- 英
- irritable bowel syndrome, IBS
- 同
- 刺激結腸 irritable colon, spastic colon, mucous colitis
- 関
- 過敏性大腸症候群、functional bowel syndrome
臨床症状
- (IMD.872)
- 腹痛:腸管の痙攣による。食後に多く、排便により軽快
- 便通異常:便秘(兎糞状)、下痢(軟便~水様便)、あるいは便秘と下痢が交互に出現
- 腹部膨満感、悪心、腹鳴、腹部不快感など。
- 自律神経失調症状:心悸亢進、四肢冷感、発汗、顔面紅潮、肩こり、頭痛
- 精神神経症状 :不安感、不眠、無気力、緊張感、全身倦怠感
診断基準
Rome基準III
- 繰り返す腹痛あるいは腹部不快感が最近6ヶ月中に、少なくとも3ヶ月以上を占め、下記の2項目以上の特徴を示すもの。
- 1. 排便により軽快する。
- 2. 発症は排便頻度(排便回数)の変化で起こる
- 3. 発症は便性状の変化で起こる
検査
治療
- 新新療法
- 食事療法
- 薬物療法(抗コリン薬、整腸薬、抗不安薬、抗うつ薬)
国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/09/26 22:34:32」(JST)
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Irritable bowel syndrome |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
K58 |
ICD-9 |
564.1 |
DiseasesDB |
30638 |
MedlinePlus |
000246 |
eMedicine |
med/1190 |
MeSH |
D043183 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん、Irritable Bowel Syndrome, 通称:IBS)は、主として大腸の運動および分泌機能の異常で起こる病気の総称。検査を行っても炎症や潰瘍といった器質的疾患が認められないにもかかわらず、下痢や便秘、腹痛、ガス過多による下腹部の張りなどの症状が起こる。以前は大腸の機能の異常によって引き起こされる病気ということで「過敏性大腸症候群」と呼ばれていたが、最近では、大腸だけではなく小腸にも関係することなどからこのように呼ばれている。20~40歳代に多くストレスの多い先進国に多い病気である[1]。
目次
- 1 症状
- 2 原因
- 3 治療
- 3.1 薬物治療 [3]
- 3.1.1 セロトニン3受容体拮抗薬
- 3.1.2 抗コリン薬
- 3.1.3 消化管運動調節薬
- 3.1.4 高分子重合体
- 3.1.5 乳酸菌製剤
- 3.1.6 下剤
- 3.2 漢方薬
- 4 脚注
- 5 関連項目
症状
症状は主に便通の異常である。症状の現れ方によって、不安定型、慢性下痢型、分泌型、ガス型の4つに分けられる。排便により、しばらくは症状が軽快するが、またぶり返す。
- 不安定型
- 腹痛および腹部の違和感、下痢と便秘が複数日間隔で交互に現れる(交代性便通異常)。
- 慢性下痢型
- 少しでもストレスや不安を感じると下痢を引き起こす。神経性下痢などとも呼ばれる。
- 分泌型
- 強い腹痛の後、大量の粘液が排泄される。
- ガス型
- 常に「ガスが漏れて周囲の人に嫌がられているのではないか」という不安に苛まれ、意識がその一点に集中し、余計におならが出てしまう症状。症状が重くなると、他人の前では無意識の内にガスやにおいがもれるようになる。おなら恐怖症等と呼ばれあがり症(対人恐怖症)の一つと見なされることもある。
※ 機能性消化管障害に関する診断と治療の世界標準であるローマ基準IIによると、ガス型は過敏性腸症候群ではなく機能性腹部膨満症に分類される。
原因
腸の運動を司る自律神経に異常による大腸を中心とした消化管運動の異常、消化管知覚閾値の低下、精神的不安や過度の緊張などを原因とするストレス、ライフスタイルのゆがみなど複合的な要因が指摘されている[1]。また、元々神経質な性格であったり自律神経系が不安定であったりする人が、暴飲暴食やアルコールの多量摂取などを行ったり、不規則不摂生な生活、過労や体の冷えなどの状態に置かれた場合に症状が発生する場合がある。
また、最初は身体的理由(暴飲暴食など)が原因で下痢をしたものが、それにより人前で恥をかくという経験を幾度か重ねるうち、学習効果により人前で下痢をすること自体に異常に恐怖心を持ってしまい、長時間トイレのない場所や人目に触れずにトイレに入れないような場所に行くと不安障害の一種として下痢をするようになることもある。これはちょうど、乗り物酔いしやすい人ということは、乗り物酔いを何度か経験するうちに「また乗り物酔いするのではないか」という予期不安によって、乗り物に乗る前から、意識がそれに集中してしまい、酔いやすい状態(あるいは酔った状態)になるという、いわゆる「酔うと思うから酔う」現象に似ているともいえる。パニック障害などとほぼ同じ原理といえる。
