- 英
- rheumatic fever, RF
- 同
- 急性関節リウマチ
- 関
- [[]]
- http://mymed.jp/di/ucm.html?PHPSESSID=2cc03d17984266cc113974b772d3934f
概念
病因
- A群β溶連菌の急性咽頭炎後 → (3-4週潜伏期) → A群β溶連菌との交差抗原性(M蛋白、多糖体 VS 心内膜、血管内皮細胞、脳細胞) ← II型アレルギーの機序によると考えられている
疫学
- 日本:著しく減少したが。開発途上国:主なリウマチ性疾患
- 5-15歳に好発。学童期に多い
病理
症状
- Jonesは森(心炎)林(輪状紅斑)で大きな(四肢の大関節から始まる)ブ(舞踏病)タ(多発性関節炎)に引っかけ(皮下結節)られた
- pancarditis, arthritis, chorea minor, erythema marginatum, subcutaneous nodule: PACES
- 心筋炎 :房室伝導障害
- 心内膜炎:僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症
- 心膜炎 :→心膜摩擦音(friction rub)聴取、心嚢液貯留
シデナム舞踏病、皮下結節、有縁性紅斑を認める。
- http://www.aafp.org/afp//AFPprinter/20050515/1949.html
症候スペクトル
診断
|
1
|
2
|
3
|
4
|
5
|
主症状
|
心炎
|
多関節炎
|
小舞踏病
|
輪状紅斑
|
皮下結節
|
副症状
|
臨床症状
|
関節痛
|
発熟
|
リウマチ熱、 あるいはリウマチ性疾患の既往
|
|
検査査所見
|
急性期反応 ESR↑、CRP↑、WBC↑
|
PR時間↑
|
|
先行するA群レンサ球菌感染の証拠
|
(関連抗体の高値または上昇、咽頭培養陽性または迅速反応陽性)
|
- 診断:先行するレンサ球薗感染が証明され、かつ主症状2項目以上または主症状1項目+副症状2項目以上
検査
治療
- 溶連菌治療にペニシリン、リウマチ性炎症抑制にサリチル酸剤ないし副腎皮質ステロイド剤、心炎抑制に副腎皮質ステロイド剤を用いる。
- 〔治療〕 急性期は安静臥床としサリチル酸剤を用い、心炎合併時には副腎皮質ホルモン剤を併用する。
- また、A群溶連菌に対し十分量のペニシリンを用い、治癒後も再発を防ぐために長期間予防的化学療法を行う。
予後
予防
一次予防
- 抗菌薬による溶連菌性扁桃炎の治療(10日間のペニシリン内服)
- 心炎合併例ではステロイド
二次予防
- 再発予防、弁膜症重症化の予防
- 再発から5年間経口ペニシリンの内服
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/03/29 07:07:47」(JST)
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リウマチ熱(リウマチねつ)とは、A群溶連菌に感染して後1~3週間に生じる全身性の非化膿性疾患の一つである。特徴として結合織の炎症が関節、心臓、血管、神経等を冒すとされる。特に心臓では弁膜、心内外膜、心筋が好発部位であり、5~15歳が好発年齢である。
目次
- 1 原因
- 2 症状
- 3 診断
- 4 検査
- 5 治療
- 6 関連項目
|
原因
A群溶連菌感染に基づく免疫的機序が原因とされる(膠原病)。
症状
大症状として心内外膜、心筋の全ての層が炎症を起こす。関節炎は移動性・多発性で疼痛、発赤、腫脹、圧痛を生じる。また小舞踏病(四肢、体幹、顔筋に起こる不随意運動)や無痛性の皮下小結節を小児において多く発症し、体幹・四肢近位の皮膚に移動性の輪状紅斑も見られる。共通症状としては発熱、前胸痛、腹痛、頭痛、倦怠感、食欲不振などを起こす。
診断
Jones基準による診断が可能。
検査
- 赤沈促進、CRP試験陽性、白血球数増加などの炎症症状を示す。
- ASO値が上昇し、溶連菌感染を示す。
- PR時間(心電図)の延長。
- 胸部X線検査により心陰影の左右拡大が見られる。また、心膜の臓側葉と壁側葉との間に心エコーでエコー・フリー・スペースが見られる(心膜腔への滲出液の貯留)。
治療
- 安静&栄養補給
- ペニシリン投与
- 副腎皮質ステロイド剤、若しくはサリチル酸剤(低用量アスピリン)投与
- ジギタリス投与、塩分制限(心不全発生時)
また、再発防止のためには長期のペニシリン投与が必要である。
関連項目
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- MS24-9 結節性紅斑を併発した,成人発症急性リウマチ熱と溶連菌感染後関節炎の2例の報告(膠原病と類似疾患1,第59回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 臨床研究・症例報告 当科[日本医科大学小児科]で最近経験したリウマチ熱の3症例
Related Links
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- よく言う「リウマチ」は「慢性関節リウマチ」のことで、「リウマチ熱」は別の病気で ある。発症初期の症状はともに関節炎がおこり、両者の鑑別が困難なこともあるが、 その後の経過・治療方法は全く異なります。リウマチ熱では、心臓弁膜の障害や他の心臓 病 ...
