- 英
- dermatomyositis, DM
- 関
- 多発性筋炎
→多発性筋炎、皮膚筋炎
国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/03/31 13:45:57」(JST)
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皮膚筋炎 |
分類及び外部参照情報 |
皮膚筋炎患者の膝関節X線写真
|
ICD-10 |
M33.0-M33.1 |
ICD-9 |
710.3 |
DiseasesDB |
10343 |
MedlinePlus |
000839 |
eMedicine |
med/2608 derm/98 |
MeSH |
D003882 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
皮膚筋炎(ひふきんえん、Dermatomyositis; DM)は自己免疫疾患の一種である。慢性疾患であり、膠原病の1つとして分類されている。横紋筋が冒される特発性炎症性筋疾患の一つであり、他には多発筋炎(PM)がある。両者は皮膚症状の有無によって区別されるが、そもそも基本的に疾患が異なるとする考えもある。他の膠原病においてもしばしば本症と同様の筋炎の臨床および病理所見が伴うことがある。なお、略称のDMは糖尿病と共通しており、また糖尿病のほうが有名であるため、うかつに略称で話すと勘違いされる可能性がある。
目次
- 1 疫学
- 2 病型分類
- 3 原因
- 4 症状
- 4.1 皮膚症状
- 4.2 筋症状
- 4.3 全身症状
- 4.4 その他の症状
- 5 検査
- 6 自己抗体
- 7 診断
- 8 治療
- 9 予後
- 10 参考文献
- 11 関連項目
|
疫学
年間発病率は100万人あたり2~10人という比較的まれな疾患である。他の膠原病の例に漏れず女性の発病率が高く、約2.5倍かかりやすいとされる。発症年齢のピークは5~15歳と40~50歳の二極性を示している。男性の場合は難治で、かつ悪性腫瘍合併例の可能性が高い。
病型分類
皮膚筋炎や多発性筋炎を含む特発性炎症性ミオパチーはOlsenとWartmannによって以下のように分類されている。
OlsenとWartmannの病型分類
病型 |
名称 |
臨床・病理学的所見 |
関連自己抗体 |
I型 |
多発性筋炎 |
筋線維の壊死、CD8陽性T細胞・マクロファージの浸潤 |
抗Jo-1抗体など |
II型 |
皮膚筋炎 |
ヘリオトロープ疹などの典型的な皮膚症状を伴う、筋線維束周囲の萎縮、CD4陽性T細胞・B細胞の浸潤 |
抗Mi-2抗体など |
III型 |
筋症状のない皮膚筋炎 |
典型的な皮膚症状のみで筋症状を伴わない。急性間質性肺炎を合併 |
抗CADM-140抗体 |
IV型 |
小児の皮膚筋炎 |
血管炎・皮下石灰化を合併 |
抗Mi-2抗体など |
V型 |
悪性腫瘍に合併する筋炎 |
治療反応性不良 |
抗TIF1γ抗体 |
VI型 |
他の膠原病に合併する筋炎 |
SLE、強皮症に合併 |
抗U1/U2RNP抗体、他の膠原病の自己抗体 |
VII型 |
封入体筋炎 |
進行性、治療抵抗性で高齢者に好発。筋細胞内の空胞、線維状封入体が存在 |
自己抗体陰性 |
原因
詳しいことはわかっていないが、自己免疫による筋障害であると想定されている。橋本病、バセドウ病や他の膠原病など自己免疫疾患に伴って発症すること、自己抗体を伴うことがあることがその理由とされている。PMの筋病理による所見では筋線維は塩基性に染まり、中心核、多核化、筋径の大小不同、間質の脂肪化、線維化がみられ血管病変の近くの筋では凝固壊死が認められる。炎症細胞浸潤は皆無に近いものから高度のものまで様々で同一例でも時期、部位、筋束の違いによって様々である。血管周囲にと横紋筋周囲にリンパ球主体の細胞浸潤、特にCD8T細胞の浸潤があり、CD8T細胞はマクロファージに伴って筋線維に侵入する。CD8T細胞近傍にはCD4T細胞があり浸潤細胞は主に細胞障害性T細胞(CTL)でパーフォリンとグランザイムにより標的筋細胞を破壊する。CTLはHLAに向けられていると考えられている。封入体筋炎でも封入体が確認できない場合は同様の所見となることがある。DMの病理像は筋束に沿った筋委縮(筋線維束周辺委縮)が特徴的とされPMとは病因異なるという仮説も存在する。DMでは血管周囲の浸潤細胞はCD4T細胞とB細胞が主体である。筋膜に補体の細胞膜障害性複合体(MAC)が沈着しており微小血管炎(ミクロアンギオパチー)の機序など液性免疫が関係すると考えられている。このように多発性筋炎と皮膚筋炎の病態が異なるという仮説があるいっぽうで、ANCA関連血管炎による筋炎では筋線維束周辺委縮が認められないこと、CD4T細胞によるBリンパ球の活性化はろ胞中心で起るという免疫学の知見から病理像で両者を区別することは不可能であり、同一スペクトラムに位置すると考えるべきであるという意見も存在する。
症状
皮膚筋炎の名の通り、皮膚と筋に典型的な症状が見られる。最近では、筋症状がほとんど見られないにもかかわらず特徴的な皮膚症状がある、筋症状を伴わない皮膚筋炎という疾患概念も加えられている。
皮膚症状
