- 英
- reticulocyte
- 同
- 網赤血球
- 関
- 赤血球、血球、血液
正染性赤血球 -> 網状赤血球 -> 赤血球
概念
- 未成熟の赤血球であり、RNAを保有する (SP.488)
- 網状赤血球数
- 末梢血中を循環している赤血球のうち、その日に新しく末梢血に放出された幼弱赤血球
- 絶対数(/mm3)と比率(パーミル(‰))がある。
- 造血能がある場合、血中ヘマトクリットと網状赤芽球の寿命が反比例する (異常値の出るメカニズム第5版 p.85)
Hct値 平均寿命
45% 1日
35% 1.5日
25% 2日
15% 2.5日
基準値
- 血中に0.5-1.5%存在する (SP.488)
- 成人0.5-1%, 生後5日以内の新生児2.5-6.5% (異常値の出るメカニズム第5版 p.85)
- 6-20‰(パーミル) (QB)
- 正常値:赤血球の1-2%、約5万/ul
- 絶対数の基準値は1-10万/ul
臨床関連
-
-
-
- 全身的な疾患(肝疾患、腎疾患、感染症、膠原病など)
- (うまく分類できないけど)鉄欠乏貧血の治療初期 ← 鉄剤投与により数日後に網状赤血球が著増
- 絶対的増加
- 相対的増加:網状赤血球の比率のみ増加。エリスロポエチンによる骨髄への刺激が増加しても骨髄組織が十分に増加しなければ期待する網赤血球増加がみられない(OLM.86)。骨髄組織の要因として、骨髄組織が一部、異常病巣(悪性腫瘍、線維化など)に置換され、残った骨髄組織で代償している場合や、全身的要因として、薬剤、栄養障害、全身疾患により部分的に骨髄機能が抑制されている場合がある(OLM.86)。
-
- EPOの刺激に対して反応して赤血球の産生は亢進し、網状赤血球が相対的に増加するが、絶対数としては少ない。
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/01 18:49:25」(JST)
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網赤血球(もうせっけっきゅう、英: Reticulocyte)は、赤芽球から細胞核が抜け落ちて出来たばかりの若い赤血球である。網状赤血球ともいう。
概要
赤芽球の最後の段階である正染性赤芽球は細胞核が抜け落ちて網赤血球となるが、細胞核が抜け落ちた時点では細胞質にリボソーム(ポリリボソーム)やミトコンドリアなどの細胞内小器官が残っている。網赤血球はまだ成熟赤血球のような真ん中がくぼんだ円盤状ではなく、残っているリボソームやミトコンドリアによってヘモグロビンの産出がつづいており、網赤血球の段階で10%-30%ほどのヘモグロビンが合成される。この若い赤血球はニューメチレンブルーによる超生体染色を行うとタンパク質とRNAの複合体であるリボソームがその他の細胞内小器官を巻き込みながら網状に凝集し、凝集したリボソームのRNAが青く染まり、顕微鏡観察では網状に見えるのでこの名前がある。網赤血球は骨髄内に2日ほど留まり、その後血液中に移動して1-2日ほどでリボソームやミトコンドリアが抜け落ちて成熟した赤血球になる。健康人では末梢血中の赤血球の0.5-1.5%ほどが網赤血球である。血中に多くみられる場合は、赤血球が壊れやすく寿命が短くなっている溶血性貧血や貧血治療の開始後あるいは高地への移住後まもなくなどで、骨髄での造血が盛んになっている状況があげられる。 逆に骨髄での造血機能がなんらかの理由で急速に衰えつつある状況では網赤血球は減少する[1][2][3]。
脚注
- ^ 『三輪血液病学』p120-124
- ^ 三菱化学メディエンス検査項目解説2011年1月19日閲覧
- ^ 岡山大学病院 検査部 網状赤血球数2011年1月19日閲覧
参考文献
- 浅野茂隆、池田康夫、内山卓 監修『三輪血液病学』文光堂、2006年、ISBN 4-8306-1419-6、p120-124
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骨髄系統 - 血液 (白血球 · 赤血球 · 血小板) |
|
造血幹細胞
HSC |
骨髄系前駆細胞
(CFU-GEMM)
|
顆粒球・単球系前駆細胞
(CFU-GM)
|
|
骨髄芽球→前骨髄球→骨髄球→後骨髄球→桿状核球→分葉核球(好中球)
|
|
|
マクロファージ
|
組織球 · クッパー細胞 · 肺胞マクロファージ · 小膠細胞 · 破骨細胞 · 類上皮細胞 · 巨細胞 (ラングハンス巨細胞、異物巨細胞、トートン型巨細胞)
|
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CFU-DL
|
樹状細胞 · ランゲルハンス細胞
|
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共通
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骨髄性単球
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CFU-Baso
|
骨髄芽球→好塩基性前骨髄球→好塩基性骨髄球→好塩基性後骨髄球→(好塩基球)
|
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CFU-Eos
