- 英
- esophagus (Z)
- 関
- 消化器系
解剖
- 正中面付近を下行してくるが、横隔膜近傍で左側に寄り、背面で胸大動脈と交叉する。
- L10椎体の高さで、食道裂孔を食道神経叢と共に通過して腹腔に入る
部位区分
- SSUR.456
生理的狭窄部 (KL.283, KH. 139)
- 第1狭窄部位:輪状軟骨狭窄部:cricopharyngeal constriction
- 切歯から15cm
- 食道の上端で、咽頭に連なる部位
- 下咽頭収縮筋が食道を囲み、輪状軟骨に付き、この筋の緊張によると考えられる
- 第2狭窄部位:大動脈狭窄部:bronchoaortic constriction
- 切歯から25cm
- 食道の中部で、大動脈弓と左気管支が交叉し、それによって圧される。つまり大動脈弓の
- 第3狭窄部位:横隔膜狭窄部:diaphragmatic constriction
運動 (SP.720)
組織
- 食道腺は粘膜筋板の下に存在する。 ← 粘膜下組織に腺があるのは食道の固有食道腺と十二指腸のブルンネル腺だけ
- 食道は横隔膜より上位では漿膜がなく、癌が周囲に浸潤しやすい
食道の上皮と上皮下の組織
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層構造
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1
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2
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3
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5
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6
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器官
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単層扁平上皮
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単層立方上皮
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単層円柱上皮
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角化重層扁平上皮
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非角化重層扁平上皮
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上皮表層の構成細胞
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粘膜固有層
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腺の構成細胞
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粘膜筋板
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粘膜下組織 (大抵、粗結合組織)
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筋層
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漿膜(結合組織+単層扁平上皮) 外膜(結合組織のみ)
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食道
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○
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食道噴門腺 (咽頭付近と胃付近に局在)、粘液腺
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粘液細胞 (スムーズに食べ物を流す)
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縱層 (縦走筋のみ)
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固有食道腺(粘液腺、管状胞状、ペプシノーゲン、リゾチーム)
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内輪筋層 外縱筋層 (食道上1/3:骨格筋、食道中1/3:骨格筋、平滑筋、食道下1/3:平滑筋)
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外膜(横隔膜まで) 漿膜
|
臨床関連
- 食事の通過障害は生理的狭窄部でおこりやすい。特に第1狭窄部で異物が見られる (KH.141)
- 生理的狭窄部は癌の好発部位であり、第2,第3狭窄部位に多い (KH.141)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/02/05 09:38:45」(JST)
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食道 |
1.食道 2.胃 3.十二指腸 4.小腸 5.盲腸 6.虫垂 7.大腸 8.直腸 9.肛門
|
ラテン語 |
œsophagus |
英語 |
Esophagus |
動脈
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食道動脈
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静脈
