出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/09/09 20:45:58」(JST)
黄色ブドウ球菌 | |||||||||||||||||||||
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電子顕微鏡写真
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Staphylococcus aureus Rosenbach 1884 |
黄色ブドウ球菌(おうしょくブドウきゅうきん、Staphylococcus aureus)とは、ヒトや動物の皮膚、消化管(腸)常在菌(腸内細菌)であるブドウ球菌の一つ。
ヒトの膿瘍等の様々な表皮感染症や食中毒、また肺炎、髄膜炎、敗血症等致死的となるような感染症の起因菌でもある。学名はStaphylococcus aureus(スタフィロコッカス・アウレウス)。属名StaphylococcusのStaphylo-は「ブドウの房状の」、coccusは「球菌」の意であり、種小名aureusは「黄金色の」を意味する(金の元素記号や、オーロラなどと同じ語源)。
ブドウ球菌は、通性嫌気性のグラム陽性球菌である。顕微鏡で観察すると、ブドウの房のように複数の細菌が集団を形成している。他の細菌と比較して高濃度 (10%) の食塩存在下でも増殖が可能であり、またカタラーゼ活性、ブドウ糖発酵性を持つなどの生化学的特徴を利用して分離・同定される。
他のブドウ球菌と黄色ブドウ球菌の違いは、コアグラーゼと呼ばれるウサギ血漿を凝集させる酵素を産生するかどうかで決まり、ヒトの体表に生息してコアグラーゼを産生するものが黄色ブドウ球菌である。また典型的な一部の黄色ブドウ球菌は黄色の色素を産生するため、培地上で培養したとき黄色いコロニー(細菌の集落)を形成する。当初はこの性質によって判別されており、これが「黄色」と呼ばれる由来であったが、現在は色素産生の有無ではなく、コアグラーゼ産生能で判別される。
黄色ブドウ球菌は人体の皮膚表面、毛孔に存在する。特に鼻腔内に存在する常在細菌であり、約30%〜100%のヒトが保有していると言われる(諸説あり)。ヒトの皮膚に常在するブドウ球菌の中では毒性が高く、他のブドウ球菌では健常者に対して病気を起こさない(ただし日和見感染を起こすことはある)のに対し、黄色ブドウ球菌は健常者に対しても病気を起こしうる。ただし黄色ブドウ球菌も、健常者では通常の生育場所である皮膚表面や鼻腔などでの増殖自体が発病につながることは少なく、創傷部などから体内に侵入した場合に発病することが多い。感染力は強い部類に属するが、菌が少なければ通常その毒性は弱い。
黄色ブドウ球菌の病原性に関わる因子には以下のものが知られている。
毎年、アメリカ合衆国では50万人が黄色ブドウ球菌感染症で医療機関を受診する。抗生物質の安易な処方が原因で、黄色ブドウ球菌は、特に多くの一般に利用される抗生物質に耐性(抵抗性)を持つ変種を生み出してきた。特に問題となるのは、そのような耐性菌に対し開発された薬剤に対する耐性菌が出現する事である。 単一の薬剤に対し耐性を獲得した菌は、耐性を有する薬剤名を冠しペニシリン耐性菌、メチシリン耐性菌はMRSA、バンコマイシン耐性菌はVRSAと呼ばれる。また複数の薬剤に対し耐性を獲得した菌は多剤耐性菌と呼ばれる。なお、メチシリンに対する感受性のある菌はMSSAと呼ばれる。
黄色ブドウ球菌による疾患は、感染病原性と毒素病原性とに大別される。前者はブドウ球菌が体内で感染・増殖することによる疾患であり、各種の化膿性疾患や肺炎、急性心内膜炎、菌血症が含まれる。後者は感染や増殖そのものよりも、ブドウ球菌が産生する毒素による症状であり、食中毒、毒素性ショック症候群(Toxic shock syndrome, TSS)、熱傷様皮膚症候群がこれにあたる。
