- 英
- toluene
- 同
- トルオール toluol
- 関
- トルエン中毒、シンナー中毒、シンナー
- ベンゼンのH-をCH3-で置換した物質
- 構造式:C6H5CH3
法令
WordNet
- a colorless flammable liquid obtained from petroleum or coal tar; used as a solvent for gums and lacquers and in high-octane fuels (同)methylbenzene
PrepTutorEJDIC
- トルエン(芳香族化合物;染料・火薬・医薬品の原料)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/05/26 14:02:23」(JST)
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トルエン |
|
|
|
|
|
略称 |
PhMe
BnH |
識別情報 |
CAS登録番号 |
108-88-3 |
ChemSpider |
1108 |
RTECS番号 |
XS5250000 |
|
特性 |
化学式 |
C7H8 (C6H5CH3) |
モル質量 |
92.14 g/mol |
外観 |
無色透明の液体 |
密度 |
0.8669 g/mL, 液体 |
融点 |
-94.97 °C
|
沸点 |
110.63 °C
|
水への溶解度 |
0.47 g/L (20–25 °C) |
粘度 |
0.590 cP at 20°C |
構造 |
双極子モーメント |
0.36 D |
危険性 |
MSDS |
ScienceLab.com |
主な危険性 |
強い可燃性(F) |
Rフレーズ |
R11, R38, R48/20, R63, R65, R67 |
Sフレーズ |
(S2), S36/37, S29, S46, S62 |
引火点 |
4 °C/ 39.2 °F |
関連する物質 |
関連する芳香族炭化水素 |
ベンゼン
キシレン
ナフタレン |
関連物質 |
メチルシクロヘキサン |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
トルエン (toluene) は芳香族炭化水素に属する有機化合物である。示性式 C6H5CH3 で表され、ベンゼンの水素原子の一つをメチル基で置換した構造を持つ。無色透明の液体で、水には極めて難溶。アルコール類、油類などをよく溶かし、溶媒として広く用いられる。
常温で揮発性があり、引火性を有する。消防法による危険物(第4類第1石油類)に指定されており、一定量以上の貯蔵には消防署への届出が必要である。人体に対しては高濃度の存在下では麻酔作用がある他、毒性が強く、日本では毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている。管理濃度は、20ppmである。
目次
- 1 歴史
- 2 化学的性質
- 3 製造
- 4 用途
- 5 毒性と代謝
- 6 出典
- 7 参考文献
- 8 関連項目
歴史
トルエンの名は、南アメリカに分布する Myroxylon balsamum という木から得られたトルオール (toluol) とよばれる樹脂から初めて単離されたことに由来する。イェンス・ベルセリウスが命名した。
化学的性質
トルエンは通常の芳香族炭化水素と同様に芳香族求電子置換反応の基質となる。メチル基の存在により、ベンゼンの約25倍の反応性を持っている。
トルエンは穏やかなスルホン化によりp-トルエンスルホン酸を生成する。また酸化鉄(III)の存在下、塩素により塩素化反応を起こし、オルト・パラアイソマーのクロロトルエンを生成する。ニトロ化ではオルト・パラアイソマーのニトロトルエンを生成するが、加熱することでジニトロトルエン、最終的には爆発性のトリニトロトルエン (TNT) を生成する。ハロゲン化反応はフリーラジカル条件下でも進行し、そのときハロゲンはメチル基に入る。例えばトルエン中にNBSとAIBNを加え加熱すると、臭化ベンジルが生成する。
トルエンのメチル基も他の反応試剤により酸化反応が進行する。トルエンは酸化により反応中間体であるベンジルカチオンを生じさせ、続く水との反応によりベンジルアルコールを生成することができる。生じたベンジルアルコールはさらに酸化されベンズアルデヒドさらには安息香酸となる。またトルエンは過マンガン酸カリウムにより安息香酸を生成するが、その一方でクロム酸化によりベンズアルデヒドを生成する。
トルエンの触媒的水素化はその芳香族性のため進行しにくいが、高圧の水素添加によりメチルシクロヘキサンを生成する。
製造
トルエンは原油中にも少量存在するが、通常はガソリンの接触改質、石炭からのコークス製造などで生成するエチレンのクラッキングにより製造する。最終的な精製は、BTXプラントで行われる。
純トルエンの2008年度日本国内生産量は1,435,353t、工業消費量は674,800tである[1]。
用途
