- 英
- systemic inflammatory response syndrome, SIRS
- 関
- 敗血症、菌血症
概念
症状
診断基準
- バイタルサインのうち「体温(炎症の程度を表現)とrateを表すHRとRRが含まれる」と覚えておくか。
- 1. 体温>38℃ or 体温<36℃
- 2. 心拍数>90bpm
- 3. 呼吸数>20回/min or PaCO2<32mmHg
- 4. (白血球数>12,000/ul or 白血球数<4,000/ul) or ( 幼若好中球>10% ) ←
ここでいう幼若好中球とは桿状好中球のことである。(出典不明)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/12/01 19:09:57」(JST)
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全身性炎症反応症候群 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-9 |
995.90 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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全身性炎症反応症候群(英: systemic inflammatory response syndrome、SIRS)は、各種の侵襲によって誘引された全身性の急性炎症反応による症候。致命的な多臓器不全状態の前段階として、非常に重要な概念である。
概要
感染症と
全身性炎症反応症候群(SIRS)と敗血症の関係
SIRSは、従来の敗血症の概念を整理するなかで、1992年、ACCPおよびSCCMによって提唱されたものである。ACCPとSCCMの合同カンファレンスにおいて、敗血症と同様の病態は、細菌感染以外の様々な侵襲によっても発生していることが指摘され、この病態を指してSIRSという言葉が使われた。
SIRSの本質は、侵襲に対応して免疫細胞が血中に放出した大量の炎症性サイトカインによる全身性の急性炎症反応である。SIRSを誘発しうる侵襲としては、細菌感染のほかに、外傷や手術、出血性ショック、熱傷、膵炎などがある。
SIRSは、Secondary MOFに発展しうるという点で、非常に重要である。多臓器不全(MOF)は往々にして致命的な転帰をたどることから、SIRSの段階で集中治療を行ない、多臓器不全状態への発展を阻止することが求められる。
なお、SIRSが炎症性サイトカインによって惹起されるのに対し、抗炎症性サイトカインによって免疫不全状態が惹起される代償性抗炎症性反応症候群(CARS)という概念も登場している。生体内においては、SIRSとCARSが混合した、MARSと呼ばれる状態であることが多い。
診断
下記の4項目のうち2項目を満たした場合、SIRSと診断される。
|
成人 |
小児 |
体温の変動 |
体温:38度以上、ないし36度以下 |
深部温:38.5度以上、ないし36度以下 |
脈拍数の増加 |
90回/分以上 |
年齢相当正常値の+2SD(標準偏差)を超える頻脈(外的刺激などがない状態)、またはほかに説明のつかない30分~4時間以上持続する頻脈。 |
呼吸数の増加 |
呼吸数増加(20回/分以上)またはPaCO2が32 Torr以下 |
呼吸数増加(年齢相当正常値の+2SD以上)、または人工呼吸を必要とする状態 |
白血球数 |
12,000/μl以上、ないし4,000/μl 以下。あるいは未熟顆粒球が10%以上。 |
年齢相当平均よりの増加または減少。あるいは未熟顆粒球が10%以上。 |
また、可能であれば血清中の炎症性サイトカイン(TNF-α、インターロイキン-1β、インターロイキン-6など)の上昇を証明することが望ましいほか、炎症反応の指標(CRP)や、インターフェロン放出の指標(ネオプテリン、β2-ミクログロブリン)なども有用である。
治療
治療の基本は、原疾患、組織障害に対する治療、および高サイトカイン血症を抑制することである。
- 原疾患に対する治療
- 頻度の高いものは敗血症、熱傷および膵炎である。
- 組織障害に対する治療
- 播種性血管内凝固症候群に対する治療が最重要である。
- 高サイトカイン血症に対する治療
- ステロイド系抗炎症薬(必要に応じてパルス療法)、プロテアーゼ阻害剤(インジナビルなど)、抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体、持続的血液透析濾過療法(CHDF)などがあるが、いずれも現時点で確証は得られていない。また、炎症指標が低下しない場合、活性化T細胞抑制のためにシクロスポリンの持続点滴静脈注射が行なわれる場合もある。