- 米国では、4歳以前の子供と18歳以降の人にはリウマチ熱はほとんどみられず、開発途上 国に比べるとかなり頻度は低くなります。これはおそらく、早い段階でレンサ球菌感染症 の治療に広く抗生物質が使われているためです。しかし、リウマチ熱の発生率が特定 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 2歳の男児。発熱と左膝痛とを主訴に母親に連れられて来院した。2週間前から弛張熱、跛行および下腿の皮疹がみられるようになった。1週間前から左膝を痛がるようになった。抗菌薬を内服しても解熱しないため受診した。身長 84.2cm、体重 10.3kg。体温 38.5℃。脈拍 168/分、整。血圧 126/62mmHg。皮膚は両側の下腿に2cm大の淡紅色の紅斑を認める。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内にアフタを認めない。咽頭に発赤はなく、扁桃に腫大を認めない。両側の頸部に径1.5cmのリンパ節を3個ずつ触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝を右季肋下に2cm、脾を左季肋下に3cm触知する。左膝関節の腫脹と圧痛とを認めるが、可動域制限はない。赤沈 90mm/1時間。血液所見:赤血球 390万、Hb 9.8g/dL、Ht 32%、白血球 10,400(桿状核好中球 1%、分葉核好中球 77%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 8%、リンパ球 12%)、血小板 38万、PT-INR 1.2(基準 0.9~1.1)、血漿フィブリノゲン 469mg/dL(基準 185~370)、フィブリン分解産物 9.2μg/mL(基準5未満)。血液生化学所見:総蛋白 5.8g/dL、アルブミン 3.0g/dL、AST 33U/L、ALT6U/L、LD 374U/L(基準 397~734)、CK 57U/L(基準 30~140)、尿素窒素 6mg/dL、クレアチニン 0.2mg/dL、Na 137mEq/L、K 4.3mEq/L、Cl 100mEq/L。免疫血清学所見:CRP 3.2mg/dL、matrix metalloproteinase-3 (MMP-3) 196ng/mL(基準 37~121)、リウマトイド因子(RF) 3IU/mL(基準 15未満)、抗核抗体陰性。両膝の造影MRI水平断像(別冊No. 18)を別に示す。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112D038]←[国試_112]→[112D040]
[★]
- 47歳の女性。17歳のときにリウマチ熱に罹患した。20歳後半から坂道で息切れと動悸を感じるようになった。最近は平地歩行でも息苦しくなったので来院した。来院時のカラーDoppler心エコー図を次に示す。
[show details]
- I音の亢進
- III音
- 全収縮期雑音
- リウマチ熱
- リウマチ性弁膜症
- エコー
- MR
- 心不全?
