- 英
- candesartan
- 化
- カンデサルタンシレキセチル candesartan cilexetil
- 商
- ブロプレス、エカード配合、ユニシア配合、Atacand
- 関
- アンジオテンシンII受容体拮抗薬
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/10/03 20:11:55」(JST)
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カンデサルタン
|
IUPAC命名法による物質名 |
2-ethoxy-1-({4-[2-(2H-1,2,3,4-tetrazol-5-yl)phenyl]phenyl}methyl)-1H-1,3-benzodiazole-6-carboxylic acid |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
oral |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
15% (candesartan cilexetil) |
代謝 |
Candesartan cilexetil: intestinal wall; candesartan: hepatic (CYP2C9) |
半減期 |
5.1–10.5 hours |
排泄 |
Renal 33%, faecal 67% |
識別 |
CAS番号 |
139481-59-7 |
ATCコード |
C09CA06 |
PubChem |
CID 2541 |
DrugBank |
APRD00420 |
ChemSpider |
2445 |
化学的データ |
化学式 |
C24H20N6O3 |
分子量 |
440.45 |
カンデサルタン(英: candesartan)とは主に高血圧の治療に使用されるアンジオテンシンII受容体拮抗薬の一つ。プロドラッグであるカンデサルタンシレキセチルがアストラゼネカや武田薬品工業からブロプレス (Blopress)、Atacand、Amias、Ratacandの商品名で市販されている。日本では武田薬品工業からブロプレス、エカード配合錠として上市されている。創製は武田薬品工業で海外へは導出されている。
薬理
ヒトの血圧に対しては、昇圧物質としてアンジオテンシンが最も影響を与える。アンジオテンシンIは、アンジオテンシン変換酵素により、アンジオテンシンIIへと変換され、アンジオテンシンIIが受容体に結合し、心臓・血管や副腎へと作用する。カンデサルタンは、アンジオテンシンII受容体に、競争的阻害剤として結合し、血圧を降下させる。
副作用
添付文書に重大な副作用として記載されている項目は、血管浮腫、ショック、失神、意識消失、急性腎不全、高カリウム血症、肝機能障害、黄疸、無顆粒球症、横紋筋融解症、間質性肺炎、低血糖である。
又、5%以上の患者に立ちくらみ、低血圧、ふらつき、γ-GTP上昇、貧血、BUN上昇、クレアチニン上昇、血中カリウム上昇、血中尿酸上昇、血中CK(CPK)上昇が現れる。
データ捏造
ノバルティスに続き、武田薬品でも不正が発覚、第三者機関による調査の結果が焦点に(東洋経済 2014年03月04日)[1]
ブロプレスで指摘されているのは以下の点である。
① 京都大学EBM共同研究センターを中心に行われた医師主導臨床研究CASE-J(2000~2004年、心血管系障害発症抑制効果をアムロジピンと比較)に武田社員がWebデータシステム構築などを担当。同社員は研究終了後の2007年2月に同センターに移籍。武田は同センターに9年間で25億円を資金供与
② 2剤の心血管系障害累積発症率を比較したグラフが2つあることが判明。2006年の学会発表時のものと、2008年に米国専門誌に掲載された研究論文のもの。両者の違いは時間軸の長さで、学会版は48カ月、論文版は42カ月で、学会版は42カ月以後、それまで発症率でアムロジピン服用群よりも高かったブロプレス服用群が逆転して低下しているように見える
③ 論文が発表された2006年、武田はブロプレスが長期服用によって心疾患系障害発症で有利となるように見えるグラフを販促資材(製品パンフレット)に使い、ブロプレスを販売した
武田薬品に業務改善命令へ 降圧剤を誇大広告(朝日新聞 2015年5月22日)[2]
武田薬品工業が高血圧治療薬「ブロプレス」の臨床研究データを不適切に広告に使った問題などを受け、厚生労働省は、医薬品医療機器法(旧薬事法)で禁じる「誇大広告」に当たるとして、同社に業務改善命令を出す方針を固めた。会社側の弁明を聞いたうえで、最終的に決める。
研究は「CASE―J」と呼ばれ、2001~05年に京都大などの医師が主導して実施し、武田薬品が37億5千万円の資金を提供した。高血圧患者約4700人が参加する国内初の大規模臨床研究で、脳卒中などの病気の発生率を他社の薬と比較し、効果を調べた。
