区分 | 気管支腺 | 軟骨 | 平滑筋 | 弾力線維 | ||
気管 | 2+ | 3+ | 2+ | 4+ | ||
葉気管支 | 2+ | 3+ | 3+ | 3+ | ||
区域-小気管支 | 2+ | 2+ | 3+ | 3+ | ||
肺小葉 | 細-終末気管支 | - | - | 3+ | 3+ | |
肺胞道 | 呼吸細気管支 | - | - | - | + | |
肺細葉 | - | - | - | + | ||
肺胞/肺胞嚢 | - | - | - | 2+ |
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/11 07:40:25」(JST)
この項目では、現代医学について説明しています。東洋医学については「肺 (五臓)」をご覧ください。 |
肺 | |
---|---|
英語 | Lung |
器官 | 循環器 呼吸器 |
動脈
|
肺動脈
|
静脈
|
肺静脈
|
神経
|
肺神経叢
胸肺枝 |
肺(はい)は、脊椎動物の器官の1つである。肺臓とも呼ばれる。空気中から得た酸素を体内に取り込んだり、老廃物である二酸化炭素を空気中に排出する役割(呼吸)を持つ。これに対して水中から得た酸素を取り込み、水中に排出する器官が鰓(えら)である。
なお、無脊椎動物でも、体内に一定の腔所を持ち、その内側でガス交換を行う器官を肺と呼ぶ。節足動物のクモ型綱、軟体動物の腹足綱にその例がある。
ヒトの肺は胸腔の大部分を占める[1]。主に気道と血管からなり、両者は肺胞で接してガス交換を行っている。肺胞は約3億個で、総表面積は約60m2。肺の重さは一つあたり男性が約1,000g、女性は900g。
肺は横隔膜・肋間筋に囲まれた胸郭の中にある。肺の表面を覆っている漿膜を胸膜と言い[1]、横隔膜や肋間筋を裏打ちしている。肺を覆っている胸膜を臓側胸膜(肺胸膜)と言い、横隔膜や肋間筋を裏打ちしている胸膜を壁側胸膜と言う。臓側胸膜と壁側胸膜は辺縁で連続していて、一枚の扁平な袋になっている。この袋の中を胸膜腔と言い、漿液である胸膜内液で満たされている[1]。
肺は左右に2つあり、それぞれの尖った上部は肺尖、下面は肺底と呼ばれているものの、左右対称ではない。右肺は上から順に上葉・中葉・下葉からなり、左肺はやや小さく上葉・下葉からなる[1]。この5つの肺葉を大葉と言う。左肺に中葉がないのは、左右の肺を隔てる縦隔にある心臓が体幹の中心よりも左に寄っており、その分スペースが小さい為である。大葉は更に細かく10の肺区域に分けられる。
口や鼻から入る空気の通り道を気道と言う[2]。気道は咽頭で一つになり、喉頭で食道から前方に枝分れして気管になる[3]。気管は縦隔で左右に枝分れして気管支になる[2]。右肺は3葉あるので右気管支は気管から約25°の角度で枝分れする。左肺は心臓の分だけ上に寄っているので左気管支は気管から約35-45°の角度で枝分れする。 気管支は大葉へ向けて分岐し、さらに肺小葉に向けて分岐する。分枝を繰り返して軟骨を持たない複数弾性繊維を豊富に持つ終末細気管支を経て呼吸細気管支になり、その先端には肺胞がブドウのように密集している[1]。枝分かれは一定の法則に従って自己組織化するため、フラクタル構造になっている。
気管支には杯細胞や線毛細胞がある。細気管支にはクララ細胞がある。肺胞にはI型肺胞上皮細胞、II型肺胞上皮細胞がある。気管支にある杯細胞は気管粘液を出して湿度を保ち、線毛細胞は線毛運動によって吸気に混入した細菌等を咽頭へ流し戻す。これらの生理機能が正常に働いていれば肺胞は無菌に保たれているので、網細血管が直接空気と触れても細菌感染等は起こさない。
