化比較試験によって明らかな生存期間の延長が認められたものはない。ドセタキセル+(ステロイド or エストラムスチン)の併用療法がミトキサントロンとステロイドの併用に比べて有意に生存率が改善したと報告された。エストラムスチンと5-FUが前立腺癌に対して保険適応となっている。(ガイドライン1)
 
治療の選択
- 手術療法、薬物療法(内分泌療法=ホルモン療法)、放射線療法
 
- 限局性:根治的前立腺全摘術、放射線療法
 
- 進行性:内分泌療法
 
- ガイドライン1
 
- Gleason≦6,PSA≦20ng/ml (組織悪性度が低い)
 
- 方針:根治療法(前立腺全摘除術、放射線療法) or PSA監視療法
 
- (期待余命が10-15年以上期待できる場合)前立腺全摘除術 or 放射線療法
 
- (期待余命が10以下の場合)内分泌療法 or 放射線療法
 
- Gleason≧7,PSA≦20ng/ml (組織悪性度が高い)
 
- 方針:Gleason≧8の場合、PSA監視療法は不適
 
- (期待余命が10-15年以上期待できる場合)前立腺全摘除術 or 放射線療法
 
- 
- 方針:PSA監視療法は不適。PSA≧20ng/ml例ではT3以上の可能性があり手術適応は慎重におこなう。
 
 
- 方針:Gleason≧8の場合、PSA監視療法は不適
 
- 手術療法:前立腺全摘除術は可能だが、予後は好ましくないものがある。
 
- 内分泌療法+放射線療法で良好
 
- 参考2
 
modality
| 治療法
 | 
良い適応と特徴
 | 
| 待機療法
 | 
グリソンスコアが6かそれ以下でPSAが20ng/ml以下、病期T1c-T2b
 | 
| 手術療法
 | 
期待余命が10年以上でPSA<10ng/ml, グリソンスコア7以下、かつ病期T1c-T2b
 | 
| 放射線治療(外照射法)
 | 
局所前立腺がん、局所進行前立腺がん 緩和としても使用される
 | 
| 密封小線源治療(組織内照射法)
 | 
グリソンスコアが6かそれ以下でPSAが10ng/ml以下、病期T1c-T2b
 | 
| 内分泌療法
 | 
遠隔転移を有する例に第一選択。治療抵抗性が出現しうる
 | 
10年以上の期待余命が見込まれる場合に選択可能な単独での治療法
|  
 | 
待機療法
 | 
手術療法
 | 
放射線治療
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内分泌療法
 | 
密封小線源治療
 | 
| (外照射法)
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| T1a
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| T1b
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前立腺生検によるり病期を確定することが適切
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| T1c
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| T2a
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| T2b
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| T3a
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| T3b
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| T4
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| N+
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| M+
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| 強く推奨
 | 
推奨
 | 
あまり推奨されない が 選択可能
 | 
推奨しない
 | 
手術療法
放射線療法
- ガイドライン1
 
- 放射線療法は照射方法により外照射と内照射に大きく分けられる。前立腺癌に対する放射線療法はコンピュ-タ技術の長足の進歩とあいまって,革新的変遷をとげてきた。根治術と同様局所療法であるため,最良の適応は局所限局癌であり前立腺全摘除術と同等の成績が得られるとされている
 
- →前立腺全摘除術と放射線療法の治療成績は同程度と考えられる。
 
内分泌治療
- ガイドライン1
 
- 以前は外科的な去勢術、女性ホルモン製剤による治療が行われた。
 
- luteinizing hormone-releasing hormone(LH-RH)アゴニストおよび抗アンドロゲン剤の併用あるいは単独療法が行われる。
 
- →LH-RHアゴニスト、抗アンドロゲン製剤、それぞれの単独使用かこれらの併用。
 
- Stage III~IVに対する内分泌療法の延命効果は証明されている。一般には,転移を有する進行性前立腺癌の標準治療は外科的(精巣摘除)または薬物的(LH-RHアゴニスト)去勢によるアンドロゲン遮断療法である。
 
合併症
密封小線源療法
- 排尿障害:(照射から3ヶ月間)排尿困難感、頻尿 →(照射から1年間)徐々に改善。  尿失禁が起こることはまれ。外照射に比べて排便に関する症状は少なく、性機能が維持される割合が高い。
 
転移
- 直接浸潤:膀胱底部
 
- 血行性転移:骨への転移(骨形成性)
 
- リンパ行性転移:骨盤内と傍大動脈リンパ節
 
再発
外科手術後のPSA再発
- ガイドライン1(CQ1  前立腺全摘除術においてPSA再発を治療成績のエンドポイントの一つとすべきである。CQ15  術後再発診断におけるPSA再発の診断基準は? 。)
 
- 前立腺全摘除術に癌が完全切除されている場合、術後3週以内にPSAは検出限界以下になるとされている。補助療法を施行し無い場合、PSA再発のカットオフは0.2ng/mlとするのがコンセンサスらしいが、ガイドラインとしてはっきりした記載はない。
 
放射線治療後の生化学的再発
- ガイドライン1(G.根治的放射線療法後の生化学的再発の定義 CQ1  〔再発の判定〕生化学的ならびに臨床的再発はどのように判定したらよいか?)
 
