- 英
- hepatomegaly, hypertrophy of the liver
- 同
- 肝肥大
- 関
- 肝臓
概念
症状
- ほぼ無症状。
- 著名に腫大すれば、周囲臓器圧迫により腹満感や息苦しさを訴えることがある。
診察
- 健常者でも約20%に右肋骨弓下に肝を触れる
- 右肋骨弓下に2横指触れれば肝腫大と診断可能
頻度
- 右心不全:100%
- 一過性肝腫脹:高頻度(80%以上)急性心不全、急性ウイルス感染症、薬物性肝障害。
- 持続的肝腫大:高頻度(80%以上)脂肪肝、慢性肝炎、肝硬変。原発性胆汁性肝硬変、ヘモクロマトーシス、Wilson病、巨大肝嚢胞、巨大肝血管腫。
原因
- 脈管:特発性門脈圧亢進症、肝静脈閉塞(バッド・キアリ症候群)、右心不全
- 蓄積:脂肪肝、ヘモクロマトーシス、アミロイドーシス、ウィルソン病、糖原病、
- 炎症:急性ウイルス性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、アルコール性肝障害、薬物性肝障害、結核、サルコイドーシス、種々のウイルス感染、寄生虫感染、膠原病
- 胆汁鬱滞:肝内胆汁うっ滞、肝外胆汁うっ滞、原発性硬化性胆管炎
- 腫瘍浸潤:白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患
- 肝腫瘍:肝細胞癌、胆管細胞癌、肝芽腫、肝嚢胞、肝海綿状血管腫、転移性肝癌
診断
- 血液検査で肝機能、アルブミン、肝炎ウイルス、ANA、ANA、EBV、CMVを評価
- 腹部超音波検査、腹部造影CT、MRCPが有用
- 腫瘍を疑う場合にはPIVKA II, AFP, CEA, CA19-9
鑑別診断
- DIF
WordNet
- abnormal enlargement of the liver (同)megalohepatia
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Japanese Journal
- 肝腫大,脾腫 (乳幼児診療AtoZ) -- (乳幼児における症状・症候--診察所見を中心とした診断へのアプローチ)
- 小川 光一,福永 潔,竹内 朋代,川岸 直樹,工藤 正俊,大河内 信弘
- 肝臓 52(11), 709-715, 2011
- … 多発肝嚢胞症は肝内に多数の嚢胞を形成し,嚢胞数の増加,嚢胞の巨大化により肝腫大をきたす遺伝性疾患である.比較的まれな疾患であり治療法のコンセンサスは得られていない.今回我々は本邦における多発肝嚢胞症患者の実態を把握するため全国490施設に対しアンケート調査を行った.症例数は422例であり,223例(53%)に治療が行われていた.治療適応となった症状は腹部膨満が73%と最も多かった.実施され …
- NAID 130001413814
- 62歳で血液透析を施行しえている糖原病I型(von Gierke病)腎不全の1例
- 小林 則善,佐藤 信之,島岡 哲太郎,谷本 光生,井尾 浩章,合田 朋仁,大澤 勲,濱田 千江子,堀越 哲,神谷 康司,富野 康日己
- 日本透析医学会雑誌 44(2), 163-167, 2011
- … 症例は62歳,女性.55歳時に,低身長,人形様顔貌,肝腫大,低血糖,脂質異常症(高脂血症),高乳酸血症,高尿酸血症を認め,糖原病I型と診断された.その後,徐々に腎機能障害が増悪し末期腎不全となった.ブドウ糖の持続的な供給による糖代謝の改善と透析の安定性から腹膜透析の導入を検討したが,肝腫瘍が認められ,腹膜透析の自己管理が困難と判断されたため血液透析を選択した.当初は血液透析施行中 …
- NAID 130000674499
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- 肝腫大hepatomegaly 肝臓の大きさが、正常な範囲を超えて拡大すること。(肝脾腫大は、肝臓と脾臓がともに拡大することです。 正常であれば、肝臓の下端の位置は、右肋骨の下端(肋骨縁)の位置と重なります。また、正常であれば、肝臓 ...
- 世界大百科事典 第2版 肝腫大の用語解説 - 肝臓が病的に大きくなること。肝臓は人体内で最も大きな実質臓器で,大部分は右上腹部(右季肋部)に位置している。正常者の肝臓の重量は,年齢によって異なるが,成人男子で1000~1300g ...
- 肝腫大 - 通常のサイズを超えて肝臓の腫れています。肝臓および脾臓の両方が拡大している場合は、肝脾腫と呼ばれています。 肝腫大 - 原因と症状 - 原因 肝臓は多くの身体機能に関与していると肝内のどの結果の多くの様々な条件に ...
