- 英
- body fluid
- 関
- 細胞外液、細胞内液
体液と血液の容量 ICU.184
|
男性
|
女性
|
体液
|
600 mL/kg
|
500 mL/kg
|
全血液
|
66 mL/kg
|
60 mL/kg
|
血漿
|
40 mL/kg
|
36 mL/kg
|
赤血球
|
26 mL/kg
|
24 mL/kg
|
体液の区分
- 成人で体重の60%
- 体液はさらに血漿・組織液・細胞内液に分類される
- 体液のうち、血漿のみが外部環境との連絡がある。すなわち開放系である。
- 血漿と組織液は濾過、浸透により物質が移動する
体液の組成
- 図:SP.761, PT.3
- 細胞外:Na+,Cl*が多い
- 細胞内:K+が多い
- 組織液:タンパク質が少ない
体液の恒常性
- 組成・量・浸透圧・pHはほぼ一定に保たれている
- 血漿電解質の正常値
- Na 139*146 mEq/l
- Cl 101*109 mEq/l
- K 3.7*4.7 mEq/l
- Ca 8.5*10.2 mg/dl
- P 2.5*4.5 mg/dl
- 血漿のタンパクの正常量
- TP 8.5 g/dl ←Total protein
- Alb 4.5 g/dl
- Globulin 3.0 g/dl
体液(水分)の出納
摂取
|
排出
|
食物
|
1100 ml
|
尿
|
1400 ml
|
飲水
|
1100 ml
|
不感蒸散
|
1000 ml
|
代謝水
|
300 ml
|
大便
|
100 ml
|
合計
|
2500 ml
|
合計
|
2500 ml
|
血漿浸透圧の正常値
- 275*290 mOsm/kg・H2O
- 血漿浸透圧の算出
血漿浸透圧(mOsm/kg・H2O) = 2[Na]+BS/18+BUN/2.8
[Na]:(mEq/l)
BS :blood suger, 血糖 (mg/dl)
BUN :blood urea nitrogen, 血中尿素窒素 (mg/dl)
7.35*7.45
Henderson*Hasselbalchの式 (この式の導出はSP.767)
pH=pK+log([HCO3*]/αPCo2)
体液の動態
1.血漿と組織液の間の移動
- 連続型毛細血管が血管と組織を隔てている→小さな分子は通し、大きな分子は通さない
- 血漿と組織液の間で体液の移動を考える際の要素は「静水圧(厳密には違う)」と「膠質浸透圧」である
|
静水圧
|
膠質浸透圧
|
細動脈
|
細静脈
|
血漿
|
30mmHg
|
10mmHg
|
25mmHg
|
間質
|
|
≒0mmHg
|
5mmHg
|
リンパ循環
- SP.583*も参考に。
- 毛細血管→組織液 20 l/day
- 組織液→毛細血管 18 l/day
- 組織液→リンパ循環 2 l/day
2.組織液と細胞内液の間の移動
- 組織液と細胞内液の間で体液の移動を考える際の要素は、「化学的平衡」と「電気的平衡」である。
PrepTutorEJDIC
- =humor
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/11/23 17:52:23」(JST)
[Wiki ja表示]
体液(たいえき)は、動物がなんらかの形で体内に持っている液体である。生物学的には、動物の体内にあって、組織間や体腔内、あるいは全身に広がった管や循環系の中を満たしているものだけを指す。
一般的には、唾液・汗・精液・尿など、体内外に分泌・排泄される様々な液体も体液と呼ばれることがある。
目次
- 1 分類
- 1.1 狭い意味での体液
- 1.2 ときに体液と呼ばれるもの
- 2 体液量
- 3 体液の組成
- 4 脚注
- 5 関連項目
- 6 参考文献
分類
体液は大きく細胞内液(ICF)と細胞外液(ECF)に分けられるが、細胞内液は体液に含まないことが多い。 細胞外液には、血液やリンパ液、血管の外の細胞間を満たす組織液、および体腔内の体腔液などが含まれる。
狭い意味での体液
- 血液
- リンパ液
