- 英
- renal cell carcinoma RCC
- 同
- Grawiz腫瘍 グラヴィッツ腫瘍 Grawitz tumor
- 関
- 腎癌、腎臓、腫瘍
疫学
- 腎腫瘍の85%を占める (EPT.221)
- 転移のある人が3割
- 40-70歳代に多発 50-60歳(SURO.237)
- 男女比=2-3:1 (YN.E-84)
病因
- 遺伝子異常:VHL遺伝子の変異
- 癌原物質:タバコ、砒素、石綿、カドミウム、殺虫剤、真菌毒素
リスクファクターと相対危険度
- VHL病:100 ← VHL病の40%の症例で腎細胞癌を見る
- 透析患者:32 ← 長期透析患者では後天性嚢胞性腎疾患が見られ、これに合併しやすい
- 肥満:3.6
- 喫煙:2.3
- 高血圧:1.4
- ドライクリーニング:1.4
- 利尿薬常用者:1.3
- フェナセチン中毒:1.1
由来
分類
- 悪性-腎細胞癌 renal cell carcinoma
- 1. 淡明細胞癌 clear cell carcinoma ← RCCの3/4を占める(APT.260)
- 2. 顆粒細胞癌 granular cell carcinoma
- 3. 嫌色素細胞癌 chromophobe cell carcinoma
- 4. 紡錘細胞癌 spindle cell carcinoma ← 予後不良
- 5. 嚢胞随伴性腎細胞癌 cyst-associated renal cell carcinoma
- 6. 乳頭状腎細胞癌 papillary renal cell carcinoma ← 予後は比較的良好
病理
- 組織由来は近位尿細管上皮であり、一部に髄質集合管由来の物がある(YN.E-84)
- 異型性は軽度。
- 肉眼的所見は黄色、分葉、出血、偽膜、血管に富む、脂肪分に富む
- 血管性間質に被胞される→血行性転移しやすい
- 腫瘍細胞の細胞質は明るくぬける→脂肪と糖原が多いから
- 腎静脈内を発育し、下大静脈、右心房まで伸展する腫瘍塞栓を見ることがある。
症状
- 3主徴がそろうのは5%以下。実質に腫瘍ができるため、初期には症状がほとんど無い。
- 無症状で健康診断・人間ドックで見つかることが3割弱、他疾患治療中に見つかるのが5割弱。 → ほとんど気づかれない
- 血尿:40-50% (無症候性肉眼的血尿)
- 疼痛:10-40%
- 腹部腫瘤:20-40%
- 精索静脈瘤、発熱(10-20%)、全身倦怠感、体重減少、貧血(15-40%)、高血圧(15-40%)、転移症状
検査
診断
画像診断
- 最初にエコー、次にCT
- 腎の変形、腫瘍輪郭の不整、中心部エコー像の変形、可動性の制限、静脈腫瘍血栓像
- 診断上最も重要
- 造影CTでは腫瘍は造影早期に造影され、内部が不均一に造影される。 ← 腎臓より弱く造影される
- 腫瘍の有無と病気診断(静脈内腫瘍塞栓の有無、後腹膜リンパ節、隣接臓器への浸潤、多臓器への転移の有無)
[show details]
- 腫瘍血栓の進展の高さを診断するのに有用
- 腎細胞癌は下大静脈、腎静脈に腫瘍血栓を作る
臨床病気分類
- (腎癌取扱い規約 第3版 日本泌尿器科学会・日本病理学会・日本医学放射線学会/編 1999年金原出版(株) 東京)
- TX 原発腫瘍の評価が不可能
- T0 原発腫瘍を認めない
- T1 最大径が7.0cm以下で、腎に限局する腫瘍
- T1a 最大径が4.0cm以下で、腎に限局する腫瘍
- T1b 最大径が4.0cmを越えるが7.0cm以下で、腎に限局する腫瘍
- T2 最大径が7.0cmを越え、腎に限局する腫瘍
- T3 腫瘍は主静脈内に進展、または副腎に浸潤、または腎周囲脂肪組織に浸潤するが、Gerota筋膜を越えない
- T3a 腫瘍は副腎または腎周囲脂肪組織または腎洞脂肪組織に浸潤するが、Gerota筋膜を越えない
- T3b 腫瘍は腎静脈または横隔膜下までの下大静脈内に進展する
- T3c 腫瘍は横隔膜を越える下大静脈内に進展する
-
- NX 所属リンパ節の評価が不可能
- N0 所属リンパ節転移なし
- N1 1個の所属リンパ節転移
- N2 2個以上の所属リンパ節転移
-
- MX 遠隔転移があるかどうか評価不能
- M0 遠隔転移なし
- M1 遠隔転移あり
転移臓器
- 腎癌の剖検時の転移臓器と頻度
- 肺:50-60%
- 骨:30-40%
- リンパ節:30-55%
- 肝臓:20-40%
- 脳:5-8%
- 副腎:20-25%
- 対側腎:10-20%
治療
- 診断は画像診断のみ
- 組織診をしない→禁忌:転移したら有効な治療方法がないから(薬物療法はほとんど効かない)
- 既存の悪性腫瘍薬や放射線に抵抗性!!
