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肺

英
lung
関
肺区域、肺野、呼吸器の上皮の移行
  • 図:M.78 N.204(肺のリンパ系),197(肺区域)

解剖

  • 重量:右:500g, 左:400g
  • 葉:右3葉、左2葉
右上葉、右中葉、右下葉、左上葉、左下葉


発生

L.247
  • 肺の上皮、喉頭、気管、および気管支の内面を覆う上皮 → 内胚葉
  • 気管および肺の軟骨性要素と筋要素、結合組織 → 中胚葉(臓側中胚葉)


NGY.283
  • 妊娠16週頃:気管、気管支が分岐し腺状構造をなす(腺状期)
  • 妊娠16-24週頃:管状構造を形成し、毛細血管が上皮に接触する。(管状期)
  • 以降、肺胞上皮が二種類に分化し、肺胞が形成される。  肺表面活性物質
  • 妊娠28週頃:毛細血管が肺胞腔に露出

機能

  • 呼吸
  • 換気#換気(肺)

肺の構造

SSUR.323
区分 気管支腺 軟骨 平滑筋 弾力線維
気管 2+ 3+ 2+ 4+
葉気管支 2+ 3+ 3+ 3+
区域-小気管支 2+ 2+ 3+ 3+
肺小葉 細-終末気管支 - - 3+ 3+
肺胞道 呼吸細気管支 - - - +
肺細葉 - - - +
肺胞/肺胞嚢 - - - 2+

臨床関連

  • 肺の打診 (M.72)

胸部X線解剖

  • 右第1弓:上大静脈
  • 右第2弓:右心房
  • 左第1弓:大動脈弓
  • 左第2弓:肺動脈幹
  • 左第3弓:左心房(左心耳)
  • 左第4弓:左心室




シルエットサイン

  • 右第2弓:(陽性)[上葉]内側中葉区(S5)、[下葉]内側肺底区(S7)、(陰性)[下葉]上-下葉区(S6)???、後肺底区(S10)????  → 陰性だったら背面の区域、つまりS6,S10と考えて良いのではないだろうか?
  • 左第4弓:(陽性)[上葉]上舌区(S4)、下舌区(S5)、[下葉]前内側肺底区(S7+8)、(陰性)[下葉]上-下葉区(S6)???、後肺底区(S10)??? → 同様にS6,S10と考えて良いのでは?

肺のリンパ節

肺区域

  • 左肺は心臓があるために、右とは異なる形状・肺区域を有する。
  • S1とS2はまとめてS1+2と呼ばれる
  • S7とS8はまとめてS7+8あるいはS8と呼ばれる ← 心臓が左胸腔に全内側に突出しているからと考える
  • 背側にある区域は2・6・10と覚えよ

臨床関連

  • 分葉異常:奇静脈の走行異常による右上葉の奇静脈葉が最も多い(QB.I-295)


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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/11 07:40:25」(JST)

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この項目では、現代医学について説明しています。東洋医学については「肺 (五臓)」をご覧ください。
肺
英語 Lung
器官 循環器
呼吸器
動脈
肺動脈
静脈
肺静脈
神経
肺神経叢
胸肺枝

肺(はい)は、脊椎動物の器官の1つである。肺臓とも呼ばれる。空気中から得た酸素を体内に取り込んだり、老廃物である二酸化炭素を空気中に排出する役割(呼吸)を持つ。これに対して水中から得た酸素を取り込み、水中に排出する器官が鰓(えら)である。

なお、無脊椎動物でも、体内に一定の腔所を持ち、その内側でガス交換を行う器官を肺と呼ぶ。節足動物のクモ型綱、軟体動物の腹足綱にその例がある。

ヒトの肺(濃い灰色の臓器)は左右に一対備わる呼吸器の一つ。この図では中央下の心臓を露出するために肺の心臓よりの部分をめくりあげている。

目次

  • 1 ヒトの肺
    • 1.1 構造
      • 1.1.1 気道と肺胞
      • 1.1.2 血管
    • 1.2 生理
    • 1.3 ヒトの肺のCT解剖学
  • 2 脊椎動物における肺
    • 2.1 肺の起源
    • 2.2 肺循環の分化
    • 2.3 硬骨魚類の肺
    • 2.4 両生類の肺
    • 2.5 爬虫類の肺
    • 2.6 鳥類の肺
    • 2.7 恐竜の肺
    • 2.8 哺乳類の肺
  • 3 無脊椎動物の肺
  • 4 脚注
  • 5 参考文献
  • 6 外部リンク

ヒトの肺

ヒトの肺は胸腔の大部分を占める[1]。主に気道と血管からなり、両者は肺胞で接してガス交換を行っている。肺胞は約3億個で、総表面積は約60m2。肺の重さは一つあたり男性が約1,000g、女性は900g。

構造

肺は横隔膜・肋間筋に囲まれた胸郭の中にある。肺の表面を覆っている漿膜を胸膜と言い[1]、横隔膜や肋間筋を裏打ちしている。肺を覆っている胸膜を臓側胸膜(肺胸膜)と言い、横隔膜や肋間筋を裏打ちしている胸膜を壁側胸膜と言う。臓側胸膜と壁側胸膜は辺縁で連続していて、一枚の扁平な袋になっている。この袋の中を胸膜腔と言い、漿液である胸膜内液で満たされている[1]。

肺は左右に2つあり、それぞれの尖った上部は肺尖、下面は肺底と呼ばれているものの、左右対称ではない。右肺は上から順に上葉・中葉・下葉からなり、左肺はやや小さく上葉・下葉からなる[1]。この5つの肺葉を大葉と言う。左肺に中葉がないのは、左右の肺を隔てる縦隔にある心臓が体幹の中心よりも左に寄っており、その分スペースが小さい為である。大葉は更に細かく10の肺区域に分けられる。

気道と肺胞

口や鼻から入る空気の通り道を気道と言う[2]。気道は咽頭で一つになり、喉頭で食道から前方に枝分れして気管になる[3]。気管は縦隔で左右に枝分れして気管支になる[2]。右肺は3葉あるので右気管支は気管から約25°の角度で枝分れする。左肺は心臓の分だけ上に寄っているので左気管支は気管から約35-45°の角度で枝分れする。 気管支は大葉へ向けて分岐し、さらに肺小葉に向けて分岐する。分枝を繰り返して軟骨を持たない複数弾性繊維を豊富に持つ終末細気管支を経て呼吸細気管支になり、その先端には肺胞がブドウのように密集している[1]。枝分かれは一定の法則に従って自己組織化するため、フラクタル構造になっている。

気管支には杯細胞や線毛細胞がある。細気管支にはクララ細胞がある。肺胞にはI型肺胞上皮細胞、II型肺胞上皮細胞がある。気管支にある杯細胞は気管粘液を出して湿度を保ち、線毛細胞は線毛運動によって吸気に混入した細菌等を咽頭へ流し戻す。これらの生理機能が正常に働いていれば肺胞は無菌に保たれているので、網細血管が直接空気と触れても細菌感染等は起こさない。

肺胞は、厚さ約0.1ミクロンの扁平上皮である呼吸上皮細胞(肺胞上皮細胞)が直径約0.1-0.2mmの球状になり、空洞(肺胞気)を取り囲む構造を持つ。両肺合わせて約3億個がある肺胞では、内部に入り込んだ空気とそれを取り囲む多くの毛細血管の間でガス交換を行う場所であり、面積を広げると約70m2になる[1]。毛細血管は内皮細胞に走り、呼吸上皮細胞との間に基底膜がある。厚さ約0.5ミクロンのこれら3層は血液空気関門と言う[1]。肺胞は弾性繊維で覆われ平滑筋を持たない。そのため、伸展はもっぱら気圧の変化によるものである[1]。肺胞でガス交換が行われる時は、I型肺胞上皮細胞が特に能動交換は行う訳ではなく、単にガス濃度の自然勾配によって受動交換が行われる。この為広い交換面積が必要になる。

肺胞上皮細胞内には、異物に対する免疫を持つマクロファージ(肺胞マクロファージ)や単球や、肺胞がひしゃげるのを防止するため脂質の表面活性物質を分泌するサーファクタント分泌細胞などがある[1]。肺胞にあるI型肺胞上皮細胞は薄い細胞で交換されるガスの通り道になっている。II型肺胞上皮細胞は厚い細胞で肺サーファクタントを出している。肺胞は極めて小さいので、そのままでは水の表面張力によって潰れてしまう。そのため表面活性物質を出して表面張力を下げて、肺胞が潰れない様にしている[1]。肺表面活性物質は胎生28週頃になってやっと出始めるため、妊娠28週以前に出産すると呼吸ができない新生児呼吸窮迫症候群 (RDS) になる危険性が極めて高い。そのような児のために現在は人工のサーファクタントを用いて、呼吸できる環境にするのが一般的である[1]。肺の血管内皮細胞はアンギオテンシン変換酵素 (ACE) を内分泌する。

