- 英
- herpes simplex virus, HSV
- 同
- ヒトヘルペスウイルス
- 関
- ウイルスヘルペスウイルス科アルファヘルペス亜属
- 単純ヘルペスウイルス感染症、ウイルス
ウイルス学
- ヘルペスウイルス科アルファヘルペスウイルス属に属する
- エンベロープ有り
- 二本鎖DNA
- 三叉神経節(1型)、仙骨神経節(2型)に潜伏感染。
- 時折、再活性化される。
病原体
- 単純ヘルペスウイルスI型(ヒトヘルペスウイルス1型 human herpes virus-1 HHV-1)
- 単純ヘルペスウイルスII型(ヒトヘルペスウイルス2型 human herpes virus-2 HHV-2)
潜伏期間
- 単純ヘルペスウイルスI型(ヒトヘルペスウイルス1型)
- 口唇、目などに病巣を形成
- 単純ヘルペスウイルスII型(ヒトヘルペスウイルス2型)
- 陰部を中心とした感染
感染経路
症状
感染症
- 持続感染(潜伏感染)-→一生存在し続ける-→回帰発症(感冒、ストレス、日焼け、月経、末梢神経への外科的侵襲)
- 不顕性感染が多い?
- 神経向性が強い
- 一次増殖(局所)--(求心性の軸索流にのって神経節へ)-→神経細胞内に潜伏感染
- 母胎の単純ヘルペスウイルス感染による。約90%の症例が母子感染で、こののうち30%が死亡する。
- 母胎が性器ヘルペスに罹患してた場合、初感染の場合には50%、再感染では3%の割合で母子感染(経産道感染)が見られる。
治療薬
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/24 05:40:01」(JST)
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単純ヘルペスウイルス(たんじゅん-、Herpes simplex virus)とはウイルスの一つ。
目次
- 1 種類
- 2 臨床像
- 3 治療
- 4 脚注
- 5 関連項目
種類
DNAウイルスのヘルペスウイルスの一種。
- HSV-1 (Herpes simplex virus type 1)=学名:HHV-1 (human herpesvirus-1)
- HSV-2 (Herpes simplex virus type 2)=学名:HHV-2 (human herpesvirus-2)
150Kbpのゲノム全長を持ち、80種類以上の遺伝子をコードしている。宿主の細胞膜を自身のエンベロープとして保有し、その内側にテグメントタンパク質、更に内側にカプシド、カプシド内にウイルスDNAが詰め込まれている。成熟粒子は100〜150 nm(1ナノメートル=1ミリメートルの100万分の1)の大きなウイルスである。
皮膚や粘膜を介してヒトに感染したウイルスは、エンベロープを宿主細胞膜と融合 (fusion) させることで細胞に侵入する。細胞内にはテグメント (tegument) およびヌクレオカプシド (nucleocapsid) が放出される。核内でウイルスタンパク質合成、DNA合成が進み子供ウイルスが作られ、最終的に細胞外へと脱出する。ここでまた隣の細胞に感染することもある。
ウイルスは神経にそって上行し、脊髄神経節や三叉神経節や仙髄神経節に潜伏感染する。
潜伏感染時にウイルスDNAやタンパク質は合成されず、LAT (latency associated transcript (en)) とよばれる転写産物だけが検出される。
臨床像
- HSV-1 (Herpes simplex virus type 1) は主に口唇ヘルペスを生じ、ヘルペス口内炎、ヘルペス角膜炎、単純ヘルペス脳炎の原因となりうるとともに三叉神経節に潜伏感染する。
- HSV-2 (Herpes simplex virus type 2) は主に性器ヘルペス、新生児ヘルペス、ヘルペス髄膜炎、ヘルペス脊髄炎の原因となりうるとともに仙髄の脊髄神経節に潜伏感染する。
