- 癆 aplasia
- 英
- pure red cell aplasia, PRCA
- 同
- 純赤血球形成不全?
- 関
- 貧血、再生不良性貧血
概念
- 赤芽球形成が選択的に障害される再生不良性貧血
- 正球性正色素性貧血をきたす。
病態
- 何らかの原因により骨髄から赤血球系の前駆細胞が消失する。
- 無構造血、溶血性貧血も見られないし、間接ビリルビン、ハプトグロビン、LDHも上昇しない。
検査
- 血算:血小板数、白血球数は正常。網状赤血球が正常~減少。
- 骨髄穿刺:網状赤血球が正常~減少をみたら骨髄穿刺を施行し、過形成であれば脾機能亢進症、腎性貧血、悪性腫瘍、低形成であれば再生不良性貧血、
赤芽球癆?、正形成であれば赤芽球癆が疑われる。赤芽球癆の場合、赤血球系の細胞は存在しない。パルボウイルス感染症の場合にはgiant proerythroblastが見られる(参考1)。
- 血製鉄:上昇
- UIBC:↓ (トランスフェリンが鉄で飽和してしまう)
鉄の動態にまつわる検査
- %RCU:低下 ← 赤芽球が少ないので、ヘムにとりこまれ末梢血に出現するのが遅い
- PIDT1/2:延長 ← 赤芽球が少ないので骨髄で取り込まれるのが遅い
USMLE
参考
- 1. [charged] Acquired pure red cell aplasia - uptodate [1]
WordNet
- failure of some tissue or organ to develop
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/25 10:50:23」(JST)
[Wiki ja表示]
赤芽球癆(せきがきゅうろう、英: pure red cell aplasia; PRCA)とは、難治性の貧血を生じる疾患の一つ。
分類
- 先天性赤芽球癆(Diamond-Blackfan貧血)
- 後天性赤芽球癆
- 胸腺腫
- 慢性リンパ性白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫
- 慢性骨髄性白血病
- 原発性骨髄線維症
臨床像
- 正球性正色素性貧血
- 網赤血球減少
- 骨髄赤芽球の著減
治療
関連
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 12.Good症候群に合併した赤芽球癆(第36回 日本呼吸器内視鏡学会東北支部会)
- 佐藤 佑樹,沼倉 忠久,滝口 寛人,原 靖果,天久 康絢,松浦 圭文
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 32(6), 543, 2010-11-25
- NAID 110007989587
- 赤芽球癆を合併した胸腺腫に対し胸腔鏡下胸腺切除術を施行した1例
- 仲田 健男,尾高 真,矢部 三男,神谷 紀輝,平野 純,森川 利昭
- 日本呼吸器外科学会雑誌 = The journal of the Japanese Association for Chest Surgery 24(6), 934-939, 2010-09-15
- … 症例は47歳の男性.主訴は易疲労感,労作時の息切れであった.精査にて赤芽球癆および低ガンマグロブリン血症と診断し,胸部CT上,前縦隔に胸腺と一致して長径87mmの境界明瞭な腫瘤性病変を認めた.本症例に対し,われわれはintension to treatによる胸腔鏡下胸腺胸腺腫切除を施行した.手術時間は255分で出血量は100mlであった.切除検体は88×53×30mm,93g.病理組織検査にてWHO分類type AB,正岡分類II期の胸腺腫と診断し …
- NAID 10026639655
- 大顆粒リンパ球白血病 (large granular lymphocyte leukemia) 合併赤芽球癆の病態と治療
Related Links
- 赤芽球癆は再生不良性貧血の中で特殊なタイプとされており、再生不良性貧血は 赤血球だけでなく白血球や血小板も減少するのが特徴ですが、赤芽球癆は赤血球だけ が減り白血球と血小板は正常範囲にあります。このような違いがあるにも関わらず赤芽 球癆 ...
