- 英
- GnRH anonist
- 同
- (国試)GnRHアナログ GnRH analogue
GnRHアゴニスト
概念
- GnRH受容体アゴニスト。下垂体のGnRH受容体のダウンレギュレーションを狙って用いられる。GnRHよりGnRHに対する結合力が強く、継続的に使用することでGnRH受容体がダウンレギュレーションをうけてゴナドトロピンの分泌が抑制される。適応としては前立腺癌、閉経前乳癌治療、子宮内膜症治療である。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 子宮内膜症あるいは子宮筋腫のGnRHアゴニスト製剤による治療時における加味帰脾湯の更年期症状に対する効果 (特集 女性の医療と漢方--これだけは知っておきたい漢方の知識)
- 子宮内膜症薬物治療の変遷と将来展望 (特集 最新情報からみた子宮内膜症とその対策)
- P1-33-9 子宮腺筋症患者におけるGnRHアゴニスト療法とヘムオキシゲナーゼ(HO)の発現についての検討(Group67 子宮内膜症・基礎,一般演題,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 岩原 由樹,永井 亜希子,石川 智則,原田 竜也,吉木 尚之,久保田 俊郎
- 日本産科婦人科學會雜誌 63(2), 681, 2011-02-01
- NAID 110008509465
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- GnRHとは脳下垂体を刺激する性腺刺激ホルモン放出ホルモンのこと、アゴニスト あるいはアナログはそれと同じ作用をする物質、 ... 本来GnRHアゴニストは下垂体に 性腺刺激ホルモンを放出させるものですが、連続使用で刺激を与え続けていると下垂体 の ...
- 順天堂大学医学部附属順天堂医院産婦人科. GnRH アゴニストを投与される患者さま へ. 1. GnRH アゴニストとは、脳下垂体に働いて卵巣を刺激するホルモンの分泌を下げ. て卵巣の働きを抑えるお薬です。GnRH. ∼. アゴニストはアミノ酸が9 10 個結合した ...
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[★]
- 次の文を読み、10~12の問いに答えよ。
- 35歳の1回経産婦。挙児希望で来院した。
- 現病歴 : 月経周期は不規則である。最近100日間の基礎体温表を以下に示す。
- 既往歴 : 27歳時、妊娠40週で正常分娩した。他に特記すべきことはない。
- 現症 : 身長154cm、体重48kg。
- 検査所見 : 血液所見と血清生化学所見とに特記すべきことはない。バルーンカテーテルを用いた子宮卵管造影と初診後の基礎体温表とを以下に示す。
- 初診後の経過 : 月経5日目から5日間治療薬Xを経口服用し、診察A、B及びCで卵胞の発育を確認した。診察Cで卵胞径が20mmとなったので、治療薬Yを筋肉注射した。診察Dで妊娠反応が陽性を示し、診察Eにおける経膣超音波検査で胎嚢は写真に示す通りであり、各々の胎嚢内に胎児心拍動を確認した。
[正答]
※国試ナビ4※ [098C009]←[国試_098]→[098C011]
[★]
- 28歳の女性。月経異常と不妊とを主訴に来院した。初経は12歳で、月経周期は45~60日と不順であった。身長158cm、体重68kg。両側下肢に多毛を認める。内診で子宮は正常大。経腹超音波検査で両側の卵巣に直径10mm前後の小卵胞を多数認める。基礎体温は低温一相性。クロミフェンで排卵が認められない。血液生化学所見:LH15.8mIU/ml(基準1.8~7.6)、FSH6.8mIU/ml(基準5.2~14.4)、プロラクチン12.2ng/ml(基準15以下)、FT32.8pg/ml(基準2.5~4.5)、FT4 1.3ng/dl(基準0.8~2.2)、エストラジオール70pg/ml(基準25~75)、テストステロン52ng/dl(基準10~60)。子宮卵管造影と夫の精液検査とに異常を認めない。
- 治療薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102I041]←[国試_102]→[102I043]
[★]
- 26歳の女性。未経妊。過多月経を主訴に来院した。半年前から月経量は極めて多く、凝血塊の排出も自覚していた。1か月前の健康診断で著明な貧血を指摘された。身長 158 cm、体重 48 kg。尿所見: 蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 312万、Hb 6.8 g/dl、 Ht 24%、白血球 5,800。子宮頸部細胞診はクラスII、子宮内膜細胞診は陰性。腟鏡診では、外子宮口から突出する暗赤色の腫瘍を認める。内診で子宮は正常大で可動性良好。骨盤部単純MRIのT2強調矢状断像を以下に示す。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I042]←[国試_103]→[103I044]