結果は統計的に明確な差はなかったにもかかわらず、武田薬品が医師向けにつくった広告には、長期間使うことでブロプレスの方が効果があるような形のグラフが掲載された。ブロプレスの方が有効だと印象づける文言も使われていた。
別の広告では、適応が認められていない糖尿病にも効くかのような印象を与える表現があった。
厚労省は、同社の社員から事情を聴き、資料を集めた結果、広告は事実より効果を大きく見せていると判断したという。
脚注
- ^ http://toyokeizai.net/articles/-/32103 ノバルティスに続き、武田薬品でも不正が発覚、第三者機関による調査の結果が焦点に
- ^ http://digital.asahi.com/articles/ASH5P6Q8PH5PULBJ01F.html?_requesturl=articles%2FASH5P6Q8PH5PULBJ01F.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASH5P6Q8PH5PULBJ01F 武田薬品に業務改善命令へ 降圧剤を誇大広告
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Japanese Journal
- 大規模試験より得られた糖尿病網膜症発症進展制御のエビデンス DIRECT試験 (糖尿病性細小血管症(第2版)--発症・進展制御の最前線) -- (糖尿病網膜症)
- 薬剤の臨床 アンジオテンシン2受容体拮抗薬カンデサルタンの家庭血圧測定に基づく降圧速度に関する検討
Related Links
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- 2005年10月帝国臓器製薬とグレラン製薬が合併して発足。医薬品、医療機器等の製造、販売等。 ... * アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤が適切でない場合(12mgを除く) 1. ACE 阻害剤投与による前治療が行われていない患者 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- 持続性アンジオテンシンII受容体拮抗薬/利尿薬配合剤
販売名
エカード配合錠LD
組成
1錠中の有効成分
- カンデサルタン シレキセチル 4mg及びヒドロクロロチアジド 6.25mg
添加物
- 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、マクロゴール6000、ステアリン酸マグネシウム、黄色三二酸化鉄
禁忌
- 本剤の成分あるいは他のチアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある患者
- 無尿の患者又は血液透析中の患者
[ヒドロクロロチアジドの効果が期待できない。]
- 急性腎不全の患者
[ヒドロクロロチアジドは腎機能を更に悪化させるおそれがある。]
- 体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者
[ヒドロクロロチアジドは低ナトリウム血症、低カリウム血症等の電解質失調を悪化させるおそれがある。]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 過度な血圧低下のおそれ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。
- 成人には1日1回1錠(カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして4mg/6.25mg又は8mg/6.25mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
- 原則として、カンデサルタン シレキセチル4mgで効果不十分な場合にカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド4mg/6.25mgの投与を、カンデサルタン シレキセチル8mg、又はカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド4mg/6.25mgで効果不十分な場合にカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド8mg/6.25mgの投与を検討すること。
慎重投与
- 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者
(「重要な基本的注意」の項参照)
- 腎障害のある患者
[ヒドロクロロチアジド又はカンデサルタン シレキセチルによる腎血流量の低下あるいは過度の降圧により腎機能が悪化するおそれがある。]
- 高カリウム血症の患者
[カンデサルタン シレキセチルは高カリウム血症を増悪させるおそれがある。](「重要な基本的注意」の項参照)
