- 英
- cystine
- 同
- 3,3'-ジチオビス(2-アミノプロピオン酸) 3,3'-dithiobis(2-aminopropionic acid)
- 関
- システイン cysteine
- システインが酸化されて2分子結合したもの。
- 溶解度は低い。
- システインのpK1=1.92, pK=10.7がそのまま適応できるとすれば、等電点であるpI=6.31に向かって溶解度が低下する。このため、酸性条件でシスチン結石が形成されやすいと考えられる。
- pKCOOH<1 pKCOOH=2.1 pKNH3+=8.02 pKNH3+=8.71 pI=5.03 (参考文献(1)より)
臨床関連
参考
- http://www.ajinomoto.co.jp/kfb/amino/aminoscience/bc/amino_05.html
WordNet
- an amino acid containing sulfur that is found in most proteins; oxidizes on exposure to air to form cystine
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/12/09 02:54:50」(JST)
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|
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L-シスチン |
|
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
56-89-3 |
ChemSpider |
575 |
UNII |
48TCX9A1VT |
日化辞番号 |
J9.172C |
KEGG |
C01420 |
- C(C(C(=O)O)N)SSCC(C(=O)O)N
|
- InChI=1S/C6H12N2O4S2/c7-3(5(9)10)1-13-14-2-4(8)6(11)12/h3-4H,1-2,7-8H2,(H,9,10)(H,11,12)
Key: LEVWYRKDKASIDU-UHFFFAOYSA-N
InChI=1/C6H12N2O4S2/c7-3(5(9)10)1-13-14-2-4(8)6(11)12/h3-4H,1-2,7-8H2,(H,9,10)(H,11,12)
Key: LEVWYRKDKASIDU-UHFFFAOYAA
|
特性 |
化学式 |
|
モル質量 |
|
外観 |
固体・白色 |
密度 |
|
融点 |
–
|
水への溶解度 |
|
危険性 |
安全データシート(外部リンク) |
143d-MSDS.pdf |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
シスチン(英: cystine)は、アミノ酸の1種の3,3’-ジチオビス(2-アミノプロピオン酸)である。 この分子は、2個のシステイン分子が水硫基(–SH)の酸化によって生成するジスルフィド結合(S–S)を介して繋がった構造を持つので、光学異性体を有する。 なお、天然に多く存在するのはL体(R,R’体)である。
シスチンは、標準状態下では白色状の固体であり、水に僅かに溶ける。
目次
- 1 詳細
- 2 歴史
- 3 注釈
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
詳細
シスチンは皮膚や角や毛と同様に卵や乳製品や全粒穀物のような多くの食品に含まれている。 なお、これは、特にケラチンに多く含まれており[1]、人間の頭髪に対する質量比は約10–14%になる[2]。 通常の蛋白質での含量は少ないが、その高次構造を決める上で重要な部分である。
また、シスチンは、生物の体内で、酸化還元反応と物理的結合による蛋白質構造の維持という2つの役割を果たしている[3]。
性質
高温で、ジスルフィド結合は容易に切断される[4]。 この化学反応は2-メルカプトエタノールやジチオスレイトールなどのチオール(R–S–H)によって起こる。 ジスルフィド結合は、容易に還元されて、システインとジスルフィド(R–S–S–R’)に成る。
そのため、シスチンの栄養学的な利点や摂取源はシステインのものと同一である。
歴史
1810年に、ウィリアム·ハイド·ウォラストンがシスチンを発見した[5]。 しかし、肥育牛の角から単離された1899年以前は、シスチンが蛋白質に由来するという事実は人々から認識されていなかった[6]。
注釈
- ^ “パーマの知識・仕組”. 髪工房 床松. 2016年7月1日閲覧。
- ^ R.·A.·ゴルトナー・W.·F.·ホフマン (1941), “l-Cystine”, Org. Synth., http://www.orgsyn.org/orgsyn/orgsyn/prepContent.asp?prep=CV1P0194 Coll. Vol. 1: 194 .
- ^ Lehninger Principles of Biochemistry. W. H. Freeman and Company. (2011-11-21). ISBN 978-1429234146.
