- 英
- nifedipine
- 商
- アダラート Adalat、エマベリン、セパミット、ヘルラート、Procardia、アタナール、アテネラート、カサンミル、カサンミルS、キサラート、ケパクル、コバニフェート、コバラート、コリネール、シオペルミン、トーワラート、ニフェスロー、ニフェラート、ニフェランタン、ニレーナ、ラミタレート
- 関
- カルシウム拮抗薬、血管拡張剤
分類
薬理作用
- 末梢血管を弛緩させる。国試的には心筋に対する作用はなく、心抑制を心配せず使用できる。
適応
- 本態性高血圧症、腎性高血圧症 (コバラートL錠20mg)
- 高地肺水腫の原因となる肺高血圧に対して。(SQ.509)
ADME
代謝
排泄
- 尿中に未変化体は検出されず、投与60時間まで約60%が代謝物として排泄された(添付文書アダラートCR20mg)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/01 09:45:13」(JST)
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ニフェジピン |
|
IUPAC名
3,5-ジカルボン酸ジメチル 2,6-ジメチル-4-(2-ニトロフェニル)- 1,4-ジヒドロピリジン
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
21829-25-4 |
PubChem |
4485 |
ChemSpider |
4330 |
DrugBank |
APRD00590 |
KEGG |
D00437 |
ATC分類 |
C08CA05 |
特性 |
化学式 |
C17H18N2O6 |
モル質量 |
346.335 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ニフェジピン(英: nifedipine)は、血管拡張薬のひとつ。血管のCa2+チャネルを遮断することにより細胞質Ca2+濃度の上昇を抑え、血管を拡張させる。狭心症、高血圧の治療に使用される。
歴史
ニフェジピンは1970年代初頭にバイエル社によって開発された。
関連項目
- プラゾシン
- カプトプリル
- ジルチアゼム
- ヒドララジン
- ニトログリセリン
- 硝酸イソソルビド
参考文献
- 伊藤勝昭ほか編集 『新獣医薬理学 第二版』 近代出版 2004年 ISBN 4874021018
|
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 薬剤抵抗性冠攣縮性狭心症に対しニフェジピンが著効した1例
- 舟山 哲,宮下 武彦,加藤 重彦,佐々木 敏樹,渡邉 哲,久保田 功
- 日本心臓病学会誌 =Journal of cardiology. Japanese edition 5(2), 153-157, 2010-06-15
- NAID 10026916956
- インドメサシン,ニフェジピンの子宮収縮抑制効果 (特集 産科領域の未承認薬--エビデンスを求めて)
Related Links
- ニフェジピン(英: nifedipine)は、血管拡張薬のひとつ。血管のCa2+チャネルを遮断 すること ... 編集] 歴史. ニフェジピンは1970年代初頭にバイエル社によって開発された。 ... この項目「ニフェジピン」は、薬学に関連した書きかけの項目です。加筆・訂正などをし て ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
コバラートL錠20mg
組成
成分・含量
添加物
- 結晶セルロース
トウモロコシデンプン
乳糖水和物
カルメロースカルシウム
ポリソルベート80
ヒドロキシプロピルセルロース
ステアリン酸マグネシウム
ヒプロメロース
マクロゴール6000
酸化チタン
三二酸化鉄
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- *妊婦(妊娠20週未満)又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
- 心原性ショックの患者[血圧低下により症状が悪化するおそれがある。]
効能または効果
- ニフェジピンとして、通常成人1回10?20mgを1日2回経口投与する。症状に応じ適宜増減する。
- 狭心症
- ニフェジピンとして、通常成人1回20mgを1日2回経口投与する。症状に応じ適宜増減する。
慎重投与
- 大動脈弁狭窄、僧帽弁狭窄のある患者、肺高血圧のある患者[血管拡張作用により重篤な血行動態の悪化を招くおそれがある。]
- 過度に血圧の低い患者[更に血圧が低下するおそれがある。]