黄色ブドウ球菌による感染は、表皮およびその直下の組織に限局した部位に見られることが多い。毛孔や創傷部から感染が起きると、伝染性膿痂疹(とびひ、インペティーゴ)、癤(せつ、フルンケル)、癰(よう、カルブンケル)、蜂巣炎など、表皮限局性の化膿性疾患の原因になる。また、カテーテルや心臓弁など、医療行為に用いる異物に付着して、そこで骨髄炎、関節炎などの深部限局性感染を起こすことがある。これらの疾患で生じる膿瘍内で細菌は増殖するが、さらに細菌の増殖が進むと、スタフィロキナーゼや各種プロテアーゼなどの働きによって病巣周辺の組織を破壊しながら周囲に浸潤し、ときに血流に入って、菌血症や敗血症、急性心内膜炎、肺炎などを引き起こすことがある。
黄色ブドウ球菌による感染症としては頻度が高く、正常な免疫を持つヒトにもしばしば発症する。
皮膚感染症のうち最も表面に近い部分に起こるのが伝染性膿痂疹(Impetigo、「とびひ」)である。皮膚表面にべったりとした黄色の膿痂(かさぶた)を伴ったびらんが現れる。びらんは痛痒いため、特に小児ではこのびらんを掻破してしまう。びらんを掻破した爪で他の健常皮膚面を掻破することにより、その健常皮膚面に新たなびらんを形成する。こうして病巣が播種していくのが「伝染性」膿痂疹の特徴である。
毛孔から感染し、毛嚢およびその周囲の真皮・皮下組織の一部に炎症を起こすのが癤(せつ、Furuncle)である。癤が複数の毛孔におよび、癒合したものは癰(よう、Carbuncle)と呼ばれる。特に顔面にできた癤や癰は面疔と呼ばれ、放置すると髄膜炎を起こす危険があるため、確実な治療が必要とされる。
表皮内部に感染を起こすのが蜂窩織炎(蜂巣炎)である。通常の細胞構造を細菌及び炎症細胞が破壊し、「蜂の巣」状の病理組織を形成することがこの名の由来である。蜂窩織炎の局所は発赤・腫脹し、熱感と疼痛を伴う。境界はやや不明瞭であることが多い(A群β溶血性連鎖球菌で起こる丹毒では境界明瞭である)。
膿痂疹は局所を消毒し、掻破しないように心がけるだけでも治ることがある。他の皮膚感染症には抗菌薬の投与が必要である。ペニシリン系のクロキサシリン (MCIPC)、スルバクタム/アンピシリン合剤 (SBT/ABPC)、第1世代セフェムのセファゾリン (CEZ) などが通常用いられる。正常な免疫を持つ患者ではMRSAによる皮膚感染の頻度は低く、治療の最初から抗MRSA薬を用いることはしない。
高齢者や人工呼吸器管理中の患者などには、黄色ブドウ球菌による肺炎、肺化膿症が起こりうる。これらの患者の多くでは過去に抗菌薬を投与されており、MRSAの頻度が高いことに注意が必要である。喀痰および胸水のグラム染色が迅速診断に有用であり、適切な抗菌薬の選択が必要である。
人工弁、人工関節、中心静脈カテーテルなど体内に異物が存在する患者では、血流中に侵入した黄色ブドウ球菌がこれら異物に定着して感染症を起こすことがある。また、異物がなくても、骨髄炎や関節炎などの特殊な病巣感染症を起こす場合がある。黄色ブドウ球菌によるこれらの病巣感染症では、しばしば抗菌薬投与のみでは不足であり、病巣に対する外科的処置が必要となる(人工弁の入れ替え、カテーテル抜去、関節腔の切開排膿など)。
黄色ブドウ球菌による食中毒は、食品中で増殖してそこで黄色ブドウ球菌エンテロトキシン毒素を産生するために起きるものである。この毒素は耐熱性で、食品を加熱することによってブドウ球菌そのものが死滅しても、毒素は耐熱性のためそのまま残る。それを食べた場合に激しい嘔吐を伴う食中毒を引き起こす。このような食中毒を毒素型食中毒と呼ぶ。一方、サルモネラや病原大腸菌などの場合は生きた細菌が腸内に感染することによって起きる感染型食中毒を引き起こす。すなわちブドウ球菌による食中毒は感染症ではなく、むしろ毒キノコを食べるケースに近い。