近年、過敏性腸症候群(IBS)にはセロトニンという神経伝達物質が関係していることが指摘されている。セロトニンは、その約90%が腸内にある。ストレスによって腸のセロトニンが分泌されると、腸のぜん動運動に問題が生じ、IBSの症状が現れるとされている。腸は第2の脳とも言われるほどに脳と神経によって密接に関連しており、不安やストレスに対し脳からその信号が腸に伝わることで腸の運動に影響を及ぼす。この信号が過敏となり伝わりやすい状態になっていることで腸が過剰に反応する。ストレス信号を受けると、まず胃からセロトニンが分泌され、腸内のセロトニン受容体と結合し、腸のぜん動運動に異常をきたし、腹部の不快感、腹痛、下痢などを引き起こす[2]。
治療
この症状は精神的なストレス、生活の乱れによって引き起こされることが多いため、症状を改善するにはこれらの要因を解消することが基本となる。
- ストレスが原因となっている場合
- 自律神経失調症の恐れがあるので、まず精神的に不安定な状態を解消し、ストレスの原因となっているものをはっきりさせて、これを取り除く。消化器科の医療機関での薬物治療や、精神科の医療機関での心理療法などによる治療を受けることが最も望ましい。また、医療機関に頼らず自らストレスを解消する方法として自律訓練法がある。
- 生活の乱れが原因となっている場合
- 暴飲暴食、喫煙、アルコールの多量摂取を避ける。食生活の改善および生活習慣の改善を行い、規則正しい生活を送る。
薬物治療 [3]
上記の生活改善法だけでは改善しない場合は、下記の治療薬を処する。腸のセロトニンに作用することで、早期から確実に症状を改善する薬も開発されている。
セロトニン3受容体拮抗薬
- 特に男性の下痢型IBS改善治療薬で、腸のセロトニンの働きを抑制し、腸の異常運動や痛みを改善する。
抗コリン薬
消化管運動調節薬
- 消化管の動きを活発にしたり、あるいは逆に抑えたりする。
高分子重合体
乳酸菌製剤
- 腸内の乳酸菌を増やし、腸内環境を整える。ビオフェルミン錠剤など。
下剤
漢方薬
漢方薬では全ての場合が適応となる[4]。治療では精神療法と生活指導が重要であり、これと平行して薬物療法を行う[4]。
参考処方を以下に示すが、あくまで患者ごとの体質や証により最適な処方は異なるので問診が必須である。ファーストチョイス処方の服用からしばらく容態を見ながら、やがて処方内容が変更になることもある。
- 便秘下痢交代型(不安定型) - 桂枝加芍薬湯。人参湯から人参を抜き桂枝と芍薬を加えたもので、暖めと鎮痛などの作用が効く。厳密には、以下の通りで便秘時と下痢時とで処方を使い分けるのが望ましい。
- 下痢型 - 虚弱気味ならばまずは人参湯。体力が中程度になれば半夏瀉心湯だがやや消炎作用が軽いものでは平胃散。人参湯では効能が不足するときは真武湯、もしくは人参湯と真武湯の合方になるが、八味丸と同様に「附子」がはいった処方であるため胃に厳しく、かえって胃の不快感や吐き気、下痢になることがあるので注意を要する。できれば補中益気湯など胃腸薬となる処方と組み合わせたい。
- 便秘型 - 桂枝加芍薬大黄湯。大黄が下剤作用であるので下痢に転じたときは禁忌。
- 腹痛と腹鳴の強いもの - 大建中湯。あくまで該当症状軽減のためのターゲティング処方なので、下痢便秘向けの処方と併用とすること。
- 虚弱な小児 - 小建中湯。あくまで桂枝加芍薬湯に水飴成分が加わっただけで同一である。つまり栄養補給で気分や症状を落ち着かせようという意図の処方なので、桂枝加芍薬湯に市販のエキス栄養剤(甘味や畜魚肉加水分解物の含まれるもの)を併用しても大差は無い。
脚注
- ^ a b 日本消化器病学会公式サイト
- ^ IBSネット
- ^ IBSネット"IBSの治療法"
- ^ a b 日本医師会編 『漢方治療のABC』 医学書院〈日本医師会生涯教育シリーズ〉、1992年、59-60頁。ISBN 4260175076。
関連項目
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 過敏性腸症候群に対する自律訓練法の効果の性格傾向による違いについて
- 林 愛恵,松本 千景,桜木 惣吉
- 愛知教育大学研究報告. 教育科学編 63, 75-79, 2014-03-01
- … 過敏性腸症候群に対して自律訓練法が有効か否かを,自律神経活動,腹部自覚症状,気分の面から検討した。 …
- NAID 120005412207
- 過敏性腸症候群(IBS)患者の栄養ケアのポイント (特集 臨床現場で遭遇する認知症・精神科疾患患者への栄養指導の基本 : 心の病を併せもつ患者への栄養ケアのポイント)
- 過敏性腸症候群における脳腸相関 (特集 身体と精神のクロストーク)
- 大建中湯(過敏性腸症候群) (特集 外来で汎用される薬剤の上手な使い方) -- (漢方薬のエビデンスと上手な使い方)
Related Links
