- 英
- nitrous acid, nitrite
- 関
- 亜硝酸塩 nitrite、硝酸 nitric acid, nitrate
WordNet
- any compound containing the nitrate group (such as a salt or ester of nitric acid)
- treat with nitric acid, so as to change an organic compound into a nitrate; "nitroglycerin is obtained by nitrating glycerol"
- the radical -NO2 or any compound containing it (such as a salt or ester of nitrous acid)
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- 硝酸塩 / 硝酸塩類化学肥料
- 亜硝酸塩
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/09/03 07:06:35」(JST)
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亜硝酸 |
|
|
特性 |
化学式 |
HNO2 |
モル質量 |
47.01g/mol |
外観 |
パールブルー |
密度 |
~1g/cm3 |
沸点 |
103℃
|
水への溶解度 |
混和性 |
酸解離定数 pKa |
3.38 |
関連する物質 |
その他の陰イオン |
硝酸 |
その他の陽イオン |
亜硝酸ナトリウム |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
亜硝酸(あしょうさん、nitrous acid)とは、窒素のオキソ酸のひとつで化学式 HNO2 で表される弱酸である。IUPAC命名法系統名はジオキソ硝酸 (dioxonitric(III) acid) である。遊離酸の状態では不安定で分解しやすい為、亜硝酸塩または亜硝酸エステル等の形で保存あるいは使用されることが多い。
目次
- 1 製造
- 2 性質
- 3 生体への作用
- 4 用途
- 5 関連化合物
- 5.1 亜硝酸イオン
- 5.2 亜硝酸塩
- 5.3 亜硝酸エステル
- 6 参考文献
- 7 関連項目
製造
遊離酸を得るには亜硝酸バリウムに当量の硫酸水溶液を加え、硫酸バリウムを沈降濾別したり、硝酸に一酸化窒素を作用させるとよい[1]。
- Ba(NO2)2 + H2SO4 → BaSO4 + 2HNO2
遊離酸は不安定なので、反応に用いる場合亜硝酸塩を酸性条件下で加えて発生させたり、亜硝酸エステルを亜硝酸の等価体として用いることも多い。
性質
遊離酸の亜硝酸は高濃度では自己酸化還元反応を起こすので、低濃度で使用するか、または低温で亜硝酸塩を酸性にしてつくられる。
- 3HNO2 → HNO3 + H2O + 2NO
酸化あるいは還元の両方が起こりやすい。例えば、酸性溶液中、ヨウ化物イオン I− と反応し、ヨウ素 I2 を遊離させる。また、過マンガン酸塩などの酸化剤と反応すると酸化されて硝酸イオンになる。酸化剤および還元剤としての標準酸化還元電位は以下の通りである[2]。
- NO2(g) + H+ + e- = HNO2 , E°= 1.093 V (還元剤)
- HNO2 + H+ + e- = NO(g) + H2O , E°= 0.996 V (酸化剤)
亜硝酸アンモニウムは自己酸化還元反応で窒素を発生するので、実験室で窒素を発生させるときに用いる。しかしこの塩は不安定であるので、実際は濃亜硝酸ナトリウム水溶液と濃塩化アンモニウム水溶液を混合することで代用する。
- NaNO2 + NH4Cl → NaCl + 2H2O + N2
希薄水溶液中における酸解離定数は硝酸よりも105程度小さく、弱酸である[3]。
- HNO2 H+ + NO2- , pKa = 3.3
生体への作用
亜硝酸自体あるいは亜硝酸塩、亜硝酸エステルは分解すると一酸化窒素を発生するので、強い血管拡張作用を示す(NO合成酵素に詳しい)。
脂肪族アミン類と反応すると発癌性の高いニトロソアミン体となるので食品添加物の亜硝酸塩や(窒素肥料を過剰に与えた)根菜などに含まれる亜硝酸の摂取に対しては注意が喚起されている。
ほかにタバコに含まれるニコチンとも反応してニトロソアミンとなる。
亜硝酸イオンがヘモグロビンの2価鉄を3価に酸化し、酸素運搬機能がないメトヘモグロビンを生成しメトヘモグロビン血症(ブルー・ベビー症候群)の原因となる[4]。