黄色ブドウ球菌による食中毒は潜伏期が短く、汚染された食品を食べたあと2〜3時間(エンテロトキシン濃度が高ければ数十分程度)で発症し、その後すみやかに終息する。しかし、症状が激しい場合には、ショック症状に陥る場合もあるため、健康に異常を感じた場合は医療機関に受診するのが望まれる。主に悪心と嘔吐が現れ、場合によっては腹痛や下痢を伴うこともある。黄色ブドウ球菌による食中毒は、症状が嘔吐に集中するのが特徴でもある。黄色ブドウ球菌自体が体内に入る感染症ではないため、抗菌薬の投与は不要であり、輸液により水分・糖・電解質を補充して症状の改善を待つ。
毒素性ショック症候群 (Toxic shock syndrome, TSS) は、黄色ブドウ球菌の産生するTSST-1 (Toxic shock syndrome toxin 1) という毒素による症候群。TSST-1がスーパー抗原として働き、発疹、下痢・嘔吐、血圧低下(ショック)、播種性血管内凝固、多臓器不全などを来たす致命的な疾患である。
昇圧剤、輸血、蛋白分解酵素阻害薬などの対症療法のほか、毒素の除去および急性腎不全に対する治療のために血漿交換や持続的血液濾過透析などの血液浄化法を行う。
新生児TSS様発疹症(Neonatal TSS-like Exanthematous Disease, NTED(エヌテッド、と読まれることが多い))は、生後数日以内の新生児に発症する毒素性疾患で、原因菌はほとんどMRSAである。TSST-1 like toxinという毒素がスーパー抗原となって発症する。発疹、軽度の発熱、ときに哺乳不良が症状であり、血液所見では血小板減少と軽度の炎症反応を伴う。
ときに血小板輸血が必要となることもあるが、TSSとは異なり、おおむね予後良好な疾患である。治療法として特異的なものはないが、多くの場合抗MRSA薬が投与される。
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(Staphylococcal Scalded Skin Syndrome, SSSS(フォーエス、と読まれることが多い))は、乳幼児に特有の毒素性疾患である。黄色ブドウ球菌が産生するExfoliative (Epidermolytic) toxin-A,Bがその原因であり、毒素が表皮に沈着してスーパー抗原として働くことで、表皮の細胞間結合が破壊される。
症状は全身の皮膚のびらん、水疱形成で、著しい痛みを伴う。一見正常に見える皮膚面でも、物理的刺激により水疱を形成する(ニコルスキー現象)。そのため、水疱・びらんは間擦部、つまりひじの内側やわきの下、首の周りなどにできやすい。多くの場合、口周囲には膿痂疹ができており、膿痂からは黄色ブドウ球菌が検出される。治療に特異的なものはないが、膿痂疹を伴っていることが多いためセファゾリンなどの抗菌薬を使うことが多い。MRSAが検出されることも少なくないが、抗MRSA薬は通常用いない。また、不機嫌で経口摂取を取れなくなることがしばしばあり、輸液が必要となることが多い。SSSSそのものは、数日で自然軽快する疾患である。
いわゆる抗生物質(抗細菌薬)の投与による化学療法を行う。ただしさまざまな薬剤に対する耐性を獲得したものも多い。ほとんどの黄色ブドウ球菌はもともとペニシリン感受性であったが、現在分離されるもののほとんどはペニシリン耐性である。セフェム系やストレプトマイシンなどの薬剤にも耐性のものが多い。メチシリンやバンコマイシンが、これらの耐性菌に有効であったが、現在はMRSA、VRSAなども報告されている。これらの事情から、用いる薬剤については分離された菌に対する薬剤感受性試験を行って有効なものを用いるべきであるとされる。
