- 英
- hyperuricemia
- 同
- 尿酸過剰血症
- 関
- 尿酸 uric acid、血清尿酸、痛風
概念
- 尿酸の血漿中溶解度を考慮し、男女を問わず血清尿酸値7.0mg/dlを超える状態(医学事典)
病因
-
- von Gierke病
- 多血症、慢性骨髄性白血病 ← 乳酸過多による尿酸クリアランスの低下???、核酸分解産物の増加
- 続発性:利尿薬(サイアザイド系利尿薬、ループ利尿薬(フロセミド))
HIM.2445
-
ガイドライン
- http://www.tukaku.jp/tufu-GL2.pdf
治療
治療開始基準
- 腫瘍崩壊症候群の予防
- 無症候性持続性高尿酸血症(9mg/dl) ← これをトリガーにして治療するのは、ないわー、と言われている。
生活食事療法
回避すべき食習慣
- 肉(レバー、ホルモン、砂肝など)、魚類(エビ、カツオなど)、菓子パンの過剰摂取
- ビール、紹興酒など酒類: (禁酒週に2回。1日ビール500ml以下、日本酒1合以下、ウイスキー60ml以下
- 果糖/ジュースの採りすぎ
- カロリーの過剰摂取
尿酸を下げる食事
参考
- http://www.nmt.ne.jp/~nagioo/gout.htm
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/09/28 21:14:56」(JST)
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高尿酸血症 |
分類及び外部参照情報 |
尿酸
|
ICD-10 |
E79.0 |
ICD-9 |
790.6 |
DiseasesDB |
5375 |
eMedicine |
med/1112 |
MeSH |
D033461 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)とは、ヒトの血中に存在する物質尿酸の血中濃度が異常に高い状態を言う。
目次
- 1 解説
- 2 原因
- 3 合併症
- 4 検査
- 5 治療
- 6 脚注
- 7 外部リンク
解説[編集]
具体的数値としては、血中尿酸濃度が7mg/dLを超えると高尿酸血症とする。DNAの合成に不可欠な物質であるプリン体の産生過剰あるいは排泄低下がその原因である。
生活習慣病として誰にでも起こりうる。体が合成する尿酸は食物由来の尿酸より数倍多いとされ、肥満が決定的な危険因子となる。プリン体の多い煮干しやレバー、白子などは長期にわたって大量に摂取すれば危険因子である。
グルコースがリン酸化されてグルコース-6-リン酸となって細胞内に一時的に留まりゆっくりと解糖されるのに対して、アルコールや果糖の代謝にあたっては急速に解糖が進み乳酸の生成が急速に進みアシドーシスが進む場合があり[1]、尿酸の排泄や析出に影響を与え、痛風を起こすきっかけとなることがある。果糖は果物を常識的な量で摂っている分には問題ないが、工業的に作られた果糖を清涼飲料水から大量に飲むと問題が発生する懸念が否定できない。
特殊例には、先天性の原因としては、HGPRT欠損症(レッシュ・ナイハン症候群)やAPRT(アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ)欠損症が知られている。APRT欠損症は、後天性の原因としては、薬物(利尿薬、アスピリン)、悪性腫瘍などがある
詳細に検討すると、高尿酸血症をおこす患者は、尿酸の排泄が低下している患者と産生が亢進している患者にわけられる。日本では尿酸排泄低下型が60%、産生亢進型が20%、混合型が20%をしめる。
ヒトを含めたヒト上科は尿酸をアラントインに分解する酵素である尿酸オキシダーゼ(ウリカーゼ)が失活している[2]ことから高尿酸血症をひきおこす(下流をせき止められた川の状態である)。霊長類ヒト上科を除く多くのほ乳類はウリカーゼを有しており、尿酸を5-ヒドロキシイソ尿酸に酸化し、さらにアラントインに酸化・代謝することができるため先天性の原因がないかぎり高尿酸血症がおこることはない。
(尿酸オキシダーゼによる代謝反応)
尿酸+O2+H2O→5-ヒドロキシイソ尿酸+H2O2→アラントイン+CO2
なぜヒトを含む霊長類ヒト上科がウリカーゼを失ってしまったかは明らかではないが、進化の途中において突然変異によりウリカーゼを失ってしまった霊長類ヒト上科がその環境に適していた可能性はある。あるいは、ある時代の霊長類は肉・魚を主なエネルギー摂取源としなかったため体内へのプリン体の蓄積がなく、ウリカーゼがないことが生存について問題がなかったというのもありうる仮説である。
ヒト上科の共通の祖先が旧世界のサルから分枝した際に、尿酸オキシダーゼ活性が消失したものと推定される[3]。
原因[編集]
尿酸は産生と排泄のバランスが保たれているので、正常では一定の範囲の値をとる。このバランスが崩れることによって高尿酸血症になる。バランスの崩れ方で二通りに分類される。
産生過剰型[編集]
- レッシュ・ナイハン症候群
- 血液腫瘍
- 溶血性貧血
- 肥満
- 高プリン食
排泄低下型[編集]
- 慢性腎不全
- 高乳酸血症
- 1型糖尿病
- 妊娠高血圧症
- 利尿剤
合併症[編集]
- 痛風
- 激痛を伴う関節炎 で、足の親指側の中足趾関節というところに好発する。初発で50%、2回目以降で90%がそこに発症する。
- 痛風結節
- 手足、耳介の皮下に生じることが多い。関節周囲にも生じる。高尿酸血症の治療ができなかった時代には多くみられたらしい。今では、医療機関への受診が不十分な患者でまれに見る程度である。
- 尿酸結石
- 尿路結石症の一つであり、背中に激烈な痛みを引き起こす。
- 腎障害
- 尿細管への尿酸の沈着がその原因であり、間質性腎炎の形態をとる。進行すると腎不全を引き起こすこともある。
- 動脈硬化症
- 尿酸は抗酸化物質であると同時に、炎症惹起物質である。血管では、尿酸により炎症が起こり、血管平滑筋細胞を中心とした動脈硬化が進み、心血管イベントを引き起こすと考えられている。
- 高血圧
- 国立病院機構九州医療センターの研究によると、閾値を男性で尿酸値7.0mg/dL以上、女性で6.2mg/dL以上としたとき高血圧症患者が高尿酸血症を合併症とする率は男性34.1%、女性16.0%で認められ、約9割は排泄低下型の高尿酸血症であった[4]。
