- 英
- pyogenic spondylitis (SOR), vertebral osteomyelitis, infectious spondylitis
- ラ
- spondylitis osteomyelitica
疫学
- 中・高年齢者に多い。
- 易感染性免疫宿主(糖尿病など)の症例が増加してきている。
病原体
- 黄色ブドウ球菌がほとんど。グラム陰性桿菌、MRSAもありうる。(黄色ブドウ球菌と大腸菌が多い。易感染性宿主やMRSAやその他弱毒菌が真菌が病原体となりうる。(SOR.201))
- 好発部位は胸椎・腰椎(下位胸椎から腰仙椎部)。頚椎は希
病態&病態生理
- 骨盤や腹部の感染病巣の細菌が椎骨静脈叢を通じて椎体終板に達して発症
- 椎体軟骨終板の静脈に発生した病巣が椎体全体に広がり膿瘍を形成する。この膿瘍や圧潰した骨片の脊柱管への突出、圧迫により神経障害をきたすことがある。X線上は椎体軟骨終板の破壊により椎間板の栄養が断たれ、椎間板が圧潰するため椎間腔の狭小化をきたす。さらに椎体の破壊・圧潰・後弯変形をきたす。(CBT QB vol2 p.578)
病型と症状
- 急性:発熱、激痛
- 亜急性:急性より穏やか
- 慢性:慢性疼痛
症状
検査
- 初期にはX線では異常は見られない。発症後2-3週間で、椎間板腔狭小化、椎体終板の骨破壊
- 早期診断にはMRIが有効。T1で低信号、T2で高信号
単純X線検査
- 発症3-4週:椎間腔狭小、椎体辺縁の不整化。骨破壊
- 発症3-5ヶ月:骨棘形成、骨硬化像
鑑別診断
- 結核性脊椎炎:X線像で骨破壊部に腐骨が見られる。造影MRIで辺縁増強効果。
- 癌の脊椎転移:椎弓根部が不鮮明
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 診療 骨折後脊椎に生じた化膿性脊椎炎のCT・MRI初期所見 (特集 骨軟部・頭頸部 最新情報2012)
- 敗血症,感染性心内膜炎,化膿性脊椎炎を合併した前立腺膿瘍の1例
- 松本 穣,重村 克巳,山道 深 [他],中野 雄造,三宅 秀明,田中 一志,荒川 創一,藤澤 正人
- 泌尿器科紀要 = Acta urologica Japonica 58(10), 565-568, 2012-10-00
- A 65-year-old man with diabetes mellitus (DM) presented with an indwelling urethral catheter placed for urinary retention by his previous doctor. Thereafter, he had fever, vomiting and general fatigue …
- NAID 40019492194
- 化膿性脊椎炎に対する経皮的病巣掻爬ドレナージの経験
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- 化膿性脊椎炎。化膿性脊椎炎とはどんな病気か 細菌が主として血行を介して脊椎を 化膿させる病気です。40~50代の中年に多いとされていますが、糖尿病(とうにょう びょう)、悪性腫瘍、肝機能障害などの免疫機能が低下し、感染 gooヘルスケア 家庭の 医学。
- 化膿性脊椎炎。化膿性脊椎炎とはどんな感染症か 前項で述べた化膿性骨髄炎の ひとつ ...