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科 | 属 | 種 | 法律 | 特徴 | 季節性 | 感染 | 毒素 | 症状 | 原因食品 | 潜伏期間 | 経過 | 治療 | 予防 | ||
感染型 | グラム陰性桿菌 | 腸内細菌科 | サルモネラ属 | 再興感染症 | 新生児・乳児での接触感染 | 菌体内毒素 | 下痢(粘液、水様で緑色)、嘔吐、腹痛、急激な発熱(38-40℃) | レバー刺身、生肉、焼き鳥、生卵、ハム、ソーセージ、魚肉練り製品、乳製品、あん | 6-48時間(平均12時間) | 1-3日 | 対症療法 | 加熱、二次感染の予防(ネズミ、ゴキブリの駆除) | |||
グラム陰性らせん菌 | カンピロバクター属 | Campylobacter jejuni | 初夏(5-6月) | まな板、包丁などによる2次感染 | 菌体内毒素 | 下痢(水樣、腐敗臭)、腹痛、嘔吐、発熱、まれに敗血症 | 肉類、生乳、水(家畜の屎尿による汚染) | 2-5日(まれに10日) | 1-2週間 | 対症療法、エリスロマイシン | 加熱、ペットからの感染予防 | ||||
Campylobacter coli | |||||||||||||||
グラム陰性桿菌 | 腸内細菌科 | サルモネラ属 | チフス菌 | ||||||||||||
グラム陰性桿菌 | 腸内細菌科 | サルモネラ属 | パラチフス菌 | ||||||||||||
グラム陰性桿菌 | 腸内細菌科 | シゲラ属 | 赤痢菌 | ||||||||||||
生体内毒素型 | グラム陰性桿菌 | ビブリオ科 | ビブリオ属 | コレラ菌 | |||||||||||
グラム陰性桿菌 | 腸内細菌科 | エシェリキア属 | 腸管出血性大腸菌 | 3種感染症 | 経口感染 | ベロ毒素 | 激しい腹痛を伴う頻回の水樣便、溶血性尿毒症候群や脳症の合併により重症化 | 加熱不足の牛肉の摂食(牛乳、フルーツ、汚染野菜) | 3-4日 | 75℃1分の加熱で菌は死滅する | |||||
グラム陰性桿菌 | ビブリオ科 | ビブリオ属 | 腸炎ビブリオ | 耐熱性毒素、好塩菌、真水、酸に弱い | 夏季 | 生板・包丁などによる二次感染。成年男子に多い | 激しい下痢(水様、粘血便)、上腹部激痛、発熱(-38℃) | 刺身、漬け物 | 10-20時間(平均13時間) | 2-3日 | 対症療法 | 加熱(60℃, 10分)、冷蔵(10℃以下)、水洗い。まな板、包丁の洗浄 | |||
グラム陽性桿菌 | クロストリジウム属 | ウェルシュ菌 | 土壌、水、ヒトおよび動物の腸管に常在、嫌気性菌、芽胞形成 | エンテロトキシン | 下痢、腹痛、吐き気 | 畜肉および魚肉とその加工品、動物性蛋白質を用いて調理後、長期保存されていた食品(カレー、シチューなど) | 8-22時間 | 肉類、魚介類の脹内容物からの汚染防止。長時間保存する場合、加熱調理後冷蔵庫内にて保存。再加熱を十分に行う。 | |||||||
毒素型 | グラム陽性桿菌 | バシラス属 | セレウス菌 | 芽胞形成、芽胞形態で自然に広く存在。食品腐敗変敗細菌 | エンテロトキシン | 嘔吐型: 吐き気、嘔吐 | 米飯、チャーハン、スパゲティ | 1-5時間 | 低温保存、長期保存を避ける | ||||||
下痢型: 下痢 | 食肉製品、スープ、プリン、野菜 | 8-12時間 | |||||||||||||
グラム陽性桿菌 | クロストリジウム属 | ボツリヌス菌 | 嫌気性細菌、致命率が高い。芽胞形成。 | ボツリヌス毒素(80℃, 数分で無毒化) | 悪心、吐き気、めまい、頭痛、腹痛、下痢。眼症状(眼瞼下垂、複視、視力低下、瞳孔散大)、神経・筋症状(言語障害、嚥下障害、呼吸困難) | 缶詰、瓶詰(魚、獣肉、野菜、果実)、いずし、ハム、ソーセージ、からしレンコン) | 12-36時間 | 抗毒素血清治療 | 野菜などの水洗い、魚の内臓による汚染を防ぐ | ||||||