- 1.手術療法、2.動脈塞栓術、3.免疫療法、4.分子標的薬
1.手術療法、
- 開放手術、体腔鏡(腹腔鏡、後腹膜鏡)、体腔鏡補助
- 到達法:経腹的が今のところ一般的:「経腰的」-腰部斜切開で後腹膜に入る、「経腹的」-腹腔を開く、「経胸腹的」-胸腔、腹腔共に開く
術式
- 腎動脈を処置、Georta筋膜ごと腎、周囲脂肪識、副腎をまとめて摘出 ← 経腰的だと腎門までの距離が長く適さない
- 腎部分切除術
- 核出術
- 追加の術式:リンパ節郭清(リンパ節転移が疑われる例に関しては推奨される(参考1))、腫瘍血栓摘除術(下大静脈腫瘍血栓を有する患者で、所属リンパ転移、遠隔転移を認めない例に対して推奨される(参考1))
進行期、病期別
- 参考1
- I期:T1a(腫瘍径4cm以下)であれば腎部分切除術が推奨される。
- I,II期:腹腔鏡下での腎摘除術が推奨される。
- M1:転移巣があっても、PSが良好でインターフェロンが可能な例では腎摘除術が推奨される。また、転移巣を有する患者で、PSが良好かつ転移巣が切除可能であれば、転移巣に対する外科治療が推奨される。
2.動脈塞栓術
3.免疫療法
- マクロファージの貪食作用増強、MHC class I分子発現増強
- 奏効率は10-15%程度
- 副作用:食欲不振、全身倦怠感、発熱、うつ症状
- T細胞の増殖、サイトカイン(IL-1, IL-6, INF-γ)の分泌誘導
- 奏効率は10-15%程度
4.化学療法(分子標的薬)
- いずれも完全寛解には至らない
- スニチニブ:部分寛解が5割弱。
- ソラフェニブ:部分寛解が1割。病状安定率が7割
- 副作用:手足症候群(疱疹など)、脱毛、骨髄抑制、下痢、高血圧、心血管系障害、甲状腺機能障害など
予後
- Robson分類による5年生存率
- Stage1:70-90%
- Stage2:60-70%
- Stage3:30-60%
- Stage4:10-30%
腎への転移 (1983-1985年日本病理解剖統計)
- 原発部位:リンパ系(30.0%)、精巣(28.6%)、骨髄(27.4%)、副腎(25.7%)、後腹膜(22.5%)、皮膚(20.5%)、対側腎(19.3%)、肝臓(19.0%)
参考
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0057/1/0057_G0000158_GL.html
- http://ganjoho.jp/public/cancer/data/renal_cell.html
- 4. 財団法人国際医学情報センター:がん Info / 腎細胞がん
- http://www.imic.or.jp/cancer/c2027.html
国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/04/13 15:34:06」(JST)
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腎細胞癌(じんさいぼうがん、英: Renal cell carcinoma)は、腎臓に発生する悪性腫瘍のひとつであり、尿細管上皮細胞ががん化したものである。
別名グラヴィッツ腫瘍(Grawitz's tumor)。
|
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目次
- 1 分類
- 2 疫学
- 3 症状
- 4 合併症
- 5 検査
- 6 治療
- 7 参考文献
- 8 外部リンク
- 9 脚注
|
分類
- 淡明細胞型 (clear cell)
最も一般的で、70%の確率で見られる。その名の通り光顕的に細胞質が明るい腫瘍細胞として見える。染色体3pの欠損、VHL遺伝子の欠損がしばしば認められる。
- 顆粒細胞型 (granular cell)
15%の確率で見られる。好酸性顆粒状細胞(ミトコンドリアの多い細胞)から成る。染色体・遺伝子異常の現れ方は淡明細胞型と変わりがない。UICCワークショップ腎細胞癌分類においては、両者を区別する必要がないとして「顆粒細胞型」という分類の廃止を勧告している。[1]
- 色素嫌性型 (chromophobe)
- 嚢胞随伴性
予後は良好。
- 乳頭状 (papillary)
- 肉腫様型 (sarcomatoid)(または紡錘型spindle)
本来は上記いずれかの組織型であったものが、あまりにも脱分化が進んで元々の組織型が判らなくなったものである。当然、予後は最も不良。
広義には、これらに加えて集合管癌 (collecting duct carcinoma)=集合管上皮細胞ががん化したものを含む。
疫学
腎細胞癌は男性5.6/100,000人、女性4.1/100,000人の確率で見られる。20歳までに見られることは稀で、小児科腎腫瘍では2%を占めるのみである。40歳以降、特に60代から70代にかけて好発する。von Hippel-Lindau病などの遺伝病との関係も示唆されているが定かではない。
喫煙は本症の主要な危険因子であり,30%増大させる。その他に肥満(特に女性)、カドミウム、一部の解熱鎮痛薬の長期使用(アセトアミノフェン、フェナセチン)なども本症の危険因子である。
症状
- 血尿
- 側腹部腫瘤
- 疼痛
- 体重減少
- 腹痛
- 食欲不振
- 低色素性貧血
- 肝機能障害
合併症
腫瘍随伴性症候群
本症は転移が多いことで有名な悪性腫瘍であり、特に肺転移、骨転移、肝転移を起こしやすい。
検査
- 血液検査
- ALP(アルカリフォスファターゼ)上昇
- 腹部CT
- 腎エコー
治療
- 根治的腎摘出術
- テムシロリムス - mTOR阻害薬
- エベロリムス - mTOR阻害薬
- スニチニブ - キナーゼ阻害薬
- ソラフェニブ - キナーゼ阻害薬
- インターフェロンα
参考文献
- 腎癌診療ガイドライン 2007年版日本泌尿器科学会/編 (Minds 医療情報サービス)
- David G. Bostwick, John N. Eble: "UROLOGIC SURGICAL PATHOLOGY" Mosby-Year Book 1997
外部リンク
脚注
- ^ 「Cancer」誌1997年号 P987-989
腎・泌尿器系の疾患 |
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疾患 |
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糸球体病変
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急性糸球体腎炎 | IgA腎症 | 急速進行性糸球体腎炎 | 慢性糸球体腎炎
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ネフローゼ症候群
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原発性
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微小変化群 | 巣状糸球体硬化症 | 膜性腎症 | 膜性増殖性糸球体腎炎
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続発性
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遺伝性腎炎
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アルポート症候群 | 良性家族性血尿
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尿細管機能障害
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ファンコニ症候群 | バーター症候群 | ギッテルマン症候群 | リドル症候群 | 尿細管性アシドーシス | 腎性糖尿 | 尿細管間質性腎炎
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続発性腎障害
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膠原病
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全身性エリテマトーデス | 全身性強皮症 | シェーグレン症候群
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糖尿病性腎症 | 痛風腎 | クリオグロブリン血症 | アミロイドーシス | 溶血性尿毒症症候群
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腎循環障害
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腎血管性高血圧症 | 腎梗塞 | クルミ割り現象
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泌尿器疾患
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機能障害
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膀胱尿管逆流 | 神経因性膀胱 | 水腎症 |