- 組織液(組織間液、細胞間液、間質液)
- 体腔液
- 漿膜腔液
- 脳脊髄液(髄液)
- 関節液(滑液)
- 眼房水(房水)(→眼圧)
ときに体液と呼ばれるもの
体液量
体重70Kgの男性の体液の内訳[1]
全水分量42ℓ |
細胞外液14ℓ |
血漿(血管内)2.8ℓ |
間質液11.2ℓ |
細胞内液28ℓ |
ヒトの成人男性において、健常時の全体液(細胞内液+細胞外液)は体重の60%を占める。 内訳は、体重に対して細胞内液が40%、組織液が15%、血液(血漿のみ)・リンパ液が4.5%・体腔液などが0.5%である。 脂肪組織はほとんど水を含まないため、男性に比べて脂肪が多い成人女性では、体重に対する体液の比率が小さくなる(男性の8割ほど)。
体液比は年齢とともに減少していく。新生児で最も高く約78%であるが、これは細胞外液量が多いためである。4歳くらいで成人とほぼ同じ比率になる。一方、老人の体液比は約50%で、これは細胞内液量が減少したことによる。
体液量の測定法
生体の水分代謝の異常を知るためには体液量を測定する必要がある。 日常的には、尿量や尿比重、血液組成などから体液量を推測する間接的な方法を用いるが、より正確に知りたい場合には直接的な方法で測定する。
直接法の中で臨床的に使われる方法としては希釈法がある。これは、すみやかに体内に拡散して代謝や排泄が行われにくい標識物質を一定量投与し、平衡状態に達したときの濃度から各体液量を算出する方法である。
全体液量の測定には、標識物質として細胞内外に均一に分布するアンチピリンや重水が使用される。また細胞外液量測定には、細胞内に移行しないイヌリン、マンニトール、チオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムなどが標識物質となる。細胞内液量は直接測定できないため、全体液量と細胞外液量との差から求める。
血液量の測定には、アルブミンと結合して血中に長時間残留する色素Evans blueや、51Crなどの放射性同位元素を用いる。組織液量も直接測定できないため、細胞外液量と血液量の差から求める。
体液の組成
細胞内液は細胞質基質として、生命活動の基本となるさまざまな代謝の場となる。 その組成は細胞の種類によってさまざまであるが、電解質に関しては陽イオンとしてカリウムイオン、陰イオンとしてリン酸イオンとタンパク質が多い。
一方、細胞外液は細胞が生きるための環境である。 陽イオンとしてナトリウムイオン、陰イオンとして塩化物イオンが多く含まれ、ほぼ0.9%の食塩水である(生理的食塩水)。これは、生命が生まれた当時の海の環境を体の中に持ち込んだものとみなせるため、内部環境とも呼ばれる。
これらの電解質バランスは一定に保たれ、細胞の浸透圧が維持されている。 またその濃度勾配は、神経細胞の興奮や筋肉の収縮などの際に活動電位を生じさせるために必要となる。
様々な動物の体液中イオン組成 (mM) [2]
種 |
Na |
K |
Ca |
Mg |
Cl |
SO4 |
PO4 |
イオン強度(μ) |
ミズクラゲ |
454 |
10.2 |
9.7 |
51 |
554 |
14.6 |
|
0.68 |
ウロコムシ |
456 |
12.3 |
10.1 |
51.7 |
538 |
26.5 |
|
0.68 |
イガイ |
502 |
12.5 |
12.5 |
55.6 |
585 |
29.2 |
|
0.75 |
ミドリガニ |
468 |
12.1 |
17.5 |
23.6 |
524 |
|
|
0.54 |
アメリカザリガニ |
146 |
3.9 |
8.1 |
4.3 |
139 |
|
|
0.17 |
メクラウナギ |
544 |
7.7 |
5.4 |
10.4 |
540 |
4.4 |
1.5 |
0.77 |
ヤツメウナギ |
139 |
6.2 |
2.6 |
1.9 |
113 |
0.9 |
1.3 |
0.16 |
サメ |
254 |
8.0 |
5.0 |
2.5 |
255 |
|
2.0 |
0.29 |
マグロ |