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食道静脈
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神経
|
腹腔神経節
迷走神経[1]
|
食道(しょくどう、Esophagus)は、消化管の一部で、口腔、咽頭に続き、食物が胃に送り込まれるときに通過する管状の器官のこと。食道では、食物の消化は行われない。
目次
- 1 食道の構造と機能
- 2 食道の疾患
- 3 その他
- 4 脚注
- 5 関連項目
食道の構造と機能[編集]
ヒトの食道は、成人で25~30 cm前後の長さがあり、頸部(第6頸椎)で喉頭の後ろ側で始まり、胸部では気管支、大動脈弓などの後ろを通り、横隔膜(食道裂孔)を突き抜けて腹部に至る。横隔膜の下(第11胸椎)で胃の噴門とつながる。食道には3箇所の生理的狭窄部がある。咽頭との接合部、気管支の後ろを通る部位、そして横隔膜を抜ける部位で、食物がよくつまるのはこれらの箇所である。
食道の壁は、内腔側から粘膜、筋層、外膜と分けることができる。粘膜は、口で咀嚼されたとはいえ、まだ形を保ったままの食物が通過することで傷つかないように、力学的に強い重層扁平上皮で構成されている。粘膜のすぐ下層にある多数の食道腺が粘膜の表面に粘液を分泌することで、食物の通りをよくするはたらきがある。筋層は2層構造をしており、内側の筋は輪走筋、外側の筋は縦走筋に相当するが、長軸方向に対して筋線維は垂直/平行ではなく、いずれも斜行している。これらが順に収縮することで食物を胃に送り出すような動きをする。これを蠕動運動という。また、他の消化器官と異なる特徴として、口に近い側の上部食道の筋は横紋筋で構成されているという点がある。なお、胃に近い側の下部食道の筋は他の消化器官同様、平滑筋で構成されている。ただし、ラットなどの他の哺乳類には、全長に渡って横紋筋で構成されているものもいる。これらの筋は、自律神経の働きで無意識下で収縮運動が起こる。「喉元過ぎて熱さを忘れる」の言葉どおり、食道の粘膜の感覚はあまり鋭敏ではない。
食道の疾患[編集]
- 胃食道逆流症(GERD)
- 胃液が食道に逆流する疾患。逆流性食道炎や非びらん性胃食道逆流症(NERD)が含まれる。
- 食道静脈瘤
- 食道下部には、粘膜下に静脈叢が発達しているが、ここは肝硬変などで肝臓への血流が悪くなると、門脈の血液が迂回してくる箇所にあたる(門脈圧亢進)。これは、本来肝臓へ向かうはずの血液が左胃静脈を経て、上大静脈へ注ぐ奇静脈、半奇静脈に逃げるためである。もともと太い血管ではないので、大量の血液で血管が破れやすい状況になる。
- 食道癌
- 食道の粘膜上皮の細胞は、食物によって力学的に刺激を受け続けており、通常から細胞の分裂、入れ替わりが盛んである。上皮細胞の癌化が起こる場合がある。そのため、食道癌の90%以上が扁平上皮癌である。特に胸部中部食道に好発する。
- アカラシア
- 飲食物が食道を通過しにくくなった状態。食道アカラシアとも呼ばれる。
- 悪性黒色腫
- 皮膚癌(メラノーマ)としてよく知られる。まれではあるものの、悪性黒色腫が食道に発生する症例が見られる。
- 化膿性肉芽腫
- これも食道にできるとは限らないが、まれに食道に発生することもある[2]。
- バレット食道
- 食道の粘膜を構成する細胞の形状が変わってしまった状態。
- 食道異物
- 食道に何らかの異物がひっかかっている状態。例えば、小児ではオモチャを飲み込んで、それが食道にひっかかっていた症例などが報告されている。
その他[編集]
海水魚の食道には、NaClを吸収する能力があることが知られている[3]。
脚注[編集]
- ^ Physiology at MCG 6/6ch2/s6ch2_30
- ^ 化膿性肉芽腫についてはここなどを、食道に発生する症例があったとの報告はここ(PGと略されている)を参照。
- ^ 松岡 達臣、松島 治 編著 『生物学 - 分子が語る生命のからくり』 p.118 朝倉書店 1998年10月10日発行 ISBN 4-254-17103-X
関連項目[編集]
消化器系 |
|
口 - 咽頭 - 食道 - 胃 - 膵臓 - 胆嚢 - 肝臓 - 消化管 - 腸、小腸(十二指腸・空腸・回腸) - 大腸(結腸・盲腸・虫垂・直腸) - 肛門
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Japanese Journal
- 十二指腸静脈瘤破裂に対し透視下に実施したlipiodolとn-butyl-2-cyanoacrylateの混合液による内視鏡的硬化療法が有用であった1例
- 高松 徹,大竹 はるか,上原 健志,新藤 雄司,池谷 敬,東海 浩一,池田 正俊,牛丸 信也,浅野 岳春,松本 吏弘,岩城 孝明,福西 昌徳,鷺原 規喜,浅部 伸一,宮谷 博幸,吉田 行雄
- 自治医科大学紀要 34, 87-95, 2012-03-01
- … 食道・胃静脈瘤の治療指針はほぼ確立されているが,異所性静脈瘤の治療法については一定の見解が得られていない。 …
- NAID 110008922659
- 剖検により全身性炎症の合併が判明した心臓突然死の一例
- 林田 昌子,伊関 憲,篠崎 克洋,大江 倫太郎,山川 光徳
- 山形大学紀要. 医学 : 山形医学 30(1), 23-31, 2012-02-25
- … また、気管支に多量な痰の貯留があり、食道壁のびらん、膵臓に微小膿瘍形成、膀胱に膿尿など多臓器に炎症所見を認めた。 …
- NAID 110008906961
- 32.当院で経験した乳児の好酸球性胃腸炎,腸炎(一般演題,第38回日本小児内視鏡研究会)
Related Links
- ヒトの食道は、成人で25~30 cm前後の長さがあり、頸部(第6頸椎)で喉頭の後ろ側で はじまり、胸部では気管支、大動脈弓などの後ろを通り、横隔膜(食道裂孔)を突き抜け て腹部に至る。横隔膜の下(第11胸椎)で胃の噴門とつながる。食道には3箇所の生理 ...
- 食道癌(しょくどうがん、英Esophageal cancer)は、広義では食道に発生する悪性腫瘍 の総 ...
