- 英
- oliguria
- 同
- 尿量過少症
- 関
- 尿、無尿、乏尿・無尿
原因による分類
定義
- 400ml/day以下。400/24=16.7ml/hr以下
- 0.5 ml/kg/h (ICU.501)
- 尿量 0.5 l/day(2007年後期生理学授業プリント)
意義
- 一日の溶質排泄必要量 10 mg/kg を排泄できなくなる(2007年後期生理学授業プリント)
WordNet
- abnormally small production of urine; can be a symptom of kidney disease or obstruction of the urinary tract or edema or an imbalance of fluids and electrolytes in the body
- production of an abnormally small amount of urine
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/08/06 05:27:20」(JST)
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乏尿(ぼうにょう)とは、尿の排泄量が低下し、一日の尿量が400mL以下となった病態。通常、健常者の尿量は500 - 2,000mL/日である。また、乏尿よりもさらに尿量が低下し、50 - 100mL/日以下となった場合を、無尿と呼ぶ。
目次
- 1 生理学
- 2 機序による乏尿の分類
- 2.1 腎前性乏尿
- 2.2 腎性乏尿
- 2.3 腎後性乏尿
生理学
一般に食事を摂取している状態では、1日に600mOsmの溶質を尿中に排泄する必要がある。尿の最大濃縮力は約1,200 - 1,400mOsm/kg・H2Oであることから、これらの溶質を排泄するには、最低400mL(600/1400=0.43kg)の尿が必要という計算になる。1日400mL以下の乏尿状態が続くと、溶質の排泄が不十分となり、体内に溶質が蓄積した状態、高窒素血症となる。尿量の病的な減少は、すなわち腎不全状態の発症と直結した病態といえる。
機序による乏尿の分類
乏尿は、その発症機序から、
- 腎への灌流圧の低下による腎前性乏尿
- 腎実質の障害に起因する腎性乏尿
- 尿管・膀胱・尿道の閉塞などが原因となって起こる腎後性乏尿
の3群に分け検討することが病態の理解と治療方針の決定に有用である。
腎前性乏尿
脱水、ショック、腎不全、といった徴候が見られる場合、腎前性の乏尿の可能性が考えられる。健常者であっても血圧が70 - 80mmHg以下では腎の有効な灌流圧が得られないが、老化や動脈硬化を有する場合、あるいはすでに腎機能が低下している場合には、この値より軽度の血圧降下でも容易に尿量の減少をきたし腎不全となりうる。
腎性乏尿
さらに、以下のいくつかの場合に分けられる。
- 腎前性腎不全からの移行
- 脱水、ショック等の腎前性腎不全が重度でかつ長期にわたる場合、腎組織に虚血性の障害を生じ、最も弱い尿細管が急性尿細管壊死(ATN)の状態となり腎性腎不全に移行する。腎不全となった場合には、補液や利尿剤には反応しない。
- 薬物中毒による急性尿細管壊死
- 抗生剤、抗癌剤、造影剤、農薬、重金属等による中毒性の腎障害は多く急性尿細管壊死の形で腎不全を呈する。毒性を有する物の過量投与あるいは複数の併用時、脱水の存在する場合、利尿剤と併用されている場合、老人、腎機能障害例などでよくみられる。
- 急性間質性腎炎
- ペニシリン、サルファ剤、消炎鎮痛剤を始めとするいくつかの薬剤に対するアレルギー反応から間質性腎炎をきたし急性腎不全となる。また腎盂腎炎等の細菌感染の場合、二次的にアレルギー反応が強くでる可能性もある。普通尿量は大きく変化しない程度である。
- 糸球体腎炎、各種の腎障害
- 典型的な急性糸球体腎炎では潜伏期をもつ特有の病歴と、補体値の低下の所見から診断は容易である。SLE、腎盂腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性尿毒症症候群、血清病なども含まれる。これらの疾患では無尿に至ることは比較的少ない。診断はいずれも特徴ある臨床症状、検査所見から容易である。いかなる疾患が原因でも人工透析が必要となる末期になれば乏尿、無尿となり、さらにはまったく尿排泄を見なくなる。
- DIC
- 広範に腎の細小動脈が閉塞した場合、例えばDICが腎に及ぶと乏尿、無尿となる。臨床症状、血液凝固系検査所見(血小板減少、フィブリン分解産物増加、フィブリノーゲン減少)がみられる。
腎後性乏尿
尿管・膀胱・尿道の閉塞によるもので、大きく下部尿路閉塞と上部尿路閉塞とに分けられる
- 下部尿路閉塞
- 前立腺疾患、下部尿路疾患 等によって顆部尿管芽閉塞した場合で、排尿困難や痛み、血尿、膿尿等の尿所見が認められる。
- 上部尿路閉塞
- 尿管の結石、腫瘍、周囲からの浸潤、圧迫等で尿管が閉塞した場合に見られる。
尿量は一般的に、腎前性腎不全 > 腎性腎不全 > 腎後性腎不全の順である。特に尿量が0である場合は腎後性腎不全が疑われる。
腎・泌尿器系の疾患 |
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疾患 |
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糸球体病変
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急性糸球体腎炎 | IgA腎症 | 急速進行性糸球体腎炎 | 慢性糸球体腎炎
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ネフローゼ症候群
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原発性
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微小変化群 | 巣状糸球体硬化症 | 膜性腎症 | 膜性増殖性糸球体腎炎
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遺伝性腎炎
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アルポート症候群 | 良性家族性血尿
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尿細管機能障害
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ファンコニ症候群 | バーター症候群 | ギッテルマン症候群 | リドル症候群 | 尿細管性アシドーシス | 腎性糖尿 | 尿細管間質性腎炎