188 |
9.8 |
3.9 |
|
167 |
|
2.0 |
0.16 |
マス |
101 |
6.2 |
2.5 |
1.4 |
140 |
0.4 |
1.2 |
0.15 |
ニワトリ |
154 |
6.0 |
2.5 |
2.3 |
122 |
|
0.7-1.5 |
0.16 |
ヒト |
145 |
5.1 |
2.5 |
1.2 |
103 |
2.5 |
1.0-2.0 |
0.16 |
脚注
- ^ 血圧と血中ナトリウム量の関係について教えてください(日本心臓財団)
- ^ 『新骨の科学』 医歯薬出版株式会社、2007年。
関連項目
参考文献
- 『岩波生物学辞典』第4版
- 金井正光編 『臨床検査法提要』改訂第32版
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- トルバプタンの適正使用 : 高ナトリウム血症,肝機能障害について (特集 心臓性浮腫とトルバプタン : 入院早期の体液管理における役割)
- 心不全に伴う腎うっ血の病態と治療 : 腎うっ血のMRI診断 (特集 心臓性浮腫とトルバプタン : 入院早期の体液管理における役割)
- 急性心不全早期のカルペリチド・トルバプタン併用効果の検討 (特集 心臓性浮腫とトルバプタン : 入院早期の体液管理における役割)
- トルバプタンの水の引き方 : 臓器うっ血の観点から (特集 心臓性浮腫とトルバプタン : 入院早期の体液管理における役割)
Related Links
- 体液(たいえき)は、動物がなんらかの形で体内に持っている液体である。生物学的には 、動物の体内にあって、組織間や体腔内、あるいは全身に広がった管や循環系の中を 満たしているものだけを指す。 一般的には、唾液・汗・精液・尿など、体内外に分泌・排泄 ...
- 人間の体液の構造は、「海水」にきわめて近い性質をしています。 その海水に似た体液 は、個々の細胞が住みやすいように、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、 塩素といった成分を常に一定のバランスに保つように、微妙な調整を行っています。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- ☆case84 嘔吐
- ■症例
- 32歳 男性
- 主訴:
- 現病歴:2 amにからり酔っぱらって救急部に受診。11.45 pmに気分が悪くなり2度嘔吐。嘔吐物は最初は苦く感じられ、それは食べ物と2Lのビールであった。1時間程度後に、何度か猛烈に吐き気を催した。1 amに鮮赤血を吐いた(bright red blood)。患者が言うには最初は少量だったが、2回目にはかなり多い量であった。服用薬なし。時々マリファナを吸う。タバコ1日10本、アルコール2-3 unit/week
- 既往歴:特記なし
- 家族歴:特記なし
- 生活歴:
- ・身体診断
- 酔っぱらっているように見える。口の周りに乾燥した血液の付着を認める。脈拍:102/分。(臥位(lying))血圧:134/80 mmHg。立位でも血圧の変化は認められない。心血管系、呼吸器系に異常を認めず。腹部:上腹部(心窩部)にわずかに圧痛。
- ・検査
- (血液生化学)
- 異常なし
- ■解説
- (第1パラグラフ)
- もっともな診断は、下部食道もしくは胃上部における吐血を引き起こす粘膜の裂傷である(Mallory-Weiss lesion/Mallory-Weiss tear/Mallory-Weiss laceration)。激しい嘔吐やむかつきによる機械的な外傷で生じる。本症例では、なれない大量飲酒によって生じた。
- (第2パラグラフ)
- 患者の話から出血量を見積もるのは難しい。吐血はびっくりするような出来事であり、吐血の量を多く見積もりがちである。ヘモグロ分派性状であり、急性の出血では吐血量を見積もる手がかりにならない。急性期にヘモグロ分が低ければ慢性の出血をほのめかす。著しい失血の最初のサインは頻脈と起立時の血圧低下であることがある。本症例の彼の脈波速いが、これは不安と関連しているのかもしれない。