- 本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者
[ヒドロクロロチアジドにより高尿酸血症、高血糖症を来し、痛風、糖尿病の悪化や顕性化のおそれがある。]
- 肝障害のある患者
[(1)カンデサルタン シレキセチルは肝機能を悪化させるおそれがある。また、活性代謝物カンデサルタンのクリアランスが低下することが推定されているため、少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。(【薬物動態】の項参照) (2)ヒドロクロロチアジドは肝性昏睡を起こすおそれがある。]
- 重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある患者
[ヒドロクロロチアジドによる急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。]
- 下痢、嘔吐のある患者
[ヒドロクロロチアジドにより電解質失調を起こすおそれがある。]
- 高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者
[ヒドロクロロチアジドは血清カルシウムを上昇させるおそれがある。]
- 減塩療法中の患者
[ヒドロクロロチアジドにより低ナトリウム血症を起こすおそれがある。]
- ジギタリス剤、糖質副腎皮質ホルモン剤又はACTHの投与を受けている患者(「相互作用」の項参照)
- 交感神経切除後の患者
[ヒドロクロロチアジドの降圧作用が増強される。]
- 薬剤過敏症の既往歴のある患者
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
- (いずれも頻度不明)
- 血管浮腫:顔面、口唇、舌、咽・喉頭等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- ショック、失神、意識消失:ショック、血圧低下に伴う失神、意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。特に厳重な減塩療法中、利尿剤投与中あるいは心不全を合併する患者では、本剤の成分であるカンデサルタン シレキセチルの用量を少量から投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら行うこと。
- 急性腎不全:急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 高カリウム血症:重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
- 低ナトリウム血症:倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある(高齢者であらわれやすい)ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。(「慎重投与」、「高齢者への投与」の項参照)
- 肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 無顆粒球症:無顆粒球症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
- 低血糖:低血糖があらわれることがある(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)ので、観察を十分に行い、脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 再生不良性貧血、溶血性貧血:重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
- 壊死性血管炎
- 肺水腫
- 全身性エリテマトーデスの悪化
- アナフィラキシー様反応
- 中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)
- 間質性腎炎
薬効薬理
カンデサルタン シレキセチルとヒドロクロロチアジドとの併用による降圧作用
- 高血圧自然発症ラットにおいて、カンデサルタン シレキセチルとヒドロクロロチアジドとの併用により、カンデサルタン シレキセチルの降圧作用の増強が認められている。また、カンデサルタン シレキセチルによるヒドロクロロチアジドの利尿作用への影響は認められていない。
降圧作用機序
- カンデサルタン シレキセチルの降圧作用は、生体内で吸収過程において速やかに加水分解され活性代謝物カンデサルタンとなり、主に血管平滑筋のアンジオテンシンIIタイプ1(AT1)受容体においてアンジオテンシンIIと拮抗し、その強力な血管収縮作用を抑制することによって生ずる末梢血管抵抗の低下による。さらに、AT1受容体を介した副腎でのアルドステロン遊離に対する抑制作用も降圧作用に一部関与していると考えられる。1?3)