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続発性腎障害
|
膠原病
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全身性エリテマトーデス | 全身性強皮症 | シェーグレン症候群
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糖尿病性腎症 | 痛風腎 | クリオグロブリン血症 | アミロイドーシス | 溶血性尿毒症症候群
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腎循環障害
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腎血管性高血圧症 | 腎梗塞 | クルミ割り現象
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泌尿器疾患
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機能障害
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膀胱尿管逆流 | 神経因性膀胱 | 水腎症 |
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先天異常
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多発性嚢胞腎(常染色体優性多発性嚢胞腎 | 常染色体劣性多発性嚢胞腎) | 尿管異所開口 | 重複腎盂尿管 |ポッター症候群
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感染症
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腎盂腎炎 | 腎膿瘍 | 膀胱炎 | 腎結核
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尿路結石
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膀胱結石
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腫瘍
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腎細胞癌 | 腎盂腫瘍 | 尿管腫瘍 | 前立腺肥大症 | 前立腺癌 | 精巣腫瘍 | 陰茎癌 |腎芽腫
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性器の疾患
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前立腺炎 | 停留精巣 | 精巣捻転 | 包茎 | 勃起不全
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病態・症状 |
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腎不全
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急性腎不全
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急性尿細管壊死
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慢性腎臓病
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慢性腎不全 | 尿毒症
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尿所見異常
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乏尿 | 無尿 |多尿 |頻尿 |血尿 | タンパク尿 | 尿円柱
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尿閉 |陰嚢腫大
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検査 |
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腎機能検査
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糸球体濾過量 | クレアチニンクリアランス | ナトリウムクリアランス | 尿中ナトリウム排泄率 | 腎不全指数
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腹部X線写真 | 腎盂造影 | レノグラム | 腎生検
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腎・泌尿器系の正常構造・生理 |
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腎臓 |
肉眼解剖
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尿細管
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近位尿細管 - ヘンレのループ(下行脚 - 細い上行脚 - 太い上行脚) - 遠位尿細管 - 集合管 - 腎盤 ( - 尿管)
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腎循環
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腎動脈 - 傍尿細管毛細血管 - 輸入細動脈 - (糸球体) - 輸出細動脈 - 直細動脈 - 腎静脈
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ゲロタ筋膜
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顕微解剖
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ネフロン
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腎小体
