- 英
- scarring、scar、cicatrix
- ラ
- cicatrix
- 関
- 傷跡
WordNet
- mark with a scar; "The skin disease scarred his face permanently" (同)mark, pock, pit
- a mark left (usually on the skin) by the healing of injured tissue (同)cicatrix, cicatrice
PrepTutorEJDIC
- (皮膚の)『傷跡』;(物の表面の)傷跡 / 心の傷跡,痛手;(名誉などを傷つける)汚点 / (植物の茎などに残る)葉印,葉痕(ようこん) / …‘に'傷跡を残す / 〈傷などが〉傷跡を残す《+『over』》
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/09/04 13:47:48」(JST)
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瘢痕(はんこん、scar)とは、潰瘍、創傷、梗塞による壊死などによって生じた、様々な器官の組織欠損が、肉芽組織の形成を経て、最終的に緻密な膠原線維や結合組織に置き換わる事で修復された状態。英語のscarという言葉はギリシア語のschara(暖炉の意)に由来する。あばたとも言う。
皮膚の瘢痕には、いわゆる傷跡(成熟瘢痕)から、赤く盛り上がる異常な瘢痕(肥厚性瘢痕)や、肥厚性瘢痕が正常皮膚にも広がっていく瘢痕(ケロイド)、さらに引きつれたもの(瘢痕拘縮)などの状態がある。瘢痕の形成過程を瘢痕化あるいは器質化と呼ぶ。
目次
- 1 瘢痕の性質
- 2 異常瘢痕
- 3 治療
- 4 関連項目
- 5 参考文献
- 6 外部リンク
|
瘢痕の性質
- 熱傷や創傷治癒でできた瘢痕は、脂腺や汗腺がないので、元々の組織の正常の皮膚より機能的に劣る。表面がつるりとして、やや光沢がある。また、関節の近くにあり瘢痕拘縮すれば、運動障害をきたす。また瘢痕は種々の変形の原因となる。機能的異常があれば、手術の適応になる。
- 下部に骨などがある、頭部など摩擦しやすい四肢末梢の切断端などには、瘢痕が形成されて数十年後など長期間後、瘢痕癌の形成の可能性もある。
- 皮膚以外の瘢痕に心筋梗塞の組織がある。同部の収縮力は正常の心筋より劣る。
異常瘢痕
- コラーゲン異常産生により、肥厚性瘢痕とケロイドができる。肥厚性瘢痕は盛り上がった塊であり、ケロイドは元々の創部を越して形成されたより高度の瘢痕である。肥厚性瘢痕は当初は紅斑があるが、時期がたてば正常色になる。ケロイドは腫瘍性に盛り上がり放置しても治癒傾向はない。底部に胸骨がある前胸部とか、周辺から引きつられる肩部とか、ピアスをいれた耳などに好発する。創傷治癒の力の関係で、好発部位がある。痒みがある場合もある。
- ニキビの跡が瘢痕になる場合もある。天然痘の跡も深く沈んだ凹型の瘢痕となる。自覚症状がなければ放置してもいいが、患者が希望すれば治療の対象になる。
治療
- 形成外科手術の後、しばらくテープ圧迫するのは瘢痕形成を予防するためである。新しい瘢痕には圧迫する種々の方法で (pressure garments) 瘢痕形成を抑える。副腎皮質ホルモンの局所注射は、瘢痕を平坦化させるが、量が多いと逆に凹形の萎縮を作る。
- 瘢痕を削る治療法 (Dermabrasion) や、レーザーなどもあるが専門医で行う必要がある。
- 肥厚性瘢痕の場合手術も行われるが、十分その後の瘢痕再発の対策が必要である。ケロイドは手術すると通常増悪する。
- 凹部の瘢痕にコラーゲン注射をする治療法もある。
関連項目
- 肥厚性瘢痕
- 創傷治癒 - 傷の治るメカニズム
- 拘縮 - 引きつれ
- 瘢痕収縮 (cicatricial contraction)
- 瘢痕性牽引
- 瘢痕性狭窄
- 膠性瘢痕
参考文献
- 日本獣医病理学会編集『動物病理学総論 第2版』文永堂出版 2001年 ISBN 4-8300-3183-2
外部リンク
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 河島 秀昭,樫山 基矢,関川 小百合,鹿野 哲
- 日本大腸肛門病学会雑誌 64(4), 230-234, 2011-04-01
