出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/07/16 11:49:08」(JST)
IUPAC命名法による物質名 | |
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3-(10,11-dihydro-5H-dibenzo''a'',''d'' cycloheptene-5-ylidene)-N, N-dimethyl-1-propanamine | |
臨床データ | |
胎児危険度分類 | D(US) |
法的規制 | Unscheduled (AU) POM (UK) |
投与方法 | 経口 |
薬物動態的データ | |
生物学的利用能 | 30–60%(初回通過代謝による) |
血漿タンパク結合 | > 90% |
代謝 | 肝臓 CYP2C19, CYP1A2, CYP2D6 |
半減期 | 10–50時間、平均15時間 |
排泄 | 腎臓 |
識別 | |
CAS登録番号 | 50-48-6 |
ATCコード | N06AA09 |
PubChem | CID 2160 |
DrugBank | APRD00227 |
ChemSpider | 2075 |
KEGG | D07448 |
化学的データ | |
化学式 | C20H23N |
分子量 | 277.403 g/mol |
SMILES
|
アミトリプチリン(Amitriptyline)は、抗うつ薬、睡眠導入剤として用いられる有機化合物の一種。分子式は C20H23N。水、エタノール、酢酸に溶けやすくジエチルエーテルに溶けにくい。苦く麻痺性がある。
脳内においてノルエピネフリン及びセロトニンの再取り込みを抑制し、シナプス領域のモノアミンが増量することにより、抗うつ作用を示す。
三環系抗うつ薬の一種で、アミトリプチリン塩酸塩は、日医工よりトリプタノール®、山之内製薬(現在は、藤沢薬品工業を吸収合併したためアステラス製薬に改称)からラントロン®、沢井製薬からノーマルン®という商品名で発売されている。うつ病・うつ状態、不眠症、夜尿症の治療薬に使用される。適応症ではないが線維筋痛症にも用いられることがある。
トリプタノールについては後発医薬品が発売されているが、ラントロンおよびノーマルンについては、トリプタノールとは一部成分が異なることから、先発薬扱いとされており、この2社(アステラスのラントロン、沢井のノーマルン)に関する後発薬は特許期限が到達していないことから発売されていない。
抗コリン作用が強く、口渇・便秘・めまい・眠気・排尿障害などの三環系抗うつ薬にありがちな副作用が強く現れやすい。
ただ、効果も高いとされているので、他の抗うつ薬で思わしい効果が出ない場合に処方されやすい。
獣医学領域ではイヌの分離不安症の治療に使用される。
アミトリプチリンは、うつ病・不安障害・注意欠陥多動性障害・偏頭痛の予防・摂食障害・双極性障害・ポスト神経痛・不眠症などに用いられる。[1] アミトリプチリンの断薬は徐々に行う必要があり、それは全体で3ヶ月を超えてはいけない。(It should be gradually withdrawn at the end of the course, which overall should be of no more than three months)[2]
ランダム化比較試験において、有痛性糖尿病性神経障害に対し、アミトリプチリン、デュロキセチンおよびプレガバリンの三者は同等の効果がみられた。[3]
うつ病 および うつ状態に対する一般臨床試験では、有効率60. 9%(357/586例)を示した。
夜尿症に対する一般臨床試験では、有効率75. 0%(379/505例)を示した [4]。
抗うつ作用に関する詳細な作用機序は明らかにされていないが、脳内におけるノルアドレナリンおよびセロトニン再取り込みを抑制する結果、シナプス領域にこれらモノアミン量が増量することにより、抗うつ作用を示すと考えられている。
アミトリプチリンは、ラット脳においてノルアドレナリンの再取り込み、およびマウス脳切片でのセロトニンの再取り込みを抑制することが確認されている。
また、レセルピン及びテトラベナジンに対する拮抗作用があり、アミトリプチリンはマウスにおいて、レセルピンによる体温降下、およびテトラベナジンによる鎮静作用を抑制する。
加えて、麻酔イヌにおけるノルアドレナリンの昇圧反応を、アミトリプチリンは増強する[4]。
うつ病・うつ状態の場合、通常、アミトリプチリン塩酸塩として成人に1日30~75mgを初期用量として、最大1日150mgまで漸増し、分割経口投与する。まれに300mgまで増量することもある。
不眠症、夜尿症の場合、アミトリプチリン塩酸塩として1日10~30mgを就寝前に経口投与する。なお年齢や症状により適宜減量する。
先発薬3種のうち、トリプタノールについては次の後発医薬品が発売されている。
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ノーマルン錠10mg
国試過去問 | 「097G070」 |
リンク元 | 「抗うつ薬」「バソプレシン」「抗利尿ホルモン不適合分泌症候群」「WHO方式癌疼痛治療」「進行性核上性麻痺」 |
関連記事 | 「リン」「トリ」 |
D
