- 英
- pneumothorax (M)
分類
病態
- 開放性気胸:胸壁が外界と交通している状態
- 閉鎖性気胸:肺が破れている状態
- 緊張性気胸:胸壁・肺・気管支の損傷部位が弁状となり、吸気時に胸腔に入ってしまった空気が流出されない。
原因
続発性
病態
- 換気障害:緊張性気胸でない状態では、換気が抑制された状態となる(SAN.200)。従って、paCO2は上昇、pO2は不変であることが多いと考えられる。
身体所見
聴診
打診
検査
単純胸部X線
- 胸腔内の空気部(free air)に肺血管影が存在しない
- free airと縮んだ肺の境界部に明瞭な臓側胸膜の線状影が認められる
- deep sulcus sign:肋骨や横隔膜が透亮像として、深く拡大して見える。呼気位で撮影するとよく分かる。
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気胸 |
分類及び外部参照情報 |
|
ICD-10 |
J93, P25.1, S27.0 |
ICD-9 |
512, 860 |
OMIM |
173600 |
DiseasesDB |
10195 |
MedlinePlus |
000087 |
Patient UK |
気胸 |
MeSH |
D011030 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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気胸(ききょう、Pneumothorax)とは、胸腔内で気体が肺を圧迫し、肺が外気を取り込めなくなった状態である。
目次
- 1 病因
- 2 疫学
- 3 症状
- 4 診断
- 5 治療
- 6 予後
- 7 人工気胸
- 8 歴史
- 9 脚注
- 10 関連項目
- 11 外部リンク
病因
多くは自然気胸(原発性自然気胸 Primary spontaneous pneumothorax および続発性自然気胸 Secondary spontaneous pneumothorax)で、肺胞の一部が嚢胞化したもの(ブラ Bulla)や胸膜直下に出来た嚢胞(ブレブ Bleb)が破れ、吸気が胸腔に洩れる事でおこる。胸痛をきっかけに受診することが多い。聞きなれない病名のため、喘息などと勘違いして放置されることもあるが、それほど珍しい病気ではない。
年配の人の気胸の場合は肺気腫・結核・肺癌などの基礎疾患に伴う続発性気胸が多い。女性の場合は子宮内膜症が横隔膜や肺に広がり月経とともに剥がれ落ちて起こる、月経随伴性気胸の場合もある。交通事故などによる肋骨骨折が原因となるものや、点滴誤穿刺、鍼による肩背部・胸部などへの直深刺などによる外傷性気胸もある。
静脈や動脈の損傷を伴う場合(血胸)は血気胸と呼ばれる。
疫学
自然気胸は、背が高く痩せ型の若い(10代〜20代)男性に起こりやすい傾向にあるが(BMIが20前後の男性では、6パーセント程度にブレブの発生が見られた[1])、背の低い人、太った人、年配者、女性が発病する事も稀ではない。
嚢胞が発生する原因や破れる原因は明確になっておらず、それ故に「自然」気胸と呼ばれる。喫煙や運動、猫背などの姿勢、気圧変化(夏よりも秋から冬にかけての発症が多い)などによって肺に強い負担がかかったため、成長期の骨の急成長に肺の成長が間に合わず肺が引き伸ばされてしまったため、心的ストレスや睡眠不足等の生活習慣の悪化のためとも考えられているが、いずれも確証は得られていない。
その他、マルファン症候群や肺リンパ脈管筋腫症、ホモシスチン尿症などでも発症率の上昇が認められている。
症状
多くは突然発症する。呼吸をしても大きく息が吸えない、激しい運動をすると呼吸ができなくなるなどの呼吸困難、酸素飽和度の低下、頻脈、動悸、咳などが見られる。発症初期には肩や鎖骨辺りに違和感、胸痛や背中への鈍痛が見られることがあるが、肺の虚脱が完成すると胸痛はむしろ軽減する。痛みは人によって様々で、全く感じない人もいれば、軽微の気胸で激痛を感じる人もいる。
自然気胸の場合、両方の肺が同時に発症することは稀だが、片方の肺が発症するともう一方に負担がかかるので、可能性は少なからずある。この場合は酸素が供給されないため危険である。症状が悪化すると、胸部の皮膚に気泡のようなもの(皮下気腫 en:Subcutaneous emphysema)が現われることもある。
緊張性気胸
胸腔に漏れ出した空気が対側の肺や心臓を圧迫している状態を緊張性気胸という。この場合は血圧低下、ショックを来たし、緊急に胸腔穿刺を行わなければ死に至る。これは、心臓は勿論、肺も、血液が体内を一巡するごとに必ず通る臓器だからである。しかも肺の毛細血管の還流圧は低いため、本症においては血液が肺の毛細血管を通過できなくなる(心臓に戻って来られなくなる)という事を意味する。本症においては、処置に時間の掛かるドレナージで無く迅速な穿刺を行わなければならない。
緊張性気胸による呼吸困難に対し、人工呼吸は禁忌である。胸腔内圧を更に上げる事になり、肺の虚脱が亢進する。緊張性血気胸・血胸では緊急手術となることもある。
診断
- 聴診において、肺に空気が送られる音がしないなどの呼吸音減弱が見られる。これは聴診器で確認できるが、程度が小さい場合は発見しにくいので、専門医に診てもらうのが良い。
- 胸部X線写真で血管影を伴わない空虚な領域は気胸と疑われる。血胸・血気胸では血液を含む胸水によるX線透過性の低下した像を認める。