- … に閉塞しており腹腔鏡下手術を行った.手術所見は癒着はなく回盲部に一致して単発の輪状狭窄を認め回盲部切除を行った.切除標本では回盲弁上に輪状潰瘍と高度の瘢痕狭窄を認め,口側に浅い地図状の潰瘍が存在していた.病理組織検査では,NSAIDs潰瘍を示唆する所見を認めた.経過良好で退院し,その後再発の徴候はない.自験例のような高度の瘢痕狭窄を来すNSAIDs潰瘍はまれと考えられた. …
- NAID 10028113225
- P2-33-4 子宮内膜症による瘢痕化におけるphosphatidylinositol 3 kinase-Akt pathwayの関与(Group135 子宮内膜症・基礎・その他,一般演題,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 阿部 若菜,奈須 家栄,川野 由紀枝,津野 晃寿,河野 康志,楢原 久司
- 日本産科婦人科學會雜誌 63(2), 904, 2011-02-01
- NAID 110008510133
Related Links
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- 肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)とは、外傷後に、創面を修復しようと出来た線維組織が 過剰に産生され、いわゆるミミズバレ状の傷跡(瘢痕)が、長期にわたり残存する状態を さす。 経過は以下。 創面をふさごうと血液が凝固する。(24時間以内に表皮細胞結合) ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- ☆case33 頭痛と混乱
- ■glossary
- accompany
- vt.
- (人)と同行する、(人)に随行する。(もの)に付随する。~と同時に起こる。~に加える(添える、同封する)(with)
- slurred n. 不明瞭
- 強直間代痙攣 tonic-clonic convulsion
- 意識消失とともに全身の随意筋に強直痙攣が生じ(強直痙攣期tonic convulsion)、次いで全身の筋の強直と弛緩とが律動的に繰り返される時期(間代痙攣期clonic convulsion)を経て、発作後もうろう状態を呈する一連の発作。
- ■症例
- 28歳、女性 黒人 南アフリカ 手術室看護師 ロンドン住在
- 主訴:頭痛と混乱
- 現病歴:過去3週間で頭痛が続いており、ひどくなってきた。現在も頭痛が持続しており、頭全体が痛い。友人曰く「過去六ヶ月で体重が10kg減っていて、最近、混乱してきたようだ」。発話は不明瞭。救急室にいる間に強直間代痙攣を起こした。
- ・診察 examination
- やせている。55kg。38.5℃。口腔カンジダ症(oral candidiasis)。リンパ節腫脹無し。心血管、呼吸器系、消化器系正常。痙攣前における神経検査では時間、場所、人の見当識無し。神経局所症状無し(no focal neurological sign)。眼底両側に乳頭浮腫有り。
- ・検査 investigation
- 血算:白血球増多
- 血液生化学:ナトリウム低下
- CT:供覧
- ■キーワード&着目するポイント
- ・口腔カンジダ症(oral candidiasis)
- ・頭痛、精神症状、強直間代痙攣
- ・眼底両側に乳頭浮腫
- ・CT所見
- ・低ナトリウム血症は二次的なもの
- ■アプローチ
- ・口腔カンジダ症(oral candidiasis) → 細胞免疫低下状態(DM、免疫抑制、AIDSなど) or 常在細菌叢の攪乱(長期の抗菌薬の使用)
- ・The occurrence of thrush in a young, otherwise healthy-appearing person should prompt an investigation for underlying HIV infection.(HIM.1254)
- ・More commonly, thrush is seen as a nonspecific manifestation of severe debilitating illness.(HIM.1254)