- 血液透析療法中の循環血液量減少を伴う高血圧患者[過度に血圧が低下するおそれがある。]
- 重篤な腎機能障害のある患者[急速な降圧等により腎機能が悪化するおそれがある。]
- 重篤な肝機能障害のある患者[血中濃度が上昇することがある。また、門脈圧が上昇するおそれがある。]
- うっ血性心不全(特に高度の左室収縮機能障害)のある患者[心不全が悪化するおそれがある。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重大な副作用
- 次のような副作用があらわれることがある。このような副作用があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 紅皮症(剥脱性皮膚炎)(頻度不明)
- 無顆粒球症、血小板減少(頻度不明)
- ショック(頻度不明):ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 意識障害(頻度不明):血圧低下に伴う一過性の意識障害があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 肝機能障害、黄疸(頻度不明):AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 臨床に供された最初のジヒドロピリジン系Ca2+チャネル遮断薬である。電位依存性L型Ca2+チャネルを遮断することにより、細胞内へのCa2+流入を抑制し、血管平滑筋を弛緩させる。非ジヒドロピリジン系Ca2+チャネル遮断薬のベラパミル及びジルチアゼムと比較すると、血管選択性が高く、心収縮力・心拍数に対する抑制作用が弱いため、降圧に伴い反射性頻脈が起こりやすい。動物実験で、総末梢血管抵抗の低下及び心筋の収縮性抑制に基づく心筋の酸素需要の減少と、冠血管の拡張と側副血行路の発達による心筋虚血部への酸素供給の増加が認められている。3)
有効成分に関する理化学的知見
- 一般名:ニフェジピン(Nifedipine)
化学名:Dimethyl 2,6-dimethyl-4-(2-nitrophenyl)-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate
分子式:C17H18N2O6
分子量:346.33
性状:黄色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。
アセトン又はジクロロメタンに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又は酢酸(100)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
光によって変化する。
融点:172?175℃
構造式:
★リンクテーブル★
[★]
- 28歳の初産婦(1妊0産)。妊娠38週4日に自然陣痛初来後、順調に経過し、経腟分娩となった。分娩経過に異常は認めず、分娩後の出血量も少量で子宮収縮は良好である。児は3,240gの男児で新生児経過に異常はない。既往歴に統合失調症があり、24歳から複数の抗精神病薬を内服している。そのため、児への母乳栄養は希望していない。
- 乳汁分泌抑制のために投与する薬剤として正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113F049]←[国試_113]→[113F051]
[★]
- 心機能曲線の模式図を示す。(左室拡張期圧-心拍出量)
- 曲線Aを矢印の方向に最も大きく移動させるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110B005]←[国試_110]→[110B007]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100G113]←[国試_100]→[100G115]
[★]
- 英
- hypotensor, depressor, hypotensive drugs hypotensive agent hypotensive drug
- 同
- 降圧剤、血圧降下薬、高血圧症治療薬、抗高血圧薬 antihypertensive antihypertensive drug, antihypertensive drugs
[show details]
ja
hypotensor : 約 1,170 件
depressor : 約 13,000 件
hypotensive drugs : 約 1,410 件
hypotensive agent : 約 1,320 件
hypotensive drug : 約 1,200 件