- 坂道での息切れ動悸。最近は平地歩行でも息が苦しくなった。
- NYHA分類II :坂道で息切れと動悸
- NYHA分類III:平地歩行でも息苦しくなった
-
-
- 僧帽弁逸脱症 MVPで、僧帽弁尖が心房に突出する。中年女性に多く、強震小葉の症状や心室性期外収縮が認められる。
-
-
- MSの所見。MSでは心尖でopen snap+descrescend → crescend(心房筋の収縮)
- 心房細動では心房全体の収縮が無くなり収縮前期雑音は消失する。
[★]
- 10歳の男児。発熱と咽頭痛とを主訴に来院した。3日前から39℃の発熱と咽頭痛とがあった。体温39.2℃。脈拍92/分、整。発疹はない。心雑音はない。関節腫脹を認めない。イチゴ舌を認める。咽頭粘膜は発赤し、点状出血斑がある。両側口蓋扁桃に黄白色の滲出物が付着している。
- 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球480万、Hb12.5g/dl、Ht41%、白血球11,000(桿状核好中球16%、分葉核好中球56%、好酸球2%、リンパ球26%)、血小板30万。CRP6.5mg/dl。咽頭培養:Streptococcus pyogenes2+。
- この疾患に続発するのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A052]←[国試_099]→[099A054]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107G017]←[国試_107]→[107G019]
[★]
- (1) A群溶連菌感染が原因となる。
- (2) 弁膜症は三尖弁に好発する。
- (3) 心電図でQT時間の延長がみられる。
- (4) CRPは高値となる。
- (5) ASOは高値となる。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096H062]←[国試_096]→[096H064]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099D068]←[国試_099]→[099D070]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108I020]←[国試_108]→[108I022]
[★]
- A群レンサ球菌感染に続発するのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [103B007]←[国試_103]→[103B009]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096H064]←[国試_096]→[096H066]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [109D013]←[国試_109]→[109D015]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096G064]←[国試_096]→[096G066]
[★]
[正答]
[★]
- 英
- fever of unknown origin FUO
- 同
- 原因不明熱
- 関
- 発熱、体温
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
定義
- 3週間以上の発熱。38.3℃以上、1週間の入院精査でも原因不明
鑑別疾患
3大疾患
- 1. 感染症(深部腫瘍、心内膜炎、結核、寄生虫、腸チフスなど)
- 2. 悪性疾患(悪性リンパ腫、白血病など)
- 3. 膠原病(血管炎、側頭動脈炎、成人still病など)
- 4. その他:薬剤性など
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
- (各種病原体)感染性心内膜炎、骨髄炎、伝染性単核球症、副鼻腔炎、齲歯
- (細菌)結核、腸チフス、リケッチア感染症
- (ウイルス)HIV感染症、サイトメガロウイルス感染症
- (真菌)ニューモシスチス肺炎、クリプトコッカス症
- (寄生虫)マラリア
- UCSF.44
- 感染症26%, 腫瘍13%, 非感染性炎症疾患24%
- 感染症:背臥位結核、心内膜炎、膿瘍(肝臓、脾臓、腎臓、後腹膜、骨、脳、耳、脊椎)、HIV感染症、サイトメガロウイルス感染症、カンジダ感染症、その他(尿路感染症、副鼻腔、骨髄炎)、入院患者(尿路感染、カテーテル感染症、偽膜性腸炎、褥瘡、蜂窩織炎)
- 腫瘍:悪性リンパ腫、白血病、腎細胞癌、肝癌、心房粘液腫、VAHS(ウイルス関連性血球貪食症候群)、LAHS(リンパ腫関連性血球貪食症候群)
- 非感染性炎症疾患:成人スティル病、SLE(全身性エリテマトーデス)、顕微鏡的多発血管炎(MPA)/多発性結節性動脈周囲炎(PN)/高安病、側頭動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、サルコイドーシス、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)
