前立腺肥大症
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前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)は加齢とともに前立腺(内腺)の細胞数が増加し肥大化する疾患。
目次
- 1 概要
- 2 前立腺肥大症の主な原因
- 3 疫学
- 4 症状
- 5 検査
- 6 治療法
- 7 獣医学領域での前立腺肥大症
- 8 関連項目
- 9 脚注
- 10 参考文献
- 11 外部リンク
§概要
前立腺は解剖学的には膀胱の下で尿道を取り囲むようにして存在する臓器である。前立腺から分泌される前立腺液は精液の構成成分で、体外に射精された精液中の精子を保護しエネルギーを補充する働きがある。年齢とともに生殖能力が必要でなくなるために、前立腺は萎縮するか肥大するかの二者択一の道を選ぶ。昭和30年代(1955年代)ごろまでは、日本人男性のほとんどが前立腺は萎縮の経過をたどっていた。ところが、食生活の向上・欧米化により、現在では80歳までに日本人男性の80%が前立腺肥大症になるといわれている。罹患率は加齢とともに高くなり、50歳代より急速に増加する。組織学的な前立腺肥大は、30歳代から始まり、50歳で30%、60歳で60%、70歳で80%、80歳では90%に見られる。前立腺の肥大と排尿症状を伴う場合のみ治療が必要だが、すべてが治療の対象になるわけではない。治療を必要とする、いわゆる前立腺肥大症の頻度は、その1/4程度である。
§前立腺肥大症の主な原因
前立腺肥大症の主な原因として、加齢・性ホルモン・喫煙・肥満・肝硬変・アルコール摂取・高血圧・家族歴(遺伝)が挙げられている。ただし、これらはあくまで疑われている要因でしかなく、現在において前立腺肥大症の明らかな原因はわかっていない。
高血圧、高血糖、肥満や脂質異常症との関係や、メタボリック症候群との関係についても、指摘される場合がある。野菜、穀物、大豆などに含まれるイソフラボノイドに前立腺肥大症の発症抑制効果があるとされる。また、喫煙やアルコール、性生活との因果関係を指摘されることもあるが、不明である。発症のメカニズムは未だ未解明だが、男性ホルモンの働きが関係していることは間違いなく、中高年以降に男性ホルモンを含む性ホルモン環境の変化が起こることにより、発症すると考えられている [1]。
溢流性尿失禁(奇異性尿失禁) の原因となる。
§疫学
発症には人種や地理的要因による差異があり、頻度は東洋人が低く、次いで白人、黒人の順序で高くなる。栄養状態による差として、ビタミン類、脂質、タンパク質の過不足などが注目されており、緑黄色野菜の摂取量と発症率に相関があるとする見解もあるが、否定的な結果も示唆されている。 更に、「社会的環境」や「肉体的特徴」により発症に傾向があるとする見解もあるが、何れも正確な対照比較試験及び系統的な研究に乏しく、結論は出されていない。また、既往症や合併疾患との関連性、血液型、食事内容に関しても、研究が不足している。
§症状
肥大した前立腺によってもたらされる症状には、尿道閉塞により直接的に生じる排尿困難を主とする症状と、尿道閉塞により二次的に生じ刺激を受けた膀胱の機能変化(収縮力の低下)に伴う症状があり、肥大の発生部位や様々な要因により患者毎に異なる複雑な症状を呈する。
- 排尿開始遅延:出るまでの息み時間が長いこと。
- 尿線細小:尿線が細く、チョロチョロしか出ない状態。
- 尿線分裂:尿が散るために便器を汚してしまう状態。
- 排尿終末時滴下:尿の最後の方がポタポタしか出ない状態。
- 残尿感:排尿直後にまだ出し足りない感じがすること。
- 排尿後尿滴下:排尿後に、尿道に残っていた尿が少量漏れるもの。
- 尿意頻拍:常に尿意が襲ってくる状態。
- 頻尿:頻繁な尿意のために足繁くトイレで排尿すること。
- 夜間頻尿:就寝してから排尿のために、何度もトイレに足を運ぶこと。
- 尿混濁:黄色透明の正常な尿が混濁し汚れた状態。
- 尿閉:尿がほとんど出なくなる。
- 腎機能低下:閉塞の影響により血清クレアチニンが0.3-30%の頻度で上昇。
§検査
診断のためには、排尿障害の程度、前立腺の大きさ、前立腺癌との区別が必要になる。
- 尿検査
- 超音波エコー検査
- 断面のサイズとしては、左右径35mm、前後径20mm、上下径25mm程度が正常上限とされる。
- 前立腺容積としては20mL未満が正常とされる。
- 尿流量測定ウロフロメトリー検査
- 残尿量測定検査
- 正常ではほぼ0mLであるが、残尿量50mL未満が許容範囲とされる。
- PSA血液検査(前立腺癌腫瘍マーカー)
