- 英
- hematemesis, vomiting of blood, hematoemesis
- 関
- ヘマチン
喀血と吐血
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喀血
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吐血
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前兆
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喉頭の違和感・熱感、 生臭い味がする
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悪心
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色
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鮮紅色が多い
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暗赤色
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性状
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泡沫状、凝固せず
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塊状、凝固する
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出方
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咳による
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嘔吐による
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量
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吐血より少ない
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大量
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pH
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アルカリ性
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酸性
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植物残渣
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なし
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あり
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発熱
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あり
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なし
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糞便
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黒色便無し
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黒色便、タール便
|
既往歴
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肺・心疾患
|
消化器症状
|
所見
|
胸部所見有り
|
腹部所見有り
|
期間
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しばらく続く
|
一般に短期間
|
病因
- (頻度順)消化性潰瘍、食道静脈瘤、胃癌、出血性胃炎、マロリーワイス症候群。 消化性潰瘍、AGML、胃・食道静脈瘤破裂、悪性腫瘍、マロリーワイス症候群、全身性疾患・血液疾患・血管疾患 (IMD)
吐血・下血をきたす全身疾患 IMD.383
鑑別診断 Differential Diagnosis in Primary Care 4th
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V
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I
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N
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D
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I
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C
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A
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T
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E
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Vascular
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Inflammatory
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Neoplasm