肺胞は、厚さ約0.1ミクロンの扁平上皮である呼吸上皮細胞(肺胞上皮細胞)が直径約0.1-0.2mmの球状になり、空洞(肺胞気)を取り囲む構造を持つ。両肺合わせて約3億個がある肺胞では、内部に入り込んだ空気とそれを取り囲む多くの毛細血管の間でガス交換を行う場所であり、面積を広げると約70m2になる[1]。毛細血管は内皮細胞に走り、呼吸上皮細胞との間に基底膜がある。厚さ約0.5ミクロンのこれら3層は血液空気関門と言う[1]。肺胞は弾性繊維で覆われ平滑筋を持たない。そのため、伸展はもっぱら気圧の変化によるものである[1]。肺胞でガス交換が行われる時は、I型肺胞上皮細胞が特に能動交換は行う訳ではなく、単にガス濃度の自然勾配によって受動交換が行われる。この為広い交換面積が必要になる。
肺胞上皮細胞内には、異物に対する免疫を持つマクロファージ(肺胞マクロファージ)や単球や、肺胞がひしゃげるのを防止するため脂質の表面活性物質を分泌するサーファクタント分泌細胞などがある[1]。肺胞にあるI型肺胞上皮細胞は薄い細胞で交換されるガスの通り道になっている。II型肺胞上皮細胞は厚い細胞で肺サーファクタントを出している。肺胞は極めて小さいので、そのままでは水の表面張力によって潰れてしまう。そのため表面活性物質を出して表面張力を下げて、肺胞が潰れない様にしている[1]。肺表面活性物質は胎生28週頃になってやっと出始めるため、妊娠28週以前に出産すると呼吸ができない新生児呼吸窮迫症候群 (RDS) になる危険性が極めて高い。そのような児のために現在は人工のサーファクタントを用いて、呼吸できる環境にするのが一般的である[1]。肺の血管内皮細胞はアンギオテンシン変換酵素 (ACE) を内分泌する。
大葉中ではお互いに穴でつながっているので、細菌性肺炎等を放置すると大葉性肺炎になる。
肺に流れる血管には大きく2系統があり、機能血管と栄養血管という。肺は血液ガス交換をする為の臓器なので血液ガス交換の為の血管を機能血管といい、肺臓その物を養っている血管を栄養血管と言う[1]。
機能血管は心臓の右心室から肺動脈が出る。肺動脈は縦隔で左右に枝分れして右肺動脈と左肺動脈に分かれる。左右肺動脈は気道と同様に肺葉に向けて分岐して行き、最後は肺胞で毛細血管になる。肺胞でガス交換を終えた血管は分岐した時と同様に合流して行き、左右それぞれ2本の肺静脈となって左心房に流れ込む。栄養動脈である気管支循環系は、大動脈から直接分岐する。
肺が膨らむときは、横隔膜や肋間筋が胸腔を広げ、胸腔が陰圧になることで肺が立体的に引っ張られて受動的に膨らむ。一方縮むときは筋肉は使われず、肺自身が縮もうとする力で収縮して空気の吸入・呼出をする。壁側胸膜は知覚神経が豊富で、肺が痛む時はこの神経が関与している。
なお、サーファクタント(界面活性剤)が、肺の円滑な動きには必要である。このサーファクタントが不足した状態になったことが新生児呼吸窮迫症候群の原因である。サーファクタントが足りないために上手く肺胞が広がらず、ガス交換が上手くゆかなくなっているのである。なお新生児呼吸窮迫症候群は、妊娠期間が短いほど(早産であるほど)発生しやすく、新生児が死亡する原因の1つとなる。
気管支と肺動脈は原則として隣接し平行に走行する。肺区域、亜区域、小葉の中心を走行する。これに対して肺静脈はこれらの境界を走行する。CTでは気管支に隣接する血管が肺動脈であり、肺動脈と肺動脈の間にある血管が肺静脈である。正常なヒトでは気管支は亜区域までしか追うことはできないのでそこまでは有効な方法である。肺の機能動脈は肺動脈だが、それ以外に栄養血管として気管支動脈が存在する。気管支動脈は下行大動脈から直接分枝するが正常では細いため造影CTでその近位部が確認されるにすぎない。肺はリンパが豊富な組織である。気管支周囲、肺血管周囲、小葉間隔壁、胸膜の間質に分布している。特によく発達しているのが、気管支周囲と肺動脈周囲である。基本的には肺末梢から肺門部に向かって流れている。リンパ管そのものはCTでは確認できないが、癌性リンパ管炎やうっ血性心不全のようにリンパ浮腫を起こすと、気管支壁が肥厚し、血管陰影が拡大し小葉間隔壁が確認できるようになる。