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先天異常
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多発性嚢胞腎(常染色体優性多発性嚢胞腎 | 常染色体劣性多発性嚢胞腎) | 尿管異所開口 | 重複腎盂尿管
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感染症
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腎盂腎炎 | 腎膿瘍 | 膀胱炎 | 腎結核
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尿路結石
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膀胱結石
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腫瘍
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腎細胞癌 | 腎盂腫瘍 | 尿管腫瘍 | 前立腺肥大症 | 前立腺癌 | 精巣腫瘍 | 陰茎癌
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性器の疾患
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前立腺炎 | 停留精巣 | 精巣捻転 | 包茎 | 勃起不全
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病態・症状 |
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腎不全
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急性腎不全
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急性尿細管壊死
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慢性腎臓病
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慢性腎不全 | 尿毒症
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尿所見異常
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乏尿 | 血尿 | タンパク尿 | 尿円柱
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陰嚢腫大
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検査 |
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腎機能検査
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糸球体濾過量 | クレアチニンクリアランス | ナトリウムクリアランス | 尿中ナトリウム排泄率 | 腎不全指数
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腹部X線写真 | 腎盂造影 | レノグラム | 腎生検
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腎・泌尿器系の正常構造・生理 |
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腎臓 |
肉眼解剖
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尿細管
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近位尿細管 - ヘンレのループ(下行脚 - 細い上行脚 - 太い上行脚) - 遠位尿細管 - 集合管 - 腎盤 ( - 尿管)
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腎循環
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腎動脈 - 傍尿細管毛細血管 - 輸入細動脈 - (糸球体) - 輸出細動脈 - 直細動脈 - 腎静脈
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ゲロタ筋膜
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顕微解剖
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ネフロン
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腎小体
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糸球体
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毛細血管 | 糸球体内メサンギウム細胞 | ボーマン嚢
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傍糸球体装置
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緻密斑 | 傍糸球体細胞 | 糸球体外メサンギウム細胞
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尿細管
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生理学
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アシドーシスとアルカローシス | 膠質浸透圧 | 糸球体濾過量 | 腎血漿流量 | クレアチニンクリアランス
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生化学
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バソプレッシン | アルドステロン | 心房性ナトリウム利尿ペプチド | エリスロポエチン | レニン-アンジオテンシン系
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尿路 |
肉眼解剖
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尿管 - 膀胱 - 尿道
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顕微解剖
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移行上皮
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生殖器系 |
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女性器 |
尿道 - 陰核 - 陰裂 - 陰核亀頭 - 陰核亀頭冠 - 陰核包皮 - 陰核小帯 - Gスポット - 処女膜 - 陰唇 - 大陰唇 - 小陰唇 - 膣 - バルトリン腺 - スキーン腺 - 子宮頸部 - 子宮 - 子宮内膜 - 卵管 - 卵巣
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男性器 |
尿道 - 陰茎 - 陰茎亀頭 - 陰茎亀頭冠 - 海綿体 - 陰茎ワナ靭帯 - 陰茎包皮 - 陰茎小帯 - 陰嚢 - 精索 - 精巣上体 - 精細管 - セルトリ細胞 - 精巣輸入管 - 輸精管 - 精嚢 - 射精管 - 前立腺 - 尿道球腺 - 精巣網 - 精巣
|
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 症例 腎細胞癌に対する根治的腎摘除術後に発生した残存尿管腫瘍
- 症例 右腎摘,部分切除後に再部分切除術を施行した再発性腎癌
Related Links
- 腎細胞がんは、腎臓にできるがんのうち、腎実質の細胞ががん化して悪性腫瘍になったものです。同じ腎臓にできたがんでも、腎盂にある細胞ががん化したものは「腎盂がん」と呼ばれ、腎細胞がんとは区別されます。
- 腎細胞癌について、特徴・分類・症状・検査方法・病期(ステージ)・生存率・治療法など様々な観点から解説します。腎臓は、背骨の両側のちょうど腰の高さのところに左右1つずつあるソラマメのような形をした臓器です。腎臓に ...
- 腎臓がん(腎細胞がん)の転移 腎臓がん(腎細胞がん)は、血行性に転移しやすいがんです。血行性とはその名の通り、血管の中にがん細胞が入り込んで、血流にのって全身へと流れていき、どこか付着した場所で生育するという転移 ...
