- 英
- bacterial pneumonia
- 関
- 肺炎
分類
- 胸部のCT 第3版 p.327
- 病態:起炎菌が末梢肺胞に到達、炎症性浮腫を引き起こし、大量の滲出液の産生につながる。滲出液はコーン孔などの側副換気路や末梢の既存する気道を介して周囲へ広がっていく。
- 画像:気道区域を越えて肺末梢を広範囲に広がる。bulging fissure sign, air bronchogram
- 起炎菌:肺炎球菌、肺炎桿菌、レジオネラ、クラミドフィラ・ニューモニエ、クラミドフィラ・シッタン
国試
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- 肺炎全般にわたっては当該項目を参照のこと。
細菌性肺炎 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
J13.-J16. |
ICD-9 |
481-483 |
eMedicine |
emerg/465 med/1852 |
MeSH |
D018410 |
細菌性肺炎(さいきんせいはいえん)は細菌を原因とした肺の急性炎症であり、そのほとんどは肺胞性肺炎である。
目次
- 1 概要
- 2 グラム陽性菌
- 3 グラム陰性菌
- 4 嫌気性菌
- 5 非定型
- 6 抗酸菌
- 7 大災害時の集団感染
- 8 治療
|
概要
一般的な市中肺炎と院内肺炎では起炎菌の種類が異なる。肺炎が気管支炎にとどまるか大葉性肺炎へと広がるかは、菌の毒力と宿主の抵抗力のバランスで決まる。市中肺炎では、肺炎球菌とインフルエンザ菌が重要であり、院内肺炎の起炎菌としては緑膿菌やクレブシエラなどが重要である。
また、MRSAの院内感染が問題となっている。MRSAは、院内肺炎の原因菌となりうるが、バンコマイシンなどの一部の抗菌薬以外、ほとんどの抗菌薬に耐性である。
肺炎の死亡率はとくに高齢者で高く、75歳を過ぎると急激に増加する。加齢に伴う唾液分泌量の低下は口腔内の病原性細菌の増殖をまねき、病原細菌を含んだ口腔‐咽頭分泌物のくり返される誤嚥は肺の細菌処理能力をこえ、肺炎を引き起こす。よって、口腔ケアにより口腔内を清潔に保つことが重要である。また、人工呼吸器や経管栄養チューブをつけている高齢の入院患者などでは胃液の誤嚥による肺炎も問題となる。
細菌性肺炎において、起炎菌・感受性を同定するには培養が必要となるが、治療開始を遅らせる事はできないので、喀痰のグラム染色により、おおよその検討をつけて治療を開始することが多い。近年では迅速診断キットにより尿中肺炎球菌、尿中レジオネラ菌抗原検出ができるため、これらも参考とする。
グラム陽性菌
肺炎球菌は肺炎の原因の主たるものである。グラム陽性菌としては他に黄色ブドウ球菌がよくみられる。
グラム陰性菌
インフルエンザ菌、モラクセラが多くみられる。次いでクレブシエラ菌(肺炎桿菌)、大腸菌、緑膿菌などが散見される。レジオネラ菌は頻度が高いとはいえないものの、セフェム系抗生物質が効かず、重症化しやすく注意を要する。
嫌気性菌
臨床上、グラム陽性・陰性を問わず嫌気性菌による肺炎を別扱いする。グラム染色では陽性・陰性が入り交じって見えることがある。
非定型
マイコプラズマ、クラミジアは、細胞壁を持たない、細胞内寄生体で、「非定型肺炎」と従来から呼ばれていた。市中肺炎の起炎菌としては、しばしばみられる。喀痰を伴わない乾性咳嗽が長引くことを主訴としたときには念頭に置く必要がある。
抗酸菌
結核性、非結核性に分ける。
大災害時の集団感染
災害時の避難場所の集団感染が多い。原因として喉頭が正常に働かず誤嚥や口内細菌が唾液と共に肺に入り肺炎になる。予防として歯磨きそのもので口内細菌取り除く。歯茎にも歯ブラシによるゆっくりとそして5分から10分と長くマッサージするとよい。阪神・淡路大震災では肺炎による死因が223人である。
治療
市中肺炎と院内肺炎では、起炎菌の頻度や、薬剤抵抗性が異なる。(PRSPやBLNAR,MRSA,VREなどが現在問題となっている。)そのため起炎菌が未確定で、エンピリック・セラピーを行うとしても、用いる抗生物質は異なる。詳細はそれぞれのガイドラインを参照のこと。
気道感染 |
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上気道 |
風邪
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ライノウイルス - アデノウイルス - パラインフルエンザウイルス - RSウイルス - コロナウイルス - エコーウイルス - エンテロウイルス
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喉頭炎
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急性喉頭蓋炎 - クループ
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咽頭炎
|
|
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下気道 |
急性細気管支炎
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肺炎 |
原因
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定型肺炎
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グラム陽性
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肺炎球菌 - 黄色ブドウ球菌
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グラム陰性
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肺炎桿菌 - インフルエンザ菌 - モラクセラ - 大腸菌 - 緑膿菌
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非定型肺炎
