先端巨大症
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/11/19 00:27:19」(JST)
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先端巨大症患者の顔の特徴。頬骨が目立ち、額が出っ張り、あごが大きくなり、顔のしわの線が目立っている。額とそれを覆う皮膚は分厚く、前頭隆起を起こす可能性がある。(異常に目立つ額は眉の隆起を伴うことがある)
先端巨大症(せんたんきょだいしょう、acromegaly)は、脳の下垂体前葉の成長ホルモン分泌腺細胞がその機能を保ったまま腫瘍化し(=機能性腺腫)、成長ホルモンが過剰に産生され、手足や内臓、顔の一部分が肥大する病気。別名、末端肥大症もしくはアクロメガリー。また、「巨人症」と一般に称される状態はこの病気であることが多い。
先端巨大症のデータ |
ICD-10 |
E22.0 |
統計 |
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世界の患者数 |
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日本の患者数 |
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学会 |
日本 |
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世界 |
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目次
- 1 症状
- 2 統計
- 3 検査
- 4 治療方法
- 5 社会的影響
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
症状
成長ホルモンの過剰分泌により以下の症状が現れる。
- 唇が厚くなる。
- 額が突き出る。
- 下あごがせり出る。
- 四肢の異常な発達。
- 四肢以外の筋肉の収縮。
- 骨がもろくなる。
名前の通り体の先端から肥大していく病気である。症自体には生命の危険は無いが、先端肥大症を放っておくと、死亡する確率が2倍以上になり、寿命が10年前後短くなると言われている。
骨発育停止前に成長ホルモンの分泌が過剰に起こる場合には下垂体性肥大症と呼ばれ身長や四肢や指の異常成長が見られる。
個人によっては身長が過剰に成長し、210cmを越えたあたりから健康に悪影響を及ぼす危険性が高くなる。世間一般では長身の人物は身体が強いと思われがちだが、巨人症患者は身長の過剰な成長によって膝や背骨を痛めやすく、重度の患者は両手で杖をついたりして歩行しなくてはならなくなる。また、内臓は体に比して大きくなるわけでもないため内臓の働きに問題を持つ患者も少なくない。
統計
発症頻度は100万人あたり40~60人程度と言われている。
検査
- 一般検査:高血糖、高リン血症、高中性脂肪血症など。
- ホルモン検査:血中GH、IGF-Iの高値。75g経口ブドウ糖負荷試験 (OGTT) でGH抑制不十分。
- ブロモクリプチン負荷試験:健常人ではGH分泌が増加するが、先端巨大症では抑制される例が多い。
- オクトレオチド負荷試験:GHが十分抑制されれば、治療に使用できる。
- その他の下垂体前葉機能検査も行われる。
- 画像検査:MRIにて下垂体腫瘍が見られる。
治療方法
- 手術療法:経蝶形骨洞的下垂体腫瘍摘出術(Hardy法)
- 薬物療法:オクトレオチド(商品名:サンドスタチン)、GH受容体拮抗薬(ペグビソマント)、ドーパミン作動薬(カベルゴリン、ブロモクリプチン)など。
- 放射線療法:γナイフ
社会的影響
指を伸ばしたいピアニスト、バイオリニスト、足を伸ばしスタイルを良くしたいダンサー、バレリーナ、モデルなどが、成長ホルモンのドーピングにより発症している場合では、四肢が異常に長くなる一方で身長が伸びなかったり、身体のほかの部分の筋肉が萎縮したり、骨がもろくなったりするため、これらの薬剤の使用者で社会復帰する人は非常に少ない。
身長が非常に大きくなる場合はギネスブックの「世界一背の高い人物」と認定されたり、力士やプロレスラー、バスケットボールの道を歩んで成功した患者もいる(こちらはドーピングによる発症ではない)。ジャイアント馬場、篠原信一、アンドレ・ザ・ジャイアント、出羽ヶ嶽文治郎、大内山平吉、岡山恭崇らがその例であるとされる。これらの著名な患者の存在により、発症頻度が低いにもかかわらず「巨人症」「先端巨大症」という病名は社会的に有名である。
関連項目
- ロバート・ワドロー
- 病気とリダイレクトの一覧
- プロテウス症候群
- 小人症
外部リンク
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 末端肥大症様顔貌を契機に診断された慢性炎症性肺疾患に合併した続発性肥厚性骨関節症、または初期型肥大性皮膚骨膜症の一重症心身障害男性例
- 中根 貴弥,野口 佐綾香,中村 幸介,神谷 裕子
- 日本重症心身障害学会誌 33(3), 389-392, 2008-12-01
- NAID 10025168108
- 18) 下垂体腫瘍摘出術後の外来経過観察中に心不全を発症した末端肥大症の一症例(第145回日本循環器学会東北地方会)
- 玉渕 智昭,二藤部 丈司,田村 晴俊,奥山 英伸,西山 悟史,宮下 武彦,宮本 卓也,渡邉 哲,広野 摂,野崎 直樹,竹石 恭知,久保田 功
- Circulation journal : official journal of the Japanese Circulation Society 72(Supplement_III), 1022, 2008-10-20
- NAID 110007010693
Related Links
- 先端巨大症(せんたんきょだいしょう、Acromegaly)は、脳の下垂体前葉の成長 ホルモン分泌腺細胞がその機能を保ったまま腫瘍化し(=機能性腺腫)、成長ホルモン が過剰に産生され、手足や内臓、顔の一部分が肥大する病気。別名、末端肥大症。また 、「巨人 ...