参考文献
- 小濱啓次 『救急マニュアル 第3版』 医学書院、2005年。ISBN 978-4-260-00040-6。
- 大関武彦, 古川漸, 横田俊一郎 『今日の小児治療指針 第14版』 医学書院、2006年。ISBN 978-4-260-00090-1。
- 亀山正邦, 高久史麿 『今日の診断指針 第5版』 医学書院、2002年。ISBN 978-4-260-10267-4。
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Japanese Journal
- P-16 歯性感染症により全身性炎症反応症候群をきたした一例(ポスター5,第37回福岡歯科大学学会総会抄録)
- 府川 晃久,岡本 愛彦,太田 信敬,中山 敬介,泉 喜和子,大星 博明,池邉 哲郎,大関 悟
- 福岡歯科大学学会雑誌 37(1), 37, 2011-03-31
- NAID 110008661996
- 今、話題の疾病と栄養管理のすすめかた(12)感染症患者の栄養管理
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★リンクテーブル★
[★]
- 53歳の男性。朝食直後に上腹部の激痛が突然出現したため救急車で搬入された。1週前から右上腹部不快感が空腹時に出現し、食事によって軽減していた。体温38.5℃。脈拍104/分、整。血圧110/60mmHg。腸雑音は消失し、腹部全体が板状硬化を呈していた。血液所見:赤血球520万、Hb15.1g/dl、白血球14,300、血小板46万。胸部エックス線写真を以下に示す。この患者の処置で最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100D016]←[国試_100]→[100D018]
[★]
- 英
- sepsis, (昔の概念→)septicemia
- 関
定義
- 感染症による全身性炎症反応症候群(SIRS)をセプシス(sepsis, 広義の敗血症?)とする
- 感染症の病原体は、一般細菌(グラム陽性菌・陰性菌)、真菌、寄生虫、ウイルスなど
- 皮膚や粘膜の傷とか、種々の臓器にある感染巣から、細菌がリンパ流から血中に入り、全身に播種されて、新たに転移性の感染巣をつくり、重篤な全身症状を引き起こす。
全身性炎症反応症候群の診断基準
- 1. 体温>38℃ or 体温<36℃
- 2. 心拍数>90bpm
- 3. 呼吸数>20回/min or PaCO2<32mmHg
- 4. (白血球数>12,000/ul or 白血球数<4,000/ul) or ( 幼若好中球>10% ) ← ここでいう幼若好中球とは桿状好中球のことである。
敗血症の周辺疾患概念
- 発熱や白血球増加などの全身の炎症の徴候によって特徴づけられる病態(SIRSの診断基準に合致する病態)
病態生理
- LPSが血液凝固を促進→血小板、フィブリノゲン、凝固因子消費 → 血栓形成 → プラスミノゲンを消費して血栓溶解 (FDP産生) →
- →出血傾向 → 皮下出血、歯肉出血、顕微鏡的血尿(出血性敗血症)
原因となる病原体
症状
- 悪寒、戦慄を伴う発熱、頻脈、頻呼吸、全身倦怠感、呼吸困難、意識障害、ショック、乏尿
- 敗血症による多臓器不全で障害を受けやすい臓器:肺、腎臓、心血管系、中枢神経系
検査
血液検査
- 白血球:12,000/ul以上のことが多い(SIRSの定義)
- 左方移動、重症例では白血球減少
- 血小板数:血管内凝固に伴い低下
- CRP:基準値以上
- 凝固系・線溶系:凝固能低下、線溶系亢進
培養
- 血液培養
- カテーテルの先端(留置カテーテルがある場合)
治療 (ICU.644)
酸素投与
敗血症における組織の酸素化
- 敗血症では細胞の酸素摂取能が損なわれている → 重症敗血症患者の組織酸素濃度がなぜ健常者よりも高くなる (ICU.645)
- 重症敗血症や敗血症性ショックにおいては
敗血症における酸素摂取量(ICU.645)
初期蘇生
- 重症敗血症や敗血症性ショックの患者に対する最初の6時間の管理目標
- 1.中心静脈庄8-12mmHg
- 2.平均動脈庄≧65mmHg
- 3.尿量≧0.5 mL/kg/h
- 4.SVO2≧70% or SCVO2≧70%
- SVO2:混合静脈血酸素飽和度、肺動脈血酸素飽和度