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Degenerative and Deficiency
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Intoxication
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Congenital
|
Autoimmune
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Trauma
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Endocrine Allergic
|
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食道
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食道静脈瘤 大動脈瘤
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逆流性食道炎 潰瘍 クルーズ・トリパノソーマ
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食道と肺の癌
|
アルカリ液や他の刺激物 外来異物
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食道裂孔ヘルニア 食道炎
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強皮症
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外来異物 経鼻胃管 マロリーワイス症候群
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胃
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噴門部静脈瘤 破裂動脈瘤
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胃炎 胃潰瘍
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癌
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萎縮性胃炎
|
アルコール性胃炎 アスピリンやその他の薬品(ヒ素など)
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hereditary telangiectasis(遺伝性出血性毛細血管拡張症?)
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外科手術による穿孔と裂傷
|
ゾリンジャー・エリソン症候群
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十二指腸
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潰瘍
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区域的な回腸炎
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外科手術による穿孔と裂傷
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ゾリンジャー・エリソン症候群
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膵臓
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急性膵炎(出血性)
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血液
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白血病 多血症
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再生不良性貧血 ビタミンK欠乏症
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ワーファリン ヘパリン その他の薬品
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血友病 その他遺伝性の凝固障害疾患
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特発性血栓性紫斑コラーゲン病 その他の血小板減少の原因となる疾患
|
|
診断
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/04/24 09:05:07」(JST)
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吐血 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
K92.0 |
ICD-9 |
578.0 |
DiseasesDB |
30745 |
eMedicine |
med/3565 |
MeSH |
C23.550.414.788.400 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
吐血(とけつ)とは、消化器が疾患や損傷によって出血し、口から血を吐く事。多量の出血の場合は、緊急的に専門医の診察を受けるべきだが、同時に患者自身に多大な精神的ダメージを与え得る症状である。
目次
- 1 概要
- 2 対処
- 3 関連項目
- 4 脚注
- 5 外部リンク
|
概要