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糸球体
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毛細血管 | 糸球体内メサンギウム細胞 | ボーマン嚢
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傍糸球体装置
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緻密斑 | 傍糸球体細胞 | 糸球体外メサンギウム細胞
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尿細管
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生理学
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アシドーシスとアルカローシス | 膠質浸透圧 | 糸球体濾過量 | 腎血漿流量 | クレアチニンクリアランス
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生化学
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バソプレッシン | アルドステロン | 心房性ナトリウム利尿ペプチド | エリスロポエチン | レニン-アンジオテンシン系
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尿路 |
肉眼解剖
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尿管 - 膀胱 - 尿道
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顕微解剖
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移行上皮
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生殖器系 |
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女性器 |
尿道 - 陰核 - 陰裂 - 陰核亀頭 - 陰核亀頭冠 - 陰核包皮 - 陰核小帯 - Gスポット - 処女膜 - 陰唇 - 大陰唇 - 小陰唇 - 膣 - バルトリン腺 - スキーン腺 - 子宮頸部 - 子宮 - 子宮内膜 - 卵管 - 卵巣
|
|
男性器 |
尿道 - 陰茎 - 陰茎亀頭 - 陰茎亀頭冠 - 海綿体 - 陰茎ワナ靭帯 - 陰茎包皮 - 陰茎小帯 - 陰嚢 - 精索 - 精巣上体 - 精細管 - セルトリ細胞 - 精巣輸入管 - 輸精管 - 精嚢 - 射精管 - 前立腺 - 尿道球腺 - 精巣網 - 精巣
|
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Japanese Journal
- 実習でよく出合う 症状のなぜ?どうして?(第10回)乏尿・無尿
- 腹部膨満,乏尿を呈する生後6日男児 (特集 症例に学ぶ--小児放射線カンファレンス) -- (泌尿生殖器)
- 乏尿・尿閉 (症状からアプローチする プライマリケア)
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- 百科事典マイペディア 乏尿の用語解説 - 排尿量(正常では1日平均男1500cc,女 1200cc)が著しく減少した状態。普通400cc以下をいう。尿閉と異なり膀胱(ぼうこう)内 に残尿をみない。腎炎などの腎機能障害,結石などによる両側性尿管通過障害,下痢・ 嘔吐( ...
- 乏尿とは結果的に腎機能低下を生じる程度に減少した尿量の状態と考えられ、体格の 大小により差はあるが普通の成人で1日400~500mlである。この場合腎の濃縮力を 最大にしても1日に必要な溶質の排泄が不可能となる。当然ながら老人のごとく濃縮力 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 42歳の女性。発熱と乏尿とを主訴に来院した。半年前から右示指と中指の中手指節関節、左示指の近位指節間関節および左環指の中手指節関節に腫脹と疼痛とを自覚していた。 1か月前からは両側手関節にも腫脹と疼痛とを自覚した。 2週前に受診し非ステロイド性抗炎症薬が処方され著効したが、 3日前から発熱と乏尿とが出現した。意識は清明。体温 38.0 ℃。脈拍 84/分、整。血圧 144/88 mmHg。呼吸数18/分。 2週前と比べ 5 kgの体重増加を認める。両側の下腿に浮腫を認める。尿所見:蛋白 1+、糖 (-)、潜血 1+、沈渣に白血球円柱 1~ 4 / 1視野。血液所見:赤血球 408万、 Hb 10.9 g/dl、Ht 32%、白血球 12,300(桿状核好中球 6%、分葉核好中球 63%、好酸球 4%、好塩基球 1%、単球 6%、リンパ球 20% )、血小板 38万。血液生化学所見:総蛋白 6.8 g/dl、アルブミン 3.0 g/dl、尿素窒素 86 mg/dl、クレアチニン 6.6 mg/dl、尿酸 10.2 mg/dl、Na 132 mEq/l、K 5.2 mEq/l、Cl 104 mEq/l。免疫血清学所見: CRP 10 mg/dl、リウマトイド因子〈RF〉80 IU/ml(基準 20未満 )、抗CCP抗体 245 U/ml(基準 4.5未満 )。手の単純エックス線撮影で関節にびらんを認めた。入院後、非ステロイド性抗炎症薬を中止したところ解熱した。入院 6日目にクレアチニンは 3.0 mg/dlに低下したが関節痛は悪化した。
- 現時点での治療薬として最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108I070]←[国試_108]→[108I072]
[★]
- 36歳の女性。乏尿と浮腫とを主訴に来院した。 2週前に発熱と咽頭痛とが出現した。昨日から尿量が減少し、全身に浮腫が出現してきた。頭痛も伴うようになったため受診した。
- 体温36.0℃。脈拍72/分、整。血圧160/100mmHg。呼吸数18/分。
- 尿所見:蛋白1+、潜血3+、沈渣に赤血球多数/1視野。血液所見:赤血球400万、 Hb12.6g/dl、 Ht34%、白血球6,600、血小板22万。血液生化学所見:アルブミン4.2g/dl、尿素窒素30mg/dl、クレアチニン1.2mg/dl、総コレステロール220mg/dl。入院後7日に施行した腎生検のPAS染色標本(別冊No. 26A)と電子顕微鏡写真(別冊No. 26B)とを別に示す。