- ・精神症状、強直間代痙攣 → 一次的、あるいは二次的な脳の疾患がありそう
- ・頭痛 → 漠然としていて絞れないが、他の症状からして機能性頭痛ではなく症候性頭痛っぽい。
- ・眼底両側に乳頭浮腫 → 脳圧亢進の徴候 → 原因は・・・脳腫瘍、ことにテント下腫瘍と側頭葉の腫瘍、クモ膜下出血、脳水腫など、そのほか、眼窩内病変、低眼圧などの局所的要因、悪性高血圧、血液疾患、大量出血、肺気腫などの全身的要因 (vindicate本のp342も参考になる)
- ・頭痛と脳圧亢進 → 頭蓋内圧占拠性病変、脳炎(IMD.274)
- ・CT所見 → ringformの病変、脳浮腫、脳圧亢進
- ・低ナトリウム血症 → 脳ヘルニアに続発して起こることがあるらしい。実際には下垂体にトキソプラズマによる病変が形成されることにより起こりうる。
- ・そのほか出身地、体重減少もHIVを疑わせる点
- パターン認識でHIV + 精神症状 + てんかん発作(強直間代痙攣) + 脳圧亢進 + CT所見 = 一番ありそうなのはToxoplasma gondiiによるトキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis (トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis)
- ■Toxoplasma gondii
- 原虫 胞子原虫類
- (感染予防学 080521のプリント、CASES p,92、HIM p.1305-)
- ・疫学:西洋では30-80%の成人がトキソプラズマの感染の既往がある・・・うぇ(CASES)。日本では10%前後(Wikipedia)。
- ・生活環
- ・終宿主:ネコ:ネコの小腸上皮細胞で有性・無性生殖 糞便にオーシストの排泄
- ・中間宿主:ヒト.ブタを含むほ乳類と鳥類:無性生殖で増殖、シストの形成
- 急性期の増殖盛んな急増虫体tachyzoiteとシスト内の緩増虫体bradyzoite
- ・病原、病因 phathogenesis
- ・緩増虫体(bradyzoite)、接合子嚢(oocyst)
- ・感染経路
- 1. オーシストの経口摂取
- 2. 中間宿主の生肉中のシストの経口摂取
- 3. 初感染妊婦からの経胎盤感染。既感染なら胎盤感染しないらしい(HIM.1306)
- (4)移植臓器、輸血。確率は低い(at low rate)(HIM.1306)
- ・病態
- 1. 先天性トキソプラズマ症 congenital toxoplasmosis
- ①網脈絡膜炎、 ②水頭症、 ③脳内石灰化、 ④精神・運動障害
- 2. 後天性トキソプラズマ症 acquired toxoplasmosis
- (1) 健常者
- ・多くは不顕性感染。発熱、リンパ節腫脹、皮疹(rash)
- ・(少数例)筋肉痛、暈疼痛、腹痛、斑状丘疹状皮疹(maculopapular rash)、脳脊髄炎、混乱(HIM.1308)
- ・(まれ)肺炎、心筋炎、脳症、心膜炎、多発筋炎
- ・網膜、脈絡叢に瘢痕や、脳に小さい炎症性の病変を残すことあり(CASES)。
- ・急性感染の症状は数週間で消失 筋肉や中枢神経系に緩増虫体が残存
- (2)HIV感染者、臓器移植例、がん化学療法例
- シスト内緩増虫体→急増虫体→播種性の多臓器感染
- AIDSでは、トキソプラズマ性脳炎が指標疾患 AIDS-defineing illness(CASES)
- ・治療
- (日本)アセチルスピラマイシン、ファンシダール(感染予防学 080521)
- ■トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis、トキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis
- ・症状
- 発熱、頭痛、混乱m、痙攣、認知の障害、局所神経徴候(不全片麻痺、歯垢、脳神経損傷、視野欠損、感覚喪失)(CASES)
- ・画像検査
- (CT,MRI)多発性、両側性、ring-enhancing lesion、特に灰白質-白質境界、大脳基底核、脳幹、小脳が冒されやすい(CASES)
- ・鑑別診断(臨床症状・画像診断の所見で)
- リンパ腫、結核、転移性脳腫瘍(CASES)
- ・病歴と画像所見からの鑑別診断
- リンパ腫、結核、転移性腫瘍
- ?