ヘリオトロープ疹('heliotrope eyelids' or 'heliotrope rash')とゴットロン徴候(Gottron's papule)と呼ばれる典型的な紅斑が見られる。ヘリオトロープ疹は上眼瞼(まぶた)に見られる紅斑を、Gottron徴候は手指関節背側面(手の甲)の角質増殖や皮膚萎縮を伴う紫紅色紅斑を指す。ヘリオトロープとは、紫色をした西洋のハーブの名で、色が似ていることからとった。
一方、手指先端指腹の裂溝を伴う角質化はmechanic's hand(逆Gottron徴候)と呼ばれる。この兆候は間質性肺炎合併と相関する。
また、手足の伸側には、多形皮膚萎縮症poikilodermaといって、色素沈着、脱失、萎縮が混在した局面を呈することがある。 爪郭の血管拡張・点状出血もみられることがある。
筋症状
筋力の低下が見られる。体幹に近い骨格筋が対称的に冒される。
通常、朝起きたとき体を起こしづらいというのが最初の症状である。このときは、これが病気であるということを認識することは少なく、いつもより疲れやすいくらいに感じるものである。しだいに筋力低下は進行し、重いものを持ち上げられなくなったり、普通に軽いものも持ち上げられなくなり、歩行することも困難となって、ついには起き上がることもできない寝たきりの状態となる。
全身症状
全身倦怠感が見られる。発熱はあまりない。
その他の症状
- 関節炎
- 関節リウマチに似た部位に関節痛を生じるが、明らかな滑膜炎ではなく他覚所見はあまりない。
- 肺炎
- 40~50%に間質性肺炎が生じるほか、のどの筋力が低下することにより誤嚥性肺炎を発症しやすい。PM/DMに合併する間質性肺炎は慢性型と急性型に別れる。慢性型間質性肺炎の合併例は抗Jo-1抗体などの抗ARS抗体が高頻度に検出される。慢性型間質性肺炎は組織学的にはNSIPを呈し、PSL反応性も良好なことが多い。PMでは抗Jo-1抗体陽性例が多く慢性で予後がよい。亜急性の経過を辿る例も器質化肺(OP)やNSIPが大部分でステロイドによって改善が期待できる。DMの間質性肺炎の20%は急速進行性で治療抵抗性で予後不良である。抗ARS抗体が陰性で筋症状やCKの上昇も軽度であるがヘリオトロープ疹やゴットロン徴候などの典型的皮疹がある筋症状を伴わない皮膚筋炎(Amyopathic Dermatomyositis)では急速進行性の間質性肺炎を合併しやすい。このような場合は組織学的にDADを呈し、副腎ステロイド薬には抵抗性で予後が不良である。PM/DMに合併した急速進行性間質性肺炎に対してはPSLとシクロスポリンの併用療法などが有効とされている。3割の患者で筋症状よりも呼吸器症状が先行するとされている。
- 悪性腫瘍
- これは症状というより、悪性腫瘍があると腫瘍随伴症候群として皮膚筋炎を発症するのである。原因となる悪性腫瘍は、日本では胃癌が原因であることが多く、欧米では大腸癌が多い。一般に、消化管癌に合併し、最多のものはその地域で最多であるというだけの話である。悪性腫瘍の合併例では、腫瘍を治療すると筋炎の症状も改善することが知られている。
検査
筋が冒されることから、筋の異常を調べる検査が主に行われる。また、他の膠原病と同様自己抗体の検査もされる。
- 検尿
- 蛋白尿の出現は、膠原病による血管炎の存在を示唆する。また%クレアチン尿が臨床経過のよい指標となる。
- 血液検査
- クレアチンキナーゼ、GOT(AST)の上昇がみられる。この所見がないならそれは皮膚筋炎ではないか、またはAmyopathic Dermatomyositis(日本語で言うならば筋症状なき皮膚筋炎)であり、重篤な肺疾患を起こしやすい予後不良の疾患である。
- 筋電図
- 筋原性変化をみる。神経原性であれば、筋力低下の原因は他の疾患である(筋萎縮性側索硬化症など)。
- 筋生検
- さまざまな筋線維の壊死と再生がみられ、局所にはCD8+T細胞とマクロファージがみられる。これは特に封入体筋炎(細胞内封入体がみられる)との鑑別として重要なのだが、感度が低い検査である(なにもないところをとってくることが案外多い)。皮膚筋炎では多発筋炎と比較して、血管周囲にCD4+T細胞の浸潤が見られる。多発筋炎では、炎症の主座は筋肉に限定される。
- 自己抗体
- 抗Jo-1抗体は、きわめて特異度が高いがどちらかというと多発筋炎でよく(でもないが)みられる。
- MRI
- STIR画像にて筋肉の炎症所見が手に取るようにわかる。筋生検の部位を決める際にも有用な情報となる。筋炎が改善すれば、MRI上の炎症所見も鮮やかに改善するので、治療効果の評価にも有用である。ステロイドミオパシーとの鑑別も可能と考えられている。
- PET
- まだ報告は少ないが、実際の画像を見れば明らかにMRIよりもさらに高精度に筋肉の炎症を見ることができる。3D-PET画像においては全身の筋肉が映し出され、あたかも解剖学アトラスのようである。筋炎が改善すれば、筋肉は見えなくなる。PET-CTならなおさら美しく、炎症をおこしている筋肉の名前を特定できる。
自己抗体
筋炎特異自己抗体(MSA)と他の膠原病でも見出される筋炎関連自己抗体(MAA)が知られている。MSAの出現率は20~25%程度であり、抗体の種類によって臨床症状が異なると考えられている。MSAで最も有名なのがアミノアシルtRNA合成酵素に対する自己抗体、抗ARS抗体である。
- 抗ARS抗体
抗ARS抗体の代表格は抗Jo-1抗体であり、これらの抗体は抗ARS抗体症候群(筋炎、間質性肺炎、レイノー症候群、発熱、機械工の手)を起こすと考えられている。間質性肺炎はNSIPが多く、早期併発を特徴とする。代表的抗体を以下に示す。