この症状は、消化器の疾患や損傷によって血を吐く訳だが、潰瘍などによって発生する少量の出血では、そのまま消化・吸収されてしまう事もあり、出血自体は気付かれ難い事が多い。多量の飲酒などによって嘔吐した際に、吐瀉物に混じって血が含まれるなどして、初めて気付かれる事もある。この場合は、出血から吐き出すまでに時間が掛かっているため、暗赤色(コーヒー滓の色)で、一般的に量は少ない。
一方、短時間に吐き出される鮮やかな赤い色をした吐血は、消化器損傷によって発生した物で、吐き出す血の量も多い。こちらは緊急的にも止血する必要がある。
原因や状態
量の少ない・色が暗赤色な物の原因の多くは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍など、消化器系統でも比較的口に近い部分の出血だが、これら潰瘍の原因には多分に精神的な物が関係してくるため、吐血によって受けたストレスにより、症状が悪化するケースも見られる。その一方で、妊婦の悪阻による嘔吐にも時折、同様の症状が見られる事もある。
似たように口から血を吐く症状では、呼吸器系統から出血する喀血があるが、こちらは咳き込んだ際等に出血が見られるというもので、吐血とは全く異なる原因による物である。吐血の場合には、吐瀉物特有の臭気がある他、腹部に不快感や痛みを訴えるが、喀血の場合は吐いた血には酸味臭が無かったり、胸部が痛むなどの違いが見られ、対処法も異なる。詳しくは喀血の項を参照。
特に飲酒や傷んだ物を食べた場合による嘔吐によるものではなく、日常的な生活で突然に吐き気に襲われて吐血した場合は、重度の消化器疾患や損傷が疑われる。吐血の1割程度は、食道静脈瘤の破裂に伴う出血によって発生している。食道静脈瘤は、人間ドック等の定期診断によって発見される事も多い。
対処
嘔吐時に、吐瀉物に混じって若干の血が含まれる場合は、潰瘍によるものが多いため、気分を落ち着けさせて安静にして、早めの受診が望ましいとされるが、鮮血を吐く場合は、前出の食道静脈瘤破裂や重篤な消化器損傷が疑われるため、緊急に専門医の診察を受ける事が勧められる。窒息の虞があるため溜まった血を積極的に吐かせる喀血とは違って、吐血では積極的に血を吐かせたりはせず、吐き気が来たときに回復体位など楽な姿勢で吐かせる[1]。また消化器損傷による物であるため、医師の指示に従って絶食する必要がある場合も多く、いずれにしても専門医の診察を受けるべきである。
関連項目
脚注
- ^ プラスウェルネス記事「健康診断ガイド:検査の手引き」
外部リンク
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- Step Beyond Resident(ステップ ビヨンド レジデント) : 研修医は読まないで下さい!?(第134回)血,血だぁぁ~!(吐血)(Part4)食道静脈瘤の恐怖
- Step Beyond Resident(ステップ ビヨンド レジデント) : 研修医は読まないで下さい!?(第133回)血,血だぁぁぁ~!(吐血)(Part 3)上部消化管出血…再出血しやすい人,もともと出血しやすい人
- Step Beyond Resident(ステップ ビヨンド レジデント) : 研修医は読まないで下さい!?(第132回)血,血だぁぁぁ~!(吐血)(Part 2)上部消化管出血(食道静脈瘤を除く)の治療ってそんなに単純じゃないんだ
- Step Beyond Resident(ステップ ビヨンド レジデント) : 研修医は読まないで下さい!?(第131回)血,血だぁぁぁ~!(吐血)(Part 1)丈夫な消化管でも上部消化管出血はするのだ!?
Related Links
- 吐血(とけつ)とは、消化器が疾患や損傷によって出血し、口から血を吐く事。多量の 出血の場合は、緊急的に専門医の診察を受けるべきだが、同時に患者自身に多大な 精神的ダメージを与え得る症状である。
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- 吐血は食道、胃、十二指腸など上部消化管から出血した場合にみられます。 ... 吐血 では真っ赤な血が出る場合と、黒っぽい(コーヒー残渣様と形容されます)血が出る場合 があり、前者は出血してから吐血するまでの時間が短い場合で、後者で は胃液によって ...
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- 次の文を読み、28、29の問いに答えよ。
- 72歳の男性。皮膚の黄染を主訴に来院した。
- 現病歴 3か月前から全身倦怠感があり、2週前から上腹部および背部の鈍痛と食思不振とを自覚していた。3日前に皮膚の黄染に気付いた。
- 家族歴 特記すべきことはない。
- 生活歴 喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 既往歴 40歳台に右尿管結石にて治療を受けた。50歳台に十二指腸潰瘍で吐血したが、薬物治療にて治癒した。
- 現 症 意識は清明。身長168cm、体重62kg。体温36.1℃。全身の皮膚と眼球結膜とに黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。圧痛、反跳痛および筋性防御を認めない。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-).糖1+。血液所見:赤血球 386万、Hb 13.1g/dl、Ht 39%、白血球 9,100、血小板 18万、PT 12秒(基準10-14)。血液生化学所見:血糖 131mg/dl、総蛋白 6.5g/dl、アルブミン 3.8g/dl、総ビリルビン 18.1mg/dl、AST 138IU/l、ALT 162IU/l、LD 570IU/l(基準176-353)、ALP 483IU/l(基準115-359)、γ-GTP 132IU/l(基準8 -50)、CK 41IU/l(基準30-140)。腹部単純CT(別冊No.5A、B)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [105F028]←[国試_105]→[105F030]
[★]
- 次の文を読み、28、29の問いに答えよ。
- 72歳の男性。皮膚の黄染を主訴に来院した。
- 現病歴 3か月前から全身倦怠感があり、2週前から上腹部および背部の鈍痛と食思不振とを自覚していた。3日前に皮膚の黄染に気付いた。
