- 英
- hereditary spherocytosis, HS
- 同
- 家族性溶血性黄疸 familial hemolytic jaundice、先天性溶血性黄疸 congenital hemolytic jaundice、ミンコフスキー・ショファー症候群 ミンコフスキー-ショファール症候群 Minkowski-Chauffard syndrome
- 関
- 溶血性貧血
概念
病因
- 赤血球の細胞の裏打ち蛋白(アンキリンなど)の障害により生じる。
疫学
遺伝
病態
- 臨床的なスペクトラムは広く、幼児に発症することもあれば成人後、あるいは妊娠を契機に診断されることがある。
- 血管外溶血をきたす → 脾腫
身体所見
検査
- 網赤血球:増加 → 造血の亢進
- 正球性高色素性貧血:MCHC高値
- 末梢血:球状赤血球の出現
[show details]
[show details]
- AST:上昇 → 溶血による
- LDH:上昇 → 溶血による
- 浸透圧に対する脆弱性 (the presence of osmotic fragility became the main diagnostic test for HS.)
- → (1)赤血球膜の物理的な脆弱性、((2)構造的に水分を取り込む余地がない(出典は???))
症状
合併症
参考
- 1. [charged] Hereditary spherocytosis: Mechanism of hemolysis and pathogenesis - uptodate [1]
- 2. [uptodate] Hereditary spherocytosis: Clinical features; diagnosis; and treatment - uptodate [2]
国試
-hereditary spherocytosis
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/08/02 22:57:41」(JST)
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遺伝性球状赤血球症(いでんせいきゅうじょうせっけっきゅうしょう、英 Hereditary spherocytosis, HS)は、溶血性貧血の一種。遺伝性に赤血球が球状化する。
目次
- 1 病態
- 2 分類
- 3 原因
- 4 統計
- 5 症状
- 6 合併症
- 7 検査
- 8 診断
- 9 治療
- 10 予後
- 11 診療科
- 12 歴史
- 13 各国において
病態[編集]
球状になった赤血球(球状赤血球)は変形能が乏しいので、物理的に脾臓を通過できずに破壊される。赤血球が脾臓で破壊される事を血管外溶血という。溶血により貧血となるが、その程度はまちまちである。また、溶血によってヘモグロビンが壊されて間接ビリルビンになり、血中の間接ビリルビン濃度が上昇する。
分類[編集]
原因[編集]
常染色体優性遺伝。
赤血球の細胞骨格に関係する遺伝子が原因となっている物が多く、スペクトリン、アンキリン、Band 3, Protein 4.2などが含まれる。細胞骨格に異常があるために丸い形になる。浸透圧に抵抗する力が弱く、赤血球内にナトリウムイオンが入り込みやすくなり、その結果膨張し、球形を呈した異常な赤血球に変化する。
統計[編集]
ICD-10: D58.0
症状[編集]
- 溶血性貧血が起きるが、骨髄の赤血球造血能によって代償されるため、正常値のこともある。
- 血管外溶血によって軽度から中等度の脾腫が起きる。
- 血中の間接ビリルビンが増加して、家族性に小児期から黄疸や胆石を認める場合がある。
合併症[編集]
- 胆石を合併することが多く、胆石手術の際に初めて診断されることもある。
- 高度の貧血が成長期に持続していると、発育が遅れて小柄となる傾向がある。
検査[編集]
- 血液検査
- 血清生化学検査
- 間接ビリルビンが増加する。
- 肝機能は胆石の影響がなければ正常。
- ハプトグロビンが低下する。
- 末梢血塗沫染色標本検査
- 真ん中が薄くなっていない赤血球を認める。真ん中が薄くなっていない赤血球を球状赤血球と言う。
- 網赤血球が増加する。
- 直接クームス試験では陰性になる。
診断[編集]
末梢血塗沫染色標本検査で、球状赤血球を認める事で下す。
家族歴も重要だが、両親に本症の徴候が認められないこともある。
治療[編集]
手術療法を行う。手術は、脾臓を摘出する。脾臓を摘出する事を脾摘と言う。脾摘により赤血球が破壊されなくなるので、溶血、黄疸が改善する。
- 適応 : 絶対適応。ただし、免疫の観点より、乳幼児期はなるべく避ける。
- 副作用は、脾臓が免疫を担っていることから病気にかかりやすくなる。病気にかかりやすくなる事を易感染性と言う。
貧血が高度な場合は輸血を行う。輸血された赤血球が脾臓で異常に破壊されることはない。
予後[編集]
- 基本的には慢性の経過であり、予後は良い。
- 感染症などの際に一過性に骨髄の赤血球造血能が低下し、貧血が急速に悪化することがある。
- 胆石の合併症として胆嚢や胆管の炎症が重症化すると、予後に影響する。
診療科[編集]
血液を専門とする小児科、血液内科
歴史[編集]
各国において[編集]
日本[編集]
統計[編集]
日本の遺伝性溶血性貧血の中で最も多い。
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Japanese Journal