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[★]
- 次の文を読み、53~55の問いに答えよ。
- 81歳の男性。発熱を主訴に来院した。
- 現病歴:5日前から37℃台の発熱が出現し、3日前から腰痛が出現した。腰痛は鈍痛で、運動時と安静時ともに自覚していた。自宅で様子をみていたが改善しないため受診した。
- 既往歴:61歳から糖尿病のため内服加療中。
- 家族歴:父親が胃癌。母親が大腸癌。
- 生活歴:妻との2人暮らし。海外渡航歴はない。
- 現症:意識は清明。身長165cm、体重57kg。体温38.2℃。脈拍96/分、整。血圧 138/80mmHg。呼吸数 22/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腰部正中に叩打痛を認める。足背動脈の触知は良好で左右差を認めない。下腿に浮腫を認めない。神経学的所見に異常を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体1+、潜血(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 476万、Hb 12.9g/dL、Ht 40%、白血球 13,300(桿状核好中球 32%、分葉核好中球 54%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 2%、リンパ球 10%)、血小板 43万。血液生化学所見:総蛋白 7.5g/dL、アルブミン 3.8g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、直接ビリルビン 0.3mg/dL、AST 30IU/L、ALT 28IU/L、LD 170IU/L(基準 176~353)、ALP 402IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 49IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 121IU/L(基準 37~160)、CK 58IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 19mg/dL、クレアチニン 1.0mg/dL、尿酸 7.1mg/dL、血糖 148mg/dL、HbA1c 8.5%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 199mg/dL、トリグリセリド 180mg/dL、Na 130mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 98mEq/L。CRP 3.2mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.37、PaCO2 36Torr、PaO2 98Torr、HCO3- 20mEq/L。12誘導心電図で異常を認めない。胸部エックス線写真に異常を認めない。腹部CTに異常を認めない。腰部MRI(別冊No. 7A、B)を別に示す。
- この患者の状態はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109B052]←[国試_109]→[109B054]
[★]
- 次の文を読み、60~62の問いに答えよ。
- 46歳の女性。急性虫垂炎の手術のため入院中である。
- 現病歴:3日前に急性虫垂炎のため虫垂切除術を施行した。昨日から38.0℃の発熱を認めているため、本日の朝に診察を行った。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴と飲酒歴はない。
- 家族歴:父親が膵癌のため68歳で死亡。
- 現症:意識レベルはJCSⅠ-1、GCS 15(E4V5M6)。身長 155cm、体重 48kg。体温 37.2℃。脈拍 112/分、整。血圧 78/40mmHg。呼吸数 28/分。SpO2 94%(room air)。頸部リンパ節に腫脹を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は左下胸部で減弱し、coarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腹部の手術創部に異常を認めない。背部に叩打痛を認めない。両下腿に浮腫を認める。
- 検査所見:血液所見:赤血球 388万、Hb 11.2g/dL、Ht 36%、白血球 9,800(桿状核好中球 39%、分葉核好中球 45%、好酸球 3%、好塩基球 2%、単球 4%、リンパ球 7%)、血小板 18万、Dダイマー 3.4μg/mL(基準 1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白 6.5g/dL、アルブミン 2.9g/dL、尿素窒素 21mg/dL、クレアチニン 1.2mg/dL、Na139mEq/L、K 4.1mEq/L、Cl 108mEq/L。CRP 12mg/dL、乳酸 14mg/dL(基準 5~20)。胸部エックス線写真(別冊No. 14)を別に示す。血液培養2セットからKlebsiella pneumoniaeが検出された。
[正答]