トルエンは溶媒として一般的に用いられ、ペンキ、塗料用シンナー、多くの化学物質、ゴム、印刷用インク、接着剤、マニキュア、皮なめし、殺菌剤等、様々なものを溶解することができる。フラーレンの指示薬としても用いることが可能である。ポリウレタンの原料であるトルエンジイソシアナートをはじめ、フェノール、トリニトロトルエン等の有機化合物の原料である。また内燃ガソリンエンジンのオクタン価向上剤としても用いることができる。工業的には脱アルキル化によるベンゼン生成、不均化によるベンゼンとキシレンの生成などが挙げられる。
毒性と代謝
トルエン蒸気の吸入には中毒性があり、強い吐き気を催す。長期にわたり繰り返し吸入を続けた場合、回復不能の脳障害を負うことが確認されている。トルエンは液体からの蒸気吸入だけではなく土壌汚染、地下水汚染等により経皮・経口で体内に入る可能性がある。また、塗料や樹脂などの建材の溶剤として用いられたトルエンが室内に放出されることがあり、シックハウス症候群の原因物質のひとつであるといわれている。また排気ガス等へも含まれている。
トルエンの毒性は代謝によりその大部分が説明される。トルエンは水への溶解度が低いため、汗や尿といった通常の経路ではトルエンを排出することができない。このため代謝により別の物質になる必要がある。トルエンのメチル基は芳香環部分と比較して酸化されやすく、シトクロムP450により酸化される。そのためトルエンの95%は酸化されてベンジルアルコールとなる。この代謝経路では残りの5%が環が酸化されたエポキシドとして残留する。このエポキシドの大部分はグルタチオンと複合体を形成するが、細胞に対する深刻な毒性は避けられない。
トルエンが酸化されて生じたベンジルアルコールはアルコールデヒドロゲナーゼによりさらに酸化され、安息香酸や馬尿酸として主に排出される。
出典
- ^ 化学工業統計月報 - 経済産業省
参考文献
- 化学物質ファクトシート2011年版 トルエン(環境省)
関連項目
- ベンゼン
- キシレン
- トリニトロトルエン
- サッカリン
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- フォトフェントン反応を用いた気液接触型の新規空気清浄法の開発
- 水およびトルエン存在下におけるオイルサンドビチューメン熱分解反応
Related Links
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- トルエン. TOLUENE Methylbenzene Toluol Phenylmethane C6H5CH3 / C7H8 分子量:92.1. CAS登録番号:108-88-3. RTECS番号:XS5250000 ICSC番号:0078 国連番号:1294. EC番号:601-021-00-3 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
亜鉛華(10%)単軟膏「ニッコー」
組成
- 酸化亜鉛 10g
- 及び添加物としてミツロウ、ダイズ油、ジブチルヒドロキシトルエンを含有する。
禁忌
- 重度または広範囲の熱傷[酸化亜鉛が創傷部位に付着し、組織修復を遷延させることがある。]
効能または効果
- ○下記皮膚疾患の収れん・消炎・保護・緩和な防腐
- 外傷、熱傷、凍傷、湿疹、皮膚炎、肛門そう痒症、白癬、面皰、せつ、よう
- ○その他の皮膚疾患によるびらん・潰傷・湿潤面
- 通常、症状に応じ1日1?数回、患部に塗擦または貼布する。
★リンクテーブル★
[★]
- 20歳の男性。歩行困難のため救急車で搬入された。路上で倒れているところを通行人が発見し救急車を要請した。意識レベルはJCSⅠ-3。体温 36.2℃。心拍数 72/分、整。血圧 112/80mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 94%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。四肢の筋力低下のため起き上がれない。血液生化学所見:総蛋白 7.8g/dL、アルブミン 3.8g/dL、尿素窒素 12mg/dL、クレアチニン 1.1mg/dL、Na 136mEq/L、K 1.9mEq/L、Cl 106mEq/L、Ca 8.8mg/dL、P 2.5mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.24、PaCO2 38Torr、PaO2 88Torr、HCO3- 16.0mEq/L。遅れて来院した家族の話では以前からシンナー有機溶剤トルエン含有吸引の習慣があったという。
- 今後起こりうる可能性があるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D065]←[国試_113]→[113D067]
[★]
- 鉛取り扱い作業者と有機溶剤(トルエンが主成分)取り扱い作業者とがいる事業所で、従業員の一般健康診断と特殊健康診断とを実施した。有機溶剤取り扱い作業者に対してのみ、前夜からの清涼飲料水、栄養ドリンクおよびアルコール飲料の摂取を禁止し、従業員全員に対して当日の朝食摂取を許可した。休日明けの午前中、作業開始前に、血液と尿とを採取した。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A050]←[国試_104]→[104A052]