- 前立腺癌に対する放射線療法後の再発の定義を(1)再生検で癌が検出された場合,(2)画像診断で転移が判明した場合,(3)PSAが3回連続で上昇した場合としている(1997年のAmerican Society for Therapeutic Radiology and Oncology(ASTRO)におけるガイドライン)
 
- 上記定義は臨床的再発に対する感度が高くないという欠点がある。この問題を克服した定義も提案されているが、いまだに標準化された定義はない。
 
外来
- 前立腺癌は主にPSA、もちろん自覚症状を指標として5年間はフォロー。
 
ガイドライン
- 1. 前立腺癌 - 日泌会・厚生科学研究班編/医療・GL(06年)/ガイドライン
 
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0032/1/0032_G0000094_GL.html
 
- http://www.tri-kobe.org/nccn/guideline/urological/japanese/prostate.pdf
 
- 3. 放射線治療計画ガイドライン・2008 - 日本放射線専門医会・医会,日本放射線腫瘍学会,日本医学放射線学会編集
 
- http://www.kkr-smc.com/rad/guideline/2008/
 
参考
- http://ganjoho.jp/public/cancer/data/prostate.html
 
- http://www.twmu.ac.jp/info-twmu/department/Radiation/r-kosenryo.pdf
 
国試
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/01/29 00:30:20」(JST)
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| 前立腺癌 | 
| 分類及び外部参照情報 | 
 | 
| ICD-10 | 
C61. | 
| ICD-9 | 
185 | 
| OMIM | 
176807 | 
| DiseasesDB | 
10780 | 
| MedlinePlus | 
000380 | 
| eMedicine | 
radio/574 | 
| MeSH | 
D011471 | 
| プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 | 
| テンプレートを表示 | 
前立腺癌(ぜんりつせんがん)とは、前立腺(外腺)に発生する病気、癌の一つ。様々な組織型の悪性腫瘍が生じうるが、その殆どは腺癌で、通常は前立腺癌≒前立腺腺癌の意味で用いられる。日本では癌死亡者の約3.5%を占め、近年急増傾向にある。ただし、癌の中では治癒率は比較的高い方であるとされている。45歳以下での罹患は家族性以外はまれで、50歳以降に発症する場合が多い。その割合は年を追うごとに増加する[2]。 欧米人に発生率の高い癌で、米国では男性の約20%が生涯に前立腺がんと診断される[3]。同一人種間の日本と海外での患者割合の差は、食生活の違いにあるとされる。食生活の欧米化によって罹患率は急増しており、近い将来男性癌死亡者の上位となることが予想されている。
| 
 
 目次
- 1 原因
 
- 2 疫学
 
- 3 予防の可能性
 
- 4 症状
 
- 5 検査と診断
 
- 6 分類
 
- 7 病期
- 7.1 局所前立腺癌
 
- 7.2 局所進行前立腺癌
 
- 7.3 進行前立腺癌
 
- 7.4 再発性前立腺癌
 
 
 
- 8 治療
 
- 9 関連項目
 
- 10 前立腺癌と関連する人物
 
- 11 参考文献
 
- 12 脚注
 
- 13 外部リンク
 
 
 | 
原因
- 食事 :同一人種の居住地域による罹患率の差から、食事が原因の一つと考えられている。高脂肪の食事は前立腺癌のリスクとなる。乳製品の摂り過ぎは前立腺癌や卵巣癌のリスクを高めると言われる[4]。日本の国立がん研究センターが4万3000人を追跡した大規模調査でも、乳製品の摂取が前立腺癌のリスクを上げることを示し、カルシウムや飽和脂肪酸の摂取が前立腺がんのリスクをやや上げることを示した[5]。
 
- 人種 :黒人、白人、アジア人の順に頻度が高い。
 
- 遺伝 :若年例では家族性の前立腺癌が存在する。また、血縁に前立腺癌がある場合、前立腺癌の罹患率が上がることが知られている。
 
- 感染 :レトロウイルスであるXMRVによる感染と前立腺癌との関連が研究されている[6]。
 
前立腺肥大症は前立腺癌のリスクとはならない。
疫学
2004年における10万人毎の前立腺がんによる死亡者数(年齢標準化済み[7])
0 データなし
0 4以下
0 4-8
0 8-12
0 12-16
0 16-20
0 20-24
0 24-28
0 28-32
0 32-36
0 36-40
0 40-44
0 44以上
 
 
 
 
 この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。
予防の可能性
大豆に含まれるイソフラボン成分であるゲニステイン濃度、ダイゼインの代謝物であるイコール濃度が高いグループの前立腺に限局する前立腺癌リスクは低くなる。イソフラボンの血中濃度が高いと、限局前立腺癌のリスクを低下させる。進行前立腺癌では作用しない[8]。緑茶をよく飲むグループで進行前立腺癌のリスクが低下する[9]。
症状
外腺に多く発生する。初期は自覚症状がほとんどなく、血液検査から前立腺特異抗原(PSA)の高値によって、その存在が疑われる。進行すると排尿困難等の症状を生じ、リンパ節や骨、実質臓器に転移する。転移性骨腫瘍のうち、前立腺癌は骨硬化性を示す事が多い。
検査と診断
血液検査(PSA検査)によるスクリーニングを行い、問診、直腸診、エコー検査を行った上で、癌が疑わしい場合には、針生検による病理組織診断でグリソンスコア等の評価が行われる。一般にはPSAが4.0ng/mlをカットオフ値とし、これ以上ならば生検を行う場合が多いが、最適なカットオフ値は分かっていない。年齢別にPSAのカットオフ値を分ける場合もあり、施設によって値は異なる。一般に4ng/ml<PSA<10ng/mlでは前立腺癌の見つかる可能性は25-30%、10ng/ml以上で50-80%と言われている。
- スクリーニングの有用性については種々の意見があったが、最近の知見として、PSA検診で前立腺がん死亡リスクが44%減少、癌の発見率は1.64倍になるとの報告がなされている[10]。
 