- 8.遺伝性球状赤血球症にて脾摘後,17年後に副脾腫大を認めた1例(一般演題,第24回日本小児脾臓研究会)
- 堀川 昌宏,井上 泰介,小川 越史,山崎 江里子,小出 泰平,飯沼 久恵,池田 佳史,稲葉 毅,福島 亮治,冲永 功太
- 日本小児外科学会雑誌 47(5), 882-883, 2011-08-20
- NAID 110008711825
- P-55 胆道穿孔を来たした遺伝性球状赤血球症の1例(肝・胆1,ポスターセッション,第48回日本小児外科学会学術集会)
- P-54 遺伝性球状赤血球症の胆汁鬱滞症3例の手術経験(肝・胆1,ポスターセッション,第48回日本小児外科学会学術集会)
- 38.遺伝性球状赤血球症の双胎に対し行った腹腔鏡下胆嚢・脾臓摘出術の工夫と有用性(一般演題,第29回日本小児内視鏡外科・手術手技研究会)
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- そのための慢性の溶血による胆石症(45~85%)、肝障害の合併が多い。そのため、 貧血はなく無症状の場合が多い。また、黄疸も軽く、見落とされることも多い。脾腫は あっても、軽度である。赤血球形態変化は軽く、球状赤血球も少ない。また、遺伝歴 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 3歳の男児。顔色不良を主訴に来院した。2日前に38℃台の発熱があったが1日で解熱した。昨日の夕方からぐずることが多くなった。今朝になり顔色不良に気付かれ受診した。保育園で伝染性紅斑が流行しているとのことであった。意識は清明。体温 37.8℃。脈拍 148/分、整。血圧 94/56mmHg。皮膚は蒼白。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に軽度黄染を認める。口腔内粘膜は蒼白である。咽頭に発赤を認めない。頸部リンパ節を触知しない。胸部の聴診で胸骨左縁にⅡ/Ⅵの収縮期雑音を認める。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝を触知しない。脾を左肋骨弓下に3cm触知する。血液所見:赤血球 120万、Hb 3.6g/dL、Ht 12%、網赤血球0%、白血球 3,800、血小板 18万、PT 72%(基準 80~120)。血液生化学所見:総蛋白 6.4g/dL、アルブミン 4.0g/dL、総ビリルビン 3.9mg/dL、直接ビリルビン 0.8mg/dL、AST 29IU/L、ALT 14IU/L、LD 432IU/L(基準 176~353)、尿酸 4.2mg/dL。免疫血清学所見:CRP 0.3mg/dL、直接Coombs試験 陰性。胸部エックス線写真で明らかな浸潤影はなく、心胸郭比52%である。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110A045]←[国試_110]→[110A047]
[★]
- 1歳7か月の女児。脾腫の精査を目的に来院した。 1歳6か月児健康診査で脾腫を指摘された。出生後の発育と発達とは正常である。眼球結膜に軽度の黄染を認める。腹部で肝を1cm、脾を4cm触知する。血液所見:赤血球 347万、Hb 8.7g/dl、Ht 27%、白血球 12,100、血小板 36万。血液生化学所見:総蛋白 6.4g/dl、アルブミン 4.2g/dl、総ビリルビン 2.0mg/dl、AST 41IU/l、ALT 23IU/l、ALP 558IU/l(基準361-958)、ハプトグロビン 10mg/dl(基準19-170)。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No.17)を別に示す。
- 合併によって原疾患が急激に増悪する可能性があるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D042]←[国試_105]→[105D044]
[★]
- 6歳の女児。顔色不良を主訴に来院した。眼球結膜に黄染を認める。胸骨右縁第3肋間に1/6度の収縮期雑音を認める。右肋骨弓下に肝を1.5cm、左肋骨弓下に脾を3cm触知する。血液所見:赤血球 275万、Hb8.3 g/dl、Ht25%、網赤血球 16%、白血球 9,400、血小板 35万。血液生化学所見:総ビリルビン 4.7mg/dl、直接ビリルビン 0.7mg/dl、ハプトグロビン 0mg/dl(基準19~170)、AST 34IU/l、ALT 18IU/l、LDH 643IU/l(基準286~606)、Fe 97 μg/dl、UIBC 178pg/dl(基準190~280)。直接Coombs試験陰性。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本を以下に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102D044]←[国試_102]→[102D046]
[★]