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★リンクテーブル★
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096B037]←[国試_096]→[096B039]
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[★]
- 英
- osteoporosis
- 同
- 骨多孔症、オステオポローシス
- 関
- 骨軟化症、くる病、老人性骨粗鬆症、若年性特発性骨粗鬆症、糖質コルチコイド誘発骨粗鬆症。骨粗鬆症治療薬
- 骨の絶対量の減少を生じているが骨の質的な変化を伴わない状態をいう。
- 骨はたえず吸収、形成されているものであり、したがって吸収率と形成率に差を生じ骨形成が負の平衡となれば骨粗鬆が起こる。
概念
- 骨量の減少(≒骨密度の減少)と骨組織の微細構造の破錠(骨質の劣化)により骨強度が低下して、骨折をきたしやすくなった疾患
定義
- WHO(1994)、骨量測定法,女性の骨粗鬆症:若年健常女性の平均骨量値から2.5SD以上減少したもの ⇔ 骨量減少:2.5<T-score<-1
- 日本:骨量が30%以上減少したもの
リスクファクター
- YN.D-156
- ガイドライン2
- 高齢、既存骨折(リスク1.9-4倍)、喫煙(リスク1.3-1.8倍)、飲酒(1日2単位以上でリスク1.2-1.7倍)、ステロイド使用(1日5mg以上の経口摂取でリスク2-4倍)、骨折家族歴(親の骨折でリスク1.2-2.3倍)、運動不足(大腿頚部骨折リスク1.3-1.7倍)、易転倒性
- 以下のリスクファクターを有する65歳未満か、65歳以上の女性は骨量測定によるスクリーニングの対象となる。
- 高齢、低体重、骨折既往、骨粗鬆症による骨折の家族歴、白人・アジア人、アルコール(1日2杯以上)、カフェイン、喫煙、運動不足、カルシウム不足、ビタミンD不足、骨粗鬆症を起こす薬剤
原因による分類
内分泌性
栄養性
- 壊血病
- その他(蛋白質欠乏、ビタミンA過剰、ビタミンD過剰)
- 別ソース
遺伝性
薬物性
- 別ソース
不動性
- 全身性:長期臥床、宇宙飛行、対麻痺
- 局所性:骨折後
先天性
その他
- 別ソース
小児の骨粗鬆症
- Dent CE:Osteoporosis in childhood.Postgrad Med J 53:450-456,1977
男性の骨粗鬆症
原因
- 多:クッシング症候群、アルコール多飲、ステロイド使用(5mg, 3ヶ月以上)、性腺機能低下、カルシウム摂取量減少、ビタミンD欠乏、喫煙、家族の中で骨折しやすい人がいる、男性ホルモン異常
- 希:BMI<20, 運動不足、抗てんかん薬、甲状腺中毒症、副甲状腺機能亢進、慢性肝障害、慢性腎障害、吸収不良症候群、高カルシウム血症、リウマチ、脊椎関節炎、糖尿病、多発性骨髄腫、HIV、臓器移植、免疫抑制剤
病理
検査
-
- 躯幹骨DXA、末梢骨DXA、RA/MD、QUSなどで測定可能
- 椎体DXAと大腿近位部DXAの両方を評価することが望ましい。できなければ橈骨DXAで代替する。
- 椎体の骨折/変形、退行性変化、骨粗鬆症に類維持した疾患(腰背部痛、円背や低骨量を呈する疾患)の鑑別に必要
治療
薬物治療
薬物治療開始基準
- ガイドライン2
- 1. 脆弱性既存骨折有り
- 2. 脆弱性既存骨折無し
- 1) 骨密度が若年成人平均値の70%未満
- 2) 骨密度が若年成人平均値の70-80%で、かつ閉経後女性/50歳以上男性であって、次のいずれかを有する。
- a) 過度のアルコール摂取:1日2単位以上
- b) 現在の喫煙
- c) 大腿骨頚部骨折の家族歴
治療開始のトリガー
- 別ソース
- 骨粗鬆症による大腿骨骨折、椎骨骨折の既往
- Tスコアが-2.5以下
- Tスコアが-1~-2.5 FRAX
- FRAXにて10年後の大腿骨折リスクが3%、主要な骨粗鬆症性骨折リスクが15-20%を超えるなら治療。
腎機能障害がある場合の治療の選択肢
- https://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/150359-1-15.pdf
慎重投与となっており、禁忌ではないから
肝臓や腎臓で代謝されないから
検診
スクリーニング
- USPSTF
- 65歳以上の女性、64歳以下で骨折リスクが高い女性(脆弱骨折の既往、ステロイド内服など)
