- 英
- idiopathic pulmonary fibrosis, IPF
- 関
- 特発性間質性肺炎
特徴
臨床診断名
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IPF
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NSIP
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BOOP/COP
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病理組織像
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UIP
|
OP
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発症様式
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慢性
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慢性/亜急性
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亜急性
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BALF所見
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リンパ球±
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CD8↑
|
CD8↑
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予後
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不良
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良好(時に不良)
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良好
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分布
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斑状,不均質, 胸膜下・小葉辺縁
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びまん性,均質
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小葉中心性
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時相
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多様
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均質
|
均質
|
間質への細胞浸潤
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少ない
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通常多い
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やや多い
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胞隔の炎症
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軽度,斑状
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びまん性,多彩
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軽度
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線維芽細胞巣
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多数
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まれ
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なし
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肺胞内マクロファージ集積
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巣状
|
巣状
|
なし
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肺胞腔内線維化
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まれ
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しばしば
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多数
|
顕微鏡的蜂巣肺(肺胞虚説)
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高頻度
|
通常なし(一部に認める)
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なし
|
硝子膜
|
なし
|
なし
|
なし
|
概念
- 特発性間質性肺炎の一型で、慢性型の肺線維症。特発性間質性肺炎の中で最も多い。
疫学
- 罹患率:3-4/10万人 (SPU.274)
- 中高年以降に発症。男性に多い。
- 喫煙との関連性なし。
症状
- 労作時呼吸困難で初発し、次第に増強
- 乾性咳嗽:伴うことが多い
身体所見
- (聴診)捻髪音:ほぼ全症例。両側肺底部、吸気後半
- 30%の症例で軽度の配向血圧
- 手指:バチ指(2/3の症例。病変の進展と相関はない(SPU.276))
病因
- 不明
- リスク因子は下記のように上げられているが、IPFの病態を説明できるものはない。おそらく素因のある者において、肺胞上皮のバリヤーと肺の間質がこれらのリスク因子などによる非特異的な損傷を与えることで発症のきっかけとなるのであろう。(参考2)
リスク因子
検査
血液検査
- 赤沈、γグロブリン、RF、抗核抗体は病期と共に高値になる傾向はない(SPU.276)
- LDH:↑
- CRP:↑
- KL-6:↑
- SP-A, SP-D:↑
- 赤沈:軽度~中等度亢進
- γグロブリン:増加
- RF因子:陽性(1/3の症例)
- 抗核抗体:陽性(1/3の症例)
胸部単純X線写真・胸部CT写真
- 両側のびまん性陰影 (SPU.276)
- 下肺野、特に拝呈に始まる線状網状影の増加・拡大、肺野の縮小所見を認めることが多い (SPU.276)
- 胸膜直下の蜂巣肺所見は特徴的 (SPU.276)
BALF所見
- 健常者とかわらない所見が特徴的 (SPU.277)
- 細胞数%↑(見られる場合がある) (SPU.277)
- 好中球、好酸球の若干の増加が見られる事がある (SPU.277)
- リンパ球%の増加のみ見られることは少ない (SPU.277)
肺機能検査
- 拘束性換気障害(%VCの低下):初期から
- 拡散障害(DLCO%低下):初期から
- 低酸素血症:病変のかなり進行した後。初期には労作負荷による動脈血酸素分圧の低下が、IPFを示唆する。
- VC:↓
- RV:↓
- FEV1.0は正常 → 細気管支レベルで閉塞性換気障害があるわけではないから
診断
臨床診断
- 呼吸困難 + 捻髪音 + 胸部X線・CT所見、肺機能検査、BALF所見
確定診断
- 病理組織学的診断による。外科的肺生検により肺の線維化病変、UIPあるいはDIP病変の存在を証明する。(SPU.277)
- 両側びまん性に線維化病変が認められる + 線維化を来す病院物質あるいは線維化の穿孔病変である肉芽腫などの病変が認められない
鑑別診断
- サルコイドーシス、石綿肺、膠原病などの肺野病変先行例
合併症
- 男性の場合、高い頻度(20-25%)で悪性病変が合併(SPU.277)
治療
-
- 安静時の動脈血酸素分圧を改善する効果があり、QOLの改善や肺高血圧症の進展の予防が期待される。
- 適度な運動(筋力低下の予防 → つまり呼吸補助筋の維持とかってこと?)