大葉中ではお互いに穴でつながっているので、細菌性肺炎等を放置すると大葉性肺炎になる。

血管

肺に流れる血管には大きく2系統があり、機能血管と栄養血管という。肺は血液ガス交換をする為の臓器なので血液ガス交換の為の血管を機能血管といい、肺臓その物を養っている血管を栄養血管と言う[1]。

機能血管は心臓の右心室から肺動脈が出る。肺動脈は縦隔で左右に枝分れして右肺動脈と左肺動脈に分かれる。左右肺動脈は気道と同様に肺葉に向けて分岐して行き、最後は肺胞で毛細血管になる。肺胞でガス交換を終えた血管は分岐した時と同様に合流して行き、左右それぞれ2本の肺静脈となって左心房に流れ込む。栄養動脈である気管支循環系は、大動脈から直接分岐する。

生理

肺が膨らむときは、横隔膜や肋間筋が胸腔を広げ、胸腔が陰圧になることで肺が立体的に引っ張られて受動的に膨らむ。一方縮むときは筋肉は使われず、肺自身が縮もうとする力で収縮して空気の吸入・呼出をする。壁側胸膜は知覚神経が豊富で、肺が痛む時はこの神経が関与している。

なお、サーファクタント(界面活性剤)が、肺の円滑な動きには必要である。このサーファクタントが不足した状態になったことが新生児呼吸窮迫症候群の原因である。サーファクタントが足りないために上手く肺胞が広がらず、ガス交換が上手くゆかなくなっているのである。なお新生児呼吸窮迫症候群は、妊娠期間が短いほど(早産であるほど)発生しやすく、新生児が死亡する原因の1つとなる。

ヒトの肺のCT解剖学

詳細は「X線写真」を参照

気管支と肺動脈は原則として隣接し平行に走行する。肺区域、亜区域、小葉の中心を走行する。これに対して肺静脈はこれらの境界を走行する。CTでは気管支に隣接する血管が肺動脈であり、肺動脈と肺動脈の間にある血管が肺静脈である。正常なヒトでは気管支は亜区域までしか追うことはできないのでそこまでは有効な方法である。肺の機能動脈は肺動脈だが、それ以外に栄養血管として気管支動脈が存在する。気管支動脈は下行大動脈から直接分枝するが正常では細いため造影CTでその近位部が確認されるにすぎない。肺はリンパが豊富な組織である。気管支周囲、肺血管周囲、小葉間隔壁、胸膜の間質に分布している。特によく発達しているのが、気管支周囲と肺動脈周囲である。基本的には肺末梢から肺門部に向かって流れている。リンパ管そのものはCTでは確認できないが、癌性リンパ管炎やうっ血性心不全のようにリンパ浮腫を起こすと、気管支壁が肥厚し、血管陰影が拡大し小葉間隔壁が確認できるようになる。

肺の構造を理解する上で欠かせない概念が二次小葉といわれるものである。もっとも有名なものはMillerによる定義である。二次小葉の中央を気管支と肺動脈が小葉間隔壁の中を肺静脈が走っている。肉眼的にも確認ができる小葉間隔壁に囲まれた多面体である。この概念は間質性病変を理解するのに役に立つ。二次小葉は30個ほどの細葉が集まってできているとされている細葉はCTでは確認ができない。

肺の亜区域を同定するには気管支を辿っていくのがわかりやすい。原則として区域気管支の番号と肺区域の番号は一致し、大体気管支が肺区域の中央を通過することを念頭におくと手術後や偏位のある肺でも亜区域を同定できる。

右上葉

右主気管支はまず、上方に右上葉気管支を分枝する、右上葉気管支は上方(外側)にB1、後方にB2、前方にB3の分枝をする。反時計回りに番号が振られていることに注意が必要である。B1はS1(肺尖区)の区域気管支であり、B2はS2(後上葉区)、B3はS3(前上葉区)の区域気管支である。右主気管支は右上葉気管支を分枝した後、中間気管支管(左には存在しない)という。

右中葉

中間気管支管は前方に右中葉枝を分枝する。右中葉枝は外側(前方)のB4と内側(後方)のB5に分枝する。B4はS4(外側中葉区)、B5はS5(内側中葉区)の区域気管支である。

右下葉

右中葉枝を分枝した直後、後方にB6が分枝される。次いで、B7が前下内方へ、B8が前下外方へB9+10が下後方に分枝する。B6はS6(上下葉区)、B7はS7(内側肺底区)、B8はS8(前肺底区)、B9+10はS9(外側肺底区)、S10(後肺底区)の区域気管支である。

左上葉

左主気管支から左上葉気管支が上方に分枝する。左上葉気管支は上行する上区枝と前下方の舌区枝に分枝する。上区枝は上後方のB1+2と前方のB3に分枝する。舌区枝は前方のB4と下外方のB5に分かれる。B1+2はS1+2(肺尖後区)、B3はS3(前上葉区)、B4はS4(上舌区)、B5はS5(下舌区)の区域気管支である。

左下葉

左上葉気管支を分枝した直後、B6を後方に分枝する。左側にはS7(内側肺底区)は存在しないことが多く、前下方のB8、後方のB9+10を分枝する。B9+10は外側のB9と内側のB10に分枝する。B6はS6(上下葉区)、B8はS8(前肺底区)、B9はS9(外側肺底区)、B10はS10(後肺底区)の区域気管支である。

脊椎動物における肺

肺の起源

酸素の摂取は水中からより空気中からのほうがはるかに有利となる。これは水中における溶存酸素がせいぜい15℃で7ml/lであるのに対して空気中には209ml/lにも達する事、空気の比重は水の1000分の1、空気の粘性は水の100分の1である事、酸素の血液中への拡散速度は空気中が水中の50万倍にも上る事による。しかし、初期脊椎動物によって水呼吸に用いられてきた鰓は水との接触面積を柔軟で微細な襞状構造によって達成しているため、これを空気中に引き出すと襞間の水の凝縮力によってしぼんでしまい、呼吸媒体との接触面積が水中に比して著しく低下する。そのため、空気呼吸の利点を享受するには新たな呼吸器官が必要となる。この空気呼吸器官は鰓のような凸状の酸素摂取面を体外に発達させるのではなく、体内に凹状の酸素摂取面を設けることで、空気の圧力により呼吸媒体との接触面積が広く維持できる。こうして鰓裂直後の消化管腹壁より分化した嚢状器官として肺は発生した。脊椎動物が肺を獲得した時期に関しては初期の有顎動物下門である板皮綱に既に肺を持つものがいたとする説があるが、初期の硬骨魚綱には確実に存在している。また、軟骨魚綱は肺を持つことがなかったグループである。

肺循環の分化

肺の発達と同時に、肺から取り入れた酸素を機能的に全身に運ぶため、血管の配置も変化している。魚類では心臓からでた動脈の一つが肺を通り、その後全身に巡るという形を取るが、両生類以上では心臓から肺へ行った血液は、すぐに心臓へ戻り、あらためて全身へ運ばれるという形を取る。つまり心臓から全身を回る循環と、肺へ行ってすぐ戻る循環が分化する。これを、それぞれ体循環と肺循環という。ただし、これを十分に行うためには心臓内部が二つに分かれなければならないが、そのための壁は爬虫類以上でなければ完成されない。

硬骨魚類の肺

現在知られている硬骨魚綱に属する魚類は全て肺を持っていた動物の子孫である。今日でも硬骨魚類の古典的体制を今日に伝えているハイギョ類(オーストラリアハイギョ目、ミナミアフリカハイギョ目)、ポリプテルス目、アミア目、ガー目は陸上脊椎動物の肺と相同な空気呼吸器官を持ち、空気呼吸を行う。この器官は肺と呼ばれることもあるし、空気呼吸能力を失った硬骨魚類の相同器官と同じく浮袋と呼ぶこともある。前者は元来呼吸器官の肺が進化の過程で浮力調節器官に変化したものを浮袋とみなす立場であり、後者は魚類の肺と相同な器官は一律に浮袋とする立場である。浮力調節器官としての浮袋が空気呼吸の能力を獲得して肺に進化したとみなす仮説は今日では支持されておらず、空気呼吸器官として分化した肺(あるいは浮袋)が二次的に浮力調節器官としての適応的意義を持つようになり、浮力調節に特化した浮袋に進化したとする仮説が有力視されている。

