- 英
- blood vessel, blood vessels
構造
- 内皮細胞(単層扁平上皮細胞)
- 基底板
- 内皮下結合組織(内皮下層 subendothelial layer):疎性結合組織、縦走平滑筋
- 内弾性板
分類
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/24 14:40:19」(JST)
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血管
blood vessel |
ヒトの主な血管
|
ラテン語 |
vas sanguineum |
血管(けっかん、blood vessel)は、血液を身体の各所に送るための通路となる管。全身へ酸素や栄養分、老廃物、体温(恒温動物の場合)、水分を運ぶ。血管中の血液を規則的に送るための筋肉に富む構造がある場合、これを心臓という。血管中の血液の流れる方向は普通一定している。脊椎動物の血管は心臓から出る血液を送る動脈と心臓へ戻る血液を送る静脈、そしてそれぞれの末端(細動脈と細静脈)をつなぐ毛細血管からなる。
目次
- 1 解剖学観察
- 2 生理学観察
- 3 動脈と静脈
- 4 血管系
- 5 脚注
- 6 出典
- 7 関連項目
解剖学観察
毛細血管では血管内皮のみからなる。内皮は単層扁平上皮で中胚葉由来の1層の内皮細胞でできている[1]。 動脈と静脈の壁は内膜、中膜、外膜の3層に分かれている[2]。最も内側にあり内皮とわずかな結合組織からなる。動脈においてよく発達しており内膜の内側にあって血管平滑筋・弾性繊維・膠原繊維からなる中膜、その周りにあり被膜状疎性結合組織からなる層の外膜に区別される[1]。静脈では中膜があまり発達していない。外膜には筋肉層に繋がる神経がある。大きい血管であれば栄養供給用の毛細血管(栄養血管[2])もある。
成人の血管をすべてまっすぐに繋げるとおよそ10万km(赤道の約2.5倍の長さ)に及ぶ。
生理学観察
血管は能動的に血液輸送はしない(感知できる程の蠕動運動はしない)が、動脈(ある程度なら静脈も)は自律神経による筋層収縮によってその内径を調節し、下流臓器への血量を変えることができる。血管拡張と血管狭窄は体温調節のように互いに拮抗的に働く。
酸素(赤血球のヘモグロビンに結合)は血液によって運ばれる最も重要な物質のひとつである。肺動脈を除く全ての動脈では、ヘモグロビンは殆ど(95-100%)酸素で飽和している。一方肺静脈を除く全ての静脈では約70%ほどに不飽和化するが、肺循環経由でこの値は戻される。
血管に於ける血圧は通例水銀柱ミリメートルで表される。
動脈と静脈
詳細は「動脈」および「静脈」を参照
心臓から送り出される血液が通るのが動脈、心臓へ戻る血液が通るのが静脈である。また、動脈には弾性型動脈と筋型動脈が存在する[1]。動脈と静脈は、基本的には同じような構造であるが、動脈には心臓からの強い圧力がかかるため、壁が非常に厚くなっている。静脈では、そのような圧力がかからないので、壁が薄くなっているほか、逆流しないように弁が付いている。太い動脈には大きい圧力がかかっているため、仮に傷によって体外に開いた場合、出血量が非常に多くなり、失血死の危険が大きい。そのため、大抵の場合、静脈が体表側を通り、動脈はより内側を通る。
動脈を通る血液を動脈血、静脈を通る血液を静脈血という。例外は心臓から肺への肺動脈と肺から心臓へはいる肺静脈の場合(肺循環)であり、肺動脈は静脈血が通り、肺静脈は動脈血が通る。 陸上脊椎動物においてこの二つの違いは、おもに酸素含有量の差であり、動脈血は酸素を多く含み(酸素ヘモグロビンの率が高く)、血液は鮮やかな赤をしている。静脈血は酸素を失っているので、どす黒い色になっている。
血管系
詳細は「血管系」を参照
多くの動物では、血管は全身に渡って互いに繋がり、血管系あるいは循環系をなす。血管系は動物の分類群により構成が異なり、開放血管系、閉鎖血管系の2種類がある。
開放血管系
動脈、静脈からなる。心臓から繋がる動脈は体の各部に伸びてそこで口を開く。動脈から流れ出た血液は、直接細胞間を経由し(毛細血管がない)、静脈へ戻る。昆虫などの節足動物、軟体動物などの動物群にみられる。
単層の扁平な血管内皮に裏打ちされる。
閉鎖血管系