自己抗体 |
対応抗原 |
特徴 |
抗Jo-1抗体 |
ヒスチジルtRNA合成酵素 |
検出率25%、筋炎>間質性肺炎 |
抗EJ抗体 |
グリシルtRNA合成酵素 |
間質性肺炎>筋炎 |
抗PL-7抗体 |
スレオニルtRNA合成酵素 |
SScとのオーバーラップが高率 |
抗PL-12抗体 |
アラニルtRNA合成酵素 |
筋症状乏しい |
抗KS抗体 |
アスパラギニルtRNA合成酵素 |
|
抗OJ抗体 |
イソロイシルtRNA合成酵素 |
|
抗Zo抗体 |
フェニルアラニルtRNA合成酵素 |
|
抗Ha抗体 |
チロシルtRNA合成酵素 |
|
抗Jo-1抗体以外の測定は免疫沈降法で行われており専門的な技術が必要である。保険収録もされていないため日常の臨床で抗Jo-1抗体以外を測定するのは困難である。但し、ARSの対応抗原細胞質に存在するため、抗核抗体のスクリーニング検査で細胞質が染色される(cytoplasmic pattern)ことから予測が可能である。
- 抗SRP(シグナル認識粒子)抗体
MAAとして有名である。1986年にReevesらによって同定された。筋炎患者の約5%で検出される。SRPは7SL-RNAと6種類のポリペプチドからなる低分子リボ核タンパクであり、タンパク質のN末端シグナル配列を認識し細胞外輸送にかかわる。抗SRP抗体はDM皮疹のないPMで検出され、悪性腫瘍や他の膠原病の併発は少なく、典型的PMと関連すると考えられている。抗ARS抗体症候群陽性とは異なり、間質性肺炎、多発関節炎、レイノー現象などの筋外症状はの合併頻度は少ない。近年はステロイド抵抗性、再燃性が特徴的であり、しばしば免疫抑制剤併用を余儀なくされる。筋生検では炎症細胞浸潤が認められないのが特徴的とされている。リツキシマブの有効性の報告もある。亜急性の経過で重篤化、呼吸、嚥下、心筋障害などを起こす。SRLで検査は可能であり、近年定量法の開発もされた。PM以外の膠原病でも認められる。
- 抗CADM-140抗体(抗MDA5抗体)
ヘリオトロープ疹、ゴットロン徴候など皮膚筋炎の皮膚症状があるにもかかわらず筋炎所見を認めないAmyopathic Dermatomyositis(ADM)に特異的な抗体である。ADMは筋力低下は認められないが筋電図検査などでは筋原性変化などが認められるもの(clinically ADM;CADM)をここでは指す。その対応抗原はmelanoma differentiation-associatated gene 5(MDA5)またはinterferon-induced helicase C domain containing 1(IFIH1)であることが判明している。急速進行性間質性肺炎を高率に併発する。
- 抗155/140抗体(抗TIF1-γ抗体)
悪性腫瘍合併DMのマーカー抗体と考えられている。DM以外の膠原病では殆ど検出されず悪性腫瘍合併のDMにおいては50%以上で陽性となる。後に対応抗原がtranscriptional intermediary factor 1-gamma(TIF1-γ)であることが明らかになった。TIF1-γはTGF-βのシグナル伝達の強度に関与するといわれている。
- 抗Mi-2抗体
DMの1割で陽性となる特異的な抗体である。抗Mi-2抗体陽性DMではステロイドが著効するといわれている。
- 抗Ku抗体
強皮症と多発性筋炎など重複症候群で認められる抗体である。ステロイドが著効するといわれている。
- 抗U1-RNP抗体
混合性結合組織病で認められる。
診断
1977年に発表されたボアンとピーターの診断基準を用いることが多い。
- 対称性近位筋の筋力低下
- 筋生検による筋炎の存在確認
- 血中筋酵素の上昇
- 筋原性の筋電図変化
- 皮膚筋炎の典型的皮疹
皮膚筋炎の診断には5は必須項目であり、その上で1〜4のうち3〜4項目で確定、2項目で疑いが強い、1項目で可能性ありとなる。近年は抗Jo-1抗体、抗Mi-2抗体、抗SRP抗体のいずれかひとつが陽性という項目を診断基準に加えるべきであるという提案もされている。
治療
基本的にはステロイドを中心として免疫抑制剤を組み合わせて投与する。ステロイドは最も一般的かつ有効な治療法であり、通常1日3回に分割して投与する。効果が薄ければステロイドパルス療法が試みられる。しかし副作用が強く、特に間質性肺炎が問題となる。免疫抑制剤としてはシクロフォスファミド,サイクロスポリン,メトトレキサートやアザチオプリンが用いられる。筋症状による筋力低下が著しい場合はリハビリテーションも並行して行われる。 リツキシマブ[1] も有望である。 免疫グロブリン静脈注射療法(intravenous immunoglobulin; IVIg)も行われている。
予後
死亡原因としては悪性腫瘍や肺炎、感染症が多く、これらを合併した場合は生命予後が非常に悪い。悪性腫瘍を合併しなければ予後はよく、5年生存率は90%、10年生存率は80%である。約20年後の長期予後に関しては治療が早期になされていれば、約8割以上が通常の肉体作業やスポーツに耐えられる健康状態に回復できるという報告もある。本症は再発率が6割とする報告もあり、再発ないし病態の持続に留意する必要がある。
参考文献
