- 不完全な拡張:ateles(imperfect) + ektasis(expansion)
- 英
- atelectasis
- 同
- 肺拡張不全 pulmonary atelectasis
- 関
- [[]]
概念
- 何らかの原因により肺胞虚脱をきたした病態
- 胸部単純X写真上では肺における空気の減少により透過性の低下した像が認められる。
診断
- 打診:含気の消失による濁音。
- 胸部単純X線写真:無気肺をきたしている肺葉、肺区域の同定:肺胞内含気の低下(透過性低下、均等影)、葉間裂の移動、横隔膜の上昇、縦隔の偏位
- 気管支鏡検査:原因探索
WordNet
- a function expressed as a sum or product of terms; "the expansion of (a+b)^2 is a^2 + 2ab + b^2"
- the act of increasing (something) in size or volume or quantity or scope (同)enlargement
- adding information or detail (同)expanding upon
- a discussion that provides additional information (同)enlargement, elaboration
- not perfect; defective or inadequate; "had only an imperfect understanding of his responsibilities"; "imperfect mortals"; "drainage here is imperfect"
PrepTutorEJDIC
- 〈U〉『拡大』,『拡張』;展開 / 〈C〉拡大(拡張)されたもの / 〈U〉〈C〉(数字で)展開[式]
- 『完全でない』,欠陥のある / (過去時制で動詞が)未完了の / 未完了時制
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/06/03 11:40:02」(JST)
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無気肺(むきはい、英: atelectasis)は、気管支異物、腫瘍による閉塞、肺や主気管支などの呼吸器外科手術に伴う合併症として発症する呼吸器疾患。
気管支の内部に外科的処置による出血により進入した血液や、気管・気管支内にある線毛が機能しないことにより貯留した痰、誤嚥した異物、気道を閉塞する腫瘍などが原因となり、それよりも末梢の肺に空気が入っていないため、肺の一部が虚脱した状態にある。
放置しておくと肺炎なども引き起こすため、早期の治療が必要となってくる。痰による場合、強い咳嗽によって排痰などを促していくようにするが、排出できない場合には吸引を行い強制的に排出する。
また、線毛運動を抑制するというところで、呼吸器外科手術だけでなく全身麻酔を用いた手術でも発症する可能性がある。術前にしっかりと排痰訓練をしておき、自力で排出できるように準備を整えておくようにすることで予防することが可能。
目次
- 1 急性無気肺
- 2 症状
- 3 検査
- 4 参考文献
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
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急性無気肺 [編集]
戦闘機の乗員などが超音速飛行に因って生じた強い圧力で細い気道が塞がれたために発症することがある。このような現象は加速無気肺と呼ばれ、左右の肺の大部分の肺胞が潰れる。
また、交通事故や転落などにより胸部に強い衝撃を受けた場合や爆風などの急激な圧力変化に暴露した場合にも急性無気肺を起こすことが知られている。無気肺になった直後は単に肺に空気が無いだけだが、充血を伴う場合には肺組織の破壊と瘢痕化によって慢性無気肺が起こる場合もある。
症状 [編集]
呼吸困難 頻呼吸
検査 [編集]
- 動脈血液ガス(ABG)
- 胸部レントゲン写真
- 胸部CT
参考文献 [編集]
関連項目 [編集]
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ウィキメディア・コモンズには、無気肺に関連するカテゴリがあります。 |
外部リンク [編集]
呼吸器疾患 (ICD-10 J00〜99) |
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疾患 |
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閉塞性肺疾患
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慢性閉塞性肺疾患
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気管支喘息 | 慢性気管支炎 | 肺気腫 | びまん性汎細気管支炎
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拘束性肺疾患
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特発性
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IPF | NSIP | COP | AIP | DIP | RB-ILD | LIP
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続発性
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塵肺 | 放射線肺炎 | 薬剤性肺炎
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無気肺 | 気胸 | 血胸
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形態異常