- 胸部CTによって比較的大きな嚢胞であれば場所が確認できる。
- 胸腔穿刺は胸水の性状を確認するため施行される。
鑑別診断の一部
胸痛患者では致死的疾患へのアプローチを優先しなければならない。具体的には下記の6つの疾患がある。
- 急性冠症候群(不安定狭心症と急性心筋梗塞)
- 解離性大動脈瘤
- 心タンポナーデ(心のう内出血や心膜炎)
- 緊張性気胸・血胸
- 肺塞栓
- 特発性食道破裂
他にもTieze病や肋間神経痛、胸膜炎などがある。
治療
- 初期段階では無理な姿勢や運動をせず、無理な呼吸をしないで、安静にするのみで自然治癒を待つ。これが気胸の基本的な治癒方法で、自覚症状が無いまま完治してしまうこともある。
- 軽度の気胸や止血された血気胸であれば、通常は胸部の脇の部分を数mm切開し、胸腔ドレナージ術による吸引を行う。これは胸腔内を脱気し肺が膨らみやすくなるようにするのが目的で、原因病巣の治療は自然治癒を含む他の手段に求める。
- 繰り返す自然気胸やドレーン後も改善しない気胸では、手術によって嚢胞の切除が行われる。現在では胸腔鏡下で行われるのが一般的だが、場合によっては開胸する事もある。事前に胸部CTで原因病巣と思しき大きな嚢胞を探して目標とするが、実際に破れたのはCTで確認できないような小さな嚢胞の場合もある。穴の開いた部分を縫い合わせる手術もある。
- 化学熱傷をわざと起こす胸膜癒着術は、肺が潰れなくなるため根本治療となり得るが、癒着が不十分だと再発の可能性が残る。再発時は癒着しなかった部分のみ潰れるため軽度の気胸に留まるものの、治療に際してドレーンを挿入できなくなる事がある。また手術を行う時は、癒着を剥がす必要があるために癒着のない場合より困難を来し、多くは開胸を要する。
- 最近では空気漏れを起こす嚢胞を切除した後、その部分に吸収性メッシュシートを貼り付けて補強する治療法も開発されている。これにより再発率が抑えられるようになった。
予後
基礎疾患の無い自然気胸でも、再発を繰り返す場合がある。対側に起こる場合も多い[2]。再発率の統計は、自然治癒の場合約50パーセント、胸腔鏡下手術の場合5 - 10パーセント、開胸手術の場合0.5 - 3パーセントとなっているが、人によって違いは様々である。閉塞性肺疾患などが基礎にある場合はさらに難治性となる。
治療後も暫くは安静を要する。気道内の大きな圧力変化をもたらす事象、即ち飛行機への搭乗(鉄道や自動車・バスでも峠越えなど)・管楽器演奏・スキューバダイビングなどは事前に医師の許可を得る事が望ましい。勿論、喫煙は厳禁であるし、咳はできるだけ我慢して早めに咳止めを服用する必要がある。1か月程度安定状態が続けば運動も再開できるようになる。
気胸による術後の死亡は稀であり、緊張性気胸を除けば極めて低い0.04パーセントである。一方で、肺癌や結核などの基礎疾患をもつ重症の続発性気胸では、1.2パーセントとなっている[3]。
人工気胸
過去に、肺結核の治療法に気胸が良いとされた時期があり、胸膜腔に空気を注入することで人工的に肺を萎縮させる療法があった。逆に結核による気胸の発症例も多かった。現在では膿胸などの危険が伴うため衰退している。人工気胸術、気胸療法ともいう。
歴史
中世トルコでは、外科医の「Şerafeddin Sabuncuoğlu」(1385年~1468年)によって、胸腔から空気を吸引する簡易的な治療が行われた記録が残っている[4]。
20世紀初頭には、気胸で縮んだ肺の大きさを可視化するために、X線撮影が用いられるようになった。
1803年には、気胸に関する疫学と、その大半は結核が原因だとする研究が、フランスの医師「ジャン・イタール」と「ルネ・ラエンネック」によって発表された[5]。しかし1932年には、結核以外を原因とする自然気胸の存在も、デンマークの医師「Hans Kjaergaard」によって発表された[6]。
1941年には、外科医のタンソンとクランドールによって、気胸の原因となる嚢胞の切除手術が初めて導入された[7]。この時点で、初めて気胸に対する根本的治療が確立された。
脚注
- ^ Tamura M, Ohta Y, Sato H. "Thoracoscopic appearance of bilateral spontaneous pneumothorax." Chest. 2003 Dec;124(6):2368-71. PMID 14665522
- ^ Huang TW, Lee SC, Cheng YL, Tzao C, Hsu HH, Chang H, Chen JC. "Contralateral recurrence of primary spontaneous pneumothorax." Chest. 2007 Oct;132(4):1146-50. Epub 2007 Jun 5. PMID 17550937
- ^ 自然気胸 | 近畿大学医学部 外科学教室
- ^ Kaya SO, Karatepe M, Tok T, Onem G, Dursunoglu N, Goksin I (September 2009). "Were pneumothorax and its management known in 15th-century anatolia?". Texas Heart Institute Journal 36 (2): 152–153. PMC 2676596. PMID 19436812.