- その他:薬剤熱、詐熱、肺塞栓症/深部静脈血栓症、脊椎損傷/頭蓋内疾患、副腎機能不全/甲状腺機能亢進症、家族性地中海熱、組織球性壊死性リンパ節炎(菊地病)
- 感染症専門医テキスト 第1部 解説編 p.53
- 不明熱の最終診断
診断
|
診断診断例 n=192
|
早期診断例 n=67
|
中期診断例 n=38
|
後期診断例 n=87
|
感染症
|
|
57(29.7)
|
25(37.3)
|
12(31.6)
|
20(23.0)
|
細菌性
|
|
43
|
1.8
|
8
|
17
|
心内膜炎
|
11
|
9
|
1
|
1
|
結核
|
8
|
0
|
0
|
8
|
尿跨感染症(1)
|
6
|
3
|
1
|
2
|
腹腔内膿瘍
|
5
|
2
|
2
|
1
|
骨・関節感染
|
4
|
2
|
1
|
1
|
その他の細菌感染
|
9
|
2
|
3
|
4
|
ウイルス性
|
|
10
|
5
|
3
|
2
|
CMV
|
6
|
2
|
3
|
1
|
EpsteinーBarrウイルス
|
3
|
3
|
0
|
0
|
HIV
|
1
|
0
|
0
|
1
|
寄生虫性(2)
|
|
4
|
2
|
1
|
1
|
悪性新生物
|
|
29(15.1)
|
5(7.5)
|
6(15.8)
|
18(20.7)
|
血液疾患
|
|
22
|
2
|
6
|
14
|
非Hodgkinリンパ腫
|
9
|
0
|
2
|
7
|
Hodgkin病
|
5
|
1
|
1
|
3
|
白血病
|
6
|
0
|
3
|
3
|
血管免疫芽球性リンパ酔症
|
2
|
1
|
0
|
1
|
固形癌
|
|
7
|
3
|
0
|
4
|
腺癌
|
5
|
2
|
0
|
3
|
その他(3)
|
2
|
1
|
0
|
1
|
非感染性炎症性疾患
|
|
68(35.4)
|
22(32.8)
|
.6)
|
34(39.1)
|
結合織疾患
|
|
35
|
15
|
6
|
14
|
成人Still病
|
18
|
5
|
4
|
9
|
SLE
|
8
|
5
|
1
|
2
|
リウマチ性多発性筋痛症
|
3
|
3
|
0
|
0
|
関節リウマチ
|
2
|
0
|
0
|
2
|
Sjogren症候群
|
2
|
1
|
0
|
1
|
その他(4)
|
2
|
1
|
1
|
0
|
血管炎症候群
|
|
19
|
5
|
3
|
11
|
巨細胞性動脈炎
|
11
|
4
|
3
|
4
|
Wegener肉芽腫症
|
2
|
1
|
0
|
1
|
結節性多発性動脈炎
|
2
|
0
|
0
|
2
|
その他(5)
|
4
|
0
|
0
|
4
|
肉芽腫性疾患
|
|
14
|
2
|
3
|
9
|
サルコイドーシス
|
10
|
0
|
2
|
8
|
Crohn病
|
4
|
2
|
1
|
1
|
その他
|
|
39(18.1)
|
15(22.4)
|
8(21.1)
|
15(17.2)
|
亜急性甲状腺炎
|
6
|
3
|
1
|
2
|
Addison病
|
2
|
0
|
1
|
1
|
心筋梗塞後症候群
|
2
|
1
|
0
|
1
|
肺動脈塞栓症
|
2
|
1
|
0
|
1
|
習慣性高体温症
|
11
|
6
|
3
|
2
|
薬剤熱
|
4
|
3
|
0
|
1
|
詐熱
|
1
|
1
|
0
|
0
|
その他(6)
|
10
|
0
|
3
|
7
|
- 数値は症例数で( )内は比率. %表示
- 1) 膿瘍を除く実質感染
- 2) マラリア(2例)、ジアルジア症、トリパノソーマ症を含む
- 3) germinoma, hypernephromaを含む
- 4) Reiter症候群, 多発性筋炎を含む
- 5) Behcet病, Schönlein-Henoch紫斑病, Schnitzler症候群, 分類不能型血管炎を含む
- 6) Sweet症候群, 原発性硬化性胆管炎, アルコール性肝炎, 出血を伴う巨大肝血管腫, 間質性肺炎, 特発性胸膜心膜炎, 特発性好酸球増多症候群, リンパ節の炎症性偽腫瘍, 後腹膜線維症, 線状IgA水疱症
- (Vanderschueren S. Knockaert D. et al. : From prolonged febrile illness to fever of unknown origin: the challenge continues. Arch Intern Med. 2003 : 163 : 1033-1041)
診断
問診
- 既往歴、家族歴、職業歴、旅行歴、薬剤歴、sick contact、動物との接触、同性とのまたはハイリスクな性的接触の有無、現病歴と発熱パターン、輸血歴
診察
- リンパ節腫脹、肝脾腫、心雑音、圧痛
- 培養
- 胸部XP
- 抗核抗体,C3,C4,RF,赤沈
- 抗HIVコウタイ
- 皮膚生検
- ツベルクリン反応/クオンティフェロン
- 腹部エコー
- 造影CT
- 心エコー:心内膜炎を最も疑えば経食道心エコーを。
- ガリウムシンチ
- 骨髄生検
- 腰椎穿刺
- 頭部CT
- 大腸ファイバー
- 肝生検
[★]
- 英
- osteoporosis
- 同
- 骨多孔症、オステオポローシス
- 関