- 一般的にHSV-1は性器ヘルペスを起こさないと思われているが、実際はHSV-2同様原因となりうる。性習慣の変遷とともに必ずしもHSV-1が口、HSV-2が性器といった完全な棲み分けは成り立たない。
- 初感染したHSVは局所にて病巣を生じたのち、または不顕性感染のまま上記の神経節に潜伏感染する。免疫低下時や免疫抑制剤などの投薬時に再活性化され局所に痛みを水疱、びらんなどの症状を伴って現れることがある。これらの水疱を採取してトリパンブルー溶液などで染色、顕微鏡下で観察するとballooning-cellと呼ばれる巨細胞をしばしば認める。
- 再発性が高く、同じ場所に病巣が再発することが多い。
- ヘルペス瘭疽(ひょうそ):手指などに単純疱疹が多発し、相当な痛みを伴う。看護師などの医療関係者、重傷のアトピー性皮膚炎の患者などに起こることがある。
- ヘルペス後神経痛:ウイルスの頻繁な再発等で感染した部位を中心に広範囲な神経痛(痛み、痺れ、疼痛)が後遺症として残ることがある。
- HSV-1は、頭頸部や中枢神経系のほかにも、肺や肝臓で感染症を引き起こすことがある[1]。
治療
- ヘルペスウイルスなので、アシクロビルが有効。神経節内の潜伏感染しているウイルス対してアシクロビルは無効である。アシクロビルはウイルスのDNA複製を特異的に阻害するため感染細胞内増殖中のウイルスに対してのみ効くとされている。よって、再発を繰り返す。
- 角膜への感染にはイドクスウリジン (IDU) を点眼する。
- 米国では、再発性ヘルペスウイルス感染者に対し毎日アシクロビルやバラシクロビルを一年ほど服用させることでその後の再活性化を抑えようという治療(再発抑制療法)が認可されている。
- 日本でも、再発性ヘルペスウイルスに対し毎日アシクロビルやバラシクロビルを一年ほど服用させることでその後の再活性化を抑えようという治療が2006年9月より認可されている。
- ヘルペスウイルスの頻繁な再発等による後遺症として残った神経痛を和らげるためには長期間の治療が必要となる。神経痛を和らげる為の治療法については各製薬会社や医療機関により現在も研究開発が進められている。海外では2002年米国で英国系製薬会社による女性対象に単純ヘルペスワクチン候補薬の治験が実施される。現在も米国及び英国で単純ヘルペスワクチン及び局所感染予防薬や完治薬の研究開発中である。日本国内での研究では東京大学や大阪大学で単純ヘルペス感染の仕組みが解明されている完治に向けた新しい治療法や感染予防法の開発に生かされている。最近の研究成果により東京大学で薬剤ML-7により単純ヘルペス感染予防の動物実験に成功している。
脚注
- ^ O'Connor MB and Phelan MJ. Rheumatol Int. 2011 Jan 18. [Epub ahead of print]
関連項目
- 感染症
- 単純疱疹(単純ヘルペスウイルス感染による皮膚疾患)
|
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Japanese Journal
- 単純ヘルペスウイルスキット : チェックメイトヘルペスアイ (特集 小児の感染症診断Update : 迅速診断法を中心に) -- (新規保険収載検査法について)
- ヘルペスウィルスの薬剤耐性化と病原性 (特集 薬剤耐性Up-to-Date : 感染症・がん領域を中心に) -- (感染症領域)
- 症例報告 単純ヘルペスウイルスにより壊死性臍帯炎となり早産に至った1例
Related Links
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- 単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症では、皮膚や粘膜に小さな痛みのある水疱が 繰り返し発生します。 単純ヘルペスウイルスにはHSV-1とHSV-2の2つの型があります 。HSV-1は唇にできる単純ヘルペス(口唇ヘルペス(口内炎: ヘルペス性口内炎を参照)) や、 ...