- ^ Laennec RTH (1819) (French). Traité de l'auscultation médiate et des maladies des poumons et du coeur - part II. Paris.
- ^ Kjærgard H (1932). "Spontaneous pneumothorax in the apparently healthy". Acta Medica Scandinavica. 43 Suppl: 1–159. doi:10.1111/j.0954-6820.1932.tb05982.x.
- ^ Tyson MD, Crandall WB (1941). "The surgical treatment of recurrent idiopathic spontaneous pneumothorax". Journal of Thoracic Surgery 10: 566–70.
関連項目
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呼吸器疾患(ICD-10 J00〜99) |
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Japanese Journal
- 川原 大輔 [他]
- 長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi 86(3), 151-156, 2011-12-25
- … X線写真、CT検査にて、左横隔膜損傷、左血気胸、クモ膜下出血、多発骨折と診断された。 …
- NAID 110008721227
- BHD遺伝子異常に起因する多発性肺嚢胞疾患の病理 -反復性気胸に対する新たな洞察-
- 古賀 俊輔,コガ シュンスケ,Shunsuke KOGA
- 千葉医学雑誌 87(6), 275-279, 2011-12-01
- … Birt-Hogg-Dube (BHD)症候群は皮膚線維毛包腫,腎腫瘍,肺嚢胞及び気胸を主な症状として呈する常染色体優性遺伝性疾患である。 … 本研究では,家族歴の明らかでない反復性気胸を呈した症例に対し,胸部画像及び病理組織学的特徴からBHD症候群を疑い,BHD遺伝子解析を施行し遺伝子変異を同定した。 …
- NAID 120003750703
- 5.自然気胸から肺水腫に至った重症神経性食思不振症の一例(一般演題,第68回日本心身医学会東北地方会演題抄録)
- 佐藤 康弘,庄司 知隆,相模 泰宏,青木 勲,橋田 かなえ,本郷 道夫
- 心身医学 51(11), 1044-1045, 2011-11-01
- NAID 110008750162
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- 60歳の男性。オートバイで転倒したため搬入された。
- 現病歴: 2時間前、オートバイで走行中に転倒し大腿部を挟まれた。
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- 現症:意識レベルは JCSI-3。身長 160 cm、体重 60 kg。体温 35.5℃。脈拍 120/分、整。血圧 80/50 mmHg。呼吸数 24/分。 SpO2 98% (リザーバー付マスク 10 l/分酸素投与下 )。表情は苦悶様で左大腿部の痛みを訴えている。顔面は蒼白で、皮膚は冷たく湿潤している。心音と呼吸音とに異常を認めない。左大腿部に挫滅創と活動性外出血とを認め、骨が露出している。濃い尿を少量認める。
- 検査所見:尿所見:比重 1.030、蛋白 (-)、糖 (-)。血液所見:赤血球 250万、Hb 7.0 g/dl、Ht 21%、白血球 13,000(桿状核好中球 6%、分葉核好中球 70%、単球 4%、リンパ球 20% )、血小板 4.5万、 PT 20秒 (基準 10~14)、 APTT 50秒 (基準対照 32.2)。血液生化学所見:総蛋白 5.0 g/dl、アルブミン 3.0 g/dl、尿素窒素20 mg/dl、クレアチニン 0.9 mg/dl、血糖 120 mg/dl、Na 145 mEq/l、K 5.0 mEq/l、Cl 109 mEq/l。下肢エックス線写真で左大腿骨骨折と左脛骨骨折とを認める。胸部エックス線写真と全身 CTで下肢を除いて異常を認めない。左大腿骨開放骨折に対し、赤血球濃厚液、新鮮凍結血漿および濃厚血小板を準備し、止血、デブリドマン及び骨整復固定術が予定された。急速輸液を行った。
- 術後 2日目、呼吸困難を訴えた。意識レベルは JCSII-10。体温 38.0℃。脈拍 120/分、整。血圧 120/80 mmHg。呼吸数 30/分。 SpO2 85% ( room air)。眼瞼結膜と体幹皮膚に点状出血を認める。両側の胸部で coarse cracklesと wheezesとを聴取する。心エコー検査で壁運動異常はなく、下大静脈の拡張もない。胸部エックス線写真 (別冊 No. 7)を別に示す。
- 病態として考えられるのはどれか。
[正答]
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- 次の文を読み、28~30の問いに答えよ。
- 68歳の男性。呼吸困難を訴えて来院した。
