- 英
- esophageal ulcer、esophageal ulceration
- ラ
- ulcus oesophagi
- 関
- 食道潰瘍形成
概念
- 食道粘膜の傷害
- 好発部位は第2狭窄部位(大動脈狭窄部:bronchoaortic constriction)である。消化性のものは中部食道に多い。
原因
- ウイルス:サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス
- 細菌:結核、梅毒
- 真菌:カンジダ(カンジダ食道炎)
- 炎症性疾患:クローン病、ベーチェット病
- 機械性:異物、器械
- 内因性:大動脈瘤、隣接臓器からの炎症の波及
- 薬剤性:薬剤(抗生剤、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、塩化カリウム、ビスホスホネート、NSAIDs、ステロイド)(食道に停留し浸透圧や酸・アルカリによる粘膜障害により生じる)
- 誤嚥性:強酸、強アルカリ、農薬、腐食性化学物質、リチウム電池
症状
診断
治療
- 原因疾患の治療
- 対症療法として、プロトンポンプ阻害薬などによる酸分泌抑制
- 胃食道逆流症に対する治療として手術も選択肢となり得る
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- Press through package 誤飲による食道潰瘍穿孔から膿胸を発症した1例
- 野竹 剛,中山 中,大野 康成,竹内 信道,辻本 和雄,伊藤 憲雄
- 日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association 71(12), 3088-3092, 2010-12-25
- NAID 10027750852
- 臨床研究・症例報告 コイン型リチウム電池誤飲により食道潰瘍を来した2例--後遺症を残さなかった1例と後遺症を残した1例
Related Links
- 食道炎、食道潰瘍。食道炎、食道潰瘍とはどんな病気か 食道炎は、何らかの要因で食道粘膜が傷害され、炎症性の変化が生じた状態です。頻度的に最も多く臨床的にも問題となるのは逆流性食道炎です。 そのほか、内服した薬剤が ...
- 食道炎、食道潰瘍の概要。食道炎は、何らかの要因で食道粘膜が傷害され、炎症性の変化が生じた状態です。頻度的に最も多く臨床的にも問題となるのは逆流性食道炎です。 そのほか、内服した薬剤が食道内に停滞することで発症する ...
- 食道炎・食道潰瘍 - 食道・胃腸の病気(食道) 食道炎・食道潰瘍の主な症状:胸やけ、つかえた感じ 食道(ショクドウ)の粘膜(ネンマク)に炎症が起こり、胸やけやしみる感じ、さらにはつかえた感じなどがあらわれる病気です。
Related Pictures





★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、10~12の問いに答えよ。
- 68歳の男性。嚥下障害を主訴に来院した。
- 現病歴 : 6か月前から胸骨後部の不快感を自覚していた。1か月前、食事中に肉片がつかえたがお茶を飲んで通過した。その後、固形物が頻回につかえるようになった。最近1か月で5kgの体重減少がみられた。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 生活歴 : 飲酒:日本酒2合/日、40年間。喫煙:30本/日、40年間。
- 現症 : 身長162cm、体重47kg。左側の頚部と鎖骨上窩とにリンパ節を触知する。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球280万、Hb9.5g/dl、白血球7,900。血清生化学所見:総蛋白5.8g/dl、アルブミン3.2g/dl、AST18単位(基準40以下)、ALT16単位(基準35以下)。入院後の食道造影写真(別冊No.4)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [097C010]←[国試_097]→[097C012]
[★]
- 73歳の女性。昨夜コップ1杯の吐血があり来院した。1年前から時々胸やけを生じている。2か月前から心房細動のためワーファリンの服用を開始しているが、それ以外の薬剤は服用していない。血液所見:赤血球412万、Hb13.8g/dl、Ht41%、白血球7,800、血小板32万。食道内視鏡写真を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [097D021]←[国試_097]→[097D023]
[★]
- 75歳の男性。健康診査の上部消化管造影で異常を指摘され来院した。
- 高血圧と慢性気管支炎とに対して外来治療中であった。上部消化管造影写真と食道内視鏡写真とを以下に示す。考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098A023]←[国試_098]→[098A025]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107F012]←[国試_107]→[107F014]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098G075]←[国試_098]→[098G077]
