- 英
- erosion
- 同
- 糜爛、侵蝕像、エロジオン
- 関
- 潰瘍
[show details]
びらん : 約 214,000 件
糜爛 : 約 36,600 件
- 粘膜の損傷が粘膜の上層部に限局する場合。粘膜筋板より浅層。
- 皮膚や粘膜における上皮やその下層の結合組織の局所的な組織欠損。
- 粘膜の場合は、粘膜筋板までの組織欠損
WordNet
- (geology) the mechanical process of wearing or grinding something down (as by particles washing over it) (同)eroding, eating away, wearing, wearing away
- a gradual decline of something; "after the accounting scandal there was an erosion of confidence in the auditors"
- condition in which the earths surface is worn away by the action of water and wind
PrepTutorEJDIC
- (酸などによる)腐食;(風・水・波・氷河などによる)浸食[作用]
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/11/23 03:21:55」(JST)
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皮膚科学領域における糜爛(びらん、英: erosion)とは表皮の不完全な欠損による皮膚の連続性が失われた状態[1]。糜爛は湿性かつ限局性であり、通常は陥凹している[2]。
関連項目
脚注
- ^ Kumar, Vinay; Fausto, Nelso; Abbas, Abul (2004) Robbins & Cotran Pathologic Basis of Disease (7th ed.). Saunders. Page 1230. ISBN 0721601871.
- ^ Freedberg, et al. (2003). Fitzpatrick's Dermatology in General Medicine. (6th ed.). McGraw-Hill Professional. Page 17. ISBN 0071380760.
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Japanese Journal
- 十二指腸静脈瘤破裂に対し透視下に実施したlipiodolとn-butyl-2-cyanoacrylateの混合液による内視鏡的硬化療法が有用であった1例
- 高松 徹,大竹 はるか,上原 健志,新藤 雄司,池谷 敬,東海 浩一,池田 正俊,牛丸 信也,浅野 岳春,松本 吏弘,岩城 孝明,福西 昌徳,鷺原 規喜,浅部 伸一,宮谷 博幸,吉田 行雄
- 自治医科大学紀要 34, 87-95, 2012-03-01
- … 内視鏡検査にて,十二指腸下行脚に出血点と思われるびらんを伴うF3の静脈瘤を認めた。 …
- NAID 110008922659
- 剖検により全身性炎症の合併が判明した心臓突然死の一例
- 林田 昌子,伊関 憲,篠崎 克洋,大江 倫太郎,山川 光徳
- 山形大学紀要. 医学 : 山形医学 30(1), 23-31, 2012-02-25
- … また、気管支に多量な痰の貯留があり、食道壁のびらん、膵臓に微小膿瘍形成、膀胱に膿尿など多臓器に炎症所見を認めた。 …
- NAID 110008906961
- ステロイド忌避傾向のアトピー性皮膚炎患者に生じた難治な角膜ヘルペスの1例
- 田尻 晶子/高村 悦子/篠崎 和美/中村 かおる/堀 貞夫
- 東京女子医科大学雑誌 82(E1), E194-E197, 2012-01-31
- … 初診時、両眼瞼の腫脹、紅斑、びらんを認め、細隙灯顕微鏡では、右眼の結膜充血、角膜実質の混濁、角膜中央部に、シールド潰瘍に類似した病変と、その周囲に線状に伸びる角膜びらんが認められた。 … びらんからは、単純ヘルペスウイルス1型が検出された。 …
- NAID 110008767974
Related Links
- まず、子宮の出口にある「びらん」は病気ではありませんので、最初にそれをきちんと 認識しましょう。 子宮の出口の部分(膣の中に顔を覗かせている部分:子宮膣部と言い ます)には、表面を覆っている組織がありまして、体表で言えば皮膚にあたるものになり ます ...