- このCTがcerebral toxoplasmosisに特徴的かは不明
- □最後に残る疑問
- AIDSでWBC(leukocyte)の数はどうなるんだろう???AIDSの初診患者ではWBCが低い人が多いらしいし()、HIVはCD4+ T cellとmacrophageに感染して殺すから、これによってB cellは減るだろうし、CD8+ T cellも若干減少するだろうからWBCは減るんじゃないか?!好中球はAIDSとは関係ない?好中球は他の感染症に反応性に増加している?ちなみに、好酸球は寄生虫(原虫)の感染のために増える傾向にあるらしい(HIMのどこか)。
- スルファジアジン
- sulfadiazine
- ピリメタミン
- pyrimethamine
- 葉酸拮抗剤である。
- サルファ剤と併用され、抗トキソプラズマ薬、抗ニューモシチス・カリニ薬として相乗的に働く。
- ST合剤
- SMX-TMP
- スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤 sulfamethoxazole and trimethoprim mixture
- □AIDSの定義(http://en.wikipedia.org/wiki/CDC_Classification_System_for_HIV_Infection_in_Adults_and_Adolescents)
- A CD4+ T-cell count below 200 cells/μl (or a CD4+ T-cell percentage of total lymphocytes of less than 14%).
- or he/she has one of the following defining illnesses:
-
- 01. Candidiasis of bronchi, trachea, or lungs
- 02. Candidiasis esophageal
- 03. Cervical cancer (invasive)
- 04. Coccidioidomycosis, disseminated or extrapulmonary
- 05. Cryptococcosis, extrapulmonary
- 06. Cryptosporidiosis, chronic intestinal for longer than 1 month
- 07. Cytomegalovirus disease (other than liver, spleen or lymph nodes)
- 08. Encephalopathy (HIV-related)
- 09. Herpes simplex: chronic ulcer(s) (for more than 1 month); or bronchitis, pneumonitis, or esophagitis
- 10. Histoplasmosis, disseminated or extrapulmonary
- 11. Isosporiasis, chronic intestinal (for more than 1 month)
- 12. Kaposi's sarcoma
- 13. Lymphoma Burkitt's, immunoblastic or primary brain
- 14. Mycobacterium avium complex
- 15. Mycobacterium, other species, disseminated or extrapulmonary
- 16. Pneumocystis carinii pneumonia
- 17. Pneumonia (recurrent)
- 18. Progressive multifocal leukoencephalopathy
- 19. Salmonella septicemia (recurrent)
- 20. Toxoplasmosis of the brain
- 21. Tuberculosis
- 22. Wasting syndrome due to HIV
- People who are not infected with HIV may also develop these conditions; this does not mean they have AIDS. However, when an individual presents laboratory evidence against HIV infection, a diagnosis of AIDS is ruled out unless the patient has not:
-
- AND
- □AIDSのステージング
- ■参考文献
- HIM = Harrison's Principles of Internal Medicine 17th Edition
- CASES = 100 Cases in Clinical Medicine Second edition
- IMD = 内科診断学第2版
[★]
- attend
- vt.
- ~に出席/参列する、(学校に)行く(go toより堅い語)
- The normal ECG and chest X-ray when he attended hospital after an episode do not rule out an intermittent conduction problem.
- (結果として)~に伴う
- ~に同行/同伴する、付き添う、仕える。往診する。~の世話をする、~に気をつける、見張る
- vi.
- 出席/参列/出勤する(at)
- 留意/注目/傾聴する(to)。身を入れる、勢力を注ぐ、心を傾注する(to)。世話をする、気を配る(to)
- 仕える、付きそう(on)。(危険・困難などが)伴う(on)
- productive
- outflow
- obstruction
-
- the clinical picture suggests obstruction to outflow from the stomach.(この臨床像は胃流出障害を示唆している)
- obstruction to outflow
- 流出障害
-
- the clinical picture suggests obstruction to outflow from the stomach.(この臨床像は胃流出障害を示唆している)
- aqueous outflow from the eye (眼球からの房水流出)
- retain
- re + tent (tineo=teneo) = to hold back
- 保持する、保有する、保留する、持ち続ける、維持する。(使用のために)確保しておく
- (ある場所に)保つ、保持する。(熱などを)保っている、失わないでいる
- 忘れないでいる、覚えている
- (弁護士・気腫・召使いなどを)雇っておく、抱える
- 使用/実行し続ける。(廃止しないで)そのままにしておく
- palliation
- n.