グラム陽性球菌 | スタフィロコッカス属 | 黄色ブドウ球菌 | ヒト常在菌(皮膚、口腔、粘膜、鼻咽頭粘膜)。化膿傷、咽頭炎、ニキビ、風邪の症状時には病巣となる | 耐熱性エンテロトキシン | 激しい吐き気、嘔吐、腹痛、下痢 | おにぎり、柏餅、シュークリーム、生クリーム | 0.5-6時間 | 1-3日 | 化膿巣のある人を調理に従事させない。低温保持(5℃以下) |
起炎菌 | 潜伏期間 | 原因食 | 発熱 | 腹痛 | 嘔気・嘔吐 | 下痢 | その他 | |
感染性食中毒 | 腸炎ビブリオ | 5-24hr 平均10hr |
魚介類(加工品) 6-9月に多い |
++ | +++ | ++ | +++ | ショック 心筋障害 |
サルモネラ | 7-72hr 平均12-24hr |
肉、卵、サラダ | +++ | ++ | + | ++ | ショック 敗血症 | |
カンピロバクター | 2-5日 | 鶏肉、牛肉、牛乳 5-7月に多い |
++ | + | ++ | ++ | ||
病原性大腸菌 | 1-3日 平均24hr |
牛肉が多い | ++ | + | ++ | + | ||
毒素性食中毒 | ブドウ球菌 | 0.5-6hr 平均3hr |
乳製品、かまぼこ、氷小豆、 夏季に多い |
± | + | +++ | + | エンテロトキシンによるショック |
ボツリヌス菌 | 2hr-8日 | いずし、キャビア | - | + | + | ± | 神経症状 眼症状 |
4ヶ月未満 | B群溶連菌(50%) | 大腸菌(25%) | インフルエンザ菌(20%) | リステリア菌(1%) | |
4ヶ月~6歳未満 | インフルエンザ菌(70%) | 肺炎球菌(25%) | |||
6歳~50歳未満 | 肺炎球菌(65%) | インフルエンザ菌(10%) | 髄膜炎菌 | ||
50歳以上 | 肺炎球菌(80%) | 黄色ブドウ球菌 | |||
免疫不全者 | クレブシエラ | 連鎖球菌 | 緑膿菌 | 黄色ブドウ球菌 | 真菌 |
Newborn (0–6 mos) | Children (6 mos–6 yrs) | 6–60 yrs | 60 yrs + |
Streptococcus agalactiae | Streptococcus pneumoniae | Neisseria meningitidis | Streptococcus pneumoniae |
Escherichia coli | Neisseria meningitidis | Enteroviruses | Gram-negative rods |
Listeria | Haemophilus influenzae type B | Streptococcus pneumoniae | Listeria |
Enteroviruses | HSV |
1位 | 2位 | 3位 | |
新生児 | 大腸菌 | B群溶連菌 | リステリア菌 |
小児期(6歳以下) | インフルエンザ菌 | 肺炎球菌 | |
成人 | 肺炎球菌 | 髄膜炎菌 |
年齢 | 病原体 | ||
3ヶ月未満 | B群溶連菌 | 大腸菌 | リステリア菌 |
3ヶ月以上の乳小児 | インフルエンザ菌 | 肺炎球菌 | |
成人 | 肺炎球菌 | 髄膜炎菌 | |
高齢者 | 肺炎球菌 | グラム陰性桿菌 | リステリア菌 |
細菌性髄膜炎 | ウイルス性髄膜炎 | 結核性髄膜炎 | 真菌性髄膜炎 | 癌性髄膜炎 | |
外観 | 混濁 | clear | 水様~ キサントクロミー 日光微塵 |
clear~ 日光微塵 |
clear~ キサントクロミー |
圧 70-180 (mmH2O) |
↑↑ 200~800以上 |
↑ 200~300 |