用途
亜硝酸はアミン類と反応し、二級アミン類とはニトロソアミン体となる。特に芳香族一級アミンと反応した場合は脱水により芳香族ジアゾニウムイオンまで進む。
- Ar−NH2 + HNO2 → Ar−N≡N+
ジアゾニウムイオンは反応性が高く、ザンドマイヤー反応などによる置換反応、ジアゾカップリングによるアゾ化合物の合成などの用途がある。アゾ化合物には呈色するものが多いため色素の合成上有用である。詳細はジアゾ化を参照。
亜硝酸塩は亜硝酸がヘム鉄に配位して鮮赤色を呈するので、ソーセージなどの食品添加物として利用される。この場合、ボツリヌス菌の食中毒予防の意味もある。
関連化合物
亜硝酸イオン
亜硝酸イオンは多くの金属に配位することが知られているが、中心の窒素で配位する場合と、末端の酸素で配位する場合とが知られている。中心の窒素で配位した錯体をニトロ錯体、酸素で配位した錯体をニトリト錯体と呼ぶ。
亜硝酸塩
代表的な亜硝酸塩を次に示す。
化合物名 |
読み |
英名 |
化学式 |
分子量 |
CAS登録番号 |
融点 |
沸点 |
密度 |
比重 |
備考 |
亜硝酸カリウム |
あしょうさんかりうむ |
potassium nitrite |
KNO2 |
85.1 |
7758-09-0 |
350℃
(分解) |
|
|
1.915 |
|
亜硝酸カルシウム |
あしょうさんかるしうむ |
calcium nitrite |
Ca(NO2)2 |
132.09 |
13780-06-8 |
|
|
|
2.23 |
|
亜硝酸銀 |
あしょうさんぎん |
silver nitrite |
AgNO2 |
153.87 |
7783-99-5 |
140℃ |
|
|
4.453 |
|
亜硝酸ナトリウム |
あしょうさんなとりうむ |
sodium nitrite |
NaNO2 |
69 |
7632-00-0 |
271℃ |
|
|
2.168 |
|
亜硝酸バリウム |
あしょうさんばりうむ |
barium nitrite |
Ba(NO2)2 |
229.34 |
13465-94-6 |
|
|
|
|
自己反応性 |
亜硝酸エステル
代表的な亜硝酸エステルを次に示す。
化合物名 |
読み |
英名 |
化学式 |
分子量 |
CAS登録番号 |
融点 |
沸点 |
密度 |
比重 |
備考 |
亜硝酸エチル |
あしょうさんえちる |
ethyl nitrite |
CH3CH2ONO |
75.07 |
109-95-5 |
|
17℃ |
|
0.90 |
|
亜硝酸イソアミル |
あしょうさんいそあみる |
3-methylbutyl nitrite |
(CH3)2CHCH2CH2ONO |
117.15 |
110-46-3 |
|
97-99℃ |
|
0.875 |
異性体混合物は亜硝酸アミルと呼ばれる |
亜硝酸イソブチル |
あしょうさんいそぶちる |
2-methylpropyl nitrite |
(CH3)2CHCH2ONO |
130.18 |
542-56-3 |
|
67℃ |
|
0.870 |
|
亜硝酸イソプロピル |
あしょうさんいそぷろぴる |
2-propyl nitrite |
(CH3)2CHONO |
130.18 |
541-42-4 |
|
39-39.5℃ |
|
0.844 |
|
亜硝酸 t-ブチル |
あしょうさんたーしゃりーぶちる |
1,1-dimetylethyl nitrite |
(CH3)3CONO |
103.12 |
540-80-7 |
|
63℃ |
|
0.8671 |
ジェット燃料 |
亜硝酸 n-ブチル |
あしょうさんのるまるぶちる |
butyl nitrite |
CH3(CH2)2CH2ONO |
103.12 |
544-16-1 |
|
78.2℃ |
|
0.9114 |
|
亜硝酸 n-プロピル |
あしょうさんのるまるぷろぴる |
propyl nitrite |
CH3CH2CH3ONO |
89.09 |
543-67-9 |
|
46-48℃ |
|
0.8864 |
ジェット燃料 |
参考文献
- ^ F.A. コットン, G. ウィルキンソン著, 中原 勝儼訳 『コットン・ウィルキンソン無機化学』 培風館、1987年
- ^ Allen J. Bard, Roger Parsons, Joseph Jordan, Standard Potentials in Aqueous Solution, Marcel Dekker Inc (1985).
