出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/18 21:20:28」(JST)
細胞性免疫(さいぼうせいめんえき)は、食細胞、細胞傷害性T細胞 (CTL;Cytotoxic T Lymphocytes)、ナチュラルキラー細胞が体内の異物排除を担当する免疫系である。T細胞が関係する。
ヘルパーT細胞にはTh1細胞とTh2細胞が存在し、これらはサイトカインを放出することにより互いの機能を抑制しあっていると考えられている。これらの細胞はもとは1つの細胞から分化し、この細胞をナイーブT細胞(Th0)と呼ぶ。具体的な分化メカニズムについてはT細胞の項を参照。Th0細胞からTh1細胞に分化した細胞はIL-2等のいわゆるTh1サイトカインを産生し、ウイルスに感染した細胞等の破壊を行うCTLの活性化を行う。また、細胞性免疫はウィルスに感染した細胞の除去のみでなく腫瘍免疫や移植免疫にも関与している。
ヒト免疫不全ウィルス(HIV;Human Immunodeficiency Virus)はCTLに感染し、その機能を低下させる。それによって、細胞性免疫を介した免疫力は著しく低下し、後天性免疫不全症候群(AIDS;Acquired Immunodeficiency Syndrome)と呼ばれる状態に陥る。
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国試過去問 | 「104G065」「108G036」「101F070」「094A080」「105H011」 |
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A
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病原体 | B細胞系 | T細胞系 |
細菌 | 溶連菌 | 結核菌 |
ブドウ球菌 | ライ菌 | |
ナイセリア | 梅毒トレポネーマ | |
ヘモフィルス | スピロヘータ | |
ウイルス | エンテロウイルス | ヘルペスウイルス |
ポリオウイルス | 麻疹ウイルス | |
ワクチニアウイルス | ||
サイトメガロウイルス | ||
真菌 | カンジダ | |
クリプトコッカス | ||
ヒストプラズマ | ||
原虫・寄生虫 | トリパノソーマ | リーシュマニア |
マラリア | ニューモシスチス・カリニ |
細胞性免疫 | 結核菌 | |
ヒストプラズマ | ||
クリプトコッカス | ||
リステリア | ||
カンジダ | ||
ネズミチフス菌 | ||
ブドウ球菌 | ||
緑膿菌、大腸菌 | ||
ヘモフィルス | ||
肺炎球菌 | ||
体液性免疫 | クレブシエラ |
主に関与するリンパ球 | 働き | リンパ節での局在 | |
細胞免疫 | T細胞 | (1)免疫の活性化 | 傍皮質 |
(2)抗原を有する細胞への攻撃 | |||
液性免疫 | B細胞 | 抗体産生 | 皮質 |
細胞の種類 | 補レセプター | 抗原を提示する細胞 | MHC抗原 |
キラーT細胞(Tc) | CD8 | 抗原提示細胞 | MHCクラスI |
ヘルパーT細胞(Th) | CD4 | 全ての細胞 | MHCクラスII |
T細胞 | 関連する因子 | 産生する物質 | 機能 |
Th1 | IL-12
増殖 |
IL-2,IFN-γなど | 細胞性免疫を促進' |
Th2 | IL-4
Th→Th2 |
IL-4,IL-5,IL-6,IL-10など | 液性免疫を促進' |
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