- 寛解、緩和
- volvulus
- 腸捻転
- bezoar
- 胃石
- malrotation
- 腸回転異常
- intussusception
- 腸重積
- succussion
- n.
- 強く揺り動かすこと、強く揺れること
- splash
- n.
- はね返し、はねかけ。はねかす音。
- どっと流れる水。
- □unit
- 1 unit = 10 ml of ethanol
- □350ml アルコール5%
- 350x0.05/10=1.75 unit
- http://pohwa.adam.ne.jp/you/hobby/ryori/sake2.html
- 1unitの量が国によって違う。純エタノール換算で、1英unitは8g=10ml(英糖尿病協会採用の数値)、1米unitは15g(20ml弱:1drinkとも)で、日本では10~14g程度(代謝熱量80Kcalが基準:食品成分表5訂版,2002)や20ないし23g(日本酒1合分)を1unitとしている。日本の医学界では1unit=20g(体積に換算すると25ml)を採用することが多いので、ここでもそれに従う。この基準(1unit=20g=25ml)で計算すると、40度のウィスキー1ショット(=1オンス:英液量オンスで28.41ml、米液量オンスで29.57ml、日本の1ショットで30ml)が約0.5unitとなる。5度のビールなら500mlでだいたい1unit(この、日本酒1合≒ウィスキーダブル≒ビール500cc≒1unitという関係は、覚えておくと便利かもしれない:ワインなどは日本酒に準じるので、1本750mlがだいたい4unit強である)。
- 主訴:体重減少
- (主訴にまつわる症状)
- ・4ヶ月で10kg減少、食欲の減少、嘔吐(頻度:次第に増えてきている。嘔吐物と量:何時間も前に食べたものを多量に嘔吐する)
- (主訴以外の症状)
- ・一ヶ月前から脱力感(部位:特に下肢で著しい(丘に登ったり、階段を上ったりするとき))
- 嗜好歴:喫煙 20/day、飲酒 10units/week (ビール 6本弱)
- 家族歴:なし
- 既往歴:高血圧(2年間β遮断薬で治療、4ヶ月前に服薬中止)
- 身体所見 examination
- バイタル:82/分、血圧 148/86 mmHg
- 全身:やせ、体調が悪そう(unwell)。
- 呼吸器、心血管系に異常なし
- 腹部:腫瘤触知せず、圧痛なし、振盪音/振水音を認める
- 検査所見 investigations
- 低値:ナトリウム、カリウム、クロライド、尿素
- 高値:重炭酸
- Q
- 1. これらの所見の説明は?
- 2. もっともな診断は?
- A
- ★
- 胃流出路の閉塞 = 食後の嘔吐 + 胃の振水音
- 高BUN + 低CRE → 脱水
- 低Na,Cl,H+ → 嘔吐
- HClの喪失 → 代謝性アルカローシス
- H:細胞内→外
- K:細胞外→内
- 従って、低カリウム血症 → 筋力低下・脱力
- ★
- 胃流出路の閉塞の原因:胃癌とか胃潰瘍による瘢痕
- 診断には上部消化管内視鏡・生検(組織診)、その後にCT(局所浸潤、転移巣検索)
- 治療法:腫瘍だったら腹腔鏡による腫瘍の摘出術。その他の場合は手術をしたり、薬物療法をしたり、、、
- 学習ポイント
- ・嘔吐・嘔気 nausea and vomiting DIF.321, vomitus DIF.449 IMD.351
- 解剖で考えよう。縦に解剖、横に病因
- 鼻咽頭 扁桃、外来異物
- 食道 アカラシア、逆流性食道炎、食道癌 ・・・嚥下困難があるはず
- 胃 胃炎、消化性潰瘍、胃癌、幽門部の病変(ポリープ、癌、潰瘍;胃の出口を閉塞させる)。子供だったら幽門狭窄症
- 十二指腸:潰瘍、十二指腸炎、Billroth II法による輸出脚の閉塞、Billroth I/II法によるダンピング症候群。胆汁性胃炎も原因となる。
- 小腸:小腸閉塞(腸重積、腸回転異常症、胃石症、癌腫、限局性回腸炎)
- 結腸:潰瘍性大腸炎、アメーバ症、腫瘍男。腸間膜動脈血栓症、
- 消化管全体:Strongyloides, Ascaris, Taenia solium
- ・β遮断薬の服用中止で何が起こる?