- ^ “Evaluation of content and digestibility of disulfide bonds and free thiols in unextruded and extruded diets containing fish meal and soybean protein sources”. Animal Feed Science and Technology(英語版) 128 (3-4): 320–330. (2006-6-28). doi:10.1016/j.anifeedsci.2005.11.008. ISSN 0377-8401.
- ^ The chemistry of the amino acids and proteins. チャールズ·C.·トーマス·パブリッシャー. (1938).
- ^ Salts of Amino Acids | Crystallization, Structure and Properties. シュプリンガー·インターナショナル·パブリッシング. (2014-7-29). doi:10.1007/978-3-319-06299-0. ISBN 978-3-319-06298-3. http://www.springer.com/gp/book/9783319062983.
関連項目
- システイン
- ジスルフィド
- スルフィド
- チオール
- ランチオニン
- サリバン反応
- 蛋白質構造
外部リンク
- L-(-)-シスチン | 56-89-3
- シスチン
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 伝統薬から開発された抗マラリア薬でがんを治す : 漢方がん治療 : アルテミシニンの抗がん活性 (特集 漢方薬理学 : 漢方薬適用における利益性)
- 中瀬 朋夏
- 日本薬理学雑誌 = Folia pharmacologica Japonica : くすりとからだ : ファーマコロジカ 143(2), 61-64, 2014-02
- NAID 40019962261
- ストレスを軽減させるアミノ酸(シスチンとテアニン)の外科手術への応用 : 基礎から臨床まで
- 『伝統薬から開発された抗マラリア薬でがんを治す』 漢方がん治療:アルテミシニンの抗がん活性
- 中瀬 朋夏
- 日本薬理学雑誌 143(2), 61-64, 2014
- … ることから,がん細胞内の酸化ストレスやエネルギー産生を制御することで,アルテミシニン誘導体の効果を操る手法を開発した.その結果,酸化ストレス耐性のがん細胞に対して,抗酸化促進機能を担うシスチントランスポーター活性を抑制することにより,アルテミシニン誘導体の細胞毒性効果を増強できることが明らかになった.漢方由来成分の効果を最大限に発揮するため,がん標的送達システムや細胞内環境 …
- NAID 130003391424
Related Links
- シスチン (cystine) はアミノ酸の一種で、3,3'-ジチオビス(2-アミノプロピオン酸)のことで ある。2分子のシステインが、チオール基 (–SH) の酸化によって生成する S–S 結合( ジスルフィド結合)を介してつながった構造を持つ。光学活性化合物であり、天然に多く ...
- シスチンとは、含流アミノ酸の一種で、髪の毛を作っているタンパク質の主要成分。 ケラチンに得に多く含まれ、必須アミノ酸であるメチオニンが体内でシスチンに変わる。 主なはたらきとしては、傷の治癒の促進、ブドウ糖の代謝などがある。また、シスチンに 、体内 ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
プロテアミン12X注射液(200mL)
組成
成分・分量〉 1袋200mL中
- L-イソロイシン 1,194mg
L-ロイシン 2,276mg
L-リジン塩酸塩 1,960mg
L-メチオニン 866mg
L-フェニルアラニン 1,948mg
L-トレオニン 1,008mg
L-トリプトファン 374mg
L-バリン 1,380mg
………………………………………………………………
L-シスチン 46mg
L-チロジン 114mg
………………………………………………………………
L-アルギニン塩酸塩 2,976mg
L-塩酸ヒスチジン 1,412mg
L-アラニン 1,642mg
L-アスパラギン酸 404mg
L-グルタミン酸 204mg
グリシン 3,136mg
L-プロリン 2,126mg
L-セリン 934mg
………………………………………………………………
キシリトール 10,000mg
………………………………………………………………
(添加物)
乾燥亜硫酸ナトリウム(安定剤) 80mg
クエン酸ナトリウム水和物(安定剤) 100mg
コハク酸二ナトリウム六水和物(pH調節剤) 1,922mg
水酸化ナトリウム(pH調節剤) 236mg
乳酸ナトリウム液(pH調節剤) 2,092mg
(乳酸ナトリウムとして 1,046mg)
総遊離アミノ酸 22,724mg
分岐鎖アミノ酸 21.3%
総窒素 3,630mg
必須アミノ酸/非必須アミノ酸 0.88
〈電解質量〉
Na+ 約30mEq
Cl− 約30mEq
禁忌
[肝性昏睡が悪化又は誘発されるおそれがある.]