- ^ 田中元治 『基礎化学選書8 酸と塩基』 裳華房、1971年
- ^ 生物機能開発研究所紀要 7:37-41(2007)葉菜中硝酸イオンの低減化法
関連項目
水素の化合物 |
|
二元化合物 |
AlH3 · AsH3 · BH3 · B2H6 · CaH2 · CH4 · GaH3 · GeH4 · HAt · HBr · HCl · HF · HI · HN3 · H2O · H2O2 · H2O3 · H2S · H2S2 · H2Se · KH · NaH · NH3 · PH3 · SiH4
|
|
多元化合物 |
H3AsO4 · H5As3O10 · HAuCl4 · HBF4 · HBiO3 · HBO2 · H3BO3 · HBrO · HBrO2 · HBrO3 · HBrO4 · HClO · HClO2 · HClO3 · HClO4 · HClO5 · HCN · H2CrO4 · H2Cr2O7 · H2CO3 · H2CO4 · H2CS3 · H[CuCl2] · H2[CuCl4] · HFO · HIO · HIO3 · HIO4 · H5IO6 · HMnO4 · H2MoO4 · HNC · HNCO · HNO2 · HNO3 · HNO4 · H2N2O2 · HOCN · HCNO · HPH2O2 · H2PHO3 · H3PO3 · H3PO4 · H3PO5 · H4P2O7 · H4P2O8 · H5P3O10 · H2[PtCl4] · H2[PtCl6] · HReO4 · HRuO4 · H2RuO4 · H2SeO3 · H2SeO4 · H2SeO5 · H2SiF6 · H2SiO3 · H4SiO4 · H2Si2O5 · HSNC · HSCN · H2SO4 · H2SO5 · H2S2O3 · H2S2O4 · H2S2O6 · H2S2O7 · H2S2O8 · HTcO4 · H2TeO3 · H6TeO6 · HVO3 · H3VO4 · H4V2O7 · H2WO4 · H2XeO4
|
|
窒素の化合物 |
|
二元化合物 |
(CN)2 · NBr3 · NCl3 · NF3 · N2F2 · N2F4 · NH3 · N2H2 · N2H4 · NI3 · NO · NO2 · NO3 · N2O · N2O3 · N2O4 · N2O5 · N2O6 · N2S2 · N2S4 · N4S4
|
|
三元化合物 |
B3N3H6 · HNO2 · HNO3 · H2N2O2 · HOONO · NCBr · NCCl · NCF · NCI · NH3•BH3 · NOBr · NOCl · NO2Cl · NOI · NOClO4 · NO2ClO4 · NOF · NO2F · NSF · NSF3
|
|
四元・五元化合物 |
HNCO · HOCN · HONC · NOBF4 · NO2BF4 · NOHSO4
|
|
窒素の化合物 - アンモニウムの化合物 |
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 活性酸素種によるDNA分子切断と食物由来の天然抗酸化剤によるその抑制作用
- 高橋 真介,柳内 延也,塩谷 茂信,遠藤 準也,萩原 昌司,鍋谷 浩志
- 日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology 58(5), 208-215, 2011-05-15
- … 生ROSである過酸化水素については,その蛋白質分解能が低いために未評価であった.本報では,過酸化水素がDNA分子を分解することから,DNAを標的として次亜塩素酸ラジカル,水酸化ラジカルおよび過酸化亜硝酸ラジカルに過酸化水素を加えた4種のROSに対する食品由来の各種天然抗酸化剤のDNA分解抑制作用による抗酸化活性の試験を行った.DNA分子はタン蛋白質分解系と同様に,各種ROSにより濃度依存的に分解された …
- NAID 10028259955
- 水稲の光化学系II, 硝酸還元酵素および亜硝酸還元酵素活性に及ぼすオゾンおよび二酸化炭素の影響
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ウイルクリーン
組成
- 本品100mL中 日局ベンゼトニウム塩化物0.2g(0.2%)含有