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- 次の文を読み、4~6の問いに答えよ。
- 45歳の男性。足のむくみを主訴に来院した。
- 現病歴 : 約1年前から階段を昇るときに息切れを自覚し、最近労作時の息切れが増悪するようになった。3か月前から下肢のむくみと3kgの体重増加とがみられた。
- 既往歴 : 23歳時に胸膜炎に罹患したが、2か月の自宅療養で軽快した。
- 家族歴 : 父親が肺結核。
- 現症 : 身長165cm、体重63kg。体温36.5℃。呼吸数18/分。脈拍70/分、整。血圧108/52mmHg。頚静脈は怒張し、頭部血管性雑音は聴取しない。胸部では、心尖部に汎収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常はない。両側下腿前面に浮腫を認める。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球385万、Hb 11.2g/dl、白血球4,100、血小板11万。血清生化学所見:総蛋白6.4g/dl、アルブミン3.1g/dl、クレアチニン0.6mg/dl、総コレステロール172mg/dl、総ビリルビン1.8mg/dl、GOT84単位(基準40以下)、GPT90単位(基準35以下)、LDH408単位(基準176~353)。胸部エックス線正面写真と側面写真とを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [095H003]←[国試_095]→[095H005]
[★]
- 次の文を読み、39、40の問いに答えよ。
- 72歳の男性。呼吸困難のため家族に付き添われて来院した。
- 現病歴 : 5年前から肺気腫による慢性呼吸不全で治療中であった。3日前から感冒様症状が出現し、その後呼吸困難が増強し階段の昇降が困難になった。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 意識は清明。体温37.8℃。呼吸数18/分。脈拍108/分、整。血圧110/80mmHg。下腿浮腫と頚静脈怒張とを認める。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白1+、糖(-)。血液所見:赤血球450万、Hb15.2g/dl、Ht43%、白血球10,200。血清生化学所見:総蛋白6.4g/dl、尿素窒素25mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、AF36単位(基準40以下)、ALT32単位(基準35以下)、LDH364単位(基準176~353)、Na140mEq/l、K4.0mEq/l、Cl 102mEq/l。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.32、PaO2 54Torr、PaCO2 48Torr。心電図で右室負荷所見を認める。
[正答]
※国試ナビ4※ [097F038]←[国試_097]→[097F040]
[★]
- 65歳の女性。全身倦怠感を主訴に来院した。1か月前に全身倦怠感が出現し、徐々に増悪した。2週前に知人に皮膚の黄染を指摘された。既往歴に特記すべきことはない。体温36.6℃。眼球結膜に黄染を認める。血液所見:赤血球374万、Hb 12.0g/dl、Ht 36%、白血球7,700、血小板19万。血液生化学所見:総蛋白6.3g/dl、アルブミン3.5g/dl、尿素窒素7mg/dl、クレアチニン0.5mg/dl、総ビリルビン12.8mg/dl、直接ビリルビン9.6mg/dl、AST 140IU/l、ALT 283IU/l、LD 210IU/l(基準176~353)、ALP 1,970IU/l(基準115~359)、γ-GTP 399IU/l(基準8~50)。CRP 0.4mg/dl。
- 認められる可能性が最も高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107E048]←[国試_107]→[107E050]
[★]
- 60歳の男性。顔面と上肢とのむくみを主訴に来院した。1か月前から、ワイシャツの首のボタンをかけるのが苦しくなり、時計バンドがきつくなった。家族から顔面のむくみを指摘された。喫煙歴は40本/日を40年間。顔面と両上肢とに浮腫を認める。両側頸静脈の怒張と胸部から上腹部にかけての静脈怒張とを認める。下肢に浮腫を認めない。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103E051]←[国試_103]→[103E053]
[★]
- 7歳の男児。小学年生の心電図検診で左室肥大を指摘され来院した。現在まで家庭や学校での生活で易疲労性を指摘されたことはない。右上肢の血圧は142/88mmHgで、左背部で収縮期に雑音を聴取する。心エコー検査で左室壁が肥厚しているが、左室の壁運動に異常を認めない。明らかな心内シャントは認めない。
- 予想される所見はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113C040]←[国試_113]→[113C042]
[★]
- 58歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。 2年前に乳癌で左乳房切除術を受けている。呼吸困難は 3週前から徐々に進行してきている。収縮期の心エコー図 (別冊No.10A、B、C)を別に示す。
- この患者に認められる可能性が低いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108I040]←[国試_108]→[108I042]
[★]
- 48歳の女性。天丼を食べた後に突然上腹部痛が出現したため来院した。右肩にも痛みがある。身長148cm、体重58kg。体温37.6℃。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。 腹部の診察において予想される所見はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095F004]←[国試_095]→[095F006]
[★]
- 45歳の男性。眼球結膜の黄染に気付き来院した。画像診断で総胆管の完全閉塞を認める。この病態でみられないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095F002]←[国試_095]→[095F004]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105B013]←[国試_105]→[105B015]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F022]←[国試_101]→[101F024]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103B020]←[国試_103]→[103B022]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098H022]←[国試_098]→[098H024]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099B036]←[国試_099]→[099B038]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- 英
- heart failure, HF, cardiac failure CF, cardiac insufficiency
- 関
定義
- 心臓のポンプ能が低下しているために、十分な心拍出量が得られない状態を指す (EPT.115)
- 心筋の機能が低下し、末梢組織の酸素需要量に見合うだけの血液を駆出できなくなった状態。
- 心臓に器質的あるいは機能的異常が生じて、心臓のポンプ機能力が低下し、主要臓器の酸素需要量に見合うだけの血液を拍出できない病態(YN)。全ての心疾患の「終末像」である。あくまでも終末像のため、死亡診断書に死因と記載するのは不適切である。
分類
病期
原因
場所
病態の分類
病期分類
- No limitation of physical activity. Ordinary physical activity does not cause undue fatigue, palpitation, or dyspnea (shortness of breath).