- 赤芽球癆(pure red cell aplasia: PRCA)は正球性正色素性貧血と網赤血球の著減 および、骨髄赤芽球の著減を特徴とする症候群である。PRCAは稀な疾患で、わが国の 特発性造血障害調査研究班の患者登録集計によると、1979年?1993年の15年間で 後 ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 68歳の男性。動悸と易疲労感とを主訴に来院した。身長 165 cm、体重 63 kg。体温 36.5℃。脈拍 92/分、整。血圧 122/68 mmHg。皮膚は灰褐色で眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。頸部、腋窩および鼠径部の表在リンパ節は触知しない。胸骨左縁第 2肋間に II /VIの収縮期雑音を聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下肢に浮腫や紫斑を認めない。血液所見:赤血球 233万、 Hb7.1 g/dl、Ht 20%、網赤血球 0%、白血球 9,400(桿状核好中球 6%、分葉核好中球54%、単球 3%、リンパ球 37% )、血小板 32万。血液生化学所見:総蛋白 6.8 g/dl、アルブミン 3.4 g/dl、AST 56 IU/l、ALT 71 IU/l、LD 438 IU/l(基準 176~353)、尿素窒素 14 mg/dl、クレアチニン 0.7 mg/dl、血糖 98 mg/dl、Fe 234 μg/dl(基準 59~161)、不飽和鉄結合能〈UIBC〉67μg/dl(基準 163~251)。骨髄は正形成で巨核球を散見する。胸部エックス線写真 (別冊 No.24A)、胸部 CT(別冊 No.24B)及び骨髄血塗抹 May-Giemsa染色標本 (別冊 No.24C)を別に示す。
- 考えられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [108D051]←[国試_108]→[108D053]
[★]
- 52歳の男性。脱力を主訴に来院した。3か月前から、帰宅時に駅の階段を途中で休まずには昇れなくなったため受診した。血液検査で抗アセチルコリン受容体抗体が陽性であった。胸部エックス線写真(別冊No. 31A)及び胸部造影CT(別冊No. 31B)を別に示す。
- この患者で検索すべき合併症はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D066]←[国試_113]→[113D068]
[★]
- 54歳の男性。半年前からの労作時の息切れを主訴に来院した。眼瞼結膜に貧血を認める。血液所見: 赤血球 130万、Hb 5.2g/dl、Ht 17%、網赤血球 1.2%
- 考えられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [104G048]←[国試_104]→[104G050]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [109G019]←[国試_109]→[109G021]
[★]
- 難治性の場合に脾摘の適応となるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [111A016]←[国試_111]→[111A018]
[★]
- 吸引で骨髄血を採取できない(dry tap)のはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099D094]←[国試_099]→[099D096]
[★]
- 英
- ferritin
- 同
- 血清フェリチン ← 血液検査の時に用いる用語?
- 関
- アポフェリチン、血清フェリチン
概念
- フェリチンは、H鎖とL鎖からなるサブユニットからなるヘテロダイマーであり、これが組み合わさってアポフェリチンとなる。アポフェリチンは細胞内で鉄イオンと結合してフェリチンとなる。フェリチンは鉄を生体内に貯蔵し、鉄による組織障害を防ぐのに貢献している。細胞内のフェリチンはわずかに血中に漏れだしており、漏れ出た血清中のフェリチンは(血清フェリチン)は貯蔵鉄の量と相関するので臨床検査に用いられる。
体内分布
- 網内系:肝細胞、脾臓、骨髄 ← 多い
- その他:肺、心臓、骨、腸管など広く存在
解釈
- LAB.488
-
- 臨床検査データブック
減少
増加
臨床
- フェリチン低値(≦12ng/ml)のみで診断可能(感度59%,特異度99%)なので、フェリチン単体で提出されることがある(内科外来マニュアル.394)。
- フェリチンは女性で<10ng/ml, 男性で<20ng/mlであれば、鉄貯蔵欠乏と診断する特異度が高い(ワシントンマニュアル33.742)。
- フェリチンが100ng/ml以上では鉄欠乏の可能性は低いとされる(内科外来マニュアル.394)。
- 血清フェリチンが>200ng/ml以上では鉄欠乏性貧血は除外できる(ワシントンマニュアル33.742)。
- 腎透析や機能的鉄欠乏状態では500ng/mlまでの高値を示すことがある。
- 健常な成人では15ng/ml未満、小児では12ng/ml未満が絶対的な鉄欠乏を示唆。(臨床透析 vol.24 no.1 2008 p.38)
[★]
- 英
- thymoma, thymomas
- 関
- 胸腺、縦隔腫瘍
概念
- 上縦隔の前部、前縦隔の前部に発生
- 胸腺固有の上皮細胞が腫瘍化したもの。precursor T cell(thymocytes)も存在することがあるが、悪性ではない。
分類
- begign or encapsulated thymoma
- malignant thymoma
- type I: cytologically benign but biologically aggressive and capable of local invasion and, rarely, distant spread
- type II: also called thymic carcinoma: cytologically malignant with all of the features of cancer and comparable behavior