- 1歳の女児。発熱と血便とを主訴に入院した。2日前から発熱と頻回の下痢便とがあり、本日、血便がみられた。顔面は蒼白で、皮膚に軽度の黄疸と点状出血とを認める。眼瞼と四肢とに浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、潜血3+。血液所見:赤血球270万、Hb 7.0g/dl、白血球12,300、血小板2.2万。血液生化学所見:尿素窒素30mg/dl、クレアチニン1.3mg/dl、総ビリルビン2.5mg/dl、AST 40IU/l、ALT 32IU/l、LD <LDH> 2,860IU/l(基準260~530)。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本を以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103A030]←[国試_103]→[103A032]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103B008]←[国試_103]→[103B010]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F039]←[国試_101]→[101F041]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097B035]←[国試_097]→[097B037]
[★]
- 赤血球280万、Hb10.2g/dl、Ht32%の貧血で考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098G090]←[国試_098]→[098G092]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100G081]←[国試_100]→[100G083]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
[★]
[★]
- 英
- hereditary disease
- 関
- 先天性疾患
- 世代を通じて配偶子に伝えられる疾患。家族性発生をみる。
- 遺伝性疾患は必ずしも先天性疾患ではない。
- 例:Huntington病
遺伝性疾患
常染色体優性遺伝
常染色体劣性遺伝
伴性劣性遺伝
伴性優性遺伝
[★]
- 英
- hemolytic anemia
- 同
- 溶血性黄疸 hemolytic jaundice
- 関
- 貧血
概念
- 赤血球寿命が種々の原因により短縮することに伴う貧血の総称。
病因
- 赤血球が何らかの原因により破壊され、骨髄の代償能力を超えて赤血球が減少することにより貧血を呈する。 → 溶血が存在するが貧血ではない状態がある。
- 溶血の原因
-
-
HIM.653
赤血球内の素因
- 1. ヘモグロビンの異常
- 2. 膜-細胞骨格複合体の異常
赤血球外の素因
- 家族性溶血尿毒症 familial hemolytic uremic syndrome
-
症状
参考
- [charged]Extrinsic nonimmune hemolytic anemia due to mechanical damage: Fragmentation hemolysis and hypersplenism - uptodate
- http://www.uptodate.com/contents/extrinsic-nonimmune-hemolytic-anemia-due-to-mechanical-damage-fragmentation-hemolysis-and-hypersplenism?source=search_result&selectedTitle=2%7E150
[★]
- parvo
- 英
- parvovirus B19
- 同
- human parbovirus B19, B19 virus、ヒトパルボウイルスB19、B19型ヒトパルボウイルス
- ヒトに感染するパルボウイルスを特にヒトパルボウイルスと呼ぶが、本wikiではヒト以外のウイルスについては対象外。
- 関
- ウイルス
- first aid step1 2006 p.151,152,154,299
ウイルス学
- エンベロープ無し
- DNAウイルス最小
- 赤血球系前駆細胞で増殖。
潜伏期間
感染経路
疫学
- 成人の40%が既感染
- 4-5年ごとに流行
- 春に多い
感染症
症状
- SMB.541-542
- 伝染性紅斑
- 急性熱性疾患
- 関節炎
- 成人の伝染性紅斑では関節痛を伴う2-4週間継続する関節炎を呈する。
- 免疫複合体の形成が原因
- 妊婦の感染→胎児の感染→肝臓での造血能低下→重症の貧血→胎児水腫(非免疫性胎児水腫)、流産、死産
- 経胎盤感染による感染率33%。胎児死亡の危険率は9%
合併症
経過
- 骨髄機能は10-14日で回復 → 症状は出ない。
治療
検査
予防
参考
- http://en.wikipedia.org/wiki/Parvovirus_B19
- 同
- HPV-B19
[★]
- 英
- autosomal dominant disease, autosomal dominant disorder
- 同
- 常染色体優性遺伝疾患
- 関
- 常染色体劣性遺伝病
autosomal-dominant diseases (first aid step p.108)
男性の年齢と孤発性常染色体優性遺伝病
- HIM.2319
[★]
- 英
- splenectomy
- 同
- 摘脾、脾摘、脾臓摘出、脾摘出、(国試)脾摘術、脾臓摘出術
適応
注意
- 血小板増加による血栓症 → 脾摘後血栓症
- 免疫能低下
- 易感染性
- 莢膜を持つ菌に感染しやすくなる→脾網内系はIgMを産生する場らしい?