- 内視鏡検査
- 血清クレアチニン
§治療法
症状があっても日常生活に不便を感じていなければ治療は不要。 患者の体力や社会的適応などにより、様々な治療法が選択される。日帰り手術(3~5)を選ぶ患者も多い。但し、外科的治療によって尿道閉塞を解消した後も、約3割の症例において症状は解消しない。
- 内服薬:
- 交感神経α1遮断薬 : タムスロシン(ハルナール®)、ナフトピジル(アビショット®[2]・フリバス®)、ウラピジル(エブランチル®)、シロドシン(ユリーフ®)など
- 5α還元酵素阻害剤 (ジヒドロテストステロン生成阻害剤) : デュタステリド, フィナステリド
- 黄体ホルモン剤(抗アンドロゲン剤):クロルマジノン(プロスタール®)、アリルエストレノール(パーセリン®)
- PDE-5阻害剤; タダラフィル(米国FDA承認済、日本未承認)
- 植物エキス製剤(エビプロスタット配合錠DB®、エビプロスタット配合錠SG®、セルニルトン®)
- 漢方(八味地黄丸)
- 注射薬
- 黄体ホルモン剤(抗アンドロゲン剤):カプロン酸ゲストノロン(デポスタット®)
- 高温度治療
- レーザー光線治療
- ILCP(前立腺組織内凝固術)
- VLAP(ビデオ直視下前立腺蒸散術)
- 電気メス治療
- 開腹手術
- 民間療法:ノコギリヤシ[3]
§獣医学領域での前立腺肥大症
5歳以上の犬で見られることが多い。原因として加齢に伴うアンドロゲンとエストロゲン分泌の不均衡が考えられ、食欲不振、体重減少、血尿、排便困難を示す。治療には精巣摘出術や抗アンドロゲン製剤の投与が行われる。
§関連項目
§脚注
- ^ 旭化成ファーマHP(名古屋大学大学院医学系研究科泌尿器科学 後藤百万教授)
- ^ アビショット®は、2010年3月31日販売中止見込み。
- ^ 藤野(隠岐)知美、鈴木真由美、山田静雄「ノコギリヤシ果実抽出液の排尿機能及び下部尿路受容体に対する作用」、『日本補完代替医療学会誌』第4巻第2号、2007年、 41-50頁、 doi:10.1625/jcam.4.41、 NAID 130000079381。
§参考文献
- 『EBMに基づく前立腺肥大症診療ガイドライン』 厚生科学研究班編 (Minds医療情報サービス)
- 『EBMに基づく前立腺肥大症診療ガイドライン2001年版』 厚生科学研究班編 (Minds医療情報サービス)
- 河邉 香月 前立腺肥大症の薬物治療最前線 薬学雑誌Vol.126 (2006) No. Special_Issue : New Drug “Silodosin” P 199-206
- 『これで安心! 前立腺がん・前立腺肥大症~自分に合った治療法を選ぶ』市川智彦監修、2014年
§外部リンク
- 前立腺肥大症-病気のはなし・病気辞典
- 前立腺肥大症 治療について東海大学医学部付属病院 泌尿器科
腎・泌尿器系の疾患 |
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疾患 |
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糸球体病変
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急性糸球体腎炎 | IgA腎症 | 急速進行性糸球体腎炎 | 慢性糸球体腎炎
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腫瘍
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腎細胞癌 | 腎盂腫瘍 | 尿管腫瘍 | 前立腺肥大症 | 前立腺癌 | 精巣腫瘍 | 陰茎癌 |腎芽腫
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病態・症状 |
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急性腎不全
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慢性腎不全 | 尿毒症
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検査 |
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腎・泌尿器系の正常構造・生理 |
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肉眼解剖