- 現病歴 : 4年前に慢性閉塞性肺疾患の診断を受け、定期的に診察を受けている。1週前に上気道炎に罹患し、その後呼吸困難が増悪した。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴は40本/日を20歳から40年間。
- 現症 : 意識は清明。身長168cm、体重58kg。呼吸数24/分。脈拍120/分、整。血圧130/90mmHg。両側頚静脈の怒張を認める。胸部の聴診でⅡ音の亢進を認め、両肺に軽度のwheezesを聴取する。腹部では肝を右肋骨弓下に6cm触知する。下肢に浮腫を認める。神経学的所見に異常はない。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球460万、Hb 15.0g/dl、Ht44%、白血球12,500、血小板42万。血清生化学所見:血糖170mg/dl、Na138mEq/l、K3.5mEq/l、Cl 110mEq/l。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.36、PaO2 54Torr、PaCO2 72Torr、BE+11mEq/l。
- 治療経過 : 経鼻酸素5l/分を開始し、静脈路を確保して利尿薬を投与した。30分後に意識レベルが低下してきた。
[正答]
※国試ナビ4※ [098C028]←[国試_098]→[098C030]
[★]
- 日齢6の新生児。NICUに入院中である。常位胎盤早期剥離のため緊急帝王切開で出生した。在胎26週4日、出生体重750gであった。出生6分で気管挿管が行われ、10分後には開眼した。その後NICU入院となり、呼吸管理を受けている。入院後、経口胃管を挿入し、日齢1から少量のミルクを開始した。本日、ミルク注入前に胃内にミルクが残っており、腹部が軽度膨満していた。体温 36.7℃。心拍数 124/分、整。血圧 52/24mmHg。呼吸数 48/分。SpO2 99%(FIO2 0.25)。大泉門は平坦で、心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は軽度膨満があり、腸雑音は減弱している。四肢の運動があり、筋緊張に異常を認めない。胸腹部エックス線写真(臥位正面および左側臥位正面像)(別冊No. 26A、B)を別に示す。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114A055]←[国試_114]→[114A057]
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- 78歳の女性。夕食後に腹痛が出現し、次第に増強したため救急車で搬入された。43歳時に卵巣嚢腫摘出術を受けている。体温 38.0℃。心拍数 120/分、整。血圧 116/66mmHg。SpO2 98%(鼻カニューラ1L/分酸素投与下)。腹部は膨隆し、下腹部に圧痛と筋性防御とを認めた。腹部造影CTで絞扼性イレウス及び汎発性腹膜炎と診断され、緊急手術を行うことになった。手術室入室時、体温 38.0℃。心拍数 124/分、整。血圧 90/54mmHg。SpO2 100%(マスク6L/分酸素投与下)。麻酔導入は、酸素マスクによって十分な酸素化を行いつつ、静脈麻酔薬と筋弛緩薬とを投与後、陽圧換気を行わずに輪状軟骨圧迫を併用し迅速に気管挿管を行う迅速導入とした。
- 下線に示すような麻酔導入を行う目的はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112C029]←[国試_112]→[112C031]
[★]
- 1か月前から時に血痰を自覚していたが次第に増強してきた。
- 18歳ころ肺結核で人工気胸術を受けた。
- 身長165cm、体重56kg。体温36.5kg、脈拍84/分、整。血圧104/72mmHg。胸部聴診では心雑音なく、右呼吸音を聴取しない。腹部で右肋骨弓下に肝を3cm触知する。
- 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。
- 血液所見:赤血球378万、Hb12.8g/dl、白血球8,700、血小板17万。
- 血清生化学所見:総蛋白5.6g/dl、アルブミン2.7g/dl、尿素窒素10.9mg/dl、クレアチニン0.6mg/dl、AST32単位(基準40以下)、ALT28単位(基準35以下)、LDH222単位(基準176~353)、CRP19.8mg/dl(基準0.3以下)。胸部エックス線写真と胸部単純CTとを以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098B008]←[国試_098]→[098B010]
[★]
- 75歳の男性。S状結腸癌のため全身麻酔で腹腔鏡下S状結腸切除術を行うため手術台に移動した。身長 164cm、体重 58kg。静脈路を確保後、酸素マスクで酸素化し、急速導入で麻酔導入を行い気管挿管した。麻酔回路に接続し、酸素流量 5L/分で呼吸バッグで手動換気した。上腹部聴診では空気の流入音はなく、右肺の呼吸音は聴取できたが、左肺の呼吸音は確認できず、左胸郭の上がりは不良だった。胸部打診では左右差がなかった。気管チューブの目盛りは門歯の位置で28cm。カプノグラフの波形は出現しており、SpO2は89%を示していた。