検査[編集]
- 血清尿酸値>7.0mg/dLが、性別や年齢を問わない診断基準。但し、女性では >6.2mg/dLを心血管リスク増大の観点から採用する場合もある。
- 病型分類のため、血中及び尿中の尿酸値を測定する。また、白血病などの悪性腫瘍がないか、腎障害や尿路結石がないか、糖尿病など他の生活習慣病がないかなどをチェックする必要がある。
治療[編集]
- 食餌療法
- アルコールや清涼飲料水の摂取量の節制をする。特にビールなどのアルコール飲料の摂取量は少ないほうが好ましい。
- 食事の影響はそれほど強くはないものの、動物性食品に多いプリン体の摂取を控えめにする。
- 十分な量の水分を摂取し、尿酸を尿として排出する。
- 野菜類などを多く摂取し、尿をアルカリ性に保つ。
- 運動、ストレスの解消もすすめられている。
- 以上、『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(10年)』[5]より。
- 薬物療法
- 米国のガイドラインが、痛風発作をおこしていない高尿酸血症患者に対する治療を推奨していないことから、やや現場に混乱がある。ただ、米国の考え方にはコストの考えが強く働くため慎重に見極める必要がある。日本では、2010年のガイドライン改定により、無症状であっても血清尿酸値7.0mg/dL(従来は、9.0mg/dL)以上を薬物療法の適応とした。尿酸産生亢進型の患者には尿酸合成阻害薬(アロプリノール)、尿酸排泄低下型の患者には尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロン、プロベネシド)を使用するのが原則である。
- 高尿酸血症は痛風のみならず尿酸結石のリスクでもある。尿中pHが5以下の患者では、尿をアルカリ化するためウラリット(クエン酸ナトリウム・クエン酸カリウム製剤)の内服、尿量を増やすために水分を多く摂ることが尿酸結石の予防・治療に重要である。(クエン酸#利用参照)
脚注[編集]
- ^ 高橋隆一高カロリー輸液施行中に認められるアシドーシス
- ^ Friedman TB, Polanco GE, Appold JC, Mayle JE (1985). “On the loss of uricolytic activity during primate evolution--I. Silencing of urate oxidase in a hominoid ancestor”. Comp. Biochem. Physiol., B 81 (3): 653?9. PMID 3928241.
- ^ Ames BN, Cathcart R, Schwiers E, Hochstein P (November 1981). “Uric acid provides an antioxidant defense in humans against oxidant- and radical-caused aging and cancer: a hypothesis”. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 78 (11): 6858–62. PMC 349151. PMID 6947260. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=349151.
- ^ 高血圧患者の高尿酸血症合併 日経メディカルオンライン 2008年10月13日
- ^ 日本痛風・核酸代謝学会編/医療・GL(10年)/ガイドライン 医療情報サービス Minds(マインズ)
外部リンク[編集]
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- レセプトデータでみる潜在市場(Vol.9)高尿酸血症・痛風治療薬
- CKDにおける尿酸管理の重要性 (第1土曜特集 CKD診療ガイド2012 ガイドブック) -- (管理法各論)
- ウロモジュリン遺伝子に新規変異G210Dが同定された家族性若年性高尿酸血症性腎症の1家系
- 大森 さゆ,前山 克博,佐藤 清二
- 日本小児科学会雑誌 = The journal of the Japan Pediatric Society 116(12), 1892-1897, 2012-12
- NAID 40019533319
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- 次の文を読み、 53~ 55の問いに答えよ。
- 74歳の女性。意欲低下と全身倦怠感とを主訴に来院した。
- 現病歴: 3年前に夫を亡くし、そのころから意欲低下を自覚するようになったが誰にも相談しなかった。 3か月前から意欲低下がこれまでより増悪し、全身倦怠感も徐々に出現した。一昨日、転倒して尻もちをついた。昨日、腰痛も自覚したためかかりつけ医を受診し、カルシトニンの筋肉注射を受け、さらに精査のため紹介されて受診した。
- 既往歴: 68歳で脂質異常症と骨粗鬆症とを指摘され、 HMG-CoA還元酵素阻害薬と活性型ビタミンDとを服用中である。
- 生活歴: 3年前から一人暮らし。喫煙歴と飲酒歴とはない。
- 家族歴:夫が心筋梗塞のため 75歳で死亡。妹が脂質異常症で治療中。
- 現症:意識は清明。身長 153 cm、体重 58 kg。体温 35.8 ℃。脈拍 52/分、整。血圧 116/64 mmHg。甲状腺はびまん性に腫大し硬い。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 408万、 Hb 12.0 g/dl、Ht 38%、白血球 5,300、血小板 17万。血液生化学所見:総蛋白 7.0 g/dl、アルブミン 3.7 g/dl、AST 62 IU/l、ALT 42 IU/l、LD 484 IU/l(基準 176~353)、 ALP 275 IU/l(基準 115~359)、 γ -GTP 3 3IU/l(基準 8~50)、 CK 682 IU/l(基準 30~140)、 CK-MB 15 IU/l(基準 20以下 )、尿素窒素 16 mg/dl、クレアチニン 0.9 mg/dl、尿酸 7.2 mg/dl、血糖 98 mg/dl、総コレステロール 216 mg/dl、トリグリセリド 130 mg/dl、HDLコレステロール 45 mg/dl、Na137 mEq/l、K 4.5 mEq/l、Cl 102 mEq/l、Ca 9.5 mg/dl、TSH 56.3 μU/ml(基準 0.2~4.0)、 FT3 0.8 pg/ml(基準 2.5~4.5)、 FT4 0.2 ng/dl(基準 0.8~2.2)。 CRP 1.0 mg/dl。心電図で肢誘導の低電位を認める。胸部エックス線写真で心胸郭比 54%。