肺の構造を理解する上で欠かせない概念が二次小葉といわれるものである。もっとも有名なものはMillerによる定義である。二次小葉の中央を気管支と肺動脈が小葉間隔壁の中を肺静脈が走っている。肉眼的にも確認ができる小葉間隔壁に囲まれた多面体である。この概念は間質性病変を理解するのに役に立つ。二次小葉は30個ほどの細葉が集まってできているとされている細葉はCTでは確認ができない。
肺の亜区域を同定するには気管支を辿っていくのがわかりやすい。原則として区域気管支の番号と肺区域の番号は一致し、大体気管支が肺区域の中央を通過することを念頭におくと手術後や偏位のある肺でも亜区域を同定できる。
右主気管支はまず、上方に右上葉気管支を分枝する、右上葉気管支は上方(外側)にB1、後方にB2、前方にB3の分枝をする。反時計回りに番号が振られていることに注意が必要である。B1はS1(肺尖区)の区域気管支であり、B2はS2(後上葉区)、B3はS3(前上葉区)の区域気管支である。右主気管支は右上葉気管支を分枝した後、中間気管支管(左には存在しない)という。
中間気管支管は前方に右中葉枝を分枝する。右中葉枝は外側(前方)のB4と内側(後方)のB5に分枝する。B4はS4(外側中葉区)、B5はS5(内側中葉区)の区域気管支である。
右中葉枝を分枝した直後、後方にB6が分枝される。次いで、B7が前下内方へ、B8が前下外方へB9+10が下後方に分枝する。B6はS6(上下葉区)、B7はS7(内側肺底区)、B8はS8(前肺底区)、B9+10はS9(外側肺底区)、S10(後肺底区)の区域気管支である。
左主気管支から左上葉気管支が上方に分枝する。左上葉気管支は上行する上区枝と前下方の舌区枝に分枝する。上区枝は上後方のB1+2と前方のB3に分枝する。舌区枝は前方のB4と下外方のB5に分かれる。B1+2はS1+2(肺尖後区)、B3はS3(前上葉区)、B4はS4(上舌区)、B5はS5(下舌区)の区域気管支である。
左上葉気管支を分枝した直後、B6を後方に分枝する。左側にはS7(内側肺底区)は存在しないことが多く、前下方のB8、後方のB9+10を分枝する。B9+10は外側のB9と内側のB10に分枝する。B6はS6(上下葉区)、B8はS8(前肺底区)、B9はS9(外側肺底区)、B10はS10(後肺底区)の区域気管支である。
酸素の摂取は水中からより空気中からのほうがはるかに有利となる。これは水中における溶存酸素がせいぜい15℃で7ml/lであるのに対して空気中には209ml/lにも達する事、空気の比重は水の1000分の1、空気の粘性は水の100分の1である事、酸素の血液中への拡散速度は空気中が水中の50万倍にも上る事による。しかし、初期脊椎動物によって水呼吸に用いられてきた鰓は水との接触面積を柔軟で微細な襞状構造によって達成しているため、これを空気中に引き出すと襞間の水の凝縮力によってしぼんでしまい、呼吸媒体との接触面積が水中に比して著しく低下する。そのため、空気呼吸の利点を享受するには新たな呼吸器官が必要となる。この空気呼吸器官は鰓のような凸状の酸素摂取面を体外に発達させるのではなく、体内に凹状の酸素摂取面を設けることで、空気の圧力により呼吸媒体との接触面積が広く維持できる。こうして鰓裂直後の消化管腹壁より分化した嚢状器官として肺は発生した。脊椎動物が肺を獲得した時期に関しては初期の有顎動物下門である板皮綱に既に肺を持つものがいたとする説があるが、初期の硬骨魚綱には確実に存在している。また、軟骨魚綱は肺を持つことがなかったグループである。
肺の発達と同時に、肺から取り入れた酸素を機能的に全身に運ぶため、血管の配置も変化している。魚類では心臓からでた動脈の一つが肺を通り、その後全身に巡るという形を取るが、両生類以上では心臓から肺へ行った血液は、すぐに心臓へ戻り、あらためて全身へ運ばれるという形を取る。つまり心臓から全身を回る循環と、肺へ行ってすぐ戻る循環が分化する。これを、それぞれ体循環と肺循環という。ただし、これを十分に行うためには心臓内部が二つに分かれなければならないが、そのための壁は爬虫類以上でなければ完成されない。