- 2006年11月29日 ... 日本人の食道がんは、約半数が胸の中の食道の真ん中から、次に1/4が食道の下1/3に 発生します。食道がんは食道の内面をおおっている粘膜の表面にある上皮から発生し ます。食道の上皮は扁平上皮でできているので、食道がんの90% ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 78歳の女性。夕食後に腹痛が出現し、次第に増強したため救急車で搬入された。43歳時に卵巣嚢腫摘出術を受けている。体温 38.0℃。心拍数 120/分、整。血圧 116/66mmHg。SpO2 98%(鼻カニューラ1L/分酸素投与下)。腹部は膨隆し、下腹部に圧痛と筋性防御とを認めた。腹部造影CTで絞扼性イレウス及び汎発性腹膜炎と診断され、緊急手術を行うことになった。手術室入室時、体温 38.0℃。心拍数 124/分、整。血圧 90/54mmHg。SpO2 100%(マスク6L/分酸素投与下)。麻酔導入は、酸素マスクによって十分な酸素化を行いつつ、静脈麻酔薬と筋弛緩薬とを投与後、陽圧換気を行わずに輪状軟骨圧迫を併用し迅速に気管挿管を行う迅速導入とした。
- 下線に示すような麻酔導入を行う目的はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112C029]←[国試_112]→[112C031]
[★]
- 32歳の男性。工場の爆発事故で熱傷を受け、救急車で搬送された。口唇を含めた顔面と頭部とに熱傷病変を認める。意識は清明。身長168cm、体重62kg。体温36.5℃。呼吸数24/分。脈拍88/分、整。血圧126/70mmHg。バイタルサインは安定している。
[正答]
※国試ナビ4※ [099F031]←[国試_099]→[099F033]
[★]
- 原発性肺癌患者の胸部造影CT(別冊No. 4)を別に示す。この画像所見から、まず生じることが想定されるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E026]←[国試_106]→[106E028]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104E023]←[国試_104]→[104E025]
[★]
- 成人男性の胸部CT(別冊No.1)を別に示す。各部位の解剖名で誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107G010]←[国試_107]→[107G012]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096G037]←[国試_096]→[096G039]
[★]
- 63歳の男性。血痰と食思不振とを主訴に来院した。この患者の内視鏡写真を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [100I014]←[国試_100]→[100I016]
[★]
- 内視鏡写真(別冊No.3)を別に示す。
- 部位はどこか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104B032]←[国試_104]→[104B034]
[★]
- 非ステロイド性抗炎症薬によって出血をきたしやすい部位はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102G002]←[国試_102]→[102G004]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104E010]←[国試_104]→[104E012]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101B108]←[国試_101]→[101B110]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102B039]←[国試_102]→[102B041]
[★]
- ☆case84 嘔吐
- ■症例
- 32歳 男性
- 主訴:
- 現病歴:2 amにからり酔っぱらって救急部に受診。11.45 pmに気分が悪くなり2度嘔吐。嘔吐物は最初は苦く感じられ、それは食べ物と2Lのビールであった。1時間程度後に、何度か猛烈に吐き気を催した。1 amに鮮赤血を吐いた(bright red blood)。患者が言うには最初は少量だったが、2回目にはかなり多い量であった。服用薬なし。時々マリファナを吸う。タバコ1日10本、アルコール2-3 unit/week
- 既往歴:特記なし
- 家族歴:特記なし
- 生活歴:
- ・身体診断
- 酔っぱらっているように見える。口の周りに乾燥した血液の付着を認める。脈拍:102/分。(臥位(lying))血圧:134/80 mmHg。立位でも血圧の変化は認められない。心血管系、呼吸器系に異常を認めず。腹部:上腹部(心窩部)にわずかに圧痛。