- この患者にみられる CK高値の原因として最も考えにくいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108B052]←[国試_108]→[108B054]
[★]
- 次の文を読み、65-67の問いに答えよ。
- 45歳の男性。めまい、嘔気および嘔吐を主訴に来院した。
- 現病歴 24歳から毎年健康診断を受けていたが、異常を指摘されたことはなかった。直近では6月14日に健康診断を受け、空腹時血糖98mg/dl、HbA1c5.1%であった。7月25日ころから軽い咳が出現し、7月30日に突然、口渇、多飲および多尿が出現した。8月1日にめまいが出現し、熱中症ではないかと自己判断して、スポーツ飲料を4リットル飲んだ。その夜から嘔気と嘔吐とが出現し、8月2日に受診した。
- 既往歴 5年前に痔瘻の手術。
- 生活歴 喫煙は20歳から15本/日を17年間。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴 父が高血圧症、高尿酸血症および糖尿病で治療中である。母は胆嚢摘出術を受けている。
- 現症 意識は清明。身長171cm、体重58kg。体温36.8℃。呼吸数22/分。脈拍64/分、整。血圧102/68mmHg。甲状腺の腰大を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖3+、ケトン体2+。血液所見:赤血球 468万、Hb 13.9g/dl、Ht 42%、白血球 12,300(好中球75%、好酸球1%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球17%)、血小板27万。血液生化学所見:血糖 610mg/dl、HbA1c 5.8%(基準4.3-5.8)、総蛋白 7.5g/dl、アルブミン 3.9g/dl、尿素窒素 12mg/dl、クレアチニン 0.6mg/dl、尿酸 6.9mg/dL、総コレステロール 246mg/dl、トリグリセリド 190mg/dl、総ビリルビン 0.9mg/dl、AST 10IU/l ALT 16IU/l、LD 177IU/l(基準176-353)、ALP 174IU/l(基準115-359)、アミラーゼ 950IU/l(基準37-160)、Na 131mEq/l、K 4.4mEq/l、Cl 97mEq/l。CRP 1.0mg/dl。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.25、PaCO2 28Torr、PaO2 102Torr、HCO3- 12mEq/l。
[正答]
※国試ナビ4※ [105G066]←[国試_105]→[105G068]
[★]
- 次の文を読み、65-67の問いに答えよ。
- 45歳の男性。めまい、嘔気および嘔吐を主訴に来院した。
- 現病歴 24歳から毎年健康診断を受けていたが、異常を指摘されたことはなかった。直近では6月14日に健康診断を受け、空腹時血糖98mg/dl、HbA1c5.1%であった。7月25日ころから軽い咳が出現し、7月30日に突然、口渇、多飲および多尿が出現した。8月1日にめまいが出現し、熱中症ではないかと自己判断して、スポーツ飲料を4リットル飲んだ。その夜から嘔気と嘔吐とが出現し、8月2日に受診した。
- 既往歴 5年前に痔瘻の手術。
- 生活歴 喫煙は20歳から15本/日を17年間。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴 父が高血圧症、高尿酸血症および糖尿病で治療中である。母は胆嚢摘出術を受けている。
- 現症 意識は清明。身長171cm、体重58kg。体温36.8℃。呼吸数22/分。脈拍64/分、整。血圧102/68mmHg。甲状腺の腰大を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖3+、ケトン体2+。血液所見:赤血球 468万、Hb 13.9g/dl、Ht 42%、白血球 12,300(好中球75%、好酸球1%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球17%)、血小板27万。血液生化学所見:血糖 610mg/dl、HbA1c 5.8%(基準4.3-5.8)、総蛋白 7.5g/dl、アルブミン 3.9g/dl、尿素窒素 12mg/dl、クレアチニン 0.6mg/dl、尿酸 6.9mg/dL、総コレステロール 246mg/dl、トリグリセリド 190mg/dl、総ビリルビン 0.9mg/dl、AST 10IU/l ALT 16IU/l、LD 177IU/l(基準176-353)、ALP 174IU/l(基準115-359)、アミラーゼ 950IU/l(基準37-160)、Na 131mEq/l、K 4.4mEq/l、Cl 97mEq/l。CRP 1.0mg/dl。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.25、PaCO2 28Torr、PaO2 102Torr、HCO3- 12mEq/l。
[正答]
※国試ナビ4※ [105G065]←[国試_105]→[105G067]
[★]
- 次の文を読み、65-67の問いに答えよ。
- 45歳の男性。めまい、嘔気および嘔吐を主訴に来院した。
- 現病歴 24歳から毎年健康診断を受けていたが、異常を指摘されたことはなかった。直近では6月14日に健康診断を受け、空腹時血糖98mg/dl、HbA1c5.1%であった。7月25日ころから軽い咳が出現し、7月30日に突然、口渇、多飲および多尿が出現した。8月1日にめまいが出現し、熱中症ではないかと自己判断して、スポーツ飲料を4リットル飲んだ。その夜から嘔気と嘔吐とが出現し、8月2日に受診した。