上記に挙げた分類群では一次的な機能である空気呼吸能力が第一義的な機能を果たしており、祖先的な形質を維持していると考えられている。その他の硬骨魚類では肺は浮袋に進化し、水中における比重調節を第一義的な機能とする器官になっているが、アロワナ目のピラルクーなど呼吸能力を持つものもある。

肺の空気呼吸能力を失った後に、別の副呼吸器による空気呼吸能力を再獲得した硬骨魚類(腸呼吸を行うドジョウや、皮膚呼吸を行うトビハゼ等)が数多く知られている。

先述のように酸素の獲得に際しては空気呼吸が有利であるが、二酸化炭素の排出に関してはその溶解度の高さから水呼吸のほうが有利な側面がある。そのため、肺や副呼吸器による空気呼吸で主として酸素摂取をする魚類であってもしばしば二酸化炭素は主として鰓から水中に排出していることが知られている。そのため、肺などによる空気呼吸を必須とする魚類であっても鰓を不要とすることを意味しない。

ウィキメディア・コモンズには、肺に関連するメディアがあります。
肺呼吸する魚の空気呼吸と水呼吸への依存度
種 温度
(℃)
O2摂取(%) CO2排出(%)
空気から 水から 空気へ 水へ
肺魚類
プロトプテルス・エチオピクス 24 92 8 32 68
レピドシレン・パラドクサ 20 42 58 0 100
ガーパイク類
ロングノーズガー 22 73 27 8 92
スポッテッドガー 20 42 58 0 100
アミア類
アミア 30 74 26 39 61
20 69 31 23 77
10 8 92 7 93
30 40 60 8 92
オステオグロッスム類
ピラルクー 28~30 78 22 37 63
参考文献:板沢靖男・羽生功 / 編『魚類生理学』(恒星社厚生閣、1991)
ISBN 4-7699-0706-0
P.31の表よりデータを抜粋編集

両生類の肺

基本的に魚類の肺と同じ単純な袋状の構造である。そのため通常は肺が最大の呼吸器官であるが、これだけでは全呼吸量をまかなうことができない。両生類の皮膚の角質層はきわめて薄く、また通常粘液で覆われているので酸素や二酸化炭素が透過しやすく皮膚呼吸の能力も高い。皮膚呼吸への依存度は活動時のカエルで全呼吸量の2分の1から3分の1程度と言われている。

水生種の中には幼形成熟(ネオテニー)により鰓を失わないものも多く、これらは肺呼吸と皮膚呼吸に加え、鰓呼吸も併用している。冷涼湿潤な森林の地表で生活するグループの中には肺そのものを失って全面的に皮膚呼吸に依存するものもある。サンショウウオ科のハコネサンショウウオやアメリカサンショウウオ科の全ての種がそうである。

カエルは両生類の中では活動的で呼吸量も多いため、比較的複雑になった肺を持つ。内壁の襞の発達によりいくつもの泡沫が集合したような外観である。

爬虫類の肺

爬虫類では基本的にほぼ肺に依存した呼吸が可能な程度に構造が複雑化して、内壁は海綿状にまで発達している。中には哺乳類と同程度にまで複雑化した肺を持つものもある。皮膚の表面には厚い角質が発達するので皮膚呼吸への依存は低いが、水生のカメなどでは咽頭や総排泄孔の内壁の粘膜を水中での補助呼吸器官として用いている。さらにワニやカメなどが潜水するときは心臓の操作によって肺循環を低下させ、肺呼吸を停止した状態での効果的な血液循環を図ることが知られている。また、ヘビの場合、著しく細長くなった体制に応じて左の肺が退化し、右の肺のみが発達する。

鳥類の肺

「鳥類の体の構造#呼吸器系」を参照

鳥類は、気嚢と肺管の組み合わせによる極めて効率的なガス交換システムをもつ。

気管から分岐した気管支は、最終的に並行して走る肺管と呼ばれる細かい管になり、これがガス交換の場となる。ここから5対の気嚢と呼ばれる大きな袋が出ている。気嚢は頸気嚢、鎖骨間気嚢、前胸気嚢の3対の前気嚢と、後胸気嚢と腹気嚢の2対の後気嚢に分かれる。また各気嚢には気管に直結した経路も存在する。

呼吸運動において5対の気嚢がふいごのように伸縮するが、肺管は伸縮しない。吸気はまず3対の後気嚢に直接吸い込まれ、保持される。次に酸素を豊富に含んだ後気嚢内の空気が後方から肺管に送り込まれる。肺管の血管には前方から血流が送られており、肺管の前方の古い空気との間で二酸化炭素を排出した後、後方の新しい空気から酸素を吸収する。肺管を通過した空気は前気嚢に集められ、気管に向けて排出される。

このように、鳥の肺ではガス交換部における空気の流れは一方向のみで、常に新鮮な空気が血液と対向方向に流れる。他の脊椎動物の肺では空気は往復運動している。そのためガス交換部である肺胞に常にある程度の古い空気が残存せざるを得ず、新鮮な空気は常にかなりの量の古い空気と混合した後にガス交換が行われることになる。

こうした効果的なガス交換能力を身につけていたことが鳥の激しいエネルギー消費を伴う飛行を可能にしたと言える。しかし、鳥の気嚢は全身にくまなく入り込んでいるため、獣医学的には鳥の呼吸器感染症は重篤になりやすいと言われている。

恐竜の肺

鳥類は獣脚類の恐竜から分岐して進化した。現存鳥類の呼吸システムを、獣脚類(もしくは恐竜全体)が既に持っていたという仮説があり、研究がすすめられている。2005年には、マジュンガトルスの脊椎骨の構造の研究から獣脚類が気嚢を持つ証拠が提出され、この仮説の実証が前進した。

哺乳類の肺

鳥類以外の基本型の肺を持つ動物では哺乳類が最も複雑な構造の肺を持つ。気管からは細気管支が幾度も分枝を重ね、膨大な数の微細な肺胞に至り、ここがガス交換の場となる。著しいガス交換面積の獲得により酸素の摂取能力と二酸化炭素の排出能力は非常に高くなっている。ヒトも哺乳類の一種であるため、基本的な構造と機構については上記の人間の肺の項目を参照のこと。

無脊椎動物の肺

  • 節足動物門クモ型綱の場合:書肺と呼ばれる器官を持っているものがある。カブトガニの腹部にあるひれ状の付属肢には、書物のページをバラバラにして立てたような、ひだが並んだ構造の鰓があり、書鰓と呼ばれる。これを腹部腹面のくぼみに入れ、付属肢でふたをした構造が書肺である。サソリの場合、書肺は腹部の体節ごとに1対ずつある。クモ類では、原始的なトタテグモ類は2対、普通のクモ類は1対もつ。書肺が1対のクモ類では、ユウレイグモ科など一部を除いて昆虫と相似の気管系を併用している。体サイズの小さな節足動物では、肺のような血液循環に依存した呼吸器よりも、気管系のような体組織に直接酸素を届ける呼吸器のほうが効率がよいことが知られている。
  • 軟体動物門腹足綱の場合:カタツムリなど、陸生種を含む有肺類では、殻の入り口近くの外套膜の下に、空気の出入りできる腔所があり、ここで空気呼吸する。これを肺という。通常の腹足綱では鰓を収納している外套腔に空気を吸い込むようになったものである。空気の出入り口は、殻の口のそば、体の側面に1つだけある。有肺類にはモノアラガイのような淡水生種やカラマツガイのような海生種も知られているが、前者は皮膚呼吸のほか時々水面上に呼吸孔を開いて肺呼吸をし、後者は二次的な鰓をもち海水から酸素を取り込む。有肺類以外の腹足綱でもヤマキサゴ、ヤマタニシのような陸生種や、スクミリンゴガイのような貧酸素になりやすい淡水に生息する種にも空気呼吸するものがあり、これらも外套腔に空気を吸い込んでガス交換を行えるようになっている。

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l 佐藤・佐伯(2009)、p.87-47、第4章 呼吸、2.呼吸器系の構造と機能、5)肺lung
  2. ^ a b 佐藤・佐伯(2009)、p.86-87、第4章 呼吸、2.呼吸器系の構造と機能、4)気管tracheaと気管支bronchus
  3. ^ 佐藤・佐伯(2009)、p.83-84、第4章 呼吸、2.呼吸器系の構造と機能、2)咽頭pharynxと喉頭larynx