現在知られている硬骨魚綱に属する魚類は全て肺を持っていた動物の子孫である。今日でも硬骨魚類の古典的体制を今日に伝えているハイギョ類(オーストラリアハイギョ目、ミナミアフリカハイギョ目)、ポリプテルス目、アミア目、ガー目は陸上脊椎動物の肺と相同な空気呼吸器官を持ち、空気呼吸を行う。この器官は肺と呼ばれることもあるし、空気呼吸能力を失った硬骨魚類の相同器官と同じく浮袋と呼ぶこともある。前者は元来呼吸器官の肺が進化の過程で浮力調節器官に変化したものを浮袋とみなす立場であり、後者は魚類の肺と相同な器官は一律に浮袋とする立場である。浮力調節器官としての浮袋が空気呼吸の能力を獲得して肺に進化したとみなす仮説は今日では支持されておらず、空気呼吸器官として分化した肺(あるいは浮袋)が二次的に浮力調節器官としての適応的意義を持つようになり、浮力調節に特化した浮袋に進化したとする仮説が有力視されている。
上記に挙げた分類群では一次的な機能である空気呼吸能力が第一義的な機能を果たしており、祖先的な形質を維持していると考えられている。その他の硬骨魚類では肺は浮袋に進化し、水中における比重調節を第一義的な機能とする器官になっているが、アロワナ目のピラルクーなど呼吸能力を持つものもある。
肺の空気呼吸能力を失った後に、別の副呼吸器による空気呼吸能力を再獲得した硬骨魚類(腸呼吸を行うドジョウや、皮膚呼吸を行うトビハゼ等)が数多く知られている。
先述のように酸素の獲得に際しては空気呼吸が有利であるが、二酸化炭素の排出に関してはその溶解度の高さから水呼吸のほうが有利な側面がある。そのため、肺や副呼吸器による空気呼吸で主として酸素摂取をする魚類であってもしばしば二酸化炭素は主として鰓から水中に排出していることが知られている。そのため、肺などによる空気呼吸を必須とする魚類であっても鰓を不要とすることを意味しない。
ウィキメディア・コモンズには、肺に関連するメディアがあります。 |
種 | 温度 (℃) |
O2摂取(%) | CO2排出(%) | ||
---|---|---|---|---|---|
空気から | 水から | 空気へ | 水へ | ||
肺魚類 | |||||
プロトプテルス・エチオピクス | 24 | 92 | 8 | 32 | 68 |
レピドシレン・パラドクサ | 20 | 42 | 58 | 0 | 100 |
ガーパイク類 | |||||
ロングノーズガー | 22 | 73 | 27 | 8 | 92 |
スポッテッドガー | 20 | 42 | 58 | 0 | 100 |
アミア類 | |||||
アミア | 30 | 74 | 26 | 39 | 61 |
20 | 69 | 31 | 23 | 77 | |
10 | 8 | 92 | 7 | 93 | |
30 | 40 | 60 | 8 | 92 | |
オステオグロッスム類 | |||||
ピラルクー | 28~30 | 78 | 22 | 37 | 63 |
基本的に魚類の肺と同じ単純な袋状の構造である。そのため通常は肺が最大の呼吸器官であるが、これだけでは全呼吸量をまかなうことができない。両生類の皮膚の角質層はきわめて薄く、また通常粘液で覆われているので酸素や二酸化炭素が透過しやすく皮膚呼吸の能力も高い。皮膚呼吸への依存度は活動時のカエルで全呼吸量の2分の1から3分の1程度と言われている。
水生種の中には幼形成熟(ネオテニー)により鰓を失わないものも多く、これらは肺呼吸と皮膚呼吸に加え、鰓呼吸も併用している。冷涼湿潤な森林の地表で生活するグループの中には肺そのものを失って全面的に皮膚呼吸に依存するものもある。サンショウウオ科のハコネサンショウウオやアメリカサンショウウオ科の全ての種がそうである。
カエルは両生類の中では活動的で呼吸量も多いため、比較的複雑になった肺を持つ。内壁の襞の発達によりいくつもの泡沫が集合したような外観である。