- ^ Scheinfeld N (2006). “A review of rituximab in cutaneous medicine”. Dermatol. Online J. 12 (1): 3. PMID 16638371. http://dermatology.cdlib.org/121/reviews/rituxab/scheinfeld.html.
関連項目
|
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 皮膚筋炎に進行がんを合併した患者の退院支援(第二報)
- 皮膚筋炎に進行がんを合併した患者の退院支援(第一報)
- 26.皮膚筋炎に合併した慢性好酸球性肺炎の1例(第143回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
- 飯島 裕基,古澤 春彦,立石 知也,土屋 公威,藤江 俊秀,玉岡 明洋,坂下 博之,宮崎 泰成,角 勇樹,稲瀬 直彦
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 35(1), 114, 2013-01-25
- NAID 110009594368
- 尿管癌を合併した皮膚筋炎の1例 (第712回CPC 症例)
- 金月 勇,鈴木 菜穂,松尾 活光,松井 寛昌,西 浩之,敦賀 礼,高橋 英吾,平井 健一郎,浮地 太郎,古谷 和裕,野田 健太郎,吉田 健,黒坂 大太郎,羽野 寛
- 東京慈恵会医科大学雑誌 128(1), 53-61, 2013-01-15
- NAID 120005260145
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- 47歳の女性。歩行困難を主訴に来院した。最近、全身倦怠感、発熱、下肢のしびれ感および下肢遠位部の筋力低下による歩行困難が出現した。約2年前から気管支喘息の治療を受けている。意識は清明。身長160cm、体重52kg。体温37.2℃。呼吸数22/分。脈拍84/分、整。血圧126/78mmHg。呼吸音に軽度の喘鳴を聴取する。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。赤沈48mm/1時。血液所見:白血球 12,000(桿状核好中球3%、分葉核好中球38%、好酸球30%、好塩基球1%、単球2%、リンパ球26%)、血小板 22万。血液生化学所見:空腹時血糖 98mg/dl、総蛋白 6.7g/dl、アルブミン 4.5g/df、尿素窒素 10mg/dl、クレアチニン 0.8mg/dl、尿酸 4.8mg/dl、総コレステロール 210mg/dl、総ビリルビン 0.8mg/dl、AST 28IU/l、ALT 25IU/l、LD 186IU/l(基準176-353)、ALP210 IU/l(基準115-359)、Na 142mEq/l、K 4.0mEq/l、Cl 98mEq/l、免疫学所見: CRP 1.2mg/dl、IgE 1,200IU/ml(基準120以下)。胸部エックス線写真に異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A051]←[国試_104]→[104A053]
[★]
- 5歳の男児。顔面と手背の紅斑を主訴に父親に連れられて来院した。1か月前の運動会後に顔面に皮疹が出現して以来、改善しないため受診した。頬部から鼻根部を中心にびまん性紅斑を認める。手背では近位指節間関節、遠位指節間関節、中手指節関節を中心に米粒大の鱗屑を伴う扁平隆起性丘疹の集簇を認める。四肢近位筋に把握痛を認める。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 441万、Hb 13.0g/dL、Ht 38%、白血球 5,200、血小板 30万。血液生化学所見:AST 54U/L、ALT 23U/L、LD 417U/L(基準 280~400)、CK 312U/L(基準 30~140)、アルドラーゼ 13.4U/L(基準 2.7~7.5)、Na 138mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 102mEq/L。免疫血清学所見:抗核抗体 160倍(基準 20以下)、抗dsDNA抗体 6IU/mL(基準 12以下)。顔面の写真(別冊No.14A)と手背の写真(別冊No.14B)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D032]←[国試_114]→[114D034]
[★]
- 30歳の女性。眼瞼下垂を主訴に来院した。20歳ころから両まぶたが下がってきたことと両側の難聴とを自覚していたが、最近、さらに物が見にくくなったため受診した。意識は清明。身長 144cm、体重 36kg。脈拍 80/分、整。血圧 112/68mmHg。両側の眼瞼下垂を認める。眼球は正中に固定し、眼球頭反射を認めない。両側の高度感音難聴を認める。徒手筋力テストで四肢の近位筋は4に低下している。CK 190IU/L(基準 30~140)。右大腿四頭筋で施行した筋生検のGomori-trichrome染色標本(別冊No. 20)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I059]←[国試_109]→[109I061]