- この他には、膣炎とびらんによる出血、子宮筋腫による出血、子宮頸管ポリープ、子宮癌 などがあります。ここではそれぞれ ... おりものが多いなと思っていたところへ不正出血 があった、という場合、膣炎とびらんによる出血という可能性が最も高いと考えられます。 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 55歳の女性。背部の痛みを主訴に来院した。
- 現病歴:5日前から左の背部に痛みを自覚していた。痛みは、左の肩甲下角から側胸部にかけて皮膚表面がピリピリする感じであった。昨日鏡で患部を見たところ、皮膚病変が出現していたため受診した。
- 既往歴: 51歳時に胃癌で手術を受けた。サバを食べた後、全身に蕁麻疹を生じたことがある。
- 生活歴:夫と長女との3人暮らし。ネコを6匹飼っている。
- 家族歴:長女がアトピー性皮膚炎である。
- 現 症:身長152cm、体重55kg。体温37.0℃。脈拍72/分、整。血圧120/72mmHg。呼吸数14/分。左の肩甲下角から側胸部にかけて皮膚病変を認める。背部の写真(別冊No. 5)を別に示す。
- この病変を特徴づける皮疹の種類はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106B054]←[国試_106]→[106B056]
[★]
- 11か月の乳児。皮膚の発赤とびらんとを主訴に来院した。10日前から顔面に皮疹を認めていた。皮疹は次第に全身に拡大し、びらんを伴うようになった。37.8℃の発熱を認めたが機嫌は良く、食欲も低下しなかった。全身状態は良好。眼球結膜と口腔粘膜とにびらんと出血とを認めない。顔面、前頸部、肘窩、膝窩、鼠径部および陰部にびらんを伴う広範な発赤を認める。血液所見:赤血球416万、Hb12.8g/dl、Ht 39%、白血球11,200、血小板22万。CRP 0.3mg/dl。来院時の顔面の写真(別冊No.18)を別に示す。
- この疾患の原因となる病原体はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107A044]←[国試_107]→[107A046]
[★]
- 68歳の女性。粘膜部のびらんと全身の発疹とを主訴に来院した。 5日前、風邪症状に対して市販の総合感冒薬を内服した。 2日間内服を続けたところ、 3日前から結膜充血と口腔内びらんとに加えて、顔面、体幹および四肢に紅斑とびらんとが出現した。初診時、全身の80%に紅斑が見られ、こすると容易にびらんを形成した。顔面の写真(別冊No. 6A)と、背部の紅斑をこすって生じたびらんの写真(別冊No. 6B)とを別に示す。
- 診断として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106I039]←[国試_106]→[106I041]
[★]
- 59歳の男性。鼻出血と膿性鼻漏とを主訴に来院した。1か月前から著しい鼻痛が続いている。鼻腔内粘膜の発赤とびらんとを認める。血液所見:赤血球 408万、Hb 12.1g/dl、Ht 34%、白血球 8,300、血小板 35万。免疫学所見:CRP 16.8mg/dl、PR3-ANCA陽性。副鼻腔単純CTで鼻腔から上顎洞、筋骨洞、眼窩内に及ぶ腫瘤を認める。鼻内腫瘍の生検で壊死組織、炎症細胞浸潤および多核巨細胞を認める。
- 確定診断のために精査が必要な臓器はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I072]←[国試_105]→[105I074]
[★]
- 71歳の女性。全身の皮膚と粘膜のびらんとを主訴に来院した。6日前から腰痛に対して非ステロイド性抗炎症薬を内服している。2日前から結膜充血と両頬粘膜のびらんとが、昨日から全身に紅斑とびらんとが出現した。顔面と体幹の写真(別冊No.9A、B)を別に示す。
- 対応として適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107I045]←[国試_107]→[107I047]
[★]
- 23歳の女性。発熱と発疹とを主訴に来院した。10日前から微熱と咽頭痛とがあり、イブプロフェンを含有する市販感冒薬を内服していた。3日前から顔面と体幹とに紅斑を認め、眼球結膜の充血と口腔粘膜のびらんとが出現した。体温38.2℃。体幹の一部の紅斑は標的様で、中央に水疱を形成している。