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- 59歳の男性。人間ドックで右腎の腫瘍を指摘され来院した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。身長166cm、体重61kg。体温36.2℃。呼吸数12/分。脈拍64/分、整。血圧128/78mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血1+。血液所見:赤血球 507万.Hb1 5.5g/dl、Ht 44%、白血球 7,000、血小板 21万。血液生化学所見:血糖 98mg/dl、総蛋白 7.5g/dl、アルブミン 4.3g/dl,尿素窒素 17mg/dl、クレアチニン 0.8mg/dL、尿酸 6.8mg/dl、総ビリルビン 0.8mg/dl、AST 19IU/l、ALT 16IU/l、LD 195IU/l(基準176-353)、ALP 249IU/l(基準115-359)、Na 140mEq/l、K 4.1mEq/l、Cl 105mEq/l、Ca 9.3mg/dl、CRP 0.1mg/dl。腹部超音波検査で右腎に長径5cmの占拠性病変を認める。胸腹部単純CTで腎以外に明らかな異常を認めない。骨シンチグラフィに明らかな異常を認めない。腹部造影CT(別冊No.8)を別に示す。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I043]←[国試_105]→[105I045]
[★]
- 57歳の女性。3年前から糖尿病と胆石症とを指摘されている。胆石症の経過観察として外来で行われていた腹部超音波検査中に突然強い頭痛と動悸とを訴え苦しがり始めた。意識は清明。脈拍120/分、整。血圧240/160mmHg。呼吸数20/分。著明な発汗と四肢末<の冷感とを認める。治療によって症状が安定した後に実施した腹部造影CT(別冊No.14)を別に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107D032]←[国試_107]→[107D034]
[★]
- 51歳の女性。左腎細胞癌に対して根治的左腎摘除術を受けている。術後10か月で、両肺に径1cm未満の肺転移が複数出現した。肺転移に対して、まず行うべき治療として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [113C049]←[国試_113]→[113C051]
[★]
- 常染色体優性遺伝多発性嚢胞腎症に合併するのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102I011]←[国試_102]→[102I013]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [109H005]←[国試_109]→[109H007]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108B034]←[国試_108]→[108B036]
[★]
- 経尿道的手術が外科的治療の第一選択となるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [110B032]←[国試_110]→[110B034]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105B021]←[国試_105]→[105B023]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104G023]←[国試_104]→[104G025]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102G030]←[国試_102]→[102G032]
[★]
[★]
[★]
- 英
- fever of unknown origin FUO
- 同
- 原因不明熱
- 関
- 発熱、体温
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
定義
- 3週間以上の発熱。38.3℃以上、1週間の入院精査でも原因不明
鑑別疾患
3大疾患
- 1. 感染症(深部腫瘍、心内膜炎、結核、寄生虫、腸チフスなど)
- 2. 悪性疾患(悪性リンパ腫、白血病など)
- 3. 膠原病(血管炎、側頭動脈炎、成人still病など)
- 4. その他:薬剤性など
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
- (各種病原体)感染性心内膜炎、骨髄炎、伝染性単核球症、副鼻腔炎、齲歯
- (細菌)結核、腸チフス、リケッチア感染症
- (ウイルス)HIV感染症、サイトメガロウイルス感染症
- (真菌)ニューモシスチス肺炎、クリプトコッカス症
- (寄生虫)マラリア
- UCSF.44
- 感染症26%, 腫瘍13%, 非感染性炎症疾患24%
- 感染症:背臥位結核、心内膜炎、膿瘍(肝臓、脾臓、腎臓、後腹膜、骨、脳、耳、脊椎)、HIV感染症、サイトメガロウイルス感染症、カンジダ感染症、その他(尿路感染症、副鼻腔、骨髄炎)、入院患者(尿路感染、カテーテル感染症、偽膜性腸炎、褥瘡、蜂窩織炎)
- 腫瘍:悪性リンパ腫、白血病、腎細胞癌、肝癌、心房粘液腫、VAHS(ウイルス関連性血球貪食症候群)、LAHS(リンパ腫関連性血球貪食症候群)
- 非感染性炎症疾患:成人スティル病、SLE(全身性エリテマトーデス)、顕微鏡的多発血管炎(MPA)/多発性結節性動脈周囲炎(PN)/高安病、側頭動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、サルコイドーシス、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)
- その他:薬剤熱、詐熱、肺塞栓症/深部静脈血栓症、脊椎損傷/頭蓋内疾患、副腎機能不全/甲状腺機能亢進症、家族性地中海熱、組織球性壊死性リンパ節炎(菊地病)