[★]
- 24歳の男性。3か月前から鼻汁と咳とがあり来院した。1年前から強化プラスチック製ポートの製造会社でウレタンフォーム発泡作業に従事している。1か月前、帰宅後に呼吸困難が出現した。その後、発泡作業に従事した日に限って呼吸困難が出現する。
[正答]
※国試ナビ4※ [100H025]←[国試_100]→[100H027]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104I077]←[国試_104]→[104I079]
[★]
- 職場の有害因子と生物学的曝露の測定項目との組合せで誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105G003]←[国試_105]→[105G005]
[★]
- 環境問題とその原因物質の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [108G030]←[国試_108]→[108G032]
[★]
- 有機溶剤と尿中代謝物の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101F077]←[国試_101]→[101F079]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098G024]←[国試_098]→[098G026]
[★]
- 建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)に基づいて基準が定められ、建築物内で測定されるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110B006]←[国試_110]→[110B008]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098H077]←[国試_098]→[098H079]
[★]
- 特徴的な症候と毒物の組合せで誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097G067]←[国試_097]→[097G069]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099E077]←[国試_099]→[099E079]
[★]
- 有機溶剤業務従事者の健康診断で尿中代謝物検査の対象とならないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096H075]←[国試_096]→[096H077]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097H075]←[国試_097]→[097H077]
[★]
[正答]
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[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103A059]←[国試_103]→[103B001]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096H077]←[国試_096]→[096H079]
[★]
- 英
- school environmental hygiene
- 関
- 学校保健安全法、学校環境衛生
学校の運営は意外と大変なのね
教室等の環境に係る学校環境衛生基準
換気及び保温等
- 参考1
検査項目
|
基準
|
換気
|
換気の基準として、二酸化炭素は、1500ppm 以下であることが望ましい。
|
温度
|
10℃以上、30℃以下であることが望ましい。
|
相対湿度
|
30%以上、80%以下であることが望ましい。
|
浮遊粉じん
|
0.10mg/m3 以下であること。
|
気流
|
0.5m/秒以下であることが望ましい。
|
一酸化炭素
|
10ppm 以下であること。
|
二酸化窒素
|
0.06ppm 以下であることが望ましい。
|
揮発性有機化合物
|
|
ホルムアルデヒド
|
100μg/m3 以下であること。
|
トルエン
|
260μg/m3 以下であること。
|
キシレン
|
870μg/m3 以下であること。
|
パラジクロロベンゼン
|
240μg/m3 以下であること。
|
エチルベンゼン
|
3800μg/m3 以下であること。
|
スチレン
|
220μg/m3 以下であること。
|
ダニ又はダニアレルゲン
|
100 匹/m2 以下又はこれと同等のアレルゲン量以下であること。
|
採光及び照明
- 参考1
照度
- (ア) 教室及びそれに準ずる場所の照度の下限値は、300 lx(ルクス)とする。また、教室及び黒板の照度は、500 lx 以上であることが望ましい。