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- 5歳の女児。3週前から両頬部に紅斑が出現し、2週前から全身倦怠感も出現してきたため来院した。身長125cm、体重24.5kg。体温36.8℃。脈拍88/分、整。血圧120/68mmHg。顔面の紅斑の写真と肘頭の皮疹の写真とを以下に示す。
- 眼球結膜と眼瞼結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢の筋力低下が認められ、ベッド上では仰臥位から直接立ち上がれない。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。
- この症例で予想されるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G052]←[国試_101]→[101G054]
[★]
- 25歳の男性。両眼の視力低下を主訴に来院した。数年前から、季節に関係なく眼の痒みが続いている。顔面皮膚はびまん性に潮紅しており、頭部皮膚に色素沈着を認める。視力は右0.9(矯正不能)、左0.8(矯正不能)。眼瞼結膜に充血と乳頭増殖とを認める。細隙灯顕微鏡検査で、角膜に異常はなく、水晶体の混濁を認める。眼底検査で、右眼眼底周辺部に限局性の網膜剥離を認める。
- 合併が疑われる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A045]←[国試_104]→[104A047]
[★]
- 54歳の男性。全身の皮疹と倦怠感とを主訴に来院した。1か月前から顔面、体幹および四肢に紅斑が出現し、徐々に拡大し、全身倦怠感を伴ってきた。上眼瞼と四肢関節の背面とを中心に紅斑がみられる。膝部の写真と同部の病理組織H-E染色標本とを以下に示す。
- 第一選択の治療を開始する際、患者に伝えておくべき副作用はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102I063]←[国試_102]→[102I065]
[★]
- 36歳の女性。顔面の紅斑と発熱とを主訴に来院した。5日前から顔面と下肢とに圧痛のある浸潤性紅斑と38℃台の発熱とを生じた。皮膚生検の病理組織像では真皮に好中球の強い浸潤を認める。顔面の写真を以下に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103D051]←[国試_103]→[103D053]
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[正答]
※国試ナビ4※ [107G017]←[国試_107]→[107G019]
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[正答]
※国試ナビ4※ [103I029]←[国試_103]→[103I031]
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[正答]
※国試ナビ4※ [107I020]←[国試_107]→[107I022]
[★]
- a 男児に多い。
- b 悪性腫瘍の合併が多い。
- c 死因は横紋筋融解症が多い。
- d 診断にはMRIが有用である。
- e 抗Jo-1抗体は半数の患者に陽性を示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I027]←[国試_109]→[109I029]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095B007]←[国試_095]→[095B009]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107F005]←[国試_107]→[107F007]
[★]
- 食道平滑筋の異常によって嚥下困難をきたすのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095A073]←[国試_095]→[095A075]
[★]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101B061]←[国試_101]→[101B063]
[★]
[★]
- 英
- achalasia
- 同
- (国試)食道アカラシア esophageal achalasia, 噴門無弛緩症
- 関
- ヒルシュスプルング病 Hirschsprung's disease
[show details]
- first aid step1 2006 p.273
概念
- 食道平滑筋層内アウエルバッハ神経叢細胞の変性・消失によって、下部食道括約筋の弛緩不全や食道蠕動が消失することによる食物の通過障害や、食道の異常拡張を呈する機能的疾患
- 食道下端1-4cm辺りの狭窄(機能的開大欠如)とその口側食道の異常拡大を来す。
- 食道の拡大幅は3-4cmが多く、著しいものは6-10cmに達する
疫学
- 発症は稀で。10万人に1-2人
- 男女ほぼ同頻度,
- 年齢は20-50歳代(20-40歳ともいわれる(IMD.841))
- 新生児期から症状が出ることもあり、また症状は7-8歳ごろから出現することが多い(QB.O-171)。
病型 HIM chapter 286