[高窒素血症が悪化又は誘発されるおそれがある.]
[アミノ酸インバランスが助長されるおそれがある.]
効能または効果
●手術前後,消化管障害,食事制限など蛋白質の摂取または吸収に障害のある場合
●手術,熱傷などで蛋白質の損失が著しい場合
●各種疾患で低蛋白血症があり,かつ経口摂取の不良な場合
●熱性・消耗性疾患など蛋白質の消耗並びに需要が著しく増大している場合
- 通常1回量として,本剤200mLを静脈内に点滴注射する.注入速度は本剤200mL当り120分を基準とする.
経中心静脈輸液法に用いる場合は,本剤を糖液などと配合し,中心静脈内に24時間持続点滴注入する.
なお,年齢,症状により適宜増減する.
慎重投与
[アシドーシスが悪化するおそれがある.]
[心不全が悪化するおそれがある.]
[肝障害,腎障害が悪化するおそれがある.]
薬効薬理
- プロテアミンは日本人の人乳アミノ酸組成を指標として,特に重要な必須アミノ酸パターンは極めて忠実に,非必須アミノ酸はE/Nを考慮しながら重要度に合わせて増減したアミノ酸輸液であり,血中アミノ酸バランスの維持,並びに利用率もよく,窒素出納の負の傾向を軽減させる.2), 3), 4)
★リンクテーブル★
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095B062]←[国試_095]→[095B064]
[★]
- 右尿管結石症の腹部単純エックス線写真(別冊No.2)を別に示す。この結石の成分として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107I015]←[国試_107]→[107I017]
[★]
- 英
- amino acid
- 関
- ケト原性アミノ酸、糖原性アミノ酸
定義
- L-アミノ酸、D-アミノ酸がある。一般的に生合成されるポリペプチドはL-アミノ酸を材料としている。D-アミノ酸は細菌が産生し、ごく短いペプチドとして特に、細胞壁に存在する。これはペプチダーゼによる分解を免れるためと言われている。D-アミノ酸を含むポリペプチドは、通常の翻訳経路で生合成されない。(FB.58)
- ケト原性:Leu, Lys
- 糖原性/ケト原性:Ile, Phe, Trp
- 糖原性:Met, Thr, Val, Arg, His
- ArgとHisは成長期に必要
- PriVaTe TIM HALL
一覧
分類
|
極性
|
電荷
|
名前
|
1
|
3
|
糖原性
|
ケトン原性
|
必須アミノ酸
|
分枝アミノ酸
|
|
pK1 α-COOH
|
pK2 α-NH2
|
pKR 側鎖
|
側鎖
|
疎水性アミノ酸
|
無
|
無
|
グリシン
|
G
|
Gly
|
|
|
|
|
|
2.35
|
9.78
|
|
―H
|
無
|
無
|
アラニン
|
A
|
Ala
|
|
|
|
|
|
2.35
|
9.87
|
|
―CH3
|
無
|
無
|
バリン
|
V
|
Val
|
|
|
○
|
○
|
|
2.29
|
9.74
|
|
―CH(CH3)2
|
無
|
無
|
フェニルアラニン
|
F
|
Phe
|
○
|
○
|
○3
|
|
|
2.2
|
9.31
|
|
―○C6H5
|
無
|
無
|
プロリン
|
P
|
Pro
|
|
|
|
|
|
1.95
|
10.64
|
|
αCとNH2の間に ―CH2CH2CH2-
|
無
|
無
|
メチオニン
|
M
|
Met
|
|
|
○2
|
|
|
2.13
|
9.28
|
|
―CH2CH2-S-CH3
|
無
|
無
|
イソロイシン
|
I
|
Ile
|
○
|
○
|
○
|
○
|
|
2.32
|
9.76
|
|
―CH(CH3)CH2CH3
|
無
|
無
|
ロイシン
|
L
|
Leu
|
|
○
|
○
|
○
|
|
2.33
|
9.74
|
|
―CH2CH(CH3)2
|
荷電アミノ酸
|
有
|
酸性
|
アスパラギン酸
|
D
|
Asp
|
|
|
|
|
|
1.99
|
9.9
|
3.9 β-COOH
|
―CH2COOH
|
有
|
酸性
|
グルタミン酸
|
E
|
Glu
|
|