- 既往歴 5年前に痔瘻の手術。
- 生活歴 喫煙は20歳から15本/日を17年間。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴 父が高血圧症、高尿酸血症および糖尿病で治療中である。母は胆嚢摘出術を受けている。
- 現症 意識は清明。身長171cm、体重58kg。体温36.8℃。呼吸数22/分。脈拍64/分、整。血圧102/68mmHg。甲状腺の腰大を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖3+、ケトン体2+。血液所見:赤血球 468万、Hb 13.9g/dl、Ht 42%、白血球 12,300(好中球75%、好酸球1%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球17%)、血小板27万。血液生化学所見:血糖 610mg/dl、HbA1c 5.8%(基準4.3-5.8)、総蛋白 7.5g/dl、アルブミン 3.9g/dl、尿素窒素 12mg/dl、クレアチニン 0.6mg/dl、尿酸 6.9mg/dL、総コレステロール 246mg/dl、トリグリセリド 190mg/dl、総ビリルビン 0.9mg/dl、AST 10IU/l ALT 16IU/l、LD 177IU/l(基準176-353)、ALP 174IU/l(基準115-359)、アミラーゼ 950IU/l(基準37-160)、Na 131mEq/l、K 4.4mEq/l、Cl 97mEq/l。CRP 1.0mg/dl。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.25、PaCO2 28Torr、PaO2 102Torr、HCO3- 12mEq/l。
- a 感染
- b 低栄養
- c 飲水過多
- d ホルモン欠乏
- e ホルモン不応
[正答]
※国試ナビ4※ [105G064]←[国試_105]→[105G066]
[★]
- 次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
- 82歳の女性。意味不明な言動を心配した家族に伴われて来院した。
- 現病歴:1週前までは特に変わった様子はなかった。数日前から食欲が低下し、昨日の朝からつじつまの合わない言動がみられるようになった。今朝はパジャマのまま外出してしまい、連れ戻そうとすると大声で騒ぐため、心配した家族に連れられて受診した。
- 既往歴:60歳時に甲状腺癌で甲状腺・副甲状腺全摘術を受けた。術後から甲状腺ホルモン、活性型ビタミンD及びカルシウム剤を服用している。65歳時から高血圧症で服薬加療中。最近は腎機能障害と高血糖とを指摘されている。
- 生活歴:娘の家族と同居。
- 家族歴:母親が脳卒中のため75歳で死亡。
- 現症:体温36.0℃。脈拍64/分、整。血圧152/74mmHg。呼吸数16/分。舌と皮膚とは乾燥している。開眼しているが、質問に対して返答せず、意味不明の発言を繰り返す。
- 検査所見:血液所見:赤血球367万、Hb 10.5g/dl、Ht 33%、白血球4,200、血小板22万。血液生化学所見:随時血糖167mg/dl、HbA1c(NGSP)6.0%(基準4.6~6.2)、総蛋白6.4g/dl、アルブミン3.3g/dl、総コレステロール212mg/dl、尿素窒素40mg/dl、クレアチニン1.7mg/dl、尿酸8.0mg/dl、Na 142mEq/l、K 4.5mEq/l、Cl 100mEq/l、Ca 13.0mg/dl。CRP 0.5mg/dl。
- この精神障害の原因として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107H030]←[国試_107]→[107H032]
[★]
- 次の文を読み、43、44の問いに答えよ。49歳の男性。動悸と息苦しさを主訴に来院した。
- 現病歴:今朝、朝食時に強い動悸を自覚し、息苦しさを伴っていた。自分で脈を触れたところ脈のリズムは不整で、脈拍数は112~124/分であったという。動悸や息苦しさは2時間程度持続したが症状は徐々に改善し、来院時には消失していた。
- 既往歴:高尿酸血症を指摘され食事療法を行っている。
- 生活歴:喫煙歴は40本/日を24年間。飲酒歴はビール3L/日を29年間。
- 家族歴:心疾患の家族歴はない。
- 現症:意識は清明。身長 167cm、体重 79kg。体温 36.2℃。脈拍 80/分、整。血圧 152/94mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 97%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 463万、Hb 14.5g/dL、白血球 7,600、血小板 20万。血液生化学所見:AST 35U/L、ALT 38U/L、γ-GT 47U/L(基準 8~50)、尿素窒素 18mg/dL、クレアチニン 1.1mg/dL、尿酸 8.1mg/dL、Na 138mEq/L、 K4.9mEq/L、Cl 101mEq/L。胸部エックス線写真で心胸郭比 57%。心電図は、心拍数 76/分の洞調律で、有意なST-T変化を認めない。心エコー検査で左室の拡張末期径は58mmと拡大し、駆出率は45%と低下している。
- 動悸の原因の鑑別に最も有用な情報はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114E042]←[国試_114]→[114E044]
[★]