参考文献

  • 監修:佐藤昭夫、佐伯由香 『人体の構造と機能 第2版』 医歯薬出版、2009年、第2版第6刷。ISBN 978-4-263-23434-1。

外部リンク

  • 呼吸器系の構造と機能 (ビジュアル生理学 内の項目)
表・話・編・歴
呼吸器系の正常構造・生理
気道系
解剖学的構造
上気道
鼻
鼻孔 | 鼻腔 | 鼻甲介 | 副鼻腔
口
口腔前庭 | 口腔 | 口蓋
咽頭 - 喉頭
下気道
気管
気管支
主気管支 - 葉気管支 - 区域気管支 - 亜区域気管支
細気管支
小気管支 - 細気管支 - 終末細気管支
呼吸細気管支
ガス交換器
肺 - 肺胞管 - 肺胞嚢 - 肺胞
顕微解剖学
I型肺胞上皮細胞 | II型肺胞上皮細胞 | 杯細胞 | クララ細胞 | 気管軟骨輪
生理学・生化学
生理学
肺気量 | 肺活量 | %肺活量 | 残気量 | 死腔 | 1回換気量 | 1秒率 | 肺サーファクタント | SP-A
生化学
PaCO2 | PaO2 | AaDO2 | FiO2 | SpO2 | 呼吸係数および酸素化係数
血管系
肺循環系
(右心室 -) 肺動脈 - 毛細血管 - 肺静脈 (- 左心房)
気管支循環系
(胸部大動脈 -) 気管支動脈 - 毛細血管 - 気管支静脈 (- 奇静脈/副反奇静脈)
運動器系
骨格
肋骨 | 胸骨
呼吸筋
横隔膜 | 内肋間筋 | 外肋間筋 | 胸鎖乳突筋 | 前斜角筋 | 中斜角筋 | 後斜角筋 | 腹直筋 | 内腹斜筋 | 外腹斜筋 | 腹横筋
神経系
中枢神経系
呼吸中枢 | 呼吸調節中枢 | 前頭葉
末梢神経系
横隔神経 | 肋間神経
表・話・編・歴
循環系の血液の流れ
左心 → 大動脈 → 動脈 → 細動脈 → 毛細血管 → 細静脈 → 静脈 → 大静脈 → 右心 → 肺動脈 → 肺 → 肺静脈
表・話・編・歴
五臓六腑
五臓
肝臓 - 心臓 - 脾臓 - 肺臓 - 腎臓
六腑
胃 - 大腸 - 小腸 - 胆嚢 - 膀胱 - 三焦


UpToDate Contents

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  • 1. 急性肺塞栓症の臨床像、評価、および診断 clinical presentation evaluation and diagnosis of the adult with suspected acute pulmonary embolism
  • 2. 成人における肺高血圧症の治療 treatment of pulmonary hypertension in adults
  • 3. 慢性血栓塞栓性肺高血圧症の臨床症状および診断 clinical manifestations and diagnosis of chronic thromboembolic pulmonary hypertension
  • 4. アミオダロンによる肺毒性 amiodarone pulmonary toxicity
  • 5. Catheter ablation to prevent recurrent atrial fibrillation: Technical considerations

Japanese Journal

  • 臨床研究・症例報告 気管切開された脳性麻痺例の臨床的特徴 : 対照群との比較
  • 尾上 幸子,幸田 徳二,任 書城 [他]
  • 小児科臨床 66(2), 310-316, 2013-02
  • NAID 40019547208
  • 臨床研究・症例報告 急性肺炎に合併したDieulafoy lesionの1例
  • 田中 雅大,久保田 哲夫,深沢 達也 [他]
  • 小児科臨床 66(2), 281-284, 2013-02
  • NAID 40019547108
  • 臨床研究・症例報告 ヒトメタニューモウイルスによる呼吸器感染症27例の検討
  • 森本 佳子,坂田 耕一,福持 裕 [他]
  • 小児科臨床 66(2), 266-274, 2013-02
  • NAID 40019547078
  • 臨床研究・症例報告 兄から同一の血清型株が検出された血清型10Aの肺炎球菌性髄膜炎の1カ月女児例
  • 山中 崇之,入月 浩美,相澤 悠太 [他]
  • 小児科臨床 66(2), 261-265, 2013-02
  • NAID 40019547058

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肺肺と肺胞のイラストCOPD,慢性閉塞性肺疾患,間質性 肺腫瘍肺肺 肺呼吸大图 点击还原肺の構造の図肺の構造

Japan Pharmaceutical Reference

薬効分類名

  • 細菌ワクチン類

販売名

アクトヒブ

組成

製法の概要

  • 本剤は,インフルエンザ菌b型 (1482株) の培養液から抽出精製した莢膜多糖体 (ポリリボシルリビトールリン酸: PRP) と,破傷風菌 (Harvard株) の培養液から分離精製した毒素をホルマリンで無毒化した破傷風トキソイドを共有結合した破傷風トキソイド結合インフルエンザ菌b型多糖の原液に,精製白糖,トロメタモールを含む緩衝液を加えて希釈した後,凍結乾燥したものである。
    なお,本剤は製造工程で,ウシの乳由来成分 (カゼイン酸加水分解物,カゼインパンクレアチン消化物,トリプトンV,カゼインペプチドN3,スキムミルク),ウシの血液由来成分 (ヘミン),ブタの皮由来成分 (ペプトン),ウシの肝臓および肺由来成分 (肉エキス),ウシの心臓 (心臓浸出液) および骨格筋由来成分,羽毛由来成分 (L-チロシン),ウマの血液由来成分 (脱線維血液) を使用している。

組成

  • 本剤は,1バイアル中に下記の成分・分量を含有する。

有効成分

  • 破傷風トキソイド結合インフルエンザ菌b型多糖
    多糖の量として10μg

添加物

  • トロメタモール 0.6mg
    精製白糖    42.5mg
    pH調節剤

添付溶剤

  • 0.4%塩化ナトリウム液 0.5mL

禁忌

(予防接種を受けることが適当でない者)

  • 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には,接種を行ってはならない。
  • 明らかな発熱を呈している者
  • 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
  • 本剤の成分または破傷風トキソイドによってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
  • 上記に掲げる者のほか,予防接種を行うことが不適当な状態にある者


効能または効果

  • インフルエンザ菌b型による感染症の予防
  • 本剤では,b型以外のインフルエンザ菌による感染症あるいは他の起炎菌による髄膜炎を予防することはできない。
  • 本剤に含まれる破傷風トキソイドを,予防接種法に基づく破傷風の予防接種に転用することはできない。
  • 本剤は,インフルエンザ菌b型による感染症,特に侵襲性の感染症 (髄膜炎,敗血症,蜂巣炎,関節炎,喉頭蓋炎,肺炎および骨髄炎など) に対する予防効果が期待できる。
  • 本剤を添付溶剤0.5mLで溶解し,その全量を1回分とする。

初回免疫:

  • 通常,3回,いずれも4〜8週間の間隔で皮下に注射する。ただし,医師が必要と認めた場合には3週間の間隔で接種することができる。

追加免疫:

  • 通常,初回免疫後おおむね1年の間隔をおいて,1回皮下に注射する。


接種対象者・接種時期

  • 本剤の接種は2ヵ月齢以上5歳未満の間にある者に行うが,標準として2ヵ月齢以上7ヵ月齢未満で接種を開始すること。また,接種もれ者に対しては下記のように接種回数を減らすことができる。

○接種開始齢が7ヵ月齢以上12ヵ月齢未満の場合

初回免疫:

  • 通常,2回,4〜8週間の間隔で皮下に注射する。ただし,医師が必要と認めた場合には3週間の間隔で接種することができる。

追加免疫:

  • 通常,初回免疫後おおむね1年の間隔をおいて,1回皮下に注射する。

○接種開始齢が1歳以上5歳未満の場合

  • 通常,1回皮下に注射する。

他のワクチン製剤との接種間隔

  • 生ワクチンの接種を受けた者は,通常,27日以上,また他の不活化ワクチンの接種を受けた者は,通常,6日以上間隔をおいて本剤を接種すること。ただし,医師が必要と認めた場合には,同時に接種することができる (なお,本剤を他のワクチンと混合して接種してはならない)。

慎重投与

(接種の判断を行うに際し,注意を要する者)

  • 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は,健康状態および体質を勘案し,診察および接種適否の判断を慎重に行い,予防接種の必要性,副反応,有用性について十分な説明を行い,同意を確実に得た上で,注意して接種すること。
  • 心臓血管系疾患,腎臓疾患,肝臓疾患,血液疾患,発育障害等の基礎疾患を有する者
  • 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者および全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
  • 過去にけいれんの既往のある者
  • 過去に免疫不全の診断がなされている者および近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
  • 本剤の成分または破傷風トキソイドに対して,アレルギーを呈するおそれのある者