|
骨髄芽球→好酸性前骨髄球→好酸性骨髄球→好酸性後骨髄球→好酸性桿状核球→好酸性分葉核球 (好酸球)
|
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MEP
|
CFU-Meg
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巨核芽球 · 巨核球 · 血小板
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CFU-E
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赤芽球 · 網赤血球
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CFU-Mast
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肥満細胞前駆体
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非細胞 |
血漿
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 貧血(赤血球減少症) (特集 日常診療でみられる血液異常と血液疾患) -- (血算の見方)
- 潜在異常値除外法を用いた血液透析患者固有の分布範囲設定の試みとその臨床的意義
- 五十嵐 すみ子,市原 清志,瀧谷 雅俊,倉田 満,平良 隆保,千葉 哲男,酒井 糾,梅村 敏,日台 英雄,兵藤 透
- 日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy 40(3), 261-269, 2007-03-28
- … その結果, 透析前の検査値は腎不全患者特有の多様な変化を認めたが, その基準範囲幅は, クレアチニン, 尿素窒素, 無機リン, マグネシウム, アミラーゼ, 好酸球で, 健常者の2倍以上, 尿酸, カリウム, 平均赤血球容積, 網状赤血球数で1.5倍前後であった. …
- NAID 10019497631
- 坂部 龍太郎,向田 秀則,山下 芳典,多幾山 渉
- 日本呼吸器外科学会雑誌 20(5), 724-728, 2006-07-15
- … 隔に4cm大の充実性腫瘍を認めた.赤芽球癆合併胸腺腫と診断し,輸血にて貧血を改善した後,拡大胸腺摘出術を施行した.病理組織学的にWHO分類type B1,正岡分類II期の胸腺腫と診断された.術後1ヵ月経過しても貧血の改善が認められなかったため,Cyclosporin Aの投与を開始したところ,網状赤血球の上昇と貧血の改善を認めた.術後12ヵ月経過した現在,外来にて経過観察中で,貧血の進行や胸腺腫の再発は認めず良好に経過している. …
- NAID 110004750716
Related Links
- 網状赤血球とは、成熟なる前の幼弱な赤血球のことで、通常の抹消血中にはあまり 存在しませんが、骨髄で血液がさかんに作られると増加し、溶血性貧血などで高値を 示します。再生不良性貧血、白血病では逆に低値を示します。
- 網赤血球. 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』. 移動: 案内, 検索. 網 赤血球. 通常の赤血球. 網赤血球(もうせっけっきゅう、英: Reticulocyte)は、赤芽球 から細胞核が抜け落ちて出来たばかりの若い赤血球である。網状赤血球ともいう。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- anemia
- 同
- 貧血症
- 関
- 慢性疾患による貧血 anemia of chronic disease ACD
定義(2007前期生理学プリント、WHOの貧血判定基準)
|
Hb(g/dl)
|
Ht(%)
|
男性
|
13
|
39
|
女性
|
12
|
36
|
高齢者・乳幼児・妊婦
|
11
|
33
|
ヘモグロビンと貧血症状
- 8 g/dl :急性貧血で症状が出る
- 7 g/dl :慢性貧血で症状が出る
- 5 g/dl :心雑音
- 3 g/dl :生命の危険
病因
臨床検査
- 一つの赤血球の平均の大きさが分かる
臨床検査に基づく分類
- 正球性貧血
- 小球性貧血
- 大球性貧血
- 低色素性貧血
- 正色素性貧血
貧血の鑑別 (文献不明)
スクリーニングによる貧血の鑑別 (OLM.80)
- Fe↓、UIBC↑、フェリチン↓:鉄欠乏性貧血、慢性出血、慢性体内溶血。体内での鉄の絶対量が不足
- Fe↓、UIBC↓、フェリチン↑:慢性感染症、慢性炎症。細網系では鉄が増加しているが(フェリチン↑)、末梢に鉄を放出できず(Fe↓)、トランスフェリンも減少している(UIBC↓)
身体所見
USMLE
貧血と低酸素血症
- 貧血とは血液中のヘモグロビン濃度が低下した状態であり、一方、低酸素血症は単位体積あたりの酸素分圧が低下してる状態である。PaO2低下すなわちSpO2の低下に相当すると考えてみよう。貧血ではヘモグロビン濃度は少なくても、その少ないヘモグロビンの各々は十分に酸素化されるため、SpO2は低下しない。ただし、ヘモグロビンの絶対量が少ないために、末梢組織に届ける酸素の量が少なくなるだけなのである。(cf. 101B071)