添加物に
安定剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
防錆剤としてジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトおよび亜硝酸ナトリウムを含有する。
効能または効果
- 歯科用小器具の消毒
- ベンゼトニウム塩化物0.1%溶液(本剤を常水で2倍に希釈)に10分間浸漬するか、または厳密に消毒する際には、器具を2%炭酸ナトリウム水溶液で洗い、その後ベンゼトニウム塩化物0.1%溶液中で15分煮沸する。
薬効薬理
抗菌作用
- ベンゼトニウム塩化物の殺菌作用の本質は、表面張力の低下作用や乳化作用にもとづき菌体蛋白質に対して不活性化作用(凝折、変性)によるものとされている。ベンゼトニウム塩化物はグラム陽性菌、グラム陰性菌、酵母を含む数種の糸状菌、原虫には殺菌力を示すが、結核菌、紡錘状菌(グラム陽性桿状菌)、芽胞を有する細菌、ウイルスには無効である。
微生物に対するウィルクリーンの増殖抑制効果
- 口腔常在微生物である大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、ミュータンス菌、枯草菌、カンジダの生菌を添加による生菌数測定試験と、経時的な抗菌力試験で、生菌数は時間の経過とともに完全な発育阻止を示し、いずれの菌においても発育曲線の上昇を完全に阻止することができた。
防錆効果
- 本剤に添加している防錆剤は、鉄、鋼、ステンレス、銅、錫、ニッケル、アルミニウム、クロームには防錆効果はあるが、鉛、亜鉛、マグネシウム、カドミウムには効果がない。日常に使用される、Hファイル、ダイヤバー、デンタルミラー、スチルバーを本剤の使用濃度に2週間浸漬したところ、いずれも防錆効果がみられた。
★リンクテーブル★
[★]
- ☆case10 背痛
- ■症例
- 27歳 女性
- 主訴:背中に突き抜ける?痛み(pain across her back)
- 現病歴:背中に広がる痛みを訴えて、27歳の女性が救急部に運ばれてきた。2日前に熱が出て背部痛が始まり、以降調子が悪い。痛みは増強している。6時間前に2度嘔吐した。
- 既往歴:3ヶ月前に合併症のない胆嚢炎。
- ・身体診断
- 調子が悪そうであり、紅潮している。体温:39.2℃。脈拍:120/分。血圧:104/68 mmHg。心血管系、呼吸器系に異常を認めず。腹部:全体的に圧痛。両側の腰部で著明な圧痛。
- ・検査
- (血液生化学)
- 白血球↑、血清尿素↑、CRP↑
- (尿検査)
- タンパク:++、鮮血:+++、亜硝酸塩:++
- 尿の顕微鏡検査:(おそらく400倍の一視野に)赤血球>50、白血球>50
- 腹部X線:正常
- ■glossary
- loin n. (pl)腰、腰部(→(adj.)lumbar)。(獣の)腰肉、ロイン。(pl)陰部、生殖器、性器
- 腸雑音、腸音、intestinal murmur、intestinal sound、bowel sound
- urine microscopy 尿の顕微鏡検査
- dysuria 排尿障害
- urgency n. 切迫、急迫、危急。緊急、火急、焦眉の急。[pl]しつこい要求、懇願。せき立てる力、刺激
- hydronephrosis 水腎症
- -nephros 腎臓
- -stomy 開口術
- nephrostomy n. 腎瘻造設術、腎造瘻術、腎瘻術
- obstructive urophathy 閉鎖性尿路疾患
- intravenous fluid 静脈内輸液
- commence vt. 始める、開始する。 vi. ~から始める、始まる(with)
- urgently
- eradication n. 根絶、撲滅
- mimic vt. ~の物まねをする、まねて馬鹿にする。そっくりに[卑屈に]まねる。~によく似る
- renal ultrasound 腎臓超音波検査
- obstructive uropathy 閉塞性尿路疾患
- polycystic kidney disease 多発性嚢胞腎
- medullary sponge kidney 海綿腎
- loin-pain hematuria syndrome 腰痛血尿症候群
- ■解説
- (第1パラグラフ)疫学