- 低酸素血症の原因として最も可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114B039]←[国試_114]→[114B041]
[★]
- 62歳の男性。健康診断を受け、胸部エックス線写真で異常陰影を指摘されて来院した。自覚症状はなく、元気に日常活動を行っている。3年前に狭心症のため冠動脈バイパス術を受けた。喫煙は20歳から手術を受けるまで1日30本を続けていた。身体所見に異常は認めない。血液所見:赤沈15mm/1時間、赤血球480万、白血球7,300。胸部エックス線写真と喀痰細胞診Papanicolaou染色標本とを以下に示す。この患者で最もきたしやすい合併症はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097D014]←[国試_097]→[097D016]
[★]
- 46歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。1か月前から胸部違和感と労作時呼吸困難とを自覚していたが、徐々に増強するため来院した。1週間前までは胸部にヒューヒューという音がしていたが、現在は消失しているという。既往歴に特記すべきことはない。喫煙は40本/日を26年間。胸部エックス線写真(別冊No. 14)を別に示す。
- 異常所見の原因として最も可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112D030]←[国試_112]→[112D032]
[★]
- 78歳の男性。全身麻酔で冠動脈バイパス術を受けた。手術終了後、未覚醒の状態で、人工呼吸管理下にある。心拍数92/分、整。血圧132/72mmHg。動脈血ガス分析(100%酸素投与下) : pH7.30、 PaCO2 53Torr、 PaO2 270Torr、 HCO3- 22mEq/L。術前と術後の胸部エックス線写真(別冊No. 5A、 B)を別に示す。
- 術後の病態として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E044]←[国試_106]→[106E046]
[★]
- 62歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。1か月前に労作時呼吸困難が出現し増強してきたため受診した。喫煙は30本/日を40年間。体温 36.4℃。脈拍 104/分、整。血圧 132/86mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 94%(room air)。呼吸時に胸郭の動きに左右差を認める。心音に異常を認めず、呼吸音は左肺で減弱している。左胸部の打診は濁音を呈している。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110C020]←[国試_110]→[110C022]
[★]
- 36歳の女性。脊髄腫瘍のため1か月前から歩行不能であった。腫瘍摘出手術の翌朝、突然呼吸困難を自覚した。体温37.2℃。呼吸数28/分。脈拍100/分、整。血圧90/72mmHg。II音の亢進を認める。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.47、PaO2 50Torr、PaCO2 33Torr。胸部造影CTを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G016]←[国試_101]→[101G018]
[★]
- 62歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。1か月前に呼吸困難が出現し、増強してきた。喫煙は30本/日を40年間。体温 36.4℃。脈拍 104/分、整。血圧 132/86mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 92%(room air)。心音に異常を認めない。呼吸時に胸郭の動きに左右差を認める。左胸部の打診は濁音を呈し、聴診では左肺の呼吸音が減弱している。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111H027]←[国試_111]→[111H029]
[★]
- 62歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。1か月前に呼吸困難が出現し、増強してきた。喫煙は30本/日を40年間。体温36.4℃。呼吸数28/分。脈拍 104/分、整。血圧 132/86mmHg。心音に異常を認めない。呼吸時に胸郭の動きに左右差を認める。左胸部の打診は濁音を呈し、聴診では左肺の呼吸音が減弱している。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104C024]←[国試_104]→[104C026]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103E052]←[国試_103]→[103E054]
[★]
- 83歳の男性。作業中に3mの高さから転落し、背部痛と呼吸困難のため救急車で搬入された。胸腔ドレナージ後の胸部造影CT(別冊No.33A~C)を別に示す。