- 骨軟化症、くる病、老人性骨粗鬆症、若年性特発性骨粗鬆症、糖質コルチコイド誘発骨粗鬆症。骨粗鬆症治療薬
- 骨の絶対量の減少を生じているが骨の質的な変化を伴わない状態をいう。
- 骨はたえず吸収、形成されているものであり、したがって吸収率と形成率に差を生じ骨形成が負の平衡となれば骨粗鬆が起こる。
概念
- 骨量の減少(≒骨密度の減少)と骨組織の微細構造の破錠(骨質の劣化)により骨強度が低下して、骨折をきたしやすくなった疾患
定義
- WHO(1994)、骨量測定法,女性の骨粗鬆症:若年健常女性の平均骨量値から2.5SD以上減少したもの ⇔ 骨量減少:2.5<T-score<-1
- 日本:骨量が30%以上減少したもの
リスクファクター
- YN.D-156
- ガイドライン2
- 高齢、既存骨折(リスク1.9-4倍)、喫煙(リスク1.3-1.8倍)、飲酒(1日2単位以上でリスク1.2-1.7倍)、ステロイド使用(1日5mg以上の経口摂取でリスク2-4倍)、骨折家族歴(親の骨折でリスク1.2-2.3倍)、運動不足(大腿頚部骨折リスク1.3-1.7倍)、易転倒性
- 以下のリスクファクターを有する65歳未満か、65歳以上の女性は骨量測定によるスクリーニングの対象となる。
- 高齢、低体重、骨折既往、骨粗鬆症による骨折の家族歴、白人・アジア人、アルコール(1日2杯以上)、カフェイン、喫煙、運動不足、カルシウム不足、ビタミンD不足、骨粗鬆症を起こす薬剤
原因による分類
内分泌性
栄養性
- 壊血病
- その他(蛋白質欠乏、ビタミンA過剰、ビタミンD過剰)
- 別ソース
遺伝性
薬物性
- 別ソース
不動性
- 全身性:長期臥床、宇宙飛行、対麻痺
- 局所性:骨折後
先天性
その他
- 別ソース
小児の骨粗鬆症
- Dent CE:Osteoporosis in childhood.Postgrad Med J 53:450-456,1977
男性の骨粗鬆症
原因
- 多:クッシング症候群、アルコール多飲、ステロイド使用(5mg, 3ヶ月以上)、性腺機能低下、カルシウム摂取量減少、ビタミンD欠乏、喫煙、家族の中で骨折しやすい人がいる、男性ホルモン異常
- 希:BMI<20, 運動不足、抗てんかん薬、甲状腺中毒症、副甲状腺機能亢進、慢性肝障害、慢性腎障害、吸収不良症候群、高カルシウム血症、リウマチ、脊椎関節炎、糖尿病、多発性骨髄腫、HIV、臓器移植、免疫抑制剤
病理
検査
-
- 躯幹骨DXA、末梢骨DXA、RA/MD、QUSなどで測定可能
- 椎体DXAと大腿近位部DXAの両方を評価することが望ましい。できなければ橈骨DXAで代替する。
- 椎体の骨折/変形、退行性変化、骨粗鬆症に類維持した疾患(腰背部痛、円背や低骨量を呈する疾患)の鑑別に必要
治療
薬物治療
薬物治療開始基準
- ガイドライン2
- 1. 脆弱性既存骨折有り
- 2. 脆弱性既存骨折無し
- 1) 骨密度が若年成人平均値の70%未満
- 2) 骨密度が若年成人平均値の70-80%で、かつ閉経後女性/50歳以上男性であって、次のいずれかを有する。
- a) 過度のアルコール摂取:1日2単位以上
- b) 現在の喫煙
- c) 大腿骨頚部骨折の家族歴
治療開始のトリガー
- 別ソース
- 骨粗鬆症による大腿骨骨折、椎骨骨折の既往
- Tスコアが-2.5以下
- Tスコアが-1~-2.5 FRAX
- FRAXにて10年後の大腿骨折リスクが3%、主要な骨粗鬆症性骨折リスクが15-20%を超えるなら治療。
腎機能障害がある場合の治療の選択肢
- https://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/150359-1-15.pdf
慎重投与となっており、禁忌ではないから
肝臓や腎臓で代謝されないから
検診
スクリーニング
- USPSTF
- 65歳以上の女性、64歳以下で骨折リスクが高い女性(脆弱骨折の既往、ステロイド内服など)
- 男性ではエビデンスがない
スクリーニング間隔
- DEXA:1.0~-1.5→15年
- DEXA:-1.5~-2.0→5年
- DEXA:-2.0~-2.5→1年
ガイドライン
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0046/1/0046_G0000129_GL.html
- 2. <amazon mode="text" text="骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2006年版) ダイジェスト版">4897752329</amazon>
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参考
- http://www.richbone.com/kotsusoshosho/basic_shindan/tonyo.htm
[★]
- 英
- pyrexia
- 同
- 熱 fever, thermogenesis
- 関
- 熱型、≠高体温(体温調節機構の破綻による)、不明熱
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
概念
分類
- 微熱:37.5℃以上 37.0~37.9℃(YN.)