臨床
- MCVで検査項目を絞っていくが、病態が複雑な場合はMCVによる絞り込みが意味をなさないことがある。commonな貧血から除外していく。
- 1. 血算、網状赤血球、フェリチン、鉄、UIBC、葉酸、ビタミンB12
- 2. 銅、亜鉛
- 3. 赤沈、血液像
- 4. 抗核抗体、抗dsDNA抗体、ハプトグロビン、免疫電気泳動(血液)、蛋白分画、IgG,IgA,IgM、C3c、C4、CH50、エリスロポエチン
- 5. 抗SS-A抗体、抗Sm抗体、ループスアンチコアグラント、抗カルジオ抗体、抗CLGPI抗体、抗RNA抗体、PR3-ANCA、MPO-ANCA、直接クームス検査
- 6. リンパ球サブセット、PNH(CD55,CD59)
[★]
- 英
- erythroblast
- 同
- 赤芽細胞、有核赤血球 nucleated red cell nucleated erythrocyte
- 関
- 赤血球、鉄芽球
- 前赤芽球→好塩基性赤芽球→多染性赤芽球→正染性赤芽球→網状赤血球→赤血球
臨床関連
[★]
- 英
- proerythroblast
- 関
- 赤血球、血球
CFU-E<-前赤芽球->好塩基性赤芽球
分化
特徴
[★]
- 英
- basophilic erythroblast
- 関
- 赤血球、血球
分化
特徴
-basophilic erythroblast
[★]
- 英
- orthochromatic erythroblast
- 関
- 赤血球
多染性赤芽球<-正染性赤芽球->網状赤血球
- 同
- 490
-orthochromatic erythroblast
[★]
- 英
- reticulocytosis
[show details]
-reticulocytosis
[★]
- 英
- reticulocyte index, RI
- 関
- 網状赤血球
- RI = 網状赤血球(%) x Hct/45 / MF
- RI<2:網状赤血球の産生低下
- RI≧2:出血や溶血などによる網状赤血球産生亢進
- MF
- Ht36-45・・・MF1.0, Ht26-35・・・MF1.5, Ht16-25・・・MF2.0, Ht15・・・MF2.5
[★]
- 英
- reticulocytopenia
- 関
- 網赤血球減少症、網赤血球減少、網状赤血球減少症
[★]
- 英
- reticulocytopenia
- 関
- 網赤血球減少症、網赤血球減少、網状赤血球減少
[★]
- 英
- hemocyte, blood corpuscle, hematocyte
- ラ
- hemocytus
- 同
- 血液細胞 blood cell
- 関
- 血液
血球の割合
|
個数(/ul)
|
|
個数(/ul)
|
個数(%)
|
赤血球
|
男:500万 女:450万
|
|
5000000
|
95.1
|
白血球
|
5000-10000
|
|
7500
|
0.1
|
血小板
|
15万-35万
|
|
250000
|
4.8
|
寿命
- 赤血球:120日
- 好中球:6-8時間
- 血小板:10日
- 形質細胞:1-3日
- メモリー細胞:数年
血球の特徴
|
|
赤血球
|
単球
|
好酸球
|
好中球
|
好塩基球
|
リンパ球
|
大きさ
|
7~8μm
|
12~20μm
|
10~15μm
|
10~13μm
|
9~12μm
|
7~15μm
|
赤血球と比べた大きさ
|
------
|
かなり大きい
|
2倍以上
|
約2倍
|
2倍弱
|
小リンパ球は同じ程度
|
細胞質
|
|
アズール顆粒。 広く不規則な突起
|
橙赤色の粗大円形顆粒
|
暗紫色に染まる微細な顆粒 アズール顆粒
|
赤紫色の大小不同の顆粒
|
狭く淡い青色
|
核
|
|
くびれ有り
|
2葉、眼鏡型
|
桿状好中球 分葉好中球
|
格の上にも顆粒あり
|
球形
|
[★]
- 英
- erythrocyte (Z), red blood cell (Z), RBC
- 関
- 血液、貧血、血液像
- 直径:7.62±0.61μm → 7-8μm
- 厚さ:1.0-2.0μm
- 容積:90μm3
- 表面積:130μm2
- 比重:1.097
分化
基準値
2007前期解剖学授業プリント
♂:420万 - 570万 (/μl) 495万±75万 x 10^6 (/μl)
♀:380万 - 550万 (/μl) 465万±85万 x 10^6 (/μl)
-2007前期生理学授業プリント
♂:450万 - 610万 /μl
♀:380万 - 530万 /μl
-PT.233
♂:500万 /mm3
♀:450万 /mm3
-異常値の出るメカニズム第5版 p.79
男:400万-700万/ul
女:350万-600万/ul
-HIM
男:430–560 x 10^4/μl
女:400–520 x 10^4/μl
寿命
赤血球の増加
- テストステロン、低酸素、コルチゾール、エリスロポエチン
[★]
- 英
- bulbus (KH)
- ラ
- bulbus cerebri
- 同
- 延髄
[★]
- 英
- reticular、plexiform、reticulate、reticularis
- 関
- 細網、叢状、網様