en
hypotensor : 約 12,100 件
depressor : 約 1,220,000 件
hypotensive drugs : 約 29,100 件
hypotensive agent : 約 37,600 件
hypotensive drug : 約 12,500 件
降圧薬
-
- 近位尿細管:アセタゾラミド:炭酸脱水酵素を阻害
- 太いヘンレループ上行脚:フロセミド:Na+-K+-2Cl-共輸送体(NKCC)を阻害
- 遠位尿細管前半部:チアジド系利尿薬:Na+とCl-の共輸送体を阻害
- 遠位尿細管後半部と集合管:
- スピラノラクトン:アルドステロン受容体に競合的に結合
- トリアムチレン:Na+流入を抑制
-
-
-
- カルベジロール(α1遮断により末梢血管を拡張。β遮断により陽性変力作用を抑制)
- アムスラロールなど
- 強力な降圧効果を示す
- 細胞内へのCa流入を抑制することにより血管平滑筋を弛緩させ末梢血管抵抗を下げる
- 脳、心臓、腎臓への血流を保つ
- 膜電位依存性Caチャネルに作用して血管平滑筋を弛緩させる
-
- 副作用:ジルチアゼムの副作用:洞性徐脈、洞性ブロック
- ニフェジピン: 血管への親和性が高い→抗高血圧薬として優れる
- 副作用:反射性交感神経緊張、顔面紅潮、浮腫(静脈拡張より動脈拡張の度合いが大きいため)、便秘
- 臓器障害の改善、進展予防 beyond blood pressure
- RA系の抑制
- アンジオテンシノゲン→(レニン)→アンジオテンシンI→(アンジオテンシン転換酵素)→アンジオテンシンII-(アンジオテンシン受容体遮断薬)-|アンジオテンシン受容体1
- ACE阻害薬の腎機能保護
- ACE阻害薬:輸入細動脈 拡張、輸出細動脈 拡張 → 糸球体内圧↓
- Ca拮抗薬 :輸入細動脈 拡張、輸出細動脈 なし → 糸球体内圧↑
-
- 副作用
- ACEはブラジキニンを分解するキニナーゼIIと同一の酵素である。ACE阻害薬はこの酵素を阻害するが、ブラジキニンは血管拡張、決勝滲出決勝進出、発痛作用に関わっている。このため咳を誘発することがある。
- 禁忌
- 妊婦。ブラジキニンは胎児の動脈管閉鎖に関わっている。このた、母胎にACE阻害剤を加え、ブラジキニンが増えると胎児の動脈管が閉鎖してしまう。(血管浮腫?)
- 1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(AT1受容体拮抗薬)
降圧薬の積極的な適応と禁忌
- 合併症を有する高齢者高血圧に対する第一選択薬と併用薬
○:第一選択 空欄:適応可 △:注意が必要 ×:禁忌
- 理由はACE参照
使用できる降圧薬
- α2作動薬
- β遮断薬
- α遮断薬
参考
- http://www.jhf.or.jp/a&s_info/guideline/kouketuatu.html
漢方薬
- 降圧目的に釣藤散が使われることが多い。補助的に防風通聖散が用いられることがある。
[★]
- 英
- achalasia
- 同
- (国試)食道アカラシア esophageal achalasia, 噴門無弛緩症
- 関
- ヒルシュスプルング病 Hirschsprung's disease
[show details]
- first aid step1 2006 p.273
概念
- 食道平滑筋層内アウエルバッハ神経叢細胞の変性・消失によって、下部食道括約筋の弛緩不全や食道蠕動が消失することによる食物の通過障害や、食道の異常拡張を呈する機能的疾患
- 食道下端1-4cm辺りの狭窄(機能的開大欠如)とその口側食道の異常拡大を来す。
- 食道の拡大幅は3-4cmが多く、著しいものは6-10cmに達する
疫学
- 発症は稀で。10万人に1-2人
- 男女ほぼ同頻度,
- 年齢は20-50歳代(20-40歳ともいわれる(IMD.841))
- 新生児期から症状が出ることもあり、また症状は7-8歳ごろから出現することが多い(QB.O-171)。
病型 HIM chapter 286
- 特発性アカラシア:多くのアカラシアが特発性に分類される
- 二次性アカラシア:胃癌の食道への浸潤、リンパ腫、シャーガス病、ある種のウイルス感染、好酸球性胃腸炎、神経変性疾患
分類
形状
拡張度
- I度 :最大横径3.5cm
- II度 :3.5~6.0cm
- III度:6.0cm以上
内圧測定(IMD)
- A型:嚥下による食道の陽性波が認められるもの。
- B型:嚥下による食道の陽性波が認められないもの。
病理
- 食道固有筋層内のアウエルバッハ神経叢の神経節細胞の減少・消失
- 下部食道括約筋(LES)は外見的に正常。筋層の肥厚などは認められない。 → 器質性疾患は否定的