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気管支拡張症 | 肺分画症 | 肺嚢胞症
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腫瘍
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良性腫瘍
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過敏性肺臓炎 | サルコイドーシス | グッドパスチャー症候群
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非定型肺炎
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RSウイルス - インフルエンザ肺炎 - 重症急性呼吸器症候群
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ニューモシスチス肺炎 - クリプトコッカス症 - アスペルギルス症
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レジオネラ菌 - マイコプラズマ - クラミジア肺炎 - オウム病
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抗酸菌症
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機序
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市中肺炎 - 院内肺炎 - 誤嚥性肺炎
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病態
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肺胞性肺炎
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大葉性肺炎 - 気管支肺炎
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化膿性肺炎
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胸壁 |
膿胸
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症候・徴候 |
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所見・検査 |
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聴診 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 気管支鏡 | 胸腔鏡 | 血液検査
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呼吸器系の正常構造・生理 |
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気道系 |
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I型肺胞上皮細胞 | II型肺胞上皮細胞 | 杯細胞 | クララ細胞 | 気管軟骨輪
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生理学・生化学
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生理学
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肺気量 | 肺活量 | %肺活量 | 残気量 | 死腔 | 1回換気量 | 1秒率 | 肺サーファクタント | SP-A
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生化学
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PaCO2 | PaO2 | AaDO2 | FiO2 | SpO2 | 呼吸係数および酸素化係数
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血管系 |
肺循環系
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(右心室 -) 肺動脈 - 毛細血管 - 肺静脈 (- 左心房)
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気管支循環系
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(胸部大動脈 -) 気管支動脈 - 毛細血管 - 気管支静脈 (- 奇静脈/副反奇静脈)
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運動器系 |
骨格
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肋骨 | 胸骨
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呼吸筋
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横隔膜 | 内肋間筋 | 外肋間筋 | 胸鎖乳突筋 | 前斜角筋 | 中斜角筋 | 後斜角筋 | 腹直筋 | 内腹斜筋 | 外腹斜筋 | 腹横筋
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神経系 |
中枢神経系
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呼吸中枢 | 呼吸調節中枢 | 前頭葉