- 家族歴 特記すべきことはない。
- 生活歴 喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 既往歴 40歳台に右尿管結石にて治療を受けた。50歳台に十二指腸潰瘍で吐血したが、薬物治療にて治癒した。
- 現 症 意識は清明。身長168cm、体重62kg。体温36.1℃。全身の皮膚と眼球結膜とに黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。圧痛、反跳痛および筋性防御を認めない。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-).糖1+。血液所見:赤血球 386万、Hb 13.1g/dl、Ht 39%、白血球 9,100、血小板 18万、PT 12秒(基準10-14)。血液生化学所見:血糖 131mg/dl、総蛋白 6.5g/dl、アルブミン 3.8g/dl、総ビリルビン 18.1mg/dl、AST 138IU/l、ALT 162IU/l、LD 570IU/l(基準176-353)、ALP 483IU/l(基準115-359)、γ-GTP 132IU/l(基準8 -50)、CK 41IU/l(基準30-140)。腹部単純CT(別冊No.5A、B)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [105F027]←[国試_105]→[105F029]
[★]
- 次の文を読み、37、38の問いに答えよ。
- 7歳の女児。発熱と咽頭痛とを主訴に来院した。
- 現病歴 昨夕から発熱と咽頭痛とが出現した。咳嗽や鼻汁はない。嚥下痛はあるが飲水は可能である。
- 既往歴 ペニシリン系抗菌薬で全身に蕁麻疹を生じたことがある。
- 家族歴 特記すべきことはない。
- 現症 意識は清明。体温39.2℃。脈拍104/分、整。血圧98/62mmHg。眼球結膜に充血を認めない。白苔を伴う両側の扁桃腫大とイチゴ舌とを認める。両側の前頭部に圧痛を伴う腫大したリンパ節を数個触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢と顔面とに皮疹や浮腫を認めない。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 470万、Hb 12.8g/dl、Ht 39%、白血球 14,500(好中球87%、好酸球1%、単球4%、リンパ球8%)、血小板 22万。血液生化学所見:尿素窒素 14mg/dl、クレアチニン 0.5mg/dl、AST 24IU/l、ALT 21IU/l、LD 325IU/l(基準280-588)、ALP 512IU/l(基準338-908)、Na 142mEq/l、K 4.2 mEq/l、Cl 101 mEq/l。CRP 9.2 mg/dl。
[正答]
※国試ナビ4※ [105H037]←[国試_105]→[105I001]
[★]
- 32歳の男性。突然の吐血のため救急車で来院した。1年前から胃潰瘍と診断され内服薬を服用していたが、症状がないので10日前から自己判断で中止していた。意識は清明。脈拍104/分、整。血圧110/72mmHg。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見;赤血球378万、Hb10.8g/dl、Ht32%、白血球6,200、血小板32万。血清生化学所見:総蛋白6.5g/dl、アルブミン4.2g/dl、尿素窒素25 mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、AST32単位(基準40以下)、ALT28単位(基準35以下)、アルカリホスファターゼ230単位(基準260以下)、Na 138 mEq/、K4.2mEq/l、C1 102 mEq/l。
- 最も有用な検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098F020]←[国試_098]→[098F022]
[★]
- 51歳の男性。嚥下困難と体重減少とを主訴に来院した。6年前から食物のつかえ感を自覚していた。最近症状の悪化があり、体重が1か月で5kg減少した。身長169cm、体重47㎏。胸腹部に異常所見を認めない。血液所見:赤血球384万、Hb11.5g/dl、Ht34%、白血球7,500。血清生化学所見:総蛋白6.1g/dl、アルブミン3.7g/dl、尿素窒素12mg/dl、クレアチニン0.6mg/dl、AST19単位、ALT21単位。上部消化管造影写真を以下に示す。この疾患で正しいのはどれか。
- a. 男性に多い。
- b. 嗄声をきたす。
- c. 吐血することが多い。
- d. 嚥下性弛緩反応がない。
- e. 胃液の逆流によって発生する。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A023]←[国試_099]→[099A025]
[★]
- 65歳の男性。吐血のため搬入された。起床時から悪心があり、朝食前に洗面器・いっぱいの吐血があった。肝硬変で通院中である。意識は清明。身長167cm、体重42kg。体温36.8℃。脈拍108/分、整。血圧96/60mmHg。腹部は膨隆。血液所見:赤血球 340万、Hb 8.5g/dl、Ht 26%、白血球 3,800、血小板 7.2万。血液生化学所見:総蛋白 5.5g/dl、アルブミン 2.9g/dl、尿素窒素 45mg/dl、クレアチニン 1.4mg/dl、総ビリルビン 1.3mg/dl、直接ビリルビン 0.8mg/dl、AST 55IU/l、ALT 30IU/l。
- 血管確保後にまず行うのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104D022]←[国試_104]→[104D024]
[★]
- 81歳の女性。昼食後洗面器一杯の吐血があり救急車で搬入された。2か月前から腰痛のため非ステロイド性抗炎症薬を投与されていた。4日前から心窩部痛を訴えていた。意識は清明。脈拍96/分、整。血圧100/60mmHg。皮膚は蒼白で冷たい。眼瞼結膜は貧血様。心窩部に圧痛を認める。血液所見:赤血球270万、Hb8.4g/dl、Ht23%、白血球12,300。緊急上部消化管内視鏡検査の胃角部写真を以下に示す。
