- 英
- autoimmune hemolytic anemia AIHA
- 関
- 寒冷凝集素病、溶血性貧血
概念
- 赤血球に対する抗体によりもたらされる溶血性貧血。抗体と結合した赤血球は、貪食細胞、あるいは補体により溶血する。
分類
病因
検査
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 佐々木 藍季子,橋本 薫,田中 玲子,武田 啓治
- あたらしい眼科 = Journal of the eye 28(4), 539-541, 2011-04-30
- NAID 10028248161
- 大腿骨頸部骨折手術後の仮性動脈瘤を契機として発症したクームス陰性自己免疫性溶血性貧血
- 福田 匡芳,横山 泰久,鎌田 勇平,田岡 謙一,鈴川 和己,千葉 滋
- 臨床血液 52(1), 14-17, 2011-01-30
- NAID 10029424121
Related Links
- HOME >> 病気の解説(一般利用者向け) >> 溶血性貧血(1) 自己免疫性溶血性貧血 ... 温式自己免疫性溶血性貧血は小児期に1つの小さなピークがありますが、10~30歳 の若年層(女性が優位) と50歳以後に増加し70歳代がピークの老年層(性差はない)に ...
- 自己免疫性溶血性貧血(autoimmune hemolytic anemia, AIHA)は、赤血球膜上の 抗原 ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 3歳の男児。顔色不良を主訴に来院した。2日前に38℃台の発熱があったが1日で解熱した。昨日の夕方からぐずることが多くなった。今朝になり顔色不良に気付かれ受診した。保育園で伝染性紅斑が流行しているとのことであった。意識は清明。体温 37.8℃。脈拍 148/分、整。血圧 94/56mmHg。皮膚は蒼白。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に軽度黄染を認める。口腔内粘膜は蒼白である。咽頭に発赤を認めない。頸部リンパ節を触知しない。胸部の聴診で胸骨左縁にⅡ/Ⅵの収縮期雑音を認める。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝を触知しない。脾を左肋骨弓下に3cm触知する。血液所見:赤血球 120万、Hb 3.6g/dL、Ht 12%、網赤血球0%、白血球 3,800、血小板 18万、PT 72%(基準 80~120)。血液生化学所見:総蛋白 6.4g/dL、アルブミン 4.0g/dL、総ビリルビン 3.9mg/dL、直接ビリルビン 0.8mg/dL、AST 29IU/L、ALT 14IU/L、LD 432IU/L(基準 176~353)、尿酸 4.2mg/dL。免疫血清学所見:CRP 0.3mg/dL、直接Coombs試験 陰性。胸部エックス線写真で明らかな浸潤影はなく、心胸郭比52%である。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110A045]←[国試_110]→[110A047]
[★]
- 61歳の男性。血痰を主訴に来院した。 1か月前から全身倦怠感を自覚し、食欲が低下していた。 2日前から尿量が少なくなり、下腿に浮腫が出現した。今朝から尿が赤くなり、血痰が出るようになった。体温37.8℃。脈拍104/分、整。血圧182/108 mmHg。皮膚に出血斑を認めない。両側肺野にcoarse cracklesを聴取する。下腿に浮腫を認める。尿所見:肉眼的血尿、蛋白2+、糖(-)、潜血3+。血液所見:赤血球 250万、 Hb 7.8g/dl, Ht 23%、白血球 8,500、血小板 21万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dl、アルブミン 4.9g/dl、尿素窒素 72mg/dl、クレアチニン 5.5mg/dl、尿酸 9.2mg/dl、Na 141mEq/l、K 5.9mEq/l、Cl 102mEq/l。免疫学所見:CRP 3.2mg/dl、抗基底膜抗体陰性。
- アレルギー反応のCoombs分類で、この疾患と同じ型に属するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105B043]←[国試_105]→[105B045]
[★]
- 61歳の男性。血痰を主訴に来院した。
- 1か月前から全身倦怠感があり、食欲が低下していた。2日前から尿量が少なくなり、下腿に浮腫が出現した。今朝から尿が赤くなり、血痰が出るようになった。体温37.8℃。脈拍104/分、整。血圧182/108mmHg。皮膚に出血斑は認めない。両肺にcoarse cracklesを聴取する。下腿に浮腫を認める。
- 尿所見:肉眼的血尿、蛋白2+、糖(-)、潜血3+。