[★]
- 32歳の女性。未経妊。月経痛を主訴に来院した。月経周期は29日型、整。5年前から毎月、月経痛に対し鎮痛薬を服用していた。6か月前から下腹部痛が強くなり仕事や家事に差し支えるようになった。2か月前から持続的な腰痛も出現するようになったため受診した。将来の挙児を希望している。内診で子宮は正常で、有痛性で腫大した両側付属器を触れる。Douglas窩に有痛性の硬結を触知する。経腟超音波検査で両側卵巣にチョコレート嚢胞(右は径3cm、左は径2cm)を認める。
- 治療として適切なのはどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D059]←[国試_109]→[109E001]
[★]
- 29歳の女性。不妊と月経不順とを主訴に来院.した。身長152cm、体重65kg、内診で子宮は正常大である。経腟超音波検査で両側卵巣は軽度に腰大している。基礎体温は一相性で、黄体ホルモン剤投与で消退出血を認める。血中ホルモン所見:LH 12.4mIU/ml(基準1.8-7.6)、FSH 7.2mlU/ml(基準5.2-14.4)、テストステロン 100ng/dl(基準30-90)、エストラジオール 60pg/ml(基準25-75)。
- まず行うべき対応で適切なのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [105A055]←[国試_105]→[105A057]
[★]
- 53歳の女性。のぼせ、著明な発汗および不眠を主訴に来院した。既往歴に特記すべきことはない。52歳で閉経して以来、のぼせと著明な発汗とが出現し、1か月前からこの症状に加えて、イライラ、不眠および全身倦怠感が強くなり、仕事をするのも嫌になっている。近医を受診し、漢方薬や向精神薬を処方されたが改善していない。
- ホルモン療法として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I056]←[国試_103]→[103I058]
[★]
- 30歳の女性。下腹部痛を主訴に来院した。
- 無排卵による不妊症のため12日前からゴナドトロピン療法を受け、基礎体温は4日前から高温相となっている。3日前から下腹部痛と腹部膨満とを認め、昨日から尿量が減っていることに気付いた。
- 血液所見:赤血球550万、Hb17.0g/dl、Ht52%、白血球8,800、血小板42万。入院後直ちに輸液を開始した。左右卵巣の経膣超音波写真を以下に示す。
- 次に投与する薬剤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098I027]←[国試_098]→[098I029]
[★]
- 32歳の女性。未経妊。不正性器出血を主訴に来院した。挙児希望があるため、子宮に癌がないかと心配している。 1年前から月経周期は40-45日型で不整、月経痛も自覚している。子宮頚がん検診は26歳から毎年受けているが、異常は指摘されていない。身長152cm、体重66kg。血圧144/92mmHg。内診で子宮は正常大で可動性良好。経腟超音波検査で子宮内膜厚は12mmでやや肥厚している。
- 現時点で最も適切な対応はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D027]←[国試_105]→[105D029]
[★]
- 48歳の女性。2回経妊2回経産婦。月経痛を主訴に来院した。5年前から子宮筋腫を指摘されている。最近、月経時の下腹部痛が強くなったため受診した。月経周期は26日型、整。持続10日間。血液所見:赤血球 340万、Hb 6.0g/dL、Ht 26%、白血球 4,200、血小板 33万。骨盤部MRIのT2強調矢状断像(別冊No. 19)を別に示す。子宮摘出手術を行うこととした。
- それまでの管理として投与すべきでないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I057]←[国試_109]→[109I059]
[★]