- 感染症専門医テキスト 第1部 解説編 p.53
- 不明熱の最終診断
診断
|
診断診断例 n=192
|
早期診断例 n=67
|
中期診断例 n=38
|
後期診断例 n=87
|
感染症
|
|
57(29.7)
|
25(37.3)
|
12(31.6)
|
20(23.0)
|
細菌性
|
|
43
|
1.8
|
8
|
17
|
心内膜炎
|
11
|
9
|
1
|
1
|
結核
|
8
|
0
|
0
|
8
|
尿跨感染症(1)
|
6
|
3
|
1
|
2
|
腹腔内膿瘍
|
5
|
2
|
2
|
1
|
骨・関節感染
|
4
|
2
|
1
|
1
|
その他の細菌感染
|
9
|
2
|
3
|
4
|
ウイルス性
|
|
10
|
5
|
3
|
2
|
CMV
|
6
|
2
|
3
|
1
|
EpsteinーBarrウイルス
|
3
|
3
|
0
|
0
|
HIV
|
1
|
0
|
0
|
1
|
寄生虫性(2)
|
|
4
|
2
|
1
|
1
|
悪性新生物
|
|
29(15.1)
|
5(7.5)
|
6(15.8)
|
18(20.7)
|
血液疾患
|
|
22
|
2
|
6
|
14
|
非Hodgkinリンパ腫
|
9
|
0
|
2
|
7
|
Hodgkin病
|
5
|
1
|
1
|
3
|
白血病
|
6
|
0
|
3
|
3
|
血管免疫芽球性リンパ酔症
|
2
|
1
|
0
|
1
|
固形癌
|
|
7
|
3
|
0
|
4
|
腺癌
|
5
|
2
|
0
|
3
|
その他(3)
|
2
|
1
|
0
|
1
|
非感染性炎症性疾患
|
|
68(35.4)
|
22(32.8)
|
.6)
|
34(39.1)
|
結合織疾患
|
|
35
|
15
|
6
|
14
|
成人Still病
|
18
|
5
|
4
|
9
|
SLE
|
8
|
5
|
1
|
2
|
リウマチ性多発性筋痛症
|
3
|
3
|
0
|
0
|
関節リウマチ
|
2
|
0
|
0
|
2
|
Sjogren症候群
|
2
|
1
|
0
|
1
|
その他(4)
|
2
|
1
|
1
|
0
|
血管炎症候群
|
|
19
|
5
|
3
|
11
|
巨細胞性動脈炎
|
11
|
4
|
3
|
4
|
Wegener肉芽腫症
|
2
|
1
|
0
|
1
|
結節性多発性動脈炎
|
2
|
0
|
0
|
2
|
その他(5)
|
4
|
0
|
0
|
4
|
肉芽腫性疾患
|
|
14
|
2
|
3
|
9
|
サルコイドーシス
|
10
|
0
|
2
|
8
|
Crohn病
|
4
|
2
|
1
|
1
|
その他
|
|
39(18.1)
|
15(22.4)
|
8(21.1)
|
15(17.2)
|
亜急性甲状腺炎
|
6
|
3
|
1
|
2
|
Addison病
|
2
|
0
|
1
|
1
|
心筋梗塞後症候群
|
2
|
1
|
0
|
1
|
肺動脈塞栓症
|
2
|
1
|
0
|
1
|
習慣性高体温症
|
11
|
6
|
3
|
2
|
薬剤熱
|
4
|
3
|
0
|
1
|
詐熱
|
1
|
1
|
0
|
0
|
その他(6)
|
10
|
0
|
3
|
7
|
- 数値は症例数で( )内は比率. %表示
- 1) 膿瘍を除く実質感染
- 2) マラリア(2例)、ジアルジア症、トリパノソーマ症を含む
- 3) germinoma, hypernephromaを含む
- 4) Reiter症候群, 多発性筋炎を含む
- 5) Behcet病, Schönlein-Henoch紫斑病, Schnitzler症候群, 分類不能型血管炎を含む
- 6) Sweet症候群, 原発性硬化性胆管炎, アルコール性肝炎, 出血を伴う巨大肝血管腫, 間質性肺炎, 特発性胸膜心膜炎, 特発性好酸球増多症候群, リンパ節の炎症性偽腫瘍, 後腹膜線維症, 線状IgA水疱症
- (Vanderschueren S. Knockaert D. et al. : From prolonged febrile illness to fever of unknown origin: the challenge continues. Arch Intern Med. 2003 : 163 : 1033-1041)
診断
問診
- 既往歴、家族歴、職業歴、旅行歴、薬剤歴、sick contact、動物との接触、同性とのまたはハイリスクな性的接触の有無、現病歴と発熱パターン、輸血歴
診察
- リンパ節腫脹、肝脾腫、心雑音、圧痛
- 培養
- 胸部XP
- 抗核抗体,C3,C4,RF,赤沈
- 抗HIVコウタイ
- 皮膚生検
- ツベルクリン反応/クオンティフェロン
- 腹部エコー
- 造影CT
- 心エコー:心内膜炎を最も疑えば経食道心エコーを。
- ガリウムシンチ
- 骨髄生検
- 腰椎穿刺
- 頭部CT
- 大腸ファイバー
- 肝生検
[★]
- ☆case10 背痛
- ■症例
- 27歳 女性
- 主訴:背中に突き抜ける?痛み(pain across her back)
- 現病歴:背中に広がる痛みを訴えて、27歳の女性が救急部に運ばれてきた。2日前に熱が出て背部痛が始まり、以降調子が悪い。痛みは増強している。6時間前に2度嘔吐した。
- 既往歴:3ヶ月前に合併症のない胆嚢炎。
- ・身体診断
- 調子が悪そうであり、紅潮している。体温:39.2℃。脈拍:120/分。血圧:104/68 mmHg。心血管系、呼吸器系に異常を認めず。腹部:全体的に圧痛。両側の腰部で著明な圧痛。
- ・検査
- (血液生化学)
- 白血球↑、血清尿素↑、CRP↑
- (尿検査)
- タンパク:++、鮮血:+++、亜硝酸塩:++
- 尿の顕微鏡検査:(おそらく400倍の一視野に)赤血球>50、白血球>50
- 腹部X線:正常
- ■glossary
- loin n. (pl)腰、腰部(→(adj.)lumbar)。(獣の)腰肉、ロイン。(pl)陰部、生殖器、性器