生検で癌細胞が見つかった場合には、造影CTによりリンパ節転移の有無、精嚢浸潤などの前立腺被膜外への癌浸潤が検査されるが、CTによる精嚢・被膜外浸潤、リンパ節転移の診断効果は低い。核医学検査である骨シンチグラフィーで骨転移の有無を評価する。また、T分類の精度を高めるため、MRIが行われることも少なくない。近年では、生検を行う前に磁力強度の高いMRI(3.0テスラMRI)や経直腸のMRIを用いることで画像診断が可能になってきている。また、カラードップラー検査を用いた経直腸超音波でも、画像診断は可能となってきている。
分類
 この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。
病期
局所前立腺癌
 この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。
局所進行前立腺癌
 この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。
進行前立腺癌
 この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。
再発性前立腺癌
 この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。
治療
男性ホルモン(アンドロゲン)の作用を減らす事によるホルモン療法、外科手術による除去、放射線療法、化学療法、経過観察療法(PSA監視療法)などがあり、状態によって最適な治療法がとられる。放射線療法もしくは、グリーソン分類などによる病理学的異型度が低く、血清中の前立腺特異抗原の値が低く、他の臓器への転移が認められない場合は、外科手術(根治的前立腺摘除術)により根治することが期待できる。前立腺癌の進行は比較的遅く、他の癌に比べると予後が長い。 転移のある場合や超高齢者などでは、ホルモン療法が選択され、エストロゲン製剤、アンドロゲン拮抗剤、LH-RHアナログなどが投与される。場合によっては精巣摘出手術が併用される。 この癌は「前立腺肥大症」という病気と症状が酷似しているため、早期発見が難しいと言われていたが、近年ではPSA(前立腺特異抗原)検診の普及などにより、早期に発見される症例が多くなり、以前のように骨転移などをきっかけに発見される症例は減少した。
関連項目
- 悪性腫瘍
 
- 腫瘍学
 
- 泌尿器科学
 
- 放射線医学
 
- 放射線療法
 
骨転移しやすい癌としては前立腺癌の他に、乳癌、肺癌がある。
前立腺癌と関連する人物
参考文献
- 『前立腺癌診療ガイドライン 2006年版』日本泌尿器科学会 (Minds医療情報サービス)
 
- 『有効性評価に基づ前立腺がん検診ガイドライン 2008年版』厚労省がん研究班編 (Minds医療情報サービス)
 
脚注
- ^ Jemal A, Siegel R, Ward E et al. (2008). “Cancer statistics, 2008”. CA Cancer J Clin 58 (2): 71–96. doi:10.3322/CA.2007.0010. PMID 18287387. http://caonline.amcancersoc.org/cgi/content/full/58/2/71. 
 
- ^ 日本泌尿器科学会では、2007年現在、50歳以上の男子のうち、約230人に一人がこの癌に罹っているので、ポスターなどにより採血して行うPSA検査を勧めている。
 
- ^ Medical Tribune.2012 April ; 45(16):48項
 
- ^ W.C.ウィレット、M.J.スタンファー「ヘルシーな食事の新しい常識」『エイジング研究の最前線 別冊日経サイエンス147』 2004年11月。ISBN 978-4532511470。123頁。
 
- ^ 乳製品、飽和脂肪酸、カルシウム摂取量と前立腺がんとの関連について| 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 独立行政法人 国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究部 PMID 18398033
 
- ^ J Virol.2009 Jul ; 83(14):6995-7003.
 
- ^ “WHO Disease and injury country estimates”. World Health Organization (2009年). 2009年11月11日閲覧。
 
- ^ 血中イソフラボン濃度と前立腺がん罹患との関連について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 独立行政法人 国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究部
 
- ^ 緑茶飲用と前立腺がんとの関連について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 独立行政法人 国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究部
 
- ^ Hugosson J, et al.: Lancet Oncol. 2010 Jun 30. Epub
 
 
外部リンク
- 日本泌尿器科学会、The Japanese Urological Association
 
- 日本放射線腫瘍学会 放射線治療Q&A>前立腺がん
 
- 各種がんの解説>前立腺がん 国立がん研究センターがん対策情報センター
 
- がん情報サイト PDQ®日本語版 泌尿器>前立腺がん
 
- 前立腺癌の基礎知識
 
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 ゲロタ筋膜 
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 顕微解剖 
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 ネフロン 
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 腎小体 
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 糸球体 
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 毛細血管 | 糸球体内メサンギウム細胞 | ボーマン嚢 
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 傍糸球体装置 
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 緻密斑 | 傍糸球体細胞 | 糸球体外メサンギウム細胞 
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 尿細管 
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 生理学 
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 アシドーシスとアルカローシス | 膠質浸透圧 | 糸球体濾過量 | 腎血漿流量 | クレアチニンクリアランス 
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 生化学 
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 バソプレッシン | アルドステロン | 心房性ナトリウム利尿ペプチド | エリスロポエチン | レニン-アンジオテンシン系 
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| 尿路 | 
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 肉眼解剖 
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 尿管 - 膀胱 - 尿道 
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 顕微解剖 
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 移行上皮 
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生殖器系 | 
 
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| 女性器 | 
 尿道 - 陰核 - 陰裂 - 陰核亀頭 - 陰核亀頭冠 - 陰核包皮 - 陰核小帯 - Gスポット - 処女膜 - 陰唇 - 大陰唇 - 小陰唇 - 膣 - バルトリン腺 - スキーン腺 - 子宮頸部 - 子宮 - 子宮内膜 - 卵管 - 卵巣 
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| 男性器 | 
 尿道 - 陰茎 - 陰茎亀頭 - 陰茎亀頭冠 - 海綿体 - 陰茎ワナ靭帯 - 陰茎包皮 - 陰茎小帯 - 陰嚢 - 精索 - 精巣上体 - 精細管 - セルトリ細胞 - 精巣輸入管 - 輸精管 - 精嚢 - 射精管 - 前立腺 - 尿道球腺 - 精巣網 - 精巣 
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 前立腺癌の増殖に関する基礎研究 ―脂質との関連について―
 