- 血液所見:赤血球250万、Hb7.8g/dl、Ht23%、白血球8,500、血小板21万。血清生化学所見:蛋白6.8g、アルブミン4.9g/dl、尿素窒素72mg/dl、クレアチニン5.5mg/dl、尿素9.2mg/dl、Na141mEq/l、K5.9mEq/l、Cl 102mEq/l、CRP3.2mg/dl(基準0.3以下)、抗基底膜抗体陽性。
[正答]
※国試ナビ4※ [098I017]←[国試_098]→[098I019]
[★]
- 10歳の女児。血便を主訴に父親と来院した。6日前に家族と焼肉を食べに行った。3日前から水様下痢が出現し、昨日からは血便になり激しい腹痛を自覚するようになったため受診した。身長 135cm、体重 32kg。体温 37.2℃。脈拍 84/分、整。血圧 120/70mmHg。血液所見:赤血球 250万、Hb 8.2g/dL、Ht 25%、白血球 9,000(桿状核好中球 10%、分葉核好中球 70%、リンパ球 20%)、血小板 8.0万。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No. 14)を別に示す。
- この患者が合併しやすいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A035]←[国試_112]→[112A037]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097B035]←[国試_097]→[097B037]
[★]
- 難治性の場合に脾摘の適応となるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [111A016]←[国試_111]→[111A018]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102E024]←[国試_102]→[102E026]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095A058]←[国試_095]→[095A060]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103A010]←[国試_103]→[103A012]
[★]
[★]
- 英
- autoimmune hepatitis AIHA, AIH
- 関
- 類狼瘡肝炎(ルポイド肝炎)、難病
まとめ
- 中年の女性に好発する慢性経過の肝炎であり、自己免疫機序が関与していると考えられる。HLA-DR4陽性例に多いといわれている。診断は除外診断であり、ウイルス性肝炎や原発性胆汁性肝硬変などをを除外する。
概念
疫学
- 男女比=1:7で女性に多く、発症は10-30歳での発症もみられるが、多くは40歳以降。
病型
病型と病態
- LAB.894
- II型は抗LKM-1抗体の存在で特徴づけられる
- IIa型は女性に多く、高力価を示し、肝硬変への進展が早い
- IIb型は中年男性に多く、力価はそれほど高くない
病態生理
- 自己免疫機序により肝細胞が障害されるらしいが、詳細は不明である。
病理
症状
- 自覚症状に乏しく、血液検査で偶然発見される
- 肝障害:黄疸、全身倦怠感、食欲不振。重症例では腹水、肝性脳症、肝不全。
検査
- AST, ALT:高値
- γ-グロブリン:高値(2g/dl以上)
- 免疫グロブリンG:高値(2g/dl以上)
- ウイルスマーカー:陰性 (除外診断)
- 抗核抗体:I型で陽性
- 抗平滑筋抗体:I,IV型で陽性
- 抗LKM-1抗体:II型で陽性
- 抗SLA抗体:III型で陽性
- 肝生検:piecemeal necrosisの所見をもつ慢性肝炎の像
診断基準
- 参考3
診断
- 病歴により、アルコール性肝炎、薬物性肝障害、超音波検査にて脂肪肝を除外。
- 免疫血清学検査を行いウイルス性肝炎を除外。自己抗体や免疫グロブリンの変動、サブタイプの変動をみて絞り込み、病理組織学検査で確定診断する。
鑑別疾患
治療
- 副腎皮質ステロイドが著効する
- ステロイド:十分量の後、維持量を継続する
- ウルソデオキシコール酸:ステロイドの減量に有効。また、軽症例での経過観察に用いられる(IMD)。
- 免疫抑制薬:(ステロイド抵抗性例に対して)アザチオプリン
- インターフェロンは自己免疫を賦活化させる方向に作用するので不適
合併症
肝癌:ウイルス性肝炎よりも発癌リスクが少なく、肝細胞癌のリスクへの影響はあるとはいえない。
- 自己免疫疾患:ウイルス肝炎でもありうるが、自己免疫性肝炎の方がより高頻度で起こる(ウイルス性肝炎(22%)vs自己免疫性肝炎(38%)(参考1))
参考
- 1. [charged] Extrahepatic manifestations of autoimmune hepatitis - uptodate [1]
- 2. 自己免疫性肝炎 - 難病情報センター
