- 72歳の男性。体動時の息切れと動悸とを主訴に来院した。数年来、時々新鮮血が便に付着していたが、最近付着する頻度が増え残便感を自覚するようになった。10日前から下血を繰り返し、体動時の息切れと動悸とが出現した。意識は清明。体温36.8℃。脈拍108/分、整。仰臥位血圧110/80mmHg、坐位血圧92/60mmHg。眼瞼結膜は貧血様で眼球結膜に黄疸を認めない。心尖部に2/6度の収縮期雑音を聴取する。血液所見:赤血球392万、Hb9.6g/dl、Ht28%、白血球4,000、血小板40万。血清生化学所見:総蛋白6.6g/dl、アルブミン3.6g/dl、尿素窒素16mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総コレステロール192mg/dl、総ビリルビン0.8mg/dl、AST40単位、ALT32単位、Na137mEq/l、K4.0mEq/l、Cl100mEq/l。
- この患者で認められる可能性が最も高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100D011]←[国試_100]→[100D013]
★リンクテーブル★
[★]
- 32歳の男性。腹痛を主訴に来院した。2か月前から時々腹痛を起こしていた。1週前から朝、腹痛で目覚めることが多くなり、1日に数回の腹痛と便意とを生じるようになった。排便すると腹痛は軽快する。便通は1日に3、4回、泥状である。便に血液の付着はない。2週前、同僚と暴飲暴食をしたことがあった。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧132/80mmHg。腹部の聴診で腸雑音が亢進し、下腹部に圧痛を認める。筋性防御を認めない。血液所見:赤血球420万、Hb14.2g/dl、白血球5,600。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100D010]←[国試_100]→[100D012]
[★]
- 5歳の男児。発熱を主訴に来院した。3日前から38.5℃の発熱、咳、鼻汁、結膜充血および眼脂が出現した。初診時に口腔粘膜発疹がみられた。受診後いったん解熱傾向がみられたが、翌日から高熱が再び出現し、さらに全身に皮疹が出現した。口腔粘膜の写真と体幹の写真とを以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100D012]←[国試_100]→[100D014]
[★]
- 英
- anemia
- 同
- 貧血症
- 関
- 慢性疾患による貧血 anemia of chronic disease ACD
定義(2007前期生理学プリント、WHOの貧血判定基準)
|
Hb(g/dl)
|
Ht(%)
|
男性
|
13
|
39
|
女性
|
12
|
36
|
高齢者・乳幼児・妊婦
|
11
|
33
|
ヘモグロビンと貧血症状
- 8 g/dl :急性貧血で症状が出る
- 7 g/dl :慢性貧血で症状が出る
- 5 g/dl :心雑音
- 3 g/dl :生命の危険
病因
臨床検査
- 一つの赤血球の平均の大きさが分かる
臨床検査に基づく分類
- 正球性貧血
- 小球性貧血
- 大球性貧血
- 低色素性貧血
- 正色素性貧血
貧血の鑑別 (文献不明)
スクリーニングによる貧血の鑑別 (OLM.80)
- Fe↓、UIBC↑、フェリチン↓:鉄欠乏性貧血、慢性出血、慢性体内溶血。体内での鉄の絶対量が不足
- Fe↓、UIBC↓、フェリチン↑:慢性感染症、慢性炎症。細網系では鉄が増加しているが(フェリチン↑)、末梢に鉄を放出できず(Fe↓)、トランスフェリンも減少している(UIBC↓)
身体所見
USMLE
貧血と低酸素血症
- 貧血とは血液中のヘモグロビン濃度が低下した状態であり、一方、低酸素血症は単位体積あたりの酸素分圧が低下してる状態である。PaO2低下すなわちSpO2の低下に相当すると考えてみよう。貧血ではヘモグロビン濃度は少なくても、その少ないヘモグロビンの各々は十分に酸素化されるため、SpO2は低下しない。ただし、ヘモグロビンの絶対量が少ないために、末梢組織に届ける酸素の量が少なくなるだけなのである。(cf. 101B071)
臨床
- MCVで検査項目を絞っていくが、病態が複雑な場合はMCVによる絞り込みが意味をなさないことがある。commonな貧血から除外していく。
- 1. 血算、網状赤血球、フェリチン、鉄、UIBC、葉酸、ビタミンB12
- 2. 銅、亜鉛
- 3. 赤沈、血液像
- 4. 抗核抗体、抗dsDNA抗体、ハプトグロビン、免疫電気泳動(血液)、蛋白分画、IgG,IgA,IgM、C3c、C4、CH50、エリスロポエチン
- 5. 抗SS-A抗体、抗Sm抗体、ループスアンチコアグラント、抗カルジオ抗体、抗CLGPI抗体、抗RNA抗体、PR3-ANCA、MPO-ANCA、直接クームス検査
- 6. リンパ球サブセット、PNH(CD55,CD59)