- 前立腺癌に対するIMRTの初期経験 ―臨床的な立場から―
 
- 岡本 雅彦,北本 佳住,白井 克幸,牛島 弘毅,樋口 啓子,玉木 義雄,樋口 雅則,福島 斉,斉藤 優子,田島 正義,茂木 利雄,町田 貴志,遠藤 廣
 
- The Kitakanto medical journal 61(3), 425-425, 2011-08-01
 
- NAID 120003324187
 
- 前立腺癌に対するIMRTの初期経験 ―技術的な立場から―
 
- 齊藤 優子,福島 斉,田嶋 正義,樋口 雅則,町田 貴志,茂木 利雄,遠藤 廣,牛島 弘毅,岡本 雅彦,北本 佳住,樋口 啓子,玉木 義雄
 
- The Kitakanto medical journal 61(3), 423-423, 2011-08-01
 
- NAID 120003324184
 
Related Links
- 前立腺癌(ぜんりつせんがん)とは、前立腺(外腺)に発生する病気、癌の一つ。様々な  組織型の悪性腫瘍が生じうるが、その殆どは腺癌で、通常は前立腺癌≒前立腺腺癌の  意味で用いられる。日本では癌死亡者の約3.5%を占め、近年急増傾向にある。ただし、 ...
 
- 2006年10月6日 ... 年齢別にみた前立腺がんの罹患(りかん)率は、65歳以上で増加します。罹患率の年次  推移は、1975年以降増加していますが、その理由の1つは、Prostate Specific Antigen   (PSA)による診断方法の普及によるものです。この方法によって、 ...
 
- 進行前立腺がん(前立腺癌)のため手術適応とならない方や、手術後に再発を予防する  目的で内分泌療法(ホルモン療法)などを積極的に行ってきたが、治療の甲斐なく  前立腺がん(前立腺癌)の再発・転移を防ぐことができず医師から辛い宣告をされた方も ...
 
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  [★]
- 次の文を読み、54~56の問いに答えよ。
 
- 68歳の男性。尿失禁を主訴に来院した。
 
- 現病歴:2年前から就寝後に2回トイレに行くようになった。1か月前から気が付かないうちに尿失禁をきたしている。残尿感と排尿困難とは認めない。
 
- 既往歴:10年前から糖尿病で血糖降下薬を内服している。
 
- 家族歴:特記すべきことはない。
 
- 現症:意識は清明。身長160cm、体重66kg、体温36.4℃。脈拍68/分、整。血圧144/88mmHg。下腹部に弾性軟で手拳大の腰痛を触知する。下肢に浮腫を認めない。直腸診で小鶏卵大の前立腺を触知するが、硬結や圧痛は認めない。
 
- 検査所見.尿所見:蛋白(-)、糖2+、潜血(-)、沈さに赤血球と白血球とを認めない。血液所見:赤血球450万、Hb14.6g/dl、Ht44%、白血球5.600。血液生化学所見:血糖146mg/dl、HbA1c 6.8%(基準4.3~5.8)、尿素窒素20.0mg/dl、クレアチニン1.2mg/dl。免疫学所見:CRP O.1mg/dl、PSA1.6ng/ml(基準4.0以下)。
 
[正答]
※国試ナビ4※ [102B054]←[国試_102]→[102B056]
  [★]
- 64歳の男性。人間ドックでPSA値の異常を指摘され来院した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。身長164cm、体重63kg。体温36.3℃。脈拍72/分、整。血圧138/78mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知せず、圧痛や抵抗を認めない。下肢に浮腫を認めない。直腸診でクルミ大の前立腺を触知するが、硬結は認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈さに赤血球と白血球とを認めない。血液所見:赤血球460万、Hb15.1g/dl、Ht45%、白血球6,300、血小板26万。PSA7.3ng/ml(基準4.0以下)。前立腺生検で中分化型の前立腺癌を認める。腹部造影CTでリンパ節腫大を認めない。骨シンチグラフィで異常集積を認めない。患者は治療を希望している。
 
- 治療法として適切なのはどれか。2つ選べ。
 
[正答]
※国試ナビ4※ [102D057]←[国試_102]→[102D059]
  [★]
- 67歳の男性。人間ドックで血中PSA値の異常を指摘され来院した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。身長167cm、体重65kg。体温36.2℃。呼吸数14/分。脈拍72/分、整。血圧148/80mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。直腸指診でクルミ大の前立腺を触知するが、硬結を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に赤血球と白血球とを認めない。血液所見:赤血球 480万、Hb 15.0g/dl、Ht 45%、白血球 6,600、血小板 23万。PSA 6.8ng/ml(基準4.0以下)。前立腺生検で高分化型の前立腺癌を認める。腹部造影CTでリンパ節腫大を認めない。骨シンチグラフィで異常集積を認めない。患者は治療を希望している。
 
- 治療法として適切なのはどれか。 2つ選べ。
 
[正答]
※国試ナビ4※ [105D050]←[国試_105]→[105D052]
  [★]
- 67歳の男性。人間ドックでPSAの高値を指摘され来院した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。身長162cm、体重61kg。体温36.2℃。脈拍68/分、整。血圧128/72mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。直腸診で鶏卵大、石様硬の前立腺を触知する。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に赤血球と白血球とを認めない。血液所見:赤血球 440万、Hb 14.6g/dl、Ht 44%、白血球 5,800、血小板 28万。PSA 203ng/ml(基準4.0以下)。前立腺生検を施行した。骨シンチグラム(別冊No.12)を別に示す。
 