- 感染症対策:気道感染を起こすと病態的にARDSになって急性増悪しやすいとか。
- 禁煙 → COPDを合併することを防いだり、気管上皮の炎症・障害を予防するために禁煙した方がよいのであろう、か?
予後
- 病変は次第に拡大・進展して呼吸不全に陥り予後不良
- 死因は肺性心を伴う呼吸不全が多い
- 死因:呼吸不全(死亡の1/3)、右心不全(死亡の1/3)、肺癌の合併(死亡の1/3)
- 5年生存率40-50%、10年生存率20~30% (SPU.278)
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/pdf/076_s.pdf
- 2. [charged] Pathogenesis of idiopathic pulmonary fibrosis - uptodate [1]
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/09/28 14:20:34」(JST)
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特発性肺線維症(英:Idiopathic pulmonary fibrosis: IPF、またはcryptogenic fibrosing alveolitis: CFA)は特発性間質性肺炎(Idiopathic interstitial pneumonia: IIP)の1つで、肺の高度な線維化を主体とし、拘束性換気障害をきたす肺疾患である。他の特発性間質性肺炎(IIP)に比べて、ステロイドや免疫抑制薬に対する反応性が悪く予後不良の肺疾患である。ちなみに特発性肺線維症の病理像は通常型間質性肺炎(UIP)と呼ばれるが、両者はイコールではない(UIPパターンを示す疾患はIPF以外にもある)。
目次
- 1 概要
- 2 症状
- 3 病理・画像所見
- 4 診断基準
- 5 治療
- 6 参考文献
- 7 外部リンク
概要[編集]
特発性肺線維症(IPF)は7種類ある特発性間質性肺炎(IIP)の中で最も頻度が高い。詳しい原因は今のところわかっていないが、喫煙等が危険因子になるとされている[1]。IPFにおいて炎症は必ずしも線維化に先行せず、様々な刺激によって生じた肺胞上皮の傷害に対して異常な修復反応が起こるために線維化が進むと考えられている。特に、線維化に関してはTGF-βが重要な役割を担っていると考えられており、実際TGF-βはII型肺胞上皮に対して上皮間葉転換(epithelial messenchymal transition: EMT)を起こさせ、線維芽細胞や筋線維芽細胞への分化を誘導することが知られている[2]。
症状[編集]
通常型間質性肺炎(UIP)の病理像。胸膜直下から線維化が進行し(写真右側)、正常に近い肺の構造(左側)とも接している。
特発性肺線維症の症状としては主として呼吸困難をきたす他、咳を伴いばち指を認めることがある。進行するとニ次性に肺高血圧をきたすことがある。IPFの発症は緩徐であり、数年の経過で進行することが多い。聴診では、両側肺底部を中心に吸気時捻髪音(fine crackles)を聴取する。
病理・画像所見[編集]
特発性肺線維症(IPF)の病理組織は斑状の線維化すなわち線維化している部分としていないところが不均一で混在しているのが特徴で、線維化は胸膜直下で優位である。また、線維芽細胞巣(fibroblastic foci)が多数認められる。高分解能CT(HRCT)で見ると線維化し肥厚した隔壁はハチの巣のような蜂巣肺として見られるほか、牽引性気管支拡張(traction bronchiectasis)を伴う所見が得られる。このような病理像は通常型間質性肺炎(usual interstitial pneumonia: UIP)と呼ばれる(これに対しIPFは臨床病名である)。UIPを呈する疾患としては、IPFの他に膠原病による間質性肺炎や過敏性肺臓炎があり、これらとの鑑別が問題となる。
診断基準[編集]
厳密な診断方法としては肺生検を行い、通常型間質性肺炎(UIP)の所見を得ることであるが、肺生検は負担も大きいので診断は画像と臨床所見のみで行われることも多い。その場合、以下の主診断基準のすべてと副診断基準4項目中3項目以上を満たす場合、外科的肺生検を行わなくとも臨床的にIPFと診断される[3]。
主診断基準[編集]
- 薬剤性、環境暴露、膠原病など原因が既知の間質性肺疾患の除外
- 拘束性障害(VCの低下)やガス交換障害(安静時や運動時のA-aDO2の増大、安静時または運動時のPaO2の低下、あるいはDLCOの低下)などの呼吸機能検査異常
- HRCTで両側肺底部・胸膜直下優位に明らかな蜂巣肺所見を伴う網状陰影とわずかなすりガラス陰影(すなわちUIPパターンを呈すること)
副診断基準[編集]
- 年齢が50歳を超える
- 他の原因では説明しがたい労作性呼吸困難の緩徐な進行
- 罹患期間が3カ月以上
- 両側肺底部に吸気時捻髪音(fine crackles)を聴取する。
治療[編集]
特発性肺線維症(IPF)に対して確立した治療法はなく、また他の特発性間質性肺炎と異なり、ステロイドや免疫抑制薬に対して抵抗性を示す。その中で、線維化を抑える働きを持つピルフェニドン(pirfenidone)がプラセボと比較して努力肺活量(FVC)や6分間歩行テスト(6MWT)において症状悪化の抑止効果を認めている[4]。ピルフェニドンの作用点はよくわかっていないが、in vitroでTGF-βやTNF-αを抑制することが知られている。 また、PDE5阻害薬であるシルデナフィル(sildenafil)は6分間歩行テストでの改善は認めないものの、換気血流不均衡を是正し、呼吸困難などの症状緩和に働くと考えられている[5]。また、現在チロシンキナーゼ阻害薬であるニンテダニブ(nintedanib, BIBF1120)はIPFの治療薬候補として第III相の臨床試験が行われている[6]。
参考文献[編集]