- ・検査
- (血液生化学)
- 異常なし
- ■解説
- (第1パラグラフ)
- もっともな診断は、下部食道もしくは胃上部における吐血を引き起こす粘膜の裂傷である(Mallory-Weiss lesion/Mallory-Weiss tear/Mallory-Weiss laceration)。激しい嘔吐やむかつきによる機械的な外傷で生じる。本症例では、なれない大量飲酒によって生じた。
- (第2パラグラフ)
- 患者の話から出血量を見積もるのは難しい。吐血はびっくりするような出来事であり、吐血の量を多く見積もりがちである。ヘモグロ分派性状であり、急性の出血では吐血量を見積もる手がかりにならない。急性期にヘモグロ分が低ければ慢性の出血をほのめかす。著しい失血の最初のサインは頻脈と起立時の血圧低下であることがある。本症例の彼の脈波速いが、これは不安と関連しているのかもしれない。
- (第3パラグラフ)
- 吐血の他の原因は胃炎か消化性潰瘍である。何度か血液を含まない胃内容物のむかつきと嘔吐の話はマロリーワイス症候群に特徴的である。この疾患は普通介入を必要としない良性の病態である。確定診断は上部消化管内視鏡を必要とするが、典型的な症例ではいつも必要になるわけではない。時に、出血がもりひどかったり、壁の解離が粘膜より深いこともあり、穿孔につながる。
- (第4パラグラフ)
- この症例の管理は注意深い観察、嘔吐で失われた体液を戻すための静脈内輸液である。出血が激しい場合には血液型検査のために採血するが、輸血は必ずしも必要ない。彼は生徒大とH2 blockerで治療された。嘔吐は収まりそれ以上の出血も見られなかった。彼は将来のパーティでは通院しすぎないように決めた。
- ■管理(内科診断学 第2版 医学書院)
- ①本疾患の大多数は安静、絶食、制酸薬・粘膜保護薬の投与で保存的に治療できる。
- ②輸血が必要なほどの貧血は稀である。
- ③内視鏡検査時に出血している症例に対しては内視鏡的止血術を行う。
- ④クリッピング法(図4-89) [図] 、純エタノール局注法、アルゴンプラズマ凝固(APC)法などさまざまあるが、いずれの方法でも良好な止血成績を得られる。
- ■鑑別診断 (内科診断学 第2版 医学書院 p.843)
- ・特発性食道破裂(ブールハーフェ症候群)
- ・逆流性食道炎
- ・食道静脈瘤破裂
- ・出血性胃潰瘍
- ・急性胃粘膜病変(AGML)
- ■KEYPOINT
- ・吐血の前の血液を伴わない激しい嘔吐とむかつきの既往は、上部消化管の裂傷を示唆する。
- ・患者は血液の量を見積もるのが困難と分かるので、吐血で失われた失血の程度は多糸かでないし、消化管の中にとどまっている血液の量は分からない。
- ・アルコールは救急入院の約1/4と直接の連関があるという研究がある。
- □マロリーワイス症候群(内科診断学 第2版 医学書院)
- 嘔吐などにより腹腔内圧が急激に上昇して噴門部近傍に裂創が発生し、これを出血源として顕出血をきたしたもの。30-50歳代の男性に多く、全消化管出血例の約3-15%を占める。 アルコール多飲が原因となることが多いが、ほかに妊娠悪阻、乗り物酔い、脳腫瘍や髄膜炎、医原性のものとしては上部消化管内視鏡検査や心肺蘇生術など、原因となるものは種々である。 ②嘔吐などにより急激に腹圧が上昇すると、急激に胃内圧が上昇し、これにより食道胃接合部近傍に裂創が生じる。
- □吐血 hematemesis (内科診断学 第2版 医学書院)
- コーヒー残渣用の吐血 melanemesis
- 鮮血の吐血 hematoemesis
- □急性胃粘膜病変 acute gastric mucosal lesion AGML
- 急性胃炎の劇症型であり、急速に起こる腹痛(時に、吐血、下血)をきたし、潰瘍・びらん・出血が混在した病態を呈する。
- 病因はアルコール、薬物(アスピリン、ステロイド)、薬品、ストレス、食物(激辛食品など)、アニサキス、中枢神経系障害、熱傷、外科手術
- ■glossary
- inebriate
- vt. (人)を酔わせる(make drunk)。~を有頂天にする
- adj. 酔っぱらいの、大酒飲みの
- n. 酔っぱらい、大酒飲み
- pint n. (液体の単位)1パイント = 1/2クオート=(米)28.8753 inch cube = 0.473 liter = (英) 0.568 liter = 約500cc
- retch
- vi. むかつく、吐き気を催す、無理に吐こうとする
- vt. 吐く
- n. むかつく。ヒック(吐き気を催すときの音)
- lager n. ラガー(ビール)(貯蔵ビール;日本の普通のビール)
- violently adj. 激しく、猛烈に
- drunk adj. (pred)酔って。(fig)酔いしれて
- epigastrium n. 上腹部、心窩部
- blood grouping 血液型判定、血液型検査
- indulge
- vt. ~にふけらせる。気ままにさせる、(子どもを)甘やかす。(欲求などを)思いのままに満たす。喜ばせる、楽しませる。