- くり返す下痢や腹痛、体質だと思ってあきらめていませんか? IBS(過敏性腸症候群)には、腸内のセロトニンに作用する薬を使った治療法があります。 ... ストレスや緊張を感じると急におなかが痛くなる、下痢になる ...
- 過敏性腸症候群【私はIBSです。】では、急な腹痛や下痢を伴う過敏性腸症候群(IBS)の基礎知識から症状・治療法まで、わかりやすくご紹介しております! ... IBS患者特有の 途中下車の恐怖 から救う方法がマニュアル化されて ...
- 腹痛・下痢にお悩みの方のためのサイト「IBSネット」。治療法や予防法など、IBS(過敏性腸症候群)に関する情報をアステラスがわかりやすくご紹介します。 ... IBS(過敏性腸症候群)とは、腹痛や腹部不快感をともなう下痢や便秘 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 69歳の女性。四肢関節痛を主訴に来院した。5年前から手指のこわばり、移動性の疼痛があった。3年前から便秘と下痢を繰り返し、過敏性腸症候群と診断された。半年前、夫が肺癌で死去した。そのころから、四肢関節痛や腰背部痛が悪化したため4週間前に自宅近くの診療所を受診し、NSAIDsの処方を受けたが寛解しなかった。体重に変化はない。体温 36.2℃。脈拍 80/分、整。血圧 120/76mmHg。手指遠位指節間関節や近位指節間関節に骨棘を触れる。手指や手首、膝など多関節に圧痛を認めるが、腫脹を認めない。両側の項部や僧帽筋上縁中央部、下位頸椎横突起間、第二肋骨肋軟骨接合部、上腕骨外側上顆付近、臀部上外側、大腿骨大転子後方の触診時、顔をしかめるような疼痛反応を認める。尿所見に異常を認めない。赤沈 10mm/時間。血液所見:赤血球 425万、Hb 12.8g/dL、Ht 40%、白血球 4,200、血小板 19万。血液生化学所見:総蛋白 7.2g/dL、AST 21U/L、ALT 16U/L、LD 188U/L(基準 176~353)、尿素窒素 10mg/dL、クレアチニン 0.4mg/dL、CK 48U/L(基準 30~140)、コルチゾール 12.4μg/dL(基準 5.2~12.6)。免疫血清学所見:CRP 0.1mg/dL、リウマトイド因子(RF) 陰性、抗核抗体 陰性。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113C039]←[国試_113]→[113C041]
[★]
- 55歳の男性。全身倦怠感、体重減少および腹痛を主訴に来院した。過敏性腸症候群の診断で5年前から症状に応じて外来診療を受けている。3か月前から全身倦怠感が続き、この3か月で体重が5kg減少した。1か月前から内服を継続していたが右下腹部痛が増悪してきた。4、5日前から仕事への意欲が低下し職場での人間関係がうまくいかなくなったため受診した。喫煙歴と飲酒歴とはない。身長 155cm、体重 49kg。脈拍 84/分、整。血圧 100/78mmHg。眼瞼結膜は貧血様である。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。便通は週3回で硬便であるが、明らかな血便はなく、ほぼ1日中腹痛がある。血液所見:赤血球 274万、Hb 7.6g/dL、Ht 22%、白血球 5,400、血小板 28万。血液生化学所見:総蛋白 6.3g/dL、アルブミン 3.6g/dL、総ビリルビン 1.0mg/dL、AST 21IU/L、ALT 11IU/L、LD 179IU/L(基準 176~353)、ALP 227IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 40IU/L(基準 8~50)、尿素窒素 17mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL。CRP 0.1mg/dL。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I053]←[国試_109]→[109I055]
[★]
- 35歳の女性。摂食早期の満腹感と心窩部痛を主訴に来院した。6か月前から摂食早期の満腹感を自覚し、特に脂っぽいものを食べると心窩部痛が出現するため受診した。便通異常はない。既往歴に特記すべきことはない。身長 158cm、体重 46kg(6か月間で3kgの体重減少)。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球 408万、Hb 12.8g/dL、Ht 39%、白血球 5,300、血小板 20万。血液生化学所見:アルブミン 4.1g/dL、総ビリルビン 0.8mg/dL、AST 21U/L、 ALT19U/L、LD 194U/L(基準 120~245)、ALP 145U/L(基準 115~359)、γ-GT 14U/L(基準 8~50)、アミラーゼ 89U/L(基準 37~160)、尿素窒素 15mg/dL、クレアチニン 0.7mg/dL、尿酸 3.9mg/dL、血糖 88mg/dL、HbA1c 5.6%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 176mg/dL、トリグリセリド 91mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.3mEq/L、Cl 101mEq/L。上部消化管内視鏡検査および腹部超音波検査に異常を認めない。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114A043]←[国試_114]→[114A045]