- この患者の検査所見として考えられるのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A052]←[国試_106]→[106A054]
[★]
- 40歳の男性。乏尿と呼吸困難とを主訴に救急外来を受診した。既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。冷汗と下腿浮腫とを認める。 III音と IV音とを聴取する。両側の胸部に coarse cracklesを聴取する。脈拍 108/分、整。血圧 72/50 mmHg。呼吸数 28/分。血液生化学所見:クレアチニン 1.8 mg/dl、Na 134 mEq/l、K 3.8 mEq/l、 Cl 100 mEq/l、脳性ナトリウム利尿ぺプチド〈BNP〉840 pg/ml(基準 18.4以下)。動脈血ガス分析 ( room air): pH 7.32、PaCO2 30 Torr、PaO2 62 Torr、HCO3 15 mEq/l。心エコー図 (傍胸骨左縁長軸像 )(別冊 No.15A、B)を別に示す。
- まず投与すべき治療薬で適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108A040]←[国試_108]→[108A042]
[★]
- 70歳の女性。 1人暮らし。 5日前からの発熱と下痢とを主訴に、往診の依頼があった。 2年前に大腿骨頚部骨折を受傷して以来、自宅で寝たきりになっている。意識は清明。体温38.0℃。脈拍104/分、整。血圧86/50mmHg。呼吸数24/分。
- この患者で認める可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106F019]←[国試_106]→[106F021]
[★]
- 水様下痢が持続し乏尿となった若年男性の検査結果を示す。血圧86/52mmHg。血液所見:Ht 54%。血液生化学所見:尿素窒素64mg/dl、クレアチニン2.8mg/dl、尿酸8.4mg/dl、Na 138mEq/l、K 4.1mEq/l、Cl 101mEq/l。
- 尿所見として予想されるのはどれか。
- a 尿比重1.006
- b 尿蛋白3+
- c 尿潜血2+
- d Na6mEq/l
- e 尿K 0mEq/l
[正答]
※国試ナビ4※ [107B022]←[国試_107]→[107B024]
[★]
- (1) 尿蛋白1日量50mg/kgはネフローゼ症候群の診断基準に当てはまる。
- (2) 微小変化群ネフローゼでは血清尿素窒素が上昇しやすい。
- (3) 膜性増殖性腎炎は検尿で初めて発見されることが多い。
- (4) 腎糸球体に半月体形成の著しいものでは副腎皮質ステロイド薬大量療法を行う。
- (5) 紫斑病性腎炎では乏尿をみないことが多い。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103B006]←[国試_103]→[103B008]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [097E010]←[国試_097]→[097E012]
[★]
- 上腹部に連続性血管雑音を聴取したとき認められる可能性が高い症候はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099B020]←[国試_099]→[099B022]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- 帝王切開のための脊髄くも膜下麻酔時に最も高頻度に起こるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110B014]←[国試_110]→[110B016]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105G004]←[国試_105]→[105G006]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099D082]←[国試_099]→[099D084]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108I011]←[国試_108]→[108I013]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105F002]←[国試_105]→[105F004]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F062]←[国試_101]→[101F064]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098E012]←[国試_098]→[098E014]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096E020]←[国試_096]→[096E022]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102C010]←[国試_102]→[102C012]
[★]
- 英
- heart failure, HF, cardiac failure CF, cardiac insufficiency
- 関
定義
- 心臓のポンプ能が低下しているために、十分な心拍出量が得られない状態を指す (EPT.115)
- 心筋の機能が低下し、末梢組織の酸素需要量に見合うだけの血液を駆出できなくなった状態。
- 心臓に器質的あるいは機能的異常が生じて、心臓のポンプ機能力が低下し、主要臓器の酸素需要量に見合うだけの血液を拍出できない病態(YN)。全ての心疾患の「終末像」である。あくまでも終末像のため、死亡診断書に死因と記載するのは不適切である。
分類
病期
原因
場所
病態の分類
病期分類
- No limitation of physical activity. Ordinary physical activity does not cause undue fatigue, palpitation, or dyspnea (shortness of breath).
- Slight limitation of physical activity. Comfortable at rest, but ordinary physical activity results in fatigue, palpitation, or dyspnea.