- vi. (快楽・趣味などに)ふける、身を任す(in)。(略式)たらふく食べる、痛飲する。(~に)従事する。(好ましくないことに)かかわる(in)
- □Hematemesis and Melena(Differential Diagnosis in Primary Care 4th)
- ・吐血か喀血を見分けたい場合はnitrazine paperを使って判定
- ・身体開口部(body orifice)からの出血を鑑別するとき解剖学的なアプローチがよい。
- (食道)
- ・静脈瘤、逆流性食道炎、癌腫、マロリーワイス症候群。
- ・外来異物も忘れるな。
- ・先天性まれな病因として異所性胃粘膜によるバレット食道炎と潰瘍もある。
- ・大動脈瘤、縦隔腫瘍、肺癌が食道を潰瘍化させ出血させることもある。
- (胃)
- ・炎症:胃炎と胃潰瘍。アスピリンとアルコールも良くある原因
- ・幽門部静脈瘤で出血するかもしれない
- ・出血がひどく、他の原因が見つからなければ血液疾患を検索する。
- (診断への道)
- ・吐血の確固たる証拠がある時、内視鏡をつかえる状況にあれば問診とか検査で無駄な時間を使わずに内視鏡で診断&治療をやってしまえ。
- ・血液型検査、血液のクロスマッチ?して輸血の準備、凝固能検査など鑑別に必要な検査をやりなさい。内視鏡検査の準備をしている間に、アルコール、アスピリン、そのほかの薬品の服用、潰瘍の既往、食道疾患既往を聴け
- ・ひどい出血や最近の急な吐血の既往がなければ(内視鏡を使わずに?)伝統的なアプローチでも良い
- ・吐血の前に血液を伴わない嘔吐があればマロリーワイス症候群の診断の助けとなる。
[★]
- 英
- digestive system (Z), alimentary system
- 同
- 消化システム
- 関
- 消化管
筋層構造
- 外側の層は縦筋層であり、内側の層は輪筋層である傾向にあるが、胃のみ内側の層が斜筋である。
組織
上皮の移行
層構造
|
1
|
2
|
3
|
4
|
5
|
6
|
器官
|
単層扁平上皮
|
単層立方上皮
|
単層円柱上皮
|
角化重層扁平上皮
|
非角化重層扁平上皮
|
上皮表層の構成細胞
|
粘膜固有層
|
腺の構成細胞
|
粘膜筋板
|
粘膜下組織 (大抵、粗結合組織)
|
筋層
|
漿膜(結合組織+単層扁平上皮) 外膜(結合組織のみ)
|
食道
|
|
|
|
|
○
|
|
食道噴門腺 (咽頭付近と胃付近に局在)、粘液腺
|
粘液細胞 (スムーズに食べ物を流す)
|
縱層 (縦走筋のみ)
|
固有食道腺(粘液腺、管状胞状、ペプシノーゲン、リゾチーム)
|
内輪筋層 外縱筋層 (食道上1/3:骨格筋、食道中1/3:骨格筋、平滑筋、食道下1/3:平滑筋)
|
外膜(横隔膜まで) 漿膜
|
噴門部
|
|
|
○
|
|
|
胃表面上皮細胞(杯細胞なし)
|
噴門腺、浅い胃小窩
|
胃表面上皮細胞 頚粘液細胞 幹細胞 内分泌細胞 壁細胞
|
内輪層 外縱層 (最外輪層)
|
ー
|
内斜筋層 中輪筋層 外縱筋層
|
漿膜
|
胃体部
|
|
|
○
|
|
|
胃表面上皮細胞(杯細胞なし)
|
固有胃腺 (管状腺)
|
胃表面上皮細胞 頚粘液細胞 壁細胞 幹細胞 主細胞 内分泌細胞
|
内輪層 外縱層 (最外輪層)
|
ー
|
内斜筋層 中輪筋層 外縱筋層
|
漿膜
|
幽門部
|
|
|
○
|
|
|
胃表面上皮細胞(杯細胞なし)
|
幽門腺、深い胃小窩
|
胃表面上皮細胞 頚粘液細胞 壁細胞 幹細胞 内分泌細胞
|
内輪層 外縱層 (最外輪層)
|
ー
|
内斜筋層 中輪筋層(幽門括約筋) 外縱筋層(発育悪)
|
漿膜
|
十二指腸
|
|
|
○(杯細胞)
|
|
|
吸収上皮細胞 杯細胞(ムチンノーゲン分泌) 内分泌細胞 M細胞
|
腸腺
|
吸収上皮細胞 杯細胞 幹細胞 内分泌細胞 パネート細胞
|
内輪層 外縱層
|
ブルンネル腺 (分枝管状胞状腺、アルカリ性の粘液、ウロガストロン産生)
|
内輪筋層 外縱筋層
|
漿膜 外膜(下行部、水平部, see ムーアp143)
|
空腸
|
|
|
○(杯細胞)
|
|
|
吸収上皮細胞 杯細胞(ムチンノーゲン分泌) 内分泌細胞 M細胞
|
腸腺
|
吸収上皮細胞 杯細胞 幹細胞 内分泌細胞 パネート細胞
|
内輪層 外縱層
|
ー
|
内輪筋層 外縱筋層
|
漿膜
|
回腸
|
|
|
○(杯細胞)
|
|
|
吸収上皮細胞 杯細胞(ムチンノーゲン分泌) 内分泌細胞 M細胞
|
腸腺、パイエル板
|
吸収上皮細胞 杯細胞 幹細胞 内分泌細胞 パネート細胞
|
内輪層 外縱層
|
ー
|
内輪筋層 外縱筋層
|
漿膜
|
結腸
|
|
|
○(杯細胞)
|
|
|
吸収上皮細胞 杯細胞(ムチンノーゲン分泌) 内分泌細胞
|
腸腺
|
吸収上皮細胞 杯細胞 幹細胞 内分泌細胞
|
内輪層 外縱層
|
ー
|
内輪筋層 外縱筋層は結腸ひもを構成
|
漿膜と外膜 (上行、下行は後腹膜に密着。横行とS字は間膜?)