動脈、静脈、毛細血管からなる。動脈から流れ出た血液は、毛細血管を経て静脈へ戻る。血液は血管内に閉じこめられている。血漿やリンパ球は血管壁から出て、周囲の細胞と細胞との間を埋める組織液として、血液と細胞との間の物質の運搬などを担う。脊索動物(ただし一部の原索動物を除く)、環形動物に見られる。当然ながらヒトも閉鎖血管系である。
脚注
- ^ a b c 『岩波生物学辞典』p.399d「血管」
- ^ a b 『カラー図解 人体解剖の基本がわかる事典』p.140
出典
- 巌佐庸・倉谷滋・斎藤成也・塚谷裕一 編 『岩波生物学辞典』 岩波書店、2013年、第5版。ISBN 4-00-080314-X。
- 竹内修二 監修 『カラー図解 人体解剖の基本がわかる事典』 西東社、2012年。ISBN 978-4-7916-1834-7。
関連項目
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Japanese Journal
- 大澤 匡,吉澤 将士,川島 隆弘,若林 和樹,藤巻 広也,朝倉 健,宮崎 瑞穂
- The Kitakanto medical journal = 北関東医学 63(4), 393-393, 2013-11-01
- NAID 120005350191
- 気管支肺胞洗浄液中の好中球・好酸球増多を認め、胸腔鏡下肺生検にて診断した特発性非特異性門質性肺炎の1例
- 磯部 全,前野 敏孝,折居 美波,倉林 正彦,Isobe Zen,Maeno Toshitaka,Orii Minami,Masahiko Kurabayashi
- The Kitakanto medical journal = 北関東医学 63(4), 369-373, 2013-11-01
- … 胸部単純レントゲンにて両下肺野のスリガラス陰影, 胸部CT では両下葉優位の気管支血管束に沿うスリガラス陰影, 網状陰影を呈しており, 一部には牽引性気管支拡張像が認められた. …
- NAID 120005345409
- 感染管理ベストプラクティス「標準採血法」による技術演習の評価と課題
- 中村 美央,小松 順子,佐々木 典子,高島 幹子,竹田 正秀,浅沼 義博,NAKAMURA Mio,KOMATSU Junko,SASAKI Noriko,TAKASHIMA Mikiko,TAKEDA Masahide,ASANUMA Yoshihiro
- 秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 21(2), 139-144, 2013-10-31
- … 分析方法は2群の比較はχ^2検定, 多群の比較はBonferroni 法による多重比較検定で行い, p<0.05を有意差ありとした.結果, 他者評価では臨床研修医の「患者確認」の遵守率が低く, 看護師との比較では手順2 「リストバンドと採血管照合」(p<0.001), 手順9 「手袋を脱いで手指衛生」(p=0.034) で有意差を認めた. …
- NAID 120005348745
- 脳卒中片麻痺患者における歩行周期変動の歩行・バランス能力及び下肢筋力との関連
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
イオパーク300注20mL(尿路・血管用)
組成
内容量
有効成分
(ヨード含有量:6g(300mg/mL))
添加物
エデト酸カルシウム二ナトリウム水和物(0.1mg/mL)
pH調節剤
禁忌
- ヨードまたはヨード造影剤に過敏症の既往歴のある患者
- 重篤な甲状腺疾患のある患者[ヨードが甲状腺に集積し、症状が悪化するおそれがある。]
効能または効果
イオパーク300注
- 脳血管撮影、選択的血管撮影、四肢血管撮影、ディジタルX線撮影法による動脈性血管撮影、ディジタルX線撮影法による静脈性血管撮影、コンピューター断層撮影における造影、静脈性尿路撮影
イオパーク350注
- 血管心臓撮影(肺動脈撮影を含む)、大動脈撮影、選択的血管撮影、四肢血管撮影、ディジタルX線撮影法による静脈性血管撮影、コンピューター断層撮影における造影、静脈性尿路撮影、小児血管心臓撮影(肺動脈撮影を含む)
- 通常成人1回、下記の量を使用する。
なお、年齢、体重、症状、目的により適宜増減する。
効能・効果 |
イオパーク300注 |
イオパーク350注 |
脳血管撮影 |
5〜15mL |
― |
血管心臓撮影 心腔内撮影 |