|
|
|
|
2.1
|
9.47
|
4.07 γ-COOH
|
―CH2CH2COOH
|
有
|
塩基性
|
リシン
|
K
|
Lys
|
|
○
|
○
|
|
|
2.16
|
9.06
|
10.54 ε-NH2
|
側鎖のCH2は4つ ―-CH2CH2CH2CH2NH2
|
有
|
塩基性
|
アルギニン
|
R
|
Arg
|
|
|
○1
|
|
|
1.82
|
8.99
|
12.48 グアニジウム基
|
側鎖のCH2は3つ ―CH2CH2CH2-NH-C-(NH2)NH
|
極性アミノ酸
|
有
|
無
|
セリン
|
S
|
Ser
|
|
|
|
|
|
2.19
|
9.21
|
|
―CH2OH
|
有
|
無
|
スレオニン
|
T
|
Thr
|
○
|
○
|
○
|
|
|
2.09
|
9.1
|
|
―CH(CH3)OH
|
有
|
無
|
チロシン
|
Y
|
Tyh
|
○
|
○
|
|
|
|
2.2
|
9.21
|
10.46 フェノール
|
―CH2-φ
|
有
|
塩基性
|
ヒスチジン
|
H
|
His
|
|
|
○
|
|
|
1.8
|
9.33
|
6.04 イミダゾール基
|
―CH2-C3H3N2
|
有
|
無
|
システイン
|
C
|
Cys
|
|
|
|
|
|
1.92
|
10.7
|
8.37 -SH基
|
―CH2-SH
|
有
|
無
|
アスパラギン
|
N
|
Asn
|
|
|
|
|
|
2.14
|
8.72
|
|
―CH2-CO-NH2
|
有
|
無
|
グルタミン
|
Q
|
Gln
|
|
|
|
|
|
2.17
|
9.13
|
|
―CH2-CH2-CO-NH2
|
無
|
無
|
トリプトファン
|
W
|
Trp
|
○
|
○
|
○
|
|
|
2.46
|
9.41
|
|
―Indol ring
|
1 人体で合成できるが、不十分。
|
2 Cysが足らなければ、Metから合成することになる。
|
必須アミノ酸
参考
[★]
- ☆case10 背痛
- ■症例
- 27歳 女性
- 主訴:背中に突き抜ける?痛み(pain across her back)
- 現病歴:背中に広がる痛みを訴えて、27歳の女性が救急部に運ばれてきた。2日前に熱が出て背部痛が始まり、以降調子が悪い。痛みは増強している。6時間前に2度嘔吐した。
- 既往歴:3ヶ月前に合併症のない胆嚢炎。
- ・身体診断
- 調子が悪そうであり、紅潮している。体温:39.2℃。脈拍:120/分。血圧:104/68 mmHg。心血管系、呼吸器系に異常を認めず。腹部:全体的に圧痛。両側の腰部で著明な圧痛。
- ・検査
- (血液生化学)
- 白血球↑、血清尿素↑、CRP↑
- (尿検査)
- タンパク:++、鮮血:+++、亜硝酸塩:++
- 尿の顕微鏡検査:(おそらく400倍の一視野に)赤血球>50、白血球>50
- 腹部X線:正常
- ■glossary
- loin n. (pl)腰、腰部(→(adj.)lumbar)。(獣の)腰肉、ロイン。(pl)陰部、生殖器、性器
- 腸雑音、腸音、intestinal murmur、intestinal sound、bowel sound
- urine microscopy 尿の顕微鏡検査
- dysuria 排尿障害
- urgency n. 切迫、急迫、危急。緊急、火急、焦眉の急。[pl]しつこい要求、懇願。せき立てる力、刺激
- hydronephrosis 水腎症
- -nephros 腎臓
- -stomy 開口術
- nephrostomy n. 腎瘻造設術、腎造瘻術、腎瘻術
- obstructive urophathy 閉鎖性尿路疾患
- intravenous fluid 静脈内輸液
- commence vt. 始める、開始する。 vi. ~から始める、始まる(with)
- urgently
- eradication n. 根絶、撲滅
- mimic vt. ~の物まねをする、まねて馬鹿にする。そっくりに[卑屈に]まねる。~によく似る
- renal ultrasound 腎臓超音波検査
- obstructive uropathy 閉塞性尿路疾患