- 狭心症や発作性の高血圧。
- なんでやめたんだろう? → 副作用:(1%程度に)めまい、全身倦怠感、頭痛、徐脈が出現
- ・振盪音
- 腹水や胃内容物の貯留によって聴取される。
- ・BUN高値、Cre低値
- suggest a degree of dehydration
・BUN
- ==検査値の異常 (異常値の出るメカニズム第5版 p.144)==
- ===BUN上昇===
[★]
- 96
- 35歳 女性
- 【主訴】息切れ
- 【現病歴】6ヶ月から次第に増悪する息切れを訴え来院。息切れは進行しており、今では同年代の人に比べ階段を登ったり平地を歩くのがおそい。3ヶ月間空咳が出現してきている。
- 【既往歴】喘息(子供の頃、中等度)
- 【家族歴】父:40歳時に胸部疾患(chest problem)で死亡(と、この患者は思いこんでいる)。
- 【服用薬】パラセタモール。やせ薬は過去に使ったことがある
- 【嗜好歴】タバコ:吸わない。飲酒:週に10 units以下。
- 【職業歴】印刷会社(学校卒業後ずっと)
- 【生活歴】8歳と10歳の子供がいる。ペットとして自宅にネコとウサギを飼育している。
- 【身体所見】
- バチ指、貧血、チアノーゼは認めない。心血管系正常。呼吸器系で、両側性に肺拡張能低下。胸部打診音、および触覚振盪音は正常。聴診上、両肺の肺底部に呼気終期年発音を聴取する。
- 【検査所見】
- 呼吸機能試験
- 測定値 予測値
- FEV1(L) 3.0 3.6-4.2
- FVC(L) 3.6 4.5-5.3
- FER(FEV1/FVC)(%) 83 75-80
- PEF(L/min) 470 450-550
- 胸部単純X線写真
- 胸部単純CT(肺野条件)
- Q1 診断は?Q2 追加の検査と治療法
- (解説)
- ・6ヶ月から次第に増悪する息切れ
- ・本当に6ヶ月から息切れが始まったかは分からない!!実際にはもっと前から存在する可能性を考えよう。
- ・喘息の既往歴 → また喘息か・・・
- ・聴診上笛音 weezingなく、また呼吸機能検査で閉塞性肺障害は認められず否定的
- ・職業性喘息 ← 肺の疾患では職業歴が重要なんだよ、うん。
- ・職業に関連した特定の物質に曝露され引き起こされる気管支喘息。
- ・気管支喘息だと閉塞性換気障害でしょっ。
- ・本症例の病態
- ・拘束性病変(restrictive problem):拡張制限 + ラ音(呼気時に閉鎖していた気道の再開通によるラ音。このラ音は(1)肺が硬い+(2)肺容量低下による起こるんじゃ)
- ・呼吸機能検査の結果
- ・中等度の拘束性換気障害(FEV1とFVCの低下、slightly high ratio)
- → 硬い肺と胸郭を示唆している → 肺コンプライアンス低下じゃな。
- → 拡散能低下が予想される。
- ・胸部単純X線写真
- ・小さい肺野、中肺野~下肺野にかけて結節性網状陰影(nodular and reticular shadowing)を認める ← 教科書的には「線状網状影」
- ・HRCT
- ・胸膜下嚢胞形成(subspleural cyst formationの直訳。教科書的には「胸膜直下の蜂巣肺所見」)を伴う線維化
- これらの所見→diffusing pulmonary fibrosis(fibrosing alveolitis)
- ・肺の線維化病変を見たら限局性かびまん性かを見なさい!マジで?