- 対応として適切なのはどれか。
 
- a 経過観察
 
- b 抗癌化学療法
 
- c ホルモン療法
 
- d 前立腺全摘除術
 
- e 密封小線源治療
 
[正答]
※国試ナビ4※ [104D035]←[国試_104]→[104D037]
  [★]
- 81歳の男性。嚥下困難を主訴に来院した。1か月前から嚥下困難を自覚しており、2週間前から食事摂取が困難となったため受診した。前立腺癌でホルモン療法を受けている。身長 160cm、体重 56kg。体温 36.1℃。脈拍 72/分、整。血圧 136/88mmHg。呼吸数 14/分。甲状腺の腫大を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。上部消化管内視鏡像(別冊No. 17)を別に示す。
 
- 考えられるのはどれか。
 
[正答]
※国試ナビ4※ [113A043]←[国試_113]→[113A045]
  [★]
- 65歳の男性。前立腺癌T2N0M0の診断で、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術を受ける予定である。PSAは8.4ng/mL(基準 4.0以下)。退院後の生活についての説明で誤っているのはどれか。
 
- a 「運動はできます」
 
- b 「射精はできます」
 
- c 「入浴はできます」
 
- d 「尿失禁が起こります」
 
- e 「食事制限はありません」
 
[正答]
※国試ナビ4※ [113D038]←[国試_113]→[113D040]
  [★]
[正答]
※国試ナビ4※ [111D018]←[国試_111]→[111D020]
  [★]
- 我が国におけるある疾患の人口10万人当たりの死亡率の推移を年齢階級別に示す。
 
[正答]
※国試ナビ4※ [109E006]←[国試_109]→[109E008]
  [★]
[正答]
※国試ナビ4※ [112A007]←[国試_112]→[112A009]
  [★]
- 前立腺癌の原発巣に対して根治的放射線治療として行われるのはどれか。2つ選べ。
 
[正答]
※国試ナビ4※ [107B037]←[国試_107]→[107B039]
  [★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108G026]←[国試_108]→[108G028]
  [★]
- a. (1)(2)
 
- b. (1)(5)
 
- c. (2)(3)
 
- d. (3)(4)
 
- e. (4)(5)
 
[正答]
※国試ナビ4※ [095B044]←[国試_095]→[095B046]
  [★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103G002]←[国試_103]→[103G004]
  [★]
- 経尿道的手術が外科的治療の第一選択となるのはどれか。2つ選べ。
 
[正答]
※国試ナビ4※ [110B032]←[国試_110]→[110B034]
  [★]
- 日本人において糖尿病で発症リスクが高まるとされる癌はどれか。2つ選べ。
 
[正答]
※国試ナビ4※ [109G034]←[国試_109]→[109G036]
  [★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106E020]←[国試_106]→[106E022]
  [★]
- 早期癌の放射線治療で、根治的照射の適応でないのはどれか。
 
[正答]
※国試ナビ4※ [101B109]←[国試_101]→[101B111]
  [★]
- 早期の癌で根治的放射線治療の対象とならないのはどれか。
 
[正答]
※国試ナビ4※ [100G106]←[国試_100]→[100G108]
  [★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107A060]←[国試_107]→[107B002]
  [★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108C006]←[国試_108]→[108C008]
  [★]
- 英
 
- benign prostatic hyperplasia BPH, benign prostatic hypertrophy, prostatic hyperplasia
 
- 同
 
- 前立腺肥大
 
- 関
 
- 前立腺
 
定義
- 加齢に従い、前立腺の内腺が腫大し、尿路を圧迫して排尿障害を呈する疾患。
 
疫学
- 前立腺の肥大(内腺)は30-40歳代から始まり、50歳代には顕著となり、70歳代以降ではほぼ全例に認められるが、臨床症状を呈するのはこの一部である(10-20%)。
 
病因
病態
- 肥大した前立腺により尿路を刺激し、さらには閉塞して、ついには完全尿閉に至る。
 
重症分類
- 前立腺体積が20ml以下では軽症、前立腺体積が20-50ml以下では中等症、前立腺体積が50ml以上では重症
 
症状
- YN.E-86 SURO.258
 
- 病期は3つに分けられる:(1)第1病期 刺激期、(2)第2病期 残尿発生期、(3)第3病期 慢性尿閉期
 
| 病期
 | 
病態
 | 
症状
 | 
| 第1病期
 | 
刺激期
 | 
腫大した前立腺による後部尿道(膀胱頚部、前立腺尿道)の刺激
 | 
軽度の排尿困難、夜間頻尿、排尿時不快感
 | 
| 第2病期
 | 
残尿発生期
 | 
残尿(50-150ml)の発生
 | 
排尿困難(いきみながらの排尿)。残尿。急性尿閉(飲酒、抗コリン薬、長時間の乗り物の乗車)
 | 
| 第3病期
 | 
慢性尿閉期
 | 
さらなる残尿(300ml以上)、膀胱の過伸展(排尿筋だけでは排尿できない)
 | 
奇異性尿失禁、腎機能低下による尿毒症症状
 | 
検査
[show details]
診断
- 参考1
 
- 病歴、理学的検査、尿検査、血清クレアチニン測定、PSA測定、尿流測定、残尿測定、排尿時における排尿筋圧、尿流率同時測定法、内視鏡検査、画像診断(超音波検査法、静脈性腎盂造影法、排尿時膀胱尿道造影法、逆行性尿道造影法など)などにより行う。
 