- SCVO2:中心静脈血酸素飽和度、上大静脈血酸素飽和度
輸液負荷
- 1. 500-1,000mLの晶質液 or 300-500mLの膠質液を30分かけて投与
- 2. 初期蘇生の目標値に達するまで、または輸液過多寸前になるまで1)を行う。
昇圧薬(ICU.646)
- 1. 輸液負荷を行っても低血圧が持続する場合、ドパミン or ノルアドレナリンを投与
- ドパミン:5-20 ug/kg/min:心拍出量増加:腹腔内蔵機の血流減少
- ノルアドレナリン:0.2-1.3 ug/kg/min:心拍出量不変、血管収縮
- パソプレシン:0.01-0.04 U/min:血管収縮薬:心拍出量減少→心不全の既往で慎重
経験的抗菌薬治療(ICU.646)
- 重症敗血症や敗血症性ショックと診断したら1時間以内に抗菌薬を静脈内投与する
- 抗菌薬投与前に少なくとも2セットの血液検体を採取 → 血液培養&感受性検査のため
- イミペネム/メロペネムの単剤
- MRSAのリスクリスク有り:イミペネム/メロペネム + バンコマイシン/リネゾリド
コルチコステロイド(ICU.646)
- 昇庄薬を必要とするすべての敗血症性ショック患者に推奨
- ヒドロコルチゾン:200-300mg用を2-3回に分割して静脈内投与もしくは経口投与、7日間継続
- 副腎不全の改善
[★]
- 関
- 薬理学、膵炎、急性膵炎、慢性膵炎
急性膵炎
- 種々の原因による膵臓から分泌される酵素により、膵臓自体が自己融解
- 膵トリプシン↑→phospholipase A2↑、esterase↑→浮腫、出血、壊死
- →進行すると多臓器へも波及、SIRS(全身性炎症反応症候群)、播種性血管内凝固(DIC)、多臓器不全(multiple organ failure, MOF)をきたす。
- 急性膵炎の治療としては、膵外分泌の抑制、鎮痛、酵素抑制が必要となる (SPC.313)
-
- ヒスタミンH2受容体遮断薬、抗コリン薬(ブスコパン)
- 十二指腸pH4.5↓→セクレチン分泌↑→膵液分泌↑ ←これを抑制するため
[★]
- 英
- plasminogen activator inhibitor 1
- 関
- プラスミノゲンアクティベーター・インヒビター1, プラスミノゲン活性化因子インヒビター1、 プラスミノーゲン活性化因子阻害物質1
- PAI-1はPAと急速に結合し複合体を形成してPAを阻止する。
- 血中濃度が高値
-
- 血管内皮細胞障害 → PAI-1放出
[★]
全身性炎症反応症候群 systemic inflammatory response syndrome
[★]
- 英
- sepsis syndrome
- 関
- 全身性炎症反応症候群
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 英
- inflammation
- 同
- 炎症反応 inflammatory reaction
- 関
- 急性炎症による有害な刺激物が除去され組織が修復されるが、障害が続けば慢性炎症となる。
主徴 (BPT.32)
原因
- ウイルス、リケッチア、細菌、真菌、原虫、寄生虫
- 日光、放射線物質、電気的刺激、摩擦
- 酸・アルカリ
- 壊死物
- 異物
- 免疫学的な刺激(アレルギー、自己免疫疾患)
分類
- 比較的短期間で終了し滲出と好中球浸潤が主体
- 長時間持続し、組織増殖とリンパ球・組織球浸潤が主体
|
急性炎症
|
慢性炎症
|
概要
|
滲出性病変が主体
|
増殖性変化が主体
|
経過
|
急性・一過性
|
遷延性・潜行性
|
血管
|
血管透過性亢進
|
血管新生
|
間質組織
|
充血・浮腫
|
線維芽細胞・血管・間質結合組織の増生
|
浸潤細胞
|
好中球→マクロファージ→リンパ球
|
急性炎症 (BPT.33)
- vasolilation
- increased vascular permeability
- cellular recruitment and activation
慢性炎症
[★]
- 英
- whole body、total body、systemic、general、whole-body
- 関
- 一般、全身性、全身的、通常、一般的、普遍的、浸透移行性、全般
[★]
- 英
- systemic、generalized、systemically
- 関
- 全身、全身的、汎化、全般的、浸透移行性、全般性
[★]
- 英
- (生物)response、(化学)reaction、respond、react、responsive
- 関
- 応答、応答性、反応性、返答