|
直腸
|
|
|
○(杯細胞)
|
|
|
吸収上皮細胞 杯細胞(ムチンノーゲン分泌) 内分泌細胞
|
浅い腸腺
|
吸収上皮細胞 杯細胞 幹細胞 内分泌細胞 パネート細胞
|
内輪層 外縱層
|
ー
|
内輪筋層 外縱筋層
|
外膜
|
肛門管
|
|
○
|
|
○
|
○
|
|
肛門柱、肛門周囲腺、肛門においては毛包と脂腺
|
|
内輪層 外縱層
|
内外痔静脈叢
|
内輪筋層(内肛門括約筋を形成) 外縱筋層 (線維弾性板に移行)
|
外膜
|
虫垂
|
|
|
○(杯細胞)
|
|
|
吸収上皮細胞 杯細胞 内分泌細胞
|
浅い腸腺、リンパ小節
|
吸収上皮細胞 杯細胞 幹細胞 内分泌細胞 パネート細胞
|
内輪層 外縱層
|
リンパ小節、脂肪細胞
|
内輪筋層 外縱筋層
|
漿膜
|
[★]
- attend
- vt.
- ~に出席/参列する、(学校に)行く(go toより堅い語)
- The normal ECG and chest X-ray when he attended hospital after an episode do not rule out an intermittent conduction problem.
- (結果として)~に伴う
- ~に同行/同伴する、付き添う、仕える。往診する。~の世話をする、~に気をつける、見張る
- vi.
- 出席/参列/出勤する(at)
- 留意/注目/傾聴する(to)。身を入れる、勢力を注ぐ、心を傾注する(to)。世話をする、気を配る(to)
- 仕える、付きそう(on)。(危険・困難などが)伴う(on)
- productive
- outflow
- obstruction
-
- the clinical picture suggests obstruction to outflow from the stomach.(この臨床像は胃流出障害を示唆している)
- obstruction to outflow
- 流出障害
-
- the clinical picture suggests obstruction to outflow from the stomach.(この臨床像は胃流出障害を示唆している)
- aqueous outflow from the eye (眼球からの房水流出)
- retain
- re + tent (tineo=teneo) = to hold back
- 保持する、保有する、保留する、持ち続ける、維持する。(使用のために)確保しておく
- (ある場所に)保つ、保持する。(熱などを)保っている、失わないでいる
- 忘れないでいる、覚えている
- (弁護士・気腫・召使いなどを)雇っておく、抱える
- 使用/実行し続ける。(廃止しないで)そのままにしておく
- palliation
- n.
- 寛解、緩和
- volvulus
- 腸捻転
- bezoar
- 胃石
- malrotation
- 腸回転異常
- intussusception
- 腸重積
- succussion
- n.
- 強く揺り動かすこと、強く揺れること
- splash
- n.
- はね返し、はねかけ。はねかす音。
- どっと流れる水。
- □unit
- 1 unit = 10 ml of ethanol
- □350ml アルコール5%
- 350x0.05/10=1.75 unit
- http://pohwa.adam.ne.jp/you/hobby/ryori/sake2.html
- 1unitの量が国によって違う。純エタノール換算で、1英unitは8g=10ml(英糖尿病協会採用の数値)、1米unitは15g(20ml弱:1drinkとも)で、日本では10~14g程度(代謝熱量80Kcalが基準:食品成分表5訂版,2002)や20ないし23g(日本酒1合分)を1unitとしている。日本の医学界では1unit=20g(体積に換算すると25ml)を採用することが多いので、ここでもそれに従う。この基準(1unit=20g=25ml)で計算すると、40度のウィスキー1ショット(=1オンス:英液量オンスで28.41ml、米液量オンスで29.57ml、日本の1ショットで30ml)が約0.5unitとなる。5度のビールなら500mlでだいたい1unit(この、日本酒1合≒ウィスキーダブル≒ビール500cc≒1unitという関係は、覚えておくと便利かもしれない:ワインなどは日本酒に準じるので、1本750mlがだいたい4unit強である)。
- 主訴:体重減少
- (主訴にまつわる症状)
- ・4ヶ月で10kg減少、食欲の減少、嘔吐(頻度:次第に増えてきている。嘔吐物と量:何時間も前に食べたものを多量に嘔吐する)
- (主訴以外の症状)
- ・一ヶ月前から脱力感(部位:特に下肢で著しい(丘に登ったり、階段を上ったりするとき))
- 嗜好歴:喫煙 20/day、飲酒 10units/week (ビール 6本弱)
- 家族歴:なし
- 既往歴:高血圧(2年間β遮断薬で治療、4ヶ月前に服薬中止)
- 身体所見 examination
- バイタル:82/分、血圧 148/86 mmHg
- 全身:やせ、体調が悪そう(unwell)。
- 呼吸器、心血管系に異常なし
- 腹部:腫瘤触知せず、圧痛なし、振盪音/振水音を認める
- 検査所見 investigations
- 低値:ナトリウム、カリウム、クロライド、尿素
- 高値:重炭酸
- Q
- 1. これらの所見の説明は?