- 腸雑音、腸音、intestinal murmur、intestinal sound、bowel sound
- urine microscopy 尿の顕微鏡検査
- dysuria 排尿障害
- urgency n. 切迫、急迫、危急。緊急、火急、焦眉の急。[pl]しつこい要求、懇願。せき立てる力、刺激
- hydronephrosis 水腎症
- -nephros 腎臓
- -stomy 開口術
- nephrostomy n. 腎瘻造設術、腎造瘻術、腎瘻術
- obstructive urophathy 閉鎖性尿路疾患
- intravenous fluid 静脈内輸液
- commence vt. 始める、開始する。 vi. ~から始める、始まる(with)
- urgently
- eradication n. 根絶、撲滅
- mimic vt. ~の物まねをする、まねて馬鹿にする。そっくりに[卑屈に]まねる。~によく似る
- renal ultrasound 腎臓超音波検査
- obstructive uropathy 閉塞性尿路疾患
- polycystic kidney disease 多発性嚢胞腎
- medullary sponge kidney 海綿腎
- loin-pain hematuria syndrome 腰痛血尿症候群
- ■解説
- (第1パラグラフ)疫学
- 急性腎盂腎炎:男性より女性でmore common。尿路からの細菌の上行感染。リスク:妊娠、糖尿病、免疫低下者、尿路奇形(尿の腎臓への逆流。そして多分、狭窄していたりして結石で閉塞されやすいこともあると思う)
- (第2パラグラフ)病態
- 食欲不振、悪心、嘔吐と共に40℃の発熱が出ることがある。
- 腎盂腎炎患者の中には膀胱炎の先行症状(排尿障害、頻尿、尿意切迫、血尿)がある人がいるけど、こういう下部尿路症状がいつも出現するわけではない。
- 多くの腎盂腎炎患者は、先行する6ヶ月以内の膀胱炎の既往がある。
- 老人の場合、非典型的な症状を示し、そして混乱した状態でやってくる。
- 腎盂腎炎は他の病態によく似ている:急性虫垂炎、急性胆嚢炎、急性膵炎、下葉の肺炎
- 普通、体表から見て腎臓の直上に前からも後ろからも圧痛を感じる。
- 未治療の腎盂腎炎では敗血症になるかもしれない。
- (第3パラグラフ)本ケースについて
- ・CRP上昇は急性感染症を示唆
- ・顕微鏡的血尿・タンパク尿、白血球増多は尿路の炎症を示す。
- ・硝酸塩(nitrate, HNO3と何かの塩)から亜硝酸塩(nitrite, HNO2と何かの塩)への還元により細菌の存在が確認される。
- 覚え方:亜硝酸は(Oが一つ)足らないi(愛)
- でも複雑です。
- HNO2 亜硝酸 nitrous acid, nitrite 。亜硝酸塩 nitrite
- HNO3 硝酸 nitric acid, nitrate 。硝酸塩 nitrate
- (第4パラグラフ)管理
- ・女性は入院すべき。
- ・血液と尿の採取
- ・静脈内輸液+抗生物質で治療開始。微生物が同定されたら、感受性のある抗菌薬を使用する。初期治療ではゲンタマイシン、アンピシリン、シプロフロキサシンを用いる
- ・腎臓エコー検査:尿路閉塞を除外するため。閉塞性尿路疾患では、激しい痛み、発熱、敗血症ショック、腎不全を伴う脳腎症を起こしうる。
- ・尿路敗血症の経過で水腎症が疑われたら、合併症を防ぐために緊急に腎瘻を造設すべき
- (第5パラグラフ)薬物治療
- ・(腎結石など合併していない)腎感染症(ucomplicated renal infection)患者は抗生物質2週間のコースで治療すべき。
- ・感染の根絶を確実にする治療が終わった後10-14日間は、反復して細菌培養をする。<
- ・尿路結石を有する感染症や腎瘢痕を有する患者では抗生物質6週間のコースが用いられる。
- ■鑑別診断のポイント
- 腎盂腎炎は片側性、あるいは両側性の腰痛を引き起こす。
- 腰部痛の鑑別診断:
- 閉塞性尿路疾患
- 腎梗塞:心疾患などで生じた血栓が腎動脈またはその分枝を閉塞し、その血管の支配領域が虚血性壊死に陥った状態。
- 腎細胞癌:腎尿細管上皮細胞より発生する悪性腫瘍
- 腎乳頭壊死:腎乳頭より腎髄質にかけて、その支配動脈の虚血により壊死を来したもの。 主として基礎疾患に糖尿病を有する人にみられ、しばしば急性腎盂腎炎などの尿路感染に伴って発症する。
- 腎結石:
- 糸球体腎炎:
- 多発性嚢胞腎:先天性かつ両側性に腎実質内に大小無数の嚢胞を発生する。 ほとんどが両側性で、貧血、顕微鏡的血尿、蛋白尿、高血圧といった症状を呈しながら腎機能が低下し、最終的には腎不全となる疾患
- 海綿腎:腎錐体における集合管の先天性嚢状拡張症。症状としては拡張した集合管に尿の停滞 → 感染・細かな結石ができる。
- 腰痛血尿症候群:若年女性に好発し、反復して出現する腰部から側腹部の強い疼痛と血尿を主徴とする病因不明の疾患。肉眼的血尿や軽度の蛋白尿がみられることもあるが、特異的な検査所見はなく、診断は他疾患の除外診断による
- ■KEYPOINT
- ・急性腎盂腎炎は下部尿路症状があったり無かったりする。
- ・腎臓超音波検査は尿路閉塞を否定するために、入院24時間後に行うべき。
- ・抗菌薬は、再発のリスクを最小限にするために、少なくとも2週間継続すべき。
- □閉塞性尿路疾患(http://merckmanual.jp/mmpej/sec17/ch229/ch229a.htmlより引用)
- □KUBの陰影から尿路結石成分の推定
- リン酸カルシウム(22.0)
- シュウ酸カルシウム(10.8):シュウ酸カルシウム結石は,尿路結石のうちで最も頻度が高く(70~80%),シュウ酸カルシウム結石の約半数はリン酸カルシウムとの混合結石である。
- リン酸マグネシウムアンモニウム(4.1):ストラバイト結石:尿素分解菌(Proteus 、Klebsiella 、Pseudomonas )による尿路感染が原因で、尿素が分解されアンモニアとなると尿がアルカリ性となり、リン酸マグネシウムアンモニウム結石が形成される。
- シスチン(3.7):ホモシスチン尿症
