- 英
- pelvic inflammatory disease, PID
- 関
- 子宮付属器炎、淋疾。骨盤内感染症
定義
- 外性器から上行性に感染が波及して、骨盤内に炎症を起こすこと。(NGY.178)
病因
症状
- 症状がない無症候性骨盤内感染症を発症し、子宮付属器周辺の癒着などを起こす。不妊の原因となる
検査
- 子宮頚管分泌物の細菌培養、クラミジア抗原検査、淋菌培養
超音波検査
診断
鑑別疾患
- 虫垂炎、腸炎、憩室炎などの消化器疾患
- 卵巣腫瘍の茎捻転、子宮外妊娠
上行性感染
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/12/01 12:03:34」(JST)
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骨盤腹膜炎(こつばんふくまくえん)は、骨盤内炎症性疾患(Pelvic inflammatory disease : PID)ともいわれ、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、淋菌などの微生物により発生する感染症である。性行為感染症 (STD)の一種でもある。 [1]
目次
- 1 原因
- 2 感染経路
- 3 症状
- 4 治療
- 5 予防
- 6 脚注
- 7 関連項目
|
原因
膣から上記微生物が侵入し、子宮、卵管を経由して腹腔内に到達、骨盤内にて腹膜に炎症を起こすためこの名がある。従って女性にしか発生しない。
感染経路
性交との関連性が強く、通常初経前、閉経後、妊娠中には発症しない。 初体験年齢の低下に伴って若年層にも増加している。[2]
症状
下腹痛、発熱、帯下、不正性器出血、性交時痛等が見られる。 腸管系の疾患と異なり、下痢は伴わない。 また、膀胱炎と異なる点は血尿、膿尿を伴わないことである。
治療
原因により異なる。婦人科に受診し、原因微生物によって抗生物質を選択し投与することとなる。
予防
性交をしないことが最大の予防となる。
コンドームの使用には一定の予防効果がある。(100%ではない)
経口避妊薬には予防効果はない。
脚注
- ^ メルクマニュアルオンライン 「骨盤内炎症性疾患」[[1]]
- ^ 滋賀県HP[2]
関連項目
- 性行為感染症
- 性器クラミジア感染症
- 淋病
- フィッツ・ヒュー・カーティス症候群
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 症例報告 骨盤内炎症性疾患を呈したA群β溶血連鎖球菌感染症の1例
- 腹痛 : 腹腔内感染症の診療 (特集 症候から学ぶ感染症診療と抗菌薬治療) -- (症候から迫る感染症診療)
- 症例報告 骨盤内炎症性疾患2症例から考える腹腔内感染症治療のストラテジー (特集 骨盤内における感染症(消化管を除く)に対する治療戦略)
Related Links
- 骨盤内炎症性疾患が影響を及ぼす部位としては、子宮頸部(粘液膿性子宮頸炎)、子宮 (子宮内膜炎)、卵管(卵管炎)があり、ときには卵巣に影響が及ぶこともあります(卵巣 炎)。骨盤内炎症性疾患は米国では、不妊の原因のうち予防可能なものとして最も多く ...
- 骨盤内炎症性疾患は,上部女性生殖器官(子宮頸部,子宮,卵管,および卵巣)の感染 症である;膿瘍が生じることがある。一般的な症状および徴候としては,下腹部痛,頸管 帯下,および不正性器出血がある。長期合併症には,不妊,慢性骨盤痛,および子宮外 ...
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[★]
- 次の文を読み、33、34の問いに答えよ。
- 32歳の女性。無月経を主訴に来院した。
- 現病歴 :毎月規則正しかった月経が今月はなかったため来院した。1年前から月経量の増量に加え、月経痛もひどくなってきており、1週前から嘔気と乳房緊満感とを認めている。最近排尿回数が増えている。未婚であるがパートナーはいる。婦人科受診は初めてである。
- 既往歴 : 妊娠・分娩歴はない。
- 現症 : 意識は清明。身長160cm、体重46kg。脈拍72/分、整。血圧118/70mmHg。全身所見で特に異常は認めない。内診上、子宮は前傾前屈、新生児頭大、弾性硬。可動性はやや不良であるが圧痛はない。両側付属器は触知しない。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球360万、Hb10.0g/dl、白血球8,400、血小板28万。血清生化学所見:総蛋白6.2g/dl、アルブミン3.9g/dl、尿素窒素14mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総コレステロール180mg/dl、AST26単位、ALT28単位、LDH310単位(基準176~353)。妊娠反応陽性。
[正答]
※国試ナビ4※ [100D033]←[国試_100]→[100D035]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107A016]←[国試_107]→[107A018]
[★]
- 英
- lower abdominal pain
- 関
- 下腹痛。腹痛
診療エッセンシャルズ.271 改変
産婦人科疾患
- NGY.138
急性かつ重篤な下腹痛
中等度の下腹痛
- 1. 鎖陰
- 2. 卵巣嚢腫破裂
- 3. 子宮内膜症
- 4. 月経困難症
- 5. 子宮筋腫
- 6. 急性付属器炎、子宮内膜炎:子宮内膜炎は子宮内操作や流産後などに起こり、ほとんどが上行性感染と考えられ、発熱や不正出血などの随伴症状を伴うことが多い。卵管に炎症が波及し付属器炎になると下腹痛も増悪し、骨盤腹膜炎を来すことがある。起因菌はクラミジアの頻度が増加している。(参考1)
- 7. 流産
産婦人科の下腹部痛の鑑別疾患
- 参考1
病みえ産婦人科
- 引用p.212
妊娠の有無による鑑別
参考
- 1. (12)日本産婦人科医会研修プログラム;痛みの診断と治療
3)急性腹症,がん性疼痛への対応 - 日産婦誌58巻9号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5809-395.pdf
[★]
- 英
- gonorrhea (US)(oは発音しない), gonorrhoea (UK?)