- (イ) 教室及び黒板のそれぞれの最大照度と最小照度の比は、20:1を超えないこと。また、10:1 を超えないことが望ましい。
- (ウ) コンピュータ教室等の机上の照度は、500~1000 lx 程度が望ましい。
- (エ) テレビやコンピュータ等の画面の垂直面照度は、100~500 lx程度が望ましい。
- (オ) その他の場所における照度は、工業標準化法(昭和24 年法律第185 号)に基づく日本工業規格(以下「日本工業規格」という。)Z 9110 に規定する学校施設の人工照明の照度基準に適合すること。
まぶしさ
- (ア) 児童生徒等から見て、黒板の外側 15゜以内の範囲に輝きの強い光源(昼光の場合は窓)がないこと。
- (イ) 見え方を妨害するような光沢が、黒板面及び机上面にないこと。
- (ウ) 見え方を妨害するような電灯や明るい窓等が、テレビ及びコンピュータ等の画面に映じていないこと。
騒音レベル
- 教室内の等価騒音レベルは、窓を閉じているときはLAeq50dB(デシベル)以下、窓を開けているときはLAeq55dB 以下であることが望ましい。
飲料水等の水質及び施設・設備に係る学校環境衛生基準
- 参考1
水泳プールに係る学校環境衛生基準
- 参考1
水質
検査項目
|
基準
|
遊離残留塩素
|
0.4mg/.以上であること。また、1.0mg/.以下であることが望ましい。
|
pH値
|
5.8 以上8.6 以下であること。
|
大腸菌
|
検出されないこと。
|
一般細菌
|
1m.中200 コロニー以下であること。
|
有機物等
|
過マンガン酸カリウム消費量として12mg/.以下であること。
|
濁度
|
2度以下であること。
|
総トリハロメタン
|
0.2mg/.以下であることが望ましい。
|
循環ろ過装置の処理水
|
循環ろ過装置の出口における濁度は、0.5 度以下であること。また、0.1 度以下であることが望ましい。
|
施設・設備の衛生状態
検査項目
|
基準
|
プール本体の衛生状況等
|
:プール水は、定期的に全換水するとともに、清掃が行われていること。 :水位調整槽又は還水槽を設ける場合は、点検及び清掃を定期的に行うこと。
|
浄化設備及びその管理状況
|
:循環浄化式の場合は、ろ材の種類、ろ過装置の容量及びその運転時間が、プール容積及び利用者数に比して十分であり、その管理が確実に行われていること。 :オゾン処理設備又は紫外線処理設備を設ける場合は、その管理が確実に行われていること。
|
消毒設備及びその管理状況
|
:塩素剤の種類は、次亜塩素酸ナトリウム液、次亜塩素酸カルシウム又は塩素化イソシアヌル酸のいずれかであること。 :塩素剤の注入が連続注入式である場合は、その管理が確実に行われていること。
|
屋内プール
|
|
空気中の二酸化炭素
|
1500ppm以下が望ましい。
|
空気中の塩素ガス
|
0.5ppm以下が望ましい。
|
水平面照度
|
200lx以上が望ましい。
|
参考
- 1. 学校環境衛生基準の施行について(通知):文部科学省
- http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1266524.htm
- 学校環境衛生基準(平成21年文部科学省告示第60号)
- http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/__icsFiles/afieldfile/2009/05/18/1266524_1_1.pdf
[★]
- 関
- 法令、有機溶剤中毒、労働安全衛生法
尿中代謝物の検査が必要な物質
第六章 健康診断
(健康診断)
第29条
- 令第二十二条第一項第六号の厚生労働省令で定める業務は、屋内作業場等(第三種有機溶剤等にあつては、タンク等の内部に限る。)における有機溶剤業務のうち、第三条第一項の場合における同項の業務以外の業務とする。
- 2 事業者は、前項の業務に常時従事する労働者に対し、雇入れの際、当該業務ヘの配置替えの際及びその後六月以内ごとに一回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。
- 一 業務の経歴の調査
- 二 有機溶剤による健康障害の既往歴並びに自覚症状及び他覚症状の既往歴の調査、別表の下欄に掲げる項目(尿中の有機溶剤の代謝物の量の検査に限る。)についての既往の検査結果の調査並びに第四号、別表の下欄(尿中の有機溶剤の代謝物の量の検査を除く。)及び第五項第二号から第五号までに掲げる項目についての既往の異常所見の有無の調査
- 三 有機溶剤による自覚症状又は他覚症状と通常認められる症状の有無の検査
- 四 尿中の蛋白の有無の検査
- 3 事業者は、前項に規定するもののほか、第一項の業務で別表の上欄に掲げる有機溶剤等に係るものに常時従事する労働者に対し、雇入れの際、当該業務への配置替えの際及びその後六月以内ごとに一回、定期に、別表の上欄に掲げる有機溶剤等の区分に応じ、同表の下欄に掲げる項目について医師による健康診断を行わなければならない。
- 4 前項の健康診断(定期のものに限る。)は、前回の健康診断において別表の下欄に掲げる項目(尿中の有機溶剤の代謝物の量の検査に限る。)について健康診断を受けた者については、医師が必要でないと認めるときは、同項の規定にかかわらず、当該項目を省略することができる。