- 発熱:38.0℃以上
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
- 37.1~38.0℃:微熱
- 38.1~38.5℃:軽度発熱
- 38.6~39.0℃:中等度発熱
- 39.1℃~:高熱
小児
病態生理
- 発熱サイトカイン(IL-1, TNF)が視床下部に作用してPGE2の産生を亢進し、PGE2により体温調節中枢を司る細胞内のcAMP濃度が上昇することでの体温セットポイントがあがる。
熱源の精査
- 咽頭、肺、胆道系、泌尿器系、皮膚・軟部組織(蜂窩織炎、褥瘡)
疾患と発熱
膠原病と発熱
発熱40℃(PMID 8107744)
発熱の後に関節炎(PMID 8107744)
原因不明の熱の鑑別
- 感染症
- 腫瘍
- 膠原病
- 薬剤熱 → 比較的元気、比較的徐脈、比較的CRP
- 体温1℃上昇に付き心拍数20上がる。これ以上の上昇が見られる場合、敗血症を疑う。 ← 1℃に付き10上がるという資料もあり(比較的徐脈)
発熱を伴う内科的緊急疾患
- 内科レジデントの鉄則 第2版 p.6
院内における発熱の鑑別疾患
- 感染性 :肺、泌尿器、褥瘡、クロストリジウム・ディフィシル感染症、カテーテル関連感染症
- 非感染性:薬剤熱、偽痛風、深部静脈血栓症
小児科における発熱の原因
年齢
|
原因
|
乳児(生後3ヶ月未満)
|
敗血症、細菌性髄膜炎、尿路感染症、肺炎、B群溶連菌感染、グラム陰性桿菌
|
乳児(生後3ヶ月以降)
|
ウィルス感染(突発性発疹などの発疹性疾患)、中耳炎、尿路感染症、消化器・呼吸器疾患、川崎病
|
幼児、学童期
|
溶連菌感染症、伝染性単核球症、膠原病、factitious fever(詐病)、学校での感染症の流行
|
- 乳児における中耳炎、尿路感染症は症状が発熱であることが多く原因が追及しづらい。鼓膜を観察したり、尿の培養をすることが重要かもしれない。
小児における発熱
- SPE.63
新生児・乳児における発熱
see also step beyond resident 2 救急で必ず出会う疾患編 p.20
- 3ヶ月未満は免疫力が弱く重症細菌感染症にかかりやすい。
- 生後 :対処
- 0-1ヶ月 :入院。血液検査・各種培養検査を。
- 2-3ヶ月 :外来で小児科医が診察し、血液検査で細菌感染が疑われれば入院
- 4-6ヶ月 :外来で小児科医が診察し、発熱以外に所見がなければ、十分な水分摂取を指示し、翌日再診を。
- 6ヶ月以降:食欲・機嫌がよければ、翌日再診を。
漢方医学
[show details]
- 臨床医の漢方治療指針より
|
実熱
|
虚熱
|
発病
|
急速に発病
|
緩徐に発病
|
症状
|
悪寒、高熱 顔面紅潮 苦痛あり、四肢運動多 声大きく明瞭 口渇強い 便秘 色調濃い尿
|
軽度悪寒、熱覚 顔面蒼白 苦痛少なく、静かに臥床 声小さい 口渇少ない 軟便、下痢 薄い色調の尿
|
脈
|
早く大きく、緊張
|
小さく早く、緊張なし
|
舌苔
|
厚くて乾燥、白~黄~褐色
|
薄くて白い、無苔、鏡面舌
|
その他
|
頭痛、関節痛、無汗~発汗
|
倦怠感、眩暈感、盗汗
|
実熱
|
麻黄湯
|
悪寒、発熱、頭痛、関節痛
|
葛根湯
|
悪寒、発熱、頭痛、肩背部のこり
|
小柴胡湯
|
午後からの発熱、食欲不振、口の苦み
|
柴胡桂枝湯
|
詳細孤島の症状、関節痛、腹痛
|
大柴胡湯
|
胆嚢炎、便秘
|
柴陥湯
|
詳細孤島の症状、咳嗽、胸痛
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黄芩湯
|
発熱、腹痛、下痢
|
虚熱
|
桂枝湯
|
発熱、軽度の頭痛、発汗
|
桂麻各半湯