爬虫類では基本的にほぼ肺に依存した呼吸が可能な程度に構造が複雑化して、内壁は海綿状にまで発達している。中には哺乳類と同程度にまで複雑化した肺を持つものもある。皮膚の表面には厚い角質が発達するので皮膚呼吸への依存は低いが、水生のカメなどでは咽頭や総排泄孔の内壁の粘膜を水中での補助呼吸器官として用いている。さらにワニやカメなどが潜水するときは心臓の操作によって肺循環を低下させ、肺呼吸を停止した状態での効果的な血液循環を図ることが知られている。また、ヘビの場合、著しく細長くなった体制に応じて左の肺が退化し、右の肺のみが発達する。
鳥類は、気嚢と肺管の組み合わせによる極めて効率的なガス交換システムをもつ。
気管から分岐した気管支は、最終的に並行して走る肺管と呼ばれる細かい管になり、これがガス交換の場となる。ここから5対の気嚢と呼ばれる大きな袋が出ている。気嚢は頸気嚢、鎖骨間気嚢、前胸気嚢の3対の前気嚢と、後胸気嚢と腹気嚢の2対の後気嚢に分かれる。また各気嚢には気管に直結した経路も存在する。
呼吸運動において5対の気嚢がふいごのように伸縮するが、肺管は伸縮しない。吸気はまず3対の後気嚢に直接吸い込まれ、保持される。次に酸素を豊富に含んだ後気嚢内の空気が後方から肺管に送り込まれる。肺管の血管には前方から血流が送られており、肺管の前方の古い空気との間で二酸化炭素を排出した後、後方の新しい空気から酸素を吸収する。肺管を通過した空気は前気嚢に集められ、気管に向けて排出される。
このように、鳥の肺ではガス交換部における空気の流れは一方向のみで、常に新鮮な空気が血液と対向方向に流れる。他の脊椎動物の肺では空気は往復運動している。そのためガス交換部である肺胞に常にある程度の古い空気が残存せざるを得ず、新鮮な空気は常にかなりの量の古い空気と混合した後にガス交換が行われることになる。
こうした効果的なガス交換能力を身につけていたことが鳥の激しいエネルギー消費を伴う飛行を可能にしたと言える。しかし、鳥の気嚢は全身にくまなく入り込んでいるため、獣医学的には鳥の呼吸器感染症は重篤になりやすいと言われている。
鳥類は獣脚類の恐竜から分岐して進化した。現存鳥類の呼吸システムを、獣脚類(もしくは恐竜全体)が既に持っていたという仮説があり、研究がすすめられている。2005年には、マジュンガトルスの脊椎骨の構造の研究から獣脚類が気嚢を持つ証拠が提出され、この仮説の実証が前進した。
鳥類以外の基本型の肺を持つ動物では哺乳類が最も複雑な構造の肺を持つ。気管からは細気管支が幾度も分枝を重ね、膨大な数の微細な肺胞に至り、ここがガス交換の場となる。著しいガス交換面積の獲得により酸素の摂取能力と二酸化炭素の排出能力は非常に高くなっている。ヒトも哺乳類の一種であるため、基本的な構造と機構については上記の人間の肺の項目を参照のこと。
[ヘルプ] |
|
|
|
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
アクトヒブ
乳幼児において本剤によって誘導される抗PRP抗体はIgG (主にIgG1) が主体であった。また,本剤接種後の血清には殺菌活性およびオプソニン活性が抗PRP抗体価に相関して認められた7) 8)。
なお,外国で行われたHib全身感染症の疫学研究等により,Hibの感染予防に必要な抗PRP抗体価 (感染予防レベル) は0.15μg/mL,長期の感染予防に必要な抗PRP抗体価 (長期感染予防レベル) は1μg/mLであることが明らかにされた9)。
国試過去問 | 「105B059」「099G006」「110E045」「105I073」「110B045」「106G029」「106G041」「098F008」「111E008」「099D117」「103E028」「099D118」「111D009」「112C005」「109B026」「102G029」「100B033」「102B039」「101C020」「089B013」 |
リンク元 | 「サルコイドーシス」「抗菌薬」「解剖学」「アミノエチルスルホン酸」「呼吸機能検査」 |
拡張検索 | 「肺液」「肺水」 |
BC
※国試ナビ4※ [105B058]←[国試_105]→[105B060]
C