- 尿酸(1.4):痛風
- キサンチン(1.4):プリン体
- □多嚢胞腎
- 常染色体劣性多発性嚢胞腎:ARPKD
- 旧名:幼児型嚢胞腎
- 常染色体優性多発性嚢胞腎:ADPKD
- 旧名:成人型嚢胞腎
[★]
- 英
- interferon-α-2b IFN-α-2b
- 同
- インターフェロンアルファ-2b
- 商
- イントロンA、ペグイントロン
効能又は効果
- イントロンA
- 次のいずれかのC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
- (1) 本剤単独の場合
- 1) 血中HCV RNA量が高値ではない患者
- (2) リバビリンとの併用の場合
- 1) 血中HCV RNA量が高値の患者
- 2) インターフェロン製剤単独療法で無効の患者又はインターフェロン製剤単独療法後再燃した患者
禁忌
- イントロンA
- 1. 本剤又は他のインターフェロン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2. ワクチン等生物学的製剤に対して過敏症の既往歴のある患者
- 3. 小柴胡湯を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- 4. 自己免疫性肝炎の患者[自己免疫性肝炎が悪化することがある。]
重大な副作用
- イントロンA
- (1)間質性肺炎(0.1~5%未満)、肺線維症(0.1%未満)、肺水腫(頻度不明) → 副腎皮質ステロイド投与など
- (2)抑うつ・うつ病(0.1~5%未満)、自殺企図、躁状態(0.1%未満)、攻撃的行動(頻度不明) → 不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等があらわれた場合には投与を中止
- (3)意識障害、興奮(頻度不明)、痙攣、見当識障害、せん妄、幻覚、妄想、統合失調症様症状、失神、認知症様症状(特に高齢者)、難聴(0.1%未満)、錯乱(0.1~5%未満) → 中止
- (4)自己免疫現象(0.1%未満) → 甲状腺機能異常、肝炎、溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、乾癬、全身性エリテマトーデス、血管炎、フォークト・小柳・原田病、インスリン依存型糖尿病(IDDM)の増悪又は発症
- (5)溶血性尿毒症症候群(HUS)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)(頻度不明)
- (6)糖尿病(0.1~5%未満) → 糖尿病[インスリン依存型(IDDM)及びインスリン非依存型(NIDDM)]の増悪・発症 → 糖尿病性ケトアシドーシス、昏睡
- (7)重篤な肝障害(頻度不明) → 中止
- (8)急性腎不全等の重篤な腎障害(頻度不明)
- (9)再生不良性貧血(頻度不明)、汎血球減少(0.1~5%未満)、無顆粒球症、白血球減少(2,000/mm3未満)、血小板減少(50,000/mm3未満)(頻度不明)
- (10)ショック(0.1%未満)
- (11)心筋症(頻度不明)、心不全(0.1%未満)、心筋梗塞(頻度不明)、狭心症(0.1%未満)
- (12)不整脈(0.1~5%未満)
- (13)消化管出血(下血、血便等)、消化性潰瘍(0.1%未満)、虚血性大腸炎(頻度不明)
- (14)脳出血(0.1%未満)
- (15)脳梗塞(頻度不明)
- (16)敗血症(0.1%未満) → 易感染性
- (17)網膜症(0.1~5%未満) →網膜出血や糖尿病網膜症の増悪に注意
- (18)中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)
- (19)横紋筋融解症(頻度不明)
国試
[★]
- 英
- von Hippel-Lindau disease VHL disease, VHL
- 同
- フォンヒッペル・リンダウ病 VHL病 、リンダウ病、ヒッペル病、フォン・ヒッペル・リンダウン病、フォン・ヒッペル-リンダウ病
- 網膜血管腫症 retinal angiomatosis
- 関
- 血管芽腫、神経皮膚症候群。フォン・ヒッペル病(網膜の血管腫のみの場合(SOP.144))
[show details]
概念
- 癌抑制遺伝子であるVHL遺伝子の変異による常染色体優性遺伝疾患で、中枢神経系の血管芽腫、網膜血管芽腫、腎細胞癌、副腎腫瘍などを発症する疾患である。
- 頭部の血管芽腫と腎・副腎腫瘍と覚えておこう
病因
- 3p25のVHL遺伝子:癌抑制遺伝子の変異が関与
- 11q13にもマッピングされている。
疫学
遺伝形式
病態
- 多くの臓器に腫瘍や嚢胞を形成(腎(40%に腎細胞癌。腎嚢胞)、中枢神経系の血管芽腫、網膜血管腫、膵腫瘍(膵嚢胞)、肝、副腎(褐色細胞腫)など)
- 眼 :毛細血管レベルで血管腫が発生し、グリアの増殖を伴ってオレンジ色の結節を形成する。血管腫を介したシャントが形成されるために動脈・静脈が拡張蛇行する。進行すれば血管腫から血漿が漏出して漿液性網膜剥離をきたす。また硬性白斑がみられる。
症状
- 眼 :(網膜剥離が起これば)視野障害・視力障害
- 神経:(小脳の血管芽腫により)小脳失調。てんかん(SOP.144)。
- 皮膚:(低頻度)血管腫、カフェオレ斑
合併症
検査
- 造影:小脳の血管芽腫は濃染される。嚢胞を伴う場合は均一な低信号領域が認められる。
- [show details]
国試
参考
- 1. [charged] フォンヒッペル・リンダウ病の臨床的特徴、診断、および管理 - uptodate [1]
- 2. [charged] フォンヒッペル・リンダウ病の分子生物学および病因 - uptodate [2]
- 3. VON HIPPEL-LINDAU SYNDROME - OMIM
- http://omim.org/entry/193300
メモ
[★]
- 英
- metastatic lung cancer
- 同
- 転移性肺腫瘍 metastatic lung tumor ← 転移する癌は悪性なのでは?
