- 英
- arachidonic acid, arachidonate
- 同
- 5,8,11,14-エイコサテトラエン酸 5,8,11,14-eicosatetraenoic acid、5,8,11,14-イコサテトラエン酸 5,8,11,14-icosatetraenoic acid
- 関
- 脂肪酸、必須脂肪酸
- 炭素数が20で二重結合を4つ有する
- CH3(CH2)4(CH=CHCH2)4(CH2)2COOH
- リノール酸から合成される
- アラキドン酸は細胞膜の中にホスファチジルイノシトールのC2エステルまたは他のリン脂質のエステルとして蓄えられる (FB.159)
- ホスホリパーゼA2の作用でアラキドン酸として遊離
機能
- ロイコトリエンやプロスタグランジンの前駆体
- prostanoid: cyclooxygenase pathway
- leukotriene:lipoxygenase pathway
- epoxide:cytochrome P-450 epoxygenase pathway
代謝
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/11/20 15:00:04」(JST)
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アラキドン酸 |
|
一般情報 |
IUPAC名 |
(5Z,8Z,11Z,14Z)-イコサ-5,8,11,14-テトラエン酸 |
分子式 |
C20H32O2 |
分子量 |
304.5 g/mol |
形状 |
|
CAS登録番号 |
[506-32-1] |
性質 |
密度と相 |
0.922 g/cm3, |
融点 |
-49 °C |
アラキドン酸(アラキドンさん、Arachidonic acid)は、不飽和脂肪酸のひとつ。4つの二重結合を含む20個の炭素鎖からなるカルボン酸で、ω-6脂肪酸に分類される(20:4, n-6 と略される)。
細胞膜中のリン脂質(特にホスファチジルエタノールアミン・ホスファチジルクロリン・ホスファチジルイノシトール)として存在し、なかでも脳に多く含まれる。 アラキドン酸はホスホリパーゼA2によってリン脂質から遊離し、ここから プロスタグランジン・トロンボキサン・ロイコトリエンなど、一連のエイコサノイドがつくられ、また細胞間のシグナル伝達におけるセカンドメッセンジャーとして働く。これらの生合成過程や体内での作用はアラキドン酸カスケードと呼ばれる。
アラキドン酸はほとんどの哺乳類にとって必須脂肪酸であると考えられている。アラキドン酸はリノール酸を原料として体内で合成されるが、種によってはこの機能が十分でないため必要な量を生産することができないか、あるいは全く生産する機能を持たない。アラキドン酸は植物にはほとんど含まれないため、自ら十分な量を生産できない動物(ネコなど)は他の動物の捕食によって摂取する必要がある。主に肉、卵、魚、母乳などに含まれており、欧米など諸外国では乳児用調製乳にも添加されている。
外部リンク
- アラキドン酸 - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
脂肪:主な脂肪酸 |
|
飽和脂肪酸
(「*」印は揮発性)
|
C1 蟻酸* - C2 酢酸* - C3 プロピオン酸* - C4 酪酸* - C5 吉草酸 - C6 カプロン酸 - C7 エナント酸 - C8 カプリル酸 - C9 ペラルゴン酸 - C10 カプリン酸 - C12 ラウリン酸 - C14 ミリスチン酸 - C15 ペンタデシル酸 - C16 パルミチン酸 - C17 マルガリン酸 - C18 ステアリン酸 - C19 ツベルクロステアリン酸 - C20 アラキジン酸 - C22 ベヘン酸 - C24 リグノセリン酸
|
|
不飽和脂肪酸
|
ω-3脂肪酸
|
α-リノレン酸 - ステアリドン酸 - エイコサペンタエン酸 - ドコサペンタエン酸 - ドコサヘキサエン酸
|
|
ω-6脂肪酸
|
リノール酸 - γ-リノレン酸 - ジホモ-γ-リノレン酸 - アラキドン酸 - ドコサペンタエン酸
|
|
ω-9脂肪酸
|
オレイン酸 - エライジン酸 - エルカ酸 - ネルボン酸
|
|
|
主要な生体物質
ペプチド - アミノ酸 - 核酸 - 炭水化物 - 脂肪酸 - テルペノイド - カロテノイド
テトラピロール - 補因子 - ステロイド - フラボノイド - アルカロイド - ポリケチド - 配糖体 |
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 「アラキドン酸」による食品の美味しさ向上効果 : 油脂とその加熱生成成分が味覚に及ぼす影響
- 高度不飽和脂肪酸が脳機能に及ぼす効果とそのメカニズム
- 榊原 学
- 東海大学紀要. 開発工学部 20, 95-104, 2011-03-31
- … 細胞膜を構成する主要な成分である,高度不飽和脂肪酸は構造の違いからn-3,n-6 系に分類され,ドコサヘキサエン酸,アラキドン酸はそれぞれの代表的な脂肪酸である.近年,青身魚の油が血液凝固を防いだり,脳の発達に良いということで健康食品として注目を集めている.高度不飽和脂肪酸は必須脂肪酸ともいわれ,我々はほとんど体内で合成することができないため,食品として必要量を摂取しなければならないが,高齢化に伴 …
- NAID 110008146979
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- 2月3日(日)東京大学にてWikimedia Conference Japan 2013を開催します。参加者・ スタッフ募集中! アラキドン酸. 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』. 移動: 案内、 検索. アラキドン酸. アラキドン酸の構造. 一般情報. IUPAC名, (5Z,8Z,11Z ...