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尿細管
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ゲロタ筋膜
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顕微解剖
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ネフロン
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糸球体
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尿細管
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生理学
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生化学
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バソプレッシン | アルドステロン | 心房性ナトリウム利尿ペプチド | エリスロポエチン | レニン-アンジオテンシン系
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尿路 |
肉眼解剖
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顕微解剖
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移行上皮
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生殖器系 |
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女性器 |
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男性器 |
尿道 - 陰茎 - 陰茎亀頭 - 陰茎亀頭冠 - 海綿体 - 陰茎ワナ靭帯 - 陰茎包皮 - 陰茎小帯 - 陰嚢 - 精索 - 精巣上体 - 精細管 - セルトリ細胞 - 精巣輸入管 - 輸精管 - 精嚢 - 射精管 - 前立腺 - 尿道球腺 - 精巣網 - 精巣
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- LUTS/BPH症例に対するナフトピジル50mg/日の効果 投与方法による有効性の比較検討
- 沼田 篤,渡邊成樹,山口 聡,小山内裕昭,柿崎秀宏
- 泌尿器外科 24(7), 1157-1164, 2011-7
- … 著者最終原稿版108例の前立腺肥大症に伴う下部尿路症状(LUTS/BPH)症例に対して、ナフトピジル50mg/日を朝分1投与(M 群)、夕分1投与(E群)、朝夕分2投与(ME群)に分けて8週間投与し、投与方法による有効性の違いを比較検討した。 …
- NAID 120003517673
- PP-983 尿路結石を有する前立腺肥大症患者におけるシロドシンの結石排泄作用の検討(発表・討論,一般演題ポスター,第99回日本泌尿器科学会総会)
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- 前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)とは、膀胱の下にある前立腺が肥大して、尿道を圧迫し、排尿障害を起こす病気のことを言います。 男性の「更年期障害」とも言われる、前立腺肥大症ですが、食生活の向上・欧米化により ...
- 【どんな病気か】 前立腺は膀胱(ぼうこう)の下部、尿道括約筋(にょうどうかつやくきん)の奥にあり(図2)、クルミ大(約15g)の臓器で、男性生殖器官のひとつです。ほぼ中央を尿道が貫いています。前立腺部の尿道には精巣 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、28、29の問いに答えよ。
- 84歳の男性。尿閉と下腹部痛とを主訴に来院した。