- 診断のステップ
 
- 1. 病歴、理学的検査(直腸診)、尿検査、血清クレアチニン測定、PSA測定 → 排尿障害の症状が前立腺肥大症によるものと考えられるか判断
 
- 2. 国際前立腺症状スコアの評価:(≦7点)経過観察。(≧8点)尿流測定、残尿測定、PFSを施行 → 尿道閉塞の程度を把握し治療
 
- 3. (治療する場合)QOLスコアを考慮して治療方法を選択。
 
- 4. (追加検査)内視鏡検査、画像診断法:ルーチン検査法ではない。外科的治療の準備や合併疾患の疑診例に対して実施する。
 
治療
- SURO.258 参考1 参考3
 
- 
- α1ブロッカー:プラゾシン(副:起立性低血圧)、タムスロシン(副:血圧を下げないが、射精障害がある)  ←  肥大した前立腺の圧迫の他に膀胱頚部、尿道、前立腺の平滑筋(α1受容体)の過剰収縮によっても排尿困難が起きているため、尿道内圧を下げ症状緩和しうる。
 
- 抗アンドロゲン薬:クロルマジノン、アリルエストレノール。前立腺の縮小作用。(副:性器脳障害、肝機能障害)
 
- 5α還元酵素阻害薬:前立腺の縮小作用。
 
- その他:漢方製剤(猪苓湯、八味地黄丸)、花粉製剤、アミノ酸製剤  ←  自覚症状の改善にとどまる
 
- 加熱療法:ハイパーサーミア(前立腺内加熱温度45℃以下)と高温度療法(前立腺内加熱温度45℃以上)がある。熱源はマイクロ波、RF波、レーザー波などがある。レーザー療法、温熱療法の長期成績は未確立。
 
 
- 出典不明
 
- 第1期:薬物療法:α遮断薬、抗アンドロゲン薬、漢方薬
 
- 第2期:手術療法:経尿道的前立腺切除術、前立腺被膜下摘出術
 
参考
- 1. 2001年 前立腺肥大症 ガイドライン
 
- 2. 日本Endourology・ESWL学会によるBPHガイドライン
 
- http://jsee.umin.ac.jp/images/guideline.pdf
 
- 3. [信頼度不明]前立腺肥大症の漢方治療【百花園漢方薬局】
 
- http://www.est.hi-ho.ne.jp/abes/hyakkaen21/tokusiyu26.htm
 
国試
  [★]
- 英
 
- metastatic lung cancer
 
- 同
 
- 転移性肺腫瘍 metastatic lung tumor ← 転移する癌は悪性なのでは?
 
転移性肺腫瘍の頻度(剖検例 SPU.334)
- 全悪性腫瘍の30-50%
 
- 乳癌:40-50%
 
- 肺癌:30-50%
 
- 肝癌:20-40%
 
- 大腸癌:30-40%
 
- 胃癌:20-40%
 
肺転移の頻度(内科診断学第2版 p.755)
肺転移する場所(内科診断学第2版 p.755)
  [★]
- 英
 
- prostate specific antigen, prostate-specific antigen, PSA, PA
 
- 関
 
- 前立腺、前立腺液、前立腺癌。PAP
 
概念
- LAB.639 OLM.377
 
- 前立腺上皮細胞から分泌されるキニン-カリクレインファミリーに属する分子量33~34kDaの糖蛋白で、セリンプロテアーゼの一種である。
 
- 精液中に含まれ、精子運動性の亢進および精漿の液状化に関与するといわれている。
 
- 一部血中に逸脱するため、血清PSAとして測定することができる。
 
- 血液中では10-20%がfree PSAとして存在するが、多くはα1-アンチキモトリプシン(ACT)と結合している。
 
- 前立腺癌では総PSAに対するACT-PSA複合体の割合が増加するため、前立腺肥大症との鑑別に有用かもしれない。
 
- 前立腺癌の診断や治療経過をみる腫瘍マーカーとして用いられているが、生理的、あるいは他の疾患でも上昇することがある。
 
- Tandem-Rキットでの基準値が臨床では良く用いられている、らしい。(ガイドラインにも記載があった気がした)
 
判定
- 正常:4ng/ml以下(IRMA法) (参考1)
 
- グレーゾーン:4-10 ng/ml
 
- 高値:10ng/ml
 
- LAB.640
 
- 加齢により増加するため、年齢階層別基準値が定められている。
 
高値
- LAB.639 OLM.377
 
- 前立腺癌:腫瘍量とPSAとは正の相関関係にある。
 
- 前立腺肥大症:PSA軽度上昇を示す。確定診断には前立腺生検が必要  ←  そこまでする???
 
- 尿路・前立腺の炎症:急性前立腺炎
 
- 機械的刺激:長時間のサイクリング、前立腺マッサージ、前立腺生検、尿道カテーテル留置、膀胱鏡検査、前立腺手術
 
- その他:急性尿閉、射精後
 
臨床的意義
注意
- フィナステリド服用例ではPSAの値に影響を与える可能性がある。
 
- 前立腺肥大症に対するステロイド系抗アンドロゲン薬服用例ではPSAに影響を与える可能性がある。
 
参考
- 1. 体外診断用放射性医薬品/タンデム-R free PSA
 
- http://www.yamasa.com/shindan/seihin/freePSA/freepsa.htm#rinsyou
 
  [★]
- 英
 
- leuprorelin
 
- 化
 
- 酢酸リュープロレリン leuprorelin acetate
 
- 商
 
- リュープリン
 
- 関
 
- その他のホルモン剤
 
概念
作用機序
- リュープロレリンの投与により、急性作用として下垂体-性腺系刺激作用を生じ、下垂体で性腺刺激ホルモンの産生が高まる。
 
- リュープロレリンが持続的に作用することで、下垂体における性腺刺激ホルモンの産生・放出が低下する。さらに、精巣や卵巣における性腺刺激ホルモンに対する反応性が低下し、テストステロン及びエストラジオール産生能が低下する(慢性作用)。
 