- (第3パラグラフ)
- 吐血の他の原因は胃炎か消化性潰瘍である。何度か血液を含まない胃内容物のむかつきと嘔吐の話はマロリーワイス症候群に特徴的である。この疾患は普通介入を必要としない良性の病態である。確定診断は上部消化管内視鏡を必要とするが、典型的な症例ではいつも必要になるわけではない。時に、出血がもりひどかったり、壁の解離が粘膜より深いこともあり、穿孔につながる。
- (第4パラグラフ)
- この症例の管理は注意深い観察、嘔吐で失われた体液を戻すための静脈内輸液である。出血が激しい場合には血液型検査のために採血するが、輸血は必ずしも必要ない。彼は生徒大とH2 blockerで治療された。嘔吐は収まりそれ以上の出血も見られなかった。彼は将来のパーティでは通院しすぎないように決めた。
- ■管理(内科診断学 第2版 医学書院)
- ①本疾患の大多数は安静、絶食、制酸薬・粘膜保護薬の投与で保存的に治療できる。
- ②輸血が必要なほどの貧血は稀である。
- ③内視鏡検査時に出血している症例に対しては内視鏡的止血術を行う。
- ④クリッピング法(図4-89) [図] 、純エタノール局注法、アルゴンプラズマ凝固(APC)法などさまざまあるが、いずれの方法でも良好な止血成績を得られる。
- ■鑑別診断 (内科診断学 第2版 医学書院 p.843)
- ・特発性食道破裂(ブールハーフェ症候群)
- ・逆流性食道炎
- ・食道静脈瘤破裂
- ・出血性胃潰瘍
- ・急性胃粘膜病変(AGML)
- ■KEYPOINT
- ・吐血の前の血液を伴わない激しい嘔吐とむかつきの既往は、上部消化管の裂傷を示唆する。
- ・患者は血液の量を見積もるのが困難と分かるので、吐血で失われた失血の程度は多糸かでないし、消化管の中にとどまっている血液の量は分からない。
- ・アルコールは救急入院の約1/4と直接の連関があるという研究がある。
- □マロリーワイス症候群(内科診断学 第2版 医学書院)
- 嘔吐などにより腹腔内圧が急激に上昇して噴門部近傍に裂創が発生し、これを出血源として顕出血をきたしたもの。30-50歳代の男性に多く、全消化管出血例の約3-15%を占める。 アルコール多飲が原因となることが多いが、ほかに妊娠悪阻、乗り物酔い、脳腫瘍や髄膜炎、医原性のものとしては上部消化管内視鏡検査や心肺蘇生術など、原因となるものは種々である。 ②嘔吐などにより急激に腹圧が上昇すると、急激に胃内圧が上昇し、これにより食道胃接合部近傍に裂創が生じる。
- □吐血 hematemesis (内科診断学 第2版 医学書院)
- コーヒー残渣用の吐血 melanemesis
- 鮮血の吐血 hematoemesis
- □急性胃粘膜病変 acute gastric mucosal lesion AGML
- 急性胃炎の劇症型であり、急速に起こる腹痛(時に、吐血、下血)をきたし、潰瘍・びらん・出血が混在した病態を呈する。
- 病因はアルコール、薬物(アスピリン、ステロイド)、薬品、ストレス、食物(激辛食品など)、アニサキス、中枢神経系障害、熱傷、外科手術
- ■glossary
- inebriate
- vt. (人)を酔わせる(make drunk)。~を有頂天にする
- adj. 酔っぱらいの、大酒飲みの
- n. 酔っぱらい、大酒飲み
- pint n. (液体の単位)1パイント = 1/2クオート=(米)28.8753 inch cube = 0.473 liter = (英) 0.568 liter = 約500cc
- retch
- vi. むかつく、吐き気を催す、無理に吐こうとする
- vt. 吐く
- n. むかつく。ヒック(吐き気を催すときの音)
- lager n. ラガー(ビール)(貯蔵ビール;日本の普通のビール)
- violently adj. 激しく、猛烈に
- drunk adj. (pred)酔って。(fig)酔いしれて
- epigastrium n. 上腹部、心窩部