- 食の医学館 アラキドン酸の用語解説 - アラキドン酸は、体内で合成できない必須 脂肪酸の1つで、食べものから摂取する必要があります。植物油に多く含まれている リノール酸から合成されるn-6系列の不飽和脂肪酸です。おもに、神経、免疫、生殖など の機能を ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- glucocorticoid (Z), glucocorticoids
- 関
- グルココルチコイド
- 関
- 副腎皮質、副腎皮質ホルモン
- 以下、内的に合成される糖質コルチコイドについて述べる
種類
分類
性状
産生組織
標的組織
生理作用
1. エネルギー代謝
- 糖新生においてグルコースの前駆体となるアミノ酸を肝臓に供給すべく動員する作用 (SP.894)
a. 糖代謝作用
- 糖新生の亢進
- 血糖上昇
- 肝細胞以外のグルコースの取り込みを抑制 (SP.894) ← 末梢でインスリンの作用に拮抗
- グルコース-6-ホスファターゼの活性亢進 (SP.894)
- グリコーゲンの合成亢進
- 血糖値の上昇に伴い、肝臓などでグルコースからグリコーゲンが作られる (SP.894)
b. タンパク質代謝作用
- 肝臓での糖新生の基質を末梢から供給する作用
- 肝細胞以外でのアミノ酸取り込み阻害 (SP.894)
- 特定のアミノ酸合成を阻害 (SP.894)
- 生理的範囲:(肝臓)同化作用が起こる、(肝臓以外)異化作用が起こる
- ステロイド大量投与時:ほとんど異化作用が起こる→副作用につながる
c. 脂質代謝作用
- 脂肪細胞に対して、インスリンの拮抗作用を持つが、一方で糖質コルチコイドにより血糖値が上昇する
-
- 脂肪細胞に対してグルコースの取り込みを抑制し、中性脂肪の生合成を抑制し、さらに大量の遊離脂肪酸とグリセロールを放出させる。肝臓でグリセロールからグルコースが合成される。 (SP.894)
- 血糖値の上昇によりインスリンが分泌され、脂肪細胞で脂肪の合成が促進される (SP.894)
- (1)、(2)のいずれの反応が起こるかは体の部位によって異なり、脂肪分布の変化が生じる。
- 中心性肥満、満月様顔貌、バッファローハンプ
2. 電解質代謝作用
- 糖質コルチコイドの電解質コルチコイド様作用。
- Na+再吸収↑、K+排泄↑
- コルチゾールの電解質作用はアルドステロンの約1/400
- コルチゾールの量 はアルドステロンの約 200倍
- ゆえに、電解質コルチコイドの1/2の作用力を持つ
3. 水代謝作用
- GFR↑、ADHに拮抗、細胞内への水移動の抑制→水利尿作用を有する。 尿崩症 + 副腎不全 → 多尿がいくらか改善されると考えて良いと思われる。仮面尿崩症
4. 骨・軟骨に対する作用
- a. ビタミンDと拮抗して腸管からのCa吸収阻害 (SP.894)
- b. 腎尿細管におけるCa再吸収阻害 (SP.894)
- c. 骨芽細胞の分化・増殖を抑制 (SP.894)
- 糖質コルチコイドの大量投与→軟骨↓骨成長↓(活性型ビタミンD3に拮抗・尿細管Ca再吸収↓→PTH↑、骨芽細胞の分化抑制、タンパク質の異化作用↑)→骨粗鬆症、骨壊死 or 骨端線閉鎖を促進(←?要調査)
- b.の機序で尿に排泄されるカルシウムが増加 → 高カルシウム尿症 → 尿路結石
5. 抗炎症作用
- 胸腺やリンパ組織を萎縮させる → 炎症反応や免疫反応を抑制
- リンパ球数の減少、白血球の遊走抑制、抗体産生低下、ヒスタミン放出抑制(局所の毛細血管拡張抑制) (SP.894)
- 末梢好中球数は増加する(YN.F-78) → 白血球増多症
SPC.330
- a) 核内受容体を介してlipocortinを発現させ、これがphospholipase A2を阻害する。これにより、アラキドン酸の産生が抑制され、炎症を促進するロイコトリエンの産生も抑制される。
- b) 末梢血Tリンパ球、単球、好酸球、好塩基球:骨髄からの放出減少と再分配(?)のため末梢血中では減少する。
- c) 末梢血好中球:炎症部位への集合が抑制され(血管外への遊走が抑制される(GOO.1600))、末梢血中では増加する。
- d) Bリンパ球はヘルパーT細胞が抑制されるために抗体産生能が減少する。
- e) リンパ球などの細胞表面の立体構造を換えて抗体や補体の結合を抑制する。
- f) 毛細血管(毛細管)の収縮により、血管の透過性は低下する。
6. 循環器
- カテコールアミン・アンジオテンシンIIによる血管収縮作用の許容作用 → 糖質コルチコイドなしではその作用を十分に及ぼし得ない
- 欠乏症では血管のカテコールアミン・アンジオテンシンIIに対する感受性低下
7. 中枢神経系
8. 成長発達
- 胎児期の消化酵素・リン脂質(肺胞表面の張力に関与)の合成に関与 (SP.895)