※国試ナビ4※ [099G005]←[国試_099]→[099G007]
D
※国試ナビ4※ [110E044]←[国試_110]→[110E046]
BE
※国試ナビ4※ [105I072]←[国試_105]→[105I074]
B
※国試ナビ4※ [110B044]←[国試_110]→[110B046]
C
※国試ナビ4※ [106G028]←[国試_106]→[106G030]
D
※国試ナビ4※ [106G040]←[国試_106]→[106G042]
D
※国試ナビ4※ [098F007]←[国試_098]→[098F009]
C
※国試ナビ4※ [111E007]←[国試_111]→[111E009]
C
※国試ナビ4※ [099D116]←[国試_099]→[099D118]
B
※国試ナビ4※ [103E027]←[国試_103]→[103E029]
D
※国試ナビ4※ [099D117]←[国試_099]→[099D119]
C
※国試ナビ4※ [111D008]←[国試_111]→[111D010]
D
※国試ナビ4※ [112C004]←[国試_112]→[112C006]
D
※国試ナビ4※ [109B025]←[国試_109]→[109B027]
B
※国試ナビ4※ [102G028]←[国試_102]→[102G030]
C
※国試ナビ4※ [100B032]←[国試_100]→[100B034]
B
※国試ナビ4※ [102B038]←[国試_102]→[102B040]
C
※国試ナビ4※ [101C019]←[国試_101]→[101C021]
Mechanism of action | Drugs | |
1 | Block cell wall synthesis by inhibition of peptidoglycan cross-linking | penicillin, ampicillin, ticarcillin, piperacillin, imipenem, aztreonam, cephalosporins |
2 | Block peptidoglycan synthesis | bacitracin, vancomycin, cycloserine |
3 | Disrupt bacterial/fungal cell membranes | polymyxins |
4 | Disrupt fungal cell membranes | amphotericin B, nystatin, fluconazole/azoles |
5 | Block nucleotide synthesis | sulfonamides, trimethoprim |
6 | Block DNA topoisomerases | quinolones |
7 | Block mRNA synthesis | rifampin |
8 | Block protein synthesis at 50S ribosomal subunit | chloramphenicol, erythromycin/macrolides, lincomycin, clindamycin, streptogramins (quinupristin, dalfopristin), linezolid |
9 | Block protein synthesis at 30S ribosomal subunit | aminoglycosides, tetracyclines, spectinomycin ATuSi → あつし |
感染臓器・臨床診断 | 原因菌 | 投与期間(抗菌薬) |
髄膜炎 | インフルエンザ菌 | 7-10日 |
肺炎球菌 | 10-14日 | |
髄膜炎菌 | 7-10日 | |
GBS,腸内細菌,リステリア | 21日 | |
中耳炎 | <2 歳 | 10日 |
2 歳≦ | 5-7日 | |
咽頭炎 | A 群連鎖球菌 | 10日(ペニシリン系薬) |
