- 65歳の男性。健康診断で赤血球増加を指摘され来院した。3年前に下肢深部静脈血栓症の既往がある。意識は清明。顔面と口腔粘膜が紅潮している。心音と呼吸音とに異常を認めない。肝を右肋骨弓下に1cm触知し、脾を左肋骨弓下に4cm触知する。脈拍 88/分、整。血圧 170/100mmHg。血液所見:赤血球 760万、Hb 20.1g/dL、Ht 54%、白血球 7,100(骨髄球 1%、後骨髄球 1%、桿状核好中球 2%、分葉核好中球 69%、好酸球 1%、単球 9%、リンパ球 17%)、血小板 39万。エリスロポエチン 3mIU/mL(基準 8~36)。骨髄生検で赤芽球、顆粒球および巨核球の3血球系統の過形成を認める。骨髄細胞染色体分析で異常を認めない。JAK2遺伝子変異を認める。
- 対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
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★リンクテーブル★
[★]
- 72歳の男性。乾性咳嗽、発熱および労作時呼吸困難を主訴に来院した。1か月前に左肺下葉の原発性肺腺癌に対し抗癌化学療法が開始されていた。治療開始後 30日目の昨日、乾性咳嗽、37.5℃の発熱および労作時呼吸困難を認め、本日には乾性咳嗽の増悪と安静時の呼吸困難とを自覚するようになったため受診した。意識は清明。皮膚は湿潤している。下腿に浮腫を認めない。脈拍 112/分、整。血圧 152/102mmHg。呼吸数 22/分。SpO2 90%(room air)。血液所見:赤血球 380 万、Hb 11.9g/dL、Ht 36%、白血球 8,600(分葉核好中球 68%、好酸球 5%、単球 5%、リンパ球 22%)、血小板 28万。血液生化学所見:総蛋白 7.2g/dL、アルブミン 4.2g/dL、AST 48IU/L、ALT 52IU/L、LD 752IU/L(基準 176~353)、尿素窒素 22mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL、Na 144mEq/L、K 4.6mEq/L、Cl108mEq/L、Ca 8.0mg/dL。免疫血清学所見:CRP 4.8mg/dL、β-Dグルカン 10pg/mL未満(基準 10未満)、サイトメガロウイルス抗原陰性。喀痰を認めないため喀痰培養は実施できなかった。血液培養は陰性。抗癌化学療法開始前の肺野条件の胸部CT(別冊No. 26A)と今回来院時の肺野条件の胸部CT(別冊No. 26B)とを別に示す。酸素投与を開始した。
- 対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [110D056]←[国試_110]→[110D058]
[★]
- 33歳の男性。増殖前糖尿病網膜症の治療を目的とし紹介されて来院した。10年前から健康診断で尿糖陽性を指摘されていたが自覚症状がないためそのままにしていた。最近、視力低下を自覚したため自宅近くの眼科を受診した。増殖前糖尿病網膜症と診断され、紹介されて受診した。父親が糖尿病で治療中である。身長 172cm、体重 64kg。脈拍 88/分、整。血圧 176/92mmHg。尿所見:蛋白4+、糖3+。血液生化学所見:総蛋白 6.5g/dL、アルブミン 3.8g/dL、クレアチニン 1.8mg/dL、空腹時血糖 176mg/dL、HbA1c 8.5%(基準 4.6~6.2)。
- 眼科的治療を開始するとともに行うべきなのはどれか。2つ選べ。
- a 積極的な運動療法を勧める。
- b ビグアナイド薬を投与する。
- c 塩分の摂取制限を指導する。
- d 蛋白質の積極的な摂取を勧める。
- e 少量のインスリンの分割投与を開始する。
[正答]
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[★]