※国試ナビ4※ [114C059]←[国試_114]→[114C061]
[★]
- 60歳の男性。持続する腰痛のため来院した。数年前から時々腰痛を自覚していた。平成16年2月にゴルフの後に腰痛が出現し、近医で薬物療法と理学療法とを受けたが腰痛は軽減せず、5月からは左下肢痛も加わり増悪傾向を示したため、紹介され7月に来院した。身長165cm、体重55㎏。体温36.9℃。下部腰椎に叩打痛を伴う運動痛がある。左殿部から左大腿部への放散痛はあるが歩行は可能である。Lasegueテスト両側陰性。左L4、L5およびS1神経根領域に感覚鈍麻と軽度の筋力低下とを認める。血液所見:赤血球390万、Hb11.3g/dl、Ht36%、白血球7,600。血清生化学所見:総蛋白7.0g/dl、アルブミン3.5g/dl、アルカリホスファターゼ346単位(基準260以下)、Na143mEq/l、K4.3mEq/l、Cl102mEq/l、Ca11.0mg/dl、P3.0mg/dl、CRP0.9mg/dl。5月と7月との腰椎エックス線単純写真正面像を以下に示す。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099G045]←[国試_099]→[099G047]
[★]
- 62歳の男性。持続する腰痛を主訴に来院した。 3か月前、ゴルフの後に腰痛が出現した。自宅近くの診療所で薬物療法と理学療法とを受けたが腰痛は軽減せず、1か月前からは左下腹痛も加わった。身長165cm、体重55kg。体温36.9℃。下部腰椎に叩打痛と運動時痛とを認める。腰椎前後屈で左殿部から左大腿部への放散痛がある。歩行は可能。 Lasegueテスト両側陰性。左L4、 L5及びSl神経根領域に感覚鈍麻と軽度の筋力低下とを認める。血液所見:赤血球 390万、 Hb 11.3g/dl、 Ht 36%、白血球 7,600、血小板 21万。血液生化学所見:総蛋白 7.0g/dl、アルブミン 3. 5g/dl、 ALP 421 IU/l(基準115-359)、Na 143mEq/l、K 4.3mEq/l、Cl 102mEq/l、Ca ll.0mg/dl、P 3.0mg/dl。CRP 0.9mg/dl。初診時の腰椎エックス線写真(別冊No.7)を別に示す。
- この患者の腰下肢痛の原因として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105A033]←[国試_105]→[105A035]
[★]
- 73歳の女性。強い背部痛を主訴に来院した。背部痛は自宅で軽くしりもちをついたときに出現した。腹部の疼痛はなく、下肢の動脈拍動に異常はない。胸腰椎移行部に強い叩打痛がある。血清生化学所見:ALP280IU/l(基準260以下)、アミラーゼ150IU/l(基準37~160)、Ca9.1mg/dl、P3.5mg/dl。CRP0.5mg/dl。
[正答]
※国試ナビ4※ [101H029]←[国試_101]→[101H031]
[★]
- a. 脊椎後方部に好発する。
- b. [[小児に好発する。
- c. 起因菌は黄色ブドウ球菌が多い。
- d. 血行性感染は少ない。
- e. 椎間板腔狭小化はみられない。
[正答]
※国試ナビ4※ [096H069]←[国試_096]→[096H071]
[★]
- 英
- osteomyelitis
- 同
- 骨膜骨髄炎 periosteomyelitis
- 関
- [[]]
分類
- 急性化膿性骨髄炎:成長期における長管骨骨幹端部の血行系の解剖学的特異性に起因する血行性感染で、小児、特に男児に多い。大腿骨、脛骨、上腕骨の順に多発する。黄色ブドウ球菌。骨髄内で膿瘍を形成、さらに骨膜下に波及して骨膜下膿瘍を形成する。骨壊死をきたした壊死骨は腐骨と呼ばれる。その周囲は膿や炎症性肉芽で取り囲まれ汚溝と呼ばれる。その外側を反応性に骨形成が起こり腐骨と汚溝を取り囲む。これが骨柩となる。
- 慢性骨髄炎
- ブローディ膿瘍 Brodie膿瘍:急性症状を欠く慢性骨髄炎。長管骨骨幹端部。黄色ブドウ球菌。小児や青年期に好発。辺縁の骨硬化を伴う円形ないし楕円形の骨透明巣
- ガレー硬化性骨髄炎 Garré硬化性骨髄炎:急性期を欠く慢性骨髄炎。膿瘍や腐骨の形成を欠きXP上骨硬化像を認める。皮質骨の骨肥厚により骨が紡錘状に膨隆する。下顎骨に多い。
- 化膿性脊椎炎
[★]
- 英
- intranuclear cleft
- 同
- 椎間板内線条 linear striation in intervertebral disc、fibrous plate
- T1強調画像で認められる髄核の中央に認められる帯状の低信号
- 線維輪の髄核内への陥入によると考えられている。
[★]
- spondyl
- 英
- spondylitis
- 関
- 脊椎カリエス
[show details]
[★]
- 英
- purulence, suppuration
- ラ
- purulenta
- 同
- 化膿性炎 purulent inflammation
[★]
- 英
- purulent、suppurative、pyogenic、pyogenes
- 関
- 化膿、膿性
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- purulent、suppurative
- 関
- 化膿、化膿性