- 現病歴:以前から尿意を催しても排尿に時間がかかることを自覚していた。2、3日前から鼻水と咳とがあり、昨日の朝から市販の総合感冒薬を服用した。その後さらに尿が出にくくなった。今朝はほとんど尿が出ず、下腹部痛も自覚したため受診した。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙は20本/日を60年間。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。体温36.4℃。脈拍76/分、整。血圧158/78mmHg。呼吸数14/分。SpO2 97%(room air)。頭頸部と胸部とに異常を認めない。腹部は下腹部が膨隆しており、やや硬い。軽度の圧痛がある
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107C028]←[国試_107]→[107C030]
[★]
- 77歳の男性。6年前から頻尿、残尿感および排尿困難があったが、最近、症状が悪化したため来院した。腹部は平坦で腸雑音は正常。尿所見に異常はない。血清生化学所見:尿素窒素28mg/dl、クレアチニン1.2mg/dl。PSAく前立腺特異抗原)2.3ng/ml(基準4.0以下),静脈性尿路造影30分の写真を以下に示す。みられる所見はどれか。
- a. (1)(2)(3)
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[正答]
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[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [097E017]←[国試_097]→[097E019]
[★]
- 英
- hypotensor, depressor, hypotensive drugs hypotensive agent hypotensive drug
- 同
- 降圧剤、血圧降下薬、高血圧症治療薬、抗高血圧薬 antihypertensive antihypertensive drug, antihypertensive drugs
[show details]
ja
hypotensor : 約 1,170 件
depressor : 約 13,000 件
hypotensive drugs : 約 1,410 件
hypotensive agent : 約 1,320 件
hypotensive drug : 約 1,200 件
en
hypotensor : 約 12,100 件
depressor : 約 1,220,000 件
hypotensive drugs : 約 29,100 件
hypotensive agent : 約 37,600 件
hypotensive drug : 約 12,500 件
降圧薬
-
- 近位尿細管:アセタゾラミド:炭酸脱水酵素を阻害
- 太いヘンレループ上行脚:フロセミド:Na+-K+-2Cl-共輸送体(NKCC)を阻害
- 遠位尿細管前半部:チアジド系利尿薬:Na+とCl-の共輸送体を阻害
- 遠位尿細管後半部と集合管:
- スピラノラクトン:アルドステロン受容体に競合的に結合
- トリアムチレン:Na+流入を抑制
-
-
-
- カルベジロール(α1遮断により末梢血管を拡張。β遮断により陽性変力作用を抑制)
- アムスラロールなど
- 強力な降圧効果を示す
- 細胞内へのCa流入を抑制することにより血管平滑筋を弛緩させ末梢血管抵抗を下げる
- 脳、心臓、腎臓への血流を保つ
- 膜電位依存性Caチャネルに作用して血管平滑筋を弛緩させる
-
- 副作用:ジルチアゼムの副作用:洞性徐脈、洞性ブロック
- ニフェジピン: 血管への親和性が高い→抗高血圧薬として優れる
- 副作用:反射性交感神経緊張、顔面紅潮、浮腫(静脈拡張より動脈拡張の度合いが大きいため)、便秘
- 臓器障害の改善、進展予防 beyond blood pressure
- RA系の抑制
- アンジオテンシノゲン→(レニン)→アンジオテンシンI→(アンジオテンシン転換酵素)→アンジオテンシンII-(アンジオテンシン受容体遮断薬)-|アンジオテンシン受容体1
- ACE阻害薬の腎機能保護
- ACE阻害薬:輸入細動脈 拡張、輸出細動脈 拡張 → 糸球体内圧↓
- Ca拮抗薬 :輸入細動脈 拡張、輸出細動脈 なし → 糸球体内圧↑
-
- 副作用
- ACEはブラジキニンを分解するキニナーゼIIと同一の酵素である。ACE阻害薬はこの酵素を阻害するが、ブラジキニンは血管拡張、決勝滲出決勝進出、発痛作用に関わっている。このため咳を誘発することがある。
- 禁忌
- 妊婦。ブラジキニンは胎児の動脈管閉鎖に関わっている。このた、母胎にACE阻害剤を加え、ブラジキニンが増えると胎児の動脈管が閉鎖してしまう。(血管浮腫?)