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末梢神経系
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横隔神経 | 肋間神経
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Japanese Journal
- 3.気管支動脈内抗癌剤注入療法により腫瘍縮小と無気肺の改善を得た進行肺癌の1例(第90回 日本呼吸器内視鏡学会近畿支部会)
- 大畑 惠資,張 吉天,伊東 真哉,吉村 誉史,寺田 泰二,松原 義人
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 34(1), 93, 2012-01-25
- NAID 110009328023
- 2.左完全無気肺で発症した肺門部肺癌に対し硬性鏡下core out及びステント留置術施行後化学放射線治療を行った1例(第90回 日本呼吸器内視鏡学会近畿支部会)
- 森田 隆平,山本 良二,高濱 誠,中嶋 隆,多田 弘人
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 34(1), 93, 2012-01-25
- NAID 110009328022
- 高度瘢痕性気管支狭窄に対する小児用Dumon stent留置術
- 羽隅 透,佐藤 伸之,斎藤 泰紀,阿部 二郎,星 史彦,川村 昌輝,田中 遼太
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 34(1), 58-63, 2012-01-25
- … 部肉芽狭窄症例.いずれもピンホール状瘢痕狭窄を呈し,バルーン拡張では開存を維持できず末梢肺は無気肺を繰り返した.2症例に対して細径気管チューブによるブジー拡張を行い,同時に同チューブをイントロデューサーとし小児用Dumon stentを留置した.ステント留置により気管支の開存は保持され無気肺は解消された.結論.細径気管チューブを用いたブジー拡張および小児用Dumon stent留置は硬性鏡使用困 …
- NAID 110009327983
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★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、66~68の問いに答えよ。
- 84歳の男性。早期胃癌の治療のため入院中である。
- 現病歴:2か月前から上腹部痛を自覚し、改善がないため受診した。上部消化管内視鏡検査で胃前庭部小彎の早期胃癌と診断された。5日前に入院し、翌日に内視鏡的粘膜下層剥離術が行われたが、同日夜に200mL程度の吐血があり、緊急で内視鏡的止血術が行われた。吐血した際には激しい咳を伴っていた。昨日から38.7℃の発熱と呼吸困難とを自覚している。
- 既往歴:60歳時に胆嚢摘出術。
- 生活歴:喫煙は60歳まで10本/日を40年間。飲酒歴はない。石綿などの粉塵吸入歴はない。
- 家族歴:父親が肺癌で死亡。母親が脳梗塞で死亡。
- 現症:意識は清明。身長 154cm、体重 41kg。体温 37.6℃。脈拍 96/分、整。血圧 112/60mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 92%(リザーバー付マスク6L/分酸素投与下)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音に異常を認めないが、両側の胸部にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体(±)、潜血(-)。血液所見:赤血球 378万、Hb 11.4g/dL、Ht 33%、白血球 16,800(桿状核好中球 8%、分葉核好中球 76%、好酸球 3%、単球 3%、リンパ球 10%)、血小板 33万。血液生化学所見:総蛋白 6.1g/dL、アルブミン 2.3g/dL、総ビリルビン 0.6mg/dL、AST 32U/L、ALT 59U/L、LD 363U/L(基準 176~353)、尿素窒素 15mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL、血糖 169mg/dL、HbA1c 6.0%(基準 4.6~6.2)、Na 135mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 99mEq/L、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP) 120pg/mL(基準 18.4以下)。免疫血清学所見:プロカルシトニン 0.20ng/mL(基準 0.05未満)、CRP 18mg/dL。尿中レジオネラ抗原陰性、尿中肺炎球菌抗原陰性。
- 動脈血ガス分析(リザーバー付マスク6L/分酸素投与下):pH 7.45、PaCO2 35Torr、PaO2 63Torr、HCO3- 25mEq/L。仰臥位のポータブル胸部エックス線写真(別冊No. 11A)及び胸部CTの水平断像(別冊No. 11B)と冠状断像(別冊No. 11C)とを別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [111G065]←[国試_111]→[111G067]
[★]