- 画像所見として認められるのはどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D072]←[国試_114]→[114D074]
[★]
- 35歳の男性。潰瘍性大腸炎のため中心静脈栄養を開始することとなった。右鎖骨下静脈を穿刺して中心静脈路を確保した後、確認のため胸部エックス線撮影を行おうとしたところ呼吸困難を訴えた。右胸部で打診上鼓音であり、呼吸音が減弱している。考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102C022]←[国試_102]→[102C024]
[★]
- 集中治療室で撮影されたポータブル胸部エックス線写真 (別冊 No. 1)を別に示す。認められるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108G020]←[国試_108]→[108G022]
[★]
- 4か月の乳児。鼠径ヘルニアの手術のため入院した。気管挿管による全身麻酔を開始したが、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)が徐々に低下してきた。
[正答]
※国試ナビ4※ [100I020]←[国試_100]→[100I022]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095E022]←[国試_095]→[095E024]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [099D116]←[国試_099]→[099D118]
[★]
- 英
- pulmonary thromboembolism, PTE
- 同
- エコノミークラス症候群
- 関
- 肺塞栓症、肺動脈血栓症
概念
- 肺動脈内腔に1次性に形成された血栓により閉塞された病態を肺血栓症、静脈系から肺動脈へ流入した物質により肺動脈が閉塞された病態を肺塞栓症という。
- 両者をまとめて肺血栓塞栓症と呼ぶが、臨床的には肺塞栓症が大半である。
- 塞栓物質として静脈系血栓、腫瘍、脂肪、羊水、空気、造影剤などが挙げられるが、頻度として下肢および骨盤の深部静脈血栓が80%と圧倒的に多い(深部静脈血栓症 DVT)。
- 肺動脈の閉塞により末梢肺組織が出血性壊死に陥ったものを特に肺梗塞と呼ぶ。
疫学
- 発症率は人口 10万人に対して 2.8人(1996年統計)。
- 男女比は1:1.3。あらゆる年齢層に発症するが、60-70歳代がピーク。
- 死亡率は14%。心原性ショックを呈した症例では30%(うち血栓溶解療法を施行された症例では20%、施行されなかった症例では50%)、心原性ショックを呈さなかった症例では6%である。
産婦人科
産科
- 産褥期、特に帝王切開術を経た患者に多い。(G10M.318)
症状
急性肺血栓塞栓症
- 参考1
症状
|
長谷川ら (n=224)
|
肺塞栓症研究会 (n=579)
|
呼吸困難
|
171(76%)
|
399/551(72%)
|
胸痛
|
107(48%)
|
233/536(43%)
|
発熱
|
50(22%)
|
55/531(10%)
|
失神
|
43(19%)
|
120/538(22%)
|
咳嗽
|
35(16%)
|
59/529(11%)
|
喘鳴
|
32(14%)
|
記載なし
|
冷汗
|
19(8%)
|
130/527(25%)
|
血痰
|
記載なし
|
30/529(6%)
|
動悸
|
記載なし
|
113/525(22%)
|
症状と病態との関係
- 1. 頻度の高い症状:急に発症する呼吸困難(約70-80%)、胸痛(約40-50%)。
- 2. 広範な塞栓の場合にみられる症状:不整脈(約30%)、狭心症様の胸部重苦感(約10%)、失神(約10%)、右心不全によるショック(10%以下)。
- 3. 肺梗塞・肺水腫を伴う場合に多い症状:胸膜炎様胸痛(約30%)、咳嗽(約10-40%)、発熱(約10-50%)、血痰(約5-10%)。
- 4. 特徴的発症状況:安静解除直後の最初の歩行時、排便・排尿時、体位変換時。
検査
- 参考1
-
- 胸部単純X線写真
- 心電図(右側胸部誘導の陰性T波、洞性頻脈、SⅠQⅢTⅢ、右脚ブロック、ST低下、肺性P、時計方向回転)
- SⅠQⅢTⅢ:Iでs waveがあり、IIIでQ waveがあり、なおかつT waveが陰転
- 肺動脈造影
- 肺シンチグラフィ(換気, 血流)
- CT
- MRA
- 経食道心エコー
診断
- 頻呼吸、頻脈、低酸素血症、胸痛など肺血栓塞栓症が疑われる症状があれば、酸素投与、ルート確保、血液検査(動脈血液ガス検査)、胸部XP、胸部CT、12誘導心電図を速やかに施行する。
- 可能であれば、ベットサイドエコーで右心不全徴候、特に右室が左室を圧排していないかどうか確認する。
- Dダイマーが高値であれば、PTEの尤度を上げることができる。
- 下肢のcompression testが陽性であれば、有無を言わさず胸部造影CTをやるしかない。
- 速やかに検査が可能であり、確定診断が可能なのは胸部造影CTである。
鑑別診断
- 胸痛や呼吸困難を来す疾患が鑑別となる。
合併症
治療