- 2. もっともな診断は?
- A
- ★
- 胃流出路の閉塞 = 食後の嘔吐 + 胃の振水音
- 高BUN + 低CRE → 脱水
- 低Na,Cl,H+ → 嘔吐
- HClの喪失 → 代謝性アルカローシス
- H:細胞内→外
- K:細胞外→内
- 従って、低カリウム血症 → 筋力低下・脱力
- ★
- 胃流出路の閉塞の原因:胃癌とか胃潰瘍による瘢痕
- 診断には上部消化管内視鏡・生検(組織診)、その後にCT(局所浸潤、転移巣検索)
- 治療法:腫瘍だったら腹腔鏡による腫瘍の摘出術。その他の場合は手術をしたり、薬物療法をしたり、、、
- 学習ポイント
- ・嘔吐・嘔気 nausea and vomiting DIF.321, vomitus DIF.449 IMD.351
- 解剖で考えよう。縦に解剖、横に病因
- 鼻咽頭 扁桃、外来異物
- 食道 アカラシア、逆流性食道炎、食道癌 ・・・嚥下困難があるはず
- 胃 胃炎、消化性潰瘍、胃癌、幽門部の病変(ポリープ、癌、潰瘍;胃の出口を閉塞させる)。子供だったら幽門狭窄症
- 十二指腸:潰瘍、十二指腸炎、Billroth II法による輸出脚の閉塞、Billroth I/II法によるダンピング症候群。胆汁性胃炎も原因となる。
- 小腸:小腸閉塞(腸重積、腸回転異常症、胃石症、癌腫、限局性回腸炎)
- 結腸:潰瘍性大腸炎、アメーバ症、腫瘍男。腸間膜動脈血栓症、
- 消化管全体:Strongyloides, Ascaris, Taenia solium
- ・β遮断薬の服用中止で何が起こる?
- 狭心症や発作性の高血圧。
- なんでやめたんだろう? → 副作用:(1%程度に)めまい、全身倦怠感、頭痛、徐脈が出現
- ・振盪音
- 腹水や胃内容物の貯留によって聴取される。
- ・BUN高値、Cre低値
- suggest a degree of dehydration
・BUN
- ==検査値の異常 (異常値の出るメカニズム第5版 p.144)==
- ===BUN上昇===
[★]
- 英
- esophageal cancer, esophageal carcinoma, cancer of the esophagus, carcinoma of the esophagus
- 関
- 食道、癌
概念
- 食道に発生する腫瘍。予後は不良な場合が多く、早期からリンパ節転移を来しやすい。
疫学
- 罹患率、死亡率共に男性の方が多い。
- 40歳後半より増加。60歳以上で多い(参考2)。増加の程度は男性の方が急増。
- 死亡率:漸減傾向
- 罹患率:(男性)増加傾向、(女性)変動なし。
危険因子
- 喫煙と飲酒とは相乗効果があるり、1日20本以上かつ3合以上でリスクが上昇する。
- 飲酒は特に度数の高い、アルコール摂取量が多い、ALDH2変異がある、顔面が紅潮する場合にリスクが上がる
- 熱い食事の嗜好、肥満、p53変異
- 食道アカラシア、腐食性食道狭窄、バレット食道
- 低栄養(動物性蛋白質の不足?微量元素欠乏?)、
病期分類
早期癌・表在癌・進行癌
- 早期癌:深達度が粘膜内に限局。リンパ節転移の有無を問わない。
- 表在癌:深逹度が粘膜下層までに限局。リンパ節転移の有無は問わない。
- 進行癌:固有筋層以降
TMN分類
- 日本食道学会:食道癌取り扱い規約 第10版補訂版を一部改変 SSUR.455,457
- TX:原発腫瘍の評価が不可能
- T0:原発腫瘍を認めない
- T1:
-
- T1a-EP:腫瘍が粘膜上皮にとどまる(Tis)(M1) EP = epithelium
- T1a-LPM:腫瘍が粘膜固有層にとどまる(M2) LPM = lamina propia mucosae
- T1a-MM:腫瘍が粘膜筋板にとどまる(M3) MM = muscularis mucosae
- SM1:粘膜下層を三等分し、上1/3にとどまる
- SM2:粘膜下層を三等分し、上2/3にとどまる
- SM3:粘膜下層を三等分し、上3/3にとどまる
- T2:腫瘍が固有筋層に浸潤している(SM)
- T3:腫瘍が食道外膜に浸潤(AD)
- T4:腫瘍が隣接臓器に浸潤(AI)
- NX:所属リンパ節の評価が不可能
- N0:所属リンパ節に転移を認めない
- N1:第1群リンパ節まで転移を認める
- N2:第2群リンパ節まで転移を認める
- N3:第3群リンパ節まで転移を認める