↑ 200~800 |
↑ 200~800 |
↑ 200~300 |
細胞 0-5 (/mm3) |
500~数百万 | 10~1,000 | 25~1,000 | 25~1,000 | 25~500 |
好中球 | リンパ球 | リンパ球 | リンパ球 | 好中球 | |
タンパク 15-45 mg/dl |
↑↑ 50~1,500 |
↑ 正常~100 |
↑ 50~500 |
↑ 100~500 |
↑ 50~500 |
糖 50-80 mg/dl |
↓↓ 0~40 |
→ 正常 |
↓↓ ~40 |
↓↓ ~40 |
↓ ~40 |
Mechanism of action | Drugs | |
1 | Block cell wall synthesis by inhibition of peptidoglycan cross-linking | penicillin, ampicillin, ticarcillin, piperacillin, imipenem, aztreonam, cephalosporins |
2 | Block peptidoglycan synthesis | bacitracin, vancomycin, cycloserine |
3 | Disrupt bacterial/fungal cell membranes | polymyxins |
4 | Disrupt fungal cell membranes | amphotericin B, nystatin, fluconazole/azoles |
5 | Block nucleotide synthesis | sulfonamides, trimethoprim |
6 | Block DNA topoisomerases | quinolones |
7 | Block mRNA synthesis | rifampin |
8 | Block protein synthesis at 50S ribosomal subunit | chloramphenicol, erythromycin/macrolides, lincomycin, clindamycin, streptogramins (quinupristin, dalfopristin), linezolid |
9 | Block protein synthesis at 30S ribosomal subunit | aminoglycosides, tetracyclines, spectinomycin ATuSi → あつし |
感染臓器・臨床診断 | 原因菌 | 投与期間(抗菌薬) |
髄膜炎 | インフルエンザ菌 | 7-10日 |
肺炎球菌 | 10-14日 | |
髄膜炎菌 | 7-10日 | |
GBS,腸内細菌,リステリア | 21日 | |
中耳炎 | <2 歳 | 10日 |
2 歳≦ | 5-7日 | |
咽頭炎 | A 群連鎖球菌 | 10日(ペニシリン系薬) |
5日(セフェム系薬) | ||
肺炎 | 肺炎球菌,インフルエンザ菌 | 解熱後3-4日 |
黄色ブドウ球菌 | 3-4週間 | |
マイコプラズマ,クラミジア | 10-21日 | |
腎臓、膀胱炎、腎盂腎炎 | 大腸菌,プロテウス,腸球菌 | 3日 |
14日 | ||
骨髄炎 | 黄色ブドウ球菌 | 21日 |
連鎖球菌,インフルエンザ菌 | 14日 |
骨 | 骨髄炎 | 4-6週 | |
耳鼻咽喉 | 中耳炎 | 5-7日 | |
副鼻腔炎 | 5-14日 | ||
A群溶連菌咽頭炎 | 10日 | ||
肺 | 肺炎 | 肺炎球菌 | 7-10日 or 解熱後3日間 |
インフルエンザ菌 | 10-14日 | ||
マイコプラズマ | 14日(7-10日) | ||
