低蛋白血症
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/02/06 17:43:59」(JST)
[Wiki ja表示]
低タンパク血症 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-9 |
273.8 |
DiseasesDB |
6534 |
MeSH |
D007019 |
低タンパク血症(英:Hypoproteinemia)とは、血中タンパク質が異常に低い状態のことを言う。蛋白の原料の不足、蛋白合成障害、蛋白の喪失などに分類される。
蛋白合成障害には肝硬変などが代表的である。 蛋白喪失の原因の一つとして、ネフローゼ症候群の医学的特徴である尿へのタンパク質の過剰な排出(タンパク尿)があげられる。 低アルブミン血症が、代表的な低タンパク血症である。 膠質浸透圧の低下を来すため、循環血漿量が維持できずに水分が間質に流出してしまい、組織に水腫、浮腫が現れる。
関連事項
血液検査の参考基準値#肝機能
参考
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- ネフローゼ症候群を発症し, 治療によりQOLが著明に改善した終末期子宮体がんの1例
- 天野 晃滋,東口 高志,篠邉 篤志,大原 寛之,村井 美代,伊藤 彰博,定本 哲郎,二村 昭彦,柴田 賢三
- Palliative Care Research 6(1), 316-323, 2011
- … がん患者の浮腫には, 悪液質や低タンパク血症, リンパ浮腫などがあるが, 腫瘍に起因するネフローゼ症候群(NS)がその原因となることもある. …
- NAID 130000858765
- 腸疾患 非特異性多発性小腸潰瘍症--慢性出血性小腸潰瘍症 (静脈・経腸栄養(第3版)--基礎・臨床研究のアップデート) -- (各種疾患,病態における静脈・経腸栄養の実際)
- 塩酸セベラマー内服により著明な低タンパク血症をきたした透析患者の1例
- 坂井 尚二,佐々木 毅,松元 貴史,齊藤 安弘,春日 朱門,奥田 誠也
- 日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy 40(3), 281-286, 2007-03-28
- … 3か月後に内服量を半減するも, 半年後には血清総タンパク濃度3.7g/dL, アルブミン濃度2.1g/dLと著明な低タンパク血症をきたしたため内服中止した. … 低タンパク血症の原因にタンパク摂取低下の可能性はあるが, 症例は自己管理良好で食事摂取量や体重, 貧血に変化はなくタンパク摂取不足による栄養障害は主因でないと考えられた. …
- NAID 10019497684
Related Links
- (低タンパク血症) 血清中の総タンパクの60%~70%がアルブミンで占められているので、低アルブミン血症として現れることが多い 栄養不良 ネフローゼ 肝臓障害 などが原因で、アルブミンが減少して起こることが多い
- 症状 腹水及び浮腫が主症状であり、中でも浮腫は低アルブミン血症が絡んでいます。血清に存在するアルブミンが減少をきたすと、血管外腔へ電解質及び水分の移動が示されます。これによって浮腫を招きますが、その際、門脈圧亢進 ...
- ... 、肝臓障害などに起因し、主にアルブミンの減少が原因で起こります。また、血清中の総タンパクの60~70%がアルブミンによって占められることから、低アルブミン血症としてしばしばあらわれてきます。ちなみに、低アルブミン血 ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- protein-losing gastroenteropathy PLGE, proteinlosing gastroenteropathy
- 同
- タンパク質漏出性胃腸症、滲出性腸症 exudative enteropathy、本態性低タンパク血症 essential hypoproteinemia、異化亢進性低タンパク血症 hypercatabolic hypoproteinemia
- 関
- 低タンパク血症
- 蛋白漏出性腸症 protein-losing enteropathy、蛋白喪失性腸症、タンパク質喪失性腸症、タンパク質漏出性腸症
[show details]
概念
消化管粘膜より管腔にタンパク質(主にアルブミン) が漏出する為に、低蛋白血症を伴った病態。主症状は浮腫である。吸収不良症候群とのoverlapが多い
病態生理に基づく病因の分類
- YN.A-87 参考1
- 2. 炎症:びらん・潰瘍により蛋白質が漏出する。さらに全層性の腸管病変(悪性腫瘍腫瘍、クローン病)によりリンパ管が閉塞し、リンパが漏出する機序もある→3.
検査
- アルブミン:低下
- A/G比:正常 → アルブミン低値ながらA/G比が正常なのが特徴。
- 免疫グロブリン:低下 → 免疫グロブリンも漏出してしまう
- 糞便検査:α1アンチトリプシンクリアランス試験(α1-アンチトリプシン消化管クリアランス試験):血清蛋白中の約4%を占めるATの糞便中排泄量を求める試験。腸粘膜からの蛋白漏出の程度をみる。20mL/日以上の排泄があれば陽性と診断する。
- YN A-87
鑑別
- 蛋白漏出性胃腸症:蛋白↓、コレステロール↓
- ネフローゼ症候群:蛋白↓、コレステロール↑
参考
- 1. [charged] Protein-losing gastroenteropathy - uptodate [1]
[★]
- 英
- pulmonary edema
- 同
- 肺浮腫
- 関
概念
病型
病因
治療
- HIM.1706
- 利尿薬
- 硝酸薬
- モルヒネ
- ACE阻害薬
- その他の薬物:
- 処置:座位(HIM.1707)。semi-fowler位
- ジギタリス配糖体
- 大動脈内バルーンパンピング IABP
- 頻脈の治療と房室再同期
- 肺胞液体クリアランスの刺激:βアゴニストの投与
- YN.I-123
- O2、PEEP
- semi Fowler位
- アミノフィリン、モルヒネ、フロセミド、時北リス、ドパミン、水制限
国試
- 心筋梗塞→左心不全→肺水腫:100D39、100D40
[★]
- 英
- hypoproteinemia
- 関
- 低タンパク血症、低アルブミン血症
[show details]
- 基質欠乏:飢餓、吸収不良症候群
- 蛋白合成能低下:肝硬変、低アルブミン血症を来す各種病態(血中蛋白の大半がアルブミン。Alb /TP = 3.5-4.5 / 6.5-8)
- 血液の希釈:妊娠
- サードスペースへの移行:胸水、腹水
- 体外への漏出:
- 蛋白異化亢進:炎症性疾患、悪性疾患、甲状腺機能亢進症
国試
[★]
- 英
- total protein, TP
- 同
- 血清総蛋白
基準値
- 6.5-8.0 g/dl(流れが分かる実践検査マニュアル上巻 p.12)
QB
臨床関連
-TP
[★]
- 英
- hypoalbuminemia
- 関
- 偽性貧血。低タンパク血症
病因
- HIM.1925
- 産生低下:肝機能低下(肝不全)、慢性感染症(慢性的なIL-1、TNF、その他のサイトカインの上昇がアルブミンの合成を阻害するため)
- 喪失:蛋白質漏出性腸症、ネフローゼ症候群
[★]
- 英
- essential hypoproteinemia
- 関
- タンパク漏出性胃腸疾患、タンパク喪失性胃腸疾患
[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- low-protein
- 関
- 低蛋白、低タンパク質