- 特発性アカラシア:多くのアカラシアが特発性に分類される
- 二次性アカラシア:胃癌の食道への浸潤、リンパ腫、シャーガス病、ある種のウイルス感染、好酸球性胃腸炎、神経変性疾患
分類
形状
拡張度
- I度 :最大横径3.5cm
- II度 :3.5~6.0cm
- III度:6.0cm以上
内圧測定(IMD)
- A型:嚥下による食道の陽性波が認められるもの。
- B型:嚥下による食道の陽性波が認められないもの。
病理
- 食道固有筋層内のアウエルバッハ神経叢の神経節細胞の減少・消失
- 下部食道括約筋(LES)は外見的に正常。筋層の肥厚などは認められない。 → 器質性疾患は否定的
病因
- 環境の変化、精神的ストレスが誘因となって比較的急激に発症し慢性に経過し、軽快~増悪を反復、感情の乱れの強いときに増悪傾向
- 冷たい飲食物の摂取、急いで摂食する場合でも誘発される
病態
- 食道括約筋の弛緩不全や食道蠕動の消失は次の様に説明される。
- 1. 下部食道括約筋(噴門部括約筋)におけるアウエルバッハ神経叢の神経節細胞の減少・消失による蠕動の伝達とそれによる食道下端部開大が起こらない
- 2. VIPや一酸化窒素合成酵素を含む抑制性ニューロンの消失。進行期にはコリン作動性ニューロンも影響を受ける。(HIM chapter 286)
比較
アカラシア
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下部食道括約筋(噴門部括約筋)のアウエルバッハ神経叢の神経節細胞が減少
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ヒルシュスプルング病
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腸管内神経節細胞(肛門側腸管の壁内神経節細胞(アウエルバッハ神経叢、マイスナー神経叢))の欠如
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症状
- 自覚症状が生じる段階ではすでに食道は異常拡張を呈している(IMD)
- 嚥下障害(食道内に食物の停滞・逆流)、悪心・嘔吐、前胸部痛、体重減少、誤嚥
-
- 固形物・流動物の両方で嚥下障害が生じる ← 固形物のみだったら、器質的な変性による閉塞が考えられる。
- 胸腔内圧を上昇させる手技(ex. Valsalva maneuver)は食道の食物を胃に通過させるのに有効な手技である
- 体位変換や就寝時に起こりやすい
- 嘔吐 → 嘔吐物の気道への吸引 → 咳嗽、呼吸困難、喘鳴 → 誤嚥性肺炎
- 3. 胸部不快感・胸痛:胸骨下に疼痛、圧迫感、狭窄感など ← 食道炎の合併は10%
- 4. 体重減少:十分な摂食ができないため。慢性期におこりうる。
検査
X線造影
- 1. 胸部X線写真:食道陰影の出現、胃泡の消失
- 2. 食道X線造影(上部消化管造影):
- 下部食道の辺縁平滑な狭窄(鳥のくちばし様) (barium swallow:bird beak)、食道内腔の拡張像(椎体より大)。
- 造影剤は食道内に停留(健常者では数秒間、食道アカラシアの患者では1時間程度)
- 食道の逆蠕動、攣縮、胃内流出の遅延などが認められる(IMD)
- (1) 嚥下時に陽性波消失(遠位食道の蠕動波の消失) ← 食塊の移動させるように上部から下部に向かって食道内圧の上昇が移動していく。
- (2) 噴門陰性波消失(下部食道括約筋弛緩(LES弛緩)の欠如)
- (3) LES圧の上昇
- (1) 内視鏡スコープの噴門部通過には問題はない → 器質的疾患ではないから
- (2) 食物残渣の存在、食道内腔の拡張、慢性例では食道炎、食道癌の合併
- コリン作動性薬物を投与すると食道壁の痙攣や異常蠕動運動が生じ、食道内圧が上昇
- 試験施行の結果、胸痛を来しうるため、食道内圧検査を行うのが一般的(IMD)
- CCKは括約筋の圧力を低下させるが、アカラシアではCCKは神経伝達抑制作用が失われる(HIM chapter 286)
診察
鑑別疾患
IMD
- 2. 二次的な、あるいは他の食道蠕動運動障害を示す疾患
DIF改変
治療
精神的ケア
薬物療法
- 抗コリン薬
- 亜硝酸薬:ニトログリセリン、硝酸イソソルビド。 副作用あり
- カルシウム拮抗薬:ニフェジピン。 副作用有り
- sildenafil:cGMPを増加させ症状の軽減をもたらす → cGMPの増加はLES圧を減少させ、嚥下に伴うLESの弛緩を増強する
- ボツリヌス毒素:コリン作動性ニューロンの神経終末からのコリン放出を抑制する。6ヶ月で60%の患者の症状を緩和できる。老人の一時的な症状緩和や高リスク患者に有用である。ただし、反復利用により食道の線維化を来しうる。
下部食道括約筋拡張術バルーン
- 標準的治療
- バルーン拡張術:有効率70%前後。繰り返して行う。合併症は出血や穿孔である。
ヘラー法(Heller method, 粘膜外筋切開法)
- 腹腔鏡下でHeller筋層切開術+噴門形成術(Dor手術)を施行
-