- 工藤翔二 『呼吸器専門医テキスト』2007, 南江堂 ISBN 9784524238415
出典[編集]
- ^ Baumgartner KB, Samet JM, Stidley CA, Colby TV, Waldron JA. (1997). “Cigarette Smoking: A Risk Factor for Idiopathic Pulmonary Fibrosis”. American Journal of Critical Care Medicine 155 (1): 242-248. PMID 9001319.
- ^ Brigham C. Willis and Zea Borok (2007). “TGF-β-induced EMT: mechanisms and implications for fibrotic lung disease”. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol 293 (3): L525-L534. PMID 17631612.
- ^ 日本呼吸器学会びまん性肺疾患診断・治療ガイドライン作成委員会:『特発性間質性肺炎診断と治療の手引き』、南江堂(2004) ISBN 978-4524238163
- ^ CAPACITY Study Group (2011). “Pirfenidone in patients with idiopathic pulmonary fibrosis (CAPACITY): two randomized trials”. Lancet 377 (9779): 1760-1769. doi:10.1016/S0140-6736(11)60405-4. PMID 21571362.
- ^ The Idiopathic Pulmonary Fibrosis Clinical Research Network (2010). “A Controlled Trial of Sildenafil in Advanced Idiopathic Pulmonary Fibrosis”. New England Journal of Medicine 363 (7): 620-628. doi:10.1056/NEJMoa1002110. PMID 20484178.
- ^ チロシンキナーゼ阻害薬BIBF1120 特発性肺線維症(IPF)を適応としてオーファンドラッグ指定-日本で第Ⅲ相臨床試験を開始
外部リンク[編集]
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- 難病情報センター:特発性間質性肺炎(医療従事者向け)
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Japanese Journal
- 呼吸器疾患 急性間質性肺炎 (特集 救急薬剤プラクティカルガイド) -- (疾患別救急薬剤ベストプラクティス)
- 放射線療法時の問題点 (特集 IPF合併肺癌の治療)
- 外科からみたIPF合併肺癌 (特集 IPF合併肺癌の治療)
- IPF合併肺癌の術前リスク評価および術後合併症の予防対策 (特集 IPF合併肺癌の治療)
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- 塩野義製薬による、特発性肺線維症と診断された、あるいは疑われる患者さまとご家族 を対象に、この疾患で起こる症状や治療法など知っておいて欲しい情報をまとめた ウェブサイトです。
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★リンクテーブル★
[★]
- 75歳の男性。乾性咳嗽と発熱とを主訴に来院した。5日前に湿性咳嗽、喀痰および発熱が生じたため自宅近くの診療所を受診し、非ステロイド性抗炎症薬と抗菌薬とを5日分処方された。内服3日目には解熱したが5日目に乾性咳嗽と発熱とが出現したため再び診療所を受診し、胸部エックス線写真で異常を認めたため紹介されて受診した。身長 165cm、体重 63kg。体温 37.3℃。脈拍64/分、整。血圧132/64mmHg。呼吸数 20/分。咽頭に発赤を認めない。頸静脈の怒張を認めない。心音に異常を認めない。両側にfine cracklesを聴取する。下腿に浮腫を認めない。血液所見:赤血球 376万、Hb 13.7g/dL、Ht 35%、白血球 10,100(桿状核好中球4%、分葉核好中球 76%、好酸球 3%、好塩基球 0%、単球 5%、リンパ球 12%)、血小板 35万。血液生化学所見:LD 386IU/L(基準 176~353)、尿素窒素14mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、血糖 98mg/dL、HbA1c 6.1%(基準 4.6~6.2)、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP) 23.9pg/mL(基準 18.4以下)、KL-6 632U/mL(基準 500未満)。免疫血清学所見:CRP 5.0mg/dL、β-D-グルカン 4pg/mL未満(基準 10以下)、サイトメガロウイルス抗原陰性。動脈血ガス分析(room air):pH 7.43、PaCO2 36Torr、PaO2 69Torr、HCO3- 23mEq/L。気管支肺胞洗浄液所見:細胞数 3.5×10^6/mL(肺胞マクロファージ 12%、リンパ球 85%、好中球 1%、好酸球 2%)。胸部エックス線写真(別冊No. 14A)と胸部CT(別冊No. 14B)とを別に示す。
- 最も考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I048]←[国試_109]→[109I050]
[★]