|
発熱、発疹
|
参蘇飲
|
発熱、食欲不振、咳嗽、あつがる
|
柴胡桂枝乾姜湯
|
微熱、上半身の自汗、盗汗、食欲不振、背部の冷汗
|
竹じょ温胆湯
|
発熱、咳嗽、不眠
|
補中益気湯
|
微熱、倦怠感、食欲不振、盗汗
|
滋陰降火湯
|
微熱、下半身の脱力感、盗汗、咳嗽
|
滋陰至宝湯
|
微熱、倦怠感、食欲不振、精神不安定状態
|
真武湯
|
陰病、微熱、食欲不振、倦怠感、いつも寝ている
|
麻黄細辛附子湯
|
陰病、微熱、寒がる
|
[★]
- 英
- aortic stenosis, AS, aortic valve stenosis
- 同
- 大動脈狭窄症、大動脈弁狭窄
- 関
- 大動脈弁、先天性大動脈弁狭窄症
病因
- 二尖弁:高齢者で石灰化を来し、ASの症状が出現する。
- 閉鎖型:まれ。
- 感染症 :溶連菌感染によるリウマチ熱(現在では稀となっている)、感染性心内膜症
- 血管疾患:動脈硬化に続発 → 最も多い、らしい
重症度の区分
- ガイドライン1
|
軽度
|
中等度
|
高度
|
連続波ドプラ法による最高血流速度(m/s)
|
<3.0
|
3.0 -4.0
|
≧4.0
|
簡易ベルヌイ式による収縮期平均圧較差(mmHg)
|
<25
|
25 -40
|
≧40
|
弁口面積(cm2)
|
>1.5
|
1.0 -1.5
|
≦1.0
|
弁口面積係数(cm2/m2)
|
-
|
-
|
<0.6
|
- pocket medicine
ステージ
|
症状
|
重症度
|
Max Jet Vel (m/s)
|
Mean Grad (mmHg)
|
AVA (cm2)
|
LVEF
|
0
|
なし
|
正常
|
1
|
0
|
3~4
|
正常
|
A
|
リスクあり
|
<2
|
<10
|
3~4
|
正常
|
B
|
軽度
|
2-2.9
|
<20
|
>1.5
|
正常
|
中等度
|
3-3.9
|
20-39
|
1~1.5
|
正常
|
C1
|
重度
|
≧4
|
≧40
|
≦1
|
正常
|
最重度
|
≧5
|
≧60
|
≦0.8
|
正常
|
C2
|
重度+EF低下
|
≧4
|
≧40
|
≦1
|
低下
|
D1
|
あり
|
重度
|
≧4
|
≧40
|
≦1
|
正常
|
D2
|
重度+左室拍出量低下+EF低下
|
<4
|
<40
|
≦1
|
低下
|
D3
|
重度+左室拍出量低下+EF正常
|
<4
|
<40
|
≦1
|
正常
|
身体所見
- 奇異性分裂(A弁の狭窄により大動脈側の押し戻す圧力(back pressure)が上がるのに時間がかかり、A2音のdelayとなる)。収縮期雑音が両頚部で聴取される。
- 往復雑音 to-and-fro murmur:拡張期の逆流性雑音に加え、一回拍出量の増加による相対的大動脈弁狭窄による収縮期雑音を聴取。
症状
検査
- ガイドライン1
- 表21 大動脈弁狭窄症の治療方針を判断する上での診断的手法の実施
- クラスⅠ
- 1 心電図検査
- 2 胸部X線写真、心エコー・ドプラ法
[show details]
ガイドライン
- 1. 弁膜疾患の非薬物治療に関するガイドライン(2007年改訂版)
参考
- 1. [charged] 成人における大動脈弁狭窄症の臨床像とその評価 - uptodate [1]
- 2. [charged] 成人における大動脈弁狭窄症の自然歴 - uptodate [2]
国試
[★]
- MS
- 英
- mitral stenosis, MS, mitral valve stenosis
- 関
- 僧帽弁狭窄、弁膜症
- distolic murmur at mitral area.