病因
- 環境の変化、精神的ストレスが誘因となって比較的急激に発症し慢性に経過し、軽快~増悪を反復、感情の乱れの強いときに増悪傾向
- 冷たい飲食物の摂取、急いで摂食する場合でも誘発される
病態
- 食道括約筋の弛緩不全や食道蠕動の消失は次の様に説明される。
- 1. 下部食道括約筋(噴門部括約筋)におけるアウエルバッハ神経叢の神経節細胞の減少・消失による蠕動の伝達とそれによる食道下端部開大が起こらない
- 2. VIPや一酸化窒素合成酵素を含む抑制性ニューロンの消失。進行期にはコリン作動性ニューロンも影響を受ける。(HIM chapter 286)
比較
アカラシア
|
下部食道括約筋(噴門部括約筋)のアウエルバッハ神経叢の神経節細胞が減少
|
ヒルシュスプルング病
|
腸管内神経節細胞(肛門側腸管の壁内神経節細胞(アウエルバッハ神経叢、マイスナー神経叢))の欠如
|
症状
- 自覚症状が生じる段階ではすでに食道は異常拡張を呈している(IMD)
- 嚥下障害(食道内に食物の停滞・逆流)、悪心・嘔吐、前胸部痛、体重減少、誤嚥
-
- 固形物・流動物の両方で嚥下障害が生じる ← 固形物のみだったら、器質的な変性による閉塞が考えられる。
- 胸腔内圧を上昇させる手技(ex. Valsalva maneuver)は食道の食物を胃に通過させるのに有効な手技である
- 体位変換や就寝時に起こりやすい
- 嘔吐 → 嘔吐物の気道への吸引 → 咳嗽、呼吸困難、喘鳴 → 誤嚥性肺炎
- 3. 胸部不快感・胸痛:胸骨下に疼痛、圧迫感、狭窄感など ← 食道炎の合併は10%
- 4. 体重減少:十分な摂食ができないため。慢性期におこりうる。
検査
X線造影
- 1. 胸部X線写真:食道陰影の出現、胃泡の消失
- 2. 食道X線造影(上部消化管造影):
- 下部食道の辺縁平滑な狭窄(鳥のくちばし様) (barium swallow:bird beak)、食道内腔の拡張像(椎体より大)。
- 造影剤は食道内に停留(健常者では数秒間、食道アカラシアの患者では1時間程度)
- 食道の逆蠕動、攣縮、胃内流出の遅延などが認められる(IMD)
- (1) 嚥下時に陽性波消失(遠位食道の蠕動波の消失) ← 食塊の移動させるように上部から下部に向かって食道内圧の上昇が移動していく。
- (2) 噴門陰性波消失(下部食道括約筋弛緩(LES弛緩)の欠如)
- (3) LES圧の上昇
- (1) 内視鏡スコープの噴門部通過には問題はない → 器質的疾患ではないから
- (2) 食物残渣の存在、食道内腔の拡張、慢性例では食道炎、食道癌の合併
- コリン作動性薬物を投与すると食道壁の痙攣や異常蠕動運動が生じ、食道内圧が上昇
- 試験施行の結果、胸痛を来しうるため、食道内圧検査を行うのが一般的(IMD)
- CCKは括約筋の圧力を低下させるが、アカラシアではCCKは神経伝達抑制作用が失われる(HIM chapter 286)
診察
鑑別疾患
IMD
- 2. 二次的な、あるいは他の食道蠕動運動障害を示す疾患
DIF改変
治療
精神的ケア
薬物療法
- 抗コリン薬
- 亜硝酸薬:ニトログリセリン、硝酸イソソルビド。 副作用あり
- カルシウム拮抗薬:ニフェジピン。 副作用有り
- sildenafil:cGMPを増加させ症状の軽減をもたらす → cGMPの増加はLES圧を減少させ、嚥下に伴うLESの弛緩を増強する
- ボツリヌス毒素:コリン作動性ニューロンの神経終末からのコリン放出を抑制する。6ヶ月で60%の患者の症状を緩和できる。老人の一時的な症状緩和や高リスク患者に有用である。ただし、反復利用により食道の線維化を来しうる。
下部食道括約筋拡張術バルーン
- 標準的治療
- バルーン拡張術:有効率70%前後。繰り返して行う。合併症は出血や穿孔である。
ヘラー法(Heller method, 粘膜外筋切開法)
- 腹腔鏡下でHeller筋層切開術+噴門形成術(Dor手術)を施行
-
- A surgical procedure for achalasia performed by dividing the circular muscles of the oesophagogastric junction. Using an abdominal approach a longitudinal incision is made through the lower oesophageal and upper gastric muscle wall exposing the mucosa. The procedure may be combined with a Nissen to prevent the complication of post-procedure reflux.