- 52歳の女性。6か月前からの発汗と不眠とを主訴に来院した。血圧128/62mmHg。血清生化学所見:総コレステロール190mg/dlトリグリセライド110mg/dl(基準50~130)。LH48mIU/ml (基準2.1~7.0)、FSH94mIU/ml (基準4.4~8.6)、プロラクチン7.4ng/ml(基準15.0以下)、free T4 1.2 ng/dl (基準0.8~2.2)、エストラジオール10pg/ml以下(基準25~75)。適切な治療はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096D040]←[国試_096]→[096D042]
[★]
- 40歳の女性。以前から過多月経があり、人間ドックで小球性低色素性貧血を指摘され来院した。便潜血反応陰性。子宮頸部細胞診クラスII。骨盤部単純MRIのT2強調矢状断像を以下に示す。
- 薬物療法として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102D059]←[国試_102]→[102E001]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [109I024]←[国試_109]→[109I026]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096G103]←[国試_096]→[096G105]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096G020]←[国試_096]→[096G022]
[★]
- 英
- uterine myoma, hysteromyoma, myoma of the uterus
- ラ
- myomacorporis uteri, myoma uteri
- 同
- 子宮線維筋腫 fibromyoma of uterus
- 関
概念
疫学
- 30-40歳の女性。
- 20%の婦人に認められる (NGY.209)
病理
- 筋腫内は血行障害があるために充血しており、硝子化、嚢胞化、石灰化、脂肪変性、壊死などの変性を来す。
(G9M.128)
症状
- NGY.211
- 無症状が50% ← 多くの女性は腫瘤を触知するまで無症状
- 1. 月経過多
- 2. 不正性器出血:有茎性粘膜下筋腫の場合に多い。
- 3. 圧迫症状:腫瘤による骨盤内臓の圧迫や充血による
- 4. 疼痛:月経困難症、腫瘤圧迫痛、牽引痛、有茎筋腫捻転痛
- 5. 不妊:筋腫患者の不妊率は一般女性の3-4倍
- 6. 筋腫合併妊娠では早流産をきたしやすい。
- 7. 筋腫変性による諸症状:肉様変性・赤色変性による急性の疼痛を来す。疼痛には軽度の発熱、子宮の圧痛、白血球の増多、腹膜刺激徴候を伴う事がある。(参考3)
- 参考1
自覚症状
|
例数(全92例中の%)
|
腹痛・腰痛・腹部緊満
|
53(57.6)
|
巨大腫瘤・腫瘤増大
|
39(42.4)
|
性器出血
|
27(29.3)
|
筋腫による流産既往
|
3(3.3)
|
多発筋腫で胎嚢変形
|
3(3.3)
|
筋腫変性による疼痛反復
|
2(2.2)
|
水腎症
|
1(1.1)
|
計
|
128
|
子宮筋腫と子宮腺筋症の共通点・類似点
- 過多月経、月経痛(月経困難症)、不正性器出血をみとめる。
- 子宮筋腫は40歳に最多、子宮腺筋症は20歳代から始まり、30-40歳代に最多。
合併症
検査
画像診断
- 筋腫内の血流乏しく、T1強調画像はやや低信号・T2強調画像は低信号 (G9M.131)
- T1強調画像:
- 境界明瞭な低信号領域。flow void signが認められる ← 子宮筋腫の周りには血管が豊富なため
- 内部に変性があれば高信号が散在する
- 子宮は(高信号)子宮内膜>子宮筋層>(低信号)junctional zoneで、子宮筋腫はjunctional zoneと同程度の信号強度、らしい(NGY.97)
比較
子宮筋腫
|
30歳代の女性で過多月経をきたし、内診で硬く腫大した子宮を触れ、超音波で子宮体部に充実性の腫瘤を認める。MRI T2では境界明瞭な低信号を認め、JZは保たれる。
|
子宮腺筋症
|
過多月経をきたし、内診ではびまん性に腫大した弾性の子宮を触知。エコーでは子宮筋層の肥厚。MRI T2では境界不明瞭な低信号域(筋層)の中に半流動性の出血を反映する点状の高信号を認め、JZは不明瞭化する。
|
子宮体癌
|
中年~高齢女性。子宮内膜(高信号)の増殖、肥厚が見られる。境界明瞭な腫瘤ではない。MRI T2ではJZが断裂している。
|
子宮頚癌
|
子宮体部は腫大しない。
|
治療
- 超手拳大以上の大きさ、疼痛、圧迫症状、出血が多いことによる強い貧血などの症状がなければ定期診断のみで経過を見る。
1. 手術療法
2. 薬物療法
- 2. ダナゾール(抗ゴナドトロピン作用(FSH,LHの分泌を抑制)) → すたれつつある