5日(セフェム系薬) | ||
肺炎 | 肺炎球菌,インフルエンザ菌 | 解熱後3-4日 |
黄色ブドウ球菌 | 3-4週間 | |
マイコプラズマ,クラミジア | 10-21日 | |
腎臓、膀胱炎、腎盂腎炎 | 大腸菌,プロテウス,腸球菌 | 3日 |
14日 | ||
骨髄炎 | 黄色ブドウ球菌 | 21日 |
連鎖球菌,インフルエンザ菌 | 14日 |
骨 | 骨髄炎 | 4-6週 | |
耳鼻咽喉 | 中耳炎 | 5-7日 | |
副鼻腔炎 | 5-14日 | ||
A群溶連菌咽頭炎 | 10日 | ||
肺 | 肺炎 | 肺炎球菌 | 7-10日 or 解熱後3日間 |
インフルエンザ菌 | 10-14日 | ||
マイコプラズマ | 14日(7-10日) | ||
レジオネラ | 21日 | ||
肺化膿症 | 28-42日 | ||
心臓 | 感染性心内膜炎 | α連鎖球菌 | 2-4週 |
黄色ブドウ球菌 | 4-6週 | ||
消化管 | 腸炎 | 赤痢菌 | 3日 |
チフス | 14日(5-7日) | ||
パラチフス | |||
腹膜炎 | 特発性 | 5日 | |
二次性 | 10-14日 | ||
胆肝膵 | 肝膿瘍 | 細菌性 | 4-8週 |
アメーバ性 | 10日 | ||
尿路 | 膀胱炎 | 3日 | |
急性腎盂腎炎 | 14日(7-10日) | ||
急性腎盂腎炎・再発 | 6週 | ||
慢性前立腺炎 | 1-3ヶ月 | ||
髄腔 | 髄膜炎 | インフルエンザ菌 | 7-10日 |
髄膜炎菌 | |||
肺炎球菌 | 10-14日 | ||
リステリア | 21日 | ||
敗血症 | 敗血症 | コアグラーゼ陰性ブドウ球菌 | 5-7日 |
黄色ブドウ球菌 | 28日(14日) | ||
グラム陰性桿菌 | 14日(7-14日) | ||
カンジダ | 血液培養陰性化後, 14日 |
名称 |
陰部大腿神経大腿枝 |
外側大腿皮神経 |
大腿神経前皮枝 |
閉鎖神経皮枝 |
伏在神経 |
浅腓骨神経 |
深腓骨神経 |
上殿皮神経 |
中殿皮神経 |
下殿皮神経 |
後大腿皮枝の枝 |
後大腿皮神経の終末枝 |
内側腓腹皮神経 |
外側腓腹皮神経 |
腓腹神経 |
外側足背皮神経 |
臓器 | 栄養血管 | 機能血管 | ||
動脈 | 静脈 | 動脈 | 静脈 | |
食道 | ||||
胃 | ||||
小腸 | 上腸間膜動脈 | 上腸間膜静脈→門脈 | ||
大腸 | 上・下腸間膜動脈 | 上・下腸間膜静脈→門脈 | ||
肝臓 | 固有肝動脈 | 肝静脈→下大静脈 | ||
胆嚢 | 胆嚢動脈 | 胆嚢静脈 | ||
膵臓 | ||||
気管 | ||||
肺 | 気管支動脈 | 気管支静脈 | 肺静脈 | 肺動脈幹→肺動脈 |
腎臓 | ||||
尿管 | ||||
膀胱 | ||||
脾臓 | 脾動脈 | 脾静脈 | ||
精巣 | 精巣動脈 | 蔓状静脈叢 | ||
卵巣 | 卵巣動脈 | 蔓状静脈叢→卵巣静脈 |
テンプレート:Infobox 有機化合物
タウリンはカルボキシル基を持たないので、アミノ酸ではない。また、タンパク質の構成成分になることもない。したがって、ネコにおいてはタウリンは必須アミノ酸ではなく、ビタミンの一種である。しかし、アミノ基を持つ酸であることもあって、古くからアミノ酸として混同されている。合成経路においてはまず、タンパク質の構成成分にもなる含硫アミノ酸であるシステインからシステイン・ジオキゲナーゼによりシステイン酸が合成される。タウリンはシステインスルフィン酸デカルボキシラーゼ(スルフィノアラニン・デカルボキシラーゼ)によりこのシステイン酸から合成される。ヒトはこの合成経路の両酵素をもつため、タンパク質を摂取していれば、タウリンの形での積極的摂取は不要である。胆汁酸と縮合したタウロコール酸はコリル・コエンザイムAとタウリンから合成される。タウリンは尿中に一日約200mgが排泄される。
.