- 小児期で骨や熱強訴域に直接作用して身長の伸びを抑制する (SP.895)
作用機序
免疫抑制(GOO. 657,674,1600)
- 糖質コルチコイドはリポコルチンを産生→リポコルチンはホスホリパーゼA2の活性を修飾→アラキドン酸産生↓
分泌調節
- 1. 概日リズム
- 2. フィードバック制御
- 3. ストレス反応
臨床関連
用量
- Low-to-moderate doses — Doses of 1 mg/kg per day of prednisone in children or 40 mg per day in adults may be considered an approximate threshold at which significant toxicities begin to appear with extended use in most individuals.
副作用
- 副腎皮質ホルモン剤
- Patients receiving a glucocorticoid dose equivalent to ≥20 mg of prednisone daily for one month or longer who also have another cause of immunocompromise (eg, certain hematologic malignancies or a second immunosuppressive drug)
- https://www.uptodate.com/contents/treatment-and-prevention-of-pneumocystis-pneumonia-in-hiv-uninfected-patients?
- 0.5mg/kg以上のプレドニゾロン(PSL)を3週間以上投与され、かつST予防投与されていない間質性肺炎74例中7例(9.5%)でPCPを発症(榎本達治,他.ステロイド療法中の間質性肺炎患者に発症したニューモシスチス肺炎の臨床的検討.日呼吸会誌 2005: 43: 725-30)
[★]
- 英
- fatty acid, fatty acids
- 同
- 脂酸
脂肪酸の酸化 FB.383-389
- アシルCoAはミトコンドリア内膜を通過できないので、カルニチンにアシル基を転移してもらい、ミトコンドリア内膜でアシルCoAに戻される。
- 不飽和脂肪酸の酸化
- β酸化(偶数炭素脂肪酸(C-C2n-CO-ScoA)@ミトコンドリア
- 奇数炭素脂肪酸(C2n-CO-ScoA))@ミトコンドリア
- β酸化@ペルオキシソーム:鎖長C22以上の長い脂肪酸は拡散でペルオキシソームに移動して酸化される。
- 脂肪酸の融点:炭素鎖が長い方が分子間の相互作用が多く、強固に配列できる。不飽和結合が少なければ立体的に障害が少なく強固に配列できる → 炭素数が長く、飽和度が低いほど融点が高い。0
参考
[★]
- 英
- leukotriene, LT
- 関
- アラキドン酸、5-リポキシゲナーゼ
合成
- 白血球遊走
- 気管支平滑筋収縮、細動脈収縮、血管透過性亢進
構造
種類
[★]
- 英
- prostaglandin, PG
- 関
- プロスタグランジン受容体、アラキドン酸カスケード
種類
プロスタグランジンの腎臓における作用
- PRE.43
- AHDは腎臓の様々な細胞・組織(ヘンレループ太い上行脚、集合管、腎髄質の間質、糸球体メサンギウム)でプロスタグランジンの産生を誘導する。ここで産生されたプロスタグランジンはADHの小売り様作用と血管に対する作用の両方を阻害する。抗利尿作用はADHによりGi,Gqを介したcAMP産生の抑制による。プロスタグランジンは局所に作用しADHが過剰に働かないように振る舞う。
- → NSAIDと腎障害の関係 NSAID腎症
[★]
- 英
- phosphatidylcholine PC PtdCho
- 同
- レシチン lecithin, 1,2-ジアシルグリセロホスホコリン sn-1,2-diacylglycerophosphocholine
- 関
- コリン、グリセロリン脂質。L/S比
- 図:FB.154
- グリセロリン脂質の一種で、リン酸を介してコリンが結合している
構造
胎児の肺サーファクタント
[★]
- 英
- arachidonate 15-lipoxygenase
- 関
- 15-リポキシゲナーゼ
[★]
- 英
- arachidonate
- 関
- アラキドン酸
[★]
- 英
- arachidonic acid cyclooxygenase
[★]
- 英
- arachidonate lipoxygenase
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義