- 適切でない対応はどれか。
- a. 非ステロイド性抗炎症薬中止
- b. 制酸薬投与
- c. 輸液
- d. 露出血管のクリッピング
- e. 胃全摘
[正答]
※国試ナビ4※ [097D022]←[国試_097]→[097D024]
[★]
- 23歳の男性。吐血を主訴に来院した。昨夜、会社の歓迎会で日本酒を5合以上飲んだが、正確な飲酒量は記憶していない。本日、起床直後から胃液を嘔吐し、数回目の嘔吐内容が新鮮血であったため驚いて受診した。身体診察所見に異常を認めない。来院後にも少量の新鮮血を嘔吐したため、緊急上部消化管内視鏡検査を行った。食道の内視鏡写真(別冊No. 17)を別に示す。
- 治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106I067]←[国試_106]→[106I069]
[★]
- 25歳の男性。吐血を主訴に来院した。友人と酒を飲み、トイレで嘔吐した。最初の吐物は食物残渣であったが、2、3回嘔吐を繰り返すうちに血液を嘔吐した。便器が赤くなるほどの量だったので驚いて受診した。体温36.2℃。脈拍88/分。血圧128/72mmHg。眼瞼結膜に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。腸雑音は軽度亢進している。直腸指診で異常を認めない。
- 診断に最も有用な検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107G054]←[国試_107]→[107G056]
[★]
- 45歳の男性。吐血のため搬入された。今朝から吐血を2回認めた。意識は清明。体温36.7℃。脈拍120/分、整。血圧76/42mmHg。眼瞼結膜に軽度の貧血を認める。心慮部に軽度の圧痛を認める。筋性防御を認めない。緊急で行った胃内視鏡写真を以下に示す。
- 内視鏡治療として適切なのはどれか。2つ選べ。
- a. 結紮
- b. 硬化療法
- c. 粘膜切除
- d. クリッピング
- e. エタノール局注
[正答]
※国試ナビ4※ [102G055]←[国試_102]→[102G057]
[★]
- 高齢者が自室内で心肺停止状態で発見された。外因死を最も強く示唆するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108B023]←[国試_108]→[108B025]
[★]
- 高齢者が自室内において心停止状態で発見された。
- 外因死を最も強く示唆するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111G004]←[国試_111]→[111G006]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103B029]←[国試_103]→[103B031]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108B016]←[国試_108]→[108B018]
[★]
- ☆case84 嘔吐
- ■症例
- 32歳 男性
- 主訴:
- 現病歴:2 amにからり酔っぱらって救急部に受診。11.45 pmに気分が悪くなり2度嘔吐。嘔吐物は最初は苦く感じられ、それは食べ物と2Lのビールであった。1時間程度後に、何度か猛烈に吐き気を催した。1 amに鮮赤血を吐いた(bright red blood)。患者が言うには最初は少量だったが、2回目にはかなり多い量であった。服用薬なし。時々マリファナを吸う。タバコ1日10本、アルコール2-3 unit/week
- 既往歴:特記なし
- 家族歴:特記なし
- 生活歴:
- ・身体診断
- 酔っぱらっているように見える。口の周りに乾燥した血液の付着を認める。脈拍:102/分。(臥位(lying))血圧:134/80 mmHg。立位でも血圧の変化は認められない。心血管系、呼吸器系に異常を認めず。腹部:上腹部(心窩部)にわずかに圧痛。
- ・検査
- (血液生化学)
- 異常なし
- ■解説
- (第1パラグラフ)
- もっともな診断は、下部食道もしくは胃上部における吐血を引き起こす粘膜の裂傷である(Mallory-Weiss lesion/Mallory-Weiss tear/Mallory-Weiss laceration)。激しい嘔吐やむかつきによる機械的な外傷で生じる。本症例では、なれない大量飲酒によって生じた。
- (第2パラグラフ)
- 患者の話から出血量を見積もるのは難しい。吐血はびっくりするような出来事であり、吐血の量を多く見積もりがちである。ヘモグロ分派性状であり、急性の出血では吐血量を見積もる手がかりにならない。急性期にヘモグロ分が低ければ慢性の出血をほのめかす。著しい失血の最初のサインは頻脈と起立時の血圧低下であることがある。本症例の彼の脈波速いが、これは不安と関連しているのかもしれない。
- (第3パラグラフ)
- 吐血の他の原因は胃炎か消化性潰瘍である。何度か血液を含まない胃内容物のむかつきと嘔吐の話はマロリーワイス症候群に特徴的である。この疾患は普通介入を必要としない良性の病態である。確定診断は上部消化管内視鏡を必要とするが、典型的な症例ではいつも必要になるわけではない。時に、出血がもりひどかったり、壁の解離が粘膜より深いこともあり、穿孔につながる。
- (第4パラグラフ)
- この症例の管理は注意深い観察、嘔吐で失われた体液を戻すための静脈内輸液である。出血が激しい場合には血液型検査のために採血するが、輸血は必ずしも必要ない。彼は生徒大とH2 blockerで治療された。嘔吐は収まりそれ以上の出血も見られなかった。彼は将来のパーティでは通院しすぎないように決めた。
- ■管理(内科診断学 第2版 医学書院)
- ①本疾患の大多数は安静、絶食、制酸薬・粘膜保護薬の投与で保存的に治療できる。
- ②輸血が必要なほどの貧血は稀である。
- ③内視鏡検査時に出血している症例に対しては内視鏡的止血術を行う。
- ④クリッピング法(図4-89) [図] 、純エタノール局注法、アルゴンプラズマ凝固(APC)法などさまざまあるが、いずれの方法でも良好な止血成績を得られる。
- ■鑑別診断 (内科診断学 第2版 医学書院 p.843)