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ウイルス性
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RSウイルス - インフルエンザ肺炎 - 重症急性呼吸器症候群
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肺真菌症
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ニューモシスチス肺炎 - クリプトコッカス症 - アスペルギルス症
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|
レジオネラ菌 - マイコプラズマ - クラミジア肺炎 - オウム病
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抗酸菌症
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結核 - 非結核性抗酸菌症
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機序
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市中肺炎 - 院内肺炎 - 誤嚥性肺炎
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病態
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肺胞性肺炎
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大葉性肺炎 - 気管支肺炎
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化膿性肺炎
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胸壁 |
膿胸
|
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 招請講演 緑膿菌性急性肺傷害に対する分子標的治療 (公益社団法人日本麻酔科学会第62回学術集会講演特集号)
- インフルエンザワクチン : その問題点と展望を含めて (特集 成人の予防接種はどうあるべきか? : 予防医療推進の観点から) -- (成人に接種する代表的なワクチン)
- 細菌性肺炎 (特集 より良いプライマリ・ケアのための最新「かぜ」情報) -- (「かぜ」の続発症と併発症)
- 薬物治療中のリウマチ患者の肺感染症 : 除く抗酸菌症 (特集 リウマチ肺合併症の変遷と画像診断医の役割)
Related Links
- 細菌性肺炎とはどんな病気か. 肺炎は、気管支より末梢の酸素と二酸化炭素を交換する 肺胞(はいほう)と呼ばれる部位に起こる感染に伴う炎症、と定義されます。肺胞は気道と つながっているので、同時に気管支炎も起こします。肺炎では肺胞にまで微生物が ...
- 細菌性肺炎(さいきんせいはいえん)は細菌を原因とした肺の急性炎症であり、その ほとんどは肺胞性肺炎である。 目次. 1 概要; 2 グラム陽性菌; 3 グラム陰性菌; 4 嫌気 性菌; 5 非定型; 6 抗酸菌; 7 大災害時の集団感染; 8 治療. [編集] 概要. 一般的な市中 肺炎 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 74歳の男性。呼吸困難のため搬入された。
- 現病歴:昨夕37.4℃の発熱があり、咳と痰とを伴っていた。市販の総合感冒薬を内服したが改善しなかった。本日になって体温が38.4℃に上昇し、呼吸困難が出現してトイレまで歩くのもつらくなったため、救急車を要請した。
- 既往歴:生来健康で、昨年の特定健康診査では異常を指摘されていない。
- 生活歴:喫煙歴はない。飲酒は日本酒1合/日を50年間。
- 家族歴:妹が胃癌で治療中。
- 現 症:意識は清明。体温38.1℃。脈拍112/分、整。血圧146/92mmHg。呼吸数28/分。 SpO2 96%(2L/分酸素投与下)。心音に異常を認めない。座位で右前胸部の下方と右背部の下方にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢に浮腫を認めない。
- 検査所見:血液所見:赤血球380万、 Hb 11.9g/dL、 Ht 38%、白血球 11,000(桿状核好中球25%、分葉核好中球51%、好酸球1%、好塩基球1%、単球4%、リンパ球18%)、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白7.3g/dL、アルブミン3.8g/dL、尿素窒素21mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、 AST28IU/L、 ALT 16IU/L、LD 370IU/L(基準176-353)。 CRP 19mg/dL。喀痰Gram染色で、 Gram陽性双球菌の白血球による貪食像を多数認める。胸部エックス線写真で右下肺野に広範な区域性の浸潤影を認める。
- 検査終了後、この患者のプロブレムリストを作成するにあたり、プロブレムとして最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106H033]←[国試_106]→[106H035]
[★]