- ラ
- gonorrhoea
- 同
- 淋疾 (淋病の方がよく使われるらしい)、gonococcal infection、gonococcal infections
- 関
- 淋菌、細菌、性感染症
- 淋菌 Neisseria gonorrhoeaeによって起こる性病、性感染症
特徴
病原体
疫学
潜伏期間
感染経路
症状(SMB.215)
- 著明な排尿痛を伴った尿道炎(急性前部尿道炎)に始まり膿性分泌物(外尿道口からの乳白色から黄色の排膿)を排出。潜伏期は2-5日。発熱は大抵ない。 →淋菌性尿道炎
- 進展すると後部尿道炎、精巣炎、前立腺炎、精巣上体炎を合併。発熱を来す。
- 菌血漿を来たし、関節炎などを併発することもある
- 子宮頚管炎/頚管炎。尿道炎、バルトリン腺炎、子宮内膜炎、卵管炎、骨盤腹膜炎等の骨盤内炎症性疾患(pelvic inflammatory diseases, PID)に進展 →不妊、子宮外妊娠などの原因。
- 婦人科的炎症症状(膿性帯下、不正性器出血、性交痛、下腹部痛など)を呈する
- 半数近くが不顕性。
合併症
経過
検査
培養
治療(SMB.215)
- 第一選択:ペニシリン系抗菌薬。
- ペニシリナーゼ産生淋菌 penicillinase-producing N. gonorrhoeae PPNG:βラクタマーゼ阻害薬を合剤した合剤ペニシリン
- スペクチノマイシン、セフトリアキソンも評価されている
- ニューロキノロン耐性淋菌20-60%
予防
[★]
- 英
- Fitz-Hugh-Curtis syndrome, Fitz-Hugh and Curtis syndrome
- 同
- Fitz-Hugh-Curtis症候群
- 関
- 肝周囲炎、腹痛
概念
参考
- 1. 腹腔鏡 - Young Woman With Atypical Presentation of Fitz-Hugh-Curtis Syndrome
- http://69.167.169.96/content/young-woman-atypical-presentation-fitz-hugh-curtis-syndrome
- 2. CT - Spectrum of CT Findings in Acute Pyogenic Pelvic Inflammatory Disease1
- http://radiographics.rsna.org/content/22/6/1327/F18.expansion
[★]
- 英
- adnexitis
- 同
- 子宮付属器炎
- 関
- 卵巣炎、卵管炎、骨盤内炎症性疾患
[show details]
概念
- 子宮の付属器(卵管、卵巣、およびその周囲組織)の炎症
病因
病原体
症状
合併症
[★]
- 英
- inflammation of pelvic dead space or paramedritis
- 関
- 骨盤内炎症性疾患
- 各種外科手術後にできた腹膜外の死腔に炎症が生じた物
[★]
- 英
- inflammation
- 同
- 炎症反応 inflammatory reaction
- 関
- 急性炎症による有害な刺激物が除去され組織が修復されるが、障害が続けば慢性炎症となる。
主徴 (BPT.32)
原因
- ウイルス、リケッチア、細菌、真菌、原虫、寄生虫
- 日光、放射線物質、電気的刺激、摩擦
- 酸・アルカリ
- 壊死物
- 異物
- 免疫学的な刺激(アレルギー、自己免疫疾患)
分類
- 比較的短期間で終了し滲出と好中球浸潤が主体
- 長時間持続し、組織増殖とリンパ球・組織球浸潤が主体
|
急性炎症
|
慢性炎症
|
概要
|
滲出性病変が主体
|
増殖性変化が主体
|
経過
|
急性・一過性
|
遷延性・潜行性
|
血管
|
血管透過性亢進
|
血管新生
|
間質組織
|
充血・浮腫
|
線維芽細胞・血管・間質結合組織の増生
|
浸潤細胞
|
好中球→マクロファージ→リンパ球
|
急性炎症 (BPT.33)
- vasolilation
- increased vascular permeability
- cellular recruitment and activation
慢性炎症
[★]
- 英
- pelvis (Z)
- 関
- 小骨盤
- N.340-341,342(性差) KA.435(性差, 上面)
血管分布
動脈
- 内腸骨動脈
- 卵巣動脈
- 正中仙骨動脈
- 上直腸動脈
静脈
- 内腸骨静脈
- 卵巣静脈・精巣静脈
- 正中仙骨静脈
- 上直腸静脈
- 内椎骨静脈叢
[★]
- 英
- disease, disorder, disturbance, illness, sickness, malady
- 同
- 疾病、病気
- 関
- 疾病、障害、病、乱れ、無秩序、病害、病気、病弊
[★]
- 英
- interior of the pelvis, intrapelvic, pelvis
- 関
- 骨盤
[★]
- 英
- inflammatory、inflamed
- 関
- 炎症、起炎性