転移性肺腫瘍の頻度(剖検例 SPU.334)
- 全悪性腫瘍の30-50%
- 乳癌:40-50%
- 肺癌:30-50%
- 肝癌:20-40%
- 大腸癌:30-40%
- 胃癌:20-40%
肺転移の頻度(内科診断学第2版 p.755)
肺転移する場所(内科診断学第2版 p.755)
[★]
- 英
- papillary renal cell carcinoma
- 関
- 腎細胞癌、腎明細胞癌、グラヴィッツ腫瘍、乳頭状腎細胞がん、腎明細胞がん
- hereditary papillary renal carcinoma
- gain-of function mutaion in the prooncogene MET (HIM.494)
[★]
- 英
- chromophobe cell renal carcinoma
- 関
- 腎細胞癌
[★]
- 英
- metastatic renal cell carcinoma
[★]
- 英
- renal cell carcinoma cell line
[★]
- 英
- cancer
- 関
- 悪性腫瘍
種類
- 癌腫(carcinoma):上皮性
- 肉腫(sarcoma):間葉系
- carcinoma:腺癌(adenocarcinma)、扁平上皮癌(squamous cell carcinoma)、移行上皮癌(transitional cell carcinoma)
- sarcoma:骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫
Neoplasm
|
Causes
|
Effect
|
Small cell lung carcinoma
|
ACTH or ACTH-like peptide
|
Cushing’s syndrome
|
Small cell lung carcinoma and intracranial neoplasms
|
ADH
|
SIADH
|
Squamous cell lung carcinoma, renal cell carcinoma, breast carcinoma, multiple myeloma, and bone metastasis (lysed bone)
|
PTH-related peptide, TGF-β, TNF-α, IL-1
|
Hypercalcemia
|
Renal cell carcinoma, hemangioblastoma
|
Erythropoietin
|
Polycythemia
|
Thymoma, small cell lung carcinoma
|
Antibodies against presynaptic Ca2+ channels at neuromuscular junction
|
Lambert-Eaton syndrome (muscle weakness)
|
Leukemias and lymphomas
|
Hyperuricemia due to excess nucleic acid turnover (i.e., cytotoxic therapy)
|
Gout, urate nephropathy
|
- http://ganjoho.ncc.go.jp/public/statistics/pub/statistics01.html
●2005年の死亡数が多い部位は順に
|
|
1位
|
2位
|
3位
|
4位
|
5位
|
|
男性
|
肺
|
胃
|
肝臓
|
結腸
|
膵臓
|
結腸と直腸を合わせた大腸は4位
|
女性
|
胃
|
肺
|
結腸
|
肝臓
|
乳房
|
結腸と直腸を合わせた大腸は1位
|
男女計
|
肺
|
胃
|
肝臓
|
結腸
|
膵臓
|
結腸と直腸を合わせた大腸は3位
|
|
●2001年の罹患数が多い部位は順に
|
|
1位
|
2位
|
3位
|
4位
|
5位
|
|
男性
|
胃
|
肺
|
結腸
|
肝臓
|
前立腺
|
結腸と直腸を合わせた大腸は2位
|
女性
|
乳房*1
|
胃
|
結腸
|
子宮*1
|
肺
|
結腸と直腸を合わせた大腸は1位
|
男女計
|
胃
|
肺
|
結腸
|
乳房*1
|
肝臓
|
結腸と直腸を合わせた大腸は2位
|
*1上皮内がんを含む。
|
癌の素因となる遺伝子
- HIM.494
Table 79-1 Cancer Predisposition Syndromes and Associated Genes
|
Syndrome
|
Gene
|
Chromosome
|
Inheritance
|
Tumors
|
ataxia telangiectasia
|
ATM
|
11q22-q23
|
AR
|
breast cancer
|
autoimmune lymphoproliferative syndrome
|
FAS
|
10q24
|
AD
|
lymphomas
|
FASL
|
1q23
|
|
Bloom syndrome
|
BLM
|
15q26.1
|
AR
|
cancer of all types
|
Cowden syndrome
|
PTEN
|
10q23
|
AD
|
breast, thyroid
|
familial adenomatous polyposis
|
APC
|
5q21
|
AD
|
intestinal adenoma, colorectal cancer
|
familial melanoma
|
p16INK4
|
9p21
|
AD
|
melanoma, pancreatic cancer
|
familial Wilms tumor
|
WT1
|
11p13
|
AD
|
pediatric kidney cancer
|
hereditary breast/ovarian cancer
|
BRCA1
|
17q21
|
AD
|
breast, ovarian, colon, prostate
|
BRCA2
|
13q12.3
|
|
hereditary diffuse gastric cancer
|
CDH1
|
16q22
|
AD
|
stomach cancers
|
hereditary multiple exostoses
|
EXT1
|
8q24
|
AD
|
exostoses, chondrosarcoma
|
EXT2
|
11p11-12
|
|
hereditary prostate cancer
|
HPC1
|
1q24-25
|
AD
|
prostate carcinoma
|
hereditary retinoblastoma
|
RB1
|
13q14.2
|
AD
|
retinoblastoma, osteosarcoma
|
hereditary nonpolyposis colon cancer (HNPCC)
|
MSH2
|
2p16
|
AD
|
colon, endometrial, ovarian, stomach, small bowel, ureter carcinoma
|
MLH1
|
3p21.3
|
|
MSH6
|
2p16
|
|
PMS2
|
7p22
|
|
hereditary papillary renal carcinoma
|
MET
|
7q31
|
AD
|
papillary renal tumor
|
juvenile polyposis
|
SMAD4
|
18q21
|
AD
|
gastrointestinal, pancreatic cancers
|
Li-Fraumeni
|
TP53
|
17p13.1
|
AD
|
sarcoma, breast cancer
|
multiple endocrine neoplasia type 1
|
MEN1
|
11q13
|
AD
|
parathyroid, endocrine, pancreas, and pituitary
|
multiple endocrine neoplasia type 2a
|
RET
|
10q11.2
|
AD
|
medullary thyroid carcinoma, pheochromocytoma
|
neurofibromatosis type 1
|
NF1
|
17q11.2
|
AD
|
neurofibroma, neurofibrosarcoma, brain tumor
|
neurofibromatosis type 2
|
NF2
|
22q12.2
|
AD
|
vestibular schwannoma, meningioma, spine
|
nevoid basal cell carcinoma syndrome (Gorlin's syndrome)
|
PTCH
|
9q22.3
|
AD
|
basal cell carcinoma, medulloblastoma, jaw cysts
|
tuberous sclerosis
|
TSC1
|
9q34
|
AD
|
angiofibroma, renal angiomyolipoma
|
TSC2
|
16p13.3
|
|
von Hippel–Lindau
|
VHL
|
3p25-26
|
AD
|
kidney, cerebellum, pheochromocytoma
|
- 癌遺伝子、癌抑制遺伝子
癌の危険因子
- 生活習慣病#生活習慣病などのリスクファクターを改変
[★]
- 英
- renal cell、kidney cell
- 関
- 腎臓細胞
[★]
- 英
- cell
- ラ
- cellula
- 関