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不眠、焦燥 | 鎮静 | 低血圧 | 抗コリン作用 | 消化管症状(嘔吐等) | 性機能低下 | 体重増加 | ||
三環系 | アミトリプチリン | ± | 2+ | 2+ | 3+ | ± | + | 2+ |
三環系 | ドスレピン | ± | 2+ | 2+ | 2+ | ± | + | 2+ |
三環系 | イミプラミン | 2+ | + | 2+ | 2+ | ± | + | 2+ |
SSRI | フルオキセチン | 2+ | ± | ± | + | 2+ | 2+ | + |
SSRI | パロキセチン | 2+ | ± | ± | ± | 2+ | 2+ | + |
SSRI | セルトラリン | 2+ | ± | ± | ± | 2+ | 2+ | + |
SSRI | フルボキサミン | 2+ | + | ± | ± | 2+ | 2+ | + |
SSRI | シタロプラム | 2+ | ± | ± | ± | 2+ | 2+ | + |
SSRI | エスシタロプラム | 2+ | ± | ± | ± | 2+ | 2+ | + |
SNRI | デシプラミン | + | ± | 2+ | + | ± | + | + |
SNRI | ノルトリプチリン | + | + | + | + | ± | + | + |
SNRI | マプロチリン | + | ± | + | + | ± | + | 2+ |
SNRI | ベンラファキシン | 2+ | ± | ± | ± | 2+ | 2+ | ± |
SNRI | デュロキセチン | ± | + | ± | + | + | ± | ± |
NDRI | ブプロピオン | 2+ | ± | ± | + | + | ± | ± |
MAOI | フェネルジン | 2+ | + | 2+ | + | + | 2+ | + |
MAOI | トラニルシプロミン | 2+ | + | 2+ | + | + | 2+ | + |
MAOI | イソカルボキサジド | 2+ | ± | 2+ | + | + | 2+ | 2+ |
MAOI | セレギリン | + | ± | + | + | + | + | + |
NaSSA | ミルタザピン | ± | 3+ | + | ± | ± | ± | 3+ |
非定型 | ネファゾドン | ± | 2+ | + | + | + | ± | + |
非定型 | トラゾドン | ± | 3+ | + | ± | + | 2+ | + |
抗利尿ホルモン : 約 57,000 件 バソプレシン : 約 19,000 件 バゾプレシン : 約 9,010 件 バソプレッシン : 約 7,590 件 バゾプレッシン : 約 4,160 件
en
arginine vasopressin : 約 7,090 件 vasopressin : 約 9,170 件 antidiuretic hormone : 約 7,410 件
抗利尿作用 | 集合管上皮細胞 | V2R |
血管平滑筋収縮(昇圧作用) | 血管内皮 | V1R |
分泌促進 | 分泌抑制 | |
血漿浸透圧・循環血液量 | 出血→血圧低下、循環血液量減少 | 水負荷→血漿浸透圧低下、循環血液量増加 |
水制限→循環血液量減少、血漿浸透圧上昇 | 等張液負荷→循環血液量増加 | |
高張食塩水負荷→血漿浸透圧上昇 | ||
薬物 | プロスタグランジンE2 | フェニトイン |
モルフィン | アルコール | |
ニコチン | 心房性Na利尿ペプチド | |
β受容体作動薬 | α受容体作動薬 | |
アンジオテンシンII | ||
麻酔薬 | ||
低酸素症 | ||
高炭酸ガス血症 | ||
ビンクリスチン | ||
シクロホスファミド | ||
クロフィブレート | ||
カルバマゼピン | ||
バルビツール酸系薬 | ||
アセチルコリン | ||
ヒスタミン | ||
メトクロプラミド | ||
環境など | 立位・失神、疼痛、陽圧呼吸、遠心力 | 寒冷、陰圧呼吸、水中、臥位 |
薬剤群 | 代表薬 | 代替薬 |
非オピオイド鎮痛薬 | アスピリン | コリン・マグネシウム・トリサルチレート) |
アセトアミノフェン | ジフルニサルa) | |
イブプロフェン | ナプロキセン | |
インドメタシン | ジクロフェナク | |
フルルビプロフェン※1 | ||
弱オピオイド (軽度から中等度の強さの痛みに用いる) |
コデイン | デキストロプロポキシフェンa) |
ジヒドロコデイン | ||
アヘン末 | ||
トラマドールb) | ||
強オピオイド (中等度から高度の強さの痛みに用いる) |
モルヒネ | メサドンa) |
ヒドロモルフォンa) | ||
オキシコドン | ||
レボルファノールa) | ||
ペチジンc) | ||
ブプレノルフィンa) | ||
フェンタニル※2 |
<youtube>https://www.youtube.com/watch?v=BPt3pTzbcXc</youtube>
近位尿細管 | 70% |
遠位尿細管 | 20% |
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