― |
20〜40mL |
血管心臓撮影 冠状動脈撮影 |
― |
3〜8mL |
血管心臓撮影 肺動脈撮影 |
― |
20〜40mL |
大動脈撮影 |
― |
30〜50mL |
選択的血管撮影 |
5〜50mL |
5〜50mL |
四肢血管撮影 |
10〜50mL |
10〜50mL |
ディジタルX線撮影法による動脈性血管撮影 |
1.5〜50mL |
― |
ディジタルX線撮影法による静脈性血管撮影 |
20〜50mL |
20〜50mL |
コンピューター断層撮影における造影 |
40〜100mL
[50mL以上投与するときは通常点滴とする。]
高速ラセンコンピューター断層撮影で腹部の撮影を行う場合は、150mLまで投与可能とする。 |
40〜100mL
[50mL以上投与するときは通常点滴とする。] |
静脈性尿路撮影 |
50〜100mL
[60mL以上投与するときは通常点滴とする。] |
40mL |
- 小児血管心臓撮影の場合には、通常1回、下記の量を使用する。
なお、年齢、体重、症状、目的により適宜増減する。
効能・効果 |
イオパーク300注 |
イオパーク350注 |
小児血管心臓撮影 心腔内撮影 |
― |
0.5〜2.0mL/kg体重 |
小児血管心臓撮影 冠状動脈撮影 |
― |
2.0〜4.0mL |
小児血管心臓撮影 肺動脈撮影 |
― |
0.5〜2.0mL/kg体重 |
小児血管心臓撮影 上行大動脈撮影 |
― |
0.5〜2.0mL/kg体重 |
慎重投与
- 本人または両親、兄弟に気管支喘息、発疹、じん麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質を有する患者
- 薬物過敏症の既往歴のある患者
- 脱水症状のある患者[急性腎不全があらわれるおそれがある。]
- 高血圧症の患者[血圧上昇等、症状が悪化するおそれがある。]
- 動脈硬化のある患者[心・循環器系に影響を及ぼすことがある。]
- 糖尿病の患者[急性腎不全があらわれるおそれがある。]
- 甲状腺疾患のある患者[ヨードが甲状腺に集積し、症状が悪化するおそれがある。]
- 肝機能が低下している患者[肝機能が悪化するおそれがある(「原則禁忌」の項参照)。]
- 腎機能が低下している患者[腎機能が悪化するおそれがある(「原則禁忌」の項参照)。]
- 急性膵炎の患者[症状が悪化するおそれがある(「重要な基本的注意」の項参照)。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 幼・小児
重大な副作用
ショック(頻度不明)
- ショック(遅発性を含む)を起こし、失神、意識消失、呼吸困難、呼吸停止、心停止等の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、必要に応じ適切な処置を行うこと。また、軽度の過敏症状も重篤な症状に進展する場合があるので、観察を十分に行うこと。
アナフィラキシー様症状(頻度不明)
- 呼吸困難、咽・喉頭浮腫等のアナフィラキシー様症状(遅発性を含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、必要に応じ適切な処置を行うこと。
腎不全(頻度不明)
- 急性腎不全があらわれることがあるので、このような場合には必要に応じ適切な処置を行うこと。
けいれん発作(頻度不明)
- けいれん発作があらわれることがあるので、このような場合にはフェノバルビタール等バルビツール酸誘導体またはジアゼパム等を投与すること。
肺水腫(頻度不明)
- 肺水腫があらわれることがあるので、このような場合には必要に応じ適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸(頻度不明)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、このような場合には、必要に応じ適切な処置を行うこと。
心室細動、冠動脈れん縮(頻度不明)
- 心室細動、冠動脈れん縮があらわれることがあるので、このような場合には必要に応じ適切な処置を行うこと。
皮膚障害(頻度不明)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
血小板減少(頻度不明)
