- 英
- acute abdomen
- 関
- 腹痛
内科レジデントマニュアル第7版 244
概念
産婦人科の急性腹症
異常妊娠
- 子宮外妊娠、流産、早産、常位胎盤早期剥離、HELLP症候群
婦人科疾患合併
- 卵巣腫瘍頚捻転、卵巣嚢腫破裂、出血性黄体嚢胞、卵巣出血、PID(骨盤内炎症)、子宮内膜症嚢胞破裂
泌尿器疾患合併
消化器疾患合併
- 急性虫垂炎(妊娠中は圧痛点が上に変位)、
- イレウス、胆石症、急性膵炎
小児科の急性腹症
- 乳幼児・学童で最多の原因が便秘。その他急性胃腸炎、先天性胆道拡張症
- 乳幼児:腸重積
- 学童 :AGML、急性虫垂炎、卵巣嚢腫茎捻転、精巣捻転
参考
- 1. イレウス 読影勉強会スライド集 - 北九州放射線技師会
- 勉強になります。
- http://kart.or.jp/index.php?%C6%C9%B1%C6%CA%D9%B6%AF%B2%F1%A5%B9%A5%E9%A5%A4%A5%C9%BD%B8
- http://kart.or.jp/index.php?plugin=attach&refer=%C6%C9%B1%C6%CA%D9%B6%AF%B2%F1%A5%B9%A5%E9%A5%A4%A5%C9%BD%B8&openfile=0703%B5%DE%C0%AD%CA%A2%BE%C9%A4%CE%B2%E8%C1%FC%BF%C7%C3%C72-1.pdf
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/11/07 14:04:24」(JST)
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急性腹症(きゅうせいふくしょう、acute abdomen)とは、急激な腹痛によって緊急手術の適応か否かの判断が要求される症候である。
目次
- 1 定義
- 2 腹痛の種類
- 3 診断
- 3.1 問診
- 3.2 身体的検査
- 3.3 臨床検査
- 4 治療
- 5 急性腹症を起こす疾患
- 5.1 基本的に緊急手術を必要とする疾患
- 5.2 保存的に治療し手術が必要か判断する疾患
- 5.3 原則的に保存治療する疾患
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
定義
突如として急激な腹痛が起こり、急性の経過をとる疾患の総称である。かつて確定診断の精度が低かったときは仮に急性腹症の用語を用いていたが、現在では迅速な診断が可能となっている。急性腹症を用いるのは主に外科領域だが、疾患によっては産婦人科や泌尿器科などが関わってくる。なお、外見からだけでは判断しにくい疾患を急性腹症としているため、一見すれば判断できる腹部外傷は通常急性腹症に含めない。
腹痛の種類
同じ腹痛であっても、その痛みにはいくつかの種類が存在する。それを同定することが確定診断の第一歩となる。
- 内臓痛
- 内臓の炎症や感染などによって求心路である脊髄無髄神経終末が刺激を受け、疼痛が発生する。鈍い瀰漫性の慢性的な痛みが起こる。同時に悪心、嘔吐、冷汗などの自律神経反射症状を伴うことも多い。
- 体性痛
- 腹膜、腸間膜、横隔膜の炎症や消化液や出血による刺激によって脊髄有髄神経が刺激を受け発生する。内臓痛と違って鋭く限局性の痛みが起こる。
- 関連痛
- 内臓痛や体性痛を受けた臓器から隔たった体表に限局的に感じる痛みである。
診断
緊急手術を要する可能性もあるため、迅速的な診断が必要となる。基本的には以下の診断が行われる。
問診
腹痛の種類や部位を知るのに非常に重要である。また、開腹手術歴があればイレウスの可能性が高くなるなど、既往歴や現病歴も診断に大きく関わってくるため非常に重要である。女性であれば月経異常を調べて子宮外妊娠などが起こっていないか考える必要もある。