- 考えられる疾患はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D049]←[国試_105]→[105D051]
[★]
- 2歳の男児。発熱と皮疹とに気付いた母親に連れられて来院した。前日の夜から胸部と腹部とに皮疹が出現し、今朝から 38.0℃の発熱がある。同居している祖父が2週前に右.の帯状疱疹に罹患している。体温 38.2℃。直径 2~ 5 mmの紅斑が顔、胸部、腹部および四肢に散在し、一部は水疱を伴っている。
- この患児が 4日後に再診したときに最も多く見られる皮疹はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108C017]←[国試_108]→[108C019]
[★]
- 55歳の女性。水疱とびらんとを主訴に来院した。1か月前から主に前胸部と背部とに水疱とびらんとが出現し徐々に増加している。皮膚病変から採取した組織のH-E染色標本を以下に示す。
- 考えられる疾患はどれか。
顆粒層の下、有棘層に空胞が形成されている。
[正答]
※国試ナビ4※ [098B026]←[国試_098]→[098B028]
[★]
- 78歳の女性。全身の皮疹を主訴に来院した。3週間前から両側大腿に掻痒を伴う皮疹が出現し、躯幹と四肢に拡大してきたため受診した。生検組織の蛍光抗体直接法所見にて表皮基底膜部にIgGとC3の線状沈着を認めた。抗BP180抗体 421U/mL(基準 9.0未満)。大腿の写真(別冊No. 1)を別に示す。
- 認められないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113E029]←[国試_113]→[113E031]
[★]
- 潰瘍性大腸炎患者の直腸粘膜生検組織の H-E染色標本 (別冊 No. 5)を別に示す。
- 矢印で示す所見はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108I021]←[国試_108]→[108I023]
[★]
- 特徴的な症候と毒物の組合せで誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097G067]←[国試_097]→[097G069]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100B023]←[国試_100]→[100B025]
[★]
- ☆case84 嘔吐
- ■症例
- 32歳 男性
- 主訴:
- 現病歴:2 amにからり酔っぱらって救急部に受診。11.45 pmに気分が悪くなり2度嘔吐。嘔吐物は最初は苦く感じられ、それは食べ物と2Lのビールであった。1時間程度後に、何度か猛烈に吐き気を催した。1 amに鮮赤血を吐いた(bright red blood)。患者が言うには最初は少量だったが、2回目にはかなり多い量であった。服用薬なし。時々マリファナを吸う。タバコ1日10本、アルコール2-3 unit/week
- 既往歴:特記なし
- 家族歴:特記なし
- 生活歴:
- ・身体診断
- 酔っぱらっているように見える。口の周りに乾燥した血液の付着を認める。脈拍:102/分。(臥位(lying))血圧:134/80 mmHg。立位でも血圧の変化は認められない。心血管系、呼吸器系に異常を認めず。腹部:上腹部(心窩部)にわずかに圧痛。
- ・検査
- (血液生化学)
- 異常なし
- ■解説
- (第1パラグラフ)
- もっともな診断は、下部食道もしくは胃上部における吐血を引き起こす粘膜の裂傷である(Mallory-Weiss lesion/Mallory-Weiss tear/Mallory-Weiss laceration)。激しい嘔吐やむかつきによる機械的な外傷で生じる。本症例では、なれない大量飲酒によって生じた。
- (第2パラグラフ)
- 患者の話から出血量を見積もるのは難しい。吐血はびっくりするような出来事であり、吐血の量を多く見積もりがちである。ヘモグロ分派性状であり、急性の出血では吐血量を見積もる手がかりにならない。急性期にヘモグロ分が低ければ慢性の出血をほのめかす。著しい失血の最初のサインは頻脈と起立時の血圧低下であることがある。本症例の彼の脈波速いが、これは不安と関連しているのかもしれない。
- (第3パラグラフ)