- 1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(AT1受容体拮抗薬)
降圧薬の積極的な適応と禁忌
- 合併症を有する高齢者高血圧に対する第一選択薬と併用薬
○:第一選択 空欄:適応可 △:注意が必要 ×:禁忌
- 理由はACE参照
使用できる降圧薬
- α2作動薬
- β遮断薬
- α遮断薬
参考
- http://www.jhf.or.jp/a&s_info/guideline/kouketuatu.html
漢方薬
- 降圧目的に釣藤散が使われることが多い。補助的に防風通聖散が用いられることがある。
[★]
- 英
- pollakiuria, pollakisuria, frequent urination, frequent micturition, urinary frequency
- 関
- 尿、乏尿、無尿、頻尿症、尿意頻数、排尿回数、機能性膀胱容量
定義
- 正常者の排尿回数は24時間で5~6回で就寝中は0~1回である。
- 就寝中の頻尿を夜間頻尿(夜間多尿症)、起床から就寝までの頻尿を昼間頻尿と呼ぶ。
- 排尿回数が異常に多いこと
- 1. 昼間頻尿を8回以上、夜間頻尿(夜間多尿症)を2回以上(日本泌尿器科学会排尿障害臨床試験ガイドライン)
- 2. 1日10回以上、就眠時 2回以上の排尿
原因
鑑別疾患
[★]
- 英
- tamsulosin
- 化
- 塩酸タムスロシン tamsulosin hydrochloride、タムスロシン塩酸塩
- 商
- ウロスロール、タムスロン、ハラナシン、ハルスロー、ハルタム、ハルナール、パルナック、ハルリーブ、ハロネロール、リストリーム
- 関
- αアドレナリン受容体遮断薬、アドレナリン受容体
- その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬
分類
作用機序
薬理作用
適応
添付文書
- ハルナールD錠0.1mg/ハルナールD錠0.2mg
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2590008F1026_1_08/2590008F1026_1_08?view=body
[★]
- 関
- 頻尿
[★]
- 英
- benign prostatic hyperplasia BPH, benign prostatic hypertrophy, prostatic hyperplasia
- 同
- 前立腺肥大
- 関
- 前立腺
定義
- 加齢に従い、前立腺の内腺が腫大し、尿路を圧迫して排尿障害を呈する疾患。
疫学
- 前立腺の肥大(内腺)は30-40歳代から始まり、50歳代には顕著となり、70歳代以降ではほぼ全例に認められるが、臨床症状を呈するのはこの一部である(10-20%)。
病因
病態
- 肥大した前立腺により尿路を刺激し、さらには閉塞して、ついには完全尿閉に至る。
重症分類
- 前立腺体積が20ml以下では軽症、前立腺体積が20-50ml以下では中等症、前立腺体積が50ml以上では重症
症状
- YN.E-86 SURO.258
- 病期は3つに分けられる:(1)第1病期 刺激期、(2)第2病期 残尿発生期、(3)第3病期 慢性尿閉期
病期
|
病態
|
症状
|
第1病期
|
刺激期
|
腫大した前立腺による後部尿道(膀胱頚部、前立腺尿道)の刺激
|
軽度の排尿困難、夜間頻尿、排尿時不快感
|
第2病期
|
残尿発生期
|
残尿(50-150ml)の発生
|
排尿困難(いきみながらの排尿)。残尿。急性尿閉(飲酒、抗コリン薬、長時間の乗り物の乗車)
|
第3病期
|
慢性尿閉期
|
さらなる残尿(300ml以上)、膀胱の過伸展(排尿筋だけでは排尿できない)
|
奇異性尿失禁、腎機能低下による尿毒症症状
|
検査
[show details]
診断
- 参考1
- 病歴、理学的検査、尿検査、血清クレアチニン測定、PSA測定、尿流測定、残尿測定、排尿時における排尿筋圧、尿流率同時測定法、内視鏡検査、画像診断(超音波検査法、静脈性腎盂造影法、排尿時膀胱尿道造影法、逆行性尿道造影法など)などにより行う。
- 診断のステップ
- 1. 病歴、理学的検査(直腸診)、尿検査、血清クレアチニン測定、PSA測定 → 排尿障害の症状が前立腺肥大症によるものと考えられるか判断
- 2. 国際前立腺症状スコアの評価:(≦7点)経過観察。(≧8点)尿流測定、残尿測定、PFSを施行 → 尿道閉塞の程度を把握し治療
- 3. (治療する場合)QOLスコアを考慮して治療方法を選択。