- 方針:呼吸管理(酸素投与)、循環管理(昇圧薬(ドパミン、ドブタミン、ノルエピネフリン))
- 抗凝固療法:ヘパリンから始め、ワルファリンの内服を開始。
- 抗血栓溶解療法:右心不全例(抗凝固療法に加えてウロキナーゼやtPA(モンテプラーゼ)を投与)
- (急性循環不全)カテーテルインターベンション、外科的血栓摘除術
- 経皮的心肺補助装置:循環が保てなくなった場合
ガイドライン
参考
- 1. 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_andoh_h.pdf
- 2. 学際領域の診療 Interdisciplinary Practice 肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症 - 日産婦誌
- http://www.jsog.or.jp/PDF/56/5610-382.pdf
- 3. E.婦人科疾患の診断・治療・管理 10.10)深部静脈血栓症・肺塞栓症 - 日産婦誌61巻11号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/61/6111-591.pdf
- 4. LITFL ≫ ECG Library ≫ ECG Basics ≫ T wave
- http://lifeinthefastlane.com/ecg-library/basics/t-wave/
国試
[★]
- 英
- dyspnea (M)
- 関
- 呼吸、呼吸苦、呼吸不全
概念
- 息が苦しいという自覚症状。呼吸時の不快な感覚である。呼吸苦とも記載されることがあるが、呼吸困難とする。息切れも同義とされている。
- 呼吸困難という自覚症状があるにもかかわらず、必ずしも呼吸不全という客観的な病態に陥っていないことがあるので注意。
原因疾患
鑑別診断
IMD
胸痛と呼吸困難
- 参考1
- 気胸、肺炎、胸膜炎、慢性閉塞性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患の悪化、肺癌などの肺疾患、心不全
参考
- 1. 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_andoh_h.pdf
[★]
- 英
- spontaneous pneumothorax
- 関
- 気胸、緊張性気胸
自然気胸
概念
- 胸腔内に空気が貯留・肺が虚脱した状態(気胸)で、外傷性および医原性気胸を除いたもの。
分類
原因
- 原発性気胸:基礎疾患なし(肺尖部のブレブ、ブラの破裂)
- 続発性気胸:基礎疾患有り(COPD、喘息、肺癌、肺結核、肺線維症、肺炎、肺化膿症、肺膿瘍、サルコイドーシス、AIDS、肺吸虫症、子宮内膜症など)
重症度
定量的
病因 YN.I-138
-
- マリファナの吸引はbullous lung diseaseの関係している。タバコは気胸の再発リスクを上げる。(CASES.188)
- 続発性気胸:COPD、喘息、肺癌、肺結核、肺線維症、肺炎、肺化膿症、肺膿瘍、サルコイドーシス、AIDS、宮崎肺吸虫症、子宮内膜症
- 胸膜の索状癒着の起始部の破綻
- 炎症・腫瘍などによる肺胸膜の断裂
- 月経随伴性気胸
- 子宮内膜症に伴う。臓側胸膜や横隔面に子宮内膜症の病変を認める。月経時に血性胸水を呈する。右側に多い
疫学
- 20歳代:ブラ、ブレブの破裂。若年男性、細長型、扁平胸郭に多い。基礎疾患無し。
- 50-60歳代:基礎疾患あり(慢性気管支炎、肺気腫、気管支喘息、肺癌など)
身体所見
- 打診:患側で鼓音
- 聴診:患側の呼吸音・声音振盪減弱。左側が患側の場合、心音減弱
- 肺が高度に虚脱した場合:頻脈、呼吸数増加、チアノーゼなど
症状
- 突然の胸痛(背部、肩に放散)、乾性咳嗽(発作的な咳)、呼吸困難。時に胸水 (YN.I-138)
検査
- 胸部単純X線写真:呼気位が有用。胸郭の容量が減少するため、空気の占めるスペースが相対的に大きくなり気胸を見いだしやすくなる。
- 適応:気胸を疑う例。重症度、基礎疾患。穿刺脱気例の前後。穿刺脱気時は、4-6時間後胸部X線写真を再検。チューブドレナージ例では、ドレーンからの空気の流出をみながら、治療効果判定のため頻回に撮影。
- 所見:虚脱した肺、縦隔の健側変位、患側の横隔膜下降
- 進行した慢性肺気腫に続発した気胸では、胸部X線写真で気胸腔を指摘するのが困難
- 小さなブラ、ブレブの診断や、肺疾患合併症の評価に非常に有効
診断
- 臨床症状と身体所見、ならびに胸部X線・CT検査などで気胸腔を確認
鑑別診断
- 心筋梗塞、狭心症、心膜炎、肺梗塞、解離性大動脈瘤、胸膜炎
合併症
治療
- 軽度例:保存的療法(安静のみで虚脱肺の再膨張)
- 中等度以上:保存的療法(脱気)
- 脱気(胸腔ドレナージ):胸腔穿刺、低圧持続吸引、水封式脱気など
- 過大な陰圧をかけて吸引すると再膨張性肺水腫を見ることがある
- 第2肋間から16Frのカニュラをつかって前から吸引する(100CASES.73)
- 胸膜癒着術:テトラサイクリン、OK432、ヒトフィブリノゲンを胸腔内に注入
- 2回気胸が生じたとき、あるいはプロの運転手やパイロットのかたにはpleurodesisが勧められる。(100CASES.73)
- 手術療法:根治的治療であり、胸腔鏡を介して行う
- 次の場合、手術療法を考慮
- 1. 大量の気漏、気漏の持続