ヒドロクロロチアジドの降圧作用機序は明らかではない。投与初期には細胞外液量及び心拍出量を減少させる。しかし、長期投与時の持続的な降圧効果は血管抵抗の低下によるものであり、細胞外液量は幾分か減少したままではあるが、心拍出量は治療開始前値に戻る。わずかではあるが細胞外液量の減少を伴う体内Na+量減少、血管平滑筋細胞内Na+濃度減少により二次的に細胞内Ca2+濃度が低下し、血管収縮ホルモンに対する血管平滑筋細胞の反応性が減弱し、末梢血管抵抗が減少することによる機序が考えられる。4)
レニン・アンジオテンシン系に及ぼす影響5?9)
- 高血圧症患者74例(本態性高血圧症56例、腎障害を伴う高血圧症患者18例)を対象に、カンデサルタン シレキセチル1日1回1?12mgの反復投与試験の結果、血漿レニン活性、血漿アンジオテンシンI濃度及び血漿アンジオテンシンII濃度の上昇がみられている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ヒドロクロロチアジド(Hydrochlorothiazide)〔JAN〕
化学名
- 6-Chloro-3,4-dihydro-2H-1,2,4-benzothiadiazine-7-sulfonamide 1,1-dioxide
分子式
分子量
性状
- ヒドロクロロチアジドは白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。アセトンに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、水又はエタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。水酸化ナトリウム試液に溶ける。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- hypotensor, depressor, hypotensive drugs hypotensive agent hypotensive drug
- 同
- 降圧剤、血圧降下薬、高血圧症治療薬、抗高血圧薬 antihypertensive antihypertensive drug, antihypertensive drugs
[show details]
ja
hypotensor : 約 1,170 件
depressor : 約 13,000 件
hypotensive drugs : 約 1,410 件
hypotensive agent : 約 1,320 件
hypotensive drug : 約 1,200 件
en
hypotensor : 約 12,100 件
depressor : 約 1,220,000 件
hypotensive drugs : 約 29,100 件
hypotensive agent : 約 37,600 件
hypotensive drug : 約 12,500 件
降圧薬
-
- 近位尿細管:アセタゾラミド:炭酸脱水酵素を阻害
- 太いヘンレループ上行脚:フロセミド:Na+-K+-2Cl-共輸送体(NKCC)を阻害
- 遠位尿細管前半部:チアジド系利尿薬:Na+とCl-の共輸送体を阻害
- 遠位尿細管後半部と集合管:
- スピラノラクトン:アルドステロン受容体に競合的に結合
- トリアムチレン:Na+流入を抑制
-
-
-
- カルベジロール(α1遮断により末梢血管を拡張。β遮断により陽性変力作用を抑制)
- アムスラロールなど
- 強力な降圧効果を示す
- 細胞内へのCa流入を抑制することにより血管平滑筋を弛緩させ末梢血管抵抗を下げる
- 脳、心臓、腎臓への血流を保つ
- 膜電位依存性Caチャネルに作用して血管平滑筋を弛緩させる
-
- 副作用:ジルチアゼムの副作用:洞性徐脈、洞性ブロック
- ニフェジピン: 血管への親和性が高い→抗高血圧薬として優れる
- 副作用:反射性交感神経緊張、顔面紅潮、浮腫(静脈拡張より動脈拡張の度合いが大きいため)、便秘
- 臓器障害の改善、進展予防 beyond blood pressure
- RA系の抑制
- アンジオテンシノゲン→(レニン)→アンジオテンシンI→(アンジオテンシン転換酵素)→アンジオテンシンII-(アンジオテンシン受容体遮断薬)-|アンジオテンシン受容体1
- ACE阻害薬の腎機能保護
- ACE阻害薬:輸入細動脈 拡張、輸出細動脈 拡張 → 糸球体内圧↓
- Ca拮抗薬 :輸入細動脈 拡張、輸出細動脈 なし → 糸球体内圧↑
-
- 副作用
- ACEはブラジキニンを分解するキニナーゼIIと同一の酵素である。ACE阻害薬はこの酵素を阻害するが、ブラジキニンは血管拡張、決勝滲出決勝進出、発痛作用に関わっている。このため咳を誘発することがある。
- 禁忌
- 妊婦。ブラジキニンは胎児の動脈管閉鎖に関わっている。このた、母胎にACE阻害剤を加え、ブラジキニンが増えると胎児の動脈管が閉鎖してしまう。(血管浮腫?)