- 男性ではエビデンスがない
スクリーニング間隔
- DEXA:1.0~-1.5→15年
- DEXA:-1.5~-2.0→5年
- DEXA:-2.0~-2.5→1年
ガイドライン
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0046/1/0046_G0000129_GL.html
- 2. <amazon mode="text" text="骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2006年版) ダイジェスト版">4897752329</amazon>
<amazon mode="script" ></amazon>
参考
- http://www.richbone.com/kotsusoshosho/basic_shindan/tonyo.htm
[★]
- 英
- acromegaly
- 同
- 先端肥大症 末端肥大症、マリー症候群 Marie syndrome
- 関
- 成長ホルモン、難病
[show details]
概念
- 下垂体前葉より成長ホルモンが長期間、過剰に分泌されるために骨、結合組織、内臓の過剰発育をきたす疾患。
- 特定疾患治療研究事業の対象となる難病
病因
診断基準
- (参考1)
- (1)主症候(注1)
- ①手足の容積の増大
- ②先端巨大症様顔貌(眉弓部の膨隆、鼻・口唇の肥大、下顎の突出など)
- ③巨大舌
- (2)検査所見
- ①成長ホルモン(GH)分泌の過剰:血中GH値がブドウ糖75g経口投与で正常域まで抑制されない。(注2)
- ②血中IGF-1(ソマトメジンC)の高値(年齢・性別基準値の2SD以上)。(注3)
- ③CTまたはMRIで下垂体腺腫の所見を認める。(注4)
- 副症候および検査所見
- (1)発汗過多
- (2)頭痛
- (3)視野障害
- (4)女性における月経異常
- (5)睡眠時無呼吸症候群
- (6)耐糖能異常
- (7)高血圧
- (8)咬合不全
- (9)頭蓋骨および手足の単純X線の異常(注5)
- 確実例:1(1)①から③の1項目以上を満たし、かつ1(2)①から③すべての項目を満たすもの。
- 可能性を考慮:ブドウ糖負荷でGHが正常域に抑制されたり、臨床症候が軽微な場合でも、IGF-1が高値で、1(2)③を満たすもの。
- (注1)発病初期例や非典型例では症候が顕著でない場合がある。
- (注2)正常域とは血中GH底値1ng/ml(リコンビナントGHを標準品とするGH測定法)未満である。糖尿病、肝疾患、腎疾患、青年では血中GH値が正常域まで抑制されないことがある。また、本症では血中GH値がTRHやLH-RH刺激で増加(奇異性上昇)することや、ブロモクリプチンなどのドパミン作動薬で血中GH値が増加しないことがある。さらに、腎機能が正常の場合に採取した尿中GH濃度が正常値に比べ高値である。
- (注3)健常者の年齢・性別基準値を参照する。栄養障害、肝疾患、腎疾患、甲状腺機能低下症、コントロール不良の糖尿病などが合併すると血中IGF-Iが高値を示さないことがある。IGF-Ⅰの基準値としては別添の資料を参考のこと。
- (注4)明らかな下垂体腺腫所見を認めない時や、ごく稀にGHRH産生腫瘍の場合がある。
- (注5)頭蓋骨単純X線でトルコ鞍の拡大および破壊、副鼻腔の拡大と突出、外後頭隆起の突出、下顎角の開大と下顎の突出など、手X線で手指末節骨の花キャベツ様肥大変形、足X線で足底部軟部組織厚heelpadの増大=22mm以上を認める。
負荷試験のまとめ
病態
- 参考2
- 甲状繊維状:甲状腺は肥大するが、甲状腺ホルモンの量は正常である事が多い。一方で、下垂体腫瘍により中枢性の甲状腺機能低下症をきたす患者が少数存在する。
- 心血管系:高血圧(43%の症例に存在)、心肥大(高血圧、およびGHの直接的効果)、心筋症( → 拡張障害 + 不整脈 )、心不全(3-10%の症例)、弁膜症(心エコー上、30%の症例でAR, 5%の症例でMRが見いだされた)
- 睡眠時無呼吸
- 代謝:インスリン抵抗性を伴う高インスリン血症による糖尿病は10-20%の症例で見られ、耐糖能異常は50%の患者で見られる。
- 結腸の腫瘍:結腸粘膜上皮細胞の増殖におけるIGF-Iの関与、PPAR(peroxisome proliferator-activated receptor)遺伝子の発現低下が腫瘍発生のメカニズム?