- 65歳の男性。咳と労作時の息切れとを主訴に来院した。 1年前に咳嗽と喀痰とを訴え来院し、右下葉の原発性肺癌と診断された。手術適応がなかったため、抗悪性腫瘍薬による化学療法を施行後、根治を目的に放射線治療を行った。照射終了後 6週目に、咳嗽と労作時の息切れとを自覚し受診した。喫煙は 20本/日を 45年間。意識は清明。身長 165 cm、体重 72 kg。体温 36.5℃。呼吸数 16/分。 SpO2 84% ( room air)。右胸部に fine cracklesを聴取する。血液所見:赤血球 456万、 Hb 13.3 g/dl、Ht 40%、白血球 10,800(桿状核好中球 9%、分葉核好中球 67%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 10%、リンパ球 12% )、血小板 35万。 CRP 9.2 mg/dl。胸部エックス線写真 (別冊 No.12A)と肺野条件の胸部単純 CT(別冊 No.12B)とを別に示す。
- この病態について正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108E050]←[国試_108]→[108E052]
[★]
- 88歳の女性。急に発症した右上下肢の麻痺を主訴に来院した。頭部 MRIで脳梗塞と診断された。入院後、脳梗塞の治療と経管栄養とを行っていた。時々嘔吐があり、むせることがあった。入院後 14日から 37℃台の発熱があり、咳嗽もみられ、胸部エックス線写真では両側下肺優位の浸潤影を認めた。抗菌薬を投与したが奏効せず、呼吸不全で入院後 28日に死亡した。死因や肺病変の診断を目的に病理解剖を行った。病理解剖の肺組織の H-E染色標本 (別冊 No.9A、B)を別に示す。
- 診断として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108E045]←[国試_108]→[108E047]
[★]
- 70歳の女性。咳嗽、喀痰および息切れを主訴に来院した。6年前から咳嗽と喀痰とを自覚していた。1年前から坂道や階段を昇るときに呼吸困難を感じるようになり、風邪をひくと喘鳴が出現することがあった。1か月前から100m歩くと息切れを自覚し休むようになったため受診した。喫煙は20本/日を45年間。身長 153cm、体重 42kg。脈拍 88/分、整。血圧 134/84mmHg。呼吸数 24/分。頸部の胸鎖乳突筋が肥大し、吸気時に肋間や鎖骨上窩の陥入がみられる。呼気は延長し、聴診では呼吸音の減弱がみられるが副雑音は聴取しない。
- 最も考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109B045]←[国試_109]→[109B047]
[★]
- 75歳の男性。数日前から進行する呼吸困難を主訴に来院した。3年前、健康診断の胸部エックス線写真で線様網状影を指摘された。以後年1回、胸部CT、呼吸機能検査および血液検査で経過観察中であった。喫煙25本/日を50年間。意識は清明。脈拍92/分、整。血圧136/70mmHg。血液所見:赤血球480万、白血球8,900。スパイロメトリ:%VC68%、FEV1.0% 82%。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.42、PaO2 54Torr、PaCO2 36Torr。胸部単純CTを以下に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A014]←[国試_101]→[101A016]
[★]
- 42歳の女性。臭いがわかりにくいことを主訴に来院した。半年前から臭いがわかりにくくなり、また両側の鼻閉も出現してきたため受診した。左鼻腔内視鏡写真(別冊No. 7A)と副鼻腔CT(別冊No. 7B)とを別に示す。
- この患者で注意すべき合併症はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110E046]←[国試_110]→[110E048]
[★]
- 56歳の男性。自動車整備工。咳嗽と労作時呼吸困難とを主訴に来院した。症状は2年ほど前から出現し、徐々に増悪している。15本/日、30年間の喫煙歴がある。胸部エックス線写真と気管支肺胞洗浄液May-Giemsa染色標本とを以下に示す。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099G014]←[国試_099]→[099G016]
[★]
- a 高二酸化炭素血症には禁忌である。
- b 特発性肺線維症の生命予後を改善する。
- c 日本では肺結核後遺症が基礎疾患として最も多い。
- d 肺高血圧症は動脈血酸素分圧の値にかかわらず適応がある。
- e 運動時の酸素投与量はSpO2が80%以上を保つように設定する。
[正答]
※国試ナビ4※ [111H038]←[国試_111]→[111I002]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103I002]←[国試_103]→[103I004]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F065]←[国試_101]→[101F067]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103G020]←[国試_103]→[103G022]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [112D014]←[国試_112]→[112D016]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105A018]←[国試_105]→[105A020]
[★]
- %VC 62%,FEVl.0% 82%を示すのはどれか.