- 74歳の男性。肺癌の診断で左上葉切除とリンパ節郭清術とを行い入院中である。術後8日目に呼吸困難を訴え発熱も出現した。現在、身長 168cm、体重 63kg。体温 38.3℃。脈拍 116/分、整。血圧 106/74mmHg。呼吸数 20/分。両側の胸部でfine cracklesを聴取する。血液所見:赤血球 418万、Hb 11.4g/dL、Ht 35%、白血球 15,300(桿状核好中球 10%、分葉核好中球 70%、好酸球 2%、好塩基球 1%、単球 3%、リンパ球 14%)、血小板 13万、Dダイマー 0.8μg/mL(基準 1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白 6.2g/dL、アルブミン 2.9g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、直接ビリルビン 0.5mg/dL、AST 35IU/L、ALT 16IU/L、LD 420IU/L(基準 176~353)、ALP 127IU/L(基準 115~359)、尿素窒素 25mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL。CRP 15mg/dL。動脈血ガス分析(マスク8L/分酸素投与下):pH 7.25、PaCO2 35Torr、PaO2 84Torr、HCO3- 15mEq/L。術前の胸部エックス線写真(別冊No. 19A)と胸部CT(別冊No. 19B)及び術後8日目の胸部エックス線写真(別冊No. 19C)と胸部CT(別冊No. 19D)とを別に示す。心エコー検査で、左室壁の運動は良好であり心機能低下を認めない。
- 可能性の高い疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I058]←[国試_110]→[110I060]
[★]
- 52歳の男性。胸痛を主訴に来院した。1か月前にがん検診で胸部異常陰影を指摘された。精査したところ手術が必要と診断され、本日外来で手術説明を受け翌週手術が予定された。しかし帰宅途中に車のドアで胸を打ったときに急に右胸痛が出現し再度来院した。再来院時胸痛は右胸部全体にみられ体位と関係しない。喫煙は20本/日を12年間。意識は清明。身長158cm、体重60kg。体温37.1℃。脈拍76/分、整。血圧120/74mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(鼻カニューラ2l/分酸素投与下)。眼瞼結膜に貧血を認めない。頸静脈の怒張を認めない。心音に異常を認めないが、呼吸音は右側が減弱している。血液所見:赤血球354万、Hb 11.1g/dl、Ht 33%、白血球14,700、血小板15万。CRP 0.1mg/dl。心電図で異常を認めない。手術説明時の胸部エックス線写真(別冊No.9A)及び胸部造影CT(別冊No.9B)、胸痛で再来院した際の胸部エックス線写真(別冊No.9C)及び胸部単純CT(別冊No.9D)を別に示す。
- 胸痛の原因として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107D027]←[国試_107]→[107D029]
[★]
- 次の文を読み、28~30の問いに答えよ。
- 68歳の男性。呼吸困難を訴えて来院した。
- 現病歴 : 4年前に慢性閉塞性肺疾患の診断を受け、定期的に診察を受けている。1週前に上気道炎に罹患し、その後呼吸困難が増悪した。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴は40本/日を20歳から40年間。
- 現症 : 意識は清明。身長168cm、体重58kg。呼吸数24/分。脈拍120/分、整。血圧130/90mmHg。両側頚静脈の怒張を認める。胸部の聴診でⅡ音の亢進を認め、両肺に軽度のwheezesを聴取する。腹部では肝を右肋骨弓下に6cm触知する。下肢に浮腫を認める。神経学的所見に異常はない。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球460万、Hb 15.0g/dl、Ht44%、白血球12,500、血小板42万。血清生化学所見:血糖170mg/dl、Na138mEq/l、K3.5mEq/l、Cl 110mEq/l。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.36、PaO2 54Torr、PaCO2 72Torr、BE+11mEq/l。
- 治療経過 : 経鼻酸素5l/分を開始し、静脈路を確保して利尿薬を投与した。30分後に意識レベルが低下してきた。
[正答]
※国試ナビ4※ [098C028]←[国試_098]→[098C030]
[★]
- 71歳の男性。肺癌術後 2日で入院中である。 2日前、右上葉肺癌のため右上葉切除とリンパ節郭清術を行った。術中出血量は 65 ml、手術時間は 3時間 10分だった。手術後の経過は順調で手術翌日から食事を開始した。しかし術後 2日から胸腔ドレナージの排液量は 500 mlに増加し、排液の性状は淡血性から黄白色混濁となった。喫煙は 20本/日を 50年間。意識は清明。身長 160 cm、体重 65 kg。体温 37.0℃。脈拍 84/分、整。血圧 120/74 mmHg。呼吸数 16/分。 SpO2 98% (鼻カニューラ 1 l/分酸素投与下 )。眼瞼結膜に貧血を認めない。頸静脈の怒張を認めない。心音に異常を認めないが、呼吸音は右側で軽度減弱している。血液所見:赤血球 362万、Hb 12.4 g/dl、Ht 36%、白血球 7,700、血小板 25万。 CRP 2.4 mg/dl。心電図に異常を認めない。術後 2日のポータブル胸部エックス線写真 (別冊 No.7A)と胸腔ドレナージ排液 (別冊 No.7B)とを別に示す。
- この患者の術後合併症として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108A025]←[国試_108]→[108A027]
[★]
- 64歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。 4日前に左胸痛と息切れとが出現し、次第に増悪してきたため受診した。
- 体温36.2℃。脈拍100/分、整。血圧120/80mmHg。呼吸数20/分。 SpO2 92%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頚部リンパ節を触知しない。左胸部に呼吸音を聴取しない。