[★]
- 32歳の男性。腹痛を主訴に来院した。2か月前から時々腹痛を起こしていた。1週前から朝、腹痛で目覚めることが多くなり、1日に数回の腹痛と便意とを生じるようになった。排便すると腹痛は軽快する。便通は1日に3、4回、泥状である。便に血液の付着はない。2週前、同僚と暴飲暴食をしたことがあった。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧132/80mmHg。腹部の聴診で腸雑音が亢進し、下腹部に圧痛を認める。筋性防御を認めない。血液所見:赤血球420万、Hb14.2g/dl、白血球5,600。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100D010]←[国試_100]→[100D012]
[★]
- 28歳の男性。上腹部膨満感を主訴に来院した。6か月前から食後に上腹部の膨満感を自覚するようになった。自宅近くの診療所で投薬を受けたが改善せず、食事中にも症状を感じるようになったため受診した。体重減少や便通異常はなかったという。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音は正常である。血液生化学検査、腹部超音波検査、便潜血検査および上部消化管内視鏡検査で異常を認めない。
- 最も考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110D020]←[国試_110]→[110D022]
[★]
- 80歳の男性。発熱、咳嗽および喀痰を主訴として来院した。2年前に脳梗塞で倒れてから右片麻痺があり、また、飲食の際にむせることが時々あった。3日前から39℃に達する弛張熱、咳嗽および膿性痰がみられるようになった。昨日から食欲低下が顕著で、飲水も不十分となった。本日は朝から尿が出ていない。この患者で存在する可能性が低い病態はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095F006]←[国試_095]→[095F008]
[★]
- 26歳の男性。下痢を主訴に来院した。3年前から通勤途上の電車の中で便意が突然に出現するようになり、我慢をすると徐々に下腹部を中心とした腹痛が出現するようになった。駅のトイレに駆け込むと一気に排便があり、腹痛も便意も改善する。
- この患者でみられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101D016]←[国試_101]→[101D018]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108E021]←[国試_108]→[108E023]
[★]
- 大腸疾患と合併症の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101F030]←[国試_101]→[101F032]
[★]
- 若年者の難治性痔瘻の原因で最も可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I017]←[国試_105]→[105I019]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104C010]←[国試_104]→[104C012]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102G015]←[国試_102]→[102G017]
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※国試ナビ4※ [096E019]←[国試_096]→[096E021]
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[正答]
※国試ナビ4※ [103I017]←[国試_103]→[103I019]
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※国試ナビ4※ [106H038]←[国試_106]→[106I002]
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[正答]
※国試ナビ4※ [095E037]←[国試_095]→[095E039]