- A surgical procedure for achalasia performed by dividing the circular muscles of the oesophagogastric junction. Using an abdominal approach a longitudinal incision is made through the lower oesophageal and upper gastric muscle wall exposing the mucosa. The procedure may be combined with a Nissen to prevent the complication of post-procedure reflux.
- http://www.surgeryrevision.co.uk/10.htm
ウェンデル法(Wendel method, 下部食道・噴門部全層切開縫合法)
ジラール変法(Girard method, 噴門形成法)
下部食道筋層切除+胃底部縫着術
フォロー
- 粘膜病変の発生(食道炎、食道癌)の有無を上部消化管造影・内視鏡などで定期的に経過観察(1年ごと)
国試
[★]
- 英
- chest pain, thoracodynia, pectoralgia
- 同
- 胸部痛
- 関
- 胸壁痛。胸部圧迫感
鑑別疾患
- 診断エッセンシャルズ新訂版
救急疾患
その他
鑑別診断
- DIF.84
胸痛の質
- 圧迫されるような痛み:狭心症、心筋梗塞
- 刺すような痛み:心膜炎、胸膜炎、肋間神経痛
胸痛と呼吸困難
- 参考1
- 気胸、肺炎、胸膜炎、慢性閉塞性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患の悪化、肺癌などの肺疾患、心不全
診察
【現病歴】
誘因、発生様式(突発、緩徐)、経時的変化(一定、動揺、増悪/寛解傾向)、部位(一番痛い部位、放散する部位)、軽快因子、増悪因子、(反復するエピソードあれば)前回との比較、随伴症状
【既往歴】基礎疾患(DM, HT, DL)
【嗜好】smoking, alcohl
【服用薬】
【職業】
【身体所見】
Appearance: Face anguish, Diaphoresis, Cyanosis
Vital:
Consciousness:
BT , BP / , HR (L Arm/R Arm, Lower Extrimity), RR , SpO2
Lymphnode: swollen/no swollen, breath sound →/↑/↓
Chest
Heart:Is →/↑/↓, IIs →/↑/↓, IIIs(±)/IVs(±), murmur, friction rub ±
Lung: crackle/rale
Abdomen: soft/hard, tenderness
Extremity: cold/pulse/edema
Skin: dry/wet/hot/cold
【検査】
ECG: ST segment change
Blood test:
biochemistry: CK-MB, Troponine T, AST, LDH, H-FABP
Blood count: WBC
Arterial blood gas: PaO2 torr
A-aDO2 = 150 - PaCO2/ 0.8 (torr) - PaO2 (normal below 20 Torr)
Chest XP:
Heart echography:
参考
- 1. 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_andoh_h.pdf
[★]
- 英
- antinuclear antibody ANA, anti nuclear antibodies ANAs
- 関
- SLE、自己抗体
- 検査法:HEp-2細胞を器質に用いる。
- 頻度についてはsee REU.14
- 正常値:40倍以下(REU.13)
- 高齢者では80,160倍と言った値が見られることがある。
- 20-60歳の健常人を調べた検査で、40倍での陽性率30%、80倍は13%、160倍は3%。
- 参考1
参考
- http://www.srl.info/srlinfo/kensa_ref_CD/otherdata/127-P77-0361.html
[★]
- 多発性筋炎 polymyositis PM
- 皮膚筋炎 dermatomyositis DM
- 関
- 膠原病
概念
疫学
症状
- 初発症状は皮疹、発熱、全身倦怠感、筋力低下などが多い。
筋症状(amyopathic dermatomyositisを除く)
- 四肢近位筋群、頚部筋、咽頭部(嚥下障害、発声障害につながる)などの対称性筋力低下。筋痛。筋萎縮。
皮膚症状(多発性筋炎を除く)
臓器障害
検査
- 血清筋原性酵素(CK):増加
- 筋電図:筋病変を示唆
- 自己抗体検査
- 抗Jo-1抗体:感度低いが、特異度は高い PMの方がDMより陽性率が高い
- 抗核抗体:40-50%の症例でみられる(IMD)
診断
鑑別診断
- 参考2
- 感染による筋炎、薬剤誘発性ミオパチー、内分泌異常に基づくミオパチー、筋ジストロフィーその他の先天性筋疾患
合併症
- 多発性筋炎/皮膚筋炎の発症前後に悪性腫瘍を合併しうる
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/293
- http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/067z_s.pdf
国試
[★]
- ヒント:タイトルに騙されるな!