- 血小板減少があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
意識障害、失神(頻度不明)
- ショックを伴わない意識障害、失神があらわれることがあるので、検査終了後も意識レベル等の観察を十分に行い、必要に応じ適切な処置を行うこと。
麻痺(頻度不明)
- 一過性麻痺があらわれることがあるので、観察を十分に行い、必要に応じ適切な処置を行うこと。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- (±)-N,N '-bis(2,3-dihydroxypropyl)-5-〔N-(2,3-dihydroxypropyl)acetamido〕-2,4,6-triiodoisophthalamide
分子式
分子量
性状
- 白色の粉末で、においはない。
水に極めて溶けやすく、メタノールに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
水溶液(1→20)は旋光性を示さない。
★リンクテーブル★
[★]
- 15歳の女子。腹部膨満を主訴に来院した。乳幼児期から頑固な便秘があり、浣腸で排便を促していた。5日前から浣腸しても排便がない。来院時の腹部の写真と腹部立位エックス線単純写真とを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [097I012]←[国試_097]→[097I014]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100G038]←[国試_100]→[100G040]
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
[★]
- ☆case10 背痛
- ■症例
- 27歳 女性
- 主訴:背中に突き抜ける?痛み(pain across her back)
- 現病歴:背中に広がる痛みを訴えて、27歳の女性が救急部に運ばれてきた。2日前に熱が出て背部痛が始まり、以降調子が悪い。痛みは増強している。6時間前に2度嘔吐した。
- 既往歴:3ヶ月前に合併症のない胆嚢炎。
- ・身体診断
- 調子が悪そうであり、紅潮している。体温:39.2℃。脈拍:120/分。血圧:104/68 mmHg。心血管系、呼吸器系に異常を認めず。腹部:全体的に圧痛。両側の腰部で著明な圧痛。
- ・検査
- (血液生化学)
- 白血球↑、血清尿素↑、CRP↑
- (尿検査)
- タンパク:++、鮮血:+++、亜硝酸塩:++
- 尿の顕微鏡検査:(おそらく400倍の一視野に)赤血球>50、白血球>50
- 腹部X線:正常
- ■glossary
- loin n. (pl)腰、腰部(→(adj.)lumbar)。(獣の)腰肉、ロイン。(pl)陰部、生殖器、性器
- 腸雑音、腸音、intestinal murmur、intestinal sound、bowel sound
- urine microscopy 尿の顕微鏡検査
- dysuria 排尿障害
- urgency n. 切迫、急迫、危急。緊急、火急、焦眉の急。[pl]しつこい要求、懇願。せき立てる力、刺激
- hydronephrosis 水腎症
- -nephros 腎臓
- -stomy 開口術
- nephrostomy n. 腎瘻造設術、腎造瘻術、腎瘻術
- obstructive urophathy 閉鎖性尿路疾患
- intravenous fluid 静脈内輸液
- commence vt. 始める、開始する。 vi. ~から始める、始まる(with)
- urgently
- eradication n. 根絶、撲滅
- mimic vt. ~の物まねをする、まねて馬鹿にする。そっくりに[卑屈に]まねる。~によく似る
- renal ultrasound 腎臓超音波検査
- obstructive uropathy 閉塞性尿路疾患
- polycystic kidney disease 多発性嚢胞腎
- medullary sponge kidney 海綿腎
- loin-pain hematuria syndrome 腰痛血尿症候群
- ■解説
- (第1パラグラフ)疫学