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/268
- http://jpma-nanbyou.com/Category.aspx?view=c&oid=10&sid=3&kid=1
- http://www8.ocn.ne.jp/~halfboil/criteria/tab-b5.html
[★]
- parvo
- 英
- parvovirus B19
- 同
- human parbovirus B19, B19 virus、ヒトパルボウイルスB19、B19型ヒトパルボウイルス
- ヒトに感染するパルボウイルスを特にヒトパルボウイルスと呼ぶが、本wikiではヒト以外のウイルスについては対象外。
- 関
- ウイルス
- first aid step1 2006 p.151,152,154,299
ウイルス学
- エンベロープ無し
- DNAウイルス最小
- 赤血球系前駆細胞で増殖。
潜伏期間
感染経路
疫学
- 成人の40%が既感染
- 4-5年ごとに流行
- 春に多い
感染症
症状
- SMB.541-542
- 伝染性紅斑
- 急性熱性疾患
- 関節炎
- 成人の伝染性紅斑では関節痛を伴う2-4週間継続する関節炎を呈する。
- 免疫複合体の形成が原因
- 妊婦の感染→胎児の感染→肝臓での造血能低下→重症の貧血→胎児水腫(非免疫性胎児水腫)、流産、死産
- 経胎盤感染による感染率33%。胎児死亡の危険率は9%
合併症
経過
- 骨髄機能は10-14日で回復 → 症状は出ない。
治療
検査
予防
参考
- http://en.wikipedia.org/wiki/Parvovirus_B19
- 同
- HPV-B19
[★]
- 英
- complement activity, complement titer
- 同
- 血清補体価 serum complement level, serum complement titer
- 関
- CH50
概念
- 抗体に感作されたヒツジ抗体を50%溶血を生じさせる血清量。
- 補体活性の指標となる;古典経路と共通経路の評価。
正常値
補体価が変化する病態 (OLM.394)
高値
低値
-
-
- 2. 代替経路が亢進する病態
← 補体価では代替経路は評価していない ← どういうこと?
- 蛋白質漏出性病態(肝機能が保たれていれば、補償される)
- 生体外で肝や血清を放置すると古典経路が活性化される状態で、血清抗体価は減少するが補体成分タンパク量は減少しない。EDTAを抗凝固剤として用いるとこの現象はみられない。 ← ?
- 慢性C型肝炎、肝硬変、混合型クリオグロブリン血症
血清補体価の低下
国試
[★]
- 英
- splenectomy
- 同
- 摘脾、脾摘、脾臓摘出、脾摘出、(国試)脾摘術、脾臓摘出術
適応
注意
- 血小板増加による血栓症 → 脾摘後血栓症
- 免疫能低下
- 易感染性
- 莢膜を持つ菌に感染しやすくなる→脾網内系はIgMを産生する場らしい?
- 脾摘後重症感染症症候群 脾摘後敗血症
[★]
- 英
- autoimmune hemolytic anemia warm type
- 関
- 自己免疫性溶血性貧血 AIHA
参考
uptodate
- 1. [charged] 自己免疫性溶血性貧血の病因:温暖凝集素と薬剤 - uptodate [2]
- 2. [charged] 自己免疫性溶血性貧血の臨床的特徴および診断:温暖凝集素 - uptodate [3]
- 3. [charged] 自己免疫性溶血性貧血の治療:温暖凝集素 - uptodate [4]
国試
[★]
- 英
- drug-induced autoimmune hemolytic anemia
- 関
- 自己免疫性溶血性貧血
機序 (WCH.1175)
- 薬物と特定の型の赤血球上に存在する抗原が新しい抗原を作り、これを自己抗体が認識する
- 薬単体や、薬と特定の型を持たない赤血球にたいしては自己抗体を作らない(特定の型の赤血球とはI,Rh)。
- autoimmune mechanism: α-methyldopa type
- nonimmunologic protein adsorption mechanism
- multiple mechanism
[★]
- 英
- anemia
- 同
- 貧血症
- 関
- 慢性疾患による貧血 anemia of chronic disease ACD
定義(2007前期生理学プリント、WHOの貧血判定基準)
|
Hb(g/dl)
|
Ht(%)
|
男性
|
13
|
39
|
女性
|
12
|
36
|
高齢者・乳幼児・妊婦
|
11
|
33
|
ヘモグロビンと貧血症状
- 8 g/dl :急性貧血で症状が出る
- 7 g/dl :慢性貧血で症状が出る
- 5 g/dl :心雑音
- 3 g/dl :生命の危険
病因
臨床検査
- 一つの赤血球の平均の大きさが分かる
臨床検査に基づく分類
- 正球性貧血