[正答]
※国試ナビ4※ [099D098]←[国試_099]→[099D100]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [112B014]←[国試_112]→[112B016]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102C031]←[国試_102]→[102D002]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F018]←[国試_101]→[101F020]
[★]
- 英
- idiopathic interstitial pneumonia IIP, idiopathic interstitial pneumonias IIPs
- 同
- 特発性線維化肺炎 cryptogenic fibrosingalveolitis
- 関
- 間質性肺炎 IP
特徴 YN.I-78 SPU.265-279 RNT.138
病態
- 原因不明の機序により間質の線維化を来たし、拘束性肺疾患を呈する。
検査
- II型肺胞上皮細胞の活性化による:KL-6上昇、SP-D上昇、SP-A上昇
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/pdf/076_s.pdf
[★]
[★]
- 英
- auscultation
- 頚部:総頚動脈、甲状腺
- 胸部:肺、心臓
- 腹部:腸蠕動音、大動脈雑音
- 下肢:大腿動脈雑音
肺音の聴診
<youtube>http://www.youtube.com/watch?v=yiVbKc4-CH0</youtube>
<youtube>http://www.youtube.com/watch?v=oCsNpzEQ4OA</youtube>
[★]
- 英
- smoking, cigarette smoking?
- 関
- 禁煙、ブリンクマン指数、タバコ
喫煙率
日本(OECD Health Data 2009)
- 男性:39.5%(2008):低下
- 女性:12.9%(2008):60歳以上低下。20-30歳代の若年層で増加傾向
アメリカ、イギリス、ドイツ
ロシア
年齢別年次推移
- http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/toukei/kituen.html
- 20-30歳代の女性で平成初期より増加して横ばいである。
参考
- http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/main.html
男女別喫煙率
- http://www.health-net.or.jp/tobacco/oversea/ov890000.html
- http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2214.html
- OECD Health Data 2009 - Frequently Requested Data
- http://www.oecd.org/document/16/0,3343,en_2649_34631_2085200_1_1_1_37407,00.html
- http://www.irdes.fr/EcoSante/DownLoad/OECDHealthData_FrequentlyRequestedData.xls (OECDHealthData2009.xls)
喫煙者のヘルスメンテナンス
- 15年以内の喫煙, 30箱/年以上の継続的な喫煙 → 毎年の胸部CT施行が勧められる
- 禁煙して15年以上経っている場合には推奨する必要はない。
喫煙と関連のある疾患
国試
[★]
商品名
会社名
成分
薬効分類
薬効
【希少疾病用医薬品】
[★]
- 英
- pulmonary fibrosis
- 同
- 間質性肺炎
概念
- 肺胞領域にびまん性に線維化を生じる疾患の総称(SPU.135)
- この結果、肺組織の硬化と萎縮をきたし、正常の肺構造の破壊と荒廃に至る
- 病理組織的な概念
- 炎症所見に注目したものが間質性肺炎
病因
2007年度前期生理学授業プリント-R4-
- 肺胞中隔に線維が出現し、肺が固くなる
- コンプライアンスC↓
[★]
- 英
- idiopathy、idiopathic、cryptogenic、agnogenic, essential
- 同
- 本態性
- 関
- 原因不明
[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- fibrosis
- 同
- 線維増殖症
- 関
- 肝硬変