- 吐血の他の原因は胃炎か消化性潰瘍である。何度か血液を含まない胃内容物のむかつきと嘔吐の話はマロリーワイス症候群に特徴的である。この疾患は普通介入を必要としない良性の病態である。確定診断は上部消化管内視鏡を必要とするが、典型的な症例ではいつも必要になるわけではない。時に、出血がもりひどかったり、壁の解離が粘膜より深いこともあり、穿孔につながる。
- (第4パラグラフ)
- この症例の管理は注意深い観察、嘔吐で失われた体液を戻すための静脈内輸液である。出血が激しい場合には血液型検査のために採血するが、輸血は必ずしも必要ない。彼は生徒大とH2 blockerで治療された。嘔吐は収まりそれ以上の出血も見られなかった。彼は将来のパーティでは通院しすぎないように決めた。
- ■管理(内科診断学 第2版 医学書院)
- ①本疾患の大多数は安静、絶食、制酸薬・粘膜保護薬の投与で保存的に治療できる。
- ②輸血が必要なほどの貧血は稀である。
- ③内視鏡検査時に出血している症例に対しては内視鏡的止血術を行う。
- ④クリッピング法(図4-89) [図] 、純エタノール局注法、アルゴンプラズマ凝固(APC)法などさまざまあるが、いずれの方法でも良好な止血成績を得られる。
- ■鑑別診断 (内科診断学 第2版 医学書院 p.843)
- ・特発性食道破裂(ブールハーフェ症候群)
- ・逆流性食道炎
- ・食道静脈瘤破裂
- ・出血性胃潰瘍
- ・急性胃粘膜病変(AGML)
- ■KEYPOINT
- ・吐血の前の血液を伴わない激しい嘔吐とむかつきの既往は、上部消化管の裂傷を示唆する。
- ・患者は血液の量を見積もるのが困難と分かるので、吐血で失われた失血の程度は多糸かでないし、消化管の中にとどまっている血液の量は分からない。
- ・アルコールは救急入院の約1/4と直接の連関があるという研究がある。
- □マロリーワイス症候群(内科診断学 第2版 医学書院)
- 嘔吐などにより腹腔内圧が急激に上昇して噴門部近傍に裂創が発生し、これを出血源として顕出血をきたしたもの。30-50歳代の男性に多く、全消化管出血例の約3-15%を占める。 アルコール多飲が原因となることが多いが、ほかに妊娠悪阻、乗り物酔い、脳腫瘍や髄膜炎、医原性のものとしては上部消化管内視鏡検査や心肺蘇生術など、原因となるものは種々である。 ②嘔吐などにより急激に腹圧が上昇すると、急激に胃内圧が上昇し、これにより食道胃接合部近傍に裂創が生じる。
- □吐血 hematemesis (内科診断学 第2版 医学書院)
- コーヒー残渣用の吐血 melanemesis
- 鮮血の吐血 hematoemesis
- □急性胃粘膜病変 acute gastric mucosal lesion AGML
- 急性胃炎の劇症型であり、急速に起こる腹痛(時に、吐血、下血)をきたし、潰瘍・びらん・出血が混在した病態を呈する。
- 病因はアルコール、薬物(アスピリン、ステロイド)、薬品、ストレス、食物(激辛食品など)、アニサキス、中枢神経系障害、熱傷、外科手術
- ■glossary
- inebriate
- vt. (人)を酔わせる(make drunk)。~を有頂天にする
- adj. 酔っぱらいの、大酒飲みの
- n. 酔っぱらい、大酒飲み
- pint n. (液体の単位)1パイント = 1/2クオート=(米)28.8753 inch cube = 0.473 liter = (英) 0.568 liter = 約500cc
- retch
- vi. むかつく、吐き気を催す、無理に吐こうとする
- vt. 吐く
- n. むかつく。ヒック(吐き気を催すときの音)
- lager n. ラガー(ビール)(貯蔵ビール;日本の普通のビール)
- violently adj. 激しく、猛烈に
- drunk adj. (pred)酔って。(fig)酔いしれて
- epigastrium n. 上腹部、心窩部
- blood grouping 血液型判定、血液型検査
- indulge
- vt. ~にふけらせる。気ままにさせる、(子どもを)甘やかす。(欲求などを)思いのままに満たす。喜ばせる、楽しませる。
- vi. (快楽・趣味などに)ふける、身を任す(in)。(略式)たらふく食べる、痛飲する。(~に)従事する。(好ましくないことに)かかわる(in)
- □Hematemesis and Melena(Differential Diagnosis in Primary Care 4th)