- ・特発性食道破裂(ブールハーフェ症候群)
- ・逆流性食道炎
- ・食道静脈瘤破裂
- ・出血性胃潰瘍
- ・急性胃粘膜病変(AGML)
- ■KEYPOINT
- ・吐血の前の血液を伴わない激しい嘔吐とむかつきの既往は、上部消化管の裂傷を示唆する。
- ・患者は血液の量を見積もるのが困難と分かるので、吐血で失われた失血の程度は多糸かでないし、消化管の中にとどまっている血液の量は分からない。
- ・アルコールは救急入院の約1/4と直接の連関があるという研究がある。
- □マロリーワイス症候群(内科診断学 第2版 医学書院)
- 嘔吐などにより腹腔内圧が急激に上昇して噴門部近傍に裂創が発生し、これを出血源として顕出血をきたしたもの。30-50歳代の男性に多く、全消化管出血例の約3-15%を占める。 アルコール多飲が原因となることが多いが、ほかに妊娠悪阻、乗り物酔い、脳腫瘍や髄膜炎、医原性のものとしては上部消化管内視鏡検査や心肺蘇生術など、原因となるものは種々である。 ②嘔吐などにより急激に腹圧が上昇すると、急激に胃内圧が上昇し、これにより食道胃接合部近傍に裂創が生じる。
- □吐血 hematemesis (内科診断学 第2版 医学書院)
- コーヒー残渣用の吐血 melanemesis
- 鮮血の吐血 hematoemesis
- □急性胃粘膜病変 acute gastric mucosal lesion AGML
- 急性胃炎の劇症型であり、急速に起こる腹痛(時に、吐血、下血)をきたし、潰瘍・びらん・出血が混在した病態を呈する。
- 病因はアルコール、薬物(アスピリン、ステロイド)、薬品、ストレス、食物(激辛食品など)、アニサキス、中枢神経系障害、熱傷、外科手術
- ■glossary
- inebriate
- vt. (人)を酔わせる(make drunk)。~を有頂天にする
- adj. 酔っぱらいの、大酒飲みの
- n. 酔っぱらい、大酒飲み
- pint n. (液体の単位)1パイント = 1/2クオート=(米)28.8753 inch cube = 0.473 liter = (英) 0.568 liter = 約500cc
- retch
- vi. むかつく、吐き気を催す、無理に吐こうとする
- vt. 吐く
- n. むかつく。ヒック(吐き気を催すときの音)
- lager n. ラガー(ビール)(貯蔵ビール;日本の普通のビール)
- violently adj. 激しく、猛烈に
- drunk adj. (pred)酔って。(fig)酔いしれて
- epigastrium n. 上腹部、心窩部
- blood grouping 血液型判定、血液型検査
- indulge
- vt. ~にふけらせる。気ままにさせる、(子どもを)甘やかす。(欲求などを)思いのままに満たす。喜ばせる、楽しませる。
- vi. (快楽・趣味などに)ふける、身を任す(in)。(略式)たらふく食べる、痛飲する。(~に)従事する。(好ましくないことに)かかわる(in)
- □Hematemesis and Melena(Differential Diagnosis in Primary Care 4th)
- ・吐血か喀血を見分けたい場合はnitrazine paperを使って判定
- ・身体開口部(body orifice)からの出血を鑑別するとき解剖学的なアプローチがよい。
- (食道)
- ・静脈瘤、逆流性食道炎、癌腫、マロリーワイス症候群。
- ・外来異物も忘れるな。
- ・先天性まれな病因として異所性胃粘膜によるバレット食道炎と潰瘍もある。
- ・大動脈瘤、縦隔腫瘍、肺癌が食道を潰瘍化させ出血させることもある。
- (胃)
- ・炎症:胃炎と胃潰瘍。アスピリンとアルコールも良くある原因
- ・幽門部静脈瘤で出血するかもしれない
- ・出血がひどく、他の原因が見つからなければ血液疾患を検索する。
- (診断への道)
- ・吐血の確固たる証拠がある時、内視鏡をつかえる状況にあれば問診とか検査で無駄な時間を使わずに内視鏡で診断&治療をやってしまえ。
- ・血液型検査、血液のクロスマッチ?して輸血の準備、凝固能検査など鑑別に必要な検査をやりなさい。内視鏡検査の準備をしている間に、アルコール、アスピリン、そのほかの薬品の服用、潰瘍の既往、食道疾患既往を聴け
- ・ひどい出血や最近の急な吐血の既往がなければ(内視鏡を使わずに?)伝統的なアプローチでも良い
- ・吐血の前に血液を伴わない嘔吐があればマロリーワイス症候群の診断の助けとなる。
[★]
- 英
- melena
- ラ
- melaena
- 同
- タール便 tarry stool
- 関
- 消化管出血(上部消化管出血、下部消化管出血)、黒色便、赤色便。吐血
定義
- (広義)便の中に血液が含まれている状態:黒色便、タール便、粘血便、鮮血便 (ただし潜血便は含まれない)
- (狭義)タール便
狭義
下血
分類
頻度
- IMD.566
出血部位と便の性状
- IMD.567
[★]
- 英
- upper gastrointestinal hemorrhage、gastrointestinal bleeding GIB
- 関
- 下部消化管出血、消化管出血、吐血
概念
上部消化管出血をきたす疾患
YN.A-40
IMD.382
- 1. 消化性潰瘍(胃潰瘍が十二指腸潰瘍の1.6-3倍)
- 2. 急性胃粘膜病変
- 3. 食道静脈瘤・胃静脈瘤
- 4. 悪性腫瘍
- 5. マロリー・ワイス症候群
頻度順
検査
- BUN/Cr比:有効循環血液量に対する反応として、腎前性高窒素血症が見られる。BUN 40mg/dl以上でCrが正常であれば1000ml以上の出血が考えられる。(IMD.386)
[★]
- 英
- hemoptysis ← ptysis
- 関
- 血痰
概念
- 下気道由来の血液であり、咳とともに喀出される泡沫状、鮮紅色の血液 ⇔ 吐血:嘔吐、暗赤色の血液 喀痰:痰のなかに血液が混在して喀出される
病因
治療
- 気道確保(窒息を回避する)、呼吸・循環管理、出血源の同定、原疾患の診断と止血
[★]
- 英
- hematin, haematin
- 関
- 吐血、ヘム、ヘミン hemin
[★]
- 英
- blood, (漢方)blood and body fluid energy
- 関
- 血液、血中