重大な副作用

  • ショック,アナフィラキシー様症状 (じん麻疹,呼吸困難,血管浮腫,顔面浮腫,喉頭浮腫等) があらわれることがあるので,接種後は観察を十分に行い,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。(頻度不明)
  • けいれん (熱性けいれんを含む) があらわれることがあるので,症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。(頻度不明)
  • 血小板減少性紫斑病があらわれることがある。通常,接種後数日から3週ごろに紫斑,鼻出血,口腔粘膜出血等があらわれる。本症が疑われる場合には,血液検査等の観察を十分に行い,適切な処置を行うこと。(頻度不明)

薬効薬理

  • Hibの感染防御抗原は,その莢膜多糖体のPRPである。PRPはマウスに反復接種しても抗PRP抗体産生を誘導しなかったが,PRPに破傷風トキソイドを結合した本剤はマウスに対して抗PRP抗体産生を誘導し,その効果は反復接種によって増強された6)。

乳幼児において本剤によって誘導される抗PRP抗体はIgG (主にIgG1) が主体であった。また,本剤接種後の血清には殺菌活性およびオプソニン活性が抗PRP抗体価に相関して認められた7) 8)。
なお,外国で行われたHib全身感染症の疫学研究等により,Hibの感染予防に必要な抗PRP抗体価 (感染予防レベル) は0.15μg/mL,長期の感染予防に必要な抗PRP抗体価 (長期感染予防レベル) は1μg/mLであることが明らかにされた9)。


★リンクテーブル★
国試過去問「105B059」「099G006」「110E045」「105I073」「110B045」「106G029」「106G041」「098F008」「111E008」「099D117」「103E028」「099D118」「111D009」「112C005」「109B026」「102G029」「100B033」「102B039」「101C020」「089B013」
リンク元「サルコイドーシス」「抗菌薬」「解剖学」「アミノエチルスルホン酸」「呼吸機能検査」
拡張検索「肺液」「肺水」

「105B059」

  [★]

  • 次の文を読み、59-61の問いに答えよ。
  • 81歳の男性。発熱と歩行困難とを主訴に救急外来を受診した。
  • 現病歴   5か月前から排尿困難を自覚し、 1か月前から腰痛が出現した。1週前から歩行困難となり、食思不振と発熱とを認めた。
  • 既往歴   50歳時から高血圧症のため降圧薬を服用している。
  • 生活歴   喫煙は20本/日を60年間。飲酒は機会飲酒。
  • 現 症  意識は清明。身長161cm、体重48kg。体温38.0℃。脈拍84/分、整。血圧156/84mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。上腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腹部正中は小児頭大に膨隆している。両側腰背部(肋骨脊柱角)に叩打痛を認める。直腸措診で表面不整で腫大した石様硬の前立腺を触知し、圧痛を認めない。陰嚢と陰茎とに異常を認めない。両下肢の感覚鈍麻と筋力低下とを認め、立つことができない。膝蓋腱反射は消失している。
  • 検査所見   尿所見:蛋白1 +、糖(-)、沈渣に赤血球10-20/1視野、白血球多数/1視野。血液所見:赤血球 257万、Hb 7.8g/dl、Ht 24%、白血球 9,200、血小板 11万。血液生化学所見:血糖 96mg/dl、総蛋白 6.1g/dl、アルブミン 3.1g/dl、尿素窒素 28mg/dl、クレアチニン 1.8mg/dl、尿酸 6.4mg/dl、総コレステロール 150mg/dl、トリグリセリド 68mg/dl、総ビリルビン 0.3mg/dl、直接ビリルビン 0.1mg/dl、AST 20IU/l、ALT 12IU/l、LD 240IU/l(基準176-353)、ALP 562IU/l(基準115-359)、Na 135mEq/l、K 4.5mEq/l、Cl 107mEq/l。CRP 5.8mg/dl。
  • 主訴の発熱と歩行困難とに関連する変化が起きているのはどれか。 2つ選べ。
  • a 肺
  • b 腎臓
  • c 腰椎
  • d 膀胱
  • e 大腿骨


[正答]

BC


※国試ナビ4※ [105B058]←[国試_105]→[105B060]

「099G006」

  [★]

  • 36歳の男性。両側下腿の潰瘍を主訴に来院した。
  • 10日前から両側下腿に小膿疱が出現、集簇・融合して、その後潰瘍を形成、急速に拡大した。潰瘍の辺縁は堤防状に隆起し、圧痛と自発痛とがある。関節痛を伴う。体温37.2℃。
  • 血液所見:赤血球452万、Hb14.0g/dl、Ht42%、白血球9,800(桿状核好中球7%、分葉核好中球67%、好酸球2%、好塩基球1%、単球3%、リンパ球20%)、血小板19万。
  • 下腿の写真を以下に示す。 合併症の好発臓器はどれか。
  • a. 中枢神経
  • b. 肺
  • c. 腸管
  • d. 肝臓
  • e. 腎臓


[正答]

C

  • 壊疽性膿皮症?


※国試ナビ4※ [099G005]←[国試_099]→[099G007]

「110E045」

  [★]

  • 30歳の初妊婦。妊娠35週。胎動減少を主訴に来院した。妊娠33週までの妊婦健康診査では特に異常を認めなかった。10日前から持病の腰痛のため毎日非ステロイド性抗炎症薬を含有した市販薬(貼付薬と内服薬)を使用していた。昨日から胎動が少ないという。胎児心拍数陣痛図では胎児心拍数基線は140/分で正常な基線細変動を認めるが、一過性頻脈は認めない。腹部超音波検査を開始したが、胎盤や羊水量に異常を認めない。
  • 超音波検査で注意して観察すべき胎児の部位はどれか。
  • a 脳
  • b 肺
  • c 肝臓
  • d 動脈管
  • e 消化管


[正答]

D


※国試ナビ4※ [110E044]←[国試_110]→[110E046]

「105I073」

  [★]

  • 59歳の男性。鼻出血と膿性鼻漏とを主訴に来院した。1か月前から著しい鼻痛が続いている。鼻腔内粘膜の発赤とびらんとを認める。血液所見:赤血球 408万、Hb 12.1g/dl、Ht 34%、白血球 8,300、血小板 35万。免疫学所見:CRP 16.8mg/dl、PR3-ANCA陽性。副鼻腔単純CTで鼻腔から上顎洞、筋骨洞、眼窩内に及ぶ腫瘤を認める。鼻内腫瘍の生検で壊死組織、炎症細胞浸潤および多核巨細胞を認める。
  • 確定診断のために精査が必要な臓器はどれか。2つ選べ。


  • a 脳
  • b 肺
  • c 肝
  • d 脾
  • e 腎


[正答]

BE


※国試ナビ4※ [105I072]←[国試_105]→[105I074]

「110B045」

  [★]

  • 28歳の初妊婦。妊娠28週。前期破水のため入院中である。妊娠24週に水様帯下を自覚して受診し、前期破水の診断で入院となった。入院後安静を続けて経過観察したが、水様帯下は持続している。本日の血液検査の結果は白血球 8,900、CRP 0.1mg/dLであった。入院後週1回実施している腹部超音波検査での胎児推定体重は、正常範囲内で増加している。羊水指数(AFI)は 1.0~3.0cm(基準5~25)の間で推移している。
  • 胎児の臓器で発育に注意すべきなのはどれか。
  • a 脳
  • b 肺
  • c 肝臓
  • d 小腸
  • e 心臓


[正答]

B


※国試ナビ4※ [110B044]←[国試_110]→[110B046]

「106G029」

  [★]

  • 肺の構造・機能について正しいのはどれか。
  • a 気管は第3胸椎の高さで左右に分岐する。
  • b 右主気管支は左主気管支よりも長い。
  • c 末梢の肺動脈は気管支と並走する。
  • d 呼吸細気管支が分岐して終末細気管支となる。
  • e ガス交換は肺胞孔で行われる。


[正答]

C


※国試ナビ4※ [106G028]←[国試_106]→[106G030]

「106G041」

  [★]

  • 32歳の初産婦。妊娠33週。胎児超音波検査で異常を指摘されたため来院した。胎児MRIのT2強調像(別冊No. 2)を別に示す。
  • この胎児で異常があると考えられる部位はどれか。
  • a 肺
  • b 心臓
  • c 横隔膜
  • d 腹壁
  • e 脊椎



[正答]

D


※国試ナビ4※ [106G040]←[国試_106]→[106G042]

「098F008」

  [★]

  • 60歳の男性。全身の掻痒感を主訴に来院した。手掌と腹部との写真を以下に示す。
  • まず検査すべき臓器はどれか。
  • a. 心臓
  • b. 肺
  • c. 消化管
  • d. 肝臓
  • e. 腎臓


[正答]

D

  • 肝硬変:手掌紅斑、腹部膨隆、全身掻痒感


※国試ナビ4※ [098F007]←[国試_098]→[098F009]