- 急性腎盂腎炎:男性より女性でmore common。尿路からの細菌の上行感染。リスク:妊娠、糖尿病、免疫低下者、尿路奇形(尿の腎臓への逆流。そして多分、狭窄していたりして結石で閉塞されやすいこともあると思う)
- (第2パラグラフ)病態
- 食欲不振、悪心、嘔吐と共に40℃の発熱が出ることがある。
- 腎盂腎炎患者の中には膀胱炎の先行症状(排尿障害、頻尿、尿意切迫、血尿)がある人がいるけど、こういう下部尿路症状がいつも出現するわけではない。
- 多くの腎盂腎炎患者は、先行する6ヶ月以内の膀胱炎の既往がある。
- 老人の場合、非典型的な症状を示し、そして混乱した状態でやってくる。
- 腎盂腎炎は他の病態によく似ている:急性虫垂炎、急性胆嚢炎、急性膵炎、下葉の肺炎
- 普通、体表から見て腎臓の直上に前からも後ろからも圧痛を感じる。
- 未治療の腎盂腎炎では敗血症になるかもしれない。
- (第3パラグラフ)本ケースについて
- ・CRP上昇は急性感染症を示唆
- ・顕微鏡的血尿・タンパク尿、白血球増多は尿路の炎症を示す。
- ・硝酸塩(nitrate, HNO3と何かの塩)から亜硝酸塩(nitrite, HNO2と何かの塩)への還元により細菌の存在が確認される。
- 覚え方:亜硝酸は(Oが一つ)足らないi(愛)
- でも複雑です。
- HNO2 亜硝酸 nitrous acid, nitrite 。亜硝酸塩 nitrite
- HNO3 硝酸 nitric acid, nitrate 。硝酸塩 nitrate
- (第4パラグラフ)管理
- ・女性は入院すべき。
- ・血液と尿の採取
- ・静脈内輸液+抗生物質で治療開始。微生物が同定されたら、感受性のある抗菌薬を使用する。初期治療ではゲンタマイシン、アンピシリン、シプロフロキサシンを用いる
- ・腎臓エコー検査:尿路閉塞を除外するため。閉塞性尿路疾患では、激しい痛み、発熱、敗血症ショック、腎不全を伴う脳腎症を起こしうる。
- ・尿路敗血症の経過で水腎症が疑われたら、合併症を防ぐために緊急に腎瘻を造設すべき
- (第5パラグラフ)薬物治療
- ・(腎結石など合併していない)腎感染症(ucomplicated renal infection)患者は抗生物質2週間のコースで治療すべき。
- ・感染の根絶を確実にする治療が終わった後10-14日間は、反復して細菌培養をする。<
- ・尿路結石を有する感染症や腎瘢痕を有する患者では抗生物質6週間のコースが用いられる。
- ■鑑別診断のポイント
- 腎盂腎炎は片側性、あるいは両側性の腰痛を引き起こす。
- 腰部痛の鑑別診断:
- 閉塞性尿路疾患
- 腎梗塞:心疾患などで生じた血栓が腎動脈またはその分枝を閉塞し、その血管の支配領域が虚血性壊死に陥った状態。
- 腎細胞癌:腎尿細管上皮細胞より発生する悪性腫瘍
- 腎乳頭壊死:腎乳頭より腎髄質にかけて、その支配動脈の虚血により壊死を来したもの。 主として基礎疾患に糖尿病を有する人にみられ、しばしば急性腎盂腎炎などの尿路感染に伴って発症する。
- 腎結石:
- 糸球体腎炎:
- 多発性嚢胞腎:先天性かつ両側性に腎実質内に大小無数の嚢胞を発生する。 ほとんどが両側性で、貧血、顕微鏡的血尿、蛋白尿、高血圧といった症状を呈しながら腎機能が低下し、最終的には腎不全となる疾患
- 海綿腎:腎錐体における集合管の先天性嚢状拡張症。症状としては拡張した集合管に尿の停滞 → 感染・細かな結石ができる。
- 腰痛血尿症候群:若年女性に好発し、反復して出現する腰部から側腹部の強い疼痛と血尿を主徴とする病因不明の疾患。肉眼的血尿や軽度の蛋白尿がみられることもあるが、特異的な検査所見はなく、診断は他疾患の除外診断による
- ■KEYPOINT
- ・急性腎盂腎炎は下部尿路症状があったり無かったりする。
- ・腎臓超音波検査は尿路閉塞を否定するために、入院24時間後に行うべき。
- ・抗菌薬は、再発のリスクを最小限にするために、少なくとも2週間継続すべき。
- □閉塞性尿路疾患(http://merckmanual.jp/mmpej/sec17/ch229/ch229a.htmlより引用)
- □KUBの陰影から尿路結石成分の推定
- リン酸カルシウム(22.0)
- シュウ酸カルシウム(10.8):シュウ酸カルシウム結石は,尿路結石のうちで最も頻度が高く(70~80%),シュウ酸カルシウム結石の約半数はリン酸カルシウムとの混合結石である。