身体的検査
問診とともに重要な診断方法である。視診、聴診、打診、触診、直腸診、内診の順に行う。また、バイタルサイン(脈拍、血圧、呼吸、意識レベル、体温)を測定し、輸液やその他の体調管理が必要ないか調べる必要がある。
- 視診
- 腹部に膨隆があればガスが貯留している可能性がある。また、皮膚の着色斑も重要である(カレン徴候など)。
- 聴診
- 腸雑音の亢進や減弱・消失は診断に非常に重要である。
- 打診
- 鼓音があればガスが貯留していることがわかる。腹水が溜まっていれば波動がある。
- 触診
- 圧痛があればその部位に応じて何らかの異常があることになる。また、筋性防御や反跳痛があれば腹膜全体が刺激を受けていることとなるため、腹膜炎の可能性が高いことがわかる。
- 圧痛点としてはMcBurney, Sawada-G, Sawada-P, Solar, Boaz などのエポニムがあるが、近年ではエポニムは使われない傾向にある。
- 直腸診
- 直腸内の病変を直接触知するだけでなく、圧痛の有無による炎症性疾患の診断にも重要である。高齢者の男性では前立腺の触診も必ず行う。
- 内診
- 女性であれば必ず行う。女性生殖器疾患の診断に必要である。
臨床検査
血液検査、尿検査、便検査、単純X線は基本的に早急に行うが、それ以外のCT、超音波検査、内視鏡などは問診や身体的検査の情報を元に選択的に行う。
治療
確定診断ができればその疾患の治療を行うが、それまでに状態を悪化させないことが重要である。初期は静脈路を確保して水分補給や電解質や酸塩基平衡の是正を行う。また、呼吸障害があれば気管挿管をして気道を確保する。抗菌薬や鎮痛薬は原則的には用いず、場合に応じて慎重に判断する。
急性腹症を起こす疾患
基本的に緊急手術を必要とする疾患
- 汎発性腹膜炎
- 消化管穿孔
- 虫垂穿孔
- 胆嚢穿孔
- 大動脈解離・大動脈瘤破裂
- 複雑性イレウス
- 子宮外妊娠破裂
- 卵巣茎捻転
- 腸重積(成人)
- ヘルニア嵌頓
- 壊死型虚血性腸炎(腸間膜動脈・静脈の血栓症・塞栓症)
- 重症炎症
保存的に治療し手術が必要か判断する疾患
- 被覆性消化管穿孔
- 中等度炎症
- 単純性イレウス
- 胆石症
原則的に保存治療する疾患
- 急性心筋梗塞
- 尿路結石
- 腎盂腎炎
- 急性胃腸炎
- 消化管潰瘍(穿孔を伴わないもの)
- 虚血性腸炎(壊死型でないもの)
- 帯状疱疹
関連項目
- 腹膜炎
- 疼痛:腹痛に関してのマネージメントの記載、鎮痛薬の使い分けなど。
外部リンク
- ARRS Gold miner:英語のX線写真の画像、説明
- よいこの症例:昭和大学医学部学生用の画像診断入門の教材
- 急性腹症のCT演習問題:救急の症例集
- Visible Human Project:コンピュータ上で人体を再現する計画
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 腹部症状で発症する例を鑑別する (特集 症例から学ぶ川崎病の診断・治療・管理のエッセンス) -- (急性期の診断のエッセンス)
- DPCデータベースを用いた精神疾患を合併した急性腹症患者のアウトカムの分析
- 村田 篤彦,村松 圭司,松田 晋哉
- 救急医学 = The Japanese journal of acute medicine 39(1), 105-110, 2015-01
- NAID 40020323677
- 専門医部会 患者の言葉・身体所見を読み解く 冷汗を伴う突然の腹痛
- アレルギー性紫斑病 (特集 保護者への説明マニュアル) -- (疾患に対する説明マニュアル)
Related Links
- 急性腹症. 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』. 移動: 案内, 検索. 急性 腹症(きゅうせいふくしょう、acute abdomen)とは、急激な腹痛によって緊急手術の 適応か否かの判断が要求される症候である。