- ・吐血か喀血を見分けたい場合はnitrazine paperを使って判定
- ・身体開口部(body orifice)からの出血を鑑別するとき解剖学的なアプローチがよい。
- (食道)
- ・静脈瘤、逆流性食道炎、癌腫、マロリーワイス症候群。
- ・外来異物も忘れるな。
- ・先天性まれな病因として異所性胃粘膜によるバレット食道炎と潰瘍もある。
- ・大動脈瘤、縦隔腫瘍、肺癌が食道を潰瘍化させ出血させることもある。
- (胃)
- ・炎症:胃炎と胃潰瘍。アスピリンとアルコールも良くある原因
- ・幽門部静脈瘤で出血するかもしれない
- ・出血がひどく、他の原因が見つからなければ血液疾患を検索する。
- (診断への道)
- ・吐血の確固たる証拠がある時、内視鏡をつかえる状況にあれば問診とか検査で無駄な時間を使わずに内視鏡で診断&治療をやってしまえ。
- ・血液型検査、血液のクロスマッチ?して輸血の準備、凝固能検査など鑑別に必要な検査をやりなさい。内視鏡検査の準備をしている間に、アルコール、アスピリン、そのほかの薬品の服用、潰瘍の既往、食道疾患既往を聴け
- ・ひどい出血や最近の急な吐血の既往がなければ(内視鏡を使わずに?)伝統的なアプローチでも良い
- ・吐血の前に血液を伴わない嘔吐があればマロリーワイス症候群の診断の助けとなる。
[★]
- ☆case27 関節痛
- ■症例
- 37歳 女性
- 主訴:関節痛
- 現病歴:数ヶ月、膝の痛みがだんだん強くなっていると感じていた。痛みは手や足の小関節に多く、朝歩くときに最もこわばる。痛みはジクロフェナクを飲むと和らぐ。そのほかの症状として疲労感を感じ、最近、体重が3ヶ月で4kg減っている。
- 喫煙歴:なし。
- 飲酒歴:機会飲酒
- 既往歴:なし
- 家族歴:既婚、子供は2人
- 服薬歴:ジクロフェナク
- 職業歴:legal sevretary
- 身体所見 examination
- 顔貌 青白、臨床的な貧血を認める。近位指節間関節・中手指節関節 腫脹・effusionを伴う疼痛。中足趾節関節 圧痛。それ以外は正常。
- 検査 investigation
- 血液検査
- Hb低下
- ESR上昇
- 尿素軽度上昇
- クレアチニン軽度上昇
- 正常:白血球、MCV、血小板、ナトリウム、カリウム、グルコース、アルブミン
- 尿検査
- 蛋白(-)、尿糖(-)、潜血(-)、
- ■問題
- 本症例では診断とその根拠を考えるのは簡単なので、鑑別疾患をあげてその疾患に特徴的な症候を列挙しましょう。
- ■関節痛 DIF.283
- V Vascular
- 血友病 hemophilia 血友病性関節症(急性:疼痛、腫脹、熱感(SOR.241)
- 慢性:可動域の低下、変形、関節周囲筋萎縮(SOR.241))。家族歴
- 壊血病 scurvy 。生活環境。食事歴
- 無菌性骨壊死 aseptic bone necrosis (Osgood-Schlatter diseaseとか)
- I Inflammatory
- 感染性関節炎(細菌性関節炎(化膿性関節炎・淋菌性関節炎・結核性関節炎・嫌気性菌関節炎 )、真菌性関節炎、スピロヘータ関節炎(梅毒性関節炎・ライム関節炎)、マイコプラズマ関節炎、ウイルス性関節炎)
- N Neoplastic disorders
- 骨原性肉腫 osteogenic sarcoma
- 巨細胞腫 giant cell tumors
- D Degenerative disorders
- degenerative joint disease
- 変形性関節症 osteoarthritis
- I Intoxication
- 痛風 gout (uric acid)
- 偽痛風 pseudogout (calcium pyrophosphate)
- ループス症候群 lupus syndrome of hydralazine (Apresoline) and procainamide
- gout syndrome of diuretics
- C Congenital and acquired malformations bring to mind the joint deformities of tabes dorsalis and syringomyelia and congenital dislocation of the hip. Alkaptonuria is also considered here.