- 下垂体ゴナドトロピン分泌抑制と卵巣直接作用でエストロゲン分泌を抑制する
- 4ヶ月までしか使えない
|
子宮筋腫
|
子宮腺筋症
|
T2強調画像
|
低信号
|
境界
|
明瞭
|
不明瞭
|
変性
|
さまざまな高信号
|
-
|
異所性内膜
|
-
|
点状高信号
|
flow void sign
|
+
|
-
|
参考
- 1. クリニカルカンファレンス(一般診療・その他);5.婦人科腫瘍合併妊婦の取り扱い 1)子宮筋腫 - 日産婦誌59巻9号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/59/5909-545.pdf
- 2. 研修コーナー E.婦人科疾患の診断・治療・管理 7.婦人科感染症 5)性感染症 8.腫瘍と類腫瘍 3)子宮の腫瘍・類腫瘍 子宮筋腫 子宮腺筋症 子宮肉腫 4)卵巣の腫瘍・類腫瘍 悪性卵巣腫瘍 悪性腫瘍 - 日産婦誌61巻5号
- http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/kenshu_61-5.pdf
- 3. [charged] Epidemiology, clinical manifestations, diagnosis, and natural history of uterine leiomyomas (fibroids) - uptodate [1]
[★]
- 英
- clomiphene, clomifene
- 化
- クエン酸クロミフェン クロミフェンクエン酸塩 clomifene citrate clomifeni citras
- 同
- クロラミフェン chloramiphene
- 商
- クロミッド、セロフェン、スパクロミン
- 関
- エンクロミフェン、エストロゲン。クロミフェン療法
作用機序
- 弱いエストロゲン作用と中程度の抗エストロゲン作用を有しており、視床下部のエストロゲン受容体に競合的に結合して(ネガティブフィードバックを解除することで?。単なる競合阻害薬として作用するのであろう)、ゴナドトロピン放出ホルモン、ゴナドトロピンの分泌を促す。
- ⇔ GnRHアゴニスト(GnRH受容体アゴニスト。下垂体のGnRH受容体のダウンレギュレーションを狙って用いられる。これによりゴナドトロピンの分泌が抑制される。)
薬理作用
適応
排卵誘発
- 投与方法:月経第5日から5日間
- 排卵率:70-80%
- 1-5の卵胞が成熟卵胞となる ⇔ hMG刺激では数個から十数個の卵胞が成熟卵胞となる。
禁忌
重要な基本的注意
- 参考1
- (1) 投与前少なくとも1ヵ月間及び治療期間中は基礎体温を必ず記録させ,排卵誘発の有無を観察すること。
- (2) 無月経患者においては投与前にgestagen testを行い,消退性出血開始日を第1日として5日目に,また投与前に自然出血(無排卵周期症)があった場合はその5日目に投与を開始すること。
- (3) 投与後基礎体温が高温相に移行した場合は,投与を中止し,必ず妊娠成立の有無を確認すること。
副作用
- 頚管粘液低下、子宮内膜発育不良(抗エストロゲン作用に基づく)
- 参考1
- 卵巣過剰刺激(≧5%。下腹部痛等の卵巣腫大症状)、虚血性視神経症(≧5%)、霧視等の視覚症状(>0.1-5%未満)、過敏症(≧5%。発疹等)、精神変調(≧5%)、頭痛・情動不安等(0.1-5%未満)、肝臓酵素異常(≧5%。AST上昇,ALT上昇,ビリルビン上昇,γ-GTP上昇)、肝機能低下(<0.1%。5%以上のBSP排泄遅延)、悪心・嘔吐・食欲不振等(<0.1-5%)、顔面潮紅・尿量増加・口渇・疲労感(<0.1-5%)
臨床関連
参考
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2499009F1080_1_03/2499009F1080_1_03
[★]
- 英
- buserelin
- 化
- 酢酸ブセレリン buserelin acetate
- 商
- イトレリン、スプレキュア、フセット、ブセレキュア
- 関
- GnRHアゴニスト
- その他のホルモン剤
- LH-RH作動薬;前立腺癌および閉経前乳癌治療;子宮内膜症治療
[★]
- 英
- nafarelin
- 化
- 酢酸ナファレリン nafarelin acetate
- 商
- ナサニール、ナファレリール、Synarel
- 関
- GnRHアゴニスト
- ゴナドトロピン放出ホルモン誘導体;子宮内膜症治療薬
[★]
- 英
- agonist
- 同
- 作用薬、作動薬
- 関
-作動薬
-agonist
[★]
性腺刺激ホルモン放出ホルモン