- blood grouping 血液型判定、血液型検査
- indulge
- vt. ~にふけらせる。気ままにさせる、(子どもを)甘やかす。(欲求などを)思いのままに満たす。喜ばせる、楽しませる。
- vi. (快楽・趣味などに)ふける、身を任す(in)。(略式)たらふく食べる、痛飲する。(~に)従事する。(好ましくないことに)かかわる(in)
- □Hematemesis and Melena(Differential Diagnosis in Primary Care 4th)
- ・吐血か喀血を見分けたい場合はnitrazine paperを使って判定
- ・身体開口部(body orifice)からの出血を鑑別するとき解剖学的なアプローチがよい。
- (食道)
- ・静脈瘤、逆流性食道炎、癌腫、マロリーワイス症候群。
- ・外来異物も忘れるな。
- ・先天性まれな病因として異所性胃粘膜によるバレット食道炎と潰瘍もある。
- ・大動脈瘤、縦隔腫瘍、肺癌が食道を潰瘍化させ出血させることもある。
- (胃)
- ・炎症:胃炎と胃潰瘍。アスピリンとアルコールも良くある原因
- ・幽門部静脈瘤で出血するかもしれない
- ・出血がひどく、他の原因が見つからなければ血液疾患を検索する。
- (診断への道)
- ・吐血の確固たる証拠がある時、内視鏡をつかえる状況にあれば問診とか検査で無駄な時間を使わずに内視鏡で診断&治療をやってしまえ。
- ・血液型検査、血液のクロスマッチ?して輸血の準備、凝固能検査など鑑別に必要な検査をやりなさい。内視鏡検査の準備をしている間に、アルコール、アスピリン、そのほかの薬品の服用、潰瘍の既往、食道疾患既往を聴け
- ・ひどい出血や最近の急な吐血の既往がなければ(内視鏡を使わずに?)伝統的なアプローチでも良い
- ・吐血の前に血液を伴わない嘔吐があればマロリーワイス症候群の診断の助けとなる。
[★]
- erratic adj. adj. 軌道の定まらない。一貫性のない、不安定な、不規則な
- bowel motion 腸運動、排便
- fit adj. adj. 体調がよい、健康で
- emaciated adj.
- glisten vi. ぴかぴか光る
- dislodge
- palliative
- erythema multiforme 多形紅斑
- dermatitis herpetiformis 疱疹状皮膚炎
- itch 痒み
- itching
- celiac disease セリアック病
- herpes gestationis 妊娠性疱疹
- 皮膚の水疱
- 83歳 男性
- 主訴:皮膚と口内における多数の水疱
- 現病歴:水疱は2日前より出現。水疱は破れやすく、赤色の有痛性病変が残る。3ヶ月前から5kg体重が減少しており、食欲が減退している。患者は体調の不調を自覚してた。排便習慣が不規則になり、排便にいくらか血液を認めた。
- 既往歴:生来、健康であり、既往なし。
- 生活歴:一人住まい
- 嗜好歴:喫煙・飲酒無し
- 服薬歴:処方薬なし。マルチビタミンタブレットは体調の不調を感じてから薬局で購入している。これ以外て薬を購入していない。
- 身体所見 examination
- 全身:emaciateで調子悪そうである
- 皮膚:全身の皮膚に水疱
- 口内:びらん(sore)あり sore→有痛性のびらん・潰瘍
- 脈拍:102/min、irregularly irregular → 不規則な不整脈 → ( )
- 血圧:160/78 mmHg
- 上記以外、心臓、呼吸器系に異常を認めない。
- 腹部触診:6cmの硬い結節を肝の辺縁に触知。可動性のある硬性の腫瘤を左腸骨窩に触知。
- 直腸診:鮮血色の血液と糞便の混合物が認められる
- 検査 examination
- 低値:Hb, MCV,Alb
- 高値:AlP
- Q1. まず皮膚病変の診断をつけろ。
- Q2. 次に皮膚病変と患者の病態を関連づけてみろ。
- A. 尋常性天疱瘡
- 特徴:表皮内水疱、弛緩性水疱、ニコルスキー現象、口内びらん、