「111E008」

  [★]

  • 50歳から74歳までの男性について、ある癌の年齢階級別死亡率(人口10万対)の生まれ年による推移(別冊No. 1)を別に示す。
  • この癌の部位はどれか。
  • a 胃
  • b 大腸
  • c 肝臓
  • d 肺
  • e 前立腺



[正答]

C


※国試ナビ4※ [111E007]←[国試_111]→[111E009]

「099D117」

  [★]

  • 穿刺してよいのはどれか。
  • (1) 気胸の胸腔
  • (2) 肺水腫の肺
  • (3) 腸閉塞の腸
  • (4) 水腎症の腎
  • (5) 尿閉の膀胱
  • a. (1)(2)(3)
  • b. (1)(2)(5)
  • c. (1)(4)(5)
  • d. (2)(3)(4)
  • e. (3)(4)(5)

[正答]

C


※国試ナビ4※ [099D116]←[国試_099]→[099D118]

「103E028」

  [★]

  • 成人男性の正常組織とCT値(HU)の組合せで誤っているのはどれか。
  • a. 肺- -950HU
  • b. 肝- -20HU
  • c. 筋肉- 50HU
  • d. 胆嚢- 0HU
  • e. 大動脈- 50HU

[正答]

B


※国試ナビ4※ [103E027]←[国試_103]→[103E029]

「099D118」

  [★]

  • 敗血症で機能不全をきたしやすいのはどれか。
  • (1) 脳
  • (2) 肺
  • (3) 肝
  • (4) 腎
  • (5) 膵
  • a. (1)(2)(3)
  • b. (1)(2)(5)
  • c. (1)(4)(5)
  • d. (2)(3)(4)
  • e. (3)(4)(5)

[正答]

D


※国試ナビ4※ [099D117]←[国試_099]→[099D119]

「111D009」

  [★]

  • 胎盤機能不全が原因の胎児発育不全で、最も早期から発育が抑制されるのはどれか。
  • a 頭部
  • b 心臓
  • c 肝臓
  • d 副腎
  • e 肺


[正答]

C


※国試ナビ4※ [111D008]←[国試_111]→[111D010]

「112C005」

  [★]

  • 圧力波による一次爆傷を受けにくいのはどれか。
  • a 眼球
  • b 鼓膜
  • c 肺
  • d 胸椎
  • e 消化管


[正答]

D


※国試ナビ4※ [112C004]←[国試_112]→[112C006]

「109B026」

  [★]

  • 一般的に異所性移植が行われるのはどれか。
  • a 肺
  • b 心臓
  • c 肝臓
  • d 膵臓
  • e 小腸


[正答]

D


※国試ナビ4※ [109B025]←[国試_109]→[109B027]

「102G029」

  [★]

  • 慢性GVHDの標的臓器となりにくいのはどれか。
  • a. 肺
  • b. 心臓
  • c. 肝臓
  • d. 皮膚
  • e. 唾液腺

[正答]

B


※国試ナビ4※ [102G028]←[国試_102]→[102G030]

「100B033」

  [★]

  • 大腸癌治癒切除後の再発が最も多いのはどれか。
  • a. 脳
  • b. 肺
  • c. 肝
  • d. 骨
  • e. リンパ節

[正答]

C


※国試ナビ4※ [100B032]←[国試_100]→[100B034]

「102B039」

  [★]

  • 安静時に心拍出量の約5%が灌流する臓器はどれか。
  • a. 脳
  • b. 心
  • c. 肺
  • d. 肝
  • e. 腎

[正答]

B


※国試ナビ4※ [102B038]←[国試_102]→[102B040]

「101C020」

  [★]

  • 胎児発育に必須の胎児臓器はどれか。
  • a. 脳
  • b. 肺
  • c. 心臓
  • d. 小腸
  • e. 腎臓

[正答]

C


※国試ナビ4※ [101C019]←[国試_101]→[101C021]

「089B013」

  [★]

  • びまん性汎細気管支炎について正しいもの、3つ。
  • (1) 緑膿菌が原因である
  • (2) 慢性副鼻腔炎を高率に合併する
  • (3) 肺の過膨張がみられる
  • (4) 血清IgAが高い
  • (5) 肺拡散能は低下する

「サルコイドーシス」

  [★]

英
sarcoidosis
同
サルコイド症、ベック病 Boeck disease、ベック類肉腫 Boeck sarcoid Boeck's sarcoid、ベニエー・ベック・シャウマン病 morbus Besnier-Boeck-Schaumann、血管類狼瘡 angio-lupoide
関
難病

概念

  • 特定疾患治療研究事業の対象となっている難病である。
  • 原因不明の全身性疾患


病因

  • P. acnes?が抗原としてTh細胞に提示されるため?
  • HLA-DRB1*1101 are assosiated with an increased risk for developing sarcoidosis (HIM.2136)

疫学

  • 若年と中年に好発。
  • 北に多く南に少ない。黒人に多い。HLAやサイトカイン遺伝子が関与か?

病型

  • ヘールフォルト症候群 Heefordt症候群:ぶどう膜炎・耳下腺腫脹・顔面神経麻痺が主徴。微熱を伴って発症。
  • ロフグレン症候群 Lofgren症候群:結節性紅斑、BHL、関節痛の三徴候を伴う。急性で白人女性に多い。

病理

  • 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫
  • サルコイド肉芽腫
  • 類上皮細胞
  • 巨細胞:ラングハンス型巨細胞、異物型巨細胞
  • asteroid bodyやSchaumann bodyを含むことがある → サルコイドーシスに特異的ではない(結核、らい病、foreign-body reaction, necrobiotic xanthogranuloma)
  • 皮膚
  • 真皮および皮下組織に、結合組織に被包された類上皮細胞の特徴的な島嶼状結節性の肉芽腫がある。
  • 皮膚では複数の類上皮細胞肉芽腫が主に真皮の上中層に生じる。ときに真皮深層、皮下組織、筋層に生じうる。

症候

無症状での検診発見例が大多数。微熱などの症状を出して来院することはまれ。
  • 肺病変 :両側肺門リンパ節腫脹(bilateral hilar lymphadenopathy, BHL):胸部X線所見の割には無症状。
  • 眼病変 :両眼性霧視(ぶどう膜炎、硝子体炎)
  • 心病変 :心サルコイドーシス。心ブロック、不整脈、Adams-Stokes症候群
  • 皮膚病変:2型ある。結節型、びまん浸潤型が多く、古い瘢痕(肘、膝)にサルコイド肉芽腫ができることがある。この肉芽腫を病理診断に使うと浸襲が少ない。
  • 肉芽腫病変(皮膚サルコイド)
  • 炎症の反応性病変(結節性紅斑)
  • 内分泌異常:高ACE活性、高カルシウム血症
  • その他・・無痛性表在リンパ節腫大や心病変(まれだが本症の急死の原因)脳神経(致死的)

病変部位の頻度

  • 肺(縦隔・肺門リンパ節,肺)95%以上
  • 眼(ぶどう膜,網膜,硝子体)30-40%
  • 皮膚5-10%
表在リンパ節腫脹のみられることがあり,時に心臓病変がみられる。
YN I-112
  • 初発症状:眼(眼前霧視)50%、呼吸器症状15%、皮膚症状5-10%、両側耳下腺腫脹、リンパ節腫脹

検査

  • 血算
  • リンパ球:減少 (T細胞の減少によるらしい)
  • 血液生化学
  • カルシウム:上昇(日本人には稀)
  • ビタミンD3:上昇(日本人には稀)
  • 副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP):上昇(日本人には稀)
  • ガンマグロブリン:上昇
  • アンジオテンシン転換酵素:上昇
  • 血清リゾチーム活性:上昇   ← 単球の崩壊
  • 可溶性インターロイキン2レセプター(sIL-2R):上昇することがある
  • 血清免疫学的検査:
  • ツベルクリン反応:70%の症例で陰性化 or 減弱
  • 生検:病理的に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を証明する。経気管支的肺生検や前斜角筋生検が行われる。
  • 画像検査
  • 胸部単純X線写真:両側肺門部リンパ節腫脹(BHL)、びまん性陰影、結節影、空洞病変、網状影、浸潤影、小粒状影
  • 分類(I~III型):(I型)BHL、(II型)BHL+肺野病変、(III型)肺野病変。I型が最多。
  • 胸部CT:縦隔リンパ腺腫脹、血管・気管支周囲の肥厚・不整像、胸膜不整像
  • ガリウムシンチグラム(67Ga):病変部に集積。
  • テクネシウムシンチグラム(99mTc):病変部に欠損像
  • タリウムシンチグラム(201Tl):灌流欠損像
  • PET:高集積
  • 気管支鏡検査:気管分岐部周囲や両主気管支に毛細血管の増生・拡張や腫大したリンパ節による圧排像を認めうる。気管支内にサルコイド結節(肉芽腫)を認めうる。
  • 気管支肺胞洗浄
  • 細胞数増加
  • リンパ球増加
  • CD4/CD8比:高値 (喫煙者でも上昇しうる)  →  液性免疫優位。血清γグロブリン上昇はこのためか?
  • 皮膚生検、皮下結節生検、表在リンパ節生検、前斜角筋リンパ節生検、肝生検、縦隔・肺門部リンパ節生検:非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の証明