- Slight limitation of physical activity. Comfortable at rest, but ordinary physical activity results in fatigue, palpitation, or dyspnea.
- Marked limitation of physical activity. Comfortable at rest, but less than ordinary activity causes fatigue, palpitation, or dyspnea.
- Unable to carry out any physical activity without discomfort. Symptoms of cardiac insufficiency at rest. If any physical activity is undertaken, discomfort is increased.
原因
- 虚血性心疾患、弁膜疾患、高血圧精神疾患、心筋虚血の順に多い。(IMD.790)
- 誘因としては過労、ストレス、感染、心拍数の異常、不整脈、水分・塩分の過剰摂取がある。
増悪因子
- ストレス
- 感染症:頻脈→心筋酸素需要↑
- 貧血 :心拍出量↑
- 妊娠 :心拍出量↑、体液量↑
- 甲状腺機能亢進症:甲状腺ホルモン(心臓のカテコラミン受容体増加)の陽性変力効果、陽性変時効果→心筋酸素需要↑
- 血圧上昇 :圧負荷
- 頻脈性不整脈:心筋酸素需要↑
table 9.3. 代償されている心不全において症状を誘発させる要因 PHD.240
- 代謝的需要の増加 → 心筋が十分に収縮できなくなる
- コントロールされていない高血圧 ←左心系
- 肺塞栓症 ← 右心系
- 陰性変力作用を持つ薬物
- 心筋虚血 or 心筋梗塞
- アルコールの摂取
症状
心不全の身体所見 IMD.791改変
- 右心不全での胸水:左心不全の後方障害で起こるが、右心不全でも上大静脈圧上昇により奇静脈系が上昇して胸水貯留を認める
- the pleural veins drain into both the systemic and pulmonary veous beds.(PHD.243)
治療
参考
- 2006年改訂版:http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2006_maruyama_h.pdf
- 2011年改訂版:http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2011_izumi_h.pdf
- 2. 慢性心不全治療ガイドライン(2010年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_matsuzaki_h.pdf
[★]
- congestive
- 英
- congestive heart failure, CHF
- 関
- 心不全、急性心不全
診断基準
Framingham criteria
- 大症状2つか、大症状1つおよび小症状2つ以上を心不全と診断する
大症状
小症状
大症状あるいは小症状
- 5日間の治療に反応して4.5kg以上の体重減少があった場合、それが心不全治療による効果ならば大症状1つ、それ以外の治療ならば小症状1つとみなす
治療
- 利尿薬:フロセミド、ヒドロクロロチアジド、スピロノラクトン(重症心不全の予後を改善する)、ANP
治療の禁忌
- 浸透圧利尿効果があり、脳圧亢進時、眼圧亢進時に用いる。
- 心不全に対して用いると、利尿効果を及ぼす前に循環血液量の一次的増加により心不全症状を増悪させる。
国試
[★]
- 英
- lung liver border, lung-liver border
上昇
- 肝腫大 (手技見えvol1.80)
- 胸膜炎 (手技見えvol1.80)
- 肺炎 (手技見えvol1.80)
- 胸水(胸水が濁音として聴取されるため)
- 無気肺(横隔膜の挙上)
下降
消失
[★]
- 関
- hepatomegaly、liver enlargement
[★]
- 関
- enlarged liver、hepatomegaly
[★]
- 英
- asymptomatic hepatomegaly
[★]
- 英
- swelling、swollen
- 関
- 腫脹、膨化、膨潤、膨張、隆起
[★]
- 英
- hepatomegaly
- 関
- 肝腫大、肝肥大
[★]
- 英
- macro
- 関
- マクロ