- polycystic kidney disease 多発性嚢胞腎
- medullary sponge kidney 海綿腎
- loin-pain hematuria syndrome 腰痛血尿症候群
- ■解説
- (第1パラグラフ)疫学
- 急性腎盂腎炎:男性より女性でmore common。尿路からの細菌の上行感染。リスク:妊娠、糖尿病、免疫低下者、尿路奇形(尿の腎臓への逆流。そして多分、狭窄していたりして結石で閉塞されやすいこともあると思う)
- (第2パラグラフ)病態
- 食欲不振、悪心、嘔吐と共に40℃の発熱が出ることがある。
- 腎盂腎炎患者の中には膀胱炎の先行症状(排尿障害、頻尿、尿意切迫、血尿)がある人がいるけど、こういう下部尿路症状がいつも出現するわけではない。
- 多くの腎盂腎炎患者は、先行する6ヶ月以内の膀胱炎の既往がある。
- 老人の場合、非典型的な症状を示し、そして混乱した状態でやってくる。
- 腎盂腎炎は他の病態によく似ている:急性虫垂炎、急性胆嚢炎、急性膵炎、下葉の肺炎
- 普通、体表から見て腎臓の直上に前からも後ろからも圧痛を感じる。
- 未治療の腎盂腎炎では敗血症になるかもしれない。
- (第3パラグラフ)本ケースについて
- ・CRP上昇は急性感染症を示唆
- ・顕微鏡的血尿・タンパク尿、白血球増多は尿路の炎症を示す。
- ・硝酸塩(nitrate, HNO3と何かの塩)から亜硝酸塩(nitrite, HNO2と何かの塩)への還元により細菌の存在が確認される。
- 覚え方:亜硝酸は(Oが一つ)足らないi(愛)
- でも複雑です。
- HNO2 亜硝酸 nitrous acid, nitrite 。亜硝酸塩 nitrite
- HNO3 硝酸 nitric acid, nitrate 。硝酸塩 nitrate
- (第4パラグラフ)管理
- ・女性は入院すべき。
- ・血液と尿の採取
- ・静脈内輸液+抗生物質で治療開始。微生物が同定されたら、感受性のある抗菌薬を使用する。初期治療ではゲンタマイシン、アンピシリン、シプロフロキサシンを用いる
- ・腎臓エコー検査:尿路閉塞を除外するため。閉塞性尿路疾患では、激しい痛み、発熱、敗血症ショック、腎不全を伴う脳腎症を起こしうる。
- ・尿路敗血症の経過で水腎症が疑われたら、合併症を防ぐために緊急に腎瘻を造設すべき
- (第5パラグラフ)薬物治療
- ・(腎結石など合併していない)腎感染症(ucomplicated renal infection)患者は抗生物質2週間のコースで治療すべき。
- ・感染の根絶を確実にする治療が終わった後10-14日間は、反復して細菌培養をする。<
- ・尿路結石を有する感染症や腎瘢痕を有する患者では抗生物質6週間のコースが用いられる。
- ■鑑別診断のポイント
- 腎盂腎炎は片側性、あるいは両側性の腰痛を引き起こす。
- 腰部痛の鑑別診断:
- 閉塞性尿路疾患
- 腎梗塞:心疾患などで生じた血栓が腎動脈またはその分枝を閉塞し、その血管の支配領域が虚血性壊死に陥った状態。
- 腎細胞癌:腎尿細管上皮細胞より発生する悪性腫瘍
- 腎乳頭壊死:腎乳頭より腎髄質にかけて、その支配動脈の虚血により壊死を来したもの。 主として基礎疾患に糖尿病を有する人にみられ、しばしば急性腎盂腎炎などの尿路感染に伴って発症する。
- 腎結石:
- 糸球体腎炎:
- 多発性嚢胞腎:先天性かつ両側性に腎実質内に大小無数の嚢胞を発生する。 ほとんどが両側性で、貧血、顕微鏡的血尿、蛋白尿、高血圧といった症状を呈しながら腎機能が低下し、最終的には腎不全となる疾患
- 海綿腎:腎錐体における集合管の先天性嚢状拡張症。症状としては拡張した集合管に尿の停滞 → 感染・細かな結石ができる。
- 腰痛血尿症候群:若年女性に好発し、反復して出現する腰部から側腹部の強い疼痛と血尿を主徴とする病因不明の疾患。肉眼的血尿や軽度の蛋白尿がみられることもあるが、特異的な検査所見はなく、診断は他疾患の除外診断による
- ■KEYPOINT
- ・急性腎盂腎炎は下部尿路症状があったり無かったりする。
- ・腎臓超音波検査は尿路閉塞を否定するために、入院24時間後に行うべき。