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[正答]
※国試ナビ4※ [105C007]←[国試_105]→[105C009]
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[正答]
※国試ナビ4※ [102D018]←[国試_102]→[102D020]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102H005]←[国試_102]→[102H007]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107H014]←[国試_107]→[107H016]
[★]
- ☆case28 慢性に経過する胸痛
- ■症例
- 25歳 女性
- 主訴:胸痛
- 現病歴:2年前より胸痛の出現と消退が持続していた。胸痛は6ヶ月間は収まっていたが、最近10ヶ月間は出現してきていた。胸痛は胸部左方
- にあり、左腋窩に放散していた。胸痛は胸を締め付けられる、あるいは握りつぶされるような痛みであり、5-30分持続した。胸痛はどんなときでも出現することがあった。労作時によく出現したが、ある場合には安静時にも出現し、特に夕方に出現した。胸痛には息切れが伴うことが良くあった。胸痛が出現したときには、どんなときでも身動きができなくなり、痛みと共にが遠くなったり、めまいをかんじた。時々、胸痛と共に動悸があった。動悸は強く感じられたが、心拍動はしっかりしていた(steady heart beat)。
- 既往歴:
- ・15歳 虫垂摘出
- ・30歳 腹症(irregular bowel habit)と腹痛:精査(be investigated for)をうけたが、診断がつかず(no specific diagnosis was arrived at)。症状は現在も持続。
- ・季節性鼻炎(seasonal rhinitis)
- ・2年前コレステロールを測定したが4.1 mmol/Lであった
- 基準値(HIM A-10)
- 単位:mg/dL (mmol/L)
- desirable: <200 (<5.17)
- borderline high: 200-239 (5.17-6.18)
- high: ≧240 (≧6.21)
- 生活歴:medical secretaryとして働いている。既婚で子供はいない
- 家族歴:祖父が1年前MIで死亡(77歳)。家族の数人に花粉症、あるいは喘息がある。
- 身体所見 examination
- 血圧:102/65 mmHg。脈拍:78/分、整。心音に異常所見はみとめない。左胸部、胸骨左部、乳腺下部に圧痛。呼吸数22/分。肺に異常所見を認めない。左腸骨窩に圧痛。
- 検査所見 investigations
- ECG
[★]
- 英
- lower abdominal pain
- 関
- 下腹痛。腹痛
診療エッセンシャルズ.271 改変
産婦人科疾患
- NGY.138
急性かつ重篤な下腹痛
中等度の下腹痛
- 1. 鎖陰
- 2. 卵巣嚢腫破裂
- 3. 子宮内膜症
- 4. 月経困難症
- 5. 子宮筋腫
- 6. 急性付属器炎、子宮内膜炎:子宮内膜炎は子宮内操作や流産後などに起こり、ほとんどが上行性感染と考えられ、発熱や不正出血などの随伴症状を伴うことが多い。卵管に炎症が波及し付属器炎になると下腹痛も増悪し、骨盤腹膜炎を来すことがある。起因菌はクラミジアの頻度が増加している。(参考1)
- 7. 流産
産婦人科の下腹部痛の鑑別疾患
- 参考1
病みえ産婦人科
- 引用p.212
妊娠の有無による鑑別
参考
- 1. (12)日本産婦人科医会研修プログラム;痛みの診断と治療
3)急性腹症,がん性疼痛への対応 - 日産婦誌58巻9号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5809-395.pdf
[★]
- 44歳 女性
- 主訴:頭痛
- 現病歴:前年より頭痛が続いていた。頭痛が増強してきたたため、当院受診となった。
- なお頭痛は両側性であり、夜に向かって増悪し、視覚障害、または嘔気は伴わない。その他に食欲減退と早朝覚醒を伴う睡眠障害がある。
- 嗜好歴:喫煙 15/day、飲酒 15units/week (350mlの缶ビール 10本)
- 社会歴:パートタイムのoffice cleaner。離婚している。2人の子供(10歳と12歳)の世話をしている。
- 家族歴:母が脳腫瘍で死亡。
- 既往歴:皮疹と過敏性腸症候群(当時はそれ以外になにも問題なかった)
- 服用薬:頭痛に対してパラセタモールかイブプロフェン
- 身体所見 examination
- 全身:引きこもっているように見える(withdrawn)。
- 脈拍:74/分、整。血圧:118/76 mmHg。
- システミックレビュー:心血管系、呼吸器系・消化器系、胸部および網内系は正常。神経学所見は正常。眼底所見は正常
- Q1. 診断は?