- 血液所見:赤血球420万、 Hb13.0g/dl、 Ht37%、白血球4,400(桿状核好中球5%、分葉核好中球60%、好酸球1%、好塩基球2%、単球7%、リンパ球25%)、血小板21万。CRP0.4mg/dl。来院時の胸部エックス線写真(別冊No. 4A)を別に示す。入院後、胸腔ドレーンを挿入したところ、直後から咳嗽と泡沫状の喀痰とが出現した。この時点の胸部エックス線写真(別冊No. 4B)を別に示す。
- 胸腔ドレーン挿入後の病態として正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106B043]←[国試_106]→[106B045]
[★]
- 78歳の男性。全身麻酔で冠動脈バイパス術を受けた。手術終了後、未覚醒の状態で、人工呼吸管理下にある。心拍数92/分、整。血圧132/72mmHg。動脈血ガス分析(100%酸素投与下) : pH7.30、 PaCO2 53Torr、 PaO2 270Torr、 HCO3- 22mEq/L。術前と術後の胸部エックス線写真(別冊No. 5A、 B)を別に示す。
- 術後の病態として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E044]←[国試_106]→[106E046]
[★]
- 日齢14の新生児。在胎25週3日で出生した。身長29.0cm、体重558g。Apgarスコア4点(1分)、8点(5分)。出生時諦泣しなかったが生後4分に挿管し、すぐに呼吸を開始した。胃液のマイクロバプルステストは陽性であった。日齢6の検査所見:赤血球565万、Hb11.5g/dl、Ht44%、白血球13,600、血清IgMl33mg/dl(基準0~20)。日齢14の胸部エックス線写真を以下に示す。診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095G001]←[国試_095]→[095G003]
[★]
- 62歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。1か月前に労作時呼吸困難が出現し増強してきたため受診した。喫煙は30本/日を40年間。体温 36.4℃。脈拍 104/分、整。血圧 132/86mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 94%(room air)。呼吸時に胸郭の動きに左右差を認める。心音に異常を認めず、呼吸音は左肺で減弱している。左胸部の打診は濁音を呈している。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110C020]←[国試_110]→[110C022]
[★]
- 36歳の女性。脊髄腫瘍のため1か月前から歩行不能であった。腫瘍摘出手術の翌朝、突然呼吸困難を自覚した。体温37.2℃。呼吸数28/分。脈拍100/分、整。血圧90/72mmHg。II音の亢進を認める。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.47、PaO2 50Torr、PaCO2 33Torr。胸部造影CTを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G016]←[国試_101]→[101G018]
[★]
- 62歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。1か月前に呼吸困難が出現し、増強してきた。喫煙は30本/日を40年間。体温 36.4℃。脈拍 104/分、整。血圧 132/86mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 92%(room air)。心音に異常を認めない。呼吸時に胸郭の動きに左右差を認める。左胸部の打診は濁音を呈し、聴診では左肺の呼吸音が減弱している。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111H027]←[国試_111]→[111H029]
[★]
- 62歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。1か月前に呼吸困難が出現し、増強してきた。喫煙は30本/日を40年間。体温36.4℃。呼吸数28/分。脈拍 104/分、整。血圧 132/86mmHg。心音に異常を認めない。呼吸時に胸郭の動きに左右差を認める。左胸部の打診は濁音を呈し、聴診では左肺の呼吸音が減弱している。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104C024]←[国試_104]→[104C026]
[★]
- 集中治療室で撮影されたポータブル胸部エックス線写真 (別冊 No. 1)を別に示す。認められるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108G020]←[国試_108]→[108G022]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100G101]←[国試_100]→[100G103]
[★]
- a. 疼痛は術後高血圧の原因となる。
- b. 術後出血では徐脈になる。
- c. 肺塞栓症ではPaCO2が上昇する。
- d. 下肢静脈血栓症は右側に生じやすい。
- e. 無気肺は胸部エックス線写真で診断できない。
[正答]
※国試ナビ4※ [098G105]←[国試_098]→[098G107]
[★]
- 根治的腎摘除術後、第1日目から血清尿素窒素とクレアチニンとの上昇を認めた。この病態をきたした要因となり得るのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095A101]←[国試_095]→[095A103]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099D107]←[国試_099]→[099D109]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098H020]←[国試_098]→[098H022]
[★]
- 上腹部手術の肺合併症について誤っているのはどれか?