- 4. (追加検査)内視鏡検査、画像診断法:ルーチン検査法ではない。外科的治療の準備や合併疾患の疑診例に対して実施する。
治療
- SURO.258 参考1 参考3
-
- α1ブロッカー:プラゾシン(副:起立性低血圧)、タムスロシン(副:血圧を下げないが、射精障害がある) ← 肥大した前立腺の圧迫の他に膀胱頚部、尿道、前立腺の平滑筋(α1受容体)の過剰収縮によっても排尿困難が起きているため、尿道内圧を下げ症状緩和しうる。
- 抗アンドロゲン薬:クロルマジノン、アリルエストレノール。前立腺の縮小作用。(副:性器脳障害、肝機能障害)
- 5α還元酵素阻害薬:前立腺の縮小作用。
- その他:漢方製剤(猪苓湯、八味地黄丸)、花粉製剤、アミノ酸製剤 ← 自覚症状の改善にとどまる
- 加熱療法:ハイパーサーミア(前立腺内加熱温度45℃以下)と高温度療法(前立腺内加熱温度45℃以上)がある。熱源はマイクロ波、RF波、レーザー波などがある。レーザー療法、温熱療法の長期成績は未確立。
- 出典不明
- 第1期:薬物療法:α遮断薬、抗アンドロゲン薬、漢方薬
- 第2期:手術療法:経尿道的前立腺切除術、前立腺被膜下摘出術
参考
- 1. 2001年 前立腺肥大症 ガイドライン
- 2. 日本Endourology・ESWL学会によるBPHガイドライン
- http://jsee.umin.ac.jp/images/guideline.pdf
- 3. [信頼度不明]前立腺肥大症の漢方治療【百花園漢方薬局】
- http://www.est.hi-ho.ne.jp/abes/hyakkaen21/tokusiyu26.htm
国試
[★]
- 英
- combination drug for prostatomegal yand urinary frequency
- 商
- エビプロスタット(オオウメガサソウ、ハコヤナギ、セイヨウオキナグサ、スギナの各エキス配合)、パラプロスト(L-グルタミン酸、L-アラニン、アミノ酢酸配合)
- 関
- 前立腺肥大・頻尿治療薬
[★]
- 英
- benign prostatic hypertrophy
- 関
- 前立腺肥大症、前立腺肥大、良性前立腺肥大症
[★]
- 同
- benign prostatic hupertrophy, BPH
- 英
- [[]]
- 関
- [[]]
[★]
- 英
- prostate (KL,KH,N,Z), prostate gland
- ラ
- prostata
- 同
- 前位腺、摂護腺
解剖
- くるみ大の大きさ。体積は5ml(??)程度が普通で、大きい場合、前立腺肥大症や前立腺癌などが考えられる
- 膀胱の直下にある栗の実に似た固い器官
- 内腺と外腺からなる。現在では、central zone CZ,transitional zone TZ,peripheral zone PZという分け方が一般的。
組織
- 円柱上皮と立方上皮が2相構造を呈している → 多列円柱上皮? : 前立腺肥大症ではこの構造が保たれ、前立腺癌ではこの構造が乱れる。
- 30-50個からなる複合管状胞状腺の集合体からなる。(HIS.427)
- 管状胞状腺の内腔に前立腺石(アミロイド小体)を認める。(HIS.428)
機能 (KL.446)
- 特有の臭気を有する乳白色の液で、クエン酸や、デヒドロゲナーゼ、亜鉛を含み、精液の15-30%を構成する。
- 分泌はジヒドロテストステロンに制御されている(HIS.428)
発生学的な関係 (KH.258,264 N.362,368)
臨床関連
- inner, periurethral glandsに見られる。肥大はinner region(central and transitional region)で著明
- outer region(peripheral) glandsで起こる → 尿路の閉塞は初期に出づらい。
参考
- http://img4.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/2d/5d/zr750soyokaze/folder/1188086/img_1188086_27786171_0?1242055767
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- 英
- hypertrophy
- ラ
- hypertrophia
- 関
- 過形成、増殖
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- 英
- macro
- 関
- マクロ