- 32歳の男性。頸部と鼠径部との腫瘤を主訴に来院した。1か月前に歩行中、右鼠径部の違和感を覚え腫瘤に気付いたが痛みはなかった。その後、髭を剃っている時に偶然右頸部の腫れに気付いた。喫煙30本/日を12年間。体温37.6℃。脈拍76/分、整。血圧122/76mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。体表リンパ節は表面平滑、弾性硬で、右頸部に径2cmを3個、右鎖骨上窩に径3cmを1個、左頸部に径1.5cmを2個、右腋窩に径1.5cmを2個、右鼠径部に径2.5cmを1個触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。左肋骨弓下に脾を3cm触知し、臍下正中部に径5cmの腫瘤を触知する。血液所見:赤血球460万、Hb14.2g/dl、Ht42%、白血球6,700、血小板18万。血清生化学所見:総蛋白6.3g/dl。アルブミン4.2g/dl、尿素窒素20mg/dl、クレアチニン1.3mg/dl。総コレステロール156mg/dl、総ビリルビン1.0mg/dl、AST42IU/l、ALT30IU/l、LDH875IU/l(基準176~353)。免疫学所見:CRP4.2mg/dl、可溶性IL-2受容体2,300U/ml(基準550以下)。右頸部リンパ節生検H-E染色標本を以下に示す。
- 治療開始後に注意すべきことはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A033]←[国試_101]→[101A035]
[★]
- 82歳の男性。歩行困難を主訴に来院した。IgA腎症による慢性腎不全で14年前から1回4時間、週3回の血液透析を受けている。2年前から歩行速度が低下し、最近は横断歩道を渡りきれないことがある。階段昇降も両手で手すりにつかまらないと困難で、通院以外の外出を控えるようになったという。体重は1年前から5kg減少し、このまま歩けなくなることを心配して受診した。身長 167cm、体重 47kg(透析直後体重 46kg)。脈拍 72/分、整。血圧 138/72mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。浮腫はない。徒手筋力テストで両下肢とも4である。その他、神経診察に異常を認めない。両足背動脈は左右差なく触知する。血液所見:赤血球 338万、Hb 11.0g/dL、Ht 33%、白血球 5,200、血小板 14万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dL、アルブミン 3.6g/dL、AST 22U/L、ALT 18U/L、LD 178U/L(基準 120~245)、CK 38U/L(基準 30~140)、尿素窒素 72mg/dL、クレアチニン 7.8mg/dL、尿酸 7.4mg/dL、Na 138mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 101mEq/L、Ca 9.2mg/dL、P 5.6mg/dL。CRP 0.1mg/dL。
- 歩行困難の原因として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114C038]←[国試_114]→[114C040]
[★]
- 45歳の女性。急激な体重増加を主訴に来院した。生来健康で、健康維持のために週2回スポーツジムに通っている。1か月前から突然、顔面と下腿とに浮腫が出現し、現在までに12kgの急激な体重増加を認め受診した。身長 162cm、体重 66kg。脈拍 72/分、整。血圧 100/78mmHg。顔面と下腿とに浮腫を認める。尿所見:蛋白 4+、糖(-)、潜血(-)、沈渣に卵円形脂肪体 1~4/1視野、尿蛋白 9.8g/日。血液生化学所見:総蛋白 4.6g/dL、アルブミン 1.0g/dL、CK 148IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 38mg/dL、クレアチニン 1.3mg/dL、尿酸 7.3mg/dL、総コレステロール 334mg/dL。CRP 0.1mg/dL。超音波検査で腎の萎縮と水腎症とを認めない。
- この患者の血清クレアチニン高値の原因として最も可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110A042]←[国試_110]→[110A044]
[★]
- 67歳の男性。労作時胸痛の再発を主訴に来院した。10年前に胃潰瘍の既往がある。4か月前に狭心症、高血圧、高尿酸血症および高脂血症と診断され、経皮的冠動脈ステント留置術を受けた。その後は胸痛が消失し体調が良かったため、自己判断で1週前から処方薬の内服を中断していた。意識は清明。身長168cm、体重68kg、脈拍72/分、整。血圧132/78mmHg。心尖部でIV音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。下肢に浮腫を認めない。
- 以前服薬していた薬剤の中で、中断が労作時胸痛の再発に最も影響したのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104I045]←[国試_104]→[104I047]
[★]
- 4歳の男児。1週前からの発熱と関節痛とを主訴に来院した。意識は清明。皮下に出血斑を認める。眼瞼結膜は軽度貧血様。腹部はやや膨隆している。肝は右肋骨弓下に4cm触知し、脾は左肋骨弓下に3cm触知する。血液所見:赤血球380万、Hb8.2g/dl、白血球320,000、血小板2万。骨髄塗抹染色標本で小型リンパ芽球様細胞を97%認める。抗腫瘍薬による寛解導入療法開始時に生じやすいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [100A034]←[国試_100]→[100A036]
[★]
- 52歳の男性。脱力を主訴に来院した。3か月前から、帰宅時に駅の階段を途中で休まずには昇れなくなったため受診した。血液検査で抗アセチルコリン受容体抗体が陽性であった。胸部エックス線写真(別冊No. 31A)及び胸部造影CT(別冊No. 31B)を別に示す。
- この患者で検索すべき合併症はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D066]←[国試_113]→[113D068]
[★]
- a 尿素窒素/血清クレアチニン比(BUN/血清クレアチニン比)の上昇は腎実質障害を示唆する。
- b 高尿酸血症の病型鑑別に尿酸排泄率(FEUA)は有用ではない。
- c 尿素窒素(BUN)は上部消化管出血があると上昇する。
- d 白血球数の推移は水分過不足の良いマーカーである。
- e 血清尿酸値の低下は脱水を示唆する。