- (1) 疼痛による去痰困難が原因となる
- (2) 無気肺は一葉のみに発生する
- (3) 手術後、半起坐位にすると肺炎を起こしやすい
- (4) 術中の調節呼吸による微小無気肺が原因となる
- (5) 発生頻度は下腹部手術よりも高率である。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- 英
- dyspnea (M)
- 関
- 呼吸、呼吸苦、呼吸不全
概念
- 息が苦しいという自覚症状。呼吸時の不快な感覚である。呼吸苦とも記載されることがあるが、呼吸困難とする。息切れも同義とされている。
- 呼吸困難という自覚症状があるにもかかわらず、必ずしも呼吸不全という客観的な病態に陥っていないことがあるので注意。
原因疾患
鑑別診断
IMD
胸痛と呼吸困難
- 参考1
- 気胸、肺炎、胸膜炎、慢性閉塞性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患の悪化、肺癌などの肺疾患、心不全
参考
- 1. 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_andoh_h.pdf
[★]
- 英
- carbon monoxide pulmonary diffusing capacity carbon monoxide diffusing capacity of lung DLCO
- 同
- CO拡散能力
- 関
- 一酸化炭素トランスファーファクター、拡散能
概念
- 肺胞気から肺毛細血管に至るガス移動効率の指標
- 肺毛細血管内を通過する血液の気層との接触時間は0.75sあれば酸素化に影響はない。この接触時間が短くなる、すなわち血流速度が増加した状態では酸素化が不十分となり拡散能の低下として認められる。血流速度は運動時や、あるいは毛細血管が破壊されたり閉塞したりして血管床が減少した病態で上昇する。(SPU.24)
- 20-30ml/min/Torr(YN.I-27)
方法
- 4種混合ガスを用い、最大呼出後急速に最大吸気位まで吸気し、10秒息止めをした後、急速に最大呼出をしCOガスの吸収量を測定して肺拡散能を検査する。
DLCOを低下せしめるファクター
- 肺間質、気道、肺血管の異常
- (1) 肺胞から肺毛細血管赤血球内ヘモグロビンに至るまでの拡散距離の増加
- (2) 肺胞・肺毛細血管の有効拡散面積の減少
- (3) 換気、血流、拡散能力の肺内不均等分布
- YN.I-27
読み方
DLCO上昇
- 軽度肺うっ血 → 肺血流量の増加により軽度上昇(SPU.354)
DLCO低下
呼吸器内科 必修マニュアル
- p.86
DLCOの基準
- 高値 :予測値の141%以上
- 正常 :予測値の76-140%
- 軽度低下 :予測値の61-75%
- 中等度低下:予測値の41-60%
- 高度低下 :予測値の40%以下
解釈
参考
[★]
- 英
- alveolar-arterial oxygen difference, A-aDO2, AaDO2, A-a Do2, A-aDo2, AaDo2, a-ADO2
- 同
- 肺胞気-動脈血酸素分圧較差、A-a gradient?、alveolar-arterial oxygen gradient?
- 関
- 呼吸不全
意義
定義
考え方
- 吸気したO2は肺胞に留まる分(PAO2)と肺血管に移行した分に分けられる。
- 肺血管に移行した分 と 末梢で消費されずに残ったO2がPaO2として検出されるので、PaO2は使えない。
- O2を消費して排出されたCO2の動脈血濃度を用いて、肺血管に移行した分を算出する。
- 従って、
-
- PIO2:吸気酸素分圧。FIO2:吸気酸素比率、R:呼吸商(0.8)
- AP:大気圧(760torr)、47:水蒸気分圧(37℃)、FIO2:吸気酸素濃度
-
-
- A-aDO2 = PAO2 - PaO2 = 150 - PaCO2/ 0.8 (torr) - PaO2
基準値
- 20 Torr以下
- 15 Torr以下(YN.I-24)
肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)の開大
- YN.I-24
-
- 肺胞死腔が多くなると最初はCO2の排出が低下し、やがてO2の摂取も低下する。
- VA/Qが大きい → 血流のない肺胞の増加:VA >>>> Q
- 局所的な二酸化炭素の排出は十分に行われるが、肺全体としては換気が有効利用されないことを示す。
- シャント:VA/Q=0
- VA/Qが小さい → 換気のない肺胞の増加:Q >>>> VA
- O2の摂取が低下する。肺全体として見るとSaO2が低下する
[★]
- 英
- ventilatory impairment ventilatory disturbance
- 同
- 肺換気異常 pulmonary ventilation impairment abnormal pulmonary ventilation ventilatory disturbance of lung ventilatory disturbance of the lungs
- 関
- フローボリューム曲線
[show details]
換気障害パターンと疾患 LAB.1634
- 拘束性障害(拘束性換気障害):FVCが正常の80%以下
-
- 閉塞性障害(閉塞性換気障害):FEV1.0% 70%以下
[★]
- 英
- restrictive ventilatory defect, restrictive defect ventilatory impairment
- 同
- 拘束性障害、拘束性肺機能障害
- 関
- 拘束性肺疾患
拘束性換気障害をきたす疾患
- YN.I-78
[★]
- 英
- round atelectasis
- 同
- 円板状アテレクターゼ 円板状無気肺 discoid atelectasis、板状様アテレクターゼ 板状無気肺 plate like atelectasis、rounded atelectasis?