薬理作用
適応
- 前立癌:血清テストステロン濃度の抑制
 
- 子宮内膜症、閉経前乳癌、中枢思春期早発症
 
用法用量
- リュープリン注射用1.88/リュープリン注射用3.75
 
子宮内膜症
- (成人)リュープロレリン酢酸塩3.75mg皮下注。4週毎。 (体重50kg未満)リュープロレリン酢酸塩1.88mg皮下注。4週毎。なお、初回投与は月経周期1~5日目に行う。
 
子宮筋腫
- (成人)リュープロレリン酢酸塩1.88mg皮下注。4週毎。 (体重が重い、子宮高度腫大)リュープロレリン酢酸塩3.75mg皮下注。4週毎。 なお、初回投与は月経周期1~5日目に行う。
 
- (成人)リュープロレリン酢酸塩3.75mg皮下注。4週毎。
 
- リュープロレリン酢酸塩30μg/kg皮下注。4週毎。180μg/kgまで増量可
 
- リュープリンSR
 
前立腺癌、閉経前乳癌
- リュープロレリン酢酸塩11.25mg皮下注。12週毎。
 
注意
禁忌
  [★]
- 英
 
- urinary retention, ischuria, urodialysis
 
- ラ
 
- retentio urinae
 
- 関
 
- 尿貯留
 
定義
- 膀胱まで移送された尿が尿道より排泄できない状態 ⇔無尿
 
原因
- SURO.39
 
- 前立腺肥大を有する患者が飲酒した場合や抗コリン薬の服用による事が多い
 
症状
- SURO.39
 
- 急性尿閉:苦痛有。強い尿意、恥骨上部の疼痛、強度の不安感、冷や汗
 
- 慢性尿閉:苦痛は少ない。溢流性失禁、両側水腎症
 
検査
- SURO.111
 
臨床関連
- 中枢神経(上位ニューロン)障害の急性期には脊髄ショックにより排尿中枢が機能しなくなり尿閉に陥るらしい。
 
  [★]
- 英
 
- familial prostate cancer, familial prostate carcinoma, familial prostatic cancer
 
- 関
 
- 前立腺癌
 
  [★]
- 英
 
- histological typing of prostatic cancers
 
- 関
 
- グリーソンの腫瘍分類、前立腺癌
 
  [★]
- 英
 
- prostate cancer cell line
 
- 関
 
- 前立腺がん細胞株
 
  [★]
- 英
 
- hormone-refractory prostate cancer
 
  [★]
- 英
 
- human prostate cancer cell line
 
  [★]
- 英
 
- cancer
 
- 関
 
- 悪性腫瘍
 
種類
- 癌腫(carcinoma):上皮性
 
- 肉腫(sarcoma):間葉系
 
- carcinoma:腺癌(adenocarcinma)、扁平上皮癌(squamous cell carcinoma)、移行上皮癌(transitional cell carcinoma)
 
- sarcoma:骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫
 
| Neoplasm
 | 
Causes
 | 
Effect
 | 
| Small cell lung carcinoma
 | 
ACTH or ACTH-like peptide
 | 
Cushing’s syndrome
 | 
| Small cell lung carcinoma and intracranial neoplasms
 | 
ADH
 | 
SIADH
 | 
| Squamous cell lung carcinoma, renal cell carcinoma, breast carcinoma, multiple myeloma, and bone metastasis (lysed bone)
 | 
PTH-related peptide, TGF-β, TNF-α, IL-1
 | 
Hypercalcemia
 | 
| Renal cell carcinoma, hemangioblastoma
 | 
Erythropoietin
 | 
Polycythemia
 | 
| Thymoma, small cell lung carcinoma
 | 
Antibodies against presynaptic Ca2+ channels at neuromuscular junction
 | 
Lambert-Eaton syndrome (muscle weakness)
 | 
| Leukemias and lymphomas
 | 
Hyperuricemia due to excess nucleic acid turnover (i.e., cytotoxic therapy)
 | 
Gout, urate nephropathy
 | 
- http://ganjoho.ncc.go.jp/public/statistics/pub/statistics01.html
 
| ●2005年の死亡数が多い部位は順に
 | 
|  
 | 
1位
 | 
2位
 | 
3位
 | 
4位
 | 
5位
 | 
 
 | 
| 男性
 | 
肺
 | 
胃
 | 
肝臓
 | 
結腸
 | 
膵臓
 | 
結腸と直腸を合わせた大腸は4位
 | 
| 女性
 | 
胃
 | 
肺
 | 
結腸
 | 
肝臓
 | 
乳房
 | 
結腸と直腸を合わせた大腸は1位
 | 
| 男女計
 | 
肺
 | 
胃
 | 
肝臓
 | 
結腸
 | 
膵臓
 | 
結腸と直腸を合わせた大腸は3位
 | 
|  
 | 
| ●2001年の罹患数が多い部位は順に
 | 
|  
 | 
1位
 | 
2位
 | 
3位
 | 
4位
 | 
5位
 | 
 
 | 
| 男性
 | 
胃
 | 
肺
 | 
結腸
 | 
肝臓
 | 
前立腺
 | 
結腸と直腸を合わせた大腸は2位
 | 
| 女性
 | 
乳房*1
 | 
胃
 | 
結腸
 | 
子宮*1
 | 
肺
 | 
結腸と直腸を合わせた大腸は1位
 | 
| 男女計
 | 
胃
 | 
肺
 | 
結腸
 | 
乳房*1
 | 
肝臓
 | 
結腸と直腸を合わせた大腸は2位
 | 
| *1上皮内がんを含む。
 | 
癌の素因となる遺伝子
- HIM.494
 
| Table 79-1 Cancer Predisposition Syndromes and Associated Genes
 | 
| Syndrome
 | 
Gene
 | 
Chromosome
 | 
Inheritance
 | 
Tumors
 | 
| ataxia telangiectasia
 | 
ATM 
 | 
11q22-q23
 | 
AR
 | 
breast cancer
 | 
| autoimmune lymphoproliferative syndrome
 | 
FAS
 | 
10q24
 | 
AD
 | 
lymphomas
 | 
| FASL
 | 
1q23
 | 
 