- Marked limitation of physical activity. Comfortable at rest, but less than ordinary activity causes fatigue, palpitation, or dyspnea.
- Unable to carry out any physical activity without discomfort. Symptoms of cardiac insufficiency at rest. If any physical activity is undertaken, discomfort is increased.
原因
- 虚血性心疾患、弁膜疾患、高血圧精神疾患、心筋虚血の順に多い。(IMD.790)
- 誘因としては過労、ストレス、感染、心拍数の異常、不整脈、水分・塩分の過剰摂取がある。
増悪因子
- ストレス
- 感染症:頻脈→心筋酸素需要↑
- 貧血 :心拍出量↑
- 妊娠 :心拍出量↑、体液量↑
- 甲状腺機能亢進症:甲状腺ホルモン(心臓のカテコラミン受容体増加)の陽性変力効果、陽性変時効果→心筋酸素需要↑
- 血圧上昇 :圧負荷
- 頻脈性不整脈:心筋酸素需要↑
table 9.3. 代償されている心不全において症状を誘発させる要因 PHD.240
- 代謝的需要の増加 → 心筋が十分に収縮できなくなる
- コントロールされていない高血圧 ←左心系
- 肺塞栓症 ← 右心系
- 陰性変力作用を持つ薬物
- 心筋虚血 or 心筋梗塞
- アルコールの摂取
症状
心不全の身体所見 IMD.791改変
- 右心不全での胸水:左心不全の後方障害で起こるが、右心不全でも上大静脈圧上昇により奇静脈系が上昇して胸水貯留を認める
- the pleural veins drain into both the systemic and pulmonary veous beds.(PHD.243)
治療
参考
- 2006年改訂版:http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2006_maruyama_h.pdf
- 2011年改訂版:http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2011_izumi_h.pdf
- 2. 慢性心不全治療ガイドライン(2010年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_matsuzaki_h.pdf
[★]
- 英
- pollakiuria, pollakisuria, frequent urination, frequent micturition, urinary frequency
- 関
- 尿、乏尿、無尿、頻尿症、尿意頻数、排尿回数、機能性膀胱容量
定義
- 正常者の排尿回数は24時間で5~6回で就寝中は0~1回である。
- 就寝中の頻尿を夜間頻尿(夜間多尿症)、起床から就寝までの頻尿を昼間頻尿と呼ぶ。
- 排尿回数が異常に多いこと
- 1. 昼間頻尿を8回以上、夜間頻尿(夜間多尿症)を2回以上(日本泌尿器科学会排尿障害臨床試験ガイドライン)
- 2. 1日10回以上、就眠時 2回以上の排尿
原因
鑑別疾患
[★]
- 英
- urine volume, volume of urine
- 関
- 尿
分類
- 正常:800-1,500 ml。男性:1.5 L、女性:1.2 L
- 乏尿:400 ml
- 無尿:100 ml
時間量
- 正常:33-63 ml/hr → 一時間で50ml tube一本くらいか
- 乏尿:16.7 ml/hr → 一時間で10ml tube 2-3本に達しないとマズイかもと考えればいい?
- 無尿:4 ml/hr
体重を加味した時間量
- 乏尿:0.5ml/kg/hr未満 (ICU.501) → 乏尿について時間量と体重を加味した時間用の2通りがあることになるが、どちらが適切か議論されていないらしい(ICU.501)
QB.E-129
- 腎血漿流量600ml/分の20%が濾過されて、原尿120ml/分産生される。このうち、ほとんどが吸収されるが1ml/分のみ尿として排泄される。
臨床関連
[★]
- 英
- glomerulonephritis
- 同
- 腎炎
- 関
- 糸球体病変
症状
臨床的分類
メモ
- 081201
- E:\データセンター\学習\細々とした勉強ファイル\糸球体腎炎_など.xls
[★]
- 英
- anuria
- 関
- 乏尿、尿、乏尿・無尿、仮性無尿、急性腎不全
定義
[★]
- 英
- non-oliguric renal failure
- 関
- 乏尿性腎不全、腎不全
[★]
- 英
- renal oliguria
- 関
- 乏尿
[★]
- 英
- oliguric renal failure
[★]
- 英
- urine
- ラ
- urina
- 関
- 尿浸透圧、尿量
臨床関連
尿中への代謝物質の異常排出
尿の色
- 決定する要素:ウロビリノゲン、ヘモグロビン、ミオグロビンなど