- http://www.surgeryrevision.co.uk/10.htm
ウェンデル法(Wendel method, 下部食道・噴門部全層切開縫合法)
ジラール変法(Girard method, 噴門形成法)
下部食道筋層切除+胃底部縫着術
フォロー
- 粘膜病変の発生(食道炎、食道癌)の有無を上部消化管造影・内視鏡などで定期的に経過観察(1年ごと)
国試
[★]
- 英
- HMG-CoA reductase inhibitor
- 同
- ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬 hydroxymethylglutaryl-CoA reductase inhibitor。スタチン statin
- 関
- 高脂血症治療薬、高脂血症、コレステロールの生合成。HMG-CoA還元酵素 HMG-CoA reductase
特徴
- アトルバスタチンの場合
- 血清TC低下率30%
- 血清LDL-C低下率41%
- 血清TG低下作用
- TG250-350mg/dl 380
- TG350-450mg/dl 470
- プラバスタチンは水溶性。(⇔脂溶性だとどこでも入っていく→全身性に作用する)
- プラバスタチンの輸送担体は肝臓にしかない→臓器選択性↑→安全性↑
- CYP3A4との相互作用がない
種類
CYP 代謝による 分類
|
薬物
|
商品名
|
性質1)
|
CYP代謝 2)
|
代謝物の活性 3)
|
排泄形態 3)
|
bioavailability (%) 3)
|
尿中排泄 (%) 2)
|
半減期 (hr) 2)
|
定性
|
定量(LogP)
|
非代謝型
|
プラバスタチン
|
メバロチン
|
水溶性
|
-0.47
|
ほとんどなし
|
ー
|
未変化体
|
18
|
20
|
1ー2
|
ロスバスタチン
|
クレストール
|
水溶性
|
|
ー 5)
|
未変化体 5)
|
29
|
10 5)
|
15~19 5)
|
ピタバスタチン
|
リバロ
|
脂溶性
|
1.49
|
ー
|
未変化体
|
60
|
<2
|
11
|
代謝型
|
フルバスタチン
|
ローコール
|
脂溶性
|
1.73
|
CYP2C9
|
なし
|
代謝物
|
10-35
|
<6
|
1.2
|
シンバスタチン
|
リポバス
|
脂溶性
|
4.4
|
CYP3A4
|
あり
|
代謝物
|
<5
|
13
|
1ー2
|
アトルバスタチン
|
リピトール
|
脂溶性
|
1.53
|
CYP3A4
|
あり
|
(データ無し)
|
12
|
2
|
14
|
1)Prog Med, 18:957-962,1998. 2)Heart, 85:259-264,2001. 3)PHarmacol Ther, 80:1-34 改変 4)興和(株)社内資料 5)添付文書
|
作用機序
- HMG-CoA reductaseはHMG-CoAからmevalonate産生を触媒
副作用
- 原因:メバロン酸合成↓→CoQ↓→ミトコンドリア機能異常。Cl-の細胞膜透過性の変化
- 薬物相互作用によりCYP3A4の働きが阻害されると、横紋筋融解症の引き金となりうる
- 脂溶性HMG-CoA還元酵素阻害薬は重篤な肝障害を起こす
- This was suggested by a study showing greater increases in post-marathon CK levels in individuals receiving statins; older runners receiving statins exhibited more susceptibility to CK elevations than younger runners. These elevations in CK were, however, mild and subclinical, which suggests that trained individuals need not discontinue statin therapy prior to a race.(uptodate)
- 軽度であれば(マラソンの)習熟者はレース前にスタチンを中止をする必要がないことを示唆する。
禁忌
[★]
- 英
- HELLP syndrome hemolysis, elevated liver enzymes, low platelets