[★]
- 英
- abdominal pain
- 関
- PQRST、急性腹症
コアカリ診療の基本 p.107
| 心窩部
|
食道潰瘍
|
胸焼け、嚥下困難
|
| 急性胃炎
|
悪心、嘔吐を伴う
|
| 消化性潰瘍
|
空腹時悪化傾向
|
| 胃癌
|
進行しないと痛まず
|
| 虫垂炎初期
|
回盲部に圧痛
|
| 急性膵炎
|
激烈な腹痛、背部痛、膵酵素の上昇
|
| 慢性膵炎
|
不定の上腹部症状で神経症的にみえる
|
| 膵臓癌
|
浸潤すると疼痛強し
|
| 右季肋部
|
胆石症
|
右肩に放散、発作間は痛みほとんどなし
|
| 急性胆嚢炎
|
発熱、圧痛著明、肝胆道系酵素上昇
|
| 急性肝炎
|
肝腫大、鈍痛、黄疸-肝酵素著明に上昇
|
| 肝膿瘍
|
激しい発熱、叩打痛は肋骨弓部付近など
|
| 肝癌
|
鈍痛、破裂すると激しい痛み
|
| 左右側腹部
|
尿管結石
|
肋骨脊椎角の叩打痛、血尿、超音波検査で水腎症
|
| 腎盂腎炎
|
急激な発熱と叩打痛、膿尿
|
| 腎梗塞
|
時に一過性の激しい痛み、血尿
|
| 回盲部
|
虫垂炎
|
他疾患除外の目的で、超音波検査が有用
|
| 右側結腸憩室炎
|
虫垂炎との鑑別困難
|
| 回腸末端炎
|
虫垂炎との鑑別が必要
|
| クローン病
|
回盲部潰瘍をきたしやすい
|
| 大腸癌
|
右側結腸癌は腫癌を触知することが多い
|
| 左腸骨窩部
|
虚血性大腸炎
|
急激な腹痛と下血
|
| S状結腸憩室炎
|
腹痛、圧痛、発熱
|
| 急性大腸炎
|
下痢、嬬動の元進
|
| S状結腸軸捻転
|
便秘老人、鼓腸強い、内視鏡的修復
|
| 下腹部
|
子宮付属器炎
|
発熱、圧痛
|
| 卵巣嚢腫茎捻転
|
ショックに陥ることもあり、超音波検査が有用
|
| 子宮外妊娠破裂
|
急激に貧血が進行、ショックなど
|
| 生理痛
|
内膜症がある場合は強い
|
| 全体
|
腹膜炎
|
原発性、結核性、癌性など症状が微妙に異なる
|
| 潰瘍穿孔
|
腹壁防御、板状硬、緊急手術
|
| 腸間膜血栓症
|
鼓腸、腸麻痺、ショック、最も重篤
|
- 小腸疾患による腹痛は食事後20分後ぐらいから始まることが多い。(QB.A-308)
乳幼小児の腹痛
- SPE.481
- 乳幼児・学童に共通して最も多い腹痛の原因は便秘。その他は急性胃腸炎、胆道拡張症
[★]
- 関
- 食道X線検査
- バリウムを嚥下して食道の構造や運動を評価する。この目的で行う検査としては第一選択となる。
- see HIM.chapter 286
Fig 286-1(HIM)
Fig 286-2(HIM)
[★]
- 英
- Barrett ulcer, Barrett's ulcer
- 関
- バレット食道、バレット上皮、食道潰瘍
[★]
食道潰瘍、食道潰瘍形成
- 関
- esophageal ulcer
[★]
- 英
- esophageal ulceration
- 関
- 食道潰瘍
[★]
- 英
- esophagus (Z)
- 関
- 消化器系
解剖
- 正中面付近を下行してくるが、横隔膜近傍で左側に寄り、背面で胸大動脈と交叉する。
- L10椎体の高さで、食道裂孔を食道神経叢と共に通過して腹腔に入る
部位区分
- SSUR.456
生理的狭窄部 (KL.283, KH. 139)
- 第1狭窄部位:輪状軟骨狭窄部:cricopharyngeal constriction
- 切歯から15cm
- 食道の上端で、咽頭に連なる部位
- 下咽頭収縮筋が食道を囲み、輪状軟骨に付き、この筋の緊張によると考えられる
- 第2狭窄部位:大動脈狭窄部:bronchoaortic constriction
- 切歯から25cm
- 食道の中部で、大動脈弓と左気管支が交叉し、それによって圧される。つまり大動脈弓の
- 第3狭窄部位:横隔膜狭窄部:diaphragmatic constriction
運動 (SP.720)
組織
- 食道腺は粘膜筋板の下に存在する。 ← 粘膜下組織に腺があるのは食道の固有食道腺と十二指腸のブルンネル腺だけ
- 食道は横隔膜より上位では漿膜がなく、癌が周囲に浸潤しやすい
食道の上皮と上皮下の組織
|
|
|
|
層構造
|
1
|
2
|
3
|
4
|
5
|
6
|
|
|
|
|
器官
|
単層扁平上皮
|
単層立方上皮
|
単層円柱上皮
|
角化重層扁平上皮
|
非角化重層扁平上皮
|
上皮表層の構成細胞
|
粘膜固有層
|
腺の構成細胞
|
粘膜筋板
|
粘膜下組織 (大抵、粗結合組織)
|
筋層
|
漿膜(結合組織+単層扁平上皮) 外膜(結合組織のみ)
|
|
|
|
|
食道
|
|
|
|
|
○
|
|
食道噴門腺 (咽頭付近と胃付近に局在)、粘液腺
|
粘液細胞 (スムーズに食べ物を流す)
|
縱層 (縦走筋のみ)
|
固有食道腺(粘液腺、管状胞状、ペプシノーゲン、リゾチーム)
|
内輪筋層 外縱筋層 (食道上1/3:骨格筋、食道中1/3:骨格筋、平滑筋、食道下1/3:平滑筋)
|
外膜(横隔膜まで) 漿膜
|
臨床関連
- 食事の通過障害は生理的狭窄部でおこりやすい。特に第1狭窄部で異物が見られる (KH.141)
- 生理的狭窄部は癌の好発部位であり、第2,第3狭窄部位に多い (KH.141)
[★]
- 英
- ulcer
- ラ
- ulcus
- 関
- びらん
- 粘膜の損傷が粘膜筋板に達し、その筋層を貫通した場合。