- N4:第3群リンパ節より遠位に転移を認める
- MX:遠隔転移の評価が不可能
- M0:遠隔転移を認めない
- M1:遠隔転移あり
進行度
- 日本食堂学会:食道癌取り扱い規約 第10版補訂版, SSUR.455
壁深達度\転移
|
N0
|
N1
|
N2
|
N3
|
N4
|
M1
|
T0,T1a
|
0
|
I
|
II
|
III
|
IVa
|
IVb
|
T1b
|
I
|
II
|
T2
|
II
|
III
|
T3
|
III
|
T4
|
III
|
IVa
|
病態
好発部位
- 日本
- 50-60%:胸部中部食道
- 20-25%:胸部下部食道
- 10% :胸部上部食道
- 5-6% :頚部食道
- 欧米で増加している食道腺癌の好発部位:下部食道
進展様式
- 直接浸潤
- リンパ行性転移:早期からリンパ節転移しやすい。
- 癌腫が粘膜下層にとどまるT1bで30-40%の例で転移。(SSUR.455)
- m3・sm1ではリンパ節転移が10%の例で見られる。(出典不明) ⇔ m1・m2ではリンパ節転移を考えなくても良く、内視鏡的粘膜切除術(EMR)の絶対適応となる。
- sm2・sm4ではリンパ節転移が約半数の例で見られる。(出典不明)
病理
- 日本では扁平上皮癌が中部食道に多い、欧米では腺癌が下部食道に多い。
肉眼分類の傾向
- 早期癌:0-IIc(表在陥凹型)
- 進行癌:2型(潰瘍限局型)・3型(潰瘍浸潤型)
症状
- 胸骨後方の軽い痛み、不快感、嚥下時のつかえ感、しみる感じ
検査
- (食道扁平上皮癌)SCC, CYFRA21-1 , CEA (参考3)
- (食道腺癌)CEA, CA19-9 (参考3)
診断
治療
内視鏡的切除
-
- 壁深達度:T1a-EP(粘膜上皮),LPM(粘膜固有層))であること(リンパ節転移がまれなため)で、周在性2/3以下のもの(全周性に粘膜切除した場合、瘢痕狭窄のおそれ)
- (1) T1a-MM(粘膜筋板), T1b-SM1(<粘膜下組織200um)で、かつリンパ節転移がない
- (2) 周在性2/3以上の病変。
術式
手術療法
予後
- 手術後の在院死亡率3-4%。これは消化器癌手術の中で最も手術リスクが高い。(SSUR.464)
- 全切除全症例の5年生存率は36%(1988-1999年)。3領域リンパ節郭清例の5年生存率は約50%。(SSUR.464)
ガイドライン
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0053/1/0053_G0000152_GL.html
- 2. 食道癌 - 放射線治療計画ガイドライン・2008
- http://www.kkr-smc.com/rad/guideline/2008/esophagus.pdf
参考
- http://ganjoho.ncc.go.jp/public/cancer/data/esophagus.html
- 2. 年齢階級別がん罹患率[食道2005] - 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター
- http://ganjoho.jp/resources/graph_database/images_20110111/OSV0072_04_2005.jpg
- http://www.cancertherapy.jp/tm/2007_summer/04.html
uptodate
- 1. [charged] 食道癌の診断および病期分類 - uptodate [1]
- 2. [charged] 食道癌の疫学、病理生物学、および臨床症状 - uptodate [2]
国試
[★]
- 英
- anatomy
- ラ
- anatomia
- 関
- 体表解剖学、臨床解剖学、神経解剖学、比較解剖学
系統解剖
運動
骨
部位ごとの分類
関節ごとの分類
神経
部位別
上肢
体幹
下肢
下肢の皮神経
脳幹の神経解剖
血管
臓器に分布する血管
各体部位に分布する血管
- 頚部
[★]
- 英
- esophageal transection
- 門脈圧亢進症に続発する食道・胃静脈瘤に対して行う外科的手術の一つ。
[★]
- 英
- esophageal motility disorder
- 関
- 食道運動障害
[★]
- 英
- street, meatus
- 関
- 管、街路、街角