- 急性腹症のCT診断について、様々な症例の演習をわかりやすく解説します。
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★リンクテーブル★
[★]
- (1) 遺伝的な毛細血管脆弱性に起因する
- (2) 紫斑は躯幹を中心に全身に見られる
- (3) 関節や筋など深部出血を見る
- (4) 急性腹症と誤認される腹痛がある
- (5) 糸球体腎炎を合併する
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
- a. 幼児期の急性腹症に占める割合は低い
- b. 高熱で発症するのが特徴である。
- c. 初期に嘔吐を見ることが多い。
- d. 穿孔例は稀である。
- e. Lanzの圧痛点は陰性である。
[★]
- 英
- abdominal pain
- 関
- PQRST、急性腹症
コアカリ診療の基本 p.107
心窩部
|
食道潰瘍
|
胸焼け、嚥下困難
|
急性胃炎
|
悪心、嘔吐を伴う
|
消化性潰瘍
|
空腹時悪化傾向
|
胃癌
|
進行しないと痛まず
|
虫垂炎初期
|
回盲部に圧痛
|
急性膵炎
|
激烈な腹痛、背部痛、膵酵素の上昇
|
慢性膵炎
|
不定の上腹部症状で神経症的にみえる
|
膵臓癌
|
浸潤すると疼痛強し
|
右季肋部
|
胆石症
|
右肩に放散、発作間は痛みほとんどなし
|
急性胆嚢炎
|
発熱、圧痛著明、肝胆道系酵素上昇
|
急性肝炎
|
肝腫大、鈍痛、黄疸-肝酵素著明に上昇
|
肝膿瘍
|
激しい発熱、叩打痛は肋骨弓部付近など
|
肝癌
|
鈍痛、破裂すると激しい痛み
|
左右側腹部
|
尿管結石
|
肋骨脊椎角の叩打痛、血尿、超音波検査で水腎症
|
腎盂腎炎
|
急激な発熱と叩打痛、膿尿
|
腎梗塞
|
時に一過性の激しい痛み、血尿
|
回盲部
|
虫垂炎
|
他疾患除外の目的で、超音波検査が有用
|
右側結腸憩室炎
|
虫垂炎との鑑別困難
|
回腸末端炎
|
虫垂炎との鑑別が必要
|
クローン病
|
回盲部潰瘍をきたしやすい
|
大腸癌
|
右側結腸癌は腫癌を触知することが多い
|
左腸骨窩部
|
虚血性大腸炎
|
急激な腹痛と下血
|
S状結腸憩室炎
|
腹痛、圧痛、発熱
|
急性大腸炎
|
下痢、嬬動の元進
|
S状結腸軸捻転
|
便秘老人、鼓腸強い、内視鏡的修復
|
下腹部
|
子宮付属器炎
|
発熱、圧痛
|
卵巣嚢腫茎捻転
|
ショックに陥ることもあり、超音波検査が有用
|
子宮外妊娠破裂
|
急激に貧血が進行、ショックなど
|
生理痛
|
内膜症がある場合は強い
|
全体
|
腹膜炎
|
原発性、結核性、癌性など症状が微妙に異なる
|
潰瘍穿孔
|
腹壁防御、板状硬、緊急手術
|
腸間膜血栓症
|
鼓腸、腸麻痺、ショック、最も重篤
|
- 小腸疾患による腹痛は食事後20分後ぐらいから始まることが多い。(QB.A-308)
乳幼小児の腹痛
- SPE.481
- 乳幼児・学童に共通して最も多い腹痛の原因は便秘。その他は急性胃腸炎、胆道拡張症
[★]
- 英
- tubal rupture
- 関
- 卵管妊娠、子宮外妊娠。(鑑別診断)急性腹症
- 卵管が破裂すると、腹腔内出血、急性の貧血、出血性ショックにいたる。
- 治療は出血性ショックに対する治療(輸液、輸血、昇圧剤、副腎皮質ステロイド)を行った後、緊急手術(緊急開腹手術)となる
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[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- acute
- 関
- 急性的、鋭い、鋭形、急性型