[正答]
※国試ナビ4※ [110D008]←[国試_110]→[110D010]
[★]
- 高尿酸血症患者の検査結果を示す。
- 尿所見: pH 5.5、クレアチニン 80mg/dL、尿酸 34mg/dL。
- 血液生化学所見:クレアチニン 1.0mg/dL、尿酸 8.0mg/dL。
- 尿酸排泄率(FEUA)を求めよ。
- ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。
- ① 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
- ② 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
[正答]
※国試ナビ4※ [106I079]←[国試_106]→[ ]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103A060]←[国試_103]→[103B002]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106H018]←[国試_106]→[106H020]
[★]
乳児期のけいれんの原因となるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [108B035]←[国試_108]→[108B037]
[★]
- 食物繊維の十分な摂取によって発症リスクが低下するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112D075]←[国試_112]→[112E002]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [112A002]←[国試_112]→[112A004]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106I029]←[国試_106]→[106I031]
[★]
- 英
- dyslipidemia
- 同
- 高脂血症 hyperlipidemia、脂質代謝異常 lipoprotein disorders
- 関
- 高脂血症治療薬、リポ蛋白
定義
- 血清:
Total-CHO≧220 mg/dl。LDL-C≧140 mg/dl。TG≧150 mg/dl。HDL-C<40 mg/dl
病型
分類
原発性高脂血症のWHO分類
原発性高脂血症の型分類 (臨床検査法提要第32版 p.533)
|
I型
|
II型
|
III型
|
IV型
|
V型
|
IIa型
|
IIb型
|
高カイロミクロン血症
|
高コレステロール血症
|
複合型高脂血症
|
異常βリポ蛋白血症
|
高トリグリセリド血症
|
複合型高トリグリセリド血症
|
増加リポ蛋白
|
CM
|
++
|
|
|
|
|
+
|
VLDL
|
|
|
+
|
|
+
|
+
|
IDL
|
|
|
|
+
|
|
|
LDL
|
|
+
|
+
|
|
|
|
血漿脂質
|
TC
|
+
|
+++
|
++
|
++
|
/+
|
+
|
TG
|
+++
|
|
++
|
++
|
++
|
+++
|
TC/TG
|
<0.2
|
>1.6
|
不定
|
≒
|
0.6-1.6
|
<0.6
|
病因
|
・LPL欠損 ・アポCII欠損 (外因性高脂血症)
|
LDL受容体異常
|
不明
|
アポE異常 (E2/E2など)
|
不明 (内因性高脂血症)
|
LPL欠損へテロ(一部) (外因性高脂血症 and (内因性混合型高脂血症)
|
臨床所見
|
発症時期
|
小児期
|
小児期~成人
|
成人
|
成人
|
小児期~成人
|
肝脾肥大
|
+++
|
-
|
+
|
+++ 脾のみ
|
+++
|
腹痛
|
+
|
|
|
+
|
+
|
膵炎
|
+
|
|
|
|
+
|
網膜脂血症
|
+
|
|
|
|
+
|
肥満
|
|
|
|
+
|
+
|
角膜輪
|
|
+
|
+
|
|
|
冠動脈疾患
|
まれ
|
最も高率
|
高率
|
中程度
|
比較的まれ
|
黄色腫
|
発疹状
|
黄色板状 結節状 腱黄色腫
|
手掌線 結節状 発疹状
|
|
発疹状
|
耐糖能
|
正常
|
正常
|
正常
|
異常多い
|
異常多い
|
高尿酸血症
|
なし
|
なし
|
少ない
|
多い
|
多い
|
遺伝
|
劣性遺伝
|
優性遺伝
|
劣性遺伝
|
優性遺伝
|
不明
|
頻度
|
まれ
|
多い 500人中 1人(ヘテロ) 100万人中 1人(ホモ)
|
多い 200人中 1人
|
少ない 1万人中 2-3人
|
最も多い
|
まれ
|
血清静置試験
|
上層:乳濁
|
透明
|
わずかに混濁
|
混濁、 時にミルク状
|
混濁
|
上層:乳濁
|
下層:透明
|
下層:混濁
|
特徴
|
|
|
small dense LDL の存在
|
broad β
|
|
|
- 頻度:IIa > IIb > IV
- 遺伝(AR)I, III (AD)その他
- 症状
- 動脈硬化:IIa,IIb,III
- 膵炎:TG多い:I,IV,V
- TC優位に多いのがIIa, TG優位に多いのがIV
- リポ蛋白のパターンは、IIa + IV = IIb で IIIはその中間(IDL)。I + IV = V
|
治療方針の原則
|
カテゴリー
|
脂質管理目標値(mg/dL)
|
リスク群
|
LDL-C以外の主要危険因子
|
LDL-C
|
HDL-C
|
TG
|
一次予防
|
まず生活習慣の改善を 行った後、薬物治療の 適応を考慮する
|
I
|
低リスク群
|
0
|
<160
|
≧40
|
<150
|
II
|
中リスク群
|
1~2
|
<140
|
III
|
高リスク群
|
3以上
|
<120
|
二次予防
|
生活習慣の改善とともに 薬物治療を考慮する
|
冠動脈疾患の既往
|
<100
|
- 加齢(男性≧45歳、女性≧55歳)、高血圧、糖尿病(耐糖能異常を含む)、喫煙、冠動脈疾患の家族歴、低HDL-C血症(<40mg/dL)
- 糖尿病、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症の合併はカテゴリーIIIとする。