- 45歳 女性
- 主訴:肺炎
- 現病歴:過去6ヶ月の間、咳、発熱、および膿性痰をともなう3回のエピソードがあった。このうち1回のエピソードでは、右側の胸膜炎性胸痛があった。一連のエピソードはgeneral practitionerの外来で治療していた。これらのエピソードに加え、5年間の嚥下困難の既往がある。嚥下困難は最初は中等度であったが、だんだんと増悪している。食べ物が胸骨後部の下方に刺さる様だと言っている。どういう固形物であってもこのような症状がでる。体重は過去2ヶ月で5kg減少した。嚥下困難は食事中に改善することがあるようだ。最近、形のはっきりとした食物を嘔吐する問題を抱えている。
- 3年前外来で施行した上部消化管内視鏡では問題は認められなかった。器質的な問題がないことが保証されたが、症状はひどくなってきた。排尿障害はない。便秘傾向があるが、最近少し悪くなってきた。
- 既往歴:無し
- 家族歴:無し
- 社会歴:10年前まで4年間、アメリカ合衆国の北西の沿岸部にすんでいた。店員として働いている。
- 嗜好歴:喫煙なし。飲酒は週に5units以下。
- 服用薬:
- 身体所見 examination
- やせて見える。右の肺底部にcrackleを認める。心血管系、消化器系、およびそのほかの臓器系に異常を認めない。
- 検査所見 investigations
- 胸部単純X線写真(供覧)
- 問題
- 診断名は?
- どうやって診断をつけるの?
- 答え
- 噴門部のアカラシア
- ■嚥下障害の鑑別疾患
- DIF.125
- 嚥下というのは喉頭、咽頭、食道の機能で、1)機械的閉塞(ex. 腫瘍)、2)生理的閉塞(ex. 偽球麻痺)により機能が障害される。
- 機械的閉塞 喉頭、咽頭、あるいは食道自体の内的な疾患と周辺臓器の外的な疾患を考える。VINDICATEが有効。
- V vascular 大動脈瘤、心拡大
- I inflammatory 喉頭炎、扁桃炎、食道炎、縦隔炎。 infection シャーガス病
- N neoplasm 食道と気管の癌腫(carcinoma)、縦隔の皮様嚢腫
- D degenerative and deficiency Plummer-Vinson syndrome(鉄欠乏性貧血)
- I intoxication アルカリ狭窄(lye stricture)
- C congenital and acquired 食道閉鎖症(esophageal atresia)、食道憩室
- A autoimmune 強皮症
- T trauma 食道破裂
- E endocrine 甲状腺腫大(endemic goiter(風土病としての甲状腺腫)、グレーブス病)
- 生理的閉塞 神経から筋肉にいたるまでの障害であり、この経路を想像しながら鑑別を上げていく。
- 1. end organ 緊張性ジストロフィー、皮膚筋炎、アカラシア、びまん性食道痙攣
- 2. 神経筋接合部 重症筋無力症
- 3. 下位運動ニューロン 急性灰白髄炎、ジフテリア性神経炎、脳幹における感染症もしくは腫瘍
- 4. 上位運動ニューロン 偽性球麻痺(脳梗塞、脳塞栓、脳出血、多発性硬化症、認知症、びまん性脳動脈硬化症)、パーキンソン病や他の錐体外路症状を呈する疾患
[★]
- 英
- amyopathic dermatomyositis
- 同
- ADM、dermatomyositis sine myositis。無筋症型皮膚筋炎、非ミオパチー性皮膚筋炎
[show details]
[★]
- 英
- polymyositis-dermatomyositis
- 関
- 皮膚筋炎
[★]
- 英
- juvenile dermatomyositis
- 関
- 皮膚筋炎
[★]
ブランスティング型皮膚筋炎
[★]
- 同
- Banker型皮膚筋炎
??????
[★]
- 英
- skin
- ラ
- cutis
- 関
- 皮膚の構造
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- myositis
- 同
- 炎症性筋疾患 inflammatory myopathy