診断

  • 胸部X線像
  • 臨床症状
  • 組織生検像

診断基準

参考1
  • 基準
組織診断群(確実)  :1-(2)のいずれかの臨床・検査所見があり,1-(3)が陽性。
臨床診断群(ほぼ確実):1-(2)①,②のいずれかの臨床所見があり,1-(2)③の(a)(ツベリクリン反応)又は(c)(血清ACE)を含む3 項目以上陽性。
  • 除外規定
  • 1. 原因既知あるいは別の病態の疾患、例えば悪性リンパ腫、結核、肺癌(癌性リンパ管症)、ベリリウム肺、塵肺、過敏性肺炎など。
  • 2. 異物、癌等によるサルコイド局所反応。
  • 1 主要事項
  • (1) 臨床症状:呼吸器症状(咳・息切れ),眼症状(霧視),皮膚症状(丘疹)など。
  • (2) 臨床所見・検査所見
  • ① 胸郭内病変
  • (a) 胸部X 線・CT 所見(両側肺門リンパ節腫脹,びまん性陰影,血管・胸膜の変化など)
  • (b) 肺機能所見(%VC・DLco・PaO2 の低下)
  • (c) 気管支鏡所見(粘膜下血管のnetwork formation,結節など)
  • (d) 気管支肺胞洗浄液所見※1(総細胞数・リンパ球の増加,CD4/8 上昇)
  • (e) 胸腔鏡所見(結節,肥厚,胸水など)
  • ② 胸郭外病変
  • (a) 眼病変(前部ぶどう膜炎,隅角結節,網膜血管周囲炎など) → 眼サルコイドーシス
  • (b) 皮膚病変(結節,局面,びまん性浸潤,皮下結節,瘢痕浸潤)
  • (c) 表在リンパ節病変(無痛性腫脹)
  • (d) 心病変(伝導障害,期外収縮,心筋障害など) → 心サルコイドーシス
  • (e) 唾液腺病変(耳下腺腫脹,角結膜乾燥,涙腺病変など)
  • (f) 神経系病変(脳神経,中枢神経障害など)
  • (g) 肝病変(黄疸,肝機能上昇,結節など)
  • (h) 骨病変(手足短骨の骨梁脱落など)
  • (i) 脾病変(腫脹など)
  • (j) 筋病変(腫瘤,筋力低下,萎縮など)
  • (k) 腎病変(持続性蛋白尿,高カルシウム血症,結石など)
  • (l) 胃病変(胃壁肥厚,ポリープなど)
  • ③ 検査所見
  • (a) ツベルクリン反応陰性
  • (b) γグロブリン上昇
  • (c) 血清ACE 上昇
  • (d) 血清リゾチーム上昇
  • (e) 67Ga 集積像陽性(リンパ節,肺など)
  • (f) 気管支肺胞洗浄液の総細胞数・リンパ球増加,CD4/8 上昇
  • (3) 病理組織学的所見
  • 類上皮細胞からなる乾酪性壊死を伴わない肉芽腫病変生検部位(リンパ節,経気管支肺生検,気管支壁,皮膚,肝,筋肉,心筋,結膜など)。クベイム反応も参考になる

治療

  • stage0やⅠ(BHL)では経過観察
  • stageⅡ(BHL+肺陰影)、Ⅲ(肺陰影のみ)、Ⅳ(肺繊維化)では
  • 1ステロイド(8割) 2免疫抑制剤メソトレキセート・アザチオプリン(難治性2割に)

予後

  • 70%は2年以内に自然寛解。5-10%は難治性に進行。
  • 死因の60%は心サルコイドーシスであり、心病変(刺激伝導障害)をきたす。

参考

  • 1. サルコイドーシス - 難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/266
  • 2. 認定基準 - 難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/043_s.pdf
  • 3. 日本サルコイドーシス学会
http://www.jssog.com/www/top/shindan/shindankijyun.html

「抗菌薬」

  [★]

英
antibacterial drug, antibacterial
関
抗生剤、薬理学、抗菌薬一覧、抗細菌薬
first aid step 1 2006 p.165

定義

  • 細菌/微生物に静菌作用、殺菌作用を示す物質。結果として、人において病原性を除去する目的で使用される。
  • このうち、微生物によって産生される物質を抗生物質と呼ぶ


作用機序による分類

  • 細胞壁合成阻害:βラクタム系抗菌薬(ペニシリン系抗菌薬、セフェム系抗菌薬、モノバクタム系抗菌薬、カルバペネム系抗菌薬)
  • 核酸合成阻害 :ニューキノロン系抗菌薬、メトロニダゾール
  • タンパク質合成阻害
  • 30S:アミノグリコシド系抗菌薬、テトラサイクリン系抗菌薬
  • 50S:マクロライド系抗菌薬、クリンダマイシン、クロラムフェニコール、ストレプトグラミン系抗菌薬、オキソゾリニドン系抗菌薬(リゾネリド)
  • 代謝拮抗:サルファ剤(サルファメソキサゾール、トリメトプリム)
first aid step 1 2006 p.165
  Mechanism of action Drugs
1 Block cell wall synthesis by inhibition of peptidoglycan cross-linking penicillin, ampicillin, ticarcillin, piperacillin, imipenem, aztreonam, cephalosporins
2 Block peptidoglycan synthesis bacitracin, vancomycin, cycloserine
3 Disrupt bacterial/fungal cell membranes polymyxins
4 Disrupt fungal cell membranes amphotericin B, nystatin, fluconazole/azoles
5 Block nucleotide synthesis sulfonamides, trimethoprim
6 Block DNA topoisomerases quinolones
7 Block mRNA synthesis rifampin
8 Block protein synthesis at 50S ribosomal subunit chloramphenicol, erythromycin/macrolides, lincomycin, clindamycin, streptogramins (quinupristin, dalfopristin), linezolid
9 Block protein synthesis at 30S ribosomal subunit aminoglycosides, tetracyclines, spectinomycin
 ATuSi → あつし


薬物動態

  • 濃度依存性:アミノグリコシド系抗菌薬、ニューロキノロン系抗菌薬
  • 時間依存性:βラクタム系抗菌薬

治療期間

小児

尾内一信 ; 第 39 回日本小児感染症学会教育講演 2 小児感染症の抗菌薬療法 -耐性菌時代の適正使用-
感染臓器・臨床診断 原因菌 投与期間(抗菌薬)
髄膜炎 インフルエンザ菌 7-10日
肺炎球菌 10-14日
髄膜炎菌 7-10日
GBS,腸内細菌,リステリア 21日
中耳炎 <2 歳 10日
2 歳≦ 5-7日
咽頭炎 A 群連鎖球菌 10日(ペニシリン系薬)
5日(セフェム系薬)
肺炎 肺炎球菌,インフルエンザ菌 解熱後3-4日
黄色ブドウ球菌 3-4週間
マイコプラズマ,クラミジア 10-21日
腎臓、膀胱炎、腎盂腎炎 大腸菌,プロテウス,腸球菌 3日
14日
骨髄炎 黄色ブドウ球菌 21日
連鎖球菌,インフルエンザ菌 14日

主要な感染症の抗菌薬投与期間

感染レジマニュ p.27
骨 骨髄炎 4-6週
耳鼻咽喉 中耳炎 5-7日
副鼻腔炎 5-14日
A群溶連菌咽頭炎 10日
肺 肺炎 肺炎球菌 7-10日 or 解熱後3日間
インフルエンザ菌 10-14日
マイコプラズマ 14日(7-10日)
レジオネラ 21日
肺化膿症 28-42日
心臓 感染性心内膜炎 α連鎖球菌 2-4週
黄色ブドウ球菌 4-6週
消化管 腸炎 赤痢菌 3日
チフス 14日(5-7日)
パラチフス
腹膜炎 特発性 5日
二次性 10-14日
胆肝膵 肝膿瘍 細菌性 4-8週
アメーバ性 10日
尿路 膀胱炎 3日
急性腎盂腎炎 14日(7-10日)
急性腎盂腎炎・再発 6週
慢性前立腺炎 1-3ヶ月
髄腔 髄膜炎 インフルエンザ菌 7-10日
髄膜炎菌
肺炎球菌 10-14日
リステリア 21日
敗血症 敗血症 コアグラーゼ陰性ブドウ球菌 5-7日
黄色ブドウ球菌 28日(14日)
グラム陰性桿菌 14日(7-14日)
カンジダ 血液培養陰性化後, 14日

ソース不明

  • シャント感染:黄色ブドウ球菌:頭蓋内デバイスの感染の場合、髄液培養陰性+10日間

妊婦に避けるべき抗菌薬

  • Antibiotics to avoid in pregnancy
  • Sulfonamides––kernicterus.
  • Aminoglycosides––ototoxicity.
  • Fluoroquinolones––cartilage damage.
  • Erythromycin––acute cholestatic hepatitis in mom
(and clarithromycin––embryotoxic).
  • Metronidazole––mutagenesis.
  • Tetracyclines––discolored teeth, inhibition of bone growth.
  • Ribavirin (antiviral)––teratogenic.
  • Griseofulvin (antifungal)––teratogenic.
  • Chloramphenicol––“gray baby.”
  • SAFE Moms Take Really Good Care.