- リン酸マグネシウムアンモニウム(4.1):ストラバイト結石:尿素分解菌(Proteus 、Klebsiella 、Pseudomonas )による尿路感染が原因で、尿素が分解されアンモニアとなると尿がアルカリ性となり、リン酸マグネシウムアンモニウム結石が形成される。
- シスチン(3.7):ホモシスチン尿症
- 尿酸(1.4):痛風
- キサンチン(1.4):プリン体
- □多嚢胞腎
- 常染色体劣性多発性嚢胞腎:ARPKD
- 旧名:幼児型嚢胞腎
- 常染色体優性多発性嚢胞腎:ADPKD
- 旧名:成人型嚢胞腎
[★]
- 英
- duodenum (Z)
- 関
- 消化器系、小腸
解剖
first portion
|
上部、球部
|
second portion
|
下行部
|
third portion
|
水平部
|
fourth portion
|
上行部
|
上部
-superior part
KA. 291,311,312
KH. 170
- 5cm, 5cm (KL.350)
- 最初の2cmは可動性があり、十二指腸球部と呼ばれる
血管
下行部 descending part
KA. 297
horizontal part
KA. 297
KH. 170
- 6-8cm, 8cm (KL.351)
- 輪状ヒダがある
ascending part
KH. 170
- 5cm, 5cm (KL.352)
- 輪状ヒダがある
組織
[★]
- 英
- orbit (N)
- ラ
- orbita
眼窩を構成する骨
上眼窩裂、下眼窩裂を通るもの SOP.181 N.79
[★]
- 英
- endothelium (Z)
- 関
- 血管
Table 10-1. Endothelial Cell Properties and Functions
|
Maintenance of Permeability Barrier
|
Elaboration of Anticoagulant, Antithrombotic, Fibrinolytic Regulators
|
prostacyclin
|
thrombomodulin
|
heparin-like molecules
|
plasminogen activator
|
Elaboration of Prothrombotic Molecules
|
Von Willebrand factor
|
Tissue factor
|
Plasminogen activator inhibitor
|
Extracellular Matrix Production (Collagen, Proteoglycans)
|
Modulation of Blood Flow and Vascular Reactivity
|
Vasconstrictors: endothelin, ACE
|
Vasodilators: NO, prostacyclin
|
Regulation of Inflammation and Immunity
|
IL-1, IL-6, chemokines
|
Adhesion molecules: VCAM-1, ICAM, E-selectin P-selectin
|
Histocompatibility antigens
|
Regulation of Cell Growth
|
Growth stimulators: PDGF, CSF, FGF
|
Growth inhibitors: heparin, TGF-β
|
Oxidation of LDL
|
[★]
- 英
- major blood vessel, major vessel, main blood vessel
- 関
- 主要血管イベント MVE
[★]
- 英
- fluorescein fundus angiography(SOP), fundus fluorescein angiography, FAG
[★]
- 英
- vasculitis syndrome, angiitis syndrome
- 関
- 血管炎
[★]
- 英
- vascular anastomosis
- 関
- 血管吻合
[★]
- 英
- retinal neovascularization
[★]
- 英
- duct、tube、canal、pipe
- ラ
- ductus、vas、meatus
- 関
- 水路、チューブ、導管、道管、卵管、道