- 68歳の女性。易疲労感と咳嗽とを主訴に来院した。6か月前から左上葉肺癌で抗癌化学療法と放射線療法とを受けていた。2か月前に治療は終了し経過観察されている。2週間前から易疲労感と乾性咳嗽があり、次第に悪化したため受診した。身長 160cm、体重 58kg。体温 36.6℃。脈拍 88/分、整。血圧 126/80mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 96%(room air)。眼瞼結膜は軽度貧血様である。心音に異常を認めないが、左胸部で気管支呼吸音と軽度のwheezesを聴取する。血液所見:赤血球 389万、Hb 10.2g/dL、Ht 32%、白血球 5,800、血小板 25万。血液生化学所見:総蛋白 6.7g/dL、アルブミン 3.7g/dL、総ビリルビン 0.3mg/dL、AST 16U/L、ALT 13U/L、LD 273U/L(基準 176~353)、クレアチニン 0.9mg/dL、Na 143mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 105mEq/L、CEA 4.8ng/mL(基準 5以下)。CRP 1.3mg/dL。胸部エックス線写真(別冊No. 6A)と肺野条件の胸部CT(別冊No. 6B)とを別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111E040]←[国試_111]→[111E042]
[★]
- 42歳の男性。発熱、乾性咳楸および呼吸困難を主訴に来院した。仕事でしばしば海外に出張している。6か月前から発熱、下痢を繰り返し、3か月で6kgの体重減少を認めた。体温38.6℃。脈拍80/分、整。心雑音はないが、肺野にfine crackles(捻髪音)を聴取する。腹部に異常所見はない。神経学的に異常所見はない。血液所見:赤沈65mm/1時間、赤血球386万、Hb13.0g/dl、白血球4,200(好中球78%、単球2%、リンパ球20%)、血小板12万。LDH470単位(基準176~353)。CD4陽性細胞125/mm3(基準500以上)。胸部エックス線写真で両側肺野に間質性陰影を認める。肺病変について最も可能性の高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097D054]←[国試_097]→[097D056]
[★]
- ネフローゼ症候群を併発した全身性エリテマトーデス(SLE)のため副腎皮質ステロイドによる治療を受けていた患者が、経過中に糖尿病と細菌性肺炎とを発症し、敗血症性ショックとなり死亡した。死亡診断書の様式の一部(別冊No. 1)を別に示す。
- 死亡診断書の作成にあたり、「死亡の原因」の「(ア)直接死因」に記載すべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112B018]←[国試_112]→[112B020]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095B015]←[国試_095]→[095B017]
[★]
聴診所見と呼吸器疾患の組合せで誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113E007]←[国試_113]→[113E009]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [112B014]←[国試_112]→[112B016]
[★]
- 英
- fulminant pneumonia
- 同
- 劇症肺炎
- 関
- ウォーターハウス・フリーデリクセン症候群
[★]
- 英
- surfactant protein D SP-D
- 関
- KL-6, SP-A。サーファクタントプロテイン
概念
- II型肺胞上皮細胞が分泌するサーファクトプロテインの一種。
- 肺の線維化のマーカーとして用いられる。
基準値
意義
- 臨床検査データブックより引用
高値
可能性
低値
[★]
- 英
- Pseudomonas aeruginosa pneumonia
- 関
- 緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa、細菌性肺炎
[★]
- 英
- bacterium,(pl.) bacteria
- 同
- バクテリア
- 関
- 特殊な細菌 、細菌の鑑別、細菌の同定?、細菌の分類?
細菌の命名
- ラテン語であり、イタリックで表す。
- 「属名 + 種名」で表現される。
グラム染色性と形状による分類と疾患
[★]
- 英
- pneumonia pneumonitis
- 関
疫学
- 日本の肺炎の受療率は人口10万対3、死亡率は人口10万対7。死因順位は第4位である。
- 受療率・罹患率共に高齢になるに従い急激に増加し、85歳以上の男性では死因第2位、90歳以上の男性では死因第1位となる(ガイドライン1)。
- 死亡者の95%以上が高齢者である。
- 年代と病原体
日本における肺炎の年齢階級別受療率と死亡率(人口10 万対,2002 年)
- ガイドライン1 2004 年「国民衛生の動向」 改変
|
年齢階級
|
総数
|
15~
|
25~
|
35~
|
45~
|
55~
|
65~
|
75~
|
85~
|
90~
|
19
|
29
|
39
|
49
|
59
|
69
|
79
|
89
|
|
受療率
|
外来
|
6
|
3
|
4
|
3
|
3
|
6
|
7
|
14
|
21
|
21
|
入院
|
19
|
2
|
3
|
2
|
3
|
7
|
21
|
86
|
309
|
489
|
死亡率
|
男性
|
76.4
|
0.5
|
0.5
|
1.5
|
4.6
|
15.2
|
69.2
|
339
|
2087
|
4317
|
女性
|
62.7
|
0.3
|
0.5
|
0.9
|
1.9
|
5.6
|
22.4
|
144
|
934
|
2291
|
総数
|
69.4
|
0.4
|
0.5
|
1.2
|
3.2
|
10.3
|
44.6
|
249
|
1291
|
2787
|
分類
発症の場
原因
病理
- 上気道から連続的に下気道へ、あるいは、直接下気道に及んでいる。炎症は上皮に包まれた管腔内
肺炎の比較
ガイドライン
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- bacterial、bacterially
- 関
- 細菌、細菌的