検査
負荷試験の結果の見方
- QB-D253
- (1) QB.D-254 参考1 → 増加しない
QB.D-254
- ブドウ糖負荷試験:GH→ (正常:↓) ← コントロール不能?
- TRH、LH-RH:GH↑ (正常:→?)
- インスリン、低血糖、L-dopa負荷:GH→ (正常:↑) ← 十分にGHが分泌されているから、これ以上反応できない?
治療
- 方針:手術療法(腺腫摘出術)が第1選択となり、手術が不可能な例や拒否例、残存腺腫により高GHである例などで薬物療法を行う
- 経蝶形骨洞下垂体腺腫摘除術(ハーディ手術):トルコ鞍内に限局している例
- 経前頭骨下垂体腺腫摘除術:トルコ鞍上に進展している例
- 定位的放射線照射:従来の外部照射に比べ良好な治療成績が得られているが、放射線障害による下垂体機能低下が問題となっている。
治療効果の判定
- 足底部軟部組織厚heelpadは治療によって減少し、治療効果の判定に用いられる。(QB.D-253)
- IGF-1は治療効果の判定に有用、らしい。
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/287
- 2. [charged] Causes and clinical manifestations of acromegaly - uptodate [1]
[★]
- 英
- carpal tunnel syndrome, CTS
- 関
- 正中神経麻痺、手根管
概念
病因
- REU.354
- 反復性外傷(仕事、手の過度使用)
- 手首骨折後
- 良性腫瘍
- 痛風
診断
- 橈側3本半(母指・示指・中指・環指橈側)の知覚障害、
- 母指球橈側の筋萎縮
- ティネル徴候:(手根管症候群を診る場合には)手関節屈側で正中神経をハンマーでたたくと指先に痛みが放散する(BET.406)
- ファレン徴候:手関節を強く屈曲位にして1-2分保つと、指のしびれが増強し、正常にすると戻る。
- 逆ファレン徴候
- 電気診断 ← 確定診断
治療
- 参考3
- 手関節の装具固定(wrist splinting):軽度の例であれば装具固定でよい。糖質コルチコイド注射と組み合わせると症状の出現期間を短縮できる。
- 糖質コルチコイド注射
- 経口コルチコイド
- ヨガ ← really???
- 手根骨の移動(carpal bone mobilization)
- 神経の移動(nerve gliding)
- 超音波療法
- NSAIDsやその他の経口薬物
- 電気、磁気、およびレーザー療法
- 保存的治療
- 手術:重症例では屈筋支帯を切除し手根管の開放を行う。
参考
- 1. [charged] 手根管症候群の病因 - uptodate [2]
- 2. [charged] 手根管症候群の臨床症状および診断 - uptodate [3]
- 3. [charged] 手根管症候群の治療 - uptodate [4]
- 4. [charged] 手根管症候群に対する外科手術 - uptodate [5]
国試
[★]
- 英
- bromocriptine
- 化
- メシル酸ブロモクリプチン bromocriptine mesilate
- 商
- パーロデル Parlodel、パルキゾン、アップノールB、エレナント、コーパデル、デパロ、パーロミン、パドパリン、パロラクチン、メーレーン
- 関
特徴
構造
作用機序
薬理作用
動態
適応
注意
禁忌
副作用
添付文書
[★]
- 英
- acromegaly
- 関
- 末端肥大症、先端巨大症、先端肥大症
[★]
- 英
- end、terminal、extremity、distal、terminally
- 関
- 終わる、終わり、遠位、遠位性、遠心性、きわみ、最後、四肢、終端、終末、終了、ターミナル、端、末期、目標、末端側
[★]
- 英
- hypertrophy
- ラ
- hypertrophia
- 関
- 過形成、増殖
[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- hypertrophic
- 関
- 肥厚性、肥大性、肥大型