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[★]
- 62歳の女性。失見当のため来院した。7日前から歯痛があり食欲不振となり、3日前から頭痛が出現した。今朝、自宅にいるのにコンビニの中と勘違いし、携帯電話をまんじゅうと思いかじりついたため、心配した家族に伴われて受診した。意識レベルはJCS Ⅰ-3。身長 156cm、体重 45kg。体温 38.2℃。脈拍76/分、整。血圧 108/60mmHg。呼吸数 18/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。場所と時間の見当識障害がある。言語理解と物品呼称が障害されている。項部硬直を軽度に認める。脳神経、運動系および感覚系の異常を認めない。手に持ったものは何でも口に入れようとする。血液所見:赤血球 410万、Hb 13.1g/dL、Ht 40%、白血球 6,600、血小板 31万。血糖 96mg/dL。CRP 0.2mg/dL。脳脊髄液所見:初圧 230mmH2O(基準 70~170)、外観は無色透明、細胞数 74/mm3(基準 0~2)(単核球 96%、多形核球 4%)、蛋白 62mg/dL(基準 15~45)、糖 60mg/dL(基準 50~75)。頭部MRIの拡散強調冠状断像(別冊No. 3)を別に示す。
- 原因として考えられる病原体はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110A021]←[国試_110]→[110A023]
[★]
- 11か月の乳児。皮膚の発赤とびらんとを主訴に来院した。10日前から顔面に皮疹を認めていた。皮疹は次第に全身に拡大し、びらんを伴うようになった。37.8℃の発熱を認めたが機嫌は良く、食欲も低下しなかった。全身状態は良好。眼球結膜と口腔粘膜とにびらんと出血とを認めない。顔面、前頸部、肘窩、膝窩、鼠径部および陰部にびらんを伴う広範な発赤を認める。血液所見:赤血球416万、Hb12.8g/dl、Ht 39%、白血球11,200、血小板22万。CRP 0.3mg/dl。来院時の顔面の写真(別冊No.18)を別に示す。
- この疾患の原因となる病原体はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107A044]←[国試_107]→[107A046]
[★]
- 26歳の男性。灼熱感を伴う皮疹を主訴に来院した。3日前にテニスをした後から咽頭痛と鼻汁が出現したため、市販の感冒薬を内服して就寝した。翌朝、口周囲、陰茎および足背に類円形の紅斑を生じ、次第に灼熱感を伴うようになったため受診した。再発性口唇ヘルペス、花粉症の既往がある。1年前の発熱時に足背の同一部位に紅斑を生じたが、皮疹は約1週間で軽快した。口周囲と右足背の写真(別冊No. 4)を別に示す。
- 皮疹の原因として最も可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113A018]←[国試_113]→[113A020]
[★]
- 67歳の女性。左上眼瞼が垂れ下がって見えにくいことを主訴に来院した。2か月前、左耳の痛みと痒みとがあり、耳介と外耳道とに小水疱を認めたが、特に治療せず2週ほどで軽快した。その後、左上眼瞼の下垂に気付いた。両側上眼瞼の挙筋力には左右差を認めない。両眼を閉じながら「いー」と発声しようとした時の顔面の写真を以下に示す。
- 原因微生物はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A053]←[国試_099]→[099A055]
[★]
- 33歳の男性。発熱と顔面の皮疹とを主訴に来院した。幼少期からアトピー性皮膚炎があり、治療を受けていた。2日前から38℃台の発熱、顔面の紅斑、びらん及び小水疱が出現している。顔面の写真(別冊No.8A)と水疱内容のTzanck試験のMay-Giemsa染色標本(別冊No.8B)とを別に示す。
- 原因として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107I044]←[国試_107]→[107I046]
[★]
- 6歳の男児。昨日からの咽頭痛と39.0℃の発熱とを主訴に来院した。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。リンパ節の腫脹を認めない。皮疹を認めない。咽頭部の写真(別冊No. 7)を別に示す。
- 原因として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106I040]←[国試_106]→[106I042]
[★]
- 26歳の女性。子宮頚がん検診のために来院したところ、外陰部の皮膚病変を認めた。病変は淡赤色で鶏冠状の小結節であり、会陰から肛門周囲の皮膚まで広がっている。痒みと痛みとを訴えていない。
- この疾患の原因として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106I042]←[国試_106]→[106I044]
[★]
- 47歳の男性。3日前から右眼の眼痛と流涙とが出現してきたので来院した。右眼のフルオレセイン生体染色による前眼部写真を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [095G007]←[国試_095]→[095G009]
[★]
- 母体の感染と胎児・新生児疾患の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101F070]←[国試_101]→[101F072]
[★]
- 易感染性宿主(compromised host)における間質性肺炎の原因として頻度が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099E069]←[国試_099]→[099E071]
[★]
- 女性の骨盤内炎症性疾患<PID>の原因となるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102I007]←[国試_102]→[102I009]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F009]←[国試_101]→[101F011]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103G007]←[国試_103]→[103G009]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106A001]←[国試_106]→[106A003]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102I032]←[国試_102]→[102I034]
[★]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103A018]←[国試_103]→[103A020]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095B071]←[国試_095]→[095B073]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096H066]←[国試_096]→[096H068]
[★]
- 英
- meningitis
- 同
- 脳脊髄膜炎、
- 関
- 蛋白細胞解離
病因
- 感染症(細菌、ウイルス、真菌など)、悪性腫瘍の浸潤 → 髄膜の炎症
分類
病原体
- 菌血症→脳脈絡叢→髄腔
- 菌体成分(LPSなど)→BBB, 上衣細胞、脳細胞の障害。神経膠細胞による炎症サイトカインの分泌
- 血行性、あるいは神経軸索によりウイルスが髄腔に波及。
臨床経過
宿主要因と髄膜炎に関わる病原体
- 頻度・年齢階層が資料によって異なるため混乱しないように注意。
YN.J-137改変
first aid step1 2006 p.161
- incidence of H. influenzae meningitis has ↓ greatly with introduction of H. influenzae vaccine in last 10–15 years.