- 2. 多量の血胸
- 3. 両側気胸
- 4. 再発性気胸
- 5. 初発例でも明らかな嚢胞を認めるもの
予後
- 保存的治療での再発率は高い(20-40%)。
- 1回の気胸の既往がある場合には20%再発、2回の既往がある場合には50%再発。(100CASES.73)
国試
[★]
- 英
- chest pain, thoracodynia, pectoralgia
- 同
- 胸部痛
- 関
- 胸壁痛。胸部圧迫感
鑑別疾患
- 診断エッセンシャルズ新訂版
救急疾患
その他
鑑別診断
- DIF.84
胸痛の質
- 圧迫されるような痛み:狭心症、心筋梗塞
- 刺すような痛み:心膜炎、胸膜炎、肋間神経痛
胸痛と呼吸困難
- 参考1
- 気胸、肺炎、胸膜炎、慢性閉塞性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患の悪化、肺癌などの肺疾患、心不全
診察
【現病歴】
誘因、発生様式(突発、緩徐)、経時的変化(一定、動揺、増悪/寛解傾向)、部位(一番痛い部位、放散する部位)、軽快因子、増悪因子、(反復するエピソードあれば)前回との比較、随伴症状
【既往歴】基礎疾患(DM, HT, DL)
【嗜好】smoking, alcohl
【服用薬】
【職業】
【身体所見】
Appearance: Face anguish, Diaphoresis, Cyanosis
Vital:
Consciousness:
BT , BP / , HR (L Arm/R Arm, Lower Extrimity), RR , SpO2
Lymphnode: swollen/no swollen, breath sound →/↑/↓
Chest
Heart:Is →/↑/↓, IIs →/↑/↓, IIIs(±)/IVs(±), murmur, friction rub ±
Lung: crackle/rale
Abdomen: soft/hard, tenderness
Extremity: cold/pulse/edema
Skin: dry/wet/hot/cold
【検査】
ECG: ST segment change
Blood test:
biochemistry: CK-MB, Troponine T, AST, LDH, H-FABP
Blood count: WBC
Arterial blood gas: PaO2 torr
A-aDO2 = 150 - PaCO2/ 0.8 (torr) - PaO2 (normal below 20 Torr)
Chest XP:
Heart echography:
参考
- 1. 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_andoh_h.pdf
[★]
- 英
- hemothorax, hematothorax
- ラ
- haemothorax
- 関
- 気胸、血気胸、緊張性血胸、自然血胸
概念
外傷性血胸の管理
- 出血源をまず気にするように。大動脈、胸郭、肺。
- 胸腔内ドレーンによって肺の再膨張をはかり、出血量の測定を行う。
- 出血量が200ml/hrを越える場合には試験開胸を考慮する。
- 穿通あるいは鈍的外傷により生じる
- (Modern Management of Traumatic Hemothorax)
- 1. 臨床的に不安定 → ATLSガイドラインに従う。開胸術の適応は以下の通り
- 初期アセスメントで1500mlの血性胸水、あるいは3時間の経過で250ml/hrの出血が持続する。 →VATSでも
- 巨大な凝血塊を伴う血胸
- 心タンポナーデの発症
- 胸壁欠損
- ドレナージにもかかわらず重度のエアリークを認める、あるいは肺拡張が不十分な場合
- 大血管損傷
- 食道損傷
- 横隔膜損傷
- 心臓損傷(外傷性の中隔損傷あるいは弁膜損傷
- 2. 臨床的に安定:血液検査(血算、凝固など)、起座位でのエコー検査、胸部CT
-
- 疼痛コントロール、6時間後、24時間後に胸部レントゲン
- 2-2 血性胸水が300mlを越えて貯留している場合
- 胸腔ドレナージの適応
- 2-2-1. (安定:1500ml/24hr未満、250ml/3h未満)胸腔ドレーン留置、VATS、開胸術
- 2-2-2. (不安定:1500ml/24hr超、250ml/3h超)VATS、開胸術
病因
[★]
- 英
- tension pneumothorax
- 同
- 弁状気胸 valvular pneumothorax
- 関
- 自然気胸、気胸
症例
- 22歳男性。バイクによる自損事故で胸部を強打した。胸痛と呼吸困難を訴えたため救急車で搬送された。意識清明。脈拍120/分、血圧74/40mmHg、頚静脈怒張有り、左胸部の呼吸音消失。心濁音は右に移動している。
国試
[★]
- 英
- traumatic pneumothorax
- 関
- 気胸
[show details]
[★]
- 英
- hemopneumothorax
- 同
- 気血胸 pneumohemothorax
- 関
- 気胸、血胸
[★]
- 英
- pneumothorax
- 関
- 気胸
[★]
- 英
- chest、breast、thoracic、pectoral
- 関
- 胸郭、胸筋、胸腔、胸髄、胸椎、胸部、乳房