- HIM. e89
型
|
組織型
|
割合,%
|
予後(10-year disease-free survival), %
|
A
|
medullary thymoma
|
8
|
100
|
AB
|
mixed thymoma
|
17
|
100
|
B1
|
predominantly cortical thymoma
|
27
|
83
|
B2
|
cortical thymoma
|
8
|
83
|
B3
|
well-differentiated thymic carcinoma
|
12
|
36
|
C
|
thymic carcinoma
|
28
|
28
|
病因
- 不明なことが多い。EBウイルスが関わっているかもしれない
疫学
- 胸腺腫は希であって、悪性のものはさらに希
- 全縦隔腫瘍の20-30%を占める。
- どの年齢にも起こりうるが、とりわけ中年に後発する。平均50歳代。
症状
- 30%:無症状。
- 30-40%:CTでとらえられ、咳嗽、胸痛、呼吸困難、上大静脈症候群などの周胸臓器圧迫症状
- 残り:全身病の合併
合併症
症例
- 40歳の女性。夕方になると、ものが二重に見える(複視)ことを主訴に来院した。眼瞼下垂を認める。血液検査では網赤血球の減少を認める。
参考
- 1. 15-year-old boy with noninvasive cystic thymoma
- http://www.ajronline.org/cgi/content-nw/full/186/4/1176/FIG5
- http://telomelysin.com/article/52766550.html
- 3. Imaging of Cystic Masses of the Mediastinum1
- http://radiographics.rsna.org/content/22/suppl_1/S79.full
[★]
- 英
- reticulocyte
- 同
- 網赤血球
- 関
- 赤血球、血球、血液
正染性赤血球 -> 網状赤血球 -> 赤血球
概念
- 未成熟の赤血球であり、RNAを保有する (SP.488)
- 網状赤血球数
- 末梢血中を循環している赤血球のうち、その日に新しく末梢血に放出された幼弱赤血球
- 絶対数(/mm3)と比率(パーミル(‰))がある。
- 造血能がある場合、血中ヘマトクリットと網状赤芽球の寿命が反比例する (異常値の出るメカニズム第5版 p.85)
Hct値 平均寿命
45% 1日
35% 1.5日
25% 2日
15% 2.5日
基準値
- 血中に0.5-1.5%存在する (SP.488)
- 成人0.5-1%, 生後5日以内の新生児2.5-6.5% (異常値の出るメカニズム第5版 p.85)
- 6-20‰(パーミル) (QB)
- 正常値:赤血球の1-2%、約5万/ul
- 絶対数の基準値は1-10万/ul
臨床関連
-
-
-
- 全身的な疾患(肝疾患、腎疾患、感染症、膠原病など)
- (うまく分類できないけど)鉄欠乏貧血の治療初期 ← 鉄剤投与により数日後に網状赤血球が著増
- 絶対的増加
- 相対的増加:網状赤血球の比率のみ増加。エリスロポエチンによる骨髄への刺激が増加しても骨髄組織が十分に増加しなければ期待する網赤血球増加がみられない(OLM.86)。骨髄組織の要因として、骨髄組織が一部、異常病巣(悪性腫瘍、線維化など)に置換され、残った骨髄組織で代償している場合や、全身的要因として、薬剤、栄養障害、全身疾患により部分的に骨髄機能が抑制されている場合がある(OLM.86)。
-
- EPOの刺激に対して反応して赤血球の産生は亢進し、網状赤血球が相対的に増加するが、絶対数としては少ない。
[★]
- 英
- macrocytic anemia
- ラ
- anaemia macrocytica
- 関
- 貧血
- 巨赤芽球性貧血、大赤血球性貧血
- 平均赤血球容積 MCV
定義
- MCV*が正常値より大きい貧血、すなわちMCVが100を超えるような貧血をいう。すなわちMCV≧101の場合である。
原因
- ビタミン欠乏:アルコール多飲者
- 葉酸欠乏 → 巨赤芽球性貧血
- ビタミンB12欠乏 → 巨赤芽球性貧血
- 溶血性貧血
- 網状赤血球増加症:造血が亢進する際に見られる
- 肝硬変
- 骨髄異形成症候群
- 再生不良性貧血
診断
- 日本内科学会雑誌 2015年07月号
- 低下有り→巨赤芽球性貧血
- (自己抗体あり):悪性貧血、胃切除後貧血
- (自己抗体なし):回腸疾患、吸収不良症候群、腸内細菌叢異常
- 低下無し→非巨赤芽球性貧血
- (網状赤血球増加有り):溶血性貧血、出血性貧血
- (網状赤血球増加無し):アルコール中毒、肝疾患、甲状腺機能低下症、薬剤性。(いずれも否定的ならば骨髄検査を)骨髄異形成症候群、赤芽球癆
[★]
- 英
- Diamond-Blackfan anemia
- 同
- Diamond-Blackfan貧血、先天性赤芽球癆 congenital hypoplastic anemia congenital pure red cellaplasia
- ダイアモンド-ブラックファン貧血 Diamond-Blackfananemia、ブラックファン-ダイアモンド貧血 Blackfan-Diamondanemia
- 関
- 先天性形成不良性貧血、先天性低形成性貧血。赤芽球癆
[show details]
[★]
ダイアモンド・ブラックファン貧血
[★]
- 英
- erythroblast
- 同
- 赤芽細胞、有核赤血球 nucleated red cell nucleated erythrocyte
- 関
- 赤血球、鉄芽球
- 前赤芽球→好塩基性赤芽球→多染性赤芽球→正染性赤芽球→網状赤血球→赤血球
臨床関連
[★]
癆
- 「やまいだれ + (音符)勞(ロウ)(体力を使い果たす)」
- (動・名)体力を使い果たして衰弱する。また、その病気。
[★]
- 英
- blast cell, blast
- 関
- イモチ病、芽細胞、芽球細胞
骨髄芽球性白血病