- ・抗菌薬は、再発のリスクを最小限にするために、少なくとも2週間継続すべき。
- □閉塞性尿路疾患(http://merckmanual.jp/mmpej/sec17/ch229/ch229a.htmlより引用)
- □KUBの陰影から尿路結石成分の推定
- リン酸カルシウム(22.0)
- シュウ酸カルシウム(10.8):シュウ酸カルシウム結石は,尿路結石のうちで最も頻度が高く(70~80%),シュウ酸カルシウム結石の約半数はリン酸カルシウムとの混合結石である。
- リン酸マグネシウムアンモニウム(4.1):ストラバイト結石:尿素分解菌(Proteus 、Klebsiella 、Pseudomonas )による尿路感染が原因で、尿素が分解されアンモニアとなると尿がアルカリ性となり、リン酸マグネシウムアンモニウム結石が形成される。
- シスチン(3.7):ホモシスチン尿症
- 尿酸(1.4):痛風
- キサンチン(1.4):プリン体
- □多嚢胞腎
- 常染色体劣性多発性嚢胞腎:ARPKD
- 旧名:幼児型嚢胞腎
- 常染色体優性多発性嚢胞腎:ADPKD
- 旧名:成人型嚢胞腎
[★]
- 英
- urinary sediment
- 関
- 尿沈渣検査 urinary sediment examination、尿沈液
概念
- 尿中に含まれる各種の細胞、円柱、結晶、微生物などの有形成分。
- 尿沈渣の検査は腎・尿路系疾患の診断、進行度、予後の推定を目的に行う。
検体
- 検体は早朝起床時尿(早朝第一尿)の中間尿約10mL。早朝第一尿では円柱がみられやすい
- 検体は採尿後1時間以内になるべく早く観察 → 室温2時間以上放置すると細菌が増殖し、アルカリ化が進む。尿路感染が分からなくなるうえ、円柱や細胞が崩壊して観察できない。
- 古い尿やアルカリ性尿では血球、円柱、上皮細胞の崩壊が強く正しい判定ができないことがある。
- 女性の場合、月経時における血液の混入、腟分泌物の混入(中間尿を採るようにしてもらう)
方法
- 1. 新鮮尿10mLを尿沈渣用試験管にとり500Gで5分間遠心する
- 2. 上清を捨て残液約0.2mLとする
- 3. そのまま、あるいは尿沈渣用染色液を加えて混和する
- 4. 1滴(15μl)をスライドガラスに載せカバーガラスをかけ鏡検する
観察方法
- LPF(low power field 、弱拡大、100倍):3.14 mm2、7.27ul
- HPF(high power field、強拡大、400倍):0.196 mm2、0.45ul
病的所見
- 赤血球と白血球はそれぞれ5/HPF以上、硝子円柱は1/HPF以上、上皮細胞性円柱、顆粒円柱、蝋様円柱、脂肪円柱、赤血球円柱、白血球円柱の各種円柱類、異常結晶(ビリルビン、チロジン、ロイシン、コレステロール、シスチン、2,8-ジヒドロキシアデニンなど)、細菌、真菌、原虫、虫卵、腫瘍細胞の出現
判断基準
赤血球
|
≧5個/HPF
|
白血球
|
≧5個/HPF
|
上皮細胞(正常)
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扁平上皮細胞をのぞく全て(移行上皮、尿細管上皮、円柱上皮)
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上皮細胞(異常)
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すべて(卵円系脂肪体、多核巨細胞、封入体細胞)
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異型細胞
|
癌細胞
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大食細胞
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≧1個/HPF
|
円柱
|
<1個/HPFの硝子円柱をのぞく全て
|
粘液系
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≧1+
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結晶