CBT QB vol2 p.562
IMD.1042
小児細菌性髄膜炎起炎菌(PED.606)
新生児
- Streptococcus agalactiaeは産道感染
- Escherichia coliもおそらく産道感染
新生児と老人
- Listeria monocytogenesは産道感染するので新生児に多い。新生児と老人に多いのは通性細胞内寄生菌で細胞性免疫の弱い宿主に感染やすいため?
乳児~幼児
- Haemophilus influenzae type B
乳児~大人
- Enteroviruses
- Neisseria meningitidis
小児~大人
乳児~老人
老人
髄膜炎の鑑別
|
|
細菌性髄膜炎
|
ウイルス性髄膜炎
|
結核性髄膜炎
|
真菌性髄膜炎
|
癌性髄膜炎
|
| 外観
|
混濁
|
clear
|
水様~ キサントクロミー 日光微塵
|
clear~ 日光微塵
|
clear~ キサントクロミー
|
圧 70-180 (mmH2O)
|
↑↑ 200~800以上
|
↑ 200~300
|
↑ 200~800
|
↑ 200~800
|
↑ 200~300
|
細胞 0-5 (/mm3)
|
500~数百万
|
10~1,000
|
25~1,000
|
25~1,000
|
25~500
|
| 好中球
|
リンパ球
|
リンパ球
|
リンパ球
|
好中球
|
タンパク 15-45 mg/dl
|
↑↑ 50~1,500
|
↑ 正常~100
|
↑ 50~500
|
↑ 100~500
|
↑ 50~500
|
糖 50-80 mg/dl
|
↓↓ 0~40
|
→ 正常
|
↓↓ ~40
|
↓↓ ~40
|
↓ ~40
|
予後不良因子
- 入院時の状態に依存する:痙攣、意識レベルの変化、低血圧 (IRE.407)
国試
[★]
- 英
- mother-to-child transmission MTCT
- 関
- 垂直感染, vertical disease transmission, vertical transmission、周産期感染症
母子感染において重要なウイルス
- RV :風疹ウイルス:先天性風疹症候群
- CMV :サイトメガロウイルス巨細胞封入体症
- HSV :単純ヘルペスウイルス:新生児ヘルペス
- VZV :水痘・帯状疱疹ウイルス:先天性水痘帯状疱疹症候群
- B19V:パルボウイルス:非免疫性胎児水腫
- HPV :ヒトパピローマウイルス:咽頭乳頭症
その他
- HBV :B型肝炎ウイルス感染症
- HCV :C型肝炎ウイルス感染症
- HIV :ヒト免疫不全ウイルス感染
- HTLV:ヒトT細胞白血病ウイルス感染症
TORCHS症候群
- TO:トキソプラズマ
- R :風疹ウイルス
- C :サイトメガロウイルス
- H :ヘルペスウイルス(単純ヘルペス、水痘・帯状疱疹ウイルス)
- S :梅毒
母子感染の経路
- 資料2
1. 胎内感染
- 1. 母体が感染した場合,あるいは持続感染した微生物が再活性化した場合に,母体血を介し胎盤から臍帯を通じ児に感染
- 2. 胎盤に感染した微生物が増殖し児に感染
- 3. 子宮頸部や腟から上行性に羊膜や羊水を介し感染
2. 分娩時感染
- 1. 産道感染:
- 1. 子宮頸部,腟,外陰部などに感染している微生物が分娩時に産道内で児の粘膜などから感染
- 2. 産道内の母体血中の微生物が児の粘膜などから感染
- 2. placental leakage : B 型肝炎ウイルスやHIV の胎内感染率が切迫早産既往群に多いことから推定された.母体血の新生児血中への混入量を胎盤性アルカリフォスファターゼを指標として測定した場合,予定帝切群で0.8ml/kg(新生児体重)、経腟分娩群で1.2ml/kg と有意差があるという報告もある
3. 経母乳感染
- 母乳中の微生物や感染リンパ球が経口的に児に感染。
- サイトメガロウイルスは経母乳感染をするが、成熟児はこの感染により自然免疫を得て,成人してから初感染することは防げる。