- 小球性貧血
- 大球性貧血
- 低色素性貧血
- 正色素性貧血
貧血の鑑別 (文献不明)
スクリーニングによる貧血の鑑別 (OLM.80)
- Fe↓、UIBC↑、フェリチン↓:鉄欠乏性貧血、慢性出血、慢性体内溶血。体内での鉄の絶対量が不足
- Fe↓、UIBC↓、フェリチン↑:慢性感染症、慢性炎症。細網系では鉄が増加しているが(フェリチン↑)、末梢に鉄を放出できず(Fe↓)、トランスフェリンも減少している(UIBC↓)
身体所見
USMLE
貧血と低酸素血症
- 貧血とは血液中のヘモグロビン濃度が低下した状態であり、一方、低酸素血症は単位体積あたりの酸素分圧が低下してる状態である。PaO2低下すなわちSpO2の低下に相当すると考えてみよう。貧血ではヘモグロビン濃度は少なくても、その少ないヘモグロビンの各々は十分に酸素化されるため、SpO2は低下しない。ただし、ヘモグロビンの絶対量が少ないために、末梢組織に届ける酸素の量が少なくなるだけなのである。(cf. 101B071)
臨床
- MCVで検査項目を絞っていくが、病態が複雑な場合はMCVによる絞り込みが意味をなさないことがある。commonな貧血から除外していく。
- 1. 血算、網状赤血球、フェリチン、鉄、UIBC、葉酸、ビタミンB12
- 2. 銅、亜鉛
- 3. 赤沈、血液像
- 4. 抗核抗体、抗dsDNA抗体、ハプトグロビン、免疫電気泳動(血液)、蛋白分画、IgG,IgA,IgM、C3c、C4、CH50、エリスロポエチン
- 5. 抗SS-A抗体、抗Sm抗体、ループスアンチコアグラント、抗カルジオ抗体、抗CLGPI抗体、抗RNA抗体、PR3-ANCA、MPO-ANCA、直接クームス検査
- 6. リンパ球サブセット、PNH(CD55,CD59)
[★]
- 英
- hemolytic anemia
- 同
- 溶血性黄疸 hemolytic jaundice
- 関
- 貧血
概念
- 赤血球寿命が種々の原因により短縮することに伴う貧血の総称。
病因
- 赤血球が何らかの原因により破壊され、骨髄の代償能力を超えて赤血球が減少することにより貧血を呈する。 → 溶血が存在するが貧血ではない状態がある。
- 溶血の原因
-
-
HIM.653
赤血球内の素因
- 1. ヘモグロビンの異常
- 2. 膜-細胞骨格複合体の異常
赤血球外の素因
- 家族性溶血尿毒症 familial hemolytic uremic syndrome
-
症状
参考
- [charged]Extrinsic nonimmune hemolytic anemia due to mechanical damage: Fragmentation hemolysis and hypersplenism - uptodate
- http://www.uptodate.com/contents/extrinsic-nonimmune-hemolytic-anemia-due-to-mechanical-damage-fragmentation-hemolysis-and-hypersplenism?source=search_result&selectedTitle=2%7E150
[★]
- 英
- immunity, immune
- 関
- 免疫系
免疫の種類 (PT.246-251)
T細胞の種類
ヘルパーT細胞の種類
[★]
- 英
- hemolysis, hematolysis
- 関
- HELLP syndrome
- 溶血性疾患 see → OLM.125
溶血と臨床検査
- 採血した血液の溶血により影響の大きい測定項目はLDHとASTである。
- しかしながら下表によれば、LDH、Fe、酸ホスファターゼ、カリウム、AST、ALTの順に影響が大きいとある。
血清と赤血球の生化学成分の濃度差
- LAB.465
成分
|
単位
|
血漿
|
赤血球
|
赤血球/血漿
|
クレアチニン
|
mg/dl
|
1.1
|
1.8
|
1.63636363636364
|
非タンパク性窒素
|
mg/dl
|
8
|
14.4
|
1.8
|
Mg
|
mEq/l
|
2.2
|
5.5
|
2.5
|
非糖性還元物質
|
mg/dl
|
8
|
40
|
5
|
ALT
|
IU/l
|
30
|
150
|
5
|
AST
|
IU/l
|
25
|
500
|
20
|
カリウム
|
mEq/l
|
1.1
|
100
|
90.9090909090909
|
酸性ホスファターゼ
|
IU/l
|
3
|
200
|
66.6666666666667
|
Fe
|
ug/dl
|
100
|
9700
|
97
|
LDH
|
IU/l
|
360
|
58000
|
161.111111111111
|
アルギナーゼ
|
IU/l
|
trace
|
12
|
>1,000,000
|
[★]
- 英
- blood, (漢方)blood and body fluid energy
- 関
- 血液、血中