 | 
| Bloom syndrome
 | 
BLM 
 | 
15q26.1
 | 
AR
 | 
cancer of all types
 | 
| Cowden syndrome
 | 
PTEN 
 | 
10q23
 | 
AD
 | 
breast, thyroid
 | 
| familial adenomatous polyposis
 | 
APC 
 | 
5q21
 | 
AD
 | 
intestinal adenoma, colorectal cancer
 | 
| familial melanoma
 | 
p16INK4
 | 
9p21
 | 
AD
 | 
melanoma, pancreatic cancer
 | 
| familial Wilms tumor
 | 
WT1 
 | 
11p13
 | 
AD
 | 
pediatric kidney cancer
 | 
| hereditary breast/ovarian cancer
 | 
BRCA1
 | 
17q21
 | 
AD
 | 
breast, ovarian, colon, prostate
 | 
| BRCA2
 | 
13q12.3
 | 
 
 | 
| hereditary diffuse gastric cancer
 | 
CDH1
 | 
16q22
 | 
AD
 | 
stomach cancers
 | 
| hereditary multiple exostoses
 | 
EXT1
 | 
8q24
 | 
AD
 | 
exostoses, chondrosarcoma
 | 
| EXT2
 | 
11p11-12
 | 
 
 | 
| hereditary prostate cancer
 | 
HPC1
 | 
1q24-25
 | 
AD
 | 
prostate carcinoma
 | 
| hereditary retinoblastoma
 | 
RB1
 | 
13q14.2
 | 
AD
 | 
retinoblastoma, osteosarcoma
 | 
| hereditary nonpolyposis colon cancer (HNPCC)
 | 
MSH2
 | 
2p16
 | 
AD
 | 
colon, endometrial, ovarian, stomach, small bowel, ureter carcinoma
 | 
| MLH1
 | 
3p21.3
 | 
 
 | 
| MSH6
 | 
2p16
 | 
 
 | 
| PMS2
 | 
7p22
 | 
 
 | 
| hereditary papillary renal carcinoma
 | 
MET 
 | 
7q31
 | 
AD
 | 
papillary renal tumor
 | 
| juvenile polyposis
 | 
SMAD4
 | 
18q21
 | 
AD
 | 
gastrointestinal, pancreatic cancers
 | 
| Li-Fraumeni
 | 
TP53
 | 
17p13.1
 | 
AD
 | 
sarcoma, breast cancer
 | 
| multiple endocrine neoplasia type 1
 | 
MEN1 
 | 
11q13
 | 
AD
 | 
parathyroid, endocrine, pancreas, and pituitary
 | 
| multiple endocrine neoplasia type 2a
 | 
RET 
 | 
10q11.2
 | 
AD
 | 
medullary thyroid carcinoma, pheochromocytoma
 | 
| neurofibromatosis type 1
 | 
NF1 
 | 
17q11.2
 | 
AD
 | 
neurofibroma, neurofibrosarcoma, brain tumor
 | 
| neurofibromatosis type 2
 | 
NF2 
 | 
22q12.2
 | 
AD
 | 
vestibular schwannoma, meningioma, spine
 | 
| nevoid basal cell carcinoma syndrome (Gorlin's syndrome)
 | 
PTCH
 | 
9q22.3
 | 
AD
 | 
basal cell carcinoma, medulloblastoma, jaw cysts
 | 
| tuberous sclerosis
 | 
TSC1
 | 
9q34
 | 
AD
 | 
angiofibroma, renal angiomyolipoma
 | 
| TSC2
 | 
16p13.3
 | 
 
 | 
| von Hippel–Lindau
 | 
VHL 
 | 
3p25-26
 | 
AD
 | 
kidney, cerebellum, pheochromocytoma
 | 
- 癌遺伝子、癌抑制遺伝子
 
癌の危険因子
- 生活習慣病#生活習慣病などのリスクファクターを改変
 
  [★]
- 英
 
- prostate (KL,KH,N,Z), prostate gland
 
- ラ
 
- prostata
 
- 同
 
- 前位腺、摂護腺
 
解剖
- くるみ大の大きさ。体積は5ml(??)程度が普通で、大きい場合、前立腺肥大症や前立腺癌などが考えられる
 
- 膀胱の直下にある栗の実に似た固い器官
 
- 内腺と外腺からなる。現在では、central zone CZ,transitional zone TZ,peripheral zone PZという分け方が一般的。
 
組織
- 円柱上皮と立方上皮が2相構造を呈している → 多列円柱上皮? : 前立腺肥大症ではこの構造が保たれ、前立腺癌ではこの構造が乱れる。
 
- 30-50個からなる複合管状胞状腺の集合体からなる。(HIS.427)
 
- 管状胞状腺の内腔に前立腺石(アミロイド小体)を認める。(HIS.428)
 
機能 (KL.446)
- 特有の臭気を有する乳白色の液で、クエン酸や、デヒドロゲナーゼ、亜鉛を含み、精液の15-30%を構成する。
 
- 分泌はジヒドロテストステロンに制御されている(HIS.428)
 
発生学的な関係 (KH.258,264 N.362,368)
臨床関連
- inner, periurethral glandsに見られる。肥大はinner region(central and transitional region)で著明
 
- outer region(peripheral) glandsで起こる → 尿路の閉塞は初期に出づらい。
 
参考
- http://img4.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/2d/5d/zr750soyokaze/folder/1188086/img_1188086_27786171_0?1242055767
 
  [★]
- 英
 
- adenocarcinoma, glandular carcinoma
 
- 関
 
- 扁平上皮癌、腫瘍