- ・病因:癌腫、リンパ腫、胸腺腫、全身性エリテマトーデス、特定の薬物(ペニシラミン、カプトプリル)などによる
- 治療:ステロイド、免疫抑制薬
- 鑑別疾患
- ・水疱性類天疱瘡:緊満性水疱、水疱は尋常性天疱瘡に比べて破れにくく大型になりやすい。
- ・多形性紅斑:中心に水疱を伴った的形病変(target-shaped lesion with central blisters)。よく全身紅皮症と粘膜潰瘍と伴う(スティーブン・ジョンソン症候群)。病因は単純ヘルペスウイルス、薬剤(スルフォナミド)、悪性腫瘍。
- ・疱疹状皮膚炎:肘、膝、顔面に小水疱病変(vesicular lesion)が形成される。vesicleはblister(<0.5cm)より小さく、ひっかくことで破裂する。非常にかゆい。セリアック病に合併することがある
- ・その他の疾患
- ・糖尿病
- ・妊娠性疱疹
- ・家族性水疱疾患
- まとめ
- ・悪性腫瘍に合併しうる(→腫瘍の存在下で皮膚病変が出現したのであれば腫瘍随伴性天疱瘡と診断されるべき)、
- ・天疱瘡は気づかないうちに体液を喪失し、あるいは水疱からの感染の結果としての敗血症が生命を脅かす。
[★]
- 英
- circulating blood volume, total blood volume, BV
- 同?
- 血液量
- 関
- 体液、血液、心拍出量
循環血液量:ml/kg
- 091208II 麻酔
|
新生児
|
乳児
|
幼児以降
|
高齢者
|
循環血液量(ml/kg)
|
90
|
80
|
70
|
60
|
体重に対する血液量(%)
|
9
|
8
|
7
|
6
|
体液と血液の容量
- ICU.184
|
男性
|
女性
|
体液
|
600 mL/kg
|
500 mL/kg
|
全血液
|
66 mL/kg
|
60 mL/kg
|
血漿
|
40 mL/kg
|
36 mL/kg
|
赤血球
|
26 mL/kg
|
24 mL/kg
|
循環血液量_計算
- 小川等の方法(清水加代子他 著:新臨床検査技師講座7臨床生理学.医学書院 256-257,1985.)
- 循環血液量BV(L) 身長H(m) 体重W(kg)
- adult♂ (成人男子)BV = 0.168H^3+0.050W+0.444
- adult♀ (成人女子)BV = 0.250H^3+0.0625W-0.662
- 輸血
臨床関連
[★]
- 英
- temperament、constitution、humor、humour、temperamental
- 関
- 構成、構造、組成、体液、体質、体格、ユーモア、気性
- パーソナリティー(個人の感情、意志、行動などの特徴)のうち先天的なもの。
[★]
- 関
- body fluid、constitution、fluid、humor、temperament、temperamental
[★]
- 関
- 体液
- 体液は、「浸透圧」と「量」というパラメータで調節されているが、これらの調節は密接に関連している。
体液の浸透圧の調節
体液の量の調節
- NaClが摂取されると浸透圧調節形により水が保持され、細胞外液が増す。細胞外液は主としてNaCl量で決まる(PT.478)
- 体液量保持
- 体液量減少
[★]
- 英
- body fluid volume
- 関
- ナトリウムホメオスタシスと細胞外液量の調節:SP.763
- ナトリウム輸送の調節:SP.792
体液量の増加
- 糸球体濾過量の増加 → 遠位尿細管でのCl-濃度低下(原尿の流速が早いということ) → レニン分泌抑制 → RAA系抑制
- 心房性ナトリウム利尿ペプチド分泌
- 抗利尿ホルモン分泌抑制
[★]
- 英
- humoral hypercalcemia of malignancy HHM
-humoral hypercalcemia of malignancy
- 同
- HHM
[★]
- 英
- volume depletion
- 関
- [[]]
[★]
- 英
- body fluid compartment