[★]
- 英
- hypotensor, depressor, hypotensive drugs hypotensive agent hypotensive drug
- 同
- 降圧剤、血圧降下薬、高血圧症治療薬、抗高血圧薬 antihypertensive antihypertensive drug, antihypertensive drugs
[show details]
ja
hypotensor : 約 1,170 件
depressor : 約 13,000 件
hypotensive drugs : 約 1,410 件
hypotensive agent : 約 1,320 件
hypotensive drug : 約 1,200 件
en
hypotensor : 約 12,100 件
depressor : 約 1,220,000 件
hypotensive drugs : 約 29,100 件
hypotensive agent : 約 37,600 件
hypotensive drug : 約 12,500 件
降圧薬
-
- 近位尿細管:アセタゾラミド:炭酸脱水酵素を阻害
- 太いヘンレループ上行脚:フロセミド:Na+-K+-2Cl-共輸送体(NKCC)を阻害
- 遠位尿細管前半部:チアジド系利尿薬:Na+とCl-の共輸送体を阻害
- 遠位尿細管後半部と集合管:
- スピラノラクトン:アルドステロン受容体に競合的に結合
- トリアムチレン:Na+流入を抑制
-
-
-
- カルベジロール(α1遮断により末梢血管を拡張。β遮断により陽性変力作用を抑制)
- アムスラロールなど
- 強力な降圧効果を示す
- 細胞内へのCa流入を抑制することにより血管平滑筋を弛緩させ末梢血管抵抗を下げる
- 脳、心臓、腎臓への血流を保つ
- 膜電位依存性Caチャネルに作用して血管平滑筋を弛緩させる
-
- 副作用:ジルチアゼムの副作用:洞性徐脈、洞性ブロック
- ニフェジピン: 血管への親和性が高い→抗高血圧薬として優れる
- 副作用:反射性交感神経緊張、顔面紅潮、浮腫(静脈拡張より動脈拡張の度合いが大きいため)、便秘
- 臓器障害の改善、進展予防 beyond blood pressure
- RA系の抑制
- アンジオテンシノゲン→(レニン)→アンジオテンシンI→(アンジオテンシン転換酵素)→アンジオテンシンII-(アンジオテンシン受容体遮断薬)-|アンジオテンシン受容体1
- ACE阻害薬の腎機能保護
- ACE阻害薬:輸入細動脈 拡張、輸出細動脈 拡張 → 糸球体内圧↓
- Ca拮抗薬 :輸入細動脈 拡張、輸出細動脈 なし → 糸球体内圧↑
-
- 副作用
- ACEはブラジキニンを分解するキニナーゼIIと同一の酵素である。ACE阻害薬はこの酵素を阻害するが、ブラジキニンは血管拡張、決勝滲出決勝進出、発痛作用に関わっている。このため咳を誘発することがある。
- 禁忌
- 妊婦。ブラジキニンは胎児の動脈管閉鎖に関わっている。このた、母胎にACE阻害剤を加え、ブラジキニンが増えると胎児の動脈管が閉鎖してしまう。(血管浮腫?)
- 1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(AT1受容体拮抗薬)
降圧薬の積極的な適応と禁忌
- 合併症を有する高齢者高血圧に対する第一選択薬と併用薬
○:第一選択 空欄:適応可 △:注意が必要 ×:禁忌
- 理由はACE参照
使用できる降圧薬
- α2作動薬
- β遮断薬
- α遮断薬
参考
- http://www.jhf.or.jp/a&s_info/guideline/kouketuatu.html
漢方薬
- 降圧目的に釣藤散が使われることが多い。補助的に防風通聖散が用いられることがある。
[★]
- ☆case79 混乱
- 79歳 女性
- 主訴:混乱
- 現病歴:5年前より高血圧と診断され薬物で加療中であった。混乱がひどくなってきたと訴え娘と来院。娘の話では3週間前より混乱の症状が始まっており、以前は認知機能に問題は無かった。患者は食欲の減退、頭痛、筋痙攣(muscle cramp)も訴えていた。高血圧の治療は診断時よりアテノロールを服用していたが四肢の冷感をうったえて2ヶ月前に中止、ベンドロフルメチアジド1日2.5mgに切り替え特に問題なかった。
- 生活歴:単身であり、近くに娘が住んでいる。
- 嗜好歴:飲酒、喫煙共に無し。
- 服用薬:服用薬無し。近所の薬品屋で購入したビタミン剤は飲んでいる。
- 身体所見 examination
- 皮膚のツルゴール正常。脈拍 80/分、整。血圧 146/90 mmHg。頚静脈圧:正常。異常心音認めず。末梢の浮腫無し。呼吸器系、消化器系異常なし。abbreviated mental test scoreは6/10。時間と場所の見当識無し。局所神経症状無し。眼底に銀線動脈とarteriovenous nippingを認める。乳頭浮腫は認めない。
- 検査所見 investigations
- 低ナトリウム血症、軽度の低カリウム血症、クレアチニン軽度低下、尿浸透圧低下。
- 問診(S)
- 混乱(程度は次第に重度に)
- 食欲減退
- 頭痛
- 筋痙攣
- 高血圧
- アテノロール服用(5年前より2ヶ月前まで。服用により四肢が出る)中止後、ベンドロフルメチアジド服用
- 身体所見(O)
- 高血圧(146/90mmg) → Japanの基準だとI度高血圧(YN.C-162)
- abbreviated mental test score: 6/10 → 認知症/譫妄疑い
- 眼底にsilver-wiringとarteriovenous nippingを認め乳頭浮腫を認めない (YN.C-165)
- (陰性所見)
- ツルゴールは正常 → 脱水を否定
- 高血圧以外の循環器疾患は否定的?、呼吸器、消化器系は正常らしい
- 場所にと時間に関する見当識がないのでJCSだと2
- 局所神経症状なし → 中枢神経系の疾患は考えづらい?
- 検査(O)
- 低ナトリウム血症、軽度の低カリウム血症、クレアチニン軽度低下、尿浸透圧低下。
- ----------------
- ■チアジド系利尿薬
- ・副作用は?
- 低カリウム血症、耐糖能低下、高尿酸血症、高カリウム血症、アルカローシス、GFR↓。(YN.C-62)
- ・禁忌は?