- 脾摘後重症感染症症候群 脾摘後敗血症
[★]
- 英
- hemocyte, blood corpuscle, hematocyte
- ラ
- hemocytus
- 同
- 血液細胞 blood cell
- 関
- 血液
血球の割合
|
個数(/ul)
|
|
個数(/ul)
|
個数(%)
|
赤血球
|
男:500万 女:450万
|
|
5000000
|
95.1
|
白血球
|
5000-10000
|
|
7500
|
0.1
|
血小板
|
15万-35万
|
|
250000
|
4.8
|
寿命
- 赤血球:120日
- 好中球:6-8時間
- 血小板:10日
- 形質細胞:1-3日
- メモリー細胞:数年
血球の特徴
|
|
赤血球
|
単球
|
好酸球
|
好中球
|
好塩基球
|
リンパ球
|
大きさ
|
7~8μm
|
12~20μm
|
10~15μm
|
10~13μm
|
9~12μm
|
7~15μm
|
赤血球と比べた大きさ
|
------
|
かなり大きい
|
2倍以上
|
約2倍
|
2倍弱
|
小リンパ球は同じ程度
|
細胞質
|
|
アズール顆粒。 広く不規則な突起
|
橙赤色の粗大円形顆粒
|
暗紫色に染まる微細な顆粒 アズール顆粒
|
赤紫色の大小不同の顆粒
|
狭く淡い青色
|
核
|
|
くびれ有り
|
2葉、眼鏡型
|
桿状好中球 分葉好中球
|
格の上にも顆粒あり
|
球形
|
[★]
- 英
- erythrocyte (Z), red blood cell (Z), RBC
- 関
- 血液、貧血、血液像
- 直径:7.62±0.61μm → 7-8μm
- 厚さ:1.0-2.0μm
- 容積:90μm3
- 表面積:130μm2
- 比重:1.097
分化
基準値
2007前期解剖学授業プリント
♂:420万 - 570万 (/μl) 495万±75万 x 10^6 (/μl)
♀:380万 - 550万 (/μl) 465万±85万 x 10^6 (/μl)
-2007前期生理学授業プリント
♂:450万 - 610万 /μl
♀:380万 - 530万 /μl
-PT.233
♂:500万 /mm3
♀:450万 /mm3
-異常値の出るメカニズム第5版 p.79
男:400万-700万/ul
女:350万-600万/ul
-HIM
男:430–560 x 10^4/μl
女:400–520 x 10^4/μl
寿命
赤血球の増加
- テストステロン、低酸素、コルチゾール、エリスロポエチン
[★]
- 英
- heredity, inheritance
- 同
- 氏か育ちか
- 関
- 遺伝子、遺伝性疾患。遺伝形式
- 親のもつ遺伝情報が遺伝子によって子孫に伝達され、その作用によって形質が発現すること。
[★]
- 英
- globular、spherical、spheroid、bulbous、glomerulosa
- 関
- 球状体、スフェロイド、球根状
[★]
- 英
- inheritable character、inherited、hereditary、heritable、inheritable
- 関
- 遺伝、遺伝的