レジオネラ | 21日 | ||
肺化膿症 | 28-42日 | ||
心臓 | 感染性心内膜炎 | α連鎖球菌 | 2-4週 |
黄色ブドウ球菌 | 4-6週 | ||
消化管 | 腸炎 | 赤痢菌 | 3日 |
チフス | 14日(5-7日) | ||
パラチフス | |||
腹膜炎 | 特発性 | 5日 | |
二次性 | 10-14日 | ||
胆肝膵 | 肝膿瘍 | 細菌性 | 4-8週 |
アメーバ性 | 10日 | ||
尿路 | 膀胱炎 | 3日 | |
急性腎盂腎炎 | 14日(7-10日) | ||
急性腎盂腎炎・再発 | 6週 | ||
慢性前立腺炎 | 1-3ヶ月 | ||
髄腔 | 髄膜炎 | インフルエンザ菌 | 7-10日 |
髄膜炎菌 | |||
肺炎球菌 | 10-14日 | ||
リステリア | 21日 | ||
敗血症 | 敗血症 | コアグラーゼ陰性ブドウ球菌 | 5-7日 |
黄色ブドウ球菌 | 28日(14日) | ||
グラム陰性桿菌 | 14日(7-14日) | ||
カンジダ | 血液培養陰性化後, 14日 |
系統 | 前投与抗菌薬 | 抗菌薬投与後に高頻度に検出される細菌 | |
自然耐性菌 | 獲得耐性菌 | ||
ペニシリン系 | アンピシリン | Klebsiella pneumoniae | 大腸菌、黄色ブドウ球菌(MSSA、MRSA) |
ピベラシリン | 緑膿菌 | ||
セフエム系(第1・2世代) | セフアゾリン、セフォチアム | 緑膿菌、腸球菌 | 黄色ブドウ球菌(MRSA)、大腸菌 |
セフエム系(第3世代) | セフ卜リアキソン | 腸球菌 | 黄色ブドウ球菌(MRSA)、緑膿菌、大腸菌 |
セフタジジム | |||
セフエビム | |||
カルバペネム系 | メロペネム | Stenotrophomonas maltophilia | 黄色ブドウ球菌(MRSA)、緑膿菌 |
イミペネム | |||
アミノグリコシド系 | アミカシン | 腸球菌、嫌気性菌 | 緑膿菌, Serratia marcescens |
トブラマイシン | レンサ球菌、肺炎球菌 | ||
マクロライド系 | クラリスロマイシン | 腸内細菌科 | 黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、化膿性レンサ球菌 |
アジスロマシン | |||
テトラサイクリン系 | ミノサイクリン | Proteus mirabilis | 黄色ブドウ球菌(MRSA)、Brukholderia cepacia、Acinetobacter baumannii |
Morganella morganii | |||
Providencia rettgeri | |||
キノロン系 | レポフロキサシン | レンサ球菌 | 黄色ブドウ球菌(MRSA、大腸菌、緑膿菌 |
主な耐性菌 | 治療薬 |
緑膿菌 | アズトレオナム+ブラマイシン、シプロフロキサシン(感性株)、(コリスチン) |
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA) | バンコマイシン、テイコプラ二ン、アルベカシン、リネゾリド、(ST合剤、リファンピシン) |
ESBLs産生大腸菌 | ドリペネム、メロペネム、イミペネム、アミカシン、ST合剤 |
グルコース非発酵性グラム陰性桿菌 | ミノサイクリン、ピベラシリン、アンピシリン+スルバクタム、クロラムフェニコール、ST合剤、(コリスチン) |
バンコマイシン耐性腸球菌 | テイコプラ二ン(VanB型)、リネゾリド、キヌプリスチン/ダルホプリスチン |
()は多分保険適用かないか、日本では未発売 |
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