- A Autoimmune indicates
- 関節リウマチ RA
- 血清病 serum sickness
- 全身性エリテマトーデス lupus erythematosus
- リウマチ熱 rheumatic fever
- ライター症候群 Reiter syndrome
- 潰瘍性大腸炎 ulcerative colitis
- クローン病=限局性回腸炎 regional ileitis
- 乾癬性関節炎 psoriatic arthritis
- リウマチ性多発筋痛症 polymyalgia rheumatica
- T Trauma
- E Endcrine
- 先端肥大症 acromegaly
- 閉経 menopause
- 糖尿病 diabetes mellitus
- ■関節炎の分類
- ・炎症部位の数
- 単関節炎:痛風、偽痛風、離断性骨軟骨炎、血行性の化膿性関節炎のほとんど
- 多関節炎:リウマチ性疾患、ウイルス性疾患、白血病での関節症状、易感染性宿主における血行性の化膿性関節炎
- ■関節リウマチ
- 診断基準
- 関節症状
- 朝のこわばり、疼痛、腫脹、関節の動揺、関節可動域制限、変形(手指、足趾、膝関節)。(SOR.211)
- 手指の近位指節間関節(PIP関節)、中手指節関節(MP関節)。遠位指節間関節(DIP関節)に初発することは稀。(SOR.211)
- 左右対称性に生じることが多い。手関節、足趾、膝関節に初発する。(SOR.211)
- 関節外症状
- 全身症状:発熱
- 皮膚症状:リウマトイド結節(肘の伸側、後頭部、手指)
- 眼症状:上胸膜炎(10日の経過で治癒)、強膜炎(予後不良)。稀に角膜穿孔
- 血液障害:(高頻度)貧血、白血球減少(Felty病。DMARDs投与中の場合は薬剤性の骨髄抑制を考慮)
- アミロイドーシス:ネフローゼや下痢を来した症例で疑う。アミロイド蛋白はAA
- 腎障害:稀。アミロイドーシスの続発症か薬剤性を考慮。
- 呼吸器症状:間質性肺炎の合併多い。下肺野に好発。通常無症状。メトトレキセートなどの使用により薬剤性の急性間質性肺炎を生じることがある。
- 心・血管障害:リンパ管炎による難治性の浮腫。
- 神経症状:環軸関節亜脱臼により項部痛や脊髄症上が出現しうる。
- 骨粗鬆症
- 腱鞘滑膜炎:手指、手関節、足関節
- ■両側性多関節炎の鑑別疾患
- OA:遠位指節間関節を冒すのが特徴的で、近位指節間関節、中手指節関節を冒しうる。
- RA:
- SLE:軽度、症状の程度が変動する非びらん性の関節炎
- gout:単関節炎からはじまる。
- 血清陰性関節炎:強直性脊椎炎、感染、ライター病:中~大関節に非対称性の関節炎。仙腸関節と遠位指節間関節にも関節炎
- 急性ウイルス性関節炎:風疹。
- ■KEY POINTS
- ・RAでは遠位指節間関節は冒されない傾向がある。
- ・RAの全身症状は関節症状に先行することがある。
- ・RAの活動性と貧血及びESRは相関している。
- ・NSAIDsは腎機能に悪影響を与えることがある。
- ■initial plan
- Dx 1. 単純X線写真
- ・亜脱臼、関節周囲の骨萎縮(傍関節性骨骨粗鬆症,juxta-articular osteoporosis)、関節裂隙の狭小化、関節辺縁のびらん(bony erosion)
- ・初期のRAで第5趾に骨びらんが一般的に見られる。
- ・血液検査
- ・RF、抗DNA抗体
- Tx 1. 鎮痛薬
- ・NSAIDs:鎮痛とこわばりの軽減
- 2. DMARDs(メトトレキセート、レフルノミド、金製剤、ペニシラミン)
- ・NSAIDsで症状が治まらない場合に考慮
- 3. 抗TNF抗体
- ・重症のRAで効果がある場合がある。
- ■参考文献
- SOR 標準整形外科学 第10版 医学書院
- DIF Differential Diagnosis in Primary Care Fourth Edition版 Lippincott Williams & Wilkins
[★]
- 英
- pemphigoid
- 関
- 水疱症
表皮下水疱症(類天疱瘡群) (NDE.218)
- 自己免疫性水疱症(後天性水疱症) autoimmuno blistering disease
-
代表的な天疱瘡と類天疱瘡の比較
[★]
- erratic adj. adj. 軌道の定まらない。一貫性のない、不安定な、不規則な
- bowel motion 腸運動、排便
- fit adj. adj. 体調がよい、健康で
- emaciated adj.