- 無尿、腎不全、糖尿病、高脂血症。(YN.C-62)
- ・特徴(医学用語辞典より)
- ・降圧利尿薬として本態性高血圧症に対する第一選択薬の1つとして用いられる。
- ・有効率が高いこと、至適用量の個人差が少ないこと、効果の発現が緩徐で過度の降圧を来さないことなどの利点を有している。
- ・ベンドロフルメチアジド bendroflumethiazide
- チアジド系利尿薬の一種
- ■アテノロール(YN.C-64)
- ・β1選択性β遮断薬。
- ・心臓のβ1受容体に選択的に作用し、本態性高血圧症、狭心症、頻脈性不整脈に対して有用性が認められている。
- ■学習事項
- ・混乱(confusion)をきたす疾患を鑑別してみよう
- ■abbreviated mental test score (en wikipediaより)
- ・1972年にHodkinsonが老人の認知症の可能性について、迅速に評価できる手法として紹介。
- ・認知症以外にも、混乱や認知機能障害の評価にも使われている。
- ・10の項目があって、答えられると1点。6点以下でdelirium(譫妄)やdementia(認知症)が疑われる。
- ・年齢、今何時、住所を覚えてもらい最後に聞く、今何年、病院名/家の住所、二人の人の認知、誕生日、世界大戦が始まった年、現在の王?の名前、20から1までカウントダウン
- ■診断
- 利尿薬による低ナトリウム血症
- 利尿剤による低ナトリウム血症は治療開始後2,3週間以内に起こりやすい。
- NSAIDも服用している老年女性に多い(NSAIDは水の排泄を抑制)
- メカニズム?:NSAIDはプロスタグランジンの生成を阻害 → レニン分泌↓ → 輸出細動脈は拡張したまま → GFR低下 → 水の排泄がうまくいかないのだろうか。
- ■血漿浸透圧を計算してみよう
- 2 x ([Na+] + [K+]) + [urea] + [glucose] [単位:mOsmol/kg]
- ■低ナトリウム血症(YN.D-138)
[★]
- 英
- inborn error of metabolism, inborn errors of metabolism
- 同
- 先天性代謝異常症
- 関
- 先天性代謝異常
- 先天代謝異常症、先天性代謝異常、先天性代謝疾患、先天代謝異常、metabolic disease
- 「先天代謝異常症」と「先天性代謝異常症」は同じ意味?
[show details]
代表的な先天性代謝異常症の症状
代表的な先天性代謝異常症の検査所見
参考
- http://www.jc-metabolomics.com/index.html
[★]
- 英
- gout
- 関
- 原発性代謝性痛風、尿酸
- DNAがプリン体を介して尿酸が産生される。
- プリン体は肝臓から700mg, 食事から300-400mg摂取される
- 腎臓から500mg、腸管から200mg排泄される
病因
-
- 鶏・豚レバー、小魚、干し物
病型
病態生理
- 尿酸はプリン代謝の最終産物
- 顆粒球の遊走・結晶貪食・ケミカルメディエーターの放出・スーパーオキシド放出
- 好中球と滑膜細胞が乳酸を分泌して組織のpHを下げ、酸を析出しやすくする
- 組織に蓄積した尿酸が引き金となって臓器障害を呈する
- 高尿酸血症-(引き金)→高尿病、高脂血症、高血圧症、腎障害、結石→動脈硬化
症状
- 夜間~早朝に突然のに疼痛。数時間内に激烈となり、著明な発赤、腫脹、熱感を呈する。
- 部位:母趾の中足趾節間関節(60-70%)、足背、距腿関節、膝関節
- 関節・耳介などの軟骨、骨端部、皮下組織などに形成された肉芽組織。白色の小結節として認められる (IMD.924)
- 尿酸ナトリウム血症を核とする肉芽腫。皮下、軟骨(鼻、耳)、骨に見られる。骨にできた場合にはpunched-out lesionとなる。(QB.D-325) また、嚢胞状変化のようにも見える?(REU.298)
診断基準
- SOR.237
- 1) 尿酸結晶が関節液中に存在すること
- 2) 痛風結節の証明
- 3) 次の11項目のうち、該当するものが6つ以上ある
- a) 2回以上の急性関節炎の既往がある
- b) 24時間以内に炎症のピークに達する
- c) 単関節炎である
- d) 関節の発赤がある。
- e) 第1中足趾節関節の疼痛または腫脹がある
- f) 片側の第1中足趾節関節の病変である。
- g) 片側の足関節の病変である
- h) 痛風結節がある
- i) 血清尿酸値の上昇がある
- j) X線上の非対称性腫脹がある
- k) 発作の完全な寛解がある
治療方針
- 6・7・8のルール
- 血清尿酸値(mg/dl)が7mg/dlで正常、8mg/dlで要治療、治療目標は6mg/dl以下
治療
- 生活療法
- 食事療法:アルコール、プリン体に富む食物の回避
- 薬物療法 → 痛風治療薬
食事療法のポイント
- 肥満、水分多く。プリン体を控える。野菜を十分に取る→尿をアルカリ性にする
- アルコールを控える(ピールは麦芽由来のプリン体を多く含む。アルコールの取りすぎは尿酸排泄を悪化させる)
- 規則正しい食事、塩分摂取を控える
ガイドライン
- 1. 高尿酸血症・痛風治療のガイドライン、第2版ダイジェスト版
- http://www.tukaku.jp/tufu-GL2.pdf
参考
uptodate
- 1. [charged] 痛風の臨床症状および診断 - uptodate [1]
- 2. [charged] 痛風性関節炎の病態生理 - uptodate [2]
- 3. [charged] 急性痛風の治療 - uptodate [3]
- 4. [charged] 痛風再発の予防 - uptodate [4]