- 5 事業者は、第二項の労働者で医師が必要と認めるものについては、第二項及び第三項の規定により健康診断を行わなければならない項目のほか、次の項目の全部又は一部について医師による健康診断を行わなければならない。
- 一 作業条件の調査
- 二 貧血検査
- 三 肝機能検査
- 四 腎機能検査(尿中の蛋白の有無の検査を除く。)
- 五 神経内科学的検査
(健康診断の結果)
第30条
- 事業者は、前条第二項、第三項又は第五項の健康診断(法第六十六条第五項ただし書の場合における当該労働者が受けた健康診断を含む。次条において「有機溶剤等健康診断」という。)の結果に基づき、有機溶剤等健康診断個人票(様式第三号)を作成し、これを五年間保存しなければならない。
(健康診断の結果についての医師からの意見聴取)
第30条の二
- 有機溶剤等健康診断の結果に基づく法第六十六条の四の規定による医師からの意見聴取は、次に定めるところにより行わなければならない。
- 一 有機溶剤等健康診断が行われた日(法第六十六条第五項ただし書の場合にあつては、当該労働者が健康診断の結果を証明する書面を事業者に提出した日)から三月以内に行うこと。
- 二 聴取した医師の意見を有機溶剤等健康診断個人票に記載すること。
(健康診断の結果の通知)
第30条の二の二
- 事業者は、第二十九条第二項、第三項又は第五項の健康診断を受けた労働者に対し、遅滞なく、当該健康診断の結果を通知しなければならない。
(健康診断結果報告)
第30条の三
- 事業者は、第二十九条第二項、第三項又は第五項の健康診断(定期のものに限る。)を行つたときは、遅滞なく、有機溶剤等健康診断結果報告書(様式第三号の二)を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
(緊急診断)
第30条の四
- 事業者は、労働者が有機溶剤により著しく汚染され、又はこれを多量に吸入したときは、速やかに、当該労働者に医師による診察又は処置を受けさせなければならない。
法令
- 有機溶剤中毒予防規則(昭和四十七年九月三十日労働省令第三十六号)
- https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/viewContents?lawId=347M50002000036_20190507_501M60000100001
[★]
- 英
- poisoning, intoxication
- 関
中毒の早期発見のための検査
- SUB.403
重金属
有機溶剤
中毒一覧
[★]
- 英
- organic solvent
- 同
- 有機溶媒
有機溶剤の物性
毒性
[★]
- 英
- hippurate, hippuric acid
- 同
- Nα-ベンゾイルグリシン
- 関
- グリシン抱合
[★]
- 英
- toluene poisoning
- 関
- シンナー中毒、トルエン
侵入径路
作用機序
障害部位
- 海馬などの大脳辺縁系の障害 → 記銘障害を中心とする認知障害 → 重症例では認知症から人格荒廃
- 小脳 → 小脳性運動失調症
- 錐体路障害 → 痙性対麻痺
症状
- 急性:麻酔作用による中枢抑制 ← 肝障害もあるらしい
- 慢性:不定愁訴:頭痛、めまい、倦怠感、生理不順など
中枢神経外症状
- 尿細管:尿細管アシドーシスおよびそれに続発する低カリウム性ミオパチー、周期性四肢麻痺
代謝
- benzen-ring-CH3 → benzen-ring-COOH -(グリシン抱合)→ benzen-ring-CO-NH-CH2COOH
- トルエンの80%が安息香酸に代謝されグリシン抱合を受けて馬尿酸となり尿中に排泄される
検査
- 尿中馬尿酸の定量(構造式:C6H5CONHCH2COOH)
- 安息香酸を含む食物の摂取に影響を受けるため、注意する。
- 作業終了時に献体を採取する。
- 飲酒により影響をうける。
画像
- MRI:T2強調画像:大脳白質、脳幹、小脳脚、脊髄に高信号域
参考
- http://data.medience.co.jp/compendium/main.asp?field=01&m_class=12&s_class=0001
- http://www.nurs.or.jp/~academy/igaku/q/q642.htm
[★]
- 英
- butylated hydroxytoluene、BHT
-BHT
- 関
- See Butylated hydroxytoluene
[★]
- 英
- toluene 2
[★]
- 英
- trinitrotoluene
-trinitrotoluene
[★]
- 英
- toluene diisocyanate TDI
[★]
- 英
- Torr
- 関
- 圧力
1 torr ≒ 1 mmHg
(1) 760 mmHg = 101325.0144354 Pa
(2)
1 torr = 1 atm(1気圧(標準大気圧)) / 760
1 atm = 101325 Pa = 760 torr
∴ (1)と(2)はわずかに異なる。