- YN.I-85 SRA.224
- 大きさは3-5cmで胸膜に接する腫瘤。
- 円形、類縁形あるいは腫瘤状陰影を呈する無気肺。胸膜肥厚、癒着を伴う
- 石綿暴露歴、男性、喫煙者であることが多い。
- 下肺野に多く(SRA.297 参考3)、右下葉に多い(SRA.224)。
- 成因は不明であるが、臓側胸膜の線維化により胸膜が肺を包み込むようにして形成されるという考えがある。
- 肺癌や結核腫の鑑別が問題となる。
- CT上、肥厚した胸膜に接した円形腫瘤映画認められ、気管支や血管が腫瘤影にまきこまれる陰影(comet-like tail)が観察される。
- 造影CTでは類円形、均一に造影される(参考1)
- 大きさが不変であることや縮小傾向を示すことは良性であることを示唆する。
- 画像所見のみで診断できるが、特徴的なcommet tailが見られなければ生検が必要かも。(参考3)
- 石綿肺に関連して生じた円形無気肺はasbestos pseudotumor, Blesovsky syndromeと呼ばれる(参考1)
参考
- 1. chest xp: Asbestos: When the Dust Settles—An Imaging Review of Asbestos-related Disease1
- Fig 10a.が円形無気肺
- http://radiographics.rsna.org/content/22/suppl_1/S167.full
- http://imaging.consult.com/image/chapter/Chest?title=Atelectasis&image=fig5&locator=gr5&pii=S1933-0332(08)73180-X
- 3. [charged] Radiologic patterns of lobar atelectasis - uptodate [1]
[★]
- 英
- passive atelectasis
- 同
- 受動無気肺
- 関
- 圧迫性無気肺。無気肺
[show details]
受動性無気肺 : 約 46 件
受動無気肺 : 約 15 件
[★]
- 英
- compression atelectasis
- 同
- 受動性無気肺 passive atelectasis
[★]
- 英
- lung
- 関
- 肺区域、肺野、呼吸器の上皮の移行
- 図:M.78 N.204(肺のリンパ系),197(肺区域)
解剖
- 重量:右:500g, 左:400g
- 葉:右3葉、左2葉
- 右上葉、右中葉、右下葉、左上葉、左下葉
発生
- L.247
- 肺の上皮、喉頭、気管、および気管支の内面を覆う上皮 → 内胚葉
- 気管および肺の軟骨性要素と筋要素、結合組織 → 中胚葉(臓側中胚葉)
- NGY.283
- 妊娠16週頃:気管、気管支が分岐し腺状構造をなす(腺状期)
- 妊娠16-24週頃:管状構造を形成し、毛細血管が上皮に接触する。(管状期)
機能
肺の構造
- SSUR.323
臨床関連
胸部X線解剖
- 右第1弓:上大静脈
- 右第2弓:右心房
- 左第1弓:大動脈弓
- 左第2弓:肺動脈幹
- 左第3弓:左心房(左心耳)
- 左第4弓:左心室
シルエットサイン
- 右第2弓:(陽性)[上葉]内側中葉区(S5)、[下葉]内側肺底区(S7)、(陰性)[下葉]上-下葉区(S6)???、後肺底区(S10)???? → 陰性だったら背面の区域、つまりS6,S10と考えて良いのではないだろうか?
- 左第4弓:(陽性)[上葉]上舌区(S4)、下舌区(S5)、[下葉]前内側肺底区(S7+8)、(陰性)[下葉]上-下葉区(S6)???、後肺底区(S10)??? → 同様にS6,S10と考えて良いのでは?
肺のリンパ節
- 左肺は心臓があるために、右とは異なる形状・肺区域を有する。
- S1とS2はまとめてS1+2と呼ばれる
- S7とS8はまとめてS7+8あるいはS8と呼ばれる ← 心臓が左胸腔に全内側に突出しているからと考える
臨床関連
- 分葉異常:奇静脈の走行異常による右上葉の奇静脈葉が最も多い(QB.I-295)