- 同
- ヘルプ症候群
概念
- 溶血、肝臓酵素上昇、血小板減少を伴う。(NGY.399)
- 本疾患の溶血は微小血管障害性に起因する(参考6)ものであり、これで肝臓酵素上昇、血小板減少が説明できると思われる。
- 放置するとDICを発症する。(NGY.399)
- 妊娠高血圧症候群に伴うことが多い(NGY.399)。しかし15-20%の本疾患の患者では発症前に高血圧や蛋白尿を示していないため、妊娠高血圧腎症とは別の疾患概念と考える専門家もいる。(参考6)
疫学
- 発生頻度:0.021%、妊娠高血圧症候群の約2%(NGY.399)
臨床所見
- 右上腹部圧痛 80%
- 浮腫を伴う体重増加 60%
- 高血圧(重症 50%, 軽症 30%, なし 20%)
症状(NGY.399)
- 上腹部痛・心窩部痛(90%)、疲労感・倦怠感(90%)、嘔気・嘔吐(50%)
合併症
- DIC 20%
- 常位胎盤早期剥離 16%
- 腎不全 7%
- 肝破裂
- (子癇発作を起こしやすい)
診断
- 参考5
- 1. 肝機能:血清AST(GOT)値70U/l 以上、血清LDH 値600U/l 以上
- 2. 溶 血:血清間接ビリルビン値1.2mg/dl 以上、血清LDH 値600U/l 以上。病的赤血球の出現
- 3. 血小板数減少:血小板数10 万/μ l 以下
- 2)Sibai の基準を全て満たさなくても以下のような基準をひとつでも満たす場合には、HELLP 症候群発症を警戒し、注意を喚起する(妊娠中毒症学会HELLP 症候群検討小委員会)
- 1. 肝機能:血清AST(GOT)値、血清LDH 値が各施設の正常域を越えて高値の場合
- 2. 溶 血:血清間接ビリルビン値、血清LDH 値が各施設の正常域を越えて高値の場合
- 3. 血小板数減少:血小板数15 万/μ l 以下の場合
- 4. その他:血中アンチトロンビン活性が正常値の80% 未満の低下を示した場合やハプトグロビン値の低下した場合
鑑別疾患
治療
- 参考6
- 初期治療の方針:母体の安定化と胎児の評価を行い、急速遂娩の必要性を評価
- 1. termination:最良の治療法
- 以下に当てはまれば急速遂娩の適応:(1)妊娠34週以降である、(2)胎児の状態がnon-assureing statusである、(3)重篤な母体状態(多臓器不全、DIC、肝梗塞、肝出血、腎不全、早期胎盤剥離)である。
治療の禁忌
- 参考5
- 病態に交感神経活性化があるために、β受容体拮抗薬(リトドリン)、副交感神経遮断薬(ブスコパン)は血管攣縮を助長するため禁 ← 前者はα受容体の相対的活性化、後者は交感神経優位となるため、と思う。
予後
資料
- 1. HELLP, TTP, HUS の診断およびその管理
- http://www.jsog.or.jp/PDF/51/5102-31.pdf
- 2. 妊娠高血圧症候群 - 日本産科婦人科学会 - 日産婦誌58巻5号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5805-061.pdf
- 3. 2)妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群) HELLP 症候群 - 日本産科婦人科学会
- http://www.jsog.or.jp/PDF/57/5709-257.pdf
- 4. HELLP症候群の診断と対応(児娩出後の悪化への対応) - 日本産科婦人科学会 - 日産婦誌62巻9号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/62/6209-273.pdf
- 5. C.産科疾患の診断・治療・管理 6.異常分娩の管理と処置 - 日産婦誌56巻6号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/56/5606-107.pdf
- 6. [charged] HELLP syndrome - uptodate [1]
[★]
- 英
- vasodilator、vasodilatator
- 関
- 血管拡張薬
商品
[★]
- 英
- nifedipine poisoning
- 関
- カルシウム拮抗薬中毒
[★]
- 英
- gingival hyperplasia induced by nifedipine