- 急性腎盂腎炎:男性より女性でmore common。尿路からの細菌の上行感染。リスク:妊娠、糖尿病、免疫低下者、尿路奇形(尿の腎臓への逆流。そして多分、狭窄していたりして結石で閉塞されやすいこともあると思う)
- (第2パラグラフ)病態
- 食欲不振、悪心、嘔吐と共に40℃の発熱が出ることがある。
- 腎盂腎炎患者の中には膀胱炎の先行症状(排尿障害、頻尿、尿意切迫、血尿)がある人がいるけど、こういう下部尿路症状がいつも出現するわけではない。
- 多くの腎盂腎炎患者は、先行する6ヶ月以内の膀胱炎の既往がある。
- 老人の場合、非典型的な症状を示し、そして混乱した状態でやってくる。
- 腎盂腎炎は他の病態によく似ている:急性虫垂炎、急性胆嚢炎、急性膵炎、下葉の肺炎
- 普通、体表から見て腎臓の直上に前からも後ろからも圧痛を感じる。
- 未治療の腎盂腎炎では敗血症になるかもしれない。
- (第3パラグラフ)本ケースについて
- ・CRP上昇は急性感染症を示唆
- ・顕微鏡的血尿・タンパク尿、白血球増多は尿路の炎症を示す。
- ・硝酸塩(nitrate, HNO3と何かの塩)から亜硝酸塩(nitrite, HNO2と何かの塩)への還元により細菌の存在が確認される。
- 覚え方:亜硝酸は(Oが一つ)足らないi(愛)
- でも複雑です。
- HNO2 亜硝酸 nitrous acid, nitrite 。亜硝酸塩 nitrite
- HNO3 硝酸 nitric acid, nitrate 。硝酸塩 nitrate
- (第4パラグラフ)管理
- ・女性は入院すべき。
- ・血液と尿の採取
- ・静脈内輸液+抗生物質で治療開始。微生物が同定されたら、感受性のある抗菌薬を使用する。初期治療ではゲンタマイシン、アンピシリン、シプロフロキサシンを用いる
- ・腎臓エコー検査:尿路閉塞を除外するため。閉塞性尿路疾患では、激しい痛み、発熱、敗血症ショック、腎不全を伴う脳腎症を起こしうる。
- ・尿路敗血症の経過で水腎症が疑われたら、合併症を防ぐために緊急に腎瘻を造設すべき
- (第5パラグラフ)薬物治療
- ・(腎結石など合併していない)腎感染症(ucomplicated renal infection)患者は抗生物質2週間のコースで治療すべき。
- ・感染の根絶を確実にする治療が終わった後10-14日間は、反復して細菌培養をする。<
- ・尿路結石を有する感染症や腎瘢痕を有する患者では抗生物質6週間のコースが用いられる。
- ■鑑別診断のポイント
- 腎盂腎炎は片側性、あるいは両側性の腰痛を引き起こす。
- 腰部痛の鑑別診断:
- 閉塞性尿路疾患
- 腎梗塞:心疾患などで生じた血栓が腎動脈またはその分枝を閉塞し、その血管の支配領域が虚血性壊死に陥った状態。
- 腎細胞癌:腎尿細管上皮細胞より発生する悪性腫瘍
- 腎乳頭壊死:腎乳頭より腎髄質にかけて、その支配動脈の虚血により壊死を来したもの。 主として基礎疾患に糖尿病を有する人にみられ、しばしば急性腎盂腎炎などの尿路感染に伴って発症する。
- 腎結石:
- 糸球体腎炎:
- 多発性嚢胞腎:先天性かつ両側性に腎実質内に大小無数の嚢胞を発生する。 ほとんどが両側性で、貧血、顕微鏡的血尿、蛋白尿、高血圧といった症状を呈しながら腎機能が低下し、最終的には腎不全となる疾患
- 海綿腎:腎錐体における集合管の先天性嚢状拡張症。症状としては拡張した集合管に尿の停滞 → 感染・細かな結石ができる。
- 腰痛血尿症候群:若年女性に好発し、反復して出現する腰部から側腹部の強い疼痛と血尿を主徴とする病因不明の疾患。肉眼的血尿や軽度の蛋白尿がみられることもあるが、特異的な検査所見はなく、診断は他疾患の除外診断による
- ■KEYPOINT
- ・急性腎盂腎炎は下部尿路症状があったり無かったりする。
- ・腎臓超音波検査は尿路閉塞を否定するために、入院24時間後に行うべき。
- ・抗菌薬は、再発のリスクを最小限にするために、少なくとも2週間継続すべき。
- □閉塞性尿路疾患(http://merckmanual.jp/mmpej/sec17/ch229/ch229a.htmlより引用)
- □KUBの陰影から尿路結石成分の推定
- リン酸カルシウム(22.0)
- シュウ酸カルシウム(10.8):シュウ酸カルシウム結石は,尿路結石のうちで最も頻度が高く(70~80%),シュウ酸カルシウム結石の約半数はリン酸カルシウムとの混合結石である。