- Q2. 鑑別診断は?
- Q3. 管理方法は?
-
- ■鑑別診断
- 片頭痛 問診:(典型例では)眼症状に続く片側性、拍動性の頭痛で、悪心・嘔吐もあり、数時間持続。家族歴。
- 群発頭痛 問診:眼窩の激烈な痛み(行動不能になる程度)。
- 占拠病変による頭痛
- その他
- 副鼻腔炎 問診:頭重感、鼻汁の有無、発熱。診察:上顎洞・前頭洞の圧痛を触診、扁桃腺視診、頚部リンパ節触診
- 歯牙障害 歯科コンサルト
- 頚椎症 加齢による退行性変性を考慮しつつ、頚部の可動制限、疼痛、凝り感を問診。単純X線、MRIで診断。
- 緑内障 問診:視野。検査:視力、眼圧、視野、視神経乳頭形態、隅角検査
- 外傷後頭痛 外傷の既往歴、頭皮の視診
- □unit
- 1 unit = 10 ml of ethanol
- □350ml アルコール5%
- 350x0.05/10=1.75 unit
- ■glossary
- withdrawn
- v.
- withdrawのpp.
- adj.
- 1.(人が)引きこもった、内にこもった、世間と交わらない
- She looks withdrawn.
- 2.人里離れた、遠くにある
- 3.(商品などが市場から)回収された
- 4.(競争などから)撤退した
- reticuloendothelial system
- 細網内皮系 = 網内系
- dental disorder 歯牙障害
- bereavement
- n.
- 死別
- sneezing
[★]
- 英
- hyperhidrosis
疾患との関連
- YN.D-6
内分泌
- 先端巨大症:成長ホルモンなどを介して脂肪分解が亢進し、末梢組織にエネルギーが供給されて多汗が見られる(QB.D234)。
- → 機序が今ひとつはっきりしない。HIM.2210にも多汗のについてかかれているから間違いないのだが。
- 脂肪酸がUCP1を介した熱産生のエネルギーになる(参考1)ので、基質の増加が熱産生亢進と相関していると考えることができるかもしれない。
神経疾患
- 脳血管障害
- 視床下部症候群
- 味覚性多汗症
- 心因性:神経症、過敏性腸症候群
- 薬物・中毒:アセトアミノフェン、アルコール、有機リン、覚醒剤、毒キノコ
参考
- http://jams.med.or.jp/symposium/full/124062.pdf
[★]
- 英
- tegaserod
- 化
- マレイン酸テガセロッド tegaserod maleate
- 関
- セロトニン受容体
- 5-HT4アゴニスト
- 過敏性腸症候群の治療薬
- 日本では販売されていない。
参考
- http://www.genome.jp/dbget-bin/www_bget?dr:D02730
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 英
- hypersensitivity、hyperreactivity、overactivity、hypersensitive、overactive
- 関
- アレルギー、過感受性、過感受的、活動亢進、過敏症、高感受性、知覚過敏、反応亢進、反応性亢進
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- 英
- supersensitivity、irritation、supersensitive、irritable
- 関
- 過感受性、過感受的、刺激作用、被刺激性、易刺激的
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- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候