- glisten vi. ぴかぴか光る
- dislodge
- palliative
- erythema multiforme 多形紅斑
- dermatitis herpetiformis 疱疹状皮膚炎
- itch 痒み
- itching
- celiac disease セリアック病
- herpes gestationis 妊娠性疱疹
- 皮膚の水疱
- 83歳 男性
- 主訴:皮膚と口内における多数の水疱
- 現病歴:水疱は2日前より出現。水疱は破れやすく、赤色の有痛性病変が残る。3ヶ月前から5kg体重が減少しており、食欲が減退している。患者は体調の不調を自覚してた。排便習慣が不規則になり、排便にいくらか血液を認めた。
- 既往歴:生来、健康であり、既往なし。
- 生活歴:一人住まい
- 嗜好歴:喫煙・飲酒無し
- 服薬歴:処方薬なし。マルチビタミンタブレットは体調の不調を感じてから薬局で購入している。これ以外て薬を購入していない。
- 身体所見 examination
- 全身:emaciateで調子悪そうである
- 皮膚:全身の皮膚に水疱
- 口内:びらん(sore)あり sore→有痛性のびらん・潰瘍
- 脈拍:102/min、irregularly irregular → 不規則な不整脈 → ( )
- 血圧:160/78 mmHg
- 上記以外、心臓、呼吸器系に異常を認めない。
- 腹部触診:6cmの硬い結節を肝の辺縁に触知。可動性のある硬性の腫瘤を左腸骨窩に触知。
- 直腸診:鮮血色の血液と糞便の混合物が認められる
- 検査 examination
- 低値:Hb, MCV,Alb
- 高値:AlP
- Q1. まず皮膚病変の診断をつけろ。
- Q2. 次に皮膚病変と患者の病態を関連づけてみろ。
- A. 尋常性天疱瘡
- 特徴:表皮内水疱、弛緩性水疱、ニコルスキー現象、口内びらん、
- ・病因:癌腫、リンパ腫、胸腺腫、全身性エリテマトーデス、特定の薬物(ペニシラミン、カプトプリル)などによる
- 治療:ステロイド、免疫抑制薬
- 鑑別疾患
- ・水疱性類天疱瘡:緊満性水疱、水疱は尋常性天疱瘡に比べて破れにくく大型になりやすい。
- ・多形性紅斑:中心に水疱を伴った的形病変(target-shaped lesion with central blisters)。よく全身紅皮症と粘膜潰瘍と伴う(スティーブン・ジョンソン症候群)。病因は単純ヘルペスウイルス、薬剤(スルフォナミド)、悪性腫瘍。
- ・疱疹状皮膚炎:肘、膝、顔面に小水疱病変(vesicular lesion)が形成される。vesicleはblister(<0.5cm)より小さく、ひっかくことで破裂する。非常にかゆい。セリアック病に合併することがある
- ・その他の疾患
- ・糖尿病
- ・妊娠性疱疹
- ・家族性水疱疾患
- まとめ
- ・悪性腫瘍に合併しうる(→腫瘍の存在下で皮膚病変が出現したのであれば腫瘍随伴性天疱瘡と診断されるべき)、
- ・天疱瘡は気づかないうちに体液を喪失し、あるいは水疱からの感染の結果としての敗血症が生命を脅かす。
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- 英
- erosion、abrasion、erode、undermine、erosive
- 関
- 擦過、擦過傷、浸食、剥離、糜爛、腐食、傷つける、摩耗、蝕む、びらん、びらん性、擦過創
[★]
- 英
- erosive duodenitis, saltand pepper duodenitis, salami duodenitis
- 関
- 十二指腸炎
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- 英
- non-erosive reflux disease, NERD
- 関
- 胃食道逆流症
[★]
- 英
- punctated corneal erosion
- 同
- 点状上皮びらん
[★]
- 英
- erosive
- 関
- 糜爛、侵食、びらん
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カンジダ性指趾間びらん症