- ・びまん性:diffuse fine pulmonary fibrosis
- ・原因:膠原病、薬剤性、中毒性、特発性
- ・限局性:例えば肺炎感染後の瘢痕
- ・IPF
- ・まれに家族性の病型有 → 本症例で父がchest problemで無くなっている事と関連があるかもしらん。
- ・IPFの良くある病型:UIP + CT上胸膜下に認められる蜂巣肺
- ・膠原病に合併する場合、NSIPの様に広い範囲に斑状の病変が出現
- ・CT上、ground glass shadowingに見える所はactive cellular alveolitisであり、反応に反応する確率が高いことと関連している。
- ・追加の検査の目的:原因と合併症の検索、肺生検施行の有無を決定
- ・肺生検:経気管支鏡生検は試料が少ないために負荷。VATは良く使用されており、若年の肺組織を得るのに適切な方法。
- ・治療
- ・低用量~中等量の副腎皮質ステロイド ± 免疫抑制薬(アザチオプリン):数ヶ月経過観察し、反応性を観察。
- ・UIP症例でこのレジメンに対する反応性は乏しく、治療による利益より重大な副作用を起こさないことが重要
- ・アセチルシステイン:anti-oxidant
- ・予後を改善するというエビデンス有り
- ・ステロイド+アザチオプリン+アセチルシステインというレジメンで用いられることがある
- ・肺移植
- ・本症例の様にナウでヤングな患者には適応を考慮しても良い
- ・予後
- ・疾患の進展速度は症例により様々
- ・6ヶ月で死亡する急性増悪も起こることがある。
- Progression rates are variable and an acute aggressive form with death in 6 months can occur.
- ・UIP症例では多くの場合2~3年かけて確実に進行していく。
- ■glossary
- clubbing n. バチ指
- restrictive ventilatory defect 拘束性換気障害
- transfer factor = 拡散能/拡散能力 diffusion capacity
- subpleural bleb 胸膜下嚢胞
- diffuse fine pulmonary fibrosis びまん性微細肺線維症
- warrant vt. (正式)(SVO/doing)S(事)からするとO(事)は「~することは」当然のことである(justify)
- relevant adj. 直接的に関連する、関連性のある(to)
- ground glass すりガラス
- 'ground glass' shadowingすりガラス陰影
[★]
- 英
- granulation tissue
- 関
- 肉芽形成
- 基本構成細胞:血管、筋線維芽細胞、炎症細胞間質は浮腫状でcollagenに乏しい。
- 損傷を受けた組織では、一連の炎症が起こる。すなわち初期に好中球が遊走し異物の排除に関わり、次いでマクロファージが浸潤してくる。3-5日目までには肉芽組織が出現する。ピンクで柔らかくでこぼこした組織である。肉芽組織では線維芽細胞の増生、毛細血管新生が粗な細胞外マトリクス中にみられる。肉芽組織に次第に結合組織が蓄積し、ついには瘢痕を形成する。瘢痕は再建されるかもしれない。 (BPT.70)
- 健康肉芽:鮮紅色、出血しやすい、分泌物少ない。 → 毛細血管が豊富に存在し、感染が存在しないことを示唆???
- 病的肉芽:蒼白~鮮紅色、出血しにくい、分泌物多い。
[★]
- 英
- secondary eruption
- 関
- 発疹、原発疹
[★]
- 英
- hypertrophic scar、hypertrophic cicatrix
- 関
- ケロイド
-
-
- 外傷後に出現する創面をを超えない隆起性の紅褐色病変。
- 数年以内に自然縮小する。
参考
- http://www.dermis.net/dermisroot/en/34811/image.htm
- http://dermnetnz.org/common/image.php?path=/dermal-infiltrative/img/hypertrophic-scar5.jpg
- http://dermnetnz.org/common/image.php?path=/dermal-infiltrative/img/hypertrophic-scar1.jpg
- http://dermnetnz.org/common/image.php?path=/dermal-infiltrative/img/hypertrophic-scar3.jpg
[★]
- 英
- scar sarcoidosis
- 同
- 瘢痕浸潤 scar infiltration
- 関
- サルコイドーシス
[★]
- 英
- cicatricial pemphigoid
- 同
- 良性粘膜類天疱瘡 benign mucous pemphigoid
[★]
- 英
- esophageal stricture due to fibrosis