使っても良い

YN.H-24
  • βラクタム系
  • エリスロマイシン、アジスロマイシン

参考

  • 抗菌薬インターネットブック
まとまっていてよい
http://www.antibiotic-books.jp

抗菌薬一覧

「解剖学」

  [★]

英
anatomy
ラ
anatomia
関
体表解剖学、臨床解剖学、神経解剖学、比較解剖学

系統解剖

  • 骨格系
  • 筋系
  • 脈管系
  • 消化器系
  • 呼吸器系
  • 泌尿器系
  • 生殖器系
  • 内分泌系
  • 神経系
  • 感覚器系

運動

  • 母指の運動

骨

筋肉

部位ごとの分類

  • 上肢の筋
    • 肩甲上腕筋
    • ローテーターカフ
  • 手の筋
  • 下肢の筋
    • 大腿
      • 前大腿筋群
      • 内側大腿筋群

関節ごとの分類

  • 肩関節
  • 股関節
  • 足関節(距腿関節)
  • 足趾関節

筋の付着部

神経

  • 脳神経
  • 脊髄神経
  • 皮神経

部位別

上肢

体幹

下肢

下肢の皮神経

名称
陰部大腿神経大腿枝
外側大腿皮神経
大腿神経前皮枝
閉鎖神経皮枝
伏在神経
浅腓骨神経
深腓骨神経
上殿皮神経
中殿皮神経
下殿皮神経
後大腿皮枝の枝
後大腿皮神経の終末枝
内側腓腹皮神経
外側腓腹皮神経
腓腹神経
外側足背皮神経

脳幹の神経解剖

  • 上丘
  • 視蓋
  • 下丘
  • 中脳
  • 中脳の解剖
  • 内包
  • 大脳基底核
  • 大脳脚
  • 大脳辺縁系
  • 小脳
  • 帯状回
  • 橋核
  • 網様体
  • 縫線核
  • 被蓋
  • 視床下角
  • 赤核
  • 青斑核
  • 鳥距溝
  • 黒質

血管

臓器に分布する血管

臓器 栄養血管 機能血管
動脈 静脈 動脈 静脈
食道        
胃        
小腸 上腸間膜動脈 上腸間膜静脈→門脈    
大腸 上・下腸間膜動脈 上・下腸間膜静脈→門脈    
肝臓 固有肝動脈 肝静脈→下大静脈    
胆嚢 胆嚢動脈 胆嚢静脈    
膵臓        
気管        
肺 気管支動脈 気管支静脈 肺静脈 肺動脈幹→肺動脈
腎臓        
尿管        
膀胱        
脾臓 脾動脈 脾静脈    
精巣 精巣動脈 蔓状静脈叢    
卵巣 卵巣動脈 蔓状静脈叢→卵巣静脈    

各体部位に分布する血管

  • 頭部
頚部

「アミノエチルスルホン酸」

  [★]

英
aminoethylsulfonic acid
同
2-アミノエタンスルホン酸 2-aminoethane sulfonic acid、タウリン taurine
関
[[]]


テンプレート:Infobox 有機化合物

概念

  • タウリン(Taurine)は生体内で重要な働きを示す含硫アミンの一種
  • H2N-CH2-CH2-SO3H
  • 分子量125.15
  • タウリンはヒトの体内などで胆汁の主要な成分である胆汁酸と結合(抱合)し、タウロコール酸などの形で存在する。消化作用を助けるほか、神経伝達物質としても作用する。白血球の一種である好中球が殺菌の際に放出する活性酸素や過酸化水素の放出(呼吸バースト)を抑える作用もある。哺乳類においては肝臓、肺、筋肉などに分布する。とりわけ軟体動物、特にタコ、イカはタウリンを多く含む。するめの表面に出る白い粉にはタウリンが凝縮されている。
  • ネコはタウリンを合成する酵素を持っていないため、ネコにとっての重要な栄養素といえる。このためキャットフードにはタウリンの含有量を明記したものが多い。ネコではタウリンの欠乏により拡張型心筋症が生じる。ただし、ヒト、トリ、ネズミなどは体内で合成できる。ヒトの生体内ではアミノ酸のシステインから合成される。
  • 有機合成化学ではシスタミンの酸化、システアミンの酸化のほか、ブロモエタンスルホン酸とアンモニアなどから誘導される。構造式は、NH2CH2CH2SO2OH。分子量125.15。IUPAC名は2-アミノエタンスルホン酸。無色の結晶であり、約300℃で分解する。水溶性だが有機溶媒には溶けない。CAS登録番号は107-35-7。

タウリンの代謝

タウリンはカルボキシル基を持たないので、アミノ酸ではない。また、タンパク質の構成成分になることもない。したがって、ネコにおいてはタウリンは必須アミノ酸ではなく、ビタミンの一種である。しかし、アミノ基を持つ酸であることもあって、古くからアミノ酸として混同されている。合成経路においてはまず、タンパク質の構成成分にもなる含硫アミノ酸であるシステインからシステイン・ジオキゲナーゼによりシステイン酸が合成される。タウリンはシステインスルフィン酸デカルボキシラーゼ(スルフィノアラニン・デカルボキシラーゼ)によりこのシステイン酸から合成される。ヒトはこの合成経路の両酵素をもつため、タンパク質を摂取していれば、タウリンの形での積極的摂取は不要である。胆汁酸と縮合したタウロコール酸はコリル・コエンザイムAとタウリンから合成される。タウリンは尿中に一日約200mgが排泄される。

「呼吸機能検査」

  [★]

英
respiratory function test
同
肺機能検査 pulmonary function test PFT, lung function test
関
肺、コンプライアンス

[show details]

呼吸機能検査 : 約 229,000 件
肺機能検査 : 約 110,000 件
呼吸機能試験 : 33 件
肺機能試験 : 100 件

概念

  • 肺の機能には代謝、免疫など非呼吸性の肺機能もあるが、一般に呼吸機能検査ではガス交換を中心とする呼吸機能を評価する。
  • 呼吸機能とは換気調節、換気力学、肺胞ガス交換、肺循環、血液ガスと酸塩基・体液電解質平衡、組織呼吸に大別される。
  • 呼吸器には換気、吸気分布、ガス交換の機能がある。これらのいずれかが障害された場合呼吸不全を引き起こす。これらの呼吸器の機能を計測するのが呼吸機能検査である。したがってこの検査を行うことで、呼吸不全の原因のうち、呼吸器が原因であるかどうかを調べることができる。
  • 肺機能検査とは、肺機能(換気機能とガス交換機能)を臨床的に評価する検査方法で、疾患の病態把握、診断、治療の選択、経過観察、手術適応の決定に有用(YN.I-21)

方法

LAB.1647

スパイロメトリー

機能的残気量の測定

  • ガス希釈法
  • 閉鎖回路法
  • 開放回路法
  • 体プレチスモグラフ法

換気力学の検査

肺内ガス分泌の検査

  • 単一呼吸法
  • resident gas法
  • bolus法
  • 多呼吸洗い出し法
  • 多呼吸N2洗い出し曲線

肺拡散能の測定

注意点

  • 患者が全力で行わないと意味がない。また、指示にしたがって患者が行わなければならないので、患者が要領をつかめない場合正確な値を得るのが難しい。そのため何度か行い、その中で一番よい結果を検査値とする。患者にとっては体力的に負担の大きい検査であるので、必要に迫られた場合のみ行うべきである。

「肺液」

  [★]

英
lung fluid, lung liquid
関
肺水

「肺水」

  [★]

英
lung liquid
同
肺液
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