- opening snap at mitral area
疫学
- 女性に多い。男女比1:3。
- 50%が20歳代。20-40歳に多い。
- 既往にリウマチ熱がある事が多い。
病因
- 先天的な僧帽弁尖の狭窄
- 高齢者の前尖の石灰化
- 心内膜炎で弁尖に疣贅ができて弁口を閉塞
- 僧帽弁の弁口:MSでは2cm^2、健常人では4-6cm^2
病態
- 拡張期に左心房の血液を左室に駆出する抵抗が大きくなり、左心房に圧負荷がかかる!!
- 心房細動の合併で重症化する。
合併症
感染性心内膜炎:僧帽弁閉鎖不全症は感染性心内膜炎を来しやすい疾患であると認識してよいが,僧帽弁狭窄症の感染性心内膜炎は比較的少ない。よって僧帽弁狭窄症をハイリスクとすべきかどうかは議論が分かれる。(ガイドライン1より抜粋)
検査
- I音の亢進
- 僧帽弁開放音 (open snap)
- 心尖部拡張中期雑音:低音(low-pitched)、ランブル(rumbling)
- 前収縮期雑音:(洞調律の時に聴取され、心房細動では消失)
- 重症例 → グラハム・スティール雑音(肺高血圧を来した場合にPRを来し、拡張期に2-3LSBで聴取される。
- 経胸心エコー:
- 経食道心エコー:左房内血栓の描出に適する。
治療
- NYHA I度、かつ軽度僧帽弁狭窄症
- NYHA II度以上、かつ中等度以上僧帽弁狭窄症
手術療法の適応
- ガイドライン2
- 次の1.~2.が適応を判断するのに重要である。ガイドライン2ではOMC, MVRの推奨基準やNYHA別のフローチャートが示されている。
- 1. PTMCはNYHA II度以上の臨床症状出現 ← 僧帽弁弁口面積≦1.5cm2で左房から左室への血液流入障害が生じる。弁口面積≦1.0cm2では安静時にも左室への血液流入が障害されると肺うっ血・肺高血圧、心房細動が固定化、TRによる右心不全もきたす。
- 2. 心房臓細動の出現
- 3. 血栓塞栓症状の出現
- QB. C-444
- PTMCはNYHA II度以上、OMC,MVRはNYHA III度以上
- 弁口面積1.5cm2以下で臨床症状を有する
- NYHA I度であっても塞栓の既往や左房内血栓が疑われる場合 ← 経食道エコーで確認
- 左房平均圧15mmHg以上
- 出典不明
- 症状と治療法の選択
- 無症状例:保存的療法。心不全と血栓を予防。
- 症状有り:経皮経静脈的僧帽弁交連裂開術、僧帽弁置換術
ガイドライン
- 1. 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2003_miyatake_h.pdf
- 2. 弁膜疾患の非薬物治療に関するガイドライン(2007年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2007_matsuda_h.pdf
国試
[★]
- 同
- acute rheumatic fever, ARF
- 英
- acute rheumatism
- 関
- リウマチ熱
[★]
- 英
- heat、hot、 fever(→発熱)
- 関
- アイソトープ、加温、発情、発情期、放射性、加熱、熱い、熱感、ホット
[★]
- 英
- horse、Equus caballus、domestic horse、equine、(aj,Latin)(ラテン語形容詞)equi
- 関
- シマウマ、ロバ、ウマ科、ラバ
[★]
- 英
- rheumatism
- ラ
- rheumatismus
- 同
- ロイマチス rheumatiz、リウマチ性疾患 rheumatic disease