- リン酸マグネシウムアンモニウム(4.1):ストラバイト結石:尿素分解菌(Proteus 、Klebsiella 、Pseudomonas )による尿路感染が原因で、尿素が分解されアンモニアとなると尿がアルカリ性となり、リン酸マグネシウムアンモニウム結石が形成される。
- シスチン(3.7):ホモシスチン尿症
- 尿酸(1.4):痛風
- キサンチン(1.4):プリン体
- □多嚢胞腎
- 常染色体劣性多発性嚢胞腎:ARPKD
- 旧名:幼児型嚢胞腎
- 常染色体優性多発性嚢胞腎:ADPKD
- 旧名:成人型嚢胞腎
[★]
- 英
- oxo acid、oxoacid
。]]
オキソ酸(オキソさん、Oxoacid)とは、ある原子にヒドロキシル基 (-OH) とオキソ基 (=O) が結合しており、且つそのヒドロキシル基が酸性プロトンを与える化合物のことを指す<ref>IUPAC Gold Book - oxoacids</ref>。ただし、無機化学命名法IUPAC1990年勧告のオキソ酸の定義では、先述した化合物の他にアクア酸(aqua acid)<ref>中心金属イオンに配位した水分子に酸性プロトンが存在する酸。例:ヘキサアクア鉄(III)イオン</ref>、ヒドロキソ酸(hydroxoacid)<ref>隣接するオキソ基が存在しないヒドロキシル基に酸性プロトンが存在する酸。例:オルトケイ酸 (H4SiO4)</ref>もオキソ酸に含まれることになる。無機化合物のオキソ酸の例としては硫酸や硝酸、リン酸などが挙げられる。有機化合物で最も重要なオキソ酸はカルボン酸である。酸性の強弱は化合物の種類によりさまざまなものがある。一般に、オキソ酸は多原子イオンと水素イオンを与える。
オキソ酸が脱水縮合することで、ポリオキソ酸が生成する。例えば、リン酸では二リン酸、三リン酸である。酸無水物も同様に、オキソ酸の脱水縮合生成物にあたる。遷移金属元素のオキソ酸は金属オキソ酸(ポリ酸)と呼ぶ。
ポーリングの規則
単核オキソ酸の酸性度の強さを推定する2つの経験則としてポーリングの規則(Pauling's rules)が知られている。
- 1, 中心元素 E のオキソ酸の化学式が EOm(OH)n で表されるときに、酸解離定数 Ka は次の関係式で表される。
- <math>\mbox{p}K_a = -\log K_a \approx 8 - 5m </math>
- 2, n>1の酸の逐次酸解離のpKa値はプロトン解離が1回起こる毎に5ずつ増加する。
ただし、この規則に従わないオキソ酸も存在する。例えば炭酸の推定値は3であるが実測値は6.4である。これは水溶液中に溶けている二酸化炭素が僅かしか炭酸にならないためである。このことを考慮に入れるとpKa値は規則通り約3.6となる。また、亜硫酸も規則に従わない。これは溶液中に亜硫酸分子は検出されず、さらにSO2が複雑な平衡を持っているからである。
- <math>\rm CO_2 + H_2O \ \overrightarrow\longleftarrow \ H_2CO_3</math>
- <math>\rm SO_2 + H_2O \ \overrightarrow\longleftarrow \ H^+ + HSO_3^-</math>
オキソ酸の一覧
脚注
テンプレート:脚注ヘルプ
<references/>
関連項目
[★]
- 英
- nitrite, (pl.)nitrites
- 関
- 亜硝酸 nitrous acid nitrite、硝酸 nitric acid nitrate
尿検査
[★]
- 関
- nitrite、nitrous
[★]
- 英
- amyl nitrite
- ラ
- amylis nitris
- 関
- シアン中毒
概念
- C5H11NO2
- 示性式:(CH3)2CHCH2CH2O-N=O
適応
[★]
- 英
- 関
- 英
- nitrite compound
- 同
- 亜硝酸剤
[★]
- 英
- nitrite reductase
- 関
- 亜硝酸還元酵素
[★]
- 英
- sodium nitrite、NaNO
[★]
- 英
- nitric acid, nitrate
- 関
- 硝酸塩、亜硝酸 nitrous acid、亜硝酸塩 nitrite
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義