|
病的結晶(シスチン、チロシン、ロイシン、ビリルビン、コレステロール、DHA結晶)。正常結晶(尿酸結晶)で≧2+の時
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細菌
|
≧1+(>/HPFの桿菌)
|
真菌
|
すべて
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原虫
|
すべて
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寄生虫
|
すべて
|
OLM.53
尿沈渣成分の基準値
|
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強拡大視野あたり(/HPF)
|
赤血球数
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1/4-7≧
|
白血球数
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1-2/4-7≧
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上皮細胞数
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1/10≧
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円柱
|
1/20≧
|
結晶 (LAB.217)
- アルカリ性尿で見られる血症はウレアーゼ産生菌のプロテウスやクレブシエラなどによる尿路感染症でみられるが、正常尿でも見られうる。
病的意義のある結晶
急性腎不全を背景とする場合
円柱 (LAB.214)
- 硝子円柱は正常でも見られるので病的意義はない。尿量の少ないとき、運動後や利尿薬の使用時にみられる。
[★]
- 英
- urolithiasis
- 関
- 尿路結石症、尿管結石症 尿管結石
疫学
まとめ
- CBT QB vol2 p.382改
結石の種類
|
X線での描写
|
形成されやすい尿pH
|
酸解離定数
|
リン酸カルシウム
|
+
|
アルカリ性
|
pKa1=2.12 pKa2=7.21 pKa3=12.67
|
シュウ酸カルシウム
|
+
|
酸性
|
pKa1=1.27 pKa2=4.27
|
シスチン
|
-
|
酸性
|
pKCOOH<1 pKCOOH<2.1 pKNH3+=8.02 pKNH3+=8.71 pI=5.03
|
尿酸
|
-
|
酸性
|
pK1=5.8 pK2=10.3
|
キサンチン
|
-
|
酸性
|
|
成分による区分
組成
- 頻度を%で示す。
成因
尿の性状と結石形成
- c. 尿停滞と濃縮 ← 長期臥床・尿路通過障害・海綿腎
- ⇒閉経前の女性は男性より尿中クエン酸量が3倍ほど多い
その他の結石形成因子
大きさと排石
- 5-6mm程度の大きさの場合、自己での排石は不能らしい。
治療
予防
[★]
- 英
- cystinuria
- 同
- cystine-lysinuria
- 関
- シスチン
概念
病因
疫学
遺伝形式
病態
- 近位尿細管におけるシスチンの再吸収が障害され、シスチンが尿中に排泄されることでシスチン結石を形成する。
症状
診断
検査
治療
予後
予防
[★]
- 英
- cystinyl aminopeptidase, (国試)CAP
- 同
- オキシトシナーゼ oxytocinase
- プロテアーゼ、エキソペプチダーゼ、ペプチド鎖のN末のシスチンを遊離させる。
- 妊婦血液中に存在し、妊娠末期に向かって増加し、胎盤機能を反映するとされ、胎児胎盤機能検査として施行されうる。実臨床では行われていないらしい(QB.Q-4)。
- 異常高値で双胎や妊娠中毒を示唆し、低値で子宮内発育遅延や子宮内胎児死亡を示唆する。
[★]
- 英
- polycystin
- 関
- TRPPカチオンチャネル
[★]
- 関
- ビタミンB6依存性ホモシスチン尿症
[★]
- 英
- cystine crystal
- 関
- シスチン