- 1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(AT1受容体拮抗薬)
降圧薬の積極的な適応と禁忌
- 合併症を有する高齢者高血圧に対する第一選択薬と併用薬
○:第一選択 空欄:適応可 △:注意が必要 ×:禁忌
- 理由はACE参照
使用できる降圧薬
- α2作動薬
- β遮断薬
- α遮断薬
参考
- http://www.jhf.or.jp/a&s_info/guideline/kouketuatu.html
漢方薬
- 降圧目的に釣藤散が使われることが多い。補助的に防風通聖散が用いられることがある。
[★]
- 英
- angiotensin receptor blocker, ARB, angiotensin II type 1 receptor blocker
- 同
- アンジオテンシン受容体拮抗薬
- 関
- 降圧薬
概念
- PHD.408
- アンジオテンシンIIの受容体はAT1とAT2がある。アンジオテンシンIIの生理作用としては血管収縮、アルドステロンの分泌、腎臓におけるNa+再吸収促進、交感神経系の刺激などがある。これらの作用はAT1受容体を介している(AT2受容体は胎児期の発生の際には豊富にあり、成人の一部臓器にも分布しているが、生理機能は不明)。アンジオテンシンII受容体拮抗薬はこのAT1受容体に競合的に結合して降圧をはかる薬剤である。血液中のアンジオテンシンIは循環血液中のACE以外の酵素によってアンジオテンシンIIに転換されうるので、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の方がアンジオテンシン転換酵素阻害薬よりRAA系をより阻害するとされている。
1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(AT1受容体拮抗薬)
配合錠
CaB
妊婦に禁忌である理由
- コディオ配合錠MD添付文書より引用
- アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤並びにアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、妊娠中期~末期に投与された患者に胎児死亡、羊水過少症、胎児・新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全、羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、脳、頭蓋顔面の奇形、肺の発育形成不全等があらわれた。
比較
- http://koccr.ame-zaiku.com/dousyudoukouyaku40.htmlより改変
半減期比較
[★]
- 英
- chronic heart failure CHF, chronic cardiac failure
- 関
- 心不全
薬物療法
- 以下、左室収縮能不全に対する治療のみ採り上げる
- 左室収縮能不全の原因は非虚血性の拡張型心筋症と虚血性心筋症に大別できる。これらの疾患においては交感神経系とRAA系が賦活化され、進行性の左室拡大と収縮性の低下、すなわちリモデリングが生じ病態の悪化に繋がっていると考えられている。治療の焦点は神経内分泌系の抑制、心不全に伴う症状の緩和である。
- (PHD.244)慢性心不全の治療のゴールは5つある:(1)病因の同定、(2)増悪因子の除去、(3)心不全症状の管理(前方障害、後方障害の軽減)、(4)神経ホルモン系の調節、(5)長期予後の改善
治療に用いられる薬物
- 参考(1))
- 配糖強心薬(ジギタリス)
- 利尿薬:静脈還流量の減少 → 前負荷の軽減 → 左室拡張終期圧低下 → 肺うっ血の改善 → 低血圧誘発がありうる
- 血管拡張薬(vasodilator)
- venous dilator(ex.硝酸薬):静脈のcapacitanceを増加させる。利尿薬と同じ薬理作用。
- arteriolar dilator(ex.ヒドララジン):後負荷を低下させSVを上昇させる。血圧は下がりそうだが、SVが上昇する結果、血圧は軽度低下あるいは保たれる(PHD.246)
- "balanced vasodilator:「アンジオテンシン転換酵素阻害薬」心不全で起こる血管収縮、体液貯留(volume retension)、心室モデリングを防ぎ、回復(reverse)させうる?CHF患者の生命予後改善効果がある(PHD.245,246)。ACE阻害薬は循環血液中のブラジキニンを増加させる。ブラジキニンは心不全の患者において血管拡張という重要な働きをしている(PHD.247)。「アンジオテンシンII受容体拮抗薬」はACE阻害薬とほぼ同等であり、ACE阻害薬による副作用が問題となる場合に用いる。(PHD.247)。これらの薬剤は腎不全と高カリウム血症が存在する場合には適さない。「nesiritide」human recombinant B-type natriuretic peptide。静注薬。速効で強力な血管拡張、心拍出量増加、RAA系の抑制、利尿作用(PHD.247)
カルシウム拮抗薬:長期に用いると心不全を悪化させる危険があり推奨されない。
- β遮断薬
- 抗アルドステロン薬
- アミオダロン
- 末梢血管拡張薬
- 経口強心薬
- ナトリウム利尿ペプチド:ANP製剤(カルペリチド) → 静注薬しかないので急性心不全の時に用いる。
治療に用いられる薬物名
参考
- 1. 慢性心不全治療ガイドライン(2010年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_matsuzaki_h.pdf
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0049/1/0049_G0000132_0127.html
国試
[★]
カンデサルタン、アムロジピン
[★]
カンデサルタンシレキセチル(カンデサルタン)、アムロジピンベシル酸塩(アムロジピン)
- 関
- 血圧降下剤
[★]
- 英
- monkey、simian
- 関
- 類人猿、真猿亜目、直鼻猿亜目