- 1,500g 未満の極低出生体重児では経母乳感染により,肝炎などを発症する可能性がある。
母子感染症
- G10M.168
- G10M.182改変
感染時期と胎児影響
- 妊娠初期:早産、先天性胎児奇形:風疹ウイルス、水痘ウイルス、麻疹ウイルス、HHV-6、パルボウイルスB19
- 妊娠中期~末期:新生児ウイルス感染:単純ヘルペスウイルス、水痘ウイルス、サイトメガロウイルス、梅毒トレポネーマ(妊娠13週までは胎児感染しにくい)
資料
- http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5809-416.pdf
- http://www.jsog.or.jp/PDF/56/5609-535.pdf
[★]
- 英
- myocarditis
- 関
概念
- 種々の原因により心筋が局所的・びまん性に炎症性が生じた病態
分類
経過
病理学的
- (特発性)巨細胞性心筋炎:心筋生検あるいは剖検による組織学的検索で、炎症巣に多核巨細胞を認める場合で、なおかつ心臓サルコイドーシスが除外されるもの。好酸球とリンパ球の浸潤が強く、心筋壊死が高度である。
- 好酸球性心筋炎:心筋生検にて好酸球の浸潤・脱顆粒、心筋の破壊、末梢血における好酸球の増加が認められるもの。
類縁疾患
年齢
ガイドラインによる分類
| 病因分類
|
組織分類
|
臨床病型分類
|
| ウイルス
|
リンパ球性
|
急性
|
| 細菌
|
巨細胞性
|
劇症型
|
| 真菌
|
好酸球性
|
慢性(遷延性/不顕性)
|
| リケッチア
|
肉芽腫性
|
|
| スピロヘータ
|
|
|
| 原虫,寄生虫
|
|
|
| その他の感染症
|
|
|
| 薬物,化学物質
|
|
|
| アレルギー,自己免疫
|
|
|
| 膠原病,川崎病
|
|
|
| サルコイドーシス
|
|
|
| 放射線,熱射病
|
|
|
| 原因不明,特発性
|
|
|
疫学
病因
- 参考1より
YN.C-137
- ウイルス(コクサッキーB、エコーウイルス、ヘルペスウイルス。風疹ウイルス、ムンプスウイルス、インフルエンザウイルスでも生じる)、細菌、心筋、原虫(シャーガス病)。
- 化学物質、放射線、膠原病、特発性
病理
- 実質性心筋炎 parenchymatous myocarditisと間質性心筋炎 interstitial myocarditisの像がみられる。
- 心筋細胞の融解、間質浮腫、円形細胞浸潤、壊死巣形成
病態
- ウイルス性の場合、免疫反応に基づき心筋を障害する。
- 薬剤性の場合は、薬剤による心筋障害
- 心筋の障害 → 伝導障害、不整脈、心不全、ショック
経過
- 急性の場合、かぜ症状や消化器症状に続発。これらの初発症状から数時間から数日で心症状が出現(YN.C-137)。
身体所見
心臓
- (重症の場合)muffled first heart sound, along with a third heart sound (HIM.1486)
- (心不全に至れば)奔馬調律(gallop rhythm) (YN.C-138)
- 心雑音:(重症の場合)a murmur of mitral regurgitation (HIM.1486)
- 心膜摩擦音:心膜炎を伴った場合に聴取
肺
症状
検査
- 心電図、心エコー所見、単純胸部X線写真、及び症状がが短時間に変化していくのはacute myocarditisを示唆(IMD)
- 心電図:(特異的な変化はない)非特異的ST-T変化、QRS低電位、異常Q、ST上昇(心膜炎があれば)、心室内伝導障害、房室ブロック
- 血液検査:心筋障害、炎症を示唆する様な結果
- CK-MB、LDH、AST上昇、CRP陽性、ESR亢進、WBC増加
- ウイルス学的検査:
- 心エコー:壁運動低下、(間質に浮腫が認められれば)壁肥厚、心室腔拡大(心不全)、心嚢液貯留(心膜炎)
- 心筋生検:心臓への炎症細胞の浸潤。
- 好酸球増加性心疾患による心筋炎:急性期に心内膜を中心とした好酸球の浸潤:*自己免疫疾患(劇症型心筋炎、重症筋無力症、潰瘍性大腸炎など)による心筋炎:多核巨細胞の出現
- 核医学検査:67Ga,99Tc-ピロリン酸の心臓への集積。
診断
鑑別疾患
- 心筋梗塞
- 甲状腺機能低下症、心筋障害を伴うミオパチー
- 膠原病
- (慢性心筋症の鑑別)拡張型心筋症
治療
- ウイルス性心筋炎では根治療法がなく、対症療法にとどまる。
- 不整脈:(完全房室ブロック)体外式一時ペーシング、(頻脈性不整脈)除細動・抗不整脈薬
- 心不全:SGカテーテルで血行動態を見ながら、利尿薬、血管拡張薬、カテコラミンを使用する。
- 重症心不全・ショック:経皮的心肺補助(PCPS)、大動脈内バルーンパンピング(IABP)
- ステロイド、免疫グロブリン:考慮されることがあるがエビデンスなし。
予後
- 急性型は予後良好であるが、劇症型心筋炎、拡張型心筋症にいたる場合もある。
参考
- 1. 急性および慢性心筋炎の診断・治療に関するガイドライン - 日本循環器学会
[★]
- 英
- sexually transmitted disease, STD, STI
- 同
- 性行為感染症
- 関
- 性病
定義
- 性行為を介して、ヒトからヒトへ病原微生物が直接伝播する感染症の総称
- 性行為は性交のみに限らず、また異性間の場合も同性間の場合も含まれ,性器以外の性交に類似した行為も該当する。
疫学
♂:淋菌性尿道炎 > クラミジア性尿道炎 > 性器ヘルペス > 尖圭コンジローマ
♀:クラミジア性尿道炎 > 性器ヘルペス > 尖圭コンジローマ > 淋菌性尿道炎
性感染症
治療薬
- QB.Q-265
URL
- http://sks.oriaca.net/
- http://www.jsog.or.jp/PDF/51/5109-203.pdf
[★]
- 英
- congenital anomaly, congenital abnormality
- ラ
- congenitalis anomalia
- 同
- 先天性異常
- 関
- [[]]
[show details]
発生
- 発生第3-8週(妊娠第5-11週)に器官原基形成(発生第3週に三胚葉性胚盤となり、第3週末に中枢神経の分化が始まり第8週までに主要な器官原基が確立される。
感受性の高い時期
| 妊娠区分
|
妊娠初期
|
| 胎齢
|
|
|
0
|
1
|
2
|
3
|
4
|
5
|
6
|
7
|
8
|
9
|
10
|
11
|
12
|
13
|
| 妊娠週数
|
0
|
1
|
2
|
3
|
4
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5
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6
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12
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| 妊娠月数
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第1月
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第2月
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第3月
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第4月
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器官原基形成
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原因
- NGY.512
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- X線:小頭症、二分脊椎、口蓋裂、四肢の異常
